東京港区 中国語サークル 北京倶楽部

「很好看」って言われて、大喜びするのはまだ早いかも?
!!


日本語って、主語にいろいろ修飾語が付いて比較的重い割に後ろに短い述語が来て結局、否定文だったりすることありますよね。
でも、中国語は反対です。主語が簡潔で述語(謂語)がどっしりしている方が安定がいい。

それと少しは関係あるのかないのか、「作文」の授業で宋先生がこんな言葉をよく口にされます。
「それは好看じゃなくて很好看ね。」
「すごくきれいじゃなくても、普通にきれいだけでも、極端な話、汚くなければ僕たち中国人は很好看って言うよ。」
これは別に宋先生が女性に弱いというだけでもなさそうです。そもそも“那个女孩儿很好看(あの子、カワイイねっ)”は、 “那个女孩儿好看”とは微妙にニュアンスが違うみたいなのです。

どう違うの?よく聞いてみると、
那个女孩儿很好看”は単純に「彼女はきれいだ」と感想を述べているのに対して、 “那个女孩儿好看”は誰かと比べて「彼女の方がきれいだ」と言っている場合が多いようです。
例を変えてみましょう。例えば、あなたが友達と一緒にブティックでブラウスを物色しているとします。あなたの友達が赤いブラウスを広げて勧めます。“这个很好(コレいいじゃないの)”。でも、あなたの好みではないから別の黄色のブラウスを指しながら“我想这个好(私はこっちの方がいいと思うわ)”。この時はあまり“我想这个很好”とは言いません。
う~む、むずかしい!!! なかなか微妙ですね。

この「很」という副詞については、宋先生はこんなこともよくおっしゃいます。
那个女孩儿好看より、那个女孩儿很好看の方が収まりがいい気がする。あんまりには強い意味ないことあるよ。とくに形容詞が一文字だったりする時ね。」????エッ、どういうこと?

「本当にすごく美人の場合は很好看よりも、非常好看。中国でも南方やとくに台湾辺りでは蛮好看、北方では可好看了とかだね。」
エッ、ホント 初級クラスで「很好看」は「大変きれい」と習ったはずなのに…。ひょっとして中国人の“大変”は大阪弁の“ボチボチでんなぁ”くらいかもしれません(笑)。「褒め言葉の形容詞にはを付けても全然問題ないし、言われた方は悪い気はしない。述語はどっしりしていた方が安定感もある。できるだけを付けみると、コミュニケーションも上手くいくかもしれません。」

でも、宋先生曰く「あまり神経質にならないでください。通じないわけではないし、確かに“大変”という意味の時もあります。」
エッ?!!!  でも、こういう小さな言葉のこだわりを頭の片隅に置いておくと、ネイティブスピーカーとの学習がもっと有意義なものになることは確かですね。さらには、中国映画やドラマを見ながら聴き取れた簡単なホンの少しの会話のカケラからも、もっと豊かな楽しみ方ができるようになりますよ、きっと