第2日目その2 2000年8月14日(月) 晴れ 布田五宿−府中−日野−横山(八王子)


日野宿

 鮎が有名であった多摩川を渡ったところに位置し、かつては本陣1件、脇本陣1件、旅籠20件を有する宿場であった。



日野館日野宿問屋場跡 立日橋を渡り、市民の森スポーツ公園の横を通り、国道20号に合流する。甲州古街道もこの辺りで合流するようだ。川崎街道入口の交差点を過ぎると、左手に手打ちそばの日野館(ひのやかた:写真左)がある。ここは、元は下の名主だった佐藤氏の屋敷であり、母屋は文久3年(1863年)の建築である。当時の当主・佐藤彦五郎の妻は、土方歳三の姉で、昔は道場もあり、近藤勇が剣道を教えに来ていたそうである。
 国道の右手には、日野宿の問屋場・高札場跡(写真右)がある。
坂下地蔵
 旧道は、左手の八坂神社を過ぎた次の交差点を左折する。日野駅ホームを過ぎた辺りに銅造りの地蔵菩薩坐像が安置された地蔵堂がある。堂の外にも数体の地蔵(写真左)がある。

 旧道はこの道を直進するのであるが、現在は通行不能である。写真では分かりにくいが、かつては踏み切りがあったようだ。線路沿いに道を進むと甲州街道から遠ざかるようなので、ホーム下を通る道まで戻り、ホーム下を潜るとすぐに左折、大坂上通りを直進する。やがて国道20号に合流。時刻は、午後1時。国道を直進し、八王子に向かう。


横山(八王子)宿

 正式名称は横山宿であるが、俗に八王子と言われていた。八王子十五宿とも言われ、これは横山宿の他に八日市宿、小門宿、上野原宿、本宿、八幡宿、寺町、本郷宿、久保宿、子安宿、横町、嶋坊宿、馬乗宿、新町、八木宿の14宿を加えたもので、現在でも町名にその面影が残っている。江戸初期は、関東各地を支配する地方行政の拠点であった。


八王子一里塚跡 実際に歩いたときは、国道20号をそのまま直進し、浅川を渡ってしまったが、旧道は八王子バイパスと浅川の間400m弱の区間は、国道の左の道に入る。途中には馬頭観世音の碑があるらしい。浅川に掛かる大和田橋を渡ると右折する。2つ目の信号のところで斜め左の道へ入る。竹の鼻公園には江戸から12里目の一里塚跡(写真左)がある。道は突き当りを左折し、国道20号に出たところを右折する。

 時刻は午後2時。時間的には高尾くらいまで行けるが、暑いので今日はここまでとし、八王子駅に向かった。 


GPSウォーク

 今回の街道歩きでは、先日(2000年8月)購入した、ハンディGPSレシーバー(ソニー製:Navin' You Ver.4.5 GPSキット付属)を試してみたので、その様子も報告する。
 GPS(Global Positioning System)は、高度約2万キロの上空にある航法用衛星24個のうち、少なくとも3個の衛星からの電波を受信できれば、自分の位置を知ることができるのである。カーナビなどでお馴染みのものであるが、これは携帯電話より小型軽量なレシーバーを持ち歩いて受信することができ、そのデータを保存することができる。今回、歩いた軌跡を記録し、パソコンの地図で確認した。
 初期位置設定は横浜市内の自宅で行った。これは予め設定しておくことで、衛星の位置が判断しやすくなるそうだ。また、電池駆動なので常に受信させると電池が持たない。歩きなので10分毎に記録する設定にもしておいた。

 今回の街道歩きは国領からである。改札を出ると早速GPSの電源を入れた。しかし、なかなか受信してくれない。パソコンに接続しながらだと現在何個の衛星を捉えているか分かるのであるが、レシーバーのみでは、3個以上捉えられたか否かがわかるだけで、しばらく測位不可能ランプが点灯していた。電源を入れて30分以上経過した飛田給の辺りでようやく受信できるようになった。取扱説明書には初期設定をしていなくても、衛星から12分半おきに軌道情報のデータも送信されているので、15分程度で受信できるとある。また、前回の使用した地点から800キロくらい離れたところで使用する場合もすぐに衛星を捉えられないらしいが、自宅から30キロも離れていないところなのになぜ時間が掛かったのだろう。

 一度受信できると、その後はほぼ順調に受信できたようで、八王子までの奇跡を地図に再現したものを下に示す。







 今回は記録を10分置きに設定したので、途中で直角に曲がった場合など、そこの部分が斜めに進んだことになってしまうなどあるものの、正確に記録できているようだ。

 下の表はパソコン上で一緒に表示される記録である(表示上2つのファイルを合わせているので、少し不自然になっている)。スピードのデータは怪しいが、時間に対する位置などは、このような紀行文を作成する際に役立ちそうだ。


 


あとがき:次回のウォーキングでも試したが、八王子の商店街は屋根があるので、なかなか受信できず、小仏峠も受信できなかったので、その後、歩きで使っていない。クルマの方が建物から離れた位置を走るので受信しやすいようだ。北海道に出張兼観光に行ったときにも持っていったが、やはりすぐには受信できなかった。 


2日目その1
国領〜日野の渡しへ
甲州街道トップへ
3日目その1
八王子〜小仏峠へ