ペコを喪って7年が過ぎた。区切りの7年だ。
なぜ7年だったのだろう・・
高校生の頃に不幸にしてしまったエルと別れ、ペコに出会うまでの時間
再びペコに会えるかもしれない時間、
7年もあれば何かが変わるだろうとの期待、
何か根拠があったわけではなく、ただ漠然と7年を目標にしていた。
理由は後付けでどうにでもなるが、
ただどれとも違う。
約束に反して、私は犬を迎えるだろうと思っていた。
若かりし私は約束は破るためにあるとさえ思っていたので
まさかその私が「犬とはもう暮らさない」という約束をしたとしても
それは口先だけのもので、約束を守るとは自身でも信じていなかった。
裏切るだろうことは計算積みだったとさえ思う。
そして「ごめんねペコ、新しい子迎えちゃったよ」と悪びれもせず報告し
ペコもまた それを許してくれるような気がしていた。
どうやら私はペコを喪って、ようやく人間としての成長を遂げたのかもしれない。
心の一部を失って成長せざるを得なかっただけなのかもしれない。
依然としていい加減な部分も残るが、慎重さと臆病さが身に付いたようだ。
ペコのいない時間は
針のムシロのような長い道を這うように進むのかと思っていたら
当初の2〜3年を除いて、時は淡々と粛々と過ぎていった。
タイガーがいてくれたせいかもしれない。
ぶぶちゃんの病気のせいだったかもしれない。
騒音トラブルやマンション売却、引越しなどがあったせいかもしれない。
ペコへの愛を証明したかったからかもしれない。
これもまた理由は後付けで何とでも言える。
ただ犬は迎えなかったという事実だけが残ってしまった。
どの事柄についても様々な見方が錯綜している。
それは7年分蓄積された私と迷いと戸惑い、
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