2015年の年末 仕事納めの日の夕方、上司である所長名の警告書を受け取った際に大きな違和感を感じたのは、自らの考えを直に伝えることをせず、部下の業務部長と総務課長をメッセンジャーボーイとして使って警告書を手渡したことでした。警告書受領後に 所長にメールを送りましたが、返事はありませんでした。


 メールには「所長は当日ご在席だったと思いますが、私の改善活動について何が問題なのかを、当日もそれ以前も 自ら指摘することなく、また、指導することもなく、メッセンジャーに託されて警告文書を送られたことを残念に思っております。」と冒頭に述べて、K地区の安全管理の見直しを訴えたのですが、徒労に終わりました。


 所長(研究開発関連の体制変更による本部長退任に伴い2015年4月からK地区の総括安全管理者に就任)には、以前にも 打合せ室においで頂いて「形骸化した安全管理のままでは 事故発生確率が大幅に上がります、総括安全管理者になられたのですから見直すべきです、専門知識のない安全課への安全管理責任の押し付けは、新規設備導入・改造時の安全チェック や リスクアセスメントの責任体制 とも不整合ですし 4人しかいない安全課では対応不可能で 形骸化した責任体制になります、やってみて問題があったらまた変更すればいい というのは無責任、変えるなら PDCAのCAの内容を明確に示すべきです、『昔は現場に怖い現場の主がいて良く注意をしてくれた、今もそんな人が必要だ』とおっしゃっていたではないですか、私もそうなるよう心掛けていますが 所長も総括安全管理者として 怖い人になるべきではないでしょうか、性善説だけでは 安全管理者は務まりません」といった趣旨のことを述べながら 改善を迫ったことがあるのですが、話は噛み合いませんでした。


 印象に残っているのは、噛み合わない打合せの中での「性善説だけでは安全管理者は務まりません」という私の意見に対して「私は ただの ばかな いい人 ですから」という言葉でした。
 冗談半分での発言だとは思いますが、その言葉が “総括安全管理者” としての 姿勢 を表しているように感じました。


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