う)

 

    

 

 昨年(平成二六年一一月)に無事古希を迎えました。無事というのは、この歳になると周りに彼岸に旅立つ知己が出始めてきました。現にO組の名簿をみても残念ながら何人の方の名前を目にします。

六十代には気にも掛けなかった齢(或いは余命)、此岸こだわるつもりもないものの彼岸が考える頭をよぎるようになったのは七十に手が届いたせいでしょうか。昨年のクラス会に参加できず皆さんがどう考えているかお聞きできませんでしたが如何ですか。

二十代に学校を出、がむしゃらに働き(現代に比べ働けばそれに見合うものを手にできた良き時代でしたが)、子育てもほぼを終えてホッとした六十過ぎでした。約四十年間の会社生活で北は山形から西は伊勢まで八回ほどの転勤。今となればその地方その土地が思い出深いものとなっています。一方でこの間家族を帯同したことで、引っ越し・転校と家族には辛い思いもさせたとの思いもあります。 

六十代前半に仕事から解放され、これから如何に時間を使おうかと心ときめいたものですが、定年後の一・二年は一日を無為に過ごしたものです。やはり会社生活四〇年という歳月が私を会社人間にしていたのでしょう。

終わりの分らない限られた時間をどう使うか色々と手を染めるなか辿り着いたのがスキューバダイビングとゴルフ、そして家庭菜園でした。生来人付き合いが下手なせいか、自己完結型の趣味が自分には向いていたようです。

スキューバダイブは中学生の頃観た映画「海底2万哩」に感化され、海の中を自由に泳ぎ回るという日々の生活では味わえない非日常の世界に憧れて、十四年前にライセンスを取り退職後本格的に取組み、五十本ほど潜ってきました。更に腕を磨こうとした矢先の三年前に体調を壊しダイビング内容を制限せざるを得なくなりました。

このスポーツは比較的他人との係りが少なくやれますが、かと言ってインストラクターや一緒に潜る家内との連携は欠かせません。ひとつ間違えると海面を通り越して天国まで浮上してしまうので独りよ

がりは「くわばらくわばら」です。

ゴルフは入社二・三年後から楽しんできましたがこれも自分のペースでできることからはまりました。健康管理にも良いとスクールに入り基本からやり直しました。そしてスコアーの目標を持つことで練習にも熱が入り、真面目に取組んだご褒美にとコンペのたまの好成績が更なる励みとなっています。今目指すところはエージシュート(自分の年齢より少ないスコアーで回ること)ですが、かなりハイレベルのため当分画餅となりそうですが、ただ黙々とやることが身体に良いと割切ってスクールに通いコースに出ています。

最後は家庭菜園ですが、これも身体に良いと家から一〇分位のところに畑を一五坪ほど借りて野菜作りにいそしんでいます。長年苦しんでいた腰痛も出ずまた糖尿病や肥満解消(?)にも効果があり、今はやりのサプリいらずで過ごしています。             

作り始めて十六年、年々要領も分かり最盛期の夏場には十種類、冬野菜でも五・六種類ほどを作れるようになりました。

ところで林さんの言われるように ( 平成二十四年十

 

月 クラスメイトの近況)野菜作りは自然が相手なので教本に倣っても思うようにできないのが現実です。それでも少しずつボケ始めた頭を使うことで、それなりの作物ができ収穫の喜びや家族ご近所へのおすそ分けで悦に入ってます。無農薬は健康にも味でも一番ではないでしょうか。

 こうして残された時間(?)を楽しむため常に体調と相談しながらやっています。と言うのも三年前の病気があるからです。好きなことでも身体と相談しながらやることが長続きの秘訣でありそれがまた残された時間を長くすることに繋がると思います。そう、「人間万事塞翁が馬」と思えてなりま

せん。