文  化 東京港区 中国語サークル 北京倶楽部

青紅 SHANGHAI DREAM
★★★★☆


你19岁时有没有爱过
你19岁时有没有想过
你19岁时有没有・・・・・・・・・过

別名「我十九(私は19歳だった)」。
2005年のカンヌ国際映画祭にノミネートされ審査委員賞を受賞した王小帅監督の作品です。

舞台は、文化大革命の影響が色濃く残る1980年代初頭。
文化大革命上山下郷運動毛沢東の指導によって発動された、都市部の中高生、知識青年層を地方の農村に送り、思想改造をしながら、国家建設に協力させることを目的とした運動で、1968年から10年間にわたって行なわれた)に呼応して農村に下った上海の知識青年だった親世代とその子供世代が抱える葛藤と矛盾を、青紅という19歳の女の子が直面した事件を通して描いたものです。

1966年生まれの監督王小帅も、両親の上山下郷運動に伴い、作品の舞台になっている貴州で幼少期を過ごし、のちに青紅たちのように上海に戻って来たそうです。
監督が自ら見聞きした出来事を、できるだけ忠実に現代に伝えようとしている姿勢が覗えます。


さて、ストーリーですが、

文化大革命時に都市から地方貴陽に下って働いている青紅高圆圆)の両親は、80年代に入り文化大革命も終わりを告げ、子供の将来のためにも何とか出身地の上海に帰りたいと願っています。でも幼い頃から貴州で育った娘の青紅にとっては、貴州がすでに故郷。人民公社で働く地元青年と恋仲になっています。
でも父親には、都市に戸籍のない田舎青年が娘の疫病神にしか見えません。彼と結婚したら、娘も自分たち世代同様、こんな田舎で一生暮らさなければならなくなる…。青年のラブレターを焼いたり、贈り物を捨てたり・・・。仕舞いには娘に付き纏い、登校の送り迎えまでして、娘を監視しようとします。

そんな時、同じようにかつて知識青年としてこの村に来ていた父親の同僚のその息子が、地元の娘を妊娠させ、やむなく結婚することになってしまいました。「バカな奴だ」と父親は嘲笑います。「もう奴は上海には戻れない」。

父親はさらに、無理矢理、地元青年と青紅を別れさせようとします。でも、思い切れない彼らは内緒で夜に待ち合わせます。
そこで思いつめた青年は青紅に迫り、嫌がる彼女を結果“強姦”することになってしまいます。

父親は青年を告発・・・。
青紅は、手首を切って病院に運ばれ、以降、精神に異常をきたしてしまいました・・・。
家族は、もうこの地では暮らせないと、上海へ夜逃げすることにしました。
上海へ旅立つ日、、強姦罪で告発された青年の銃殺刑が執行されます。
貴陽から遠のく一台の車を追うように、数発の銃声が木霊のように重なり響いていきます…。


文化大革命期に都市から地方へ下った人たちは、まだ農村で生活しているケースも多いようです。都市と地方の経済や教育格差は、まだまだ大国中国の社会課題のひとつです。

監督:

主演:
    
王小帅

高圆圆
李滨
姚安濂
王雪洋 etc.
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