礼 文 母 布 草
稚内から船で2時間の礼文島で、2015最北フラワーマラ
ソンが開催された。標高500mのこの島には礼文母布草などの清楚で気高い高山植物が、登山しなくても身近に見られる。
郷土資料館(ピスカ21)前を9時スタート。総勢300名余。親子ペア、地元の小学生もいる。10qコースの選手たちが出発した3分後、我々5qコースの選手が出発した。快調にスタートを切ったにもかかわらず、私はどんどん追い抜かれた。
1qも走らないうちに私の後ろには数名しかいなかった。目の前の走者が疲れている様子だ。「よし、追い抜いてやろう」とスピードを上げた。やっとの思いで追い抜いて気分良かったが、後が大変だった。彼は追い抜かれて発奮したのか、私に迫ってくる。「抜かれてなるものか」と足を速める。「オー、差が開いた」とスピードを緩めた途端にまた迫ってくる。最後尾付近でのデッドヒートだ。自分が必死なら相手も必死だ。相手は遂に諦めたようで、後ろに気配を感じなくなった。
かなり前を走っていた私と同年輩の走者が、沿道の人に自分のカメラを差し出して写真を撮ってくれと頼んでいる。リュックを背負い、三脚を持ち、パフォーマンスをしながら楽しげに走っている。写真を撮ってもらう毎に自分との距離は縮まる。ついに追い抜いたが、彼は余裕があったようだ。ゴールは目前。スピードを上げ、綱で分けられたゴールへの直線コースに入った。このコースは1人しか走れない。焦った彼は隣のコースを猛然と走り、ゴール1m前で私の前に割り込んできた。なんと無礼な。上品さをわきまえていればこんなことはしないだろうにと思った。自分も頑張り過ぎてゴール後に気分が悪くなり、ゲロしてしまったが。
久しぶりに全力を出して頑張ってしまった。練習では苦しくなるとすぐスピードを落とし、休んでしまうが、マラソン大会となると話は違う。5qをノンストップで走ったのは初めてだし、追い抜いたのも初めて。気分悪くなったのも初めて。独特の雰囲気の中で完走でき、気分爽快であった。最後に追い抜かれたのが悔やまれる。
レブンアツモリソウ