19年度委託テスト 携帯用マイバッグの使用テスト
新潟市消費者協会新潟支部委託テスト係
1 テストの目的
新潟市では一日一人当たりのごみ排出量を100グラム減の目標を掲げ、平成20年からごみの有料化が実施される。これにより市民はごみ排出について関心を高め、一方で販売店側のスーパーや小売店によるレジ袋有料化の方向も考えられる。ごみ排出削減につながり環境への負荷を軽減するノー・レジ袋を進めるためにも、身近にマイバッグを持っているようにしたい。有料化を前に、繰り返し使う買物袋や風呂敷など、いわゆるマイバッグについて情報が必要である。新潟市でもマイバッグの普及が急速に加速するのではないかと推測できることから、現在市販されているマイバッグの使い勝手や収納のしやすさ、価格などをテストし、市民の購入時の参考にしたい。
2 テスト実施期間 平成19年7月から平成19年9月まで
3 テストの方法及び内容
@ テストの方法 ・ モニター調査(協会員40名)
A テストの内容
・ 各種マイバッグの丈夫さ、商品を入れたときの持ちやすさ、使いやすさ、価格、収納のしやすさなどをモニター調査する。
4 テスト商品 (写真はテスト商品の広げた状態と、たたんだ状態を示す)
A収納バンド付き
B収納ボタン止め
Cトートバッグ型
D収納袋付き
Eポケット収納型
Fレジかご型![]()
G風呂敷90cm角 H風呂敷110cm角
5 モニターはこう評価した
買って持ちたい商品の上位にきたのは、かさばらず軽くて丈夫なタイプの商品だった。(E、D、A) かばんなどに入れて持ち歩くマイバッグは携帯に便利かどうかが重要なようだ。
一方、そのままレジかごとして使用できるFは、携帯にはかさばるが丈夫で大量の買い物時には適しており支持を得た。
持ちたい商品に入らなかったが、風呂敷は商品の形に添って包み込むことができるので一升瓶や箱物の買い物には好都合の声があり、強度の点でも評価が高かった。
各項目ごとにモニターの評価結果を点数化し、◎や○といった記号で表すと表のようになった。
◎大変よい ○良い △ふつう ×よくない
A
B
C
D
E
F
G
H
1収まり具合 ◎
×
△
◎
◎
×
○
×
2広げやすさ、しまいやすさ、準備のしやすさ ○
○
○
○
○
○
△
△
3品物の入れやすさ ○
○
○
△
◎
◎
△
△
4買い物後の持ちやすさ ○
△
△
○
○
○
△
△
5使用時の大きさ ○
△
△
◎
○
○
○
△
6材質の強度 ○
△
○
◎
○
◎
◎
◎
7価格 ◎
◎
△
△
△
○
×
×
8携帯し使用して気に入りましたか ○
×
△
○
○
△
△
×
平 均 点 61 42 51 57 60 53 47 30 ○
△
○
○
○
○
△
△
機能性を重視するのか、価格や耐久性に着目するのか。買い物の仕方によってマイバッグを複数持ち使い分けるという意見もあり、各自の生活様式にあわせて選択してほしい。
6 携帯用マイバッグをデザインしてみました
上記の評価から、小さくたため、バッグの中で広がらない。簡単に広げられる、簡単にしまえる。入り口が適度に広く、重いものを入れても手が痛くない。大きさは周囲80〜90cm位 深さ35〜40cm位とわかりました。布地は綿、ポリエステル、ナイロンがよいとの評価でした。
これを満たすマイバッグを係でデザインしてみました。
マイバッグの大きさは周囲(まちの7cmを含め)90cm 深40cm。材質はナイロンかポリエステルの平織り(綿はたたんだ時に小さくならないのであえて外しました) 手に当たる所は布を厚くし、手にやさしく。@のようにポケットつきか、Aのように収納バンドつきがたたんだ時に広がらずよいでしょう。たたんだ大きさは15×10cm以内になります。このようなデザインのものが売っていない場合、自分で作ってみてはどうでしょう。150円〜300円でできます。傘を再利用してもいいと思います。大きめの傘なら一本で十分この大きさが作れます。
@ A
7 提言
使いやすいマイバッグの共通点は、入れやすく持ちやすいものであったが、その他は買い物が徒歩か車か、家族構成や買い物の頻度などにより異なるので、消費者は生活様式にあわせて、複数のマイバッグを使い分けると便利である。
食品以外の買い物時にも携帯していてほしい。また、最近では買い物をする男性が増えてきたがまだマイバッグ持参率は低い。是非マイバッグを持って買い物をしてほしい。
アンケートの結果によると、レジ袋を減らし、マイバッグを持参してもらうには「レジ袋の有料化」が効果的という意見が多かった。商店ではレジ袋の有料化を検討してもいい時期ではないだろうか。できればレジ袋は特に必要とする人にだけ渡すようにしてほしい。また、マイバッグ持参者には割引やポイントの特典も効果的だと思われる。いつでもどの店でも使えるように、市内販売店共通のポイント制度も検討してほしい。消費者の意識啓発には、店内放送でマイバッグ持参の呼びかけやレジでの声かけも有効であろう。 モニターの結果からマイバッグは@コンパクト A軽量 B入れやすい C持ちやすい D低価格且つDデザイン性に優れたものが望まれている。メーカーは、消費者ニーズに沿った商品開発に取り組んでもらいたい。
ごみ有料化を機にごみ削減への関心が高まるものと考えられる。行政はごみを作らない、ごみを出さないことからもマイバッグ持参を呼びかけてほしい。マイバッグ持参率を上げるために、消費者の意識啓発として地球温暖化の影響・資源・環境問題への関心を高める学習の機会の提供が必要である。