本文へジャンプ
看護、介護人として


獣医さんは あくまで 病気を治す手助けをしてくださるだけです。
犬にとって 安心できる あなたの手が 一番の薬になることでしょう。
あなたの不安は犬にも伝染します。

まず あなたが 落ち着きリラックスすることで 
余裕を持ちながら 看護・介護に当たれるよう努めてください。

たとえ家族が多い場合でも、老犬の介護は決まった人が行う方がよろしいようです。
慣れた人でなければ、すこしの変化を見逃してしまいます。

line.gif

老犬がいても家族構成や生活環境によって その「苦労・心労」はさまざまです。


家族が多ければ介護の手も増えますし、一人が担当する時間も短くなるでしょうが、
お一人で24時間ピッタリ介護している人や仕事をしながら介護をしている人、
集合住宅で介護をしている人がいたら それは個人差はあれ負担は少なくないでしょう。


お恥ずかしい話ですが 私自身、気持ちが不安定で 
ある日獣医さんに介護の辛さを切々と訴えてしまいました。
お門違いかとも思えますが意外にもちゃんと耳を傾けていただけたことに感謝しています。

そして「何かあったらいつでも連絡ください」とおっしゃってくださって 
その後なにかと獣医さんの方から「いかがですか?」と電話をくださるようになりました。
不安で仕方ない時など どれほど心強いことでしょう。


私のように弱い飼い主は他にはいらっしゃらいかもしれませんが 
もし 同じような人がいたらどうか周りにSOSをしてください。


高齢化に伴い、保健所等に持ち込まれる老犬の数も増えているという記事を読みました。
年老いていくのは犬ばかりではなく、犬と共に貴方も歳を重ねていますから、
どうしても介護ができない状態になりましても、共倒れはしないでください。
貴方あっての犬の命です。どちらも大切ですが、
貴方には他に貴方を心配する方が見守っていらっしゃるでしょうから、
その方たちまで不幸にすることはありません。

高齢犬の暮らし方で
『どんな別れ方をしても悔いは残るものでしょうが、
それでも やるべきことをやり、責任を果たすことで大きく違うと思えます。』と書きましたが 
これが実は犬の尊厳を無視した自己満足のためのものだと思っています。

宗教上の違いや教育の違いなどもあるのかもしれませんが、
日本人は「安楽死」に対して欧米と比べて否定的だと私は感じています。

実際欧米では 飼い主とコミニュケーションをとれなくなり、
ある程度の手を施した後には「介護」ではなく「安楽死」を選ぶ飼い主さんが多いようです。



大好きなブルース・フォーグルさんの本から一節をお借りします。


老いにつける薬はないし、老いるのは当たり前のことである。

だが飼い主はペットの寿命が近づくといろいろな理由から非常に苦しむ。


辛い思いをしているのではないか、
生活を楽しめずにいるのではないか、
最愛の友を失いたくないと、
様々な思いにかられてしまう。


だが、ペットは死を恐れてはいない。
人間と違い、動物は死を恐れることなどないのである。


ついにハニーは私の助けを借りて他界した。
苦しむことなく、恐れを抱くこともなく長い眠りに落ちていった。

飼い主だけが辛い思いをしたのである


おそらくこれがペットに対する欧米の一般的な感覚なのかもしれません。
飼い主が辛い思いをすればいいのです。
そのために飼い主はいるのですから。
でも大切な愛犬に辛い思いをさせちゃいけないんですよね。


taihome.gif