東京港区 中国語サークル 北京倶楽部

“让”还是“不让” 中国人は、譲歩する民族や否や?

本日の講読テキストは、右の「中国人的生活哲学」の処事篇から中国民族とは「“让”还是“不让”」。つまり、下記テキスト冒頭で述べているように、「譲歩する民族や否や」を論じた短文でした。

中国人是同时说两句话的民族, 一方面说让一步海阔天空”, 另一方面则鼓励大家当仁不让”。到底要还是不让”?
(中国人は同時に、相反したことを言う民族です。一方で「一歩譲れば、限りなく世界は広がる」という慣用句があり、一方ではとくに人々を鼓舞するときには「仁に当たっては誰にも譲歩してはならない」ともいう…。いったい、本心はどっちなの?)

宋老師曰く
“让”还是“不让”は、いわば中国人の本質。“中庸”の精神に通じる奥深い物事の考え方」だそうです。
文化の異なる隣人の“大国”と、気持ちよく付き合う上で、“让”还是“不让”、中国人はどんな所で妥協し、どんな所で絶対譲らないか、彼らがいかに重要視していることは理解しておかねばなりません・・・。
“譲らない”には彼らなりの正義と仁義観があるということです。

ちなみに、本テキストでは以下のように総括しています。当然といえば当然のことなのですが・・・。

在现实生活中, , 就是放下架子, 善于让步和妥协, 采取一种水往低处流的谦恭态度; 不让, 就是高高昂起头, 维护自己的尊严和权益, 表现出一种舍我其谁, 当仁不让的气概能屈能伸, 刚柔并济, 这在中国是男子汉大丈夫的气度和风范
(実際の生活の上で「譲歩する」こととは、すなわち「うわべだけの面子」ならきっぱり捨て去り、巧みに相手に一歩譲り妥協し、「水低き処へ流れる」が如く自然の摂理に謙虚に従う姿勢をいう。反対に「妥協しない」こととは、屹然と頭を揚げ、自らの尊厳と権益を守るためには己をおいて他になしと果敢に「仁に当たって躊躇わず」の気概を指す。伸縮自在で、剛柔ともに作用し合うこと、これぞ中国における男丈夫の風格度量である。)

※女性はこの類ではないようですから、女性諸君、中国ではせいぜい我を張り通しましょう!
中国でも、女性の方が活き易いようですね(笑)。


まあ、これが実現できたら、世の中、争いごとは起きません。
当仁不让”の“”が、我々小人にとっては因人而异ですし、各人によって“不让”に固執したい問題が違ってきます…。
そこで、相手の“让”还是“不让”を見極めるには、中国人はよく言ったもので

路遥知马力, 日久见人心
という諺があるのだそうです。
(道が遠ければ馬の力がわかり、月日が経てば人の心がわかる)
人間、長く付き合っているうちに、その人の心根、人となり、大切にしていることが理解できるようになる。それまでは迂闊に自己判断するものではない、と。
いくら上辺を繕っても、お互い月日が経てば本当の姿が白日のもとにさらされる・・・。本心もバレてしまうもの・・・。

さて、哲学的な中国人、
それにしても果たして現在、中国の方々に日本は、私たちはどう映っているのでしょう?
また10年後は、どう変わっているのや否や?