第二章2節述べました本問題における指摘
なぜ 網戸の不安全な状態は 長期間放置され、
  不安全な行動への対応策は取られなかったのでしょうか?

では、安全委員会で安全課から以下のような原因対策が示され、了承されました。

 原因:速報注意喚起の電子掲示板“K地区ニュース”の掲示文書の
    期限後の保存をし忘れた

 対策:掲示文書は原則「保存」とし、対策完了後に手作業にて削除する

 議事録では、続いて
  【審議】
  1)本館正面側及び試験棟2階南側の網戸以外はすべて撤去する →承認
  2)残す網戸は全てはめ殺し固定とする →承認
  3)その他の残す必要がある網戸は部門ごとに取りまとめる →承認
    
と、問題の本質を避けた内容 が記述されていました。


 網戸落下事故が起きた2013年11月の安全委員会では、恒久対策が 以下の通り提示され 承認されていたはずでした。

 恒久対策:業者に総点検依頼し、対応策検討する(交換、固定、取外し)
 期限:2014年3月末 、担当:安全課


 しかし、網戸交換等のメインテナンスが行われることはなく、網戸を開ける際に「網戸は落ちるかも知れないという気持ちで開けよう」などの警告表示がされることもなく、網戸落下問題は半年以上放置されていました。
 網戸落下問題があらためて見直されたのは、同じ3階通路の反対側の網戸が傾いだ状態なっていて、それを開けようとすれば また落下事故が発生してしまいそうなのを 2014年6月初めに見つけ 連絡をしてからでした。


 網戸落下につては、スムーズに動かなくなってしまって不安全な状態にある網戸をメインテナンスしてスムーズに動くようにし、無理やり動かすという不安全な行動がないよう 注意喚起をすればよいのではないかと思っていたのですが、長期間放置後の対策は 原則撤去でした。


 安全委員会も総括安全管理者も、安全課の不適切な安全管理安全委員会自身のチェック機能不足という本質に触れることなく、網戸撤去という過剰ともいえる現物対策で本問題を終了としてしまいました。


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