第5日目その2 2001年3月19日(月) 晴れ 由比−さった峠−興津−江尻−府中


江尻宿
広重画−江尻 江尻(えじり)宿は、巴川が造る砂州上にできた宿で、江尻の名は巴川の尻(下流)ということのようだが、現在では清水として知られる町である。

細井の松原


 興津から国道を進んできた道は、細井の松原跡のところで右の道へ入る(写真右)。

 (実際の東海道ウォークのときには気づかなかったが、旧道に入って数分のところに辻一里塚跡(写真右端)や高札場跡などが設置されている)

 辻2丁目の旧道沿いには会社の先輩の実家がある。その先輩のお勧めで「末広」という寿司屋で昼食を取ることにした。なんか高級そうな感じでちょっと腰が引けたが、旅の途中だと多少は太っ腹なところもある。値段とか書かれていなかったので、握っている人に聞き、おまかせコースで3100円のを選んだ。確かに美味しいが、もう終り?という感じで物足りなさはある。個人的には回転寿司派かも知れない。

 清水と言えば雑誌などには一般に次郎長が紹介されているが、個人的には「ちびまる子ちゃん」の街ということに興味を持っていた。あのアニメの舞台は旧東海道界隈なのである。東海道は巴川を渡る手前で右折し商店街(写真左端)を進み、ハマザキ洋品店を過ぎたところを左折し稚児橋を渡る。橋の欄干には河童像があるはずだが、橋は2001年5月現在架け替え中(写真左から3番目:写真右端は8月に「蒲原ゆめの宿場町」のイベントに訪れたときにちょっと立ち寄った完成間近の稚児橋)で、歩行者は架設の橋を渡る。アニメは今から25年くらい前のことなので、四半世紀で商店街の様子が変わるのは判るが、巴川(写真左から2番目)がアニメからのイメージと大きく異なった。

商店街巴川工事中の稚児橋完成間近の稚児橋


追分羊羹  稚児橋を渡った後の交差点を右に行くのが東海道であり、左に行くと「さくらももこ」の生家跡があるようだ。商店街の案内板には今も「ちびまる子ちゃんの生家」が書かれている。

 旧東海道を進むと、赤い大暖簾の追分羊羹(写真左)があり、その手前に「是より志三づ道」の道標がある。久能山への参詣道との追分である。時刻は12時40分。あと2時間で府中宿に着けるだろうか?



三保の松原
清水−三保の地図 ここでちょっと寄り道の紹介。東海道からは少し離れるが、清水から数キロのところに有名な観光スポットである三保の松原と日本平がある。2001年3月2日に三保の松原をクルマで訪れた。当初は東海道ウォークのついでに立ち寄ろうと思っていたのだが、他の予定との時間的兼ね合いから、別の日とし、富士がきれいに見えそうな日に訪れた。(この日にさった峠にも行っている)

 下の写真は、三保松原から撮ったもので、海岸沿いや松原の中から富士山を見ることができた。新日本三景と言われるだけのことはある。

 松原近くの駐車場があるところの店で、桜えびのかき揚定食を食べた。蒲原や由比だけでなく、この辺でも名物のようだ。

三保からの富士三保の松原からの富士 


草薙〜府中(静岡)
草薙一里塚跡 東海道ウォークに戻る。追分羊羹の店から数分で東海道線と静岡鉄道の踏切を渡り、しばらく進むと東海道について書かれた掲示板があった。さらに10分ほど進むと左からの広い道と合流して、右側の歩道に草薙一里塚跡(写真左、別の一里塚碑)がある。この辺りの地名は草薙一里山である。
草薙球場
 草薙駅近くに草薙神社の大鳥居があり、次の交差点からは県道の一本左の道が旧道のようだ。東名高速のガードをくぐり、道が突き当たったところは、草薙総合運動場である。その一角にプロ野球も行われる草薙球場(写真右)がある。名前は聞いたことがあったが、旧東海道沿いにあるとは、歩く2日前に知った。時刻は13時45分。

旧東海道碑長沼一里塚跡 球場から地下道を通り(東海道は球場手前の交差点を渡る)突き当たりの道が旧東海道であり、左折すると線路脇に旧東海道記念碑(写真左)がある。旧道は線路で切断されているため、碑の右手の地下道をくぐる。道なりに西へ進むと、国道1号に合流する。

 長沼交差点から国道の1本右の道が旧道である。民家の前に長沼一里塚跡(写真右)があり、静岡鉄道沿いに進むと右手に護国神社がある。再び国道に合流したところで旧道はまたもJRにより分断されているため、柚木駅前の道からJRのガードをくぐり、頭上の道へ階段でのぼり右折する。再びJRのガード下を通り、府中宿入り。静岡駅までは思ったより距離があり、静岡駅に着いたのは午後2時50分であった。


大宿場まつり

 東海道四〇〇年祭のシンボルイベントのひとつとして、三島では3月18日〜20日まで「大宿場まつり」が開催された。今回、JR東海のウォーキングきっぷは三島往復を利用しているので、帰りに三島に立ち寄るにはちょうど良い。

 15時静岡発三島行きの電車で三島に向かった。この2日間で歩いた道のりは東海道本線でちょうど1時間であった。三嶋大社に向かう途中にある楽寿園は午後4時を過ぎると入園できないようだ。三嶋大社では、「東海道・食彩広場」と「みしまノスタルジック館」という催しが17時まで行われているはずだが、すでに店じまいをしているところが多かった。

 五十三次情報館(写真下左端)では、私の地元、神奈川や横浜・鶴見のパンフを貰った。地元のパンフというのは以外に見たことがないものである。下の写真にある「うなぎそば」とは一体どのようなそばだったのだろうか? 大通り商店街で開催されていた物産館は16時までということで、すでに終了の様子。少し辺りを歩いてから三島駅に向かった。白滝公園は富士山の湧水が流れる公園で、「めぐみの子」(写真下左から3番目)という名がつく木製ポンプの前に立つと「よいしょ、よいしょ」と言いながら水を漕ぎ出してくれる。昨日の歩き初めでは見られなかった富士山が三島駅からよく見えた(写真でははっきり分からないが)。

情報館うなぎそば湧水三島駅より

 東海道ウォークも5日目が終了。ここまで予定通り歩いてこれた。すでに東海道三分の一を歩いたことになる。この時点で歩いて京都というのは、ほぼ達成できるだろうという気になっていた。この後、日没後も歩くことが何度も起こるとは・・・。


5日目その1
由比〜興津宿へ
東海道トップへ
6日目その1
府中宿〜宇津ノ谷峠へ