文  化 東京港区 中国語サークル 北京倶楽部

一一向前冲
★★★★☆

2010年放映の若者向け励志+恋愛ドラマ。
南方の普通話なせいか、日本人には台詞が聞きやすく感じられます。
会話や言葉も現代的で、比較的簡単。語学の学習にも最適です。

80后をターゲットにした今時の中国ドラマですから「頑張れば頑張っただけ、未来が拓ける」式内容で、暗い気持ちにならずに流せます。

コンセプト的には、男性主人公曹砚霍建华)の母親が言う次の言葉に集約されています。

路是人走出来的,又不是现成的,前面要是无路可走了呢。」
(目の前に道がなくたって、道なんてそもそも人が歩いたあとに出来るものなのよ。出来合いの道なんてあるわけないじゃない。)

还在犹豫就好比是丢了个东西,心里老惦记它你要不呢,就回头去捡起来, 要不就忘了它, 往前走不然的话, 你永远原地踏步。」
(まだ迷ってるのは、落しモノのことを心の中でまだ気にしてるようなものね。それであなたは拾いに戻るの?それとも、そんなモノ忘れて前に進むつもりなの?どっちかにしないと、あなたはいつまでたっても、そこで足踏みしてるだけで前には進めないのよ。)

説教臭い、やる気満々の台詞を少し我慢すれば、なかなか実践的な教材になります。


さて、ストーリーですが、

周一一童蕾)は、32歳。 キャリア・ウーマン志向というわけでもなく、容姿は10人並みだが性格はきわめて明るく闊達。通販チャンネルのキャスターでしたが、同僚で親友だった庄静に同じTV局のスポーツキャスターの彼を取られてしまい、それが原因でTV局も退職してしまいました。
あらたに見つけた仕事は、ラジオ「999」のディスクジョッキー。でも、彼女が出演する初日、急に降り出した大雨で、タクシーがなかなか捉らない…。やっと拾えたと思ったら、サングラスの傍若無人な青年に横取りされてしまいます。結局、番組に穴を開けてしまい、上司からは怒鳴られる、相方馬路からは無視される…。

転職先の「999」、実は経営が厳しい上に、彼女が担当する番組の聴視率は最低ラインを低迷中。比べて同じビルにスタジオを構えるラジオ局「1088」は飛ぶ鳥を落とす勢い。しかも、人気キャスター微風の音楽番組が彼女の番組の時間帯とかぶっていて困難山積みです…。

そんな中で、周一一を気に入っている女性ドクターは、仕事もうまくいかずしかも失恋中の彼女に見合いすすめます。実は彼女の息子曹砚。会ってみると、それは、あの彼女が初日に遅刻した原因のタクシーを奪ったサングラスの男 結局、見合いは破談です。

しかし、周一一曹砚、その後偶然出会うことしばしば。いつしか周一一の片思いが始まります。
でも曹砚には、3年前に別れた彼女への断ち切れない思いがありました。さらに周一一が知らない秘密がもうひとつ・・・。実は彼女の最大のライバル微風の正体こそ、曹砚で・・・。


まあ、よくある青春ドラマですが、肩の力を抜いて楽しめます。
でも、中国の青春ドラマって、本当に前向きですねぇ。
経済が伸びている社会は雰囲気が違います。

ちなみに標題の「一一向前冲」は、“一一”は「周一一」彼女の名前をかけて、“向前冲”は「前進突撃!」っていう感じでしょう。“”は、武侠モノなどで、突撃のときに将軍たちが叫んでいますね。
監督:

主演:
    
王加賓 

童蕾
霍建华 etc.