東京港区 中国語サークル 北京倶楽部

「你怎么能冤枉我呢? 」 なんで私のせいにするのよ?
!!


今日は“冤枉(yuan1wang3)”の使い方を復習します。
今日のテキストの中で、二つの“冤枉”の文例が登場しました。

1)
方冰:  老板, 你这衣服上有个洞, 我不要了。
老板:  哟, 衣服是你自己选的, 现在弄破了你才说不要, 这不行!
方冰:  哪儿有你这么说活的! 这衣服本来就是破的, 你怎么能冤枉我?

方冰:ねえ、店長。あなたんとこの、この服、穴が開いてたじゃないの!要らない!
店長:エぇ!服はあなたが自分で選んだんでしょ。それを自分で穴開けといて、今更要らないですって!そんなのダメよ。
方冰:あんたのその言い方ってないでしょ。この服はもともと破れてたのよ!何で私のせいにするのよ!

冤枉(yuan1wang3)”の意味は
a)
まず動詞無実の罪をなすりつける」ですね。
上記1)の例文“你怎么能冤枉我”は、まさにこの例子。
「なんで私に濡れ衣を着せるのよ→なんで私のせいにするのよ」ということになります。
口語でもう少し軽い言い方をすると「怎么能我」です。

他に例を挙げると
明明是他自己弄坏的, 怎么可以冤枉他呢?
冤枉(yuan1wang3)”は他動詞ですから、後ろに宾语(目的語)を伴うことができます。

※この “冤枉(yuan1wang3)”は名詞「無実の罪」として使うことも可能です。たとえば
受了冤枉, 被判处了无期徒刑。(彼は濡れ衣着せられて、無期懲役刑に処せられた)
この場合は、動詞“”を伴います。

b)
「無実の罪をなすりつける」(動詞)から敷衍して形容詞としても使われます。
意味は、“受了冤枉(濡れ衣を着せられた)”ら、どういう気分になります?
「不当な扱いを受けて、非常に悔しい無念である」という意味の形容詞です。
例を挙げると
他说你的工作没做好。那你不是太冤枉了?
(あの人、あなたがちゃんと仕事してないって言ってるのよ、すごく悔しいはずじゃないの!)

ここまで説明した “冤枉(yuan1wang3)”は、“委屈(wei3qu1)≒”で意味も使い方もよく似ています。
名詞として“委屈”と使う場合、同様に、動詞“”の宾语になります。
很抱歉, 让你受委屈。(申し訳ない、あなたに気詰まりな思いをさせて・・・。)
もちろん動詞としても、
委屈了你, 得说对不起。(君に悔しい思いをさせて、あやまらねばなるまい)
形容詞としても同様に
这样大才小用,真是太委屈(

※ただし、その「無念さ」の程度が“冤枉(yuan1wang3)” >委屈(wei3qu1)”。
委屈(wei3qu1)”は「心の中で、遣り切れなさをモヤモヤ抱いている」状態程度で使います。


2)さらに敷衍した“冤枉(yuan1wang3)”の使い方が以下。
我不是大款, 不能花冤枉钱
(私だって大金持ちなんかじゃないんだから、役に立たないムダ金なんて使えないのよ!)

この“冤枉(yuan1wang3)”は、
上述1)の動詞「無実の罪をなすりつける」→形容詞「不当な扱いを受けて非常に悔しい」からさらに
不当な扱いを受ければ(ボラれたりして)、当然「損をする、ムダだ」という形容詞に派生したものです。
冤枉钱≒ムダ金”、“冤枉路≒ムダ足”は名詞としても定着しています。例を挙げると

精明人不冤枉钱

(賢い人はムダ金(死に金)は使わない)
名詞“冤枉钱”は、動詞“”と一緒に使われることが多い。

东奔西跑地寻找他一整天, 但冤枉路!
(あっちこっち一日中彼を探し回ったけど、とんだムダ足になった)
“冤枉”ですから、動詞は“”です。

※“花冤枉钱”は、“浪費(lang4fei4)”とは少し意味合いが異なります。
林老師の解釈いわく、
浪費(lang4fei4)”は「結果として、或いは客観的に見ると、ムダ使いかもしれないが、払った成果に対して少なくとも当初、本人は納得している」ということのようです。
花冤枉钱”は、あくまでも「本人が不本意だと認識している」ムダ金を使うことのようです。

よくよく考えてみると、現代社会の “浪費(lang4fei4)”行為は、最終的には“花冤枉钱”に帰納するのではないかとも思われますが・・・。