クレーンなどを使って 何トンもの試作装置を 分解組立するエリアには、緊急対応備品として 担架が備えられていました。それは エリア入口扉横の “担架”と大書された箱の中あるはずでした。


 ある日「どんな担架が入っているのだろう」と箱を開けてみたら空でした。そこで安全課のメンバーに「どうしたんですか、中身がないですよ」と伝えました。「はい、分かりました」という返事でしたのですぐに担架は戻るんだろうと思っていました。


 数ヶ月経ったころ箱を開けてみたら、何も入っていませんでした。 驚いて再度安全課に連絡をして「まだ空のままですよ」と伝えました。担架が何らかの理由で使えなくなり、同じものを手配するのに時間がかかっているのかなあと思いつつも、あやふやな返答でしたのでその後何度か担架が入っているかを確認しました。


 しかしながら、いつまで経っても空なので、「なぜまだ空なんですか?、いったいどうなっているんですか」と何度も問いました。
 ようやく担架が入ったのは 最初に安全課に伝えて半年以上経ってからでした。


 余談:“厳重注意案件”の不思議

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