私の 「日記 」です!
           ―――――――――――――――――――――――――――――――――――

             ( 随時、自分自身の行動や社会の動きについてコメントしています )

               [ 2016年 ]







 ● 1月3日(日曜日)●

     多くの年賀状で、安倍政権に対する批判的な文言。

  新年の三日間は、神宮外苑の散歩のために外出した以外は、ほとんど家にいて「ニューイヤー
 駅伝」や「箱根駅伝」のテレビ中継を見て過ごしました。箱根駅伝は青山学院の連覇に終わりま
 した。圧倒的な強さでした。次いで東洋大、駒沢大。終わってみれば予想通りの結果でした。
  私は、今年は早稲田大学がひょっとすると優勝争いに絡むのではないかと密かに期待していま
 したが、始まったばかりの「花の二区」でエースが大幅に遅れてしまい、早々に首位争いからは
 脱落してしまいました。その後、一、二年生がよく頑張り、最終結果は昨年の五位から一つあが
 って四位になりましたが、優勝の青山学院からは15分も離されてしまう惨敗でした。

  年賀状もいろいろな方からいただきました。今年の賀状の文面で多かったのは、安倍首相の政
 治姿勢を取り上げ、夏の参議院選挙では絶対に負けられないという趣旨のものでした。私の似た
 ような内容の年賀状を出しましたが、憲法の是非がストレートに問われる今度の選挙では、何と
 しても自・公に打ち勝たなければならないという思いを強くしています。


 ● 2016年1月1日(金曜日)●


          2016年、あけまして おめでとう ございます。
             今年も どうぞ よろしく お願いします。

  この一年もさまざまなことがあると思いますが、この年の最大の獲得目標は実に明確です。
  夏の参議院議員選挙で自民・公明などの改憲勢力の過半数確保を阻止し、改悪発議を絶対に許
 さない政治状況を作り上げることです。

  改憲勢力を打つ負かすためには、言うまでもなく護憲勢力は広く共闘を組むことが不可欠です。
 優柔不断な民主党が中心にならざるを得ない政治情勢ですから、率直に言って心もとない思いは
 拭い去ることは出来ませんが、ここは大義に立って、「安倍打倒!改憲阻止!」の一点で戦い抜
 き、勝ち抜くしかありません。


      ―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ● 12月29日(水曜日)●

    渋谷文化村のザ・ミュジアムで「ラファエル前期展」

  渋谷文化村のザ・ミュージアムで開催中の「英国の夢・ラファエル前期展」を見ました。娘が
 数日前に観賞し、とても良かったということで強く推奨されたので、私も久し振りにこの美術館
 に行ってきました。ミレィやロセッティなどの著名な画家を始めとし、主としてイギリス中部の
 リバプールにある美術館の作品が出品されていて、すべて初めて見るものばかりですが、とても
 充実した展示内容であり、印象的でした。

  今年の絵画鑑賞はこれが最後になります。


 ● 12月20日(日曜日)●

    24時間、ぶっ続けで走る神宮外苑ウルトラ マラソン

  昨日の昼すぎ、神宮外苑に散歩に行ったら「第10回神宮外苑24時間チャレンジ・ウルトラ
 マラソン」が行われていました。私は初めて聞く名前のマラソン大会ですが、19日(土)午前
 11時にスタートし、20日(日)午前11時まで、神宮外苑(一周1325m)を24時間ぶ
 っ通しで延々と周回するマラソンです。走るのが好きな人たちがのんびりと走る趣味のスポーツ
 大会かと思っていましたが、私の全くの誤解です。国際ウルトラランナーズ協会(ILU)が開
 催する主要国際大会の代表選手選考を兼ねた権威のある競技大会だということです。

  厳しい参加条件の下でエントリーされた100人以上の男女選手が走っていましたが、コース
 の周りでは応援に駆けつけた沢山の人たちが声援をおくり、私のように外苑を散歩している人た
 ちも声をかけたり、拍手をしたりしながら選手たちを激励していました。
  そうした中に「売木村」(うりきむら)の人たちが10数人、手に手に持った旗を振り、歓声
 をあげて応援しているのが目につきました。売木村とは、初めて耳にする名前です。早速、家に
 帰ってからネットで調べてみるといろいろなことが分かりました。

  村のホームページによると、この村は「峠に囲まれた小さな山里」です。人口は、今年10月
 末現在で597人(男279人・女318人)、289世帯です。長野県の信州最南端の村で、
 南を愛知県豊根村に接し、愛知県最高峰の茶臼山北麓に位置しています。1000~1300メ
 ートルの山々と、売木峠、平谷峠、新野峠など4つの峠に囲まれた小さな盆地の中にあり、まさ
 に以前の日本を髣髴とさせる「ふるさとの原風景」という表現がぴったりなのどかさの中にある
 集落だ、ということです。

  なんとも親しみの感じる自治体です。
  村の皆さんが熱心に応援していたのは重見高好選手(35歳)です。重見さんは大変な選手で
 す。一昨年の「第8回神宮外苑24時間チャレンジ・ウルトラマラソン」では、神宮外苑を20
 3周、269・225kmを走りぬき、見事に優勝し、国内新記録を打ち立てています。今回は
 この自身の記録への挑戦となる大会です。


       売木村の重見高好選手が、252キロ走破して見事に優勝

  今日9時半、神宮外苑へ行ってみたら、沢山の選手が走っていました。もう22時間以上も走
 っている筈です。さすがにスピードは最初の頃のように早くはなく、中には時々歩いている選手
 もいました。応援の方々もいっぱいいました。選手と同じようにずっと夜通し立ち続け、応援し
 ていた人も随分いるようです。
  売木村の応援団は、昨日よりも多くなっていました。村長や観光関係の人たちも駆けつけてい
 るとのことでした。

  村の期待を一身に担って走っている重見高好選手は元気いっぱいのようでした。私も思わず売
 木村の人たちの気持ちになって応援を続けました。

  それから一時間半後。午前11時丁度に24時間にわたった競技は終わりました。

  注目の重見高好選手は、190周余り、走行距離は251・666km(正式記録は一周に満
 たない端数の距離が追加されるために、もう少し長くなる筈です)。見事に優勝です。二位を大
 きく離しての快挙です。村の人たちも応援のしがいがあったと思います。私もとても嬉しい気持
 ちになりました。

    ※ 後ほど正式に発表された重見選手の記録は、252・0304kmです。大変寒く風の強い気象条
      件の中、2位に8周、約10kmの差をつけての優勝でした。


  人口600人弱の小さな集落・売木村。恐らく、国や県からさまざまな合併攻撃を受ける中で
 屹然として「村」を貫き通している姿は頼もしい限りです。

  村が目先の利益にとらわれずに「村」として存在し続けている意気込みも立派だし、そこに住
 んで走り続ける重見高好選手の気概もすがすがしい限りです。更に彼を村の誇りとし、みんなで
 こうして東京まで駆けつけて応援する村民の姿も、また、とても爽やかないい感じです。

  昨日と今日、私は神宮外苑でとてもいい風景に出会うことが出来ました。


  ● 売木村に関連してもうひとつ。

  乙川雄三郎の代表的な小説の一つに大仏次郎賞を受賞した『脊梁山脈』(せきりょうさんみゃ
 く)があります。江戸時代、山中でろくろで椀や盆などの木工製品をつくって仕事をした「木地
 師」と呼ばれた人たちの仕事での苦闘や生活実態を描いた物語です。これまでに読んだ小説の中
 で、強く私の印象に残っている作品の一つです。
  売木村は、面積の88%を森林が占め、天竜奥三河国定公園の中心をなす茶臼山高原をはじめ
 として豊かな自然に恵まれていることを特徴としていますが、乙川作品で描写された「木地師」
 といわれた人たちが活躍した地域でもあるということです。
  この点でも私は売木村に大変興味を覚えました。


 ● 12月16日(水曜日)●

    今年もあと二週間。新宿区役所稲門会の忘年会開催。

  今年もあと二週間。現職の時と違ってめっきり少なくなりましたが、この時期、何回かの「忘
 年会」があります。今夜は「新宿区役所稲門会」の飲み会が歌舞伎町の居酒屋で開かれたので参
 加しました。年に二回ほど開かれる同窓の集まりで、随分以前から延々と続いています。現職の
 時には、名ばかりですが、私がこの会の幹事長の重責(?)を担っていました。

  久し振りに懐かしいメンバーと再会し、旧交を温めました。
  話題はいろいろですが、母校が活躍するスポーツの話題になると大いに盛り上がります。「最
 近の早稲田のラグビーは弱すぎるよ」「箱根駅伝も期待できないのではないだろうか?」「正月
 早々10位前後のシード権争いをしているようじゃ意気が上がらないネェ」「いやいや、今年の
 東京六大学野球は春夏連覇で大善戦だったぞ」「アメリカンフットボール決勝の強豪・立命館と
 の試合は出色だった」「少々、アタマが悪くてもいいから全国から有能な選手をスカウトして活
 躍してもらわないと面白くない」「こんど総長によく言っておこう」などなどたわいのない話に
 花を咲かせ、何とも楽しいひと時を過ごしました。


 ● 12月15日(火曜日)●

   「臨時給付金」は、税金を使った典型的な大規模買収

     ”みんなでオカミからオカネを貰い、選挙では、私たち庶民の味方・自民か公明に
       投票しましょう!” 

  政府は先日、お年寄りを中心に1人3万円の「臨時給付金」を配るという概要を示しました。
 対象者は1250万人。配布時期は、来年夏の参院選前後の二回のようです。表向きは経済の下
 支えが目的だと詭弁を弄していますが、本質は、誰が、どこから見ても政府による「税金を使っ
 た大規模買収」そのものです。

  来年前半に配るのは、65歳以上で住民税が非課税の約1100万人。年金収入などが年87
 万円以下の約600万人弱と同87万~155万円程度の500万人強が対象です。また10月
 頃からは、65歳未満の障害基礎年金と遺族基礎年金の受給者約150万人に配布対象にしてい
 ます。
  このため、15年度補正予算案に3400億円を計上するそうです。消費税率引き上げによる
 「低年金者対策」だと説明していた施策ですが、年金を貰っている約4千万人のうちの約3割が
 この給付金を受給することになるため、もともとの目的はどっかへ吹っ飛んでしまっています。
 選挙の買収が隠された目的ですから、本来の目的がボケてしまうのは当たり前です。

  そもそも、消費税率引き上げの緩和を図る低所得者対策ならば、消費税が続く限り、今後もず
 っと給付金を支払うべきですが、そうではありません。目先を変える一時的な対策であり、サル
 に与えるエサの数を言い換えて誤魔化す「朝三暮四」とどこか似ています。今の政府・官僚・与
 党の偉い人たちから見ると、国民はせいぜいサルの類なのかも知れません。

  それにしても、よくこんなバラマキ政策を恥ずかしくもなく考え、考えるだけでなく実行しよ
 うなどと思うものです。

  財政逼迫のこの国では、有り得ない財政政策であり、「衆愚政治」「愚民政策」の典型です。
 衆愚政治は、普通だったらその本質や実態がカモフラージュされるものですが、日本型の衆愚政
 治はモロにその姿が現れ出るところに特徴があるようです。
  こんな政治手法を見ていると、私には、施政者こそサルの類に見えてきます。


 ● 12月13日(日曜日)●

   「政教分離だと?」「それはどこの国の話じゃ?」

  消費税率を10%まで引き上げるのに伴い、食料品などを現状の8%に据え置く軽減税率の対
 象品目について、増税推進の旗振り役をつとめている自公両党の話し合いがついたようです。
  私は、典型的な大衆課税である消費税は何%であっても大反対であり、ましてや法人税減税の
 見返りのようにして断行される大衆増税は、「負担能力のある者が税金を負担する」というそも
 そもの「税負担の大原則」に反するものだと思っています。
  従って、自公の馴れ合い合意には余り関心がありませんが、少なくても毎日食う物には、2%
 はおろか従来の8%であっても課税すべきではありません。

  それはとにかくとして、今回の自公両党の折衝に関して、概略、次のようなことが今日の朝日
 新聞に報道されていました。


  ”マイナンバーカードを使った「還付方式」で自公合意を図ろうとしていた公明党の山口代表
 や井上幹事長は、9月上旬、創価学会本部に呼び出され、佐藤副会長(選挙担当)から「これで
 は選挙にならない。参議院選挙区から出す候補は全部外す」とまくし立てられたため、「還付方
 式」は白紙に返った。また、菅内閣官房長官は、同副会長から「軽減税率を導入しないと選挙に
 協力できない」と脅かされた。そのため、菅長官は安倍首相に軽減税率の導入を進言した”

  のだそうです。

  公明党は創価学会の政治部のようなもので、両団体が不離不分の関係にあることは、バカでも
 知っている周知の事実ですが、それでも表向きは、わが民主主義国家・日本においては、「政教
 分離」の大原則は貫かれている、ことになっています。

  しかし、朝日新聞の1面と2面に、「公明党の選挙候補者は創価学会が決める」ということを、
 こうもあからさまに報道されたのでは、公明党と創価学会に関する限り、「政教分離」などとい
 うのは全くの「空念仏」であり「天下の茶番」とだということがよく分かります。

  公明党と創価学会に限っては、「政教分離はない」という、誰でも感じている実態を脚色なく
 報じた朝日新聞に願いたいことは、政党と宗教団体の正常な関係がないがしろにされていること
 を踏まえ、民主主義を標榜する近代国家においては「政教分離」が如何に大事な大原則であるか
 を、これからずっとずっと連載し、未熟なこの国の民主主義の水準の底上げを図る啓蒙活動を行
 って欲しい、ということです。


 ● 12月8日(火曜日)●

  74年目の今日、反動政権打倒の最初の日になれと願う。

  1941年12月8日。不意打ちに真珠湾攻撃が行われ、天皇の名でアメリカに対する戦争布
 告が行われてから今日で74年目。たった一枚の赤紙で駆り出されたこの国の無辜の青年たちは
 言うに及ばず、日本、朝鮮、中国、そして東南アジアのそれぞれの国の、それぞれの地域でささ
 やかにも幸せな生活を営んでいた多数の人たちが、無念にも命を落とすことになった、今日はそ
 の最初の日。

  あの戦争で敗れた後、ずっと「戦後の~」と言われ続けてきたけれども、昨今は「戦後」では
 なく、新たな「戦前」と言い換えられるようになってしまいました。「戦後」を新たな「戦前」
 にしようと目論み、反動立法を量産する安倍政権。新たな「戦前」から「戦中」に進む前に、何
 としても打倒しなければなりません。

  74年目の今日12月8日。この今日が、有為の人材のたった一度しかない命で購われた歴史
 の重い教訓に唾する反動政権の打倒に向けた最初の日になればとても意義あることだと思ってい
 ます。


 ● 12月7日(月曜日)●

    先生方の中に、誰か受け取らなかった人がいたのか?

  出版大手の三省堂が昨年8月、「編集会議」名目で小中学校の校長らに検定中の教科書を見せ
 て謝礼などを支払っていたことが問題になっています。今日、三省堂の社長が文科大臣に会って
 謝罪したようです。

  教科書検定規則というのがあります。その実施細則では、外部に検定中の教科書を見せないよ
 う定めています。教科書採択問題の、「いろは」に類する規定です。
  三省堂によると、「編集会議」は平成21年から計7回開かれ、26都府県の学校長、教員ら
 が計53人が参加し、「編集手当」名目で現金5万円の謝礼を渡したほか、宿泊費などを負担し
 ていたということです。
  参加した53人の中には、各都道府県の教科書採択に直接影響力を持つ調査員などに起用され
 た教員もいます。三省堂側は「採択関係者になる可能性があるかどうかで(参加者を)選んだの
 ではない」と述べ、見返りを期待していたとの見方を否定していますが、誰も信じない単なる言
 い訳に過ぎません。

  それにしても、ですが、「編集手当」などといういかにもいかがわしい名目の謝礼を頂き、宿
 泊費、飲食代などなどを持ってもらって、抱え込まれるようにして処遇された学校長たちの、こ
 の常識離れした感覚には呆れてしまいます。教科書検定規則を知らない筈がありません。知って
 いながらこうしたことをしているのだと思います。

  三省堂のやり方は当然指弾されるべきですが、学校長たちの対応も常軌を逸しています。ごく
 単純な善悪を判断できない人が犯す行為です。利口な校長たちですから違法なことだと承知して
 いるのかも知れませんが、そうだとしたならば尚さら質の悪い行為です。こうした方々が、学校
 では子どもたちに聖人君子のようなお言葉を発しているのかと思うとぞっとします。

  先生方の中に一人ぐらいは受け取らなかった人がいたのでしょうか?


 ● 12月6日(日曜日)●

    神宮外苑の「いちょう並木」は大賑わいでした。

  気が向いたら時々ぶらっと出かけていた神宮外苑での散歩は、腰痛のために半月ばかり控えて
 いましたが、今日午前、久し振りに行ってきました。

  名所のいちょう並木は、まだ大半の葉っぱが黄色く色づいたまま残っていて、今が見ごろとい
 う感じでした。秋の恒例行事になっている「いちょうまつり」は、今日が最終日ですが、ものす
 ごい人ごみでした。いちょう並木を散策して、まつりに寄って見るのが一つのコースになってい
 るようです。いちょう並木脇の秩父宮ラグビー場では、午後2時から伝統の早明戦が行われます。
 既に長蛇の列が出来ていて、「満員札止め」ということでした。人気の高さが分かります。

  神宮外苑は一周1325メートルあります。私がここで散歩をする時には、大体3周か4周し
 ます。早足で歩きます。100メートルを55秒、105歩のペースです。しかし、今日は、腰
 痛の後遺症のためか幾ら急いで大股に歩いても60秒前後、歩数は110歩を超えてしまいまし
 た。私くらいの年齢になると、体調の変化はカバーのしようがないくらい歩行にも現れ出るもの
 だと関心するばかりでした。


  ラクビー早明戦は、家に帰ってからテレビで観戦しました。試合は、開始直後頃は5対3で早
 稲田がリードしていましたが、逆転された後はずっと明治のペースでした。結局、明治が32-
 24で勝利をおさめましたが、最後まで早稲田が逆転する可能性を秘めた試合展開になっていて、
 伝統の一戦にふさわしい好試合でした。昔から「フォワードの明治」「バックスの早稲田」、あ
 るいは「縦の明治」「横の早稲田」の言われてきましたが、今日は明治のバックスと早稲田のフ
 ォワードが大健闘でした。これまでの熱戦とは一味違う試合展開でした。
  早明戦の通算成績は早稲田の52勝37敗2分。今日の明治の勝利で関東大学リーグ対抗戦は
 明治と帝京の同時優勝になりました。

  いよいよ13日からは全国大学ラグビー選手権が始まります。参加する全国代表16大学のグ
 ループ分けが決まりました。

    ● A組 = 法政大、帝京大、中央大、関西大。
    ● B組 = 東海大、天理大、朝日大、早稲田大。
    ● C組 = 慶応大、筑波大、大東大、同志社大。
    ● D組 = 明治大、立命大、流通経済大、京都産業大。

  各組の一位が1月2日に準決勝を闘い、10日に決勝戦が行われます。
  私の予想では、準決勝に進むは帝京、早稲田、筑波、明治の四大学。そして優勝候補は早稲田
 と言いたいところですが、今回も、残念ながら大本命は帝京ではないか思います。


 ● 12月4日(金曜日)●

     侵略戦争を裏から進めた「陸軍・登戸研究所」を見学

  天皇直属の大本営の指揮下にあった旧陸軍の登戸研究所(正式名称は「第九陸軍技術研究所」)
 は、戦争に付き物の「防諜・諜報・謀略・宣伝」という秘密戦の部分を担っていた重要な機関で
 す。毒ガスや細菌ガスなどをはじめ様々な「秘密兵器」の開発を研究を行っていましたが、当時、
 一般にはその活動実態は全く知らされておらず、また、敗戦と共に徹底的に関係資料など焼却、
 破壊、持ち出し、隠蔽が行われたために、その活動の全貌は今でも不明の部分が多いと言われて
 います。

  登戸研究所は川崎市多摩区にあります。最寄り駅は小田急線の生田駅か向ヶ丘遊園駅です。研
 究所の膨大な敷地と建物の一部は、戦後、慶応義塾大学が仮校舎として使っていましたが、19
 50年明治大学が買収し、今は明治大学・生田キャンパスになっています。
  登戸研究所の無数の建物群の中で唯一現存していた建物が2010年、「明治大学平和教育登
 戸研究所資料館」として整備され、同年4月から一般に公開されているのです。

  私は以前からこの登戸研究所のことを聞いて関心を持っていましたが、今日、ある旅行社主催
 の見学会があったので参加しました。
  目指す建物(資料館)は広いキャンパスの南西部分位置しています。キャンパス内は、ちょう
 ど昼時だったこともあり、学生がいっぱい行き来していました。場所は直ぐ分かりました。
  資料館では、山田朗館長(明大文学部教授)が2時間半にわたって映像を使ったりしながら豊
 富な展示物の説明してくれました。丁寧で分かりやすい説明でとてもよく理解ができました。あ
 の侵略戦争を支え、推進した影の部分を垣間見る思いがしました。

  展示物の一つに「風船爆弾」があります。9000発以上もの「風船爆弾」が主としてここで
 作られ、千葉県一ノ宮や茨城県大津など太平洋沿岸の基地に運ばれ、放球されましたが、100
 0発近くがアメリカの各地域まで飛球し、爆発したということが確認されています。幼稚な戦術
 だとは思いますが、遥か上空の気流を正確に読み取り、その流れに気球を乗せ、自動操作をさせ
 ながらアメリカまで飛ばす技術は、今でも先進的な側面があると評価されているようです。

  毒ガスの開発研究などと共に「偽札づくり」もここで行われていました。印刷関連の優秀な技
 術者が集められ、最新の印刷機を備えた数棟の印刷工場(木造の建物は老朽化で解体され、現在
 は跡地のみ)で、当時の中国国家予算の2割以上にも当たる偽札がここで作られました。作りが
 精密だったので中国社会の中で本物の札と共に流通し、軍部の狙いだったインフレ現象も起こら
 なかったようです。
  ただ、この偽札づくりと流通に関係した当時の日本企業経営者は巨大な利益を上げ、その利益
 の一部は戦後の日本の政治を動かす資金に活用されたということです。戦後の政界で暗躍した人
 たちのことです。

  陸軍登戸研究所(明治大学平和教育登戸研究所資料館)は、開設されて間もないこともあり、
 今はまだ多くの人に知られている施設にはなっていませんが、日本の侵略戦争の歴史の中で裏の
 暗い部分を演出したこの研究所の存在は、これから徐々に知られていくと思います。
  当時の軍部が戦争遂行のために何をしようとしていたのか。「秘密戦」の中核を担っていたこ
 の施設の展示物を見ると、それなりの答えがここから読み取ることが出来るような気がします。

  貴重な資料が沢山展示されている「資料館」は、是非、多くの人に見てもらいたいと思います。


 ● 12月2日(水曜日)●

    トルコ軍のロシア機撃墜事件、どう決着するのか。

  2015年11月24日、トルコとシリアの国境付近で、ロシア空軍の戦闘爆撃機がトルコの
 領空を侵犯したとして、トルコ軍の戦闘機に撃墜され、シリア北部に墜落した事件で、今日も両
 国の激しい非難応酬が続いています。

  トルコ軍は国籍不明機2機が領空を侵犯したため、10回警告したが領空侵犯を続けたため1
 機を撃墜したと主張しています。
  トルコ側が公表したレーダー地図では、国籍不明機(ロシア攻撃機)はトルコ側からシリア領
 内に半島のように突き出ている狭い土地の上を横切ったようです。高速戦闘機ならあっという間
 に通過してしまう距離です。恐らくロシア攻撃機は、トルコ領空から出ようとしている時に撃墜
 されたのだと思います。

  しかし、ロシア側は領空侵犯そのものを否定しています、そして逆にプーチン大統領は、トル
 コが戦闘機を撃墜したのは「イスラム国」との石油の密輸を隠蔽するためだと批判しています。
  これに対してトルコのエルドアン大統領は、プーチン大統領の発言を否定し、「もし、発言が
 事実だと証明されたならば私は辞任する」と述べ、その上で、もし事実でなければ、逆にプーチ
 ン大統領が辞任すべきだ」と迫っています。

  最早、埒外の者には魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界です。昔だったらロシアとトルコの戦
 争が勃発してもおかしくない状況かも知れません。こうした事件が勃発した場合の外交の難しさ
 を感じます。もし日本が同様の立場におかれたならば、早速アメリカさんのご意向を伺い、おっ
 しゃる通りに立ち振舞うのだと思います。情けないことですが、これが日本外交の「不変・不動
 の姿勢」です。

  今回の撃墜事件を巡る状況は大変複雑ですが、いずれにしても両国の共通の敵が「イスラム国」
 であることについての認識は同じだと思います。今回の領空侵犯問題も外交交渉・外交取引で決
 着するしかないと思いますが、どのような対応策が採られ、決着が図られるか、関心がありす。

  今回の領空侵略事件では、エルドアン大統領の立場に立った報道が多いように感じますが、例
 え数分間の領空侵犯があり、事前警告があったとしても、撃墜が妥当であったか、また機乗員の
 ロシア軍人がパラシュートで脱出していた空中での銃殺が許されるのか、などが問題点として指
 摘されています。さまざまな立場を勘案した解決策が図られると思いますが、 難しい問題です。



   トルコの新旧大統領、エルドアンとアタチュルクについて

  今回の問題で思い出すことがあります。以前トルコを旅行した際に現地のガイドさん(40歳
 過ぎくらいの女性)が、エルドアン大統領のことを大変批判的に話していたことです。国民をミ
 スリードする「ウソつきだ」とまで言って酷評していました。

  トルコには、アタチュルク(本名・ムスタファ・ケマル・パシャ)という著名な軍人・政治家
 がいます。侵略の牙をむいていた英仏や米などの超大国に抗し、幾つかの激烈な闘いに勝利して
 トルコの独立を勝ち取ったオスマン帝国の将軍であり、トルコ共和国の元帥です。
  更にアタチュルクは、新生トルコの初代大統領(在任1923年10月~1938年11月)
 として、さまざまな改革を指導して今のトルコの礎を作ったことで知られています。世界初の婦
 人参政権の導入など、トルコの民主化・近代化を推進したアタチュルクは、今でもトルコ国民か
 ら「トルコ建国の父」として、また一人の高潔で誠実、謙虚な人間としても圧倒的に支持され、
 敬愛されている稀有な政治家です。すばらしい人で、私が最も尊敬する政治家でもあります。

  エルドアン大統領は、このアタチュルク大統領が進めたトルコ民主化・近代化の根本になって
 いる「政教分離」「世俗主義」をゆがめ、保守化の方向(イスラム化)への舵取りを進めていく
 ことを政治信条にしています。そのひとつの象徴としては女性に対するスカーフ着用の強制があ
 げられます。強制は、言うまでもなく女性を宗教的な慣習に従属させる許しがたい措置です。

  現地の通訳の女性が批判したのは、こうしたイスラム化を国政の柱にするというエルドアン大
 統領の政治理念と国民への公的な約束を平気で反故にする政治姿勢についてでした。
 当時、私もトルコの政治情勢とエルドアン大統領の政治姿勢については似たようなことを考えて
 いたので、意気投合したものでした。

   (追記) アタチュルクについて書かれた小説に三浦伸昭著の 「アタチュルクーあるいは灰色の狼」(文芸社)
     があります。長編ですが大変面白く読めるノンフェクションです。アタチュルクの素晴らしさがよく分か
     ります。トルコの近代史を知る資料としても貴重な一冊です。


 ● 11月29日(日曜日)●

       舛添知事、本末転倒の国立競技場への負担。

  国立競技場の工事費に関連し、政府は都に500億円の負担を求めていましたが、舛添知事は
 「国立施設なのだから都に負担の義務がない」と突っぱねていました。この人にしては珍しく当
 然の主張をしていると思っていました。
  ところが、どうも元々のこの人の姿に戻ったようです。今日の報道によると東京都は390億
 円を負担する方向で政府と最終調整をしているとのことです。しかも「都が根拠不十分なまま税
 金を支出した場合、住民訴訟を起こされる恐れがあるから、政府が都の支出根拠となる法整備を
 検討する」のだそうです。

  衆愚政治を絵に描いたような動きです。「これから宝石を盗んでくるから、その前に物を盗ん
 でも罰せられない法律を作っておこう」ということです。舛添知事の面目躍如だとも言えますが、
 何とも軽薄なマンガの世界です。よく言われてきたような森元首相からの圧力があったかどうか
 は知りませんが、直ぐにメッキが剥がれるところがこの人・舛添知事の本質的な姿です。

  一方、今日の午後、日比谷野外音楽堂で辺野古移設反対の大集会が開かれました。沖縄を中心
 にして「辺野古移転絶対反対」の声は大きくなるばかりです。それにも関わらず、どんなに世論
 が反対で高まっても、安倍首相は「アメリカとの約束」などという主権放棄のようなことを振り
 かざして、なりふり構わず進める姿勢です。

  国民主権・都民主権はまさにこの国では画餅同様。今の日本は、国も都もこの程度の政治レベ
 ルなのです。情けなくなります。


  7人制ラグビーの女子日本代表が今日、秩父宮ラグビー場で行われた五輪予選のアジア大会決
 勝で強豪のカザフスタンを破り、リオ・オリンピックの出場を決めました。男女同時出場になり
 ます。今日の決勝戦、私はテレビ中継で熱戦を見ましたが、会場には寒い中、沢山の観客が来て
 いました。

  ラグビーに関する今日のもう一つのニュース。関東大学対抗戦で、筑波大学が20対17で帝
 京大学を破りました。帝京大が大学チームに敗れたのは3年ぶりです。50連勝でストップにな
 りました。筑波大は非常に強いチームですが、それにしてもこれまで敵なしの帝京大を破ったの
 は快挙です。この結果、12月6日に闘われる伝統の早稲田大対明治大の試合で、明治大は帝京
 大との同時優勝を賭けて闘うことになります。早稲田大も伝統の一戦の名に懸けて負けられない
 試合ですから、熱戦が期待されます。

  Wカップ以来、ラグビー人気は大変高揚しています。もう直ぐ花園ラグビー場で全国高校選手
 権も始まります。紳士のスポーツとしての古い歴史を持ち、走る、投げる、蹴る、組み合うとい
 うスポーツの四要素をすべて持つラグビーの人気が高まることは、昔からのファンとして本当に
 嬉しいことです。



 ● 11月26日(木曜日)●

    国民支配、利権温床の「マイナンバー」が届きました。

  新宿区長名で「マイナンバー(個人番号)のお知らせ」が届きました。
  12桁の番号が記されています。これが勝手に私つけられた数字の羅列で、本人の意思に全く
 関係なく一生ついて回る番号のようです。中央の役人たちが虚構のメリットを振りかざし、美辞
 麗句を並べたて、莫大な税金を投じて構築する制度ですが、これが続く限り、プライバシー侵害
 をはじめ、利権がらみの悪徳などが発祥する根源になります。不正行為が発生する防止対策が講
 じられますが、そんなものは一時的な気休めみたいなもです。単なる対処療法に過ぎません。

  原発と似ています。いくら想定される対策が練られたとしても原発に事故はつきものです。逃
 れることは出来ません。だから原発は止める、マイナンバー制度の導入も止めるべきです。

  それにしても正常な社会の発展に逆行するシステム導入です。
  日本は、あらゆる面から個人の尊厳に配慮し、重視した健全な民主主義国家なのか? 
  決してそうではないということを、この制度導入は原発再稼動の愚挙と共に世界に知らしめる
 ようなものです。

  区からの「お知らせ」では、「個人番号カード」の申請を奨励しています。私はもちろん申請
 するつもりはありません。

  先ほどネットを見ていたら、ヤフーの「知恵袋」という欄に、kakkaiakkakkakakka81さんがマ
 イナンバー制度について、簡潔な紹介記事を載せていたので、以下転載します。
 (句読点や改行など、一部変更しています)


  一般国民にはメリットは何もありはしません。
  こんな制度に賛成しているのは廃人か狂人でしょう。
  不見識にも「マイナンバーは脱税防止にためにある」などと恥ずかしい嘘をだらだらと書くこ
 とが多いですから。不正をしていない善良な国民の財産が狙われていることに気が付かない馬鹿
 者たちですよ(笑)。

   【断言】【マイナンバーのメリットは皆無】

  まず最初に右傾化していると言われる自民党議員が「マイナンバーで自民党に反対する人を監
 視しろ」「安保法制に反対してデモをしている人は将来徴兵などを嫌がっている利己的な人間だ」
 など度々問題発言していますがいかが思われますか?
  今の自民党は国民の犠牲を強いたり監視したりして、それを拒めば「利己的なエゴイスト」と
 つける人たちが多いのです。
  所詮、マイナンバー賛成者など国民から搾取する意志を持っていたり、利権にたかっていたり
 個人を犠牲にする全体主義を目指していたり、心の捻じ曲がった人や悪人が数多いと思います。
  国民の預貯金を狙ったり天下りや受注利権のためであり、行政の効率化だの脱税防止だの言っ
 ている人はインチキ・タラメですよ。

  海外の事情(重大なプライバシー侵害)

 ● ドイツ
  裁判所の判決で背番号制は憲法違反であるとの判決が出て行なわれていない。
 ● ハンガリー
  1991年に裁判所の判決で背番号制は憲法違反であるとの判決が出て行なわれていない。
  ● アメリカ
  すでに早くからソーシャルセキュリティーナンバー(社会保障番号)制度を導入しているマイ
 ナンバー先進国」のアメリカでは、不法移民が職を得るために盗んだり、死んだ家族に成り済ま
 してナンバーを使い続け、年金を受け取るなど、いわゆるID詐欺も多く起きていて、全米では
 1000万人が被害に遭い、過去5年間、全米で最も多い犯罪はID詐欺となっているのです。
  そのため、アメリカ国防総省では国防上の観点から職員や家族に独自の番号を採用することに
 なっています。州法で社会保障番号の利用を制限している州もあります。さらに、ドイツでは税
 分野に限定することで、なりすまし犯罪に利用されることを防いでいるのです。このような個人
 情報秘匿の世界の潮流は明らかに日本の国民総背番号制度の発想とは異なります。日本は逆コー
 スに行こうとしているのです。
 ● イギリスやオーストラリア
  上記国の事実を知っているため猛反対で頓挫。
  実際預金封鎖の検討は1997年から始まり2002年に国会答弁で暴露されています。20
 04年には所得の捕捉はせずに金融資産性所得に限った納税者番号制を政府税制調査会が提言し
 ているのもそのためです。

  最初から番号制の目的は「所得の捕捉」ではなく「個人資産の捕捉」にあるのです。ここまで
 書くとお分かりかと思いますが、預金封鎖をするなら外国人を巻き込まないように日本人外国人
 問わず日本に住んでいる全ての人間に強制で番号を付与する そう考えているのが官僚です。
  そうでなくてもマイナンバーで所得の捕捉ができると言うのは嘘です。2008年に犯罪収益
 移転防止法が施行され、銀行口座と一定額の入出金は現在でも全て捕捉されています。国税局内
 の国税総合管理システムにデーターとして蓄積されています。マイナンバーのデメリットがあま
 りにも大きい為これらが伏せられマイナンバーの手柄のように言い換えられているだけです。

   余談ですが、これでも日本で強行する背景にはシステム受注の利権があると言われています。
  原発など福島で事故を起こしてまだ処理も進んでいないのに安倍首相がトルコなどに輸出を試
 みていますがそれと同じように海外に売り込むために活動していると言われています。海外で援
 助と称して税金を配っていますがその下交渉とも言われているのです。こうして自民党は企業に
 恩を売り政治献金をもらう構図ができているわけです。
  国民には増税とプライバシー侵害を代償にしてシステム受注の企業と政治献金を受ける自民党
 が潤う構図です。

  マイナンバー賛成者が主張する様々な嘘。

 1、行政コストの低減。
 2、公平な徴税と公平な給付。
 3、利便性の向上。
 4、適切な医療の提供などに資する。 

  全部、嘘です。

  1、当初はマイナンバーではなく住基ネットで個人資産の捕捉は実現するつもりで政府税制調
 査会でも2000年(住基ネットが稼働する前から)そんな答申を出しています。技術的にも可
 能だと書いてある。ところがシステム利権受注のために住基ネットの地位を低下させ新たにマイ
 ナンバーを言い出して重複したシステムを作っている行政コスト削減はありえません。。
  2、上記説明通り「所得の捕捉」ではなく「資産の捕捉」の答申を出しているのでありえませ
 ん。
  3、それならば任意制で良いはずです。
  4、マイナンバーに賛成している人は主にTPPに賛成して国民皆保険制度を壊してしまえと
 普段から言っているので矛盾します。つまり本心ではありません。

 ● 11月23日(月曜日)●

    「東電は広告収入の増加になる~」というけれども。

  読売新聞は、今日の17時28分に次のようなニュースを配信しています。

  「東京電力は、自治体と協力して、街中の電柱を観光スポットの案内役に活用する試みを始め
 る。”景観を損なう””通行の妨げになる”と疎まれてきた電柱だが、来年4月の電力小売りの
 全面自由化を控え、新たな収益源として利用法を探っている。第1弾として、埼玉県秩父市と協
 定を結び、来月から電柱広告の一部で、市のイメージキャラクター”ポテくまくん”が観光施設
 や公園などを道案内する。東電は広告収入の増加に、市は観光客の利便性の向上につなげる狙い
 がある」。

  東電にも自治体にも共にメリットがあり、とてもいいアイデァのように報じていますが、私に
 はちょっと納得し難いところがあります。

  そもそも電柱は、東電が自治体から該当部分の土地を借りて建てており、従ってその部分の地
 代を払っています。NTTなどの電柱も同じです。その地代ですが、23区内では新宿区・千代
 田区・中央区などのような中心区の土地の価格の極端に高いところも周辺区のような安いところ
 (中心区との比較)も全く同じか、差があってもほとんど同レベルです。

  世間一般では、地代は土地価格の高低によって随分と違いますが、こうした当たり前の常識は
 東電と自治体の間では通用しないのです。自治体は土地の固定資産税を支払う必要がありません
 から、電柱部分の地代を安くしたって痛くも痒くもありません。役所仕事の名残りです。
  私は、これは自治体が民間企業の東電などに供与している「不当な利益供与」だと思い、在任
 中は随分是正を求める発言をしてきましたが、「23区の一体制」だとか「電力配給は公共事業」
 などという理屈に阻まれて、残念ながら実現しませんでした。

  安い地代で電柱を建て、その電柱に巻きつけたさまざまな広告から利益を上げる、という手法
 は、東電にとっては垂涎の「商法」です。自治体はこの商法に加担しているのです。

  読売新聞のニュースでは、「~東電は広告収入の増加に、市は観光客の利便性の向上につなげ
 る狙いがある」と述べ、いい事ずくめのようですが、「不当な利益供与」を得ている東電が電柱
 広告の収益を増やすことは、別の見方をすると自治体に入る筈の地代を得られないということで、
 主権者が不利益をこうむることにつながります。東電に世間相場の地代を支払わせる、東電は世
 間一般の地代を支払というのが正当な解決法です。

  ただ、問題の主因は東電ではなく自治体側にあります。各自治体は、土地価格に見合った電柱
 部分の地代を徴収できる「使用料制度」を制定すべきです。23区一律である必要はありません。
 「一律」は公平のように錯覚しますが、土地環境が違うのですから、むしろ不公平なのです。
  新宿区も独自に「使用料制度」を制定するなど、毅然とした対応策を講ずる事によって地価に
 見合った地代を徴収することが出来ます。その結果、税収は相当額増えるのです。


     大学ラグビー早慶戦は、32対31で早稲田が辛勝。

  今期の関東大学ラグビー対抗戦も大詰めを迎えています。今日は秩父宮ラグビー場で伝統の早
 慶戦が行われました。会場は家から徒歩でも10分余りで行ける近さなので観戦に行く予定で前
 から楽しみにしていましたが、数日前からの腰痛(ぎっくり腰)の回復が遅く、とて歩けるよう
 な状態ではなかったので止む無くテレビ観戦になりました。

  試合は慶応が大体先行する状態で一進一退を繰り返しましたが、終盤になるに従って慶応着々
 と得点を重ね、安全圏に逃げ込むような展開になってしまいました。
  しかし、早稲田もここあたりから持ち前の闘志を振り絞り、残り時間が僅かになってようやく
 ワントライ・ワンゴールをあげて2点差まで猛追、ノーサイド直前に得た慶応痛恨のファールに
 より、3点のペナルティゴールを決めてからくも勝利をあげることになりました。
  32対31。緊迫した好試合でした。

  ここ2、3年の関東大学ラクビー対抗戦は、帝京大学が圧倒的に強く、全然面白くない結果に
 終始していました。早稲田はかつての面影を失っていて、今年も既に帝京と筑波に大敗してして
 いますが、今日の早慶戦は、フォワード陣の大変な頑張りもあり、やっとのことで勝利に結び付
 けことになりました。

  これで早稲田も12月13日から来年1月中旬にかけて行われる「全国大学ラグビー選手権」
 には、どうやら出場できそうな状態になってきました。


 ● 11月18日(水曜日)●

    明治神宮野球大会決勝戦。早稲田大は亜細亜大に惜敗

  神宮球場で「明治神宮野球大会」(秋の全国大学野球選手権)決勝戦があったので観戦に行っ
 てきました。決勝に進んだのは早稲田大学と亜細亜大学です。
  今年、早稲田大学は春秋のリーグ戦を制し、また春の大学選手権でも優勝しているので、この
 試合に勝利すると大学野球の四冠に輝くことになります。東京六大学では初の栄冠です。

  試合は投手戦になり、早稲田が先行して一点を取ったあと、亜細亜が追いつき、延長戦になり
 ました。早稲田は14回裏、一死満塁という絶好のチャンスを迎え、勝利間近かまで攻め上げま
 したが、最悪のダブルプレーで逸機。その次の回、何と早稲田は二つのエラーで初めて亜細亜に
 先行を許し、そのまま敗北になってしまいました。
  母校の東京六大学初の四冠は次の機会に持ち越しになってしまいました。残念。


 ● 11月12日(木曜日)●

       杭打ち偽装、新宿区立の建物にもありました

  横浜の傾斜マンションが引き金になって、旭化成建材の杭打ちデータ偽装問題が連日報道され
 ています。一例ですが旭化成建材が杭打ち工事を請け負った江東区の第二亀戸中学校の校舎では、
 46本の杭のうち、6本で固い地盤に届いたことを示すデータが別の杭から流用されていたとい
 うことです。この事案について区は保護者への説明の中で、「建物は安全だから、ご安心頂きた
 い」と述べています。

  新宿区でも同種の問題が明らかになりました。
  区立新宿中学校と三栄町の四谷保健センター(複合施設)の杭で新たにデータの流用があった
 ことが判明しました。区は、データーが流用されていたけれども杭そのものは固い地盤まで届い
 ていると説明しています。偽装だけれども安全性に問題はないということです。
  他の自治体でも次々と杭打ちに関する偽装が発表され、業者も旭化成建材だけでなく他にも名
 前があがっています。あっちにもこっちにも蔓延しているような状態になりつつあります。

  私は建築に関連する問題には全く素人ですが、役所の建築部門には「検査機関」があり、本来
 的な任務として、最終段階で建物が計画通り竣工されているかどうか調査する事になっている筈
 です。それにも関わらず建物の文字通り基盤になる杭打ちの偽装をほとんど見抜けないとなると、
 こっちのほうがむしろ深刻な問題だと言わざるを得ません。
  「優秀な役人」のことですから偽装を見抜けなかったことについて、あれこれともっと最もら
 しい理屈を並べたてることだと思いますが、理屈は結構ですからきちんと検査をして、建物が設
 計通りに竣工されているのかどうか、きちんと点検し、こうした問題が二度と起こることのない
 ようににして欲しいものだと思っています。


 ● 11月7日(土曜日)●

       「五日市憲法草案」の足跡を訪ねて歩く

  あきる野市中央図書館で明日までの予定で「五日市憲法(いつかいちけんぽう)草案」の原本
 が公開されています。今日、それを見学しながら憲法草案が発見された深澤家の土蔵や五日市郷
 土館など五日市一帯にある憲法に関連する史跡類を幾つか見てきました。

  五日市憲法草案は、明治時代初期、自由民権運動が高揚する中で全国各地で作られた私擬憲法
 の一つです。1968年(昭和43年)、色川大吉東京経済大学によって東京都西多摩郡五日市
 町(現あきる野市)の大地主・深沢家土蔵から発見されたためこの名で呼ばれています。正式の
 タイトルは「日本帝国憲法」てす。全204条からなり、そのうち実に150条を割いて基本的
 人権について触れ、国民の権利保障に重きをおいており、現在でも最も進歩的な内容を持った憲
 法として今も高く評価されています。

  この憲法草案は、五日市学芸講談会の中心的なメンバーの一人であった仙台藩の千葉卓三郎が
 18811年に、深澤権八らと図って起草したとされています。国民の権利などについて、当時
 としては画期的な内容が含まれ、随所に現日本国憲法と理念的に共通するに内容もみられます。
 五日市憲法は東京都の有形文化財(古文書)に指定されており、原本はあきる野市の中央図書館
 に保管されています。深沢家屋敷跡(土蔵などが残る)も都の史跡に指定されています。


  五日市憲法関連の資料が展示されている「五日市郷土館」には美智子皇后も訪れています。2
 013年、美智子皇后が79歳の誕生日に当たって発表した談話では次のように述べ、「五日市
 憲法草案」を高く評価しています。

  「5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされ
 ていたように感じます。
  主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館
 で見せて頂いた「五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました。
  明治憲法の公布(明治22年)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討
 議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受け
 る義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治
 権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも4
 0数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い
 意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た1
 9世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも
 珍しい文化遺産ではないかと思います」。  


  当時、話題になりましたが、官僚の作文のような形式的なコメントと違って、なかなかいい内
 容のコメントです。

  五日市憲法を生み出した当時の市井の優れた土壌が歴史的に存在したことに無知な者たちは、
 現在の憲法をいまだに「押しつけ憲法」と断じ、改憲策動の有力な手立てにしていますが、そう
 でないことはこの五日市憲法をちょっとでも見れば自明です。

  アメリカ側から現憲法の案文が出てくるその素地は、松本烝治(まつもとじょうじ・当時の政
 府の憲法策定担当大臣)のような保守官僚には全くなかったかも知れませんが、五日市憲法草案
 や植木枝盛の「憲法草案要綱」などに明確に示されている通り、市井の研究者の間には、あっち
 にもこっちにもあったことがよく分かります。


 ● 11月5日(木曜日)●

         今日は息子・啓史の三回目の命日

  長男・啓史が亡くなったのは2012年11月5日。彼の絶命と同時に目の前が真っ暗になり、
 暫く意識をなくしたあの時から今日で早くも3年になります。思い出すことばかりです。

  一昨日の3日(文化の日)には、彼の友人たちが10人余り集まって菩提寺の東長寺に墓参を
 し、その後、生前皆でよく飲みに行っていた新宿二丁目の「魚や・一丁」で追悼会を開いてくれ
 ました。その前には、啓史の畏友である松井君と古池君の二人がわざわざ私たちを訪ねていただ
 いています。追悼会には参加できなかったけれども、墓参をしてくれた人は他にも随分いたよう
 です。残念ながら私たちにはいちいち連絡がありませんので詳しいことは分かりませんが、本当
 に嬉しい限りです。

  松井君や古池君をはじめとして、啓史はいい友人・先輩・同輩・後輩をいっぱい持っていまし
 た。私たち両親に啓史が残してくれた「心理的な財産」だと思っています。

  兄の命日に当たって弟の耕史と妹の潤子がFBで次のように述べています。
  (耕史は毎年、命日の亡くなった時間に墓参に行っているようです)。


      ● やっと丸三年。何時もの日、何時もの時間

      兄貴、元気か! 
      あの日から色々する度に
      「大したことはない」
      「最悪な事なんて滅多に起きない」って思いながら過ごしてるよ
 
      お陰で何とか出来てるよ
      ありがとう!
      またな!
      たまには会いたいよ!



       ● 11月5日。兄・啓史の命日。

    昨日からの微熱のため、関係ない予定を入れていたけどキャンセル。こうして普通に日
  々を過ごす中、ちょっとぼんやりする頭で、去年の今日、おととしの今日、そして3年前
  の今日を思い出すと、その年その年の違いが際立ち、この日が自分の力のもとになってい
  るのだなと感じる。

    こういうところに書かなくても大切な人を失くした人はいっぱいいるし、去年が三回忌
  だったから、私ももう今年は何もするつもりはなかったけど、若くして亡くなった分、や
  っぱり啓ちゃんのことは色んな人に知ってほしい。残りの人生で出会う人がいっぱいいた
  はずだから。そして今まで出会った方々にもどうか忘れてほしくないと思います。

    この人はほんと大丈夫かなと思うほどメチャクチャで(たぶん皆さんの想像を優に超え
  る)、でも本当に努力家で、頭の良い、すばらしい兄でした。

   年々私に優しくなっていくのをちょっと気持ち悪いとか思っちゃったりしてごめんね。


 ● 10月23日(金曜日)●

        白玉の歯にしみとおる秋の夜の酒は~

  久し振りに同門の友人から誘われたので、西早稲田の実家にお邪魔して遅くまで酒肴をご馳走
 になりました。彼は豪放な感じのするところがありますが、実に繊細な心根の持ち主です。
  彼と一緒の飲む時は、よく若山牧水の歌が話題になります。牧水の代表作の一つとして人々に
 膾炙されている有名な
「白玉の歯にしみほとる秋の夜の酒はしづかに飲むべかり」 です。

   私の記憶から薄れてしまいましたが、知り合った当初に二人が話題にして大いに盛り上がった
 歌だということです。いい歌です。
  今日の夜も何気なくこの歌を肴にしながらおいしい酒を飲み交わしました。とても楽しい時間
 でした。

  ところでこの歌の解釈で、「白玉」とは何かということで諸説があります。「白玉」は一般的
 には「真珠」のことですが、この歌の場合、「白玉」は「酒」にかかる枕詞と考えられます。白
 玉=露=甘露もしくは米の露と考えるのがいいようです。すなわち、「秋の夜長、ぐっと歯にし
 み通るように美味しい冷や酒は、黙って静かに味わって飲むべきだよねぇ」ということです。

  ところで牧水は新婚の頃、新宿二丁目の森本酒店の二階のアパートで一時期を送っています。
 私は現役の頃、区議会に行く際にいつもこの前を通り、よく牧水のことを思い出していたもので
 した。もう大分前に森本酒店は建て替えられて大きなビルになり、かつての面影はなくなりまし
 たが、若かりし頃の牧水と喜志子夫妻(奥さんも歌人)の足跡はここにきちんと記されていると
 私は思っています。

  私たちが住んでいる近くに牧水夫妻が住んでいたと思うと、この地域に対する感情も特別なも
 のになります。滝澤馬琴、斉藤茂吉、中島敦、芥川龍之介、夏目漱石(幼少時分)、吉井勇など
 も一時期ですが、近くに住んでいました。、


 ● 10月12日(月曜日)●

      ラグビーWカップ、日本3勝するも予選突破ならず

  イギリスで開催されているラグビーワールドカップ(RWC)2015年は、日本が緒戦で強
 豪の南アフリカに勝利したこともあり、国内でも俄かファンを巻き込んで大いに盛り上がってい
 ます。9月23日のスコットランド戦では実力通りの結果がそのまま出て敗北しましたが、10
 月3日のサモア戦と今朝行われたアメリカ戦では期待していた通りの大善戦をし、共に勝利をお
 さめました。
   これで日本は予選の全試合を終了し3勝1敗。24年間、RWCで勝ち星のなかった日本が一
 挙に3勝もあげるという好戦績でした。しかし、残念ながら獲得ポイントで南アフリカとスコッ
 トランドに僅かに及ばず、目標にしていた予選突破を果たすことは出来ませんでした。それにし
 ても大善戦でした。


 ● 9月21日(月曜日)●

      娘と一緒に八戸へ墓参。久し振りに中尊寺にも。

  2泊3日の予定で娘の潤子と一緒に久し振りに青森県八戸市に墓参に行ってきました。兄の家
 の近くにある墓には、両親と姉が眠っています。
  母は、23歳の若さで釧路で亡くなった姉の分までも生きるかのように100歳を超えてから
 も結構元気でした。105歳で亡くなりましたが、信じ難いような長寿でした。

  八戸に行く途中、世界遺産の中尊寺、毛越寺に寄ってきました。これらの古刹を訪ねるのはも
 う6、7回目にもなります。いつものことですが、この時代の栄枯盛衰、東北の辺境で花開いた
 藤原三代の栄華とその後の衰退を感じてきました。


 ● 9月20日(日曜日)●

      ラグビーWカップ、日本が南アに「奇跡の勝利」

  奇跡が起こったと思いました。容易には想像することさえ至難であった出来事でした。
  日本時間の20日深夜、イギリス南部ブライトンで行われたラグビーワールドカップ(RWC)
 2015年の予選Bグループの南アフリカ対日本の試合で日本が34対32で奇跡の勝利をおさ
 めました。終了直前まで日本は3点負けていましたが、ここで相手ファール。これに対する選択
 がこの試合の勝敗を分ける最大のポイントになりました。確実されていたペナルティキックの選
 択ならば同点です。相手は南アですからこれでも大変な快挙です。
  しかし、リーチ主将は勝利を目指してスクラムを選択。必死のトライ決めて5点追加。34対
 32の奇跡が起こったのでした。
  24年間、RWCで勝ち星のなかった日本が、過去2度の優勝を誇る世界ランキング3位の南
 アフリカをで破る大金星でした。世界のスポーツ界を驚かせニュースであり、RWC史上最大の
 番狂わせだとも報道されています。

  念願の予選通過を果たすためには最善のスタートを切った日本は、中3日という厳しい日程で
 すが23日の第2戦では対スコットランドと闘います。その後はサモア戦、アメリカ戦が続きま
 す。いずれも実力は日本よりも上、強敵です。


 ● 9月11日(金曜日)~19日(土曜日)●

      アウシュビィッツ強制収容所へ行ってきました。

  以前からポーランドに行きたいと思っていましたが、この年齢になってようやく念願が叶いま
 した。9日間の駆け足旅行でしたが、ワルシャワ、ザモシチ、ザコバネ、クラクフなどポーラン
 ドの主要な場所を訪ね歩くことが出来ました。
  
  ポーランドは、国家としては一時地図から消滅するなど有為転変の歴史を刻んできました。そ
 の稀有な歴史の中で私の心の中に一番強く焼きついているのは、何といっても「ナチスドイツの
 強制収容所」に関する出来事です。
  古都クラクフ近郊のアウシュビィッツ強制収容所とビルケナウ強制収容所については、強制収
 容所専属で日本人唯一の案内人として評価の高い中谷剛さんの著書などを読んだりして、事前に
 充分調査し、覚悟を決めて見学しましたが、やはり強烈な印象を受けました。

   私は1979年に初めての外国旅行(日独友好協会の学習交流団旅行)で当時の東ドイツを訪
 問した際にワイマール郊外の「ブーヘンヴァルト強制収容所」を訪れました。この時も強制収容
 所の歴史やそこで起こった出来事などについて、本などで調べて行きましたが、実際に現場を見
 て大変なショックを受けた事を思い出しています。

  この種の施設は今回で二度目になりますが、私たちと同じ人間が行き着ける先の想像を絶する
 「狂気」を見る思いがしました。


 ● 8月25日(火曜日)●

       児童文学者の岸なみさんが亡くなりました

  今日の朝刊に児童文学者で翻訳家の岸なみさんの「訃報」が掲載されていました。

  岸なみさんは、伊豆の民話を題材にした多くの作品で知られています。特に小学校の国語の教
 科書に載った「たぬきの糸車」は有名で、岸さんの代表作の一つです。また、岸さんは海外児童
 文学の紹介にも熱心で「小公子」「小公女」「しあわせの王子」「アルプスの少女」などの広く
 世に知られている多くのすばらしい作品を翻訳しています。

  岸さんが老衰で亡くなったのは7月23日、103歳でした。葬儀はすでに近親者のみで営ん
 だと報じられています。
  岸さんは私たちのマンションからそんなに遠くない富久町に住んでいました。私は、20代の
 最後半の時期でしたが、以前から岸さんと親しく付き合い、先生を囲んだ「読書会」を主催して
 いた知り合いから紹介していただき、岸さんの自宅でお会いしたのが最初でした。その後、何度
 も岸さんにお会いする機会がありました。当時、もう60歳を超えていましたが、とても美人で
 魅力的な方でした。

  私が初めて区議会議員選挙に立候補した当初から、何度も何度も岸さんには過分な「推薦文」
 を書いてもらい、選挙公報や選挙ハガキに掲載することを了解してもらいました。富久町の自宅
 にはポスターも貼らせていただきました。
  岸さんからいただいた手紙やサイン入りの何冊かの著作は、私の本箱のどこかにしまってある
 筈です。

  もう大分前に富久町から生まれ故郷に程近い小田原市城山に引っ越しましたが、私が議会の活
 動を記した「報告書」などをお送りすると、よく返事をいただき激励してもらいました。

  小田原に移転した後の先生の消息は時々、知り合いから聞いていましたが、最近は全くご無沙
 汰していたので、ご高齢だしどうしているか気になっていました。

  本当にお世話になった素敵な方でした。
  ついに訃報に接することになってしまいましたが、多くの人々、特に子ども達に夢を与えるす
 ばらしい仕事をされ、103歳の天寿を全うされました。心からご冥福を祈っています。


 ● 8月23日(日曜日)●

    浅井基文さんの講演会、「ポツダム体制と戦後政治」

  社会主義協会の講演会が開かれたので出席しました。
  午後1時から2時間ほど中野ゼロホールで開催されましたが、今日のテーマは「ポツダム体制
 と戦後政治-集団的自衛権問題点」。講師は浅井基文さんです。内容の濃い講演会でした。

  浅井基文さんは東大卒業後外務省に入省。条約局国際協定課長、在中国大使館参事官、アジア
 局中国課長、イギリス国際戦略研究所研究員などを歴任した後、東大教授や広島大学平和研究所
 所長を勤めた方です。東大名誉教授です。

  今日の講演会に向けて浅井さんは、詳細なレジメを準備してくれていていました。それ自体が
 一つの参考書になる内容の濃い資料です。先生の話は多岐にわたりましたが、自分たちが置かれ
 ている社会の情勢を正しく見抜くためには、あらゆる情報を駆使し、可能な限り複眼的な物の見
 方をでなければならないことがよく分かりました。

  この点では、先の戦争における日本の軍部は、客観的で大局的な判断を下すことができないと
 いうことでは決定的な欠陥を持つ組織でした。もともと戦争をするような組織体や指導体制では
 なかったということです。

  安倍政治もよく似た体質を持っています。首相は戦争法案提出の当初、日本人を救出する場面
 を描いたパネルまを使って法案の正当性を説明していました。日本人を救うのだ、を強調し、国
 民の理解を得ようとしていたのです。しかし、最近の説明では、日本人でなくても対象になると
 変わってきています。「愚民政策」もいいところです。実に加減な説明です。

  こうした国会のやり取りを聞いていても、歴史を踏まえた情勢認識の重要性を今の政治がいか
 に蔑(ないがし)ろにしていているか、しかも独りよがりの思い上がりに依拠し、いかに私的な
 願望にも似た自己主張にすがり付いているということがよく分かります。


 ● 8月19日(水曜日)●

     早稲田実業対仙台育英の準決勝は一方的な試合に

  100年目を迎え熱戦が続く甲子園の高校野球選手権は、今日準決勝戦です。これまで投手陣
 が弱いと指摘されながらも順調に駒を進めてきた第一回大会出場校の早稲田実業の相手は強豪の
 仙台育英です。

  どちらの学校が強いのか私には全く分かりませんでしたが、接戦になることはだけは期待して
 観戦しました。しかし、一方的な試合になってしまいました。一年生の清宮や首相の加藤、金子
 といった自慢の打線もずっと沈黙、結果は7対0の完封負けでした。残念でしたが、今年の早実
 は、西東京の大会から本当によく闘ったと思います。もともと甲子園に勝ち上がったことそのも
 のが信じられないくらいでしたから。


 ● 8月18日(火曜日)●

    自民党離党で目先をかわし、居座り続ける低劣議員

  関西のほうから選出されている自民党の若い議員が、未公開株式を巡る金銭がらみで離党する
 事になったようです。この議員は、つい先日も若者たちが戦争法案に反対していることについて、
 戦後の教育が悪かったからこうした行動になっているといった趣旨の発言をして問題になったば
 かりでした。
  未公開株について「国会議員の枠がある」と言って金集めをしたようですが、まことに陳腐な
 言い草です。こんな空言で騙されるほうもどうかと思いますが、それしても議員の程度の低さは
 目を覆うばかりです。更にこの議員の幼稚さは、「自民党に迷惑をかけた」と党を離れたけれど
 も、「選んだ有権者」に対する失望や裏切りについては議員辞職を持ってわびるという姿勢が全
 く欠落していることです。主権者を愚弄しているのです。少しでも責任をんとる気持ちがあるな
 らば、自民党の党籍のあるなしよりも、まず第一に国民に対する責任を明確にすべきです。

  安倍首相(自民党総裁)はこの問題について、「本人がきちんと説明責任を果たすべきだ」な
 どと第三者的で悠長きわまりないことを言っていますが、呆れてしまいます。
  この党は上からに下までちっとも市民感情に足場を置いていないことがよく分かります。こう
した政党が「戦争法案」に固執しているのですから、改めて恐ろしくなります。


  今日、東京女子医大でエコーの検査をしてもらいました。先生から言われて何年も前からほぼ
 半年に一回、定期的に行っている精密検査です。前回とほとんど同様の結果でした。エコーの検
 査項目について、まあ、とりあえずは安心です。


 ● 8月15日(土曜日)●

    問題になった四つの言葉、すべてあるけど 意味不明

  今日、敗戦70年を迎えるに当たって安倍首相は昨日、いわゆる「安倍談話」なるものを発表
 しました。ずっと以前から村山談話や小泉談話で触れられた「植民地支配」「侵略」「痛切な反
 省」「心からのおわび」といった文言が使われるかどうか注目されていた談話です。

  昨日発表された談話は、村山・小泉談話の三倍もの長文です。ごくごく一部に評価出来る部分
 もありますが、全体としてはやたらと冗長で、しかも無味乾燥、抜け目のないことを身上とする
 官僚の作文に類する内容です。

  安倍首相は、本心では問題の四つの文言には言及したくないと見られていました。しかし、不
 本意ながらも冗長文では全部触れざるをえなかったようですが、本心ここにあらずですから、全
 く心のこもらないものになっています。気を利かしたように見せかけた典型的な駄作です。

  朝日新聞は社説で、冒頭、「いったい何のための、誰のための談話なのか」と述べ、幾つかの
 キーワードは盛り込まれたが、日本が侵略し、植民地支配をしたという「主語」はぼかされたと
 指摘した上で、「この談話は出す必要がなかった。いや、出すべきではなかった。改めて強くそ
 う思う」と断じています。同じ新聞の川柳には次のような一作が掲載されていました。

     問題語 すべてあるけど 意味不明


 ● 8月14日(金曜日)●

     東郷青児美術館で安野光雅の作品展を見てきました

  ゴッホのひまわりで有名な新宿西口の東郷青児記念美術館(損保ジャパン日本東亜ビル)では
 現在、「旅の風景 安野光雅展」が開かれています。観賞してきました。イタリアやフランスな
 どヨーロッパ各地を旅行した際の一連の作品が展示されていましたが、細かく書き込んだ一つ一
 つの作品は静かな旅情をたたえるものばかりでした。

   私が住んでいるマンションには、亡くなりましたが、イラストレーターの真鍋博が住んでいま
 した。安野さんの作品の細やかな描写は真鍋さんの作品群を彷彿とさせるものばかりでした。


 ● 8月13日(木曜日)●

      白熱の甲子園。西東京代表・早稲田実業勝ち進む

  甲子園で行われている高校野球選手権試合で西東京代表の早稲田実業学校が勝ち進んでいます。
 今朝8時から行われた早実対広島新庄の試合(第二回戦)は点の取り合いになりましたが、8対
 7で早実が勝利を収めました。好試合でした。これで早実は2勝。16強に名乗りを上げ、15
 日に8強をか東海大相模と対戦します。
  早実と共に第一回大会に出場し、見事優勝校になった京都の鳥羽高校も勝ち残っています。

  次男夫婦が、このお盆休みを利用して四国を旅行中です。今日は香川県善通寺市の金林寺にあ
 るお婆ちゃんの墓参りをしたようです。メールが届き、FBには写真が添付されていました。私
 も二度ほどこの寺に墓参に行ったことがありますが、懐かしく感じました。


 ● 8月11日(火曜日)●

       今夜は神宮外苑で「花火大会」が行われました

  毎年この時期に行われている「神宮外苑花火大会」が今夜7時半から行われました。
  私たちのマンションの部屋からは、改築前も改築後も見事な花火の競演を真正面から見ること
 ができます。まさに一等席です。
  今夜は知り合いが何人か訪ねて来てくれたので、いっぱい飲みながら花火の観賞をしました。
 年に数回行われるといろいろな方を招待できるのですが、当たり前ですがたった一回だけしか行
 われません。残念なことです。


 ● 8月6日(木曜日)●

      ヒロシマ原爆記念日に、全国高校野球大会が開幕。

  今日は70回目のヒロシマ原爆記念日です。広島平和公園で行われた記念式典のテレビ中継を
 見ましたが、厳粛な気持ちになります。

  今日から甲子園では全国高校野球選手権試合が開幕されました。今年は100周年になります
 が、戦争で4回ほど中止になっていますので、開催回数としては97回目になります。野球もも
 ちろんそうですが、平和な世の中であればこそ、このようなスポーツなどを楽しむことが出来る
 のです。

  第一回大会に出場し優勝した京都二中(現在の鳥羽高校)の主将が選手宣誓をしましたが、今
 日8月6日の意味合いに触れた立派な挨拶でした。安倍首相がヒロシマの原爆記念式典で「非核
 三原則」にあえて言及しなかったことと比較すると、「首相」と「主将」の発した言葉の重さは
 大違いです。


 ● 8月3日(月曜日)●

    「戦争法案」、審議が進むごとに問題点が浮き彫りに

  参議院では「戦争法案」の審議が続いています。内閣の中軸にある内閣審議官の暴言(本心か
 らの発言)があったりして、質疑を重ねるたびに法案の危険性や問題点が現れ出ていますが、安
 倍首相はどんなことがあっても押し切る構えです。それにしても、あれほど明確に安全保障関連
 法案について「法的安定性は関係ない」などと繰り返し発言した礒崎首相補佐官が、問題視され
 るとよくまあ自分の発言を取り消せるものだ思います。本来ならば、自分の発言に責任が持てな
 い政治家はその地位にいる資格はありませんが、「本心ではなかった」と取り消して一件落着に
 なるのですから、この国の政治の程度はたかがこの程度のものかと、改めて愕然とします。
 
  ところで、安倍内閣への支持率は、どこマスコミでの世論調査でも下落一方ですが、国会での
 最近の安倍首相のの発言は、戦争法案も含めて「先の総選挙で国民から支持を受けた」という認
 識ですから、呆れかえってしまいます。


  8月に入ってからも「熱暑」は止みません。最高気温35度以上がなんと一週間以上も続いて
 います。熱射病のニュースが連日報道されていますが、日本全体が熱におかされて感じです。


 ● 8月3日(月曜日)●

       戦争法案への反対行動は「利己主義の蔓延」?

  安全保障関連法案をめぐって学生たちが開いている反対集会について、自民党の武藤貴也衆院
 議員(滋賀4区)が「戦争に行きたくないという考えは極端な利己的考え」と自身のツイッター
 に書き込んでいたことが報道されています。武藤議員は先月30日、法案反対を訴える学生らの
 SEALDs(シールズ)の主張を、「だって戦争に行きたくないじゃん、という自分中心、極
 端な利己的考えだ」と書き込み、戦後教育が利己的な個人主義を蔓延させたと一方的・短脈的に
 結論付けています。
  これに対し、ネット上では「自衛隊を戦場に送り込む訳でないという国会答弁とも矛盾する」
 などと批判が相次いでいます。当然です。
  報道によると武藤氏は自身のフェイスブック上で、「世界各国が平和を願って努力する現代に
 おいて、日本だけがそれに関わらない利己的態度をとり続けることは国家の責任放棄だ」と述べ
 ているようです。

  いろいろな考えの議員がいるのは、民意を多方面から反映させるという利点はあります。しか
 し、このように程度の低い独善的な者が議員の地位を占めるのは、健全な社会の進展にとって全
 く有害です。


 ● 7月31日(金曜日)●

      フクシマ原発事故で検審が「起訴相当」の議決

   フクシマ原発の事故を巡って今日、大きな動きがありました。東京第5検察審査会は今日、東
 電福島第一原発事故は、東電が適切な津波対策を怠ったために起きたとして、福島県民を中心に
 した約5700人が歴代の幹部6人の捜査のやり直しを求めていた問題で、東京地検の不起訴処
 分に対し、勝俣恒久元会長ら三人を業務上過失致死傷罪で「起訴相当」と議決したと公表しまし
 た。フクシマ原発事故に関して、市民で構成する検審が関係者を起訴すべきだと判断したのは初
 めてです。
  今も約13万人が避難生活を送る未曽有の大事故です。南相馬市の小高地区に住んでいた私の
 小中学校の同級生もその後ずっと東京に住んでいる子どもたちの近くの仮住宅に避難中です。今
 後、以前の小高に帰れるかどうか分かりませんが、今のところの彼の予想では、「恐らく無理だ
 ろうなぁ」ということでした。

  裁判になった場合、今後の焦点は、2008年に15メートル超の津波を試算しながら必要な
 対策を取らなかったことが過失に当たるかどうかが問われることになります。このことに関して、
 今日の検察審査会の見解は「地震や津波が具体的にいつどこで発生するかは予見できない。想定
 外の事態が起こりうることを前提とした対策を検討しておくべきだ」と指摘。対策を講じなかっ
 た東電の対応を「容易に無視できないと認識しつつ、何とか対策を回避したいとのもくろみがあ
 った」と批判しています。

  東電の責任者が刑事責任を問われる可能性が出てきましたが、当然のことだと思います。


 ● 7月28日(火曜日)●

      津軽で過ごした子どもの頃食べていた「スグリ」

  「スグリ」という小さな果実があります。東京では知名度の低く、妻も娘も知りません。ブッ
 シュ状に育つ樹高1・5m前後のトゲのある低木で、別名、「グーズベリー」とも呼ばれていま
 すが、大変かわいらしい形をしています。スグリは寒さには結構強いけれども暑さには弱いため
 に、日本では東北地方など北方地域での栽培に適しています。果実は甘酸っぱく、そのまま食べ
 るかジュースやジャムなどの加工材料して利用されています。

  私が津軽の片田舎で育った子どもの頃、母親は広い裏の畑の一角でこのスグリを栽培していま
 した。私たち子どもはしょっちゅう、スグリを食べていました。ただ、美味しかったという記憶
 は全然ありませんが、小さな棘のある薮状の樹体や葉っぱ、特に果実の姿かたちが美しかったた
 めに子ども心にも上品な雰囲気を感じ、とても好感を持っていた果実でした。

  今日、五所川原市(私の辺鄙な田舎・市浦村は合併して「市」になっています)に住んでいる
 いとこから、「敏行はきっと懐かしいでしょう」という手紙と共に「スグリのジャム」と栽培し
 たばかりの「ストロベリー」が送られてきました。

  今日はこんなことがあったので、随分昔のことになってしまった「スグリ」を食べた子どもの
 頃のことを思い出しました。


 ● 7月26日(日曜日)●

    高校野球100周年、第一回大会出場の早実が代表に

   今日11時から神宮球場で高校野球西東京大会の決勝戦が行われました。早稲田実業が決勝に
 進んだら観戦に行こうと思っていたので、念願かなって10時半頃球場に行きました。既にもの
 すごい観客であふれかえっており、切符を買うのも長蛇の列です。びっくりしました。
  早実の内野席はとっくに札止め。仕方なく、ちょっとだけ空いていた相手高の東海大菅生サイ
 ドにやっと空席を確保しました。後で知りましたが、今日の観客は約3万人で大会史上、最高だ
 ったということでした。

  神宮の観客席には屋根がないので、太陽がまともに直撃します。今日は予想では35度前後で
 すが、恐らく球場の観客席は40度以上だったと思います。シャツは直ぐに汗でずぶぬれ状態で、
 背中を幾筋もの汗が流れ落ちるのがよく分かります。とにかく暑くて気が遠くなりそうですが、
 周りの人たちは熱心に応援していますので、私も冷たい水分を充分に取り、「敵陣営?」の席に
 座ってじっと観戦。

  試合は最初から東海大菅生が圧倒的に優勢。4回にはホームランなどで4得点、その後更に1
 点を加え、早実は全く劣勢です。7回が終わった段階で5対0。酷暑だし、試合内容は全く面白
 くないので帰ろうと思っていましたが、周りは東海大菅生の応援で大いに盛り上がり、私の席か
 ら容易には通路に出ることも出来ません。どうしようか躊躇していましたが、奇跡は正にこの時
 から始まりました。何とこの回(8回表)、内野安打で端緒を開いた早実がこれまで拙攻とは豹
 変した粘り強い攻撃を見せ、一挙に8点入れて大逆転。結果は8対6で早実が勝利をもぎ取りま
 した。晴れて西東京代表。こんな劇的な逆転試合を実際に観戦したのは初めてです。 


  今年の第97回全国高校野球選手権大会は、高校野球が開催されて100年目にあたります。
  1915年、第1回全国中等学校優勝野球大会に出場したのは全国で選抜された10校ですが、
 今年8月6日に行われる開会式ではこの10校の現役野球部員が当時のユニホームを着て入場行
 進することになっています。

  復刻されたユニホームで行進するのは、秋田中(現秋田高)、早稲田実、三重四中(現宇治山
 田高)、京都二中(現鳥羽高)、神戸二中(現兵庫高)、和歌山中(現桐蔭)、広島中(現国泰
 寺高)、鳥取中(現鳥取西高)、高松中(現高松高)、久留米商です。

  この第一回大会出場の10校の中で今年甲子園に出場するのが決まったのは今のところは早実
 だけです。京都二中(現鳥羽高)が勝ち進んでいますが、代表になるかどうかはまだ分かりませ
 ん。いずれにしても今日の早実の勝利は大変貴重なものであり、和泉監督も試合後、幾多の選手
 が築いてきたきた100年の伝統と歴史を感慨深く語っていました。
  この歴史的な大会、早実には精一杯活躍してもらいたいものだと思っています。

 ( 28日。京都府大会で勝ち進んでいた京都二中(現・鳥羽高校)は、その後の試合も勝ち
  抜き、見事、京都府代表になりました。これで第一回大会出場校の10校の内、早実と共
  に2校が今大会に出場することになりました)。


 ● 7月24日(金曜日)●

    高校野球青森県代表、野球留学高校以外の県立高校

  今年の全国高校野球大会は、1915年に第一回大会が開催されて以来、区切りの100周年
 目になります。いま、全国各地で県代表をかけた熱戦が繰り広げられており、私の出身の青森県
 大会では、予想を覆して県立三沢商業高校が常連の八戸光星学院高校を決勝で敗って甲子園への
 名乗りを上げています。青森県でも「野球留学高校」が進んでおり、光星学院などはその典型で
 すが、こうした中、公立高校が勝ち上がって代表になるのは実に久し振りです。

  西東京大会は、今日、神宮球場で準決勝が行われ、早稲田実業と日大三高が対戦しましたが、
 早実が2対0で勝利しました。インターネット中継で見ていました。いま話題の一年生・清宮幸
 太郎選手の一振りがこの熱戦の勝敗を決めたので、その後のテレビニュースなどでも盛んに報じ
 られています。
  いよいよ今度の日曜日が決勝戦です。相手は春の代表の東海大菅生。観戦に行く予定です。


 ● 7月22日(水曜日)●

    久し振りに気が合う同門が集まり、暑気払い

  梅雨も明け、今年もいよいよ夏も本番という感じです。日本列島は北から南まで熱暑一色です。
  新宿区役所の管理者や議員の中で早稲田出身の人たちが「新宿区役所稲門会」という親睦団体
 を作っています。年に2、3回集まり、たわいのない話をしていますが、今夜、久し振りに歌舞
 伎町で、「暑気払い」ということでその集まりがありました。
  現在の会長は元助役の高橋和雄さん。教育委員・選管委員を務めたことがある女優の坪内美紀
 子さんもメンバーです。4月の選挙で当選した現職の議員は共産党の田中、佐藤、川村、それに
 無所属の野津の四氏ですが、以前に比べれば随分少なくなりました。議員経験者はは野口・新井
 (自民)、久保(民主)、それに私の四人。今日は新旧議員のほぼ全員が参加していました。

  現職の部課長もいっぱい顔を見せていましたが、いつものように無礼講のひと時でした。


 ● 7月19日(日曜日)●

     実にいい加減、無節操な舛添知事の主張と姿勢

  何かと話題の新国立競技場問題ですが、「ザハ案断念」が決定した以降、舛添知事がさかんに
 これまでの政府の対応を批判しています。総工費2520億円で強行突破しようとしたことにつ
 いても今日、自分のツイッターで「(私は)国民が納得しないと警告したが、『作るのは政府、
 都は口出しせずに後でカネを払えばいい』という態度」だったと指摘し、「現在の体制のままで
 は、また失敗する」「文科相・JSC(日本スポーツ振興センター)体制では駄目である。有識
 者会議も、政府決定を追認させるだけの隠れ蓑で、存在価値はない」と述べたと報じられていま
 す。

  舛添知事の批判の趣旨はその通りであり、最もらしく聞こえますが、この知事は以前から世渡
 りがうまく、上手に責任を転化する術に長けているという特質を持っています。今回の件でもこ
 の特質がよく現れています。

  そもそも「有識者会議は政府決定を追認機関。体のいい隠れ蓑。存在価値なし」と述べていま
 すが、舛添はこの存在価値のない会議の有力なメンバーであり、つい先日総工費2520億円の
 計画を決定した時、彼は「賛成」しているのです。自分で決めたのです。それを第三者のような
 顔をして批判するとは、二重人格そのものです。

  彼が「ザハ案」に本当に反対ならば、有識者会議でも最後まで明確に反対を貫くべきですが、
 最終的に賛成しておいて、今更何を言ってるかということです。

  この会議の数日前から舛添の姿勢は弱腰になった指摘されていました。政府が都に要望する5
 00億円についても結局は負担するのではないかと懸念されていました。態度の豹変は、森元首
 相(オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長)に脅かされたためではないかと推測さ
 れていましたが、彼は、要するにそんなことが充分にありうる節操のない、調子のいいオトコな
 のです。


  都知事も安倍も無責任、有識者会議に結集するスポーツ関係者も政府の言いなりのイエスマン
 揃えということで、一体オリンピックはどうなるのでしょうか。


 ● 7月17日(金曜日)●

   「国民の声に耳を傾けて決断~」、空々しいの一言

  政治家にこびる官僚や無責任な「有識者たち」によって、未曾有の巨費を投じて強行されよう
 としていた新たな国立競技場の建設計画がようやく白紙に戻ることになりました。当然のことで
 す。

  この当たり前の結論は、「国民の声に耳を傾けて」安倍首相が決断したことになっているので、
 首相の適切な勇断にこぞって喝采を送るべきところですが、しかし、実態は全くそんなことでは
 ありません。

  つい数日前まで、安倍首相は国会の質疑で、計画変更は不可能だと断じていたのです。自らの
 「国際公約?」を変更することなんぞ、このオトコの眼中には全然なかったのです。
  建設計画をやむなく白紙に戻したその真意は、固執している戦争法案について、国民がその内
 容を知るに従って日増しに反対の声が高まり、内閣への支持率も急速に下落してきたために、批
 判をはぐらかすために、新国立競技場の建設計画問題を利用しただけです。

  彼は腹の中では、これで少しは戦争法案に対して国民の批判をかわすことができるだろうと思
 っていることでしょう。あるいは、鶏頭に似た国民はたやすく騙せる、と思っているかも知れま
 せん。要するにそんな底意をはらんだ見え見えの「決断」です。

  まぁそれでも、膨大な無駄遣い計画があのまま進むよりはいいのかも知りませんが、それにし
 ても「国民の声に耳を傾けて~」などとよくぬけぬけと言えたものだと思います。
  空々しい限りですが、こうした手法は人間的に底の浅い政治家がよく使うやり方です。

  こうした安倍首相の動きを見ていて改めて感じることですが、このオトコは、もともと人から
 尊敬されるに値するような人間でもないにも関わらず、その心底では謙虚さ欠き、国民を恐れず、
 民意に敬意を払わないばかりか、逆に国民や民意を卑下する気持ちの高いことがよく分かります。
 政治家としては最も好ましからぬ「人品」です。
  こういう人間だからこそ、国民が大反対している戦争法案を強行採決できるのだし、他方では
 「国民の声に耳を傾けて」などと平気で口走って新国立競技場計画の白紙決定もできるのです。

  もういい加減に辞めてもらうしかありません。

  それにしても、コレまでの随分長い間、「公共事業」という名の下に特別に必要でもなかった
 道路やダムや港湾など幾多の大工事が、無駄であろうと何であろうと、一旦始まってしまえばカ
 ネがいくらかかっても突き進んでいきました。今回の新国立競技場建設計画の動きで、これまで
 繰り返し「公共事業」が強行されていった実態が手に取るようによく分かります。
  当初予算の二倍になろうが三倍になろうが、今更変更は出来ないと湯水のようにカネはかける
 けれども、ちょっと立ち止まって「費用対効果」の基本的な検証をすることは一切しない、しか
 し、責任問題起こって誰も責任は取らない、そして旗振り役の政治家や官僚はしたたかに生きの
 び、関係大企業は大もうけをするというあの構図です。



   ● 参考 ●   内閣支持率急落35% 不支持51%  <毎日新聞世論調査> 

  毎日新聞は17、18両日、安全保障関連法案の衆院通過を受けて緊急の全国世論調査を実施
 した。安倍内閣の支持率は今月4、5両日の前回調査より7ポイント減の35%で、第2次安倍
 内閣発足後で最低となった。不支持率は前回より8ポイント増の51%と初めて半数に達した。
 与党が15日の衆院平和安全法制特別委員会で安保法案を強行採決したことについては「問題だ」
 との回答が68%で、「問題ではない」の24%を大きく上回った。安保法案への世論の批判は
 強まっており、政府・与党の一連の対応が内閣支持率を押し下げたとみられる。

                        ( 毎日新聞 7月19日(日)9時0分配信 )


 ● 7月14日(火曜日)●

    憲法も立憲主義も国民主権もあったものではない

  「安保法案(戦争法案)に対して国民の理解は進んでいない」。
  安倍首相の言葉です。この人にしては珍しく的を得た見解です。ではどうするのか。

  有無を言わせずに強行採決して、「決められる政治とはこんな事をいうのだ」ということを見
 せてやる。彼が選んだ選択です。
  国民の理解が進むに従って「反対」の声が強まるのですから、理解が進んでいない今こそさっ
 さと法案を通してしまう。彼の中にはこの選択しかなかったのかも知れません。

  憲法も、立憲主義政治も、国民主権もあったものではありません。

  今日、衆議院の特別委員会で自民・公明は、国民の7割以上の反対し、憲法学者のほとんど全
 てが違憲、あるいは違憲の疑いがあると指摘している戦争法案を強行採決しました。
  明日、本会議で可決し、参議院におくる予定です。
  参議院で結論が出ない場合は、「60日ルール」で衆議院で再議決の魂胆です。

  今日の強行採決で、現状追認傾向の強いこの国の方々も、ことの重要性に少しは覚醒する事に
 なった筈です。平和憲法下おけるこの稀代の戦争法案に対して、絶対反対の声はますます強まっ
 ていくでしょう。何としても廃案にしなければなりません。


  それにしても自称「平和の党」の公明党というのは、一体、何を考えているのでしょうか。憲
 法を踏みにじる「戦争法案」に結局は賛成し、のみならず、推進の旗を振り役を演じている姿は
 醜態そのものです。
  私はたったの一度もそんなことは思ったことはありませんが、よくもまあ、この党が「平和」
 などということを言えるものだと思います。あつかましい限りです。
  政権ににじり寄り、利権のおこぼれにありついているのかどうか分かりませんが、これぞ「羊
 頭狗肉」の際たるものです。


 ● 7月11日(土曜日)●

    一挙に新国立競技場計画への批判が高まっています

  信じがたいような巨費を投じて建設が進められる予定の新国立競技場について、批判が高まっ
 ています。当然です。現状は、国民の大半が反対しているのに流れを止めるとめる人がおらず、
 将来のかさばる負担についても誰も責任を持つことがないという構図です。典型的な「箱物公共
 事業」の姿です。

  この期に及んでも、森 喜朗(日本ラグビー協会会長・オリンピックパラリンピック大会組織
 委員会会長)などは「日本の実力を世界に示すすぐれた計画」だとか「後世に優れたレガシーと
 して残る記念物」などという事を言っていますが、全く無責任な発言です。最早、このオトコは
 「老害」としか言いようがありません。しかし、この老害をたしなめる人がいない状態の中で無
 駄遣い計画が着々と進んでいくのですから事は深刻です。

  私のマンションの部屋からは、旧国立競技場のスタンドの一部や照明塔が見えていました。新
 計画は旧施設に比べて二倍もの高さになる筈ですから、そのうちに競技場が計画通り完成したら
 毎日拝み見る状態になりそうです。想像するだけでもうっとおしくなります。


  今日、新社会党東京都本部第20回定期大会が北区の王子で開かれました。私は数年前に都本
 部の役員を辞任したので、今日は新宿総支部の代議員の一人として出席しました。
  終了後、久し振りに旧知の人たちと一緒に居酒屋で懇談しました。


 ● 7月9日(木曜日)●

      飯嶋和一の最新作・「狗賓童子の島」

  5月のはじめから近くの四谷図書館に飯嶋和一の最新作『狗賓童子の島』(ぐひんどうじのし
 ま)を予約していましたが、ようやく手元に届きました。550ページを超える長編ですが一気
 に読了しました。飯嶋和一は4、5年に一つの作品を発表するという寡作の作家ですが、これま
 で出版された作品はどれも大変評価の高いものばかりです。とはいっても、私自身、このことは
 ごく最近知ったことであり、今まではこの作家の動きにも関心も払わなかったし、もちろんも作
 品も読んでいません。従って、今回初めて接した作品ということになります。

  舞台は日本海に浮かぶ隠岐の島です。幕末に起きた大塩平八郎の乱の際に、大塩四高弟の一人
 として挙兵に参加した河内の大庄屋・西村履三郎を父に持ち、その父親が犯した罪に問われ6歳
 の時から親類預けとなっていた常太郎が、15歳となったのを契機に隠岐の島に流刑になるとこ
 ろから物語りは始まります。いたいけな6歳の子どもに連座責任を負わせ、当時の規定の15歳
 になったからとして、たった一人孤島への流されるとは何と過酷な仕置きだろうと思わざるを得
 ません。
   しかし、隠岐の島の人たちは本土での履三郎の止むに止まれぬ義挙を知っていました。そのこ
 とに畏敬の念を抱いていた島の人たちは、心からの敬意を払い、温かく常太郎を迎えます。そし
 て身元引受人となった島の大庄屋たちの好意と配慮により、常太郎は島の医師の元に弟子入りし、
 医者への道を歩み始めます。

  数年後、弟の謙三郎も15歳になった時に五島列島の福江に流刑になっていますが、常太郎と
 同様、五島の島民は温情を持って謙三郎に接し、彼を育てあげたようです。当時の社会に与えた
 大塩平八郎の乱の強烈な影響とその一翼を担った父・履三郎の人柄が分かる気がします。
  物語の前半は、隠岐の島で常太郎が成長していく過程の記録です。そして中盤は、離島とはい
 え隠岐の島でも外国船の来襲することへの危惧、北前船など日本海交易の船舶が持ち込んできた
 コレラや麻疹などの伝染病の感染やそれと必死に対峙する常太郎夫婦などの苦闘、さらには幕末
 の尊王攘夷から倒幕へと向かう動きと無縁でないことが描かれます。
  そして後半は、史実としても記録されている隠岐騒動(松江藩と尊攘派島民との争い)の顛末
 が詳細に描写されていきます。

  隠岐の島を舞台に、島民が味わい続けてきた苦しみ、そして幕末から維新にかけての騒動を緻
 密に描いたストーリィの展開はなんだか「史書」を読むような感じがしました。島民だけのこと
 ではなく、大塩平八郎の乱や隠岐の島騒動と、旧弊な幕藩体制の底辺で苦しみ続けた農民たちの
 姿を、一人の流人が、島民から信頼されて成長し、医師として自己犠牲を払いながら島民と接し
 ていくことを通して島の状況の変転や当時の世相を浮き彫りにした作品ですが、実に読み応えが
 あります。これからこの作家の別の作品を何冊か読むつもりです。

   なお、履三郎の妻、すなわち常太郎と謙三郎の母親は、日本海交易の回船業を営む船人たちの
 好意によって、奇跡的にも生前、「流人」の謙三郎と再会し、また最終的には「御一新」によっ
 て刑をとかれて一時に本土に帰ることになった常太郎とも会えることになったようです。


 ● 7月8日(水曜日)●

    「有識者」の皆様が新国立競技場建設にゴーサイン

  「有識者会議」というと、その響きからして第三者的立場から、利害にとらわれずに物事を客
 観的に判断できるそれなりの人たちの集まりのような印象を持ちます。そもそもはそういう使命
 を帯びた会議体だと思いますが、今話題の「国立競技場将来構想有識者会議」は全く逆です。最
 初から聞く耳をもたず、自分たちの利害だけを貫く意図を持った人たちが「有識者」を僭称して
 いるに過ぎません。

  この「有識者会議」のメンバーは次の通りです(五十音順)

  安西祐一郎 (日本学術振興会理事長)、
  安藤 忠雄 (建築家)
   遠藤 利明 (スポーツ議員連盟幹事長 衆議院議員)
  小倉 純二 (公益財団法人日本サッカー協会名誉会長)
  佐藤 禎一  (元日本国政府ユネスコ代表部特命全権大使)
  鈴木 秀典 (公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構会長)
  竹田 恆和  (公益財団法人日本オリンピック委員会会長)
  張 富士夫  (公益財団法人日本体育協会会長)
  都倉 俊一  (作曲家 一般社団法人日本音楽著作権協会会長)
  鳥原 光憲  (公益財団法人日本障害者スポーツ協会会長)
  舛添 要一  (東京都知事)
  森  喜朗  (日本ラグビー協会会長 オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長)
  横川  浩  (公益財団法人日本陸上競技連盟会長)
  笠  浩史  (オリンピック・パラリンピック推進議員連盟幹事長代理 衆議院議員)

  そうそうたるメンバーといえるかもしれませんが、お世辞にも第三者的、客観的な「有識者」
 といえる立場の人たちではなく、大半は当事者そのものです。
  この有識者会議が新国立競技場の建設に関してゴーサインを出しました。カネを湯水のように
 使う奇抜なデザインの設計案の採用を中心的に進めた安藤忠雄氏は、よく分からない理由で欠席
 したようです。無責任な感じがします。
  新国立競技場の建設費は約2520億円規模。ただコレで納まる思っている人は「有識者」の
 中にもいないでしょう。信じ難い無責任な決定です。今後も膨れ続けるであろう建設費の措置な
 どの予算案について、このメンバーが一円たりとも責任を持つわけではありません。

  新国立競技場の建替問題では、槇文彦氏を中心とするグループが、コスト高と工期の長さの要
 因となっている「キールアーチ構造」を取り止め、これまでのオリンピックで主会場として広く
 用いられている構造形式と客席にのみを覆う屋根形式にするべきである、という提言を発表して
 います。キールアーチ構造に対して、グループが提言している代案は、オリンピックおよびラグ
 ビーワールドカップ等のスポーツに関する要求条件を満たし、建設予算の削減、工期短縮も可能
 としています。観客席についても6万人席以内の規模、2万人席は仮設とし、オリンピック開催
 時は8万人とする、という提言です。
  この2点の変更を行うことにより、全体で約1000億円前後、42ヶ月程度の工期で建設が
 可能となるそうです。なぜ、「カネを喰う」と言われるキールアーチ構造にしなければならない
 のか。誘致の際の約束だというけれども、2020年の東京オリンピックは、主競技場が「キー
 ルアーチ構造」だからという理由で決定したわけではないでしょう。

  「有識者会議」の面々は、槇文彦グループの案を全く無視したようです。

  次の世代に莫大な付けを残す「箱物行政」の典型的な決定が、この期に及んでも堂々行われた
 ことに怒りを感じます。世論調査では8割以上もの人たちは反対です。それにしても、よくまあ
 こんな決定が軽々しく出来るものだと思います。この「有識者たち」は、思考能力を完全に停止
 している人たちか、あるいは脛に傷でも持った余程事情のある人たちなのかも知れません。

  何とも信じ難い考えを持った人たちです。


 ● 7月6日(月曜日)●

     女子サッカーW杯、決勝はアメリカに完敗

  日本時間の今朝8時から女子サッカーW杯カナダ大会の決勝が行われました。対戦相手は前回
 と同じアメリカ。アメリカ優位という前評判でしたが、日本は開始早々に2点、続いて更に2点
 を許し、全く劣勢。結果は5対2で完敗でした。格の違いを見せ付けられました。

  私はどっちかというとサッカーは余り好きなスポーツではなく、Jリーグなどは全く見たこと
 はありませんが、W杯だけは別格のような感じがしていて、とても面白いので今回もよく観戦し
 ました。全くの素人の感想ですが、この大会の日本は、実力的には優勝を争うようなチームでは
 なかったけれども組み合わせには随分と恵まれていて、あれよあれよと間にファイナルまで上っ
 てしまったような気がしました。特にオウンゴールで勝ちを拾ったイングランド戦は完全に劣勢
 でした。ただ、「運も実力の内」と言いますから、幸運な勝利であっても大いに祝福すべきです。

  日本チームは決勝では負けましたが、そうはいってもW杯で「準優勝」ですから、とてもすば
 らしい成績だと思います。


 ● 7月4日(土曜日)●

     以前一緒だった啓史の友人が訪ねて来てくれました

  東京で開かれていた講習会に出席のために岡山から上京していた息子(啓史)の友人の岩田さ
 んが訪ねて来てくれました。彼は西日本を代表する社会福祉法人・「旭川荘」に所属しています
 が、現在は岡山発達障害センター(岡山県津山市)に出向して活躍しています。

  啓史は、全国社会福祉協議会(全社協)に就職したときに、最初の一年間、障害者施設の現場
 に派遣されましたが、その派遣先が「旭川荘」だったのでした。
  また、岩田さんは5年ほど前に「旭川荘」から一年間、全社協に派遣され、啓史と一緒に東京
 で仕事をしたことがあります。この頃は、啓史が新宿区議会議員選挙に立候補することが決まっ
 ていて、休日などに選挙準備の活動をしていましたが、岩田さんも随分熱心に選挙のための手伝
 いをしてくれていました。また、東京体育館の筋肉トレーニングセンターにもよく一緒に行って
 いたようです。

  久し振りにいろいろな話をすることが出来ました。現在、岩田さんは30歳になりますが、職
 場ではいまや不可欠の人材になっているようです。人々から信頼されている職場で、毎日やりが
 いのある仕事をしています。


 ● 7月1日(水曜日)●

   今年も後半に。国会周辺では若者たちの反対行動も

  今日から7月。今年も後半に入ります。国会は大幅に延長され、自民・公明からは注目の「戦
 争法案」について強行採決の動きが出始めています。
  各種の世論調査による、安倍首相の支持率はようやく下落傾向に入っており、「戦争法案」に
 ついても、説明不足だとか、法案そのものに反対だという声が圧倒的になりつつあります。全く
 当たり前のことですが、危険な法案の実態を知るに従って、世論もようやく動き出しつつあるよ
 うな気がします。

  国会周辺では、若者だけのグループの反対行動もあったと報道されています。何としてもこの
 稀代の「戦争法案」は廃案にしなければなりません。


 ● 6月29日(月曜日)●

    『絶歌』出版問題。被害者の心情は分かりますが~

  大変ショッキングな事件として人々に記憶されている神戸の児童連続殺傷事件の加害者である
 少年(32歳・当時14歳)が執筆した手記『絶歌』(太田出版)に対して販売差し止めや図書
 館での購入禁止を求める動きが社会問題化しています。

  『絶歌』については、地方自治体の中でも公立図書館への図書購入で容認派と拒否派とに対応
 が分かれています。例えば神戸市の久元喜造市長は23日の会見で、「配慮されず出版され、遺
 族が精神的苦痛を受けたことは大変遺憾。地元自治体として寄り添う姿勢が必要」と述べ、市立
 図書館では購入しない方針を明らかにしています。明石市の泉房穂市長は「遺族の同意なく出版
 されること自体許されない行為で、加担してほしくない。私個人の思いとしては売らないでほし
 いし、買わないでほしい」と発言しています。

  しかし、いくら被害者の無念な感情に配慮しているとしても、自治体の長が出版物の販売や購
 入の自粛を要請する趣旨の発言をするのは異状です。

  遺族の痛ましい気持ちを考えると大変重要な問題ですが、この件については、既に日本図書館
 協会・自民自由委員会の委員長が「本を購入するかどうか悩ましい気持ちはわかる。一方、図書
 館は読み手の知る権利に応える義務がある。本の内容のいかんにかかわらず一定の価値観や思想
 を持たずに、読み手のためにあるべきだとの原則を忘れず、今後の対応をそれぞれで考えて欲し
 い」と述べています。私もその通りだと思います。後は読み手の判断に関わる問題です。

  また、この問題と関連し、印税収入の扱いをめぐって、「サムの息子法」というアメリカの法
 律が紹介されています。私はぼんやりと法律の名前を聞いたことがあるという程度で詳細は知り
 ませんでしたが、加害者が犯罪行為に関わる手記の出版などで得た収入を、被害者の申立によっ
 て取り上げることができるようにする法律だということです。
  日本でもこうした法律の制定を求める声が高まっているという報道もあり、ネットでのアンケ
 ートでも制定賛成が多数を占めるという結果が出ています。
  これも悩ましい問題ですが、加害者にも人権があり、生活があるということです。全く無条件
 にこのような法律をふりかざして加害者の権利を制約するのは如何なものかと、私は思います。


  花粉が飛び交う時期には、鼻や喉にさまざまな障害が出て億劫になりますが、その延長のよう
 な状態で一ヶ月ほど前から喉の中の右側が痛くなり心配していました。しかし、こまめにうがい
 をしていたら痛みは取れてしまったので、暫くそのことを忘れていましたが、二、三日前からま
 た痛くなり、今度はうがいをしても痛みがとれず、食べ物や飲み物を飲み込むのも、いよいよ苦
 痛になってきたので、今日、近くの耳鼻咽喉科医院に行って診察してもらいました。

  丁寧に精密検査をしてもらいましたが、特に悪性のポリープなどはないということなので、と
 りあえず安心しました。
  5日後にまた診察してもらいますが、その間、服薬して経過を見ることになりました。


 ● 6月26日(金曜日)●

      「沖縄の二つの新聞はつぶさなあかん」

  自民党の中に「文化芸術懇話会」という組織があるそうです。若手の議員たちが、文化芸術な
 どについて勉強をする組織のようです。この立派な目的を持った勉強会で、講師として招かれた
 作家が講演後のやり取りで「沖縄の二つの新聞はつぶさなあかん」と述べたということです。参
 加した若手の「先生方」も大いに同調して、自民党の言うとおりにならないマスコミを懲らしめ
 るため、広告収入がなくすため経団連などに働きかけて欲しい、など提案し、勉強会は大いに盛
 り上がったかようです。

  余りのお粗末さに、耳を疑い、次にびっくりし、そして驚き、更には感心してしまいました。
  さすがに時代を担う自民党の若手議員は発想が違うと思いました。政権党の会議で、庶民が居
 酒屋で交わすことがないような議論しているのですから、何とも言いようがありません。

  この懇話会所属の「先生方」は、安倍首相と思想的に似た者が集まり、安倍の応援団的な存在
 のようです。「類は友を呼ぶ」といいますが、立派な人の周りにはそれにふさわしい方々が集ま
 るものだなぁと思いました。

  しかし、こんなお粗末な者どもが、政権党の一員として日本の政治を握っているのだと思うと
 日本は本当のところは民主主義国家ではないと思わざるを得ません。
  それにしても低次元の問題です。


   ● 6月24日(水曜日)●

      実証的な記述の『経済政策で人は死ぬか?』

  ある知人から薦められて『経済政策で人は死ぬか?』を読んでいます。著者はデヴット・スタ
 ックラー(オックスフォード大教授)とサンジェイ・バス(スタンフォード大助教)です。

 「公衆衛生から見た不況 対策」というサブタイトルがつけられています。昨年末に草思社から
 発行された本ですが、結構読まれていて、好評をはくしているようです。

    「借りたものは返す」のは社会常識ですが、国家経済の場合、経済危機の下ですべてを犠牲に
 しても、債務返済を最優先すべきだろうか? 

  この書物は、公衆衛生学の観点から経済・財政政策に問い直し、問題提起をしていますが、世
 界各国で実施された経済・財政政策の影響を、丹念にデータを拾って検証し、その結果、人の生
 命と健康に決定的な悪影響を及ぼすのは、不況そのものではなく、不況期に採用される無謀な緊
 縮政策だということを実証し、証明しています。実に説得力があります。

  経済危機下でも住宅、医療など社会保護への支出を維持・拡大した国は、経済を刺激して不況
 からの脱却を早め、結局は債務返済までもが可能になります。
  これに対して、緊縮政策をとった国は、急激な予算削減で需要が落ち込み、セーフティーネッ
 トが崩壊して財政はかえって悪化、債務も膨張するとしています。

  「不況によってうつ病、自殺、アルコール依存症、感染症など、数多くの健康問題が生じると
 思われている。だがこれも正しくない。~研究を重ねた結果わかってきたのは、健康にとって本
 当に危険なのは不況それ自体ではなく、無謀な緊縮政策だということである」。

  この点を検証するためにリーマン・ショックで大きな影響を受けたアイスランドとギリシャの
 対比した描写は簡潔明瞭です。(第4章・第5章)

  両国とも財政危機に陥り、IMFに支援を求めましたが、アイスランドは国民投票で、投資に
 失敗した銀行の債務を納税者に尻拭いさせる提案を拒否、銀行を破綻(はたん)するに任せ、医
 療等の社会保護支出をむしろ増加させました。この結果、アイスランド経済は急速に回復、とこ
 ろが逆にギリシャは、IMFの処方箋(せん)をそのまま受け入れて医療費など財政支出を大幅
 に削減、結果として国民健康の大規模な悪化を招き、肝心の経済も、GDPが約4分の3に縮小、
 失業率も27%と記録的水準に達しています。

  経済危機下の財政緊縮は、かえって事態を悪化させます。危機下でも社会保護支出を怠らない
 ことが経済回復への近道だとし、「人的資本投資」は、割に合うのだという主張です。
  「ソ連崩壊後死亡率の急上昇」(第2章)も実証的で説得力があります。


   ● 6月23日(火曜日)●

    「みるく世(ゆ)がやゆら」(今は平和でしょうか)

  今日6月23日は悲惨を極めた沖縄戦で組織的な戦闘行為が終了した日とされています。この
 日を記念し、あの戦争の歴史と記憶を継承するために沖縄では、毎年追悼式が行われています。
  私も現役の頃、追悼式に何度か参加したことがありますが、いろいろな局面での沖縄戦の実相
 に触れ、身の毛のよだつ思いにかられたものでした。
  今日の式典には安倍首相も参加し、官僚が用意した原稿を読みながら、相変わらず「沖縄の基
 地負担を軽減するための努力をする」などという空虚な言葉を述べていますが、本当に白々しい
 限りです。同じ言葉でも、この首相の口から発せられると真逆の意味合いに響きます。

  追悼式では、沖縄県立与勝高校3年の知念捷(まさる)くん(17歳)が自作の詩を読み上げ
 ています。タイトルは「みるく世(ゆ)がやゆら」(今は平和でしょうか)。
  あの沖縄戦で夫を失った祖父の姉の体験にふれながら、戦後70年の世の中は「平和でしょう
 か」と問いかけた詩です。心をうつ響きを感じます。全文は次の通りです。

     みるく世(ゆ)がやゆら (今は平和でしょうか)

   平和を願った古(いにしえ)の琉球人が詠んだ琉歌(りゅうか)が 私へ訴える
   「戦世や済(し)まち みるく世ややがて 嘆(なじ)くなよ臣下 命(ぬち)ど宝」
   70年前のあの日と同じように
   今年もまた せみの鳴き声が梅雨の終(おわ)りを告げる
   70年目の慰霊の日
   大地の恵みを受け大きく育ったクワディーサーの木々の間を
   夏至南風(かーちーべー)の 湿った潮風が吹き抜ける
   せみの声は微(かす)かに 風の中へと消えてゆく
   クワディーサーの木々に触れ せみの声に耳を澄ます
   みるく世がやゆら  「今は平和でしょうか」と 私は風に問う
   花を愛し 踊りを愛し 私を孫のように愛してくれた 祖父の姉 
  戦後70年 再婚をせず戦争未亡人として生き抜いた 祖父の姉
  90才を超え 彼女の体は折れ曲がり ベッドへと横臥(おうが)する
   1945年・沖縄戦 彼女は愛する夫を失った
   一人 妻と乳飲み子を残し 22才の若い死
   南部の戦跡へと 礎へと    
   夫の足跡を 夫のぬくもりを 求め探しまわった
   彼女のもとには 戦死を報(しら)せる紙一枚
   亀甲墓に納められた骨壺(こつつぼ)には 彼女が拾った小さな石
   戦後70年を前にして 彼女は認知症を患った
   愛する夫のことを 若い夫婦の幸せを奪った 
   あの戦争を すべての記憶が 漆黒の闇へと消えゆくのを前にして 
   彼女は歌う 愛する夫と戦争の記憶を呼び止めるかのように
   あなたが笑ってお戻りになられることをお待ちしていますと
   軍人節の歌に込め 何十回 何百回と
   次第に途切れ途切れになる 彼女の歌声
   無慈悲にも自然の摂理は 彼女の記憶を風の中へと消してゆく
   70年の時を経て 彼女の哀(かな)しみが 
   刻まれた頬(ほお)を涙がつたう
   蒼天(そうてん)に飛び立つ鳩(はと)を平和の象徴というのなら
   彼女が戦争の惨めさと 戦争の風化の現状を 私へ物語る
   みるく世がやゆら (今は平和でしょうか)
   彼女の夫の名が 24万もの犠牲者の名が 刻まれた礎に 私は問う
   みるく世がやゆら (今は平和でしょうか)
   頭上を飛び交う戦闘機 クワディーサーの葉のたゆたい
   6月23日の世界に 私は問う
   みるく世がやゆら (今は平和でしょうか)
  戦争の恐ろしさを知らぬ私に 私は問う
   気が重い 一層 戦争のことは風に流してしまいたい
   しかし忘れてはならぬ 
  彼女の記憶を 戦争の惨めさを 伝えねばならぬ 
   彼女の哀しさを 平和の尊さを
   みるく世がやゆら (今は平和でしょうか)
   せみよ 大きく鳴け 思うがままに
   クワディーサーよ 大きく育て 燦燦(さんさん)と注ぐ光を浴びて
   あの琉歌(うた)よ 時を超え今 世界中を駆け巡れ
   今が平和で これからも平和であり続けるために
   みるく世がやゆら (今は平和でしょうか)
   潮風に吹かれ 私は彼女の記憶を心に留める
   みるく世の素晴らしさを 
  未来へと繋(つな)ぐ


   ● 6月22日(月曜日)●

    二人の元内閣法制局長官、戦争法案は違憲だとの見解

  今日、「安倍・戦争法案」を審議している衆院平和安全法制特別委員会は、有識者の意見を聞
 く参考人質疑を行いました。
  この中で民主党推薦の宮崎礼壹元内閣法制局長官は関連法案について「従来の憲法解釈と相い
 れず、憲法違反だ」と厳しく批判しました。また、維新推薦の阪田雅裕元内閣法制局長官は法案
 の内容にある程度理解を示しつつも、安倍首相が想定している中東・ホルムズ海峡での機雷掃海
 は「従来の憲法解釈の枠内にはない」と強く違憲の疑いを指摘しました。

  二人の元法制局長官の発言は、相当ニュアンスの違いはあります。宮崎さんの発言は実に明確
 です。法案は完全に違憲だと断言しています。一方の阪田さんも「安倍・戦争法案」が想定して
 いるホルムズ海峡での機雷除去などの事案については憲法違反だと述べています。
  この点では二人とも共通して「安倍・戦争法案」は違憲と述べているのです。

  先ほどの本会議で自公両党によって、国会の会期は史上最長の90日以上も延長されました。
 違憲であろうとなんであろうと、何としても成立させる魂胆です。しかし、例え会期が延長され
 たとしても「安倍・戦争法案」の違憲性に何かの変化があるわけではありません。
  この法案はどんなことがあっても廃案にするしかありません。




  4月中・下旬に行われた新宿区議選など、統一自治体選挙の最中は精神的に耐え難い状況だっ
 たので、連れ合いと共に二人で選挙の行われていない他所に「逃避」していました。
  選挙終了後に帰宅して以来、ずっとホームページの更新を怠ってきましたが、このような簡単
 な文章でも常に何かを書いていないと後退する一方の頭脳の更なる退化にもなってしまうので、
 サボってきたことを大いに反省し、今後は可能な限り更新したいと思っています。



      (これ以前の「日記」は、「私の考え 私の主張」欄にあります)