文  化 東京港区 中国語サークル 北京倶楽部

时尚王国 
★★★★☆


2010年6月から放映されたTVドラマ。
数年前のハリウッド映画 『プラダを着た悪魔The Devil Wears Prada))』の山寨版(shan zhai ban ≒パクリバージョン)です。

ジャーナリスト志望のヒロイン周恬(新人の楊紫彤が演じています)が、魔女の如くワンマンで厳しいファッション誌の編集長の下、持ち前の不屈の精神で出世していくお話は、『プラダを着た悪魔』そのまま舞台は北京。中国の都会では、こんな超資本主義的なドラマも今ではOKになったんですね(笑)。

内容が素晴らしいというより、中国語の学習に役立つという点で是非お奨めの作品です。
登場人物の台詞が非常に明瞭で聞き取りやすいです。登場人物それぞれ、部下や取引相手を説得する口調が、噛み砕くようにゆっくり緩急つけて語っているので、外国人が聞いて大変わかりやすいです

冒頭のファッション誌創刊レセプションで登場する、カリスマ編集長役の恬妞のイデタチとファッションには、さすがにビックリ。映画ではメリル・ストリーブが演じていた役でしょうが、似ているのは髪のシルバーカラーのみ。悪いけど、シャネルを着た泉ピン子のようです。でも彼女のハスキーボイスと話し方は参考になります。この冒頭部分を我慢すれば、あとは結構オシャレ。我慢して見続けてください。


さて、ストーリーですが、

北京の名門大学を卒業した周恬が、創刊したばかりのファッション界のカリスマ編集長韩露(恬妞が演じてます)率いる《HAN尚》に就職するところから話は始まります。ジャーナリスト志望だった周恬ですが、ファッションにはまったく興味なし。そんな彼女が、持ち前の勤勉さを武器にメキメキ出世し、スニーカーからピンヒール、ジーパンからドレスにと、さながら蛹から蝶に脱皮するように成長していく激志劇。女同士の足の引っ張り合いや嫉妬、嫌がらせ…。熾烈なライバルとの駆け引き、落とし穴…。
結末は ほとんど『プラダを着た悪魔』。
流行”と“不易”、どちらも肯定したい現代中国の御家事情も垣間見える結末ではあります。


ですが、劇中に出てくるこんな台詞、中国語で言ってみたいと思いません

仕事を甘く見ていた周恬に先輩は
我一直要求自己, 在工作的时候永远不要有机会说对不起。这不是不能做到。
(僕はずっと自分にこう言い聞かせてきたんだ。仕事においては、『ごめん』って言うことを永遠に封じ込めようって、ね。でも、コレってできないことじゃあない。)

周恬が迂闊にドジを踏んで辞表を出そうと思っていると、先輩から諭される言葉が
你可以加倍努力吧。如果这一次你逃了, 以后你就会永远逃下去。俗话说, 在哪儿跌倒就在哪儿爬起来。
(もっともっと努力すればいいさ。もし今ここで逃げたら、未来永劫、君はずっと逃げ続けなければならないよ。昔から言うだろ、『人生転んだら、転んだところから這い上がれ』ってね。)

副編集長に抜擢された周恬が躊躇していると、韩露は鼓舞して
幸运往往是成功很大的因素。很多的人一辈子都怀才不遇。
(幸運ってね、往々にして成功の大きな要因だわ。でもそんな幸運はね、ほとんどの人間にとっては、一生願っていても出逢えるものじゃあない。)

周恬が上司の韩露に利用されて「私のこと恨んでる」 その時の周恬の答えが
商场职场陷阱遍布。是我自己不小心。没有资格去怪别人的。
(ビジネスや職場は落とし穴だらけですもの。今回は私が油断してたんです。私には人のせいにする資格なんてありません。」

あ~あ、何てハンサムなんでしょう
自分に、加油 !
監督:

主演:

    
金敖勋

楊紫彤
恬妞
潘泰名
岳华
孙兴 etc.