幕末・明治維新略史

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(イノベーション)

1912 ヨゼフ・シュンペーター『経済発展の理論 : 企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究』
5つのイノベーション(新しい財貨の生産、生産方法の導入、販売先の開拓、仕入れ先の獲得、組織の実現(独占の形成や打破))を新結合と言っていた。イノベーションの実行者をアントレプレナー企業者といった。
(シュンペーターのイノベーションを担う人材を育てながら新しい産業を興していく必要がある。単なる福祉国家ではなく、イノベーションに対応できる「能力開発型ワークフェア国家」への脱皮が重要であるというのが、神野直彦の発想である。このような福祉国家として北欧をあげ、「シュンペーター的ワークフェア国家」と呼んでいる。衰退していく旧来型産業から、成長していく知識集約的産業へと産業構造を転換していくというビジョンに裏打ちされている。http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10201210701.html
それに対して従来の完全雇用を目指す福祉国家を、ケインズ型福祉国家と呼ぶこともある。ただし、福祉国家というのは労働需要に注目して失業を減らそうとし完全雇用を目指すケインズ型福祉国家のことであるから、労働者の能力開発を行うというのは、福祉国家が失敗していることを示すという見解もある。つまり、ケインズ型福祉国家がうまく機能せず、職業訓練等をせざるを得なくなったというのは福祉国家というものが失敗したということであり、シュンペーター型福祉国家という言い替えは認めないという立場がある。)



(創造的破壊)

シュンペーター『中山伊知郎、東畑精一訳 資本主義、社会主義、民主主義』(1942)東洋経済新報
資本主義過程の発展的性格は、社会的、自然的環境が変化し、それによって経済活動の与件が 変化するという事実に基づくものではない。「資本主義のエンジンを起動せしめ、その運動を継続せしめる基本的衝動は、資本主義的企業の創造にかかる新消費材、新生産方法ないし新輸送方法、新市場、新産業組織形態からもたらされるものである。」「不断に古きものを破壊し新しきものを創造して、絶えず内部から経済構造を革命化する産業上の突然変異の同じ過程を例証する。この『創造的破壊creative destruction』の過程こそ資本主義についての本質的事実である。それはまさに資本主義を形作るものであり、全ての資本主義的企業が此の中に生きねばならぬものである」(pp.129-130)