私は獣医ではありません。この内容は参考程度に留め
獣医さんで正確な検査、診断、治療を受けてください。
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尿疾患・尿検査

尿というものは もともと腎臓で 大量に作られています。
その量はオシッコとして出てくる量の100倍ほどあります。
この最初に作られるオシッコのもとを原尿と言いますが 
通常はバゾプレッシンの働きで この原尿を「再吸収」します。
その結果オシッコができあがります。

原尿には糖分や塩分を始め必要なものも含まれているので、
オシッコとして流してしまうと身体全体が干からびてしまいます。
再吸収とは身体に必要な塩類を水分と一緒に再び血中に取り入れることです。

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腎臓は血液の老廃物を取り除き、
尿として体外に出すことによって血液をきれいにします。


尿は尿管を通って膀胱に一時貯えられ、
いっぱいになった時 尿道から排出されます。


尿道はオスでは細く長く、メスでは太く短く、
膀胱の出口には意思とは無関係に膀胱から尿を排出する内括約筋と 
思った時に尿を排出できる外括約筋があります。


頻尿やおもらしは猫より犬に、オスよりメスに多いです。
おもらしには様々な要因があげられていますが、
年をとることで腎臓の濾過機能が衰え薬の副作用がおきやすくなり、
膀胱や尿道の筋肉が衰えるので尿をためづらく、漏れやすくなります。


頻尿・おもらしは避妊手術経験のあるメス犬にも多くみられるようですし、
おもらしをする子の多くは腰痛を持っている場合も多いようですから、
西洋医学、東洋医学両方からの治療や予防をしていかれるといいと思います。

必要な水分摂取量は体重1kgあたり40〜100ml

健康な犬の尿量は体重10kgで200〜400ml


大型犬で一日1リットル前後、小型犬で100ml前後だそうですが
実際のところ尿量を正確に測ることは難しいと思います。
ただ観察はしていないと病気の早期発見はできなくなります。


一般に犬は何時間でも我慢できるという風に思われていますが、
それ故の尿疾患が多いこともまた事実だと思います。

常に排尿我慢を強いていると膀胱の筋肉は伸びて収縮力を失い
膀胱粘膜の病原菌に対して抵抗力を失い泌尿器疾患を招く結果になります。
できるだけ排尿を我慢をさせないような環境を作ることも
病気予防につながると思います。

『今日は水を沢山飲んだな』と思われた時には
散歩の時間でなくても1回多く連れ出してみてください。




尿検査
基準値 基準値
水を沢山飲むと無色透明になる 黄色
比重

1.04以上で糖尿病の疑い

1.008〜1.012慢性腎炎

1.008以下で尿崩症
1.015〜1.045
細菌
pH アルカ性リになると細菌感染 5〜6弱酸性
蛋白質 異常があれば陽性のタンパク尿が検出
尿糖

(+)は異常

糖尿病診断
(ー)
ケトン体 (+)は異常 (ー)
ビリルビン 黄疸でビリルビン検出される (ー)
潜血 腎盂炎、急性腎炎、外傷、腫瘍、結石、梗塞、膀胱炎

沈査

(尿沈殿物検査法)
遠心分離、静置した沈殿物を顕微鏡で見る検査


【pH(ペーハー)について】

pH(ペーハー)とは、水素イオン濃度のことで、酸性やアルカリ性にどれだけ傾いているかを表します。
尿のpHは弱酸性(人間で7)で尿管結石の形成に大きく影響します。
人間の尿比重は1・010〜 1・025でこれが高い場合は飲水量が少ないことを示唆されます。


尿ph試験紙(100枚 880円)


『わんわんチェッカー』 という愛犬用郵送検診キットという商品があります。
価格 は 4,935円
箱の中に入っている尿容器に尿を少量採取し郵送します。 
検査内容は 尿中の糖・たん白・潜血・PH・比重を調べます。
同じく箱の中にある便容器に便を少量採取し郵送すると便中の寄生虫を調べてもらえます。

値段のことを考えると獣医さんに行って健康診断を受けられた方がいいような気もいたしますが、
なかなか獣医さんに連れて行くことができない人もいるかもしれませんから 
そういう飼い主さんにはオススメですね。

詳しいお話を知りたい方は『わんわんチェッカー』で検索してください。


同時に起こる症状 考えられる病気 緊急
頻尿、血尿、濁尿 膀胱炎
血尿、尿減少 尿結石
無尿、乏尿、嘔吐 尿毒症
多飲多尿 尿崩症
食欲不振、嘔吐、下痢 肝炎
血色素尿 フィラリア、タマネギ中毒
糖尿病

参考文献『犬の解体新書』

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