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ペコの記録



がんこばばぁペコ
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ブルース・フォーグルさんの本の中で
『ペットが歳をとってくると ある時、
振り子が反対側に大きく揺れるように情勢が一変し、
飼育することが楽しみではなく、義務になる。』」という一文があります。

私は まだこの続きがあると思っています。
『義務から試練になる』と。
そして その試練を乗り越えた先に待つものはなんなんだ!!と叫びたくなります。
逃げることのできない試練、叛むくことのできない試練、
なぜ 愛しているのにこんなに苦しいのか・・愛しているから苦しいのか。。。
愛しているのに優しくできない。愛しているのに・・・
こんなに愛しているのに・・・

ペコがまだ若い頃に、この本を購入したので 
以前は この言葉の意味がよく掴めませんでした。
日々『最期を看取った』人たちを偉いと思っています。
病気や怪我で亡くすのとは違う葛藤とどう向き合ってきたのだろう。
別れの前に こんな苦痛があろうとは・・・想像なんてできなかったよ。
でも この苦痛は あたし自身が望んだものなのだ。
獣医さんに懇願した。
神に祈った。
『ペコを助けてください』と何度も何度も!!
そして その度にペコは戻ってきてくれた。
そうだなんだ。あたしが望んだ結果なんだ。
選んだことへの責任を果たさなきゃね。

2003年6月日記より


13才からの記録を取り上げてみました。
思い起こせば、漠然でしかなかった「老い」が
現実のものとして目の前に現れたのが13才からだったと思えます。

年齢 足腰 胃腸 被毛
2000年 13才


3才の頃はまだ、元気あり。ただ、便の具合が時々悪いようでした。

下の文章は2000年のものです。

2000・6月に 突然 下痢をしました。その場で吐きました。

そして ペコは そのまま倒れるように地面にヘナヘナと横たわりました。

心臓に負担がかかったためでした。その後 下痢も嘔吐も

1ヶ月以上続き ペコはまた 倒れました。

私の「戦い」はこれから 始まるのだと思っています。



年齢 足腰 胃腸 被毛 痴呆
2001年 14才 なし


この年の春に混合ワクチンを打っていますが、後に

これが最後のワクチンになりました。

コマンドの効きが悪くて、性格が頑固になってきたせいだと思っていたのは

実は耳が聞こえていなかったと気付いたのは この年です。

真後ろに立って声をかけてみますが耳が動きません。

主人に散歩に行かせて、コッソリ後をつけても風下ならわかりませんでした。

目がぼんやり見えたり臭いや振動で動きを捉えますから

耳が悪いことの確認チェックは常にするようになりました。

目はまだボンヤリ見えているようでした。

初めてシャンプーで声を上げてイヤがったのも、この年です。

初めて〜が多くなってきて、私自身が戸惑いを感じていました。


年齢 足腰 胃腸 被毛 痴呆
2002年 15才 × × なし


吐いたり寝込む日や涙目になっている日が多いことから、

この歳から混合ワクチンと狂犬病注射を打つのを

止めました。(体調を崩す危険があるため)

ノミ取りのフロントラインも止めました。

鼻しか効かないのに あの刺激臭をヒドクいやがったためと

身体に合わないようで滴下部分が脱毛してしまうため。

この年 シャンプーをしていたらお風呂場で倒れて意識を失いました。

音にまったく反応しなくなりました。

この年の後半は倒れたり歩けなかったりで、ほとんど獣医さん通いが

年末まで続いていました。

年齢 足腰 胃腸 被毛 痴呆
2003年 16才 × × × × なし


目は白内障で白く濁っていますが、明暗だけはわかるようです。

目の前を通り過ぎる物体に過剰反応をするようになりました。

見えないせいで距離感が把握できないせいだと思われます。


前半4月までは腰や関節が痛いのか立とうとすると悲鳴を上げて、
毎月痛み止めを打って
いました。
立ち上がると今度は自分で座ることができません。

痛さのあまり眠ることができないようで、
24時間まったく眠らない日や
立ったままウトウトと眠ることがシバシバでした。

こんなことが長く続いたために副腎皮質ホルモンを注射したり服用したりが続いた結果、

4月の中旬あたりから下痢がはじまりました。

この下痢が まさか4ヶ月も続くとは思いませんでした。

下痢をし嘔吐をし、そのまま意識を失うことが2度ありました。

夏の終わりから尿が近くなりました。ほぼ3時間おきくらいにシッコ催促をします。

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秋になっても結局ペコの下痢は続いていました。
ただ、時々固まりがあって、でもそれも一週間と続かずペコの体重は落ちていきました。


どこかで「老犬介護は一進一退」と読みましたが、これはすこし違うと思います。
10歩くらい下がって1歩進むという感じです。
下がった分を取り戻せないまま、また10歩下がる。
そんな風にして、だんだん体力がなくなっていきます。

いよいよ寒い季節になっても、やっぱりペコの下痢は続いていました。
散歩も支えながら歩かせることもありました。

ペコに残された機能は鼻だけでしたが、
この鼻が元気なために日々の生活は、助かることが多かったと思います。
歯は一本も抜けていませんでしたが口臭はキツかったです。


年齢 足腰 胃腸 被毛 痴呆
2004年 16才11ヶ月 × × × × × なし


年が明けて、ペコは急激に衰えました。
それは目に見えてというか・・
遠くない未来を予測させるほどに 私を焦らせました。
1月は不安で過ごしました。
1月最後の夜から胸騒ぎがして、2月1日未明 ペコは倒れて、
2月6日 午前6時5分 旅立ちました。

ペコは痴呆にはなりませんでしたので、痴呆の薬は一度も使うことはありませんでした。

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