立正大学社会福祉学部社会福祉学科


公的扶助論T・U

2年生以上


【授業の目的】
<公的扶助論T>1期
失業や低賃金、不安定就労などによる貧困の問題が拡大しています。貧困問題は、子ども、女性、若者、障害者、高齢者など幅広い層の人々が直面する問題であり、無年金、多重債務、住居喪失(ホームレス)、犯罪、売春(援助交際)といった問題にも深くかかわっています。この授業では、こうした貧困状態にある人々への理解を深め、その暮らしぶりや困窮の実態を理解していきます。。

<公的扶助論U>2期
貧困に対応する公的扶助制度(貧困・低所得者支援の仕組みや実践)の現状と課題について理解を深めます。具体的には生活保護制度を中心とし、それを運用する福祉事務所等の相談機関や生活保護施設・宿泊所、それらで働くソーシャルワーカーの現状と課題等について学びます。


【授業計画】
<公的扶助論T>1期
【第1回】貧困とはどのようなことか(導入)
【第2回】貧困の理解1:家がない(ホームレス)
【第3回】貧困の理解2:学校に行けない(子どもの貧困)
【第4回】貧困の理解3:売春・援助交際、DV(女性の貧困)
【第5回】貧困の理解4:借金・多重債務
【第6回】貧困の理解5:働けない(病気・障害)
【第7回】貧困の理解6:働いても貧困(ワーキングプア)
【第8回】貧困の理解7:犯罪と貧困
【第9回】貧困の理解8:貧富の棲み分け・スラム
【第10回】貧困の理論1:絶対的貧困
【第11回】貧困の理論2:相対的剥奪
【第12回】貧困の理論3:社会的排除/貧困の政治
【第13回】社会は貧困をどう見ているか:貧困観
【第14回】貧困者の声
【第15回】貧困とたたかう:搾取と抑圧からの解放

<公的扶助論U>2期
【第1回】いま公的扶助はどうなっているのか
【第2回】政府が貧者を助ける理由:公的扶助の理念
【第3回】公的扶助という名の貧者の管理:歴史1・海外
【第4回】公的扶助という名の貧者の管理:歴史2・日本
【第5回】公的扶助は「恥」なのか:社会保障のなかの公的扶助
【第6回】生活保護はどのような制度か1:原理・原則
【第7回】生活保護はどのような制度か2:種類・内容
【第8回】生活保護はどのような制度か3:受給動向
【第9回】生活保護はどのような制度か4:財源・改革動向
【第10回】福祉事務所1:設置基準・組織
【第11回】福祉事務所2:ケースワーカーの業務
【第12回】地域に広がる支援1:保護施設・宿泊所
【第13回】地域に広がる支援2:就労支援・学習支援
【第14回】地域に広がる支援3:生活困窮者自立支援
【第15回】貧困者を生まない社会をつくる


【成績評価の方法】
<公的扶助論T>1期
e-learning(webclass)によって、くり返し実施できるテスト(100%)で評価します。
<公的扶助論U>2期
e-learning(webclass)によるテスト(50%)と、学期末のテスト(社会福祉士国家試験と同じ選択式問題)(50%)で評価します。


【教科書】
・金子充『入門 貧困論 ―ささえあう/たすけあう社会をつくるために』(明石書店)

【参考図書】
・みわよしこ『生活保護リアル』日本評論社
・稲葉剛『生活保護から考える』岩波新書
・雨宮処凛『14歳からわかる生活保護』河出書房新社
・埋橋孝文『生活保護(福祉+α)』ミネルヴァ書房
・森川すいめい『漂流老人ホームレス社会』朝日新聞出版
・ルース・リスター著、松本伊智朗監訳『貧困とはなにか 概念・言説・ポリティクス』明石書店
・『新・社会福祉士養成講座・第16巻:低所得者に対する支援と生活保護制度』中央法規


*配布資料は Web Class からダウンロードできます。(受講者のみ)


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