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神と呼ばれた犬

古代エジプトの神々は 良く知られるものから 
細かいものまで入れると数千を越えると言われます。
山犬 または 犬の頭を持つアヌビスは死後の世界の神として比較的よく知られています。

真理をはかるラーの天秤を使い 
死者の審判の場面で 死者の罪悪をはかるのが彼の役目のようです。
墓地の守護者、ミイラつくりの神としても知られています。


「歴史の父」と言われるヘロドトスの聖獣論というのがあります。
『エジプトに暮らす あらゆる動物は聖獣として大切にされている。
すべての種類の動物にはそれに仕える 人間がつく。
彼らは動物の飼育を任務とし、この仕事は名誉職で、父から息子へと受け継がれる。
もし誰かが わざと聖獣を殺したとするとその者は死をもって罰せられる。
飼い主は犬が自然死をとげると 頭を含めて身体全体の毛剃る。
そして聖棺に入れて埋葬される』

*ヘロドトス 約2500年前 エジプト探検記ともいうべき歴史本を初めて作った人です*

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エジプト神話
アヌビスの神話の中に おもしろいものがあるので ひとつ紹介します。

アヌビスの父であるオシリスは 4人の兄弟(姉妹)がいます。

兄弟 オシリス・セト  姉妹(双子)イシス・ネフティス
オシリスの妻はイシスで セトの妻はネフティスです。
古代エジプトでは 兄弟・姉妹で結婚することは よくあることのようです。

大地の神ゲフと天空の神ヌトの間に生まれた四神の
オシリス・イシス・セト・ネフティスの中で長子であるオシリスが
エジプトの国を治めることになりました。

オシリスは人々に尊敬されていましたが 弟セトは兄の業績を妬んでいました。
セトの妻であるネフティスは 兄オシリスの子を産みたいと願い 
双子の姉イシスに変装してオシリスに近づき 彼の子アヌビスを身ごもりました。
ところが 夫セトの怒りを恐れ アヌビスを捨ててしまいます。

セトは 兄オシリスを憎み 彼を殺してしまいますが 
セトの元を逃げだしたネフティスがイシスに 全てを話しオシリスを探している時 
デルタ地方で 赤子のアヌビスをみつけアヌビスは養子としてイシスに迎えられます。

夫を殺害されたイシスは 蘇生術によってオシリスを復活させますが 
ふたたびセトによってオシリスは殺害され 
今度は身体を14に切り刻ざまれて エジプト各地にばらまかれます。


イシスはネフティスや動物・鳥の助けを得て 
オシリスの遺体を拾い集めますが 
2度の死によってオシリスは 冥界(来世)に旅立ってしまいます。
(オシリスは冥界の王と呼ばれるようになります)

オシリスの遺体が取り戻された時 薬と毒を管理するアヌビスは 
軟膏と薬を供給し遺体に防腐処理を施しました。 
オシリスのためにアヌビスが考案した葬祭儀式がその後の模範となったそうです。

イシスはオシリスの子 ホルスを出産し 
成長したホルスがセトへの復讐に成功し現世の王になったという話です。
神と呼ばれた猫

バステト神は 古代エジプトで 守護神、母なる女神として 親しまれた神です。

古代エジプトで 猫は このバステト神の化身だと言われ 大切にされていました。

雌猫の姿、雌猫(雌ライオン)の頭を持つ姿で 現わされ音楽と歓楽の神 
または 愛の女神とも言われていたようです。

他説では 夜、太陽を守るため寝ずの番をしたとも言われ月の女神だという話もあります。

バステトが 人々に愛され 人気のあった女神であることだけは確かなようです。

「神と呼ばれた犬」でも触れていますが 古代エジプトで 動物は聖獣とされ大切にされました。
猫が自然死をとげると飼い主の家族は全員 眉を剃ります。
死んだ猫は バステトの名に因んだ下エジプトの都市ブバスティスの聖廟のある場所に運ばれ 
そこで防腐処理をしてミイラにされ 埋葬されて 女神バステトに捧げられます

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神聖動物とは 守護動物という意味のようなのですが
バステト女神の神聖動物は もちろん猫だったそうです。

現在 生きている我々にも 守護動物というものがあり
それを調べてもらうと 私は アヌビス(犬)連合いはバステト(猫)でした。
犬と猫に守られているとは・・・まさに そのままの我が家です。

日本でも 猫は「守り神」とされています。
首相官邸の正面玄関にはニ体の猫の石造が置かれているそうですし 
多くの お店にある「招き猫」などは有名ですね。

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