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『天使の黄昏』あとがき

漫画を読んでくださって ありがとうございました。

まだ二十歳前のある日、私は夕刻の砂浜に一人ぼっちで座っていました。

生きる苦しみとこの世を見捨てる勇気を秤にかけて、
傾いていく太陽に心を重ねていた時 
見知らぬ犬連れの女性に『今 何時ですか?』話し掛けられました。
犬は私が子供の頃に死んでしまった『エル』にソックリで(ペコを鼻黒にしたような)
思わず笑顔がこぼれてしまったことを よく覚えています。


無駄話をすこしした後 
彼女に『帰りなさい。待っている人がいるでしょう』と言われて、
私は彼女と犬に見送られて砂浜を後にしましたが、
実際には当時の私に待っている人など誰一人いませんでした。


ですがその後 友人ができ、主人と出会い結婚しペコに出会いました。
もしもあの時の『待っている』という言葉がそれを示すものなら『未来』で待っている人、
先の出会いのことも含まれるような気がしています。


この漫画の『未来』とは その意味ともうひとつには『天国』の意味のふたつを持っています。

ペコの一周忌を過ぎて私が感じた虚しさが、心だけあの日の海に運んでいきました。

ですからこの話は半分事実で半分創作です。
ちなみに出演していた『チロちゃん』は 主人の実家で昔飼われていた犬の名前です。

これを読んだ貴方が『未来』で待っている命に出会えますように、
そして私が『未来』で出会えますように・・・そんな願いを込めた作品です。

わかりにくい部分も多かったと思いますが、
この『あとがき』を含めて 最後まで読んでくださって どうもありがとうございました。

貴方と、貴方の出会う未来の命と そしてペコに愛を込めて。。。


2005年4月13日
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