Rev.002




PC-ME9




このページは、MEのセカンドマシン「PC−ME9」の作成過程をレポートするコーナーです。(^.^)v








1.構想を練る



 セカンドマシンとは呼んでいるが、MEが作った妻のためのリビングPCが「PC-ME4」や「PC-ME5」だった。

PC-ME5」は2013年3月に誕生し、そろそろ10年が経とうとしている。性能的に何ら問題はないが、Windows11が2021年10月にリリースされ、Windows10のサポートが2025年10には終わる。「PC-ME5」は第3世代Core-i5なので、Windows11には対応していない(「PC-ME8」は第8世代のCore-i7なので、ギリギリセーフ)。

 タイムリミットは、あと3年。小さなケースに色々とパーツをてんこ盛りにした「PC-ME5」がいつ壊れるかは、神のみぞ知る。でも、壊れてから慌てるのは嫌なので、色々考えてみた。

案No.具体案考察
1超小型PCNUC + 外付けRAID HDDHDDやBDドライブなど周辺機器がごちゃごちゃする
2ノートPC自作を諦め安いノートPCを買う自作じゃないから、壊れたら自分で修理できない
3ミニPCmini ITXベースの小型PC5インチベイ内蔵のケースが有るかどうか?


 価格.comで、色々条件を入れて検索していたら、奥行き41cm、高さ41cmで外付け5インチベイのあるケースCooler Masterの「MCB-B400L-KG5N-S00」を見つけた。これをベースにMicro ATXなPCを来年(2023年)の5月(GW)に自作することした。



2.PCの構成を決める



 ケースがCooler Masterなので、なるべく他のパーツもCooler Masterに統一することにした。CPUは第13世代Core-iシリーズが出たばかりなので、とりあえず第12世代で、10年使えるリビングPCを目指した。

PartsMakerModelSpec予算
PCケースCooler MasterMCB-B400L-KG5N-S005"*1 Mini Tower\8K
M/BGIGABYTEB660M AORUS PRO DDR4B660M,LGA1700\20K
CPUIntelCore-i5 124006C/12T,2.5GHz\30K
MEMcrucialCT2K8G4DFRA32ADDR4 PC4-3200 8GBx2\6K
VIDEOなしCPU内蔵UHD Graphics 730\0K
電源ユニットCooler MasterMPY-6501-SFHAGV-JP80PLUS Gold,プラグイン\16K
CPUクーラーSCYTHEMUGEN5 Rev.C SCMG-5200サイドフロー空冷\6K
ケースファンCooler MasterMFX-B2DN-18NPB-R112cm\1Kx2
BDドライブPionnerBDR-212BKバルク品\10K
SSDWDBlack SN770 WDS100T3X0E1000GB/M.2(NVMe)\16K
HDDWDWD40EFZX4TB/5400rpm\16Kx2
O/SMicrosoftWindows11 Pro64bit 通常版\22K
その他未定必要に応じてパーツを追加\7K
合  計約\175K


 CPUクーラーを空冷にしたのは、簡易水冷の寿命が3年〜5年程度なので、10年使えるPCのコンセプトと合致しないから。このケースならサイドフローでも十分収まるだろう。



3.PCのパーツを集める

3.1 ケース(2022年11月)


 価格.comとにらめっこしつつ、どのパーツをどこで買うかを検討を進める。ほとんどのパーツは通販で買うとして、リビングPCとして、最重要パーツであるケースを買った。

 5インチベイのあるケースって、本当に貴重だし、このサイズは見たことがないから、即確保。


両サイドのパネルとフロントパネルを外してみた。下の箱の部分に、電源と3.5インチのHDD2台が収まる。ケースファンは、背面に1つ3ピンタイプだ。


3.2 電源ユニット(2022年11月)


 電源ユニットは、プラグインタイプで奥行きが短いものを価格.comで色々条件を入れて検索したところ、Cooler MasterのMPY-6501-SFHAGV-JPを発見。


 ATX電源ではなく、SFX電源なので奥行きはたったの10cm。ATX電源として使えるように、バックパネルがついている。



 早速、バックパネルを取り付け、ATX電源になってもらった。


 付属のプラグインケーブル一式。左からプリフェラル4ピン、SATAコネクタ、PCI-E6+2ピン×2、ATX24ピン、EPS 4+4ピン、EPS 8ピン、SATAコネクタ。右の4本だけを使用する予定。



 で、勢いでケースにネジ止め。


 HDDケースとの間に十分な空間があり、ここに余ったケーブルがうまく収まることを期待。



 勢いでケースにネジ止めしたのは良いが、これではプラグインケーブルがさせないので、一旦外してケーブルを先に刺した。(^_^;


 EPS 4+4ピンはぎりぎり届きそうだが、ATX24ピンとEPS 8ピンはM/Bに届かない感じ、SATAコネクタもBDドライブまで届きそうにない。



 こんなときのAinex頼み。ATX24ピンとEPS 8ピン、SATAコネクタの延長ケーブルと、ミニスピーカを追加発注。


3.3 O/S(2022年11月)


 安く買えるならDSP版で良かったのだが、通販だとどのパーツとセットにするかが問題で、結局通常版を買った。今は、DVDじゃなくてUSBメモリなのね。

 O/S自体は多分22H2版じゃないだろうから、サイトからダウンロードして、USBメモリに上書きでもするかな。(実際には読み込み専用で、上書きできなかった。)





 で、本当に必要なのは、右側の鍵マークの紙。ここに書かれたプロダクトキーなのは、言うまでもない。


3.4 BDドライブ(2022年11月)


 本当は、アクセスランプがブルーのBD Driveが欲しかったが、性能重視でPioneer製の旧モデル「BDR-212BK」にした。

 在庫がなくなるのが怖くて、これも早速買ったのだった。(^_^;




3.5 ケースファン(2022年11月)


 これも在庫がなくなるのが怖くて、先行購入したケースファン。

4ピンのPWM制御タイプで、ブルーに光るタイプ。これをケースフロントに2個付けて吸気、CPUファンのサイドフローを経由して、背面のケースファンから廃棄するというフローを考えた。ガラス越しに、ブルーに照らしてくれる風景も美しいだろう。リビングPCなので、PC-ME8程、LEDでピカピカにするつもりはない。

 ケース上面の排気も考えたけれど、ケースは小さいし、気流が乱れそうに思えたので止めた。メッシュ構造だから勝手に熱は上部に逃げてくれるかなと、期待。

とりあえず、先行投資はここまで。あとは、CPUに第13世代が使えるか、それとも第12世代で我慢かでパーツが変わる可能性があるので、部品集めは一旦中断。


3.6 M/B、CPU、MEM、SSD(2023年3月)


 4月末〜GW頃に組み立てる予定だったが、4月が人間ドックとか、情報処理試験でバタバタしそうなので、3月にパーツ購入&組み立てを繰り上げることにした。

 CPUは、結局13世代のCore-i5でEfficient-coresも積んでいるi5-13400にした。マザーボードはB760でも良かったが、GIGAGYTEのMicro ATXで、ケースに合わせてなるべく黒いパーツが多いB660M AORUS PRO DDR4をチョイス。メモリーはDDR4-3200でよく売れているcrucialのCT2K8G4DFRA32Aにした。さすがに8GBじゃ少ないので、16GBにした。

 SSDは、信頼性の高い高速なものをという理由から、WDのBLACK SN850X WDS100T2X0E、1TBをチョイス。

PartsMakerModelSpec
CPUIntelCore-i5 134006P+4E/16T,2.5GHz
M/BGIGABYTEB660M AORUS PRO DDR4B660,LGA1700
MEMcrucialCT2K8G4DFRA32ADDR4 PC4-3200 8GBx2
O/SWDSN850X WDS100T2X0E1TB,PCIe Gen4 x4


4.PCを組み立てる


4.1 M/Bの組立て


 主だったパーツは揃ったので、早速組み立てを開始することにした。

 まず、マザーボードを箱から取り出した。初めてのMicro ATX。Mini ITXほぼ小さい訳ではないが、意外とコンパクトだ。

 MicroとMiniは大きさからすると逆な気がするが、規格名なのでどうしようもない。(^_^;

 付属品は、日本語マニュアルとSATAケーブル2本、M.2のネジ類だ。





 CPUとファンを箱から取り出した。リテール品のファンは大きく見えるが、CPUの発熱量を考えると不安になる。




 ソケットとCPUの向きに注意してそっと載せ、ロードプレートを閉じ、ソケットレバーハンドルで固定。







 CPUクーラーは後回しにして、メモリーを準備。




 マニュアルに従って、メモリーをA2、B2スロットに取り付け。



 次はSSD。箱も小さいが、M.2 2280なので、本体はさらに小さい。これで1TBなのだから、驚きである。

 まぁ、このシリーズでもラインナップは4TBまであるし、今では8TB(厳密には8000GB)も存在するので、我が家でも複数SSD搭載、HDDレスなPCを自作する日も来るのかもしれない。




 CPU直結側のM.2スロットにSSDを固定。しっかりネジ止めしているが、このネジは実際には要らない。



 M/B付属のSSDヒートシンクでSSDを固定。だから、ネジは不要だったのだ。




 CPUクーラーは、サイドフローの空冷をチョイス。水冷だと寿命が3〜5年程度らしいので、水漏れとか、ポンプ故障でCPU温度上昇とか、そういうのは避けたい。

 AK400じゃなく、AK400 ZERO DARKにしたのは、全てのパーツが黒いから。(^_^;

PartsMakerModelSpec
CPU CoolerDeepCoolAK400 ZERO DARK220W TDP






 さっそく、箱を開ける。グリスが入っていないと思ったら、ベース部分に塗布済みだった。




 CPUクーラーを取り付けるために、バックプレートをプラスチックワッシャーをはめて、マウンティングプレートをネジ止め。



 CPUクーラー本体をマウンティングプレートにネジ止めし、ファンをクリップで固定。

 4PinのコネクタをM/B上のCPU_FAN(ファンヘッダ)に接続して、M/Bの組み立てはあっけなく終了。




4.2 ケースへの組み込み



 CPUクーラーを掴んでM/Bを持ち上げ、M/Bをケースに取り付け。



 別便で、HDD到着。RAID1にしたかったので、WD RED Plusをチョイス。5400回転だがCMRなので、速度もさほど遅くはないだろう。

PartsMakerModelSpec
HDDWDWD40EFZX4TB/RED Plus




 箱から取り出した。まぁ、昔からあるHDDなので、変わったところはない。(^_^;

 RED Plusであることを、強調したいぐらいかな。



 HDDベイにHDDを取り付け、区別しやすいように青と赤のSATAケーブルで、M/Bに接続。

 ATX24ピンとEPS 8ピンケーブルはやはり長さ不足で、延長ケーブルでM/Bに接続。

 裏面配線は、こんなところ。



 フロントには、BDドライブと、ケースファンを固定。




4.3 起動しない



 O/Sインストール前に起動テスト。正常にBIOSが映ることを期待して電源投入。

 だが、10秒ほど電源が入ったかと思うと、再起動がかかり、起動しない。



 ググっても、怪しいのは全パーツらしく、途方に暮れる。

 そうだ、M/BがB660Mだから、13世代に対応したBIOSが乗っていないのかもしれない。早速、GIGABYTEのサポートページを見てみると、13世代に対応したBIOSは「F20」以降であり、早速BIOSのバージョンアップを試すことにした。



 GIGABYTEのM/Bには、「Q-Flash Plus」という機能があり、CPU、メモリー、グラフィックボードなしでもBIOSをアップデートすることができる。(GIGABYTEのM/Bを選択してよかった。(^.^)v)

 FAT32でフォーマットしたUSBメモリーを用意し、BIOS更新ファイルを「gigabyte.bin」にリネームして、BIOSと刻印のあるUSBポートに刺す。




 PCの電源ボタンには触らず、M/B上の「Q-FLASH PLUS」のボタンを押すと、LEDの点滅が始まった。

 数分後、点滅が収まり、USBメモリーを抜いて、電源を投入。無事にPCは起動して、BIOS画面が表示された。

 めでたし、めでたし。




4.4 O/Sのインストール



 ここは待つだけなので、特に写真もないのだが、ユーザをMSアカウントではなく、ローカルアカウントで作成したかったので、色々ググってみた。

 今回は、Rufusを使ってローカルアカウントが設定可能なインストールUSBメモリを作成し、それを用いてインストール作業を行った。

 SSDは、1000GBの内、512GBをO/S用に割り当て、残りはTEMPとスワップファイル用の領域に使うことにした。

 O/Sのインストールが終わると、「APP Center」のインストール画面が表示されるので、必要なユーティリティー(RGB Fusion、SIV、@BIOSなど)と、「すべてのドライバー」をインストールした。



4.5 RAIDの構築



 RAIDの構築方法はマニュアルからは省かれており、GIGABYTEのサイトからマニュアルをダウンロードするのだが、B660ではPCI-EでのRAIDが組めないので、BIOSでの設定がちょっとややこしい。



 電源投入時に「DEL」キーを押してBIOS画面に入り、SettingsのIO Portsに入る。



 VMD setup menuで、Enable VMD controller を Enabledに変更。




 Enable VMD Global Mappingを「Disabled」にして、「SATA Controller」の上の「Map this Root Port under VMD」の項目をEnabledに変更。



 一旦、システムの再起動後、再度BIOS画面に入る。 SettingsのIO Portsに「Intel(R) Rapid Storage Technology」が表示されるようになるので、サブメニューに入る。




 Intel(R) Rapid Storage Technology メニューで、「Create RAID Volume」で を押して、「Create RAID Volume」画面に入る。ボリューム名、RAIDのレベル、対象ディスクを選択して、ディスク容量を決めて、「Create Volume」で、RAIDボリュームを作成する

 写真はボリューム作成後に撮影したので、「Delete」メニューしか表示されていない点に注意。





 必要なデータを旧PCから一晩掛けてコピーし、必要なアプリをインストールしてようやく、いや、ついにPC-ME9が完成。

 狙い通り、フロントのCooler Masterマークがケースファンの青いLEDで浮かび上がった。

 ちなみに、電源ランプ、リセットスイッチにあるアクセスランプは、白色である。




5.ベンチマークテスト


 とりあえず、「winsat formal」を実行して、WEI Viewerで、エクインこと「Windows エクスペリエンス インデックス」を表示させてみた。

 グラフィック以外は、9.3超えなので、満足。特に、プライマリハードディスクが9.7のハイスコアを叩き出しているのは、大満足。(^.^)v

 次にPCを組むなら、ストレージはNASのRAID5にして、オールフラッシュ(SSDオンリー)にしてみたいと、夢見るのであった。