「乗車旅日記」
目次へ戻る

 長野:あんず里・他 2002年4月5日(金)〜6日(土)

山梨・長野マップ
 このHPのタイトルが「あんずの旅日記」なので、「あんずの里」の紹介くらいはあった方が良いだろうということで、あんずの花が満開の時期に長野県更埴(こうしょく)市に行ってきました。

 2002年は、桜の開花も早かったですが、あんずや桃も例年より10日以上早い開花でした。通常、更埴市の「あんずの里」でのあんずの満開は4月中旬なのですが、4月2日には満開になったようです。ということで青春18きっぷが使える・・・。

 当初、土日に行く計画をしていたのだが、日曜の天気予報が悪そうなのと、5日の金曜日に休暇を取ることができる目処がついたので、急遽、5日に旅立つことになりました。

 青春18きっぷを利用しての旅なので、5日の早朝に出発したのですが・・・。ほぼ予定通りの午前5時10分に家を出て、鶴見駅に着くと、なんと京浜東北線が深夜工事の遅延により運転見合わせで動いていないではないですか! 約15分ほど待ってようやく電車が来ました。八王子に着いたのが午前6時45分。約10分ほど待って甲府行きの普通列車に乗り込みました。

 まずは鳥沢駅で下車し、以前見つけられなかった上鳥沢宿叶屋の二階の看板に「甲州商人定宿・世話方」というものがあるらしいので探したのですが、見つけられませんでした。下車から、わずか7分後の大月行きに乗り込み、西に向かいました。


大月・岩殿山

岩殿山からの富士山富士と桜 早朝の天気予報で、空気が澄んでいて富士山が東京からもよく見えるという情報を得ていたので、午前7時48分、大月駅で下車し岩殿山に向かった。

 富士山はほぼ期待通り。雪の量は思ったよりありました。この辺りは、朝晩は東京よりも寒いはずなので、桜と富士を期待したのですが、すでにほとんど散っていました。山頂まで行けばと期待し、きつい坂を登リました。桜の花も下の方よりは残っているようでしたが、構図的に富士山と一緒の写真を撮ることはできませんでした。

 9時26分、小淵沢行きの列車に乗り込み、新府に向かった。


新府

 中央本線の車内からも勝沼から石和温泉にかけて、桃の花を楽しむことができます。桃は比較的色が濃いので、遠くの方まできれいに見えます。御坂などの桃源郷と呼ばれる名所は、駅からやや離れているので、欲張り旅行の私は駅から近いところに桃源郷がある新府で下車。時刻は午前10時39分。
 新府城跡へ向かう途中、富士山が見えることに気づきました(下写真左端)。甲州街道の竜王から塩崎に向かう途中の坂から富士山がきれいに見えるのは知っていましたが、七里岩の上に位置するこの場所からもよく見えます。新府城跡からは南アルプスの山々も見えました。
 


 先を急ぐので、今回は桃の畑の周りを歩くのはパスして、11時15分に新府を出る長野行きの列車に乗り込みました。途中、松本では22分も停車するということで、ホームで駅弁(安曇野ちらし)を買い、車内で食べました。

 写真は撮っていませんが、途中の姨捨駅からの眺めは良いです。山を越えると意外と都会なんだなぁという感じでした。「あんずの里」がある屋代駅付近までも見渡せるのですが、「あんずの里」は山に隠れて見えません。


あんずの里

 篠ノ井駅でしなの鉄道(JRではないので200円の切符を購入)に乗り換え、屋代駅に着いたのが、午後2時36分。駅前から開花期間中だけ運行されている「あんずの里」行きの臨時バスが2時45分発ということで、それに乗車。「あんずの里」から戻ってきたバスには多くの乗客が乗っていたが、今から「あんずの里」へ向かうのは私1人。平日とはいえ、あまり人気がないのかなぁと思ってしまう。運賃は片道200円。

 臨時バスの終着は「あんずの里」の入口に相当する地点。出店が立ち並ぶ通りを歩く。途中、ある人からお勧めを頂いた「手焼きおやき」を売る店で、野沢菜のおやきを食べた。一目十万本という薬師山展望台に登ってみると、遠くに白っぽい固まりが見えるが、「えっ、こんなもの?」というのが率直な感想であった(写真左上端)。山梨の桃源郷では、見渡す限りと言っても過言ではない一面に広がる光景を経験しているだけに、ちょっと拍子抜けといった感じであった。

 さらに上平展望台に向かって歩いていくと、だんだんとあんず畑が増えていき、先ほどの薬師山展望台から見えた白っぽい中に入ってくると、見渡す限りあんずの木という感じになってくる。上平展望台周辺からの眺めは素晴らしい。天気も良く、北アルプスの雪が残る山々と相まって美しい景観である。あんずソフトを食べ、あんずジュースを飲みながら、心地よい風に吹かれて、この景色を眺めるのは、まさに至福の時である。




 屋代駅へ向かう臨時バスは16時50分で終了。元々歩き好きの私はあんず街道を歩いて、駅へ向かった。途中、上信越自動車道の近くにチューリップの里というところがあり、ちょうどチューリップまつりが開催されたところであった(4月5日〜5月上旬)。観光マップなどには100万本と書かれていたが、まだそんなには咲いていなかった。

 上信越自動車道を越えると、あんずの里物産館の向かい側には、科野(しなの)の里歴史公園があり、山を登ったところに森将軍塚古墳などがある。日没の時刻が近づいていたので、下りは屋代駅の矢印のある方に進むと、屋代城跡を過ぎた後は、道を間違えたのか通行禁止のような怪しげな道を下ることになった。なんとか一般の道に出て、屋代駅に着いたのが、18時30分。しなの鉄道で長野へ向かった。



長野泊と善光寺参り

シングルルーム 今回の宿泊は、長野県庁に近い、長野ファーストホテル。1泊3800円(「旅の窓口」利用:税別サ込)、朝食は和食か洋食を選択しプラス700円。値段の割には普通のホテルであった。禁煙ルームを利用したが、エアコンをつけると油臭いのが多少気になった。

 長野に宿泊したのは、あんずの里が近いこともあるが、善光寺参りをしたかったからである。ホテルから善光寺は約1キロほどである。最近、熱田神宮や伊勢神宮など大きくて由緒ある神社仏閣をよく訪れている気がする。何か神や仏にすがりたい事があるのだろうか・・・。 さっそく、夕食を食べに出たついでにお参りしてきました。お百度参りをしている人はいませんでしたが、午後9時近くに多くの人がお参りしていました。

 翌朝、6時前に起き、朝食前に再び善光寺参り。本堂内陣での通常の参拝とお戒壇めぐりが目的であったが、早朝は、お朝事と呼ばれる参拝をする人が大勢詰め掛けていた。私も30分くらい正座してお経を唱える様子を見ていたが、時間がなかったので、7時を過ぎるとお戒壇めぐりの方へ進んでしまった。後で知ったのだが、もうしばらくその場にいれば、お導師が参拝者の頭を数珠の房で撫でて功徳をお授けくださるというものがあったようだ。次回、訪れる機会があったら、それも体験してみたいものである。お戒壇めぐりは、真の暗闇が体験できる。他の多くの参拝者は、お朝事の方にいるので、のぴのびと暗闇を手探りで歩くことができた。

仁王門 山門と参道 善光寺本堂 日本忠霊殿 御百度参数取



 午前7時40分、ホテルに戻って和定食を食べた。長野県庁の近くということで、県知事にもお会いしてみたかったが、午前9時前だったので、長野駅に向かった。午前中は、再び「あんずの里」へ行くことにした。


再びあんずの里へ

 屋代駅に着いたのが、9時31分。バスは9時55分の発車である。ここは歩きのスペシャリストなら歩くしかない。駅前の道は、かつての善光寺街道。いずれ中山道を歩いた後に歩くことになる道である。しかし、途中であんずの里3.6kmの標識が・・・。時速7キロのウォークで臨んだが、途中でバスに抜かれてしまった。バスより約3分遅れであんずの里へ到着した。

 昨日、森地区の方をまわったのだから、今日は倉科地区でも良かったのだが、賑やかそうな森地区を再び歩いた。昨日歩いていないコースを中心に歩いた。あんずソフトはすっかり気に入ってしまった。

 今日はお土産も買わなくてはならない。だいたい同じ商品は横並びの金額のようだが、商売人ではない地元の農家の人が出している店は、まけてくれるようだ。値切ったわけではないのに、500円の干しあんずが400円に、700円の大瓶のあんずジャムは500円にしてくれた。しかも、おにぎりやお茶のサービス付である。このいうのを探すのも旅のひとつの楽しみだろう。ちょうどお昼時だったので食事代が浮いた。しかし、のんびりくつろいでいるとバスの時間がギリギリになっていた。なんとか予定していた時間のバスに乗り込み、屋代駅へ。駅では少し待ち時間があったので、買っておいたあんず大福を食べた。あんず大福は2種類ほど発見したが、白い粉がついている方が美味しかった。



高遠・コヒガンザクラ

 篠ノ井で松本行きに乗り換え、松本では14時28分発の高尾行きに乗った。このまま終点まで乗れば18時6分に高尾に着く。しかし、そこは欲張り旅行が身上の私は、岡谷で飯田線に乗り換え、伊那市へ向かった。高遠に寄りたかったのである。高遠城址公園のコヒガンザクラが有名で、例年は4月中旬以降のようだが、今年はすでに八分咲きとの情報を得ていたのである。伊那市駅に着いたのは、15時58分。はっきり言って駅から離れている高遠まで行ったら帰れるのか微妙な時間なのである。バスの時刻表を見ると、高遠に向かうバスはすぐ来るようだ。そして50分ほど見学して戻れば、何とかなると計算したが・・・。

 バスは定刻にやってきた。それなりに順調に進んでいる。しかし、終着が近づいてから渋滞にはまってしまった。高遠駅(バスの終着地)に着いたのは、定刻から20分ほどの遅れであった。とりあえず少しだけ城址公園に近づいたところで写真を1枚(下写真左端)。バスが渋滞にはまっていた辺りも中々見ごたえがあったので、そこで数枚写真を撮った。帰りのバスは出発が7分ほどの遅れだったが、到着はさらに遅れたため今日中には家に着けなくなってしまった。と言っても帰れないわけではない。



 伊那市駅で立ち食いそばを食べ、岡谷でも乗り換えに40分ほど時間があるので、駅前のスーパーのレストランで食事をとった。下諏訪よりひとつ西寄りの岡谷を20時4分に出発。甲府、高尾、八王子、東神奈川で乗り換え、自宅には0時40分に到着した。


ホームへ
ホームへ戻る