心臓は全身の血管に絶えず血液を送るポンプの役目をしています。
心臓に血液が循環するのは 絶えず連続していて、
全身→大動脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身、
と循環します。
心臓は4つの部屋に分かれています。
4つの部屋は左右の大きな2室と左右の小さな薄い壁の2房に分かれています。
左心室は心臓全体の半分以上の容積を占め、左心室から身体中に血液を送ります。
反対側の左心房との間に房室口があり、ここに左房室弁(僧房弁)があります。
右心室は肺に血液を送る役目をしています。
右心房は大動脈から全身の血液が帰ってくるところです。
左心房は肺から肺静脈によって、酸素を充分に含んだ動脈血が帰ってくる部屋です。
心臓弁膜症は大動脈便、肺動脈便、僧帽弁、三尖弁が
閉まったり閉じたりする動きに障害が起こる病気です。
弁膜がうまく開かない状態を「-弁狭窄症」といって、
充分な血液の量を送り出せないので、脳などが酸欠となって意識が薄れてきます。
弁膜がうまく閉じない状態を「-弁閉鎖不全」といって呼吸困難になります。
加齢に伴い老犬に発生する心臓病です。
苦しそうな呼吸や咳などが特徴で、散歩中に失神して倒れてしまうこともあります。
咳という症状から『肺』を連想するように
僧帽弁閉鎖不全が原因で肺水腫が起きる可能性があります。
肺水腫が起きると呼吸が早くなり、口を開けて息をし、
唇や舌の色が紫になってチアノーゼを起こし、
四肢で立ったまま横になることができなくなります。
振るえなども起こる場合があります。
治療には利尿剤と強心剤で水分を除去し、酸素吸入などを行います。
心臓の薬は長く飲み続ける(一生)必要があります。
フォルテコール®錠
散歩や運動は控えめにして興奮させないように過ごしてください。
緊急時のために携帯酸素を用意しておくことをオススメします。
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ペコは、死の5日前に前庭疾患を起こし、
回復しないまま死の6時間前から僧帽弁閉鎖不全により咳が出はじめ肺水腫を起こし、
横なることも出来ずに立ったまま数時間を過ごした後 亡くなったのだと思います。
と言っても そう思えたのは『肺水腫』の特徴的な症状がペコの最後の姿と重なったせいで
あの最後の夜には 何がどうしたのかまったくわかりませんでした。
(この時の様子をご覧になりたい方は漫画『落日』を見てください)
病気とは不思議なもので、元々僧帽弁閉鎖不全で咳が出ていたのに
前庭疾患で倒れた時から咳がピタッと止まり、
そして口臭が多少キツかったハズなのに、
なぜかペコのクチは無臭になりました。
再び咳が出はじめたのは死ぬ6時間前からです。
身体が死に行く準備でもしているようでした。
参考文献「犬の解体新書」「犬のお医者さん」
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