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ペコの心理学

 

●犬の性格について

みなさんは 愛する犬の性格を どのくらい理解していると思われますか?

例えば 他の犬とケンカをすることは その犬の自己防衛心理の闘争心であると

簡単に理解できますが 犬が 身体をなでられることを嫌うなどのことが闘争心と

結びつくとは 大抵思いもよりません。

ペコを例にとって 犬の自己防衛心理・逃避について 考えてみます。

経験したことのない状況から 逃げようとしますか?
状況が手におえなくなると飼い主の後ろに隠れますか?
体験したことのない状況に対して 恐怖心を示しますか?
不安になると震えたり 鳴き出したりしますか?
叱られると 伏せてにじる寄ったり 腹を出したりしますか? ×
呼ばれても飼い主のすぐそばまで来るのをためらいますか?
ブラッシング中にじっと立っていることが苦手ですか? ×
見知らぬ人間に見下ろされると身を縮めますか? ×
あいさつの時に排尿をしてしまいますか? ×
10 追い詰められると噛みつきますか? ×


この表から 読み取れることは ペコは「臆病」であるということです。

この場合 厳しい口調やリードを強く引くなどの訓練は 逆効果になるにもかかわらず

当初 私は 1年近く これをしてしまいました。ペコの性格を無視しての「しつけ・訓練」は

ペコを よけい「臆病」で「自信のない」犬にしていきました。そこで・・・

ある時から 接し方を変えていきます。ペコの前では 笑顔でいられるように努め 誉めて

呼びよせる時は 座り 優しく 静かに 短く 命令を出すようにしました。

知らないことが恐怖心につながるので ペコを あらゆる場所へ連れて行きました。

人の集まる場所 交通量の多い場所 犬の集まる場所 大きな音のする場所

経験をさせることで ペコの「臆病」な部分をカバーしようと努力しました。

 

次に ペコの自己防衛心理・闘争をみてみましょう。

逃げずに見なれない物や不思議な音を探ろうとしますか?
綱引きゲーム(ひっぱりっこ)をしたがったり 勝ちたがりますか?
太い声で吠えたり 唸ったりしますか? ×
自分の縄張りを守ろうとしますか? ×
食餌やおもちゃを守りますか? ×
なでられるのを嫌いますか? ×
飼い主を守ろうとしますか? ×
ブラッシングやお風呂を嫌いますか? ×
他の犬とケンカをしますか? ×
10 幼年期に他の犬にいじめられましたか? ×


ペコの闘争心理は あまり強いものではありません。

勇敢でもなければ 相手をにらみつけたり 毛を逆立てることもありません。

ペコの闘争心理が強ければ 衝動制御のための対策が必要だったことでしょう。

闘争心理は支配的な攻激行動にも繋がるそうです。

 

次にペコの集団心理を見てみましょう。

他の犬と仲良くできますか?
人間と仲良くできますか?
ひとりでおかれると吠えますか? ×
なでられることを催促しますか または飼い主に身体をこすりつけたりしますか?
ブラッシングを嫌がりませんか?
飼い主と目をあわせたがりますか?
影のように飼い主についてまわりますか?
他の犬と遊ぶのが好きですか?
人にあいさつする時にとびつきますか? ×
10 他の犬に求愛行動をしたりマウンテェングをしたり性的な行動をみせますか? ×


ペコは集団の一員として生活することに 適しています。

小さな子供さんから 年老いた方まで ペコは なでられることが好きですから

心して なでていただけます。その間 ペコは 身動きせず じっとしていられます。

 

最後に 捕食についての行動です。

地面や空気中のニオイをかぎますか?
自転車などの動く物体に興奮しますか? ×
猫・他の犬 草むらの他の生物に忍び寄ったりしますか?
興奮するとかん高い声で吠えますか? ×
おもちゃに「跳びつく」ようにして遊びますか? ×
おもちゃを振り回して「殺す」遊びをしますか?
食物やゴミなどを盗みだしますか? ×
物を「持って歩く」のが好きですか?
食餌をガツガツと急いで食べますか?
10 穴を掘って物を埋めますか?

ペコは 物を運ぶのが得意です。遠隔操作などもできます。高い声でペコを興奮させ

同じように 楽しみながら おしえてきたことでしたが

これが 「捕食行動」と繋がりがあったことは 最近まで 気付きませんでした(^^;)

捕食行動は 攻撃的な行動でもあります。

私は なによりも優先してペコに「ストップ」をおしえました。何をしていても どこにいても

私が 「ストップ」と命令すれば止まるように この訓練だけは 毎日の散歩の中に

かならず五分程度 入れてきました。そうすることにより 捕食の攻撃行動は

事前に止めることができました。

 

●捕食行動は獲物を食べる・殺すなどの原因となる衝動

●群集心理は社会生活を営む集団の一員としての行動

●自己防衛(闘争)(逃避)は 1〜2歳になるまで出現しないそうですが 
早期にその兆候を
つかむことが大切なようです。


そうするために 犬がどの衝動・行動を苦手とし得意としているか 
把握しておく必要が
ありわけです。
しかし これは ほんの一部分にしか すぎません。全てではありません。

実際 犬たちは もっと複雑なものです。
転位行動と言われるものも 一見すれば
ただの性的マウンティングに見えますが 
これは犬が動揺し 興奮した状態でも見られます。

ですから みなさんには これを情報の一部とし応用し再構築していただきたいのです。

犬を散歩をしておられる人の中には リードをしていても 携帯のメールをしていたり

他の人と話をしていたり 目線が 目の前の犬に向けられていない方をよく目にします。

室内・室外どちらの犬にとっても 散歩の時間は 
社会性を身につけ その行動のひとつひとつの
サインを読み取ることで 
理解が深まります。リードではなく 心で 犬と繋がりたいものです。


獣医さん・訓練士さん・看護士さん・しつけインストラクター・保健所の犬の担当の方

本やネット できるだけ沢山の情報を集め それをそのまま犬に当てはめるのではなく

御自分の中で 応用させ、分解し、新たに作りなおして、犬と向かい合ってほしいと思います。

注)保健所の犬の担当の方の中には 「訓練」にかなり力を入れられている方も

らっしゃいます。気軽に相談されてみるのも いいと思います。

 

長年ペコに 物をおしえることは 私自身の喜びになっていました。

私は この先ペコ以外の犬と暮らすことを考えてはいません。

彼女が 私の「最後の犬」です。そして 私の「最高の犬」です。

 

         *上の表は「テリー先生のしつけ方教室」を参考にさせていただいています。