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血液検査と犬の基準値


血液検査には 3種類あります。

(1)一般検査・・・赤血球・白血球・血小板の「数」「量」を調べます。

(2)生化学検査・・・各臓器の機能異常を調べます。

(3)寄生虫検査・・・フィラリアや赤血球内のバベシア原虫の有無を調べます。

※基準値は目安と考えてください。

それぞれ個人差があり 医療機関や測定法により異なる場合があります。

柔軟性を持ってとらえる必要があります。

  基準値 単位  
白血球数 3.4〜13.5 千/ul

白血球には
好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球があり

全体の数や割合を調べることにより
細菌感染かウイルス感染か

白血病かなどが わかります。
赤血球数 543〜835 万/ul  
ヘモグロビン 12.0〜19.4 g/dl 血色素(血の赤さのもと)を調べる
ヘマトクリット値 35.5〜56.7 赤血球容積の割合です。
血小板 10〜45 万/ul 血小板は出血を防いだり 止血の働きをしています。
GOT 15〜50 IU/l アルカリフォスファターゼ
GPT 12〜65 IU/l グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミラーゼ
ALP 30〜289 IU/l グルタミン酸ピルビン酸トランスアミラーゼ
LDH 30〜360 IU/l

乳酸脱水素酵素

GOT GPT ALP LDHは肝臓の検査です。
アミラーゼ 320〜1200 IU/l (糖質を分解する酵素)膵臓の検査です。
リパーゼ   U/l (脂肪を分解する酵素)膵臓の検査です。
総ビリルビン 0〜0.5 mg/dl 肝臓の検査です。
総コレステロール 98〜240 mg/dl

コレステロールは脂肪の一種で
いくつかのタイプがあるため

それを合わせたものを総コレステロールと言います。

総蛋白(TP)

トータルプロテイン

5.4〜7.7 g/dl

血液中には 
アルブミンとグロブリンというふたつの蛋白質が

含まれていてそれを合わせて「総蛋白」と言います。

尿素窒素(BUN) 5〜27 mg/dl 腎臓の検査です。
クレアチニン 0.7〜1.5 mg/dl 腎臓の検査です。
ナトリウム 143〜158 mEq/l 電解質の検査です。
カリウム 2.5〜5.1 mEq/l 電解質の検査です。
カルシウム 9.2〜12.2 mg/dl 電解質の検査です。
クロール 105〜118 mEg/l  
無機燐 1.0〜5.9 mg/dl  
A/G比    

蛋白質の成分は
アルブミン(A)とグロブリン(G)なのでA/G比とは

その割合を調べる検査です。
これは蛋白分画で調べられます。

       
       
       
       
       

 

考えられる おもな病気と症状

  増加 低下
白血球数 細菌性感染症・ストレス・興奮・白血病 ウイルス性感染症
赤血球数 脱水・肺疾患・多血症 貧血・腎臓病・骨髄疾患
ヘモグロビン 脱水・多血症 貧血
ヘマトクリット値 脱水・多血症 貧血
血小板 脱水・多血症・骨髄疾患・白血病 自己免疫疾患・
GOT 肝疾患・筋炎・心疾患  
GPT 肝疾患・甲状腺機能低下症  
ALP 肝疾患・胆管閉鎖・骨疾患  
LDH 肝障害・心疾患・筋疾患・白血病  
アミラーゼ 膵炎 糖尿病
リパーゼ    
総ビリルビン 溶血・胆管閉鎖・肝細胞障害  
総コレステロール

甲状腺機能低下症・糖尿病

高コレステロール血症(高脂血症)

呼吸不良・栄養障害・肝硬変
総蛋白 脱水・感染 栄養不良・肝疾患・腎疾患
尿素窒素

脱水・うっ血性心不全・腎疾患

消化管出血

 
クレアチニン 腎疾患・尿路の閉鎖  
ナトリウム 脱水・利尿剤

吸収不良・重篤な下痢・嘔吐

うっ血性心不全・慢性腎不全

カリウム 腎疾患・副腎機能低下症

副腎機能亢進症・利尿剤

長期の嘔吐・下痢

カルシウム

腎疾患・ビタミンD過剰・骨腫瘍・感染

上皮小体機能亢進症

泌乳過剰・膵疾患・骨軟化症

吸収不良・くる病

クロール 副腎機能亢進症・尿閉・脱水 持続性嘔吐・下痢・慢性腎炎
無機燐

栄養性二次性上皮小体機能亢進症

腎不全・ビタミンD過剰

摂取量の不足・くる病

一次性上皮小体機能亢進症