K地区には、暖房が無い、また、効かない場所(試験室・分解組立場等)があるので、暖房用電気ヒーターが 安全課から許可制で貸し出されていました。
 ヒーターを使いたい人は 安全課に申請して許可を受けた後、使用責任者(上司の管理職) と 担当者名を記入した許可証を ヒーターにぶら下げて 使用していました。


 ところが、現場にヒーターが放置されていたり、それを他の人が 勝手に使ったり といったことが起こっていました。
 そのことに気づいて、使用している人にきちんと手続きを踏んで使用するように注意したり、安全課に状況を連絡(口頭やメール)していました。


 しかし、何の手も打たれることなく、既に研究が終了し 解散したチームが借用したヒーターが 放置されたままになっていました。現場には 燃料・潤滑油や有機溶剤等の危険物、また、危険物の入ったスプレー(洗浄、部品の探傷用等)がありますので、無管理で不用意に使用すると 火傷や火災の危険があります。


 そこで 無管理状態で使用されて危なそうな放置ヒーターは、安全課が保管している場所に戻しました。
 他地区に異動した管理職が“使用責任者”となったまま 放置されていて、誰にも使われそうもないヒーターは そのままにしておきました。それは、夏が2回過ぎても 片づけられることなく、作業現場の隅に放置されたままでした。
 ようやく片付けられたのは、他の種々の問題とともに 安全課課長の上司に 厳しく改善要請をしてからのことでした。


 「安全!安全!」「5S!5S!」といつもK地区全体を指導している安全課に何が起こっていたのか、不思議な事象でした。


                   次へ ⇒ 第2節
                   戻る ⇒ 第二章目次