東京港区 中国語サークル 北京倶楽部

「我们一直努力,社会应多点包容」 80后生存调查

今日の講読はインターネット《人民網》から1月15日の記事「80后广州生存调查」。
日本に代沟(dai gou)≒世代間ギャップがあるように、現代中国の代沟もなかなかシビアなようです。とくに最近何かと話題にのぼっているのが“80后(ba ling hou)”「パーリンホウ」と呼ばれる1980年代に生まれた現在20代の若者層です。
今日のテキスト内容を要約すると、テキスト冒頭の下記の文章

“50后”说:“80后”是“垮掉的一代”,不要把希望寄托在这一代人身上…。
“60
“80较飘,是父母的掌中宝,没有经过社会的磨……。
“90“80除少数人有好的展外,大部分仍在
”……
“80
受尽
候,“70辈们站出来了:我都是这样过来的,从棠下到景不就是一条路。“80,加油!

(1950年代生まれの大先輩からは「80年代生まれは“ダメ世代”だね。希望なんて託せない」。1960年代世代からも「80年世代はまだまだ浮っ調子。両親の掌中の珠なものだから、ちっとも社会の荒波に揉まれていない」と。さらには年下の90年世代からも「80年世代は一部の人が軌道に乗っているだけで、ほとんどがいまだに親の脛かじりじゃないか…」。このように80年世代が上から下からの非難轟々で板ばさみにある中、すぐ上の世代70年世代がエールを送って立ち上がってくれた「俺たちだって君たちと同じようにやってきたんだ。棠下(広州の東京のアメ横のような庶民の町だそうです)の先には(広州の銀座のようなお洒落な街だそうです)がある、一つながりの一本道さ。さあ、バーリンホウ頑張れ!)

上記以外にも今日のテキストに登場した70年世代、80年世代を冠した言葉をいくつか紹介しておきましょう。
1)蟻族(yi zu)
 “蟻(アリ)族”は“蟻のように群れて暮らす大学卒業生集団”を指し、高学歴だが個人個人は弱小ゆえ家賃の安い住居で共同生活を営まざるを得ません。大学卒業後、仕事はアルバイトもしくは失業、半失業の状態。月収は2000元未満で、大中都市の都市部と農村部の間の“城中村(都市化に立ち遅れて生活水準が低い「都市の中の村」)”に集まって暮らし、仕事に出掛けるときはアリの行列のように公共バスの停車場に並びます。年齢はほぼ22~29歳の80年世代。
なぜこうしたコロニーが産まれたか 1999年から大学の募集人数大規模に増大させたからです。大学の入学者数が増えれば、当然卒業生も増える。でも趨勢は、国営事業から市場経済、民間企業の時代へ。以前のレベル高収入の就職先までは用意できていません。こうした集団は北京、上海、広州、武漢などの大中都市に分布し、北京だけでも10万人以上、全国では100万人以上いるといわれています。

2)蝸居(wo ju)
昨年秋に放映された話題のテレビドラマ“蝸居”から生まれた言葉で、“房奴(fang nu)≒家の奴隷”と共に、現在中国で流行っている造語の一つ。ドラマの中では、“房价高涨, 买不起房子(マンション価格が急騰して家が買えない)70年代、80年代の各年代生まれの主人公たちが住宅を購入し、そのローン返済に追われて苦悩する姿を描いて高い視聴率を稼ぎました。
中国語の“蝸居(蝸牛(かたつむり)の住まい)”とは、“狭苦しい家”のこと。日本の“ウサギ小屋” に相当するのでしょうが、“蝸居”というと、その渦巻きの殻から「負のスパイラル、堂々巡り」「働けど働けど、我が住宅ローンの暮らしラクにならず、ジッと手を見る…」「ローンの殻を背負ってこの先20年、30年」の境あり。砂地のアリ地獄のようなペイシスがありますね。ついでですが、このTVドラマ、お奨めです。

3)啃老族(ken lao zu)
今日のテキストでは「脛かじり」と訳していますが、日本の“ニート”を訳すとほぼ“啃老族”ではないでしょうか “啃”は「硬いモノをかじる」。たとえば骨付きの肉の料理を薦めるときは「啃!啃!」ですって。
というのも、“啃老族”の例として数年前の新聞にこんな記事が紹介されていたからです。
舞台は四川省。「26歳の李何がしは昼間は寝ていて、晩になるとネットカフェに行き徹夜でゲームするという生活を繰り返していた。両親は退職していて、毎月払われる退職金は2人合わせても1000元。彼は中学を中退したが働くわけでもなく、親から毎月ネットゲーム代に300~400元せびっていた。ある日、30元くれといって20元しかもらえず、腹を立てた彼は、包丁で父親の手の甲を切りつけた。こんな息子でも親は「牢屋には入ってほしくない」と通報しなかった。」

4)丁克一族(ding ke yi zu)
英語のDouble Income No Kids(共働き収入、子供なし)の頭文字などを並べたものの音訳中国語です。DINKSディンクス)とは、共働きで子供がいない夫婦、またその生活観のことを指します。中国でも日本同様、結婚しない“剩男”“剩女”とともに、都市部の高学歴層70年世代に急増しています。

さて、我らが宋老師は中国の弁護士資格を取得した所謂“勝ち組”の70年世代です。
「確かに、僕が大学を卒業した頃は大学進学率が2~3%で希少価値はあったね。就職はすべて国の“分配”で割り当てられた。宿舎と食事はすべて無償給付されたし、世帯を持てば小さいながら戸建て住居を割り当てられた。その後、折りよく“住宅制度改革”に便乗できて、無償貸与されていた戸建て住居を安価で購入し所有権を取得できた。同世代の同窓生たちは、不動産高騰の波に乗って、これを転売にもっと大きな住居を購入している…。確かに70年世代は事業面、経済面では恵まれている」と。
でも、あんまり「金、金、金…」に走らないでね