尿漏れについて
尿漏れは避妊済みメスに多くみられると
尿疾患のページで書きましたが、
もちろんオスにもあります。
尿漏れは非常に複雑で
・レントゲン検査(背骨の骨折等)
・血液検査
・尿検査(尿路感染等)
・造影検査(異所性尿管や腎臓、尿道、膀胱などの構造の把握)
・神経学的検査
等各種検査をした上で判断をしなければならないために、
その究明にも時間がかかり、これらを検査した上で
診断し治療が行われます。
●老化によるもの
→高齢で膀胱や尿道の筋肉が衰え、尿をためづらく、漏れやすくなる。
●メスで避妊手術をしている場合
→女性ホルモンで改善する場合がある。
人間の子宮手術の場合にも同様の尿漏れは多く、
現在ではコラーゲン治療といってコラーゲンを
尿道のまわりに入れる手術をされている人もいるようです。
●オスで前立腺手術をしている場合
→前立腺は尿道のもっとも膀胱に近い位置にあり、
尿道を取り囲むようにあるため手術することにより、
しまりが悪くなり漏れ出てしまう場合がある。
これは動物に限らず、人での手術でもそういうことはあるみたいです。
●オスで去勢手術をしていない老犬の場合
→老化によりホルモンのバランスが崩れ、
前立腺の病気の可能性もあります。
頻尿、血尿、お漏らし、便秘等がある場合は老化だと思うより、
獣医さんで早急に検査を受けてください。
●尿道に異常がある場合
(炎症、腫瘍などで尿道が詰ったり、狭窄がある)
→排尿時にしっかり尿を出し切っていない場合と
何らかの異常でオシッコが出にくい場合は、
リキみすぎて尿が漏れることがある。
これは排尿後に膀胱を触って尿がまだ大量に残ってるようだと疑いがあります。
●神経的に異常がある場合
(脳または脊椎の神経に異常)
→神経学的検査が必要
●尿道・膀胱の構造的な異常
(この場合は先天性のもの)
→生まれつきな異常なので突然異常が出ることはありえない。
●突発性
→検査しても どこにも異常がなく原因不明
ペコは1才前には避妊手術をしました。
尿漏れに気がついたのは術後半年近くたってからだったような気がします。
年齢が若いのでしつけの問題なのか?と悩んだり、
ペコを叱ったり、尿漏れを
ペコ自身がコントロールできないとわかるまでは可哀想なことをしてしまいました。
1989年あたりですから、まだまだそういう情報がまったくありませんでしたが、
PCが世の中に普及してきた1995年あたりから、
ペコと同じように避妊済みのメスで尿漏れが多いことを知りました。
同じような症例があっても多くの獣医さんがこの件について
当時は否定的(手術の影響はない)でしたが
現在では 尿漏れについてちゃんと説明していただける時代になりましたね。
『今』わからないことも きっと数年先には解明されていることでしょう。
オシッコを漏らして ものすごく申し訳なさそうな顔で、
伏目がちに小さくなっていたペコを思い出します。
他のページにも書いてありますが、
我が家では私がペコと同じベットや布団で寝ていたので
敷物には動物用のペットシーツではなく、人間の赤ちゃん用『おねしょシーツ』を敷いていました。
これは肌触りがとても柔らかくて、洗濯して何度も使えます。
おねしょをしても叱らないで すぐに新しいシーツに取り替えて楽しい生活が続くといいですね。
参考文献『犬の解体新書』
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