余談のさらに余談になりますが、東日本大震災当日 2011年3月11日に、南関東にあるK地区から 北関東にあるL地区に、出張に行っていた同僚の体験談です。
 大震災当日、関東地区でも多くの鉄道が止まり、出張者たちは帰宅困難になりました。ホテルも満杯で、泊れず・帰れずの状況に陥ってしまいました。


 そんな状況の中で、同僚二人は L地区にあるαクラブという宿泊のできる α社の厚生施設に行って、「ロビーでいいので 一晩ここに居させて下さい」と施設の管理者の方に お願いしたそうです。
 ところが、断られてしまった のだそうです。


 JR東日本でも、駅構内から帰宅困難者を締め出したことで 批判を浴びていましたが、正に 同じことが 起こっていたわけです。
 それも 社員が会社の施設に居させてもらえず、寒空に追い出されるということが、起こってしまったわけです。幸い 近くにある社員寮では受け入れてもらえ、1泊させてもらった ということでした。


 7節 で触れましたが、α社ではコンプライアンス関連指令で「どんな状況であっても、誰に頼まれても ルール遵守」という指令が出されていましたので、正に “どんな状況であっても、誰に頼まれても” のとおり、“非常時であっても、社員に頼まれても”、その施設管理者は 真面目に ルールを遵守 したということだと思います。


 大事なのは、現場での事故やヒヤリ事例と同様、こういった誤った対応を公開し(匿名で)、これらの失敗から学び、様々な状況で適切な判断と行動ができるようにしていくことのはずです。


ヘリが! 消防車が! 工場全員参加の防災訓練を実施
のようなPR活動ではなく、
・落下したクレーン
・落下した天井敷設物(配管、配線)
・近くまで迫ってきた津波
また、
・非常時における誤った対応
・誤ったやり方での訓練
などの 貴重な経験失敗事例今後に生かす活動 が大事で、それが αウェイという社是 のはずなのですが、それは 叶わぬことでした。


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