【安全手帳】は、十数年前に当時の安全課課長・主任はじめ関係者で作り上げてくれた 安全確保のためのルール集・ノウハウ集 です。携帯していつでも見ることができるよう、エッセンスをまとめた手帳 になっていました。


 K地区で様々な活動を安全に行うための基本的な考え方、作業前にやるべきこと、作業時にやってはいけないことなどが記述されています。
 例えば、「安全第一」、「作業の前には危険予知をやること」、「電動ドリルで作業時は手袋をしてはならない」などが書かれています。


 研究開発では、例えば大量の電荷が蓄積された高電圧機器を取り扱ったり、レーザー光のような見えない危険と隣り合わせだったりしますので、汎用的な安全手帳だけでは不十分ですが、実際の作業の8割方は汎用的な内容で対応できます。特殊な装置や作業、また、非常時などの対応は、リスクアセスメントや次節以降で述べますチェックリストやマニュアルで対処していました。


 私の所属部署R部は、各チームが研究開発を行う際の試験や計測をサポートするのが任務でしたので、多種多様な危険に気をつける必要がありました。
 それで、毎週のミーティング時に【安全手帳】の数ページずつを読み合わせて、「なぜその記述があるのか」と ルール化の背景を皆で考えながら、安全意識と知識を活性化 すると同時に 危険認識力の向上 を図っていました(例:「ドリル作業時に手袋をしてはいけない」のは、手袋はドリルに巻き込まれやすく 指切断につながるから)。


 余談:【安全手帳】の理解と進化のために

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