文  化 東京港区 中国語サークル 北京倶楽部

佳期如梦 
★★★★☆
http://www.iqiyi.com/dianshiju/jqrm.html

中国現代恋愛小説の第一人者で若手人気女流作家匪我思存2007年の原作を、台湾のアイドル女優、陈乔恩と若手男優邱泽、大陸の男優手冯绍峰でドラマ化した2010年の作品32話です。
中国、台湾のアイドルドラマによ見られるハッピーエンドとは異なるところが、人気作品の原作所以。「世界の中心で愛を叫ぶ」的悲劇的純愛ドラマが、中国でも話題を呼ぶような時代が来たのでしょう。

語学学習には向いています。
現代社会で使われている会話が、俳優たちの原音(本人の音声)ではなく、配音(アフレコ)専門の俳優の非常に分かりやすい普通後に置き換えれれているからです。

日本では映画を含め、声色も俳優の技量の要素であろうと、原音が好まれています。中国では、配音の作品が多い。理由は、一つは俳優それぞれの普通語の口音(kou3 yin1≒訛り)の可能性。最近はとくに、大陸作品に台湾、香港の俳優が進出していますから。もう一つは、配音の方が撮影時の集音設定などの技術とコストが省けることでしょう。とくに時代物では、この手法が使われています。
また、中国には配音専門の第一級俳優たちが多く存在します。配音といって侮れません。

余談ながら、北京オリンピック開幕式で壇上で歌った美少女が実はクチパクだったと一部避難されたことがありました。コレも彼らの流儀では極々普通の流儀で、さぞかし心外だったと察せられます。

原音は聴けないものの、台湾の男優邱泽が見せるこの作品上の表情は、なかなかセクシーで惹かれます。冒頭の傲慢なプレイボーイ態とした獲物を窺う眼差しから、ふと垣間見える無邪気な笑顔、そして最後に最愛の人に向けた語りつくせぬ思いを込めた眼差し・・・。大陸のドラマで、今後人気が出そうです。


さて、ストーリーですが、

尤佳期陈乔恩)は広告会社の業務マネージャー。彼女がプロデュースする自動車メーカーの新車発表会の会場で、思いがけず学生時代に同棲していた初恋の恋人孟和平冯绍峰)を見掛けます。アメリカ留学を終えて建築家として成功して帰国したのです。そして彼は、いまだに尤佳期との復縁を渇望していました。でも5年前の離別には、彼女は実は孟和平にも隠していた彼の母親が係わる重大な秘密がありました・・・。彼女の心底にも、孟和平を忘れられない思いが払拭できずに沈殿していましたが・・・。

一方、孟和平の親友、自動車メーカー社長阮正东邱泽)は、かつて親友が彼女のために自殺までしようとした経緯を間近かに目にしてきたことで、孟和平尤佳期を追うことをしきりに諌めます。「男女の愛情の存在なんて信じられない。まして尤佳期なんて、碌な女じゃない。早く目を覚ませ」と。そんな阮正东自身は、友情や道義には厚いものの、女性に対してはプレイボーイ以外の何ものでもない・・・。

その阮正东が、どんな魂胆が有るや無しや尤佳期に近づいて来ました。
尤佳期が仕事上で困難に陥ると、陰に日向に助けてくれたり、仕事にかこつけてドライブに誘ったり・・・。
ある日、たまたま遭遇した孟和平の前で、彼は自分の彼女だと紹介します。孟和平に自分を忘れて欲しいと望む尤佳期は、気まぐれで傲慢な阮正东を快く思わないものの、阮正东の言葉に調子を合わせます。
そして、以降も続く阮正东の猛烈なアタック・・・。いつしか尤佳期の心は阮正东に傾いていきます・・・。

でも、阮正东は愛情など信じていない・・・。彼が求めているのは、親友のための復讐、尤佳期への壮絶なる復讐でした・・・。でも、ある日、彼は自分のしでかしたトンでもない誤りに気がつかされます・・・。さらに、自らの身体を蝕む病の前兆も・・・。


※若い女性向けのTVドラマの設定って、決まったように主人公の相手は「お金持ち」の御曹司。こういうドラマにハマってしまう中国人、いつしか日本人みたいに、就労意欲をそがれ、現実社会の結婚に踏み切れなくなってしまう日が待ち受けています、きっと。
監督:


主演:

    
沈怡
宋洋

陈乔恩
邱泽
冯绍峰 etc.