第3日目その1 2000年8月19日(土) 晴れ 八王子−駒野木−小仏−小原−与瀬−吉野


八王子〜高尾

※八王子〜西八王子間の地図は、前回の第2日目その2を参照して下さい。

 前回の街道ウォークから中4日での歩きとなった。小仏峠を越えるので、もう少し涼しくなってからが良かったのだが、後の日程を考えるとこの日に歩くのが妥当ということになった。ちなみに夏休みは16日までであった。

 まず横浜線で終点の八王子に向かったわけであるが、この後の甲州街道ウォークでは毎回ここまでやってきて中央本線に乗り換えることになる。休日の八王子駅はリュックを背負った人が大勢いて気分が高まるのである。

 北口に出ると北西方向に伸びる道を利用しショートカットして甲州街道を歩き始めた。時刻は午前10時である。国道沿いではあるが、商店街が続く。追分交差点では甲州街道は左へ向かう。やや右への道は陣馬街道で、かつては案下道と呼ばれ、陣馬山の和田峠を経て、藤野や上野原に至る。追分交差点の陣馬街道側に千人同心屋敷跡碑があるようだ。





道標 甲州街道は国道20号を進む。私が甲州街道ウォークとして歩いたときは、まだ十分に調査していなかったのでそのまま国道を高尾へと進んだが、実際には2ヶ所ほど国道から逸れる旧道があるようである。一つ目は西八王子駅付近を過ぎ、長房団地入口の交差点を右に入る。この付近に一里塚跡があるはずなのだが、私は発見できていない。分岐点
 左の写真は大きな石の道標である。右高尾山 左真覚寺道 と彫られている。この道標の脇に昭和2年新道建設時の甲州街道の様子を石に彫ったもの(写真:30kB)があるが、そこにも一里塚は描かれていない。角々と曲がる道ではあったようだ。この道は300mほどで国道に合流する。

 次に国道から逸れるのは多摩御陵入口の交差点を過ぎた後の右斜めに入る道(写真右)である。こちらは約700mくらいで再び国道に合流するが、その手前、現在は町田街道が北西に伸び、陵南大橋の下を通るようだ(未確認)。


駒木野宿
駒木野宿小仏関跡 関所は元は小仏峠にあったので小仏関というが、駒木野関所が正式名称。天正年間(1573〜1592年)に駒木野に移り、元和2年(1616年)に現在の地に移された。本陣、脇本陣が各1件の小さな宿場であった。

 午前11時、高尾駅前を過ぎ、中央本線のガード下をくぐると急に都会から離れた雰囲気になる。旧道は西浅川の交差点を右折する。旧甲州街道を歩いているという実感がわいてくる。高尾駅手前から少しずつ登りになっていた道の傾斜もさらにアップ。左手の駒木野病院を過ぎると、右手に小仏関跡の碑や駒木野宿の碑(写真左)が建っている。この辺りがかつての駒木野宿である。小仏関跡の石柱の前には、関所を通る旅人が関所手形を乗せた「手形石」と、その手前の平石に手をついて頭を下げたとされる「手付石」がある。





湧き水摺差付近 青梅まで開通している首都圏中央連絡道が中央道と合流するのはこの辺りが予定されており、建設反対の看板が目立つ。

 小仏峠に向かい西に進むと、蛇滝口付近に湧き水(写真左)がある。一見民家の所有にも見えるのだが、本には「喉を潤すとよい」と書かれている。この辺りまでは自販機も所々にあるので峠越えに備えて水分補給をしておくのも良いだろう。

  のどかな舗装路(写真右)を少しずつ登っていくが、小仏まではバスも運行されている。1時間に1本はあるようだ。


小仏宿・小仏峠
 現在のバスの終点である小仏の付近。本格的な峠越えの手前に位置するが、かつて本陣、脇本陣はなく、旅籠が11件あったのみである。小仏峠は標高548m(茶屋前には560mと書かれている)。北の景信山と南の城山との鞍部である。

 小仏バス停を過ぎても依然として舗装路であるが、傾斜がさらにアップする。宝珠寺は私は立ち寄っていないのだが、断食道場として知られ、本堂脇に都指定天然記念物のカゴノキの大樹や、「甲府三度飛脚中」と彫られた常夜燈があるようだ。

 舗装路が終るところには駐車場(下写真左端)もある。ここから峠道となるが、現在はハイカー用に整備された道(下写真左から2番目)になっている。上記の地図ではハイカー用の道を旧道を示す赤色で記したが、実際の旧道は異なるようだ。途中、峠越えらしくきつくなるところもあるが、駐車場の位置から15分ほどで山頂にたどり着く。時刻は12時30分。

 峠の茶屋(下写真左から3番目)では缶ジュース1本200円で売られている。カップヌードルなども売っている。ベンチも数多くあり、遠くの東京市街を見渡しながら、しばし休憩。2000年に峠越えをしたときは、隣り合わせた相模湖側の茶屋も営業していたが、客は少なく、2001年に通ったときは営業していなかった(下写真右端)。

峠手前の駐車場峠道東京側茶屋相模湖側茶屋

下山入口 峠の頂上の標識には東京都側は小仏バス停2.8km、高尾駅7.4kmとあり、神奈川側は底沢バス停3.5km、相模湖駅5.5kmとある。旧甲州街道と書かれた木杭のある道(写真左)を下って行く。

 すぐに中央道を走るクルマの騒音が聞こえてくるが、東京都側より相模湖側の方が、未舗装路の距離は長い。こちら側は歩いている人も少ない。滑りやすいところもあり足を挫く恐れもあるので、一人歩きの方は万一に備えて携帯電話は持っていた方が良いかもしれない。距離は1.8kmのようだが、足に負担の掛からないように下ると30分以上は掛かる。

 現在の旧甲州街道と言われているコースによる小仏峠越えでは、滑りやすいところもあったが、靴は特に登山用のものでなく、普通のスニーカーでも登り下りできる。


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3日目その2
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