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2003年11月27日にNHKの「難問解決ご近所の底力」という番組で
『マンションでペットを認めるか』というテーマでのお話がありました。

ここでは その番組の内容に沿って、私の見解・感想を述べさせていただきます。

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番組によると日本では三軒に一軒がペットを飼っているというお話でした。

これは番組で紹介されたものではありませんが

1997年の朝日新聞の世論調査によると

「飼っている」「機会があれば飼いたい」と思っている人が6割以上、
一方4割以上がペットを飼う人のマナーを問題視していて
半数を超える人たちがマンションでの集合住宅でペットを飼うことに
抵抗感を抱いているという結果が出ていました。

国土交通省・マンション総合調査によると

ペット飼育が規約によって認められている集合住宅は1.1%

制限つき許可 27.9%

禁止 54%

規則なし 10.3%

不明

国土交通省の調べでは日本のマンションのおよそ半数が
ペットをめぐるトラブルをなんらかの形で抱えている。

ペット飼育世帯の背景には、お年寄りだけの世帯が増えたこと、ストレス社会で癒しを求めていること、ペットを「心の支え」としている女性が増えたことなどがあります。
前後しますが番組内では欧米の集合住宅においてのペット対応も紹介されました。

今回の難問解決は 横浜市の宮向団地 900世帯33年前の分譲で

管理規約にペット禁止の決まりはなく、暮らしのマナー集に

「小鳥や魚類以外の動物を飼育することは控えるように」という文章がありますが

暮らしのマナーは強制力を持たないので実質、ペット飼育禁止ではないのです。

この集合住宅では10軒に1軒の割合がペット飼育世帯だそうです。

主な苦情は

●鳴き声がウルサイ●犬に噛まれた●毛が飛んでくる●フンを拾わない

●ペットのニオイがして窓が開けられない。

●フン取りグッズを持たないで手ぶらで散歩している。

●同じような場所をトイレがわりにしている

●ベランダで敷物をパタパタとして毛が落ちてくる。

●猫が部屋に侵入して悪さをする。

●猫が自由に出入りしている。●砂場に猫のフン●ダニに噛まれる

番組では【解決策として】

★猫は完全室内飼育にし、上下運動のためにも高い位置にベットを置く。

★シャンプー等で毛を排水管に詰まらせないようにネットを使用する。

★犬の排泄訓練と鳴き声対策

排泄は室内で済ませる。

室内での排泄方法は基本的に子犬への排泄のしつけとなんら変わらない。
成犬・老犬にはどうするか。

マーキングについて触れられていなかった。

犬が鳴いたら大きな音を立てて気持ちを逸らせる。

しかし気持ちを逸らせるやり方は、すべての犬にはあてはまらない。

これが逆効果になる場合もある。

井本動物病院獣医師井本史夫氏の話

ペット問題の解決の選択肢には3通りある。

禁止の徹底=行き着く先は裁判のケースもあり、信頼関係をなくす

一代限り認める=問題の先送りにすぎない

ルールを作って解禁=迷惑している人の声を飼い主がよく聞いてルールを作る

ペットクラブルールは

飼育者側と非飼育者側がお互いの暮らしを思いあって作るルール。

それが団地やマンションでのコミュニティーの基本であり。

お互いに信頼しあうというのが大事。

ペットクラブルールを作ってトラブルを解決した成功例として横浜の団地が紹介されました。

★ルール作りの基本は飼育していない人及びキライな人の意見を取り入れること。

★ペットクラブとしてトラブルに共同で対処していく。

★会員すべてが同じポーチを持ち、他犬の糞であっても片付ける。

★散歩の時には通行人のジャマにならないよう短いリードを使う

★犬猫は室内での排泄を習慣づける

★団地で開いている講習会やマナー教室やしつけの講習には参加すること

★契約した訓練士がすべての犬のしつけを行う・・・等

尚 これは番組内で紹介されたのではなく、一瞬映像として映ったルールを見ると

★度々 苦情の出ている飼い主は講習会を一年以内に受講する。

★ベランダに布団などを持ち出す場合はペットの毛を完全に取り除く。

という項目がありました。

番組の結論として

ペット反対派と賛成派が話し合い、「飼育可」として「ルール」を作るという方向で終わりました。

ペットクラブで共存共栄ということです。

以下は 番組を観てロデムが感じた問題点です。

問題点1

ルールを決めれば団地内でも飼育してもよいという意見に
出席したペット迷惑派の人たちが全員「賛成」だったこと。

強固な「反対派」がいてもおかしくはないのにという疑問が生じた。

ただし、番組的に強固な反対派では平行線は目に見えているので
これも作る側として仕方のないことかもしれません。

問題2

ペットクラブの共同責任についてですが確かに素晴らしく、理想的なカタチです。

ですが実は これが一番難しいです。

私のマンションでは今だに「ペットクラブ」ができません。

もう何年間も私が訴え続けているにもかかわらずです。

これは 飼育者が「共同責任」を受け入れないためです。

現在までの間に、トラブルを量産してきた飼育者は何人かおられます。

そんな飼い主がいる間だけ、管理組合も飼育者も積極的に話し合いを持とうとしますが、

問題のある飼い主がペットを処分する、引っ越す、
謝りさえすれば問題解決にしてしまっている過去の経緯があります。

将来のトラブルに対しての対策は何も立てられていません。

「どうすればバラバラの飼育者を纏めていけるのか」これが今後も大きな課題です。

問題点3

上の話とも重なる部分なのですが、どの「話し合い」の場でも共通することですが
出席し自分なりの意見を述べることもせず、決まった事柄に対して、
不平、不満だけを言う類が少なからずいます。

今回の番組にも「出演しない、話し合いに参加しない」飼育者は多くいたのではと
想像できますし、私のマンションでも懇談会に出席されない人は多いです。

よく言われるように、問題を起こす飼い主は返って このような場には顔を出しません。
そして それがトラブルを長引かせる原因にもなります。

こういう人たちに、どう伝えていくのか、どう飼育指導していくのか、
私が番組を通して一番知りたかったのは それなのだと思います。

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