私の  「活動日記」 です!
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10月11月12月
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         (2009年) 1月・2月・3月・4月






      (2008年11月分)


● 11月30日(日曜日)●

       薬を飲み、患部を冷やして、安静にしています。

 一問一答方式で行った金曜日の「代表質問」は、質問と答弁のやりとりのたびに立ったり座っ
たりしましたが、そのつどパンパンに腫れている膝に激痛が走り、苦痛でした。

 昨日の土曜日に「急患扱い」で再度、診察してもらいましたが、「良くなってはいないけれど
も、最悪の時よりは悪くはなっていない」ということでした。とにかく薬を飲み、充分に幹部を
冷やして絶対に安静にしなさい、ということでした。腫れはすねや足にまで広がっており、靴が
履けない状態になっていて、実に情けない有様です。これではどうしようもないので月曜日と火
曜日の常任委員会は、残念ですが欠席するつもりです。診察の結果によりますが、水曜日の特別
委員会は出席できればと思っています。

 昨日と今日は、医者の指示通り家で静かに過ごし、出来るだけ横になったり、(縦になって)
テレビでラグビーを見たりして過ごしました。また、前から読み返そうと思っていた柳田國男の
『遠野物語』を本箱から取り出して30数年振りに再読しました。さすがに日本の民俗学を切り
開いた画期的な本だと改めて感心しました。この本で叙述されている内容のうち、幾つかの類似
した民話は、私が生まれた地方でも伝わっていますが、とても遠野郷の比ではありません。


● 11月28日(金曜日)●

    「定額給付金は評価する」、中山区長の発言にがっかり。

 昨日から今年最後の新宿区議会第三回定例会が開かれています。今日は、私が代表質問をしま
した。先日(20日)の日記に記載した四項目の質問をしましたが、その中で「定額給付金」に
ついての中山区長の見解を質しました。

 最初の答弁では、質問の趣旨をはずしたことを言っていたので、私は再質問をし、「税金使途
の大原則である “最少の費用で最大の効果をあげる” ということからすると、私はこうしたバ
ラマキは財政政策上は全く愚策だと思う。区長自身は、この定額給付金について評価するのかし
ないのかはっきり答えてもらいたい」と再質問すると、区長の代わりの総務部長(再質問の場合
は区長に代わって慣例的に部長が答弁することになっています)が「経済的な効果が期待できる
ので評価している」と答えました。
 2兆円もの巨費を投じるのですからどう考えたって「経済的な効果」がゼロではなく、少しぐ
らいはありますが、だからと言って「期待できる」とは過大評価もなはだしく、恐らく大半は貯
蓄に回るか、あるいは絶対に支出する日常生活の費用に投じられるというのが一般的です。従っ
て、かつての「地域振興券」の前例が示し、また専門家も分析するように、景気対策としては、
それ以上の経済的な効果はほとんど期待できないのです。

 しかし、こんなとんでもない財政政策について、はっきりと「評価する」と言われたので、私
は率直に言って本当にびっくりしましたが、「今の答弁は区長の考えということですね」と確認
して(確認する必要もないことだったのですが)質問を終了しました。

 杉並区長は「定額給付金は、無原則・無責任で効果はなし」、神奈川県知事は「政策的に間違
っている。撤回すべきだ」、佐賀県知事などは「ばら撒くのではなく、使途を地方に任せてもら
いたい。最も必要な事業に有効に使用する。そうすることが地方分権だ」などなどの発言が、相
次いでいます。少しでも財政政策のありようを考えるならば、当然の見解や反応だと思います。

 こうした中で、私は自治体の首長が「評価する」と発言したのをはじめて聞きました。しかも
それが自分の自治体の首長ですから、大いにびっくりしましたが、それ以上に、こんなでたらめ
な施策を評価するという中山区長の姿勢には、全くがっかりしました。

 私は今日の質問の前置きとして「地方自治体が先進性のある自治を競う中で、新宿区はその持
てる能力からしても、置かれている地域性からしても全国のリーダー的な役割を担いうる」と述
べました。しかし、「定額給付金」のような問題で、(与党に遠慮してかどうか知らないけれど
も)首長がこんな見解を持ち、こんな姿勢を執っているのならば、前置きで述べたようなことは
とても言えたものではない、と感じました。

● 11月25日(火曜日)●

   「病気の原因不明、薬は全然効いていない」という通告。

 腫れ上がった右膝の検査結果を聞くために妻と共に東京女子医大へ。血液や膝から摂った液体
の検査の結果、医者の診断は「病気の原因は不明」「飲んだ薬は全然効いていない」ということ
でした。膝の腫れは右足全体に広がってきており、痛みも全然和らいでいませんので、「薬が全
然効いていない」という先生の所見には私も納得出来ましたが、何かせ原因か分からないのです
から安心できません。しばらくは毎日午前中に「点滴」をすることにしました。私は「議会が開
会になるので、もう少し後とか、あるいは午後の遅い時間に~」と要請したのですが、「早期の
対応が必要だ。そんな暢気なことを言っている場合ではない」と一蹴されてしまいました。
 明日10時から開かれる全員協議会には出席できなくなったので、議会事務局に欠席の通知を
しました。とにかく私自身、初体験の事態であり大いに困っています。


● 11月24日(月曜日)●

   新宿の裁判員は約1千人、候補者に通知が発送されます。

 来年5月21日から始まる裁判員制度の向けて、「裁判員候補者名簿」に登録された方に、各
地の裁判所から「通知」が届き始めます。有権者か350人に一人の割合ですが、これまでの事
件の発生件数などによって候補者数は若干違っています。全国で約29万500人、新宿区の候
補者は約1000人です。既に新宿区の選挙管理委員会が無差別に選出して対象者の名簿を裁判
所に提出しています。この名簿に基づいて「通知」が発送されるのです。

 この制度は、アメリカの映画などに出てくる「陪審員」と似ていますが、日本ではこれまで全
くなじみのない制度です。多くの国民も制度の内容について知っているとは言えがたい状況にあ
ります。しかし、制度の中身を知るに従って、「こんな恐ろしいことに協力したくない」という
世論が広がっています。制度に反対する弁護士や市民などで構成する「裁判員制度いらない大運
動!」(事務局は新宿区内にあります)では、裁判員制度を現代の「赤紙」と位置づけ、制度廃
止に向け、全国的な行動を呼びかけています。私も反対です。

 私たちが反対する主な理由は、以下のようなものです。

① 裁判員に指名されたら、特別の理由がない限り、原則として辞退できないこと。
② 「人を裁きたくない」という思想信条は無視されること。
③ 裁判のために使う有給休暇の補填や補償、営業停止による商売上の被害は補填や補償はされ
  ないこと。
④ 裁判員の選出手続きで候補者のプライバシーが丸裸にされること。
⑤ 判決を決めることに繋がる「評議」では、「死刑」を含めて意見をいうことが義務付けられ
  ること。
⑥ 「評議」の内容は、配偶者や家族を含め生涯を通して秘密とされ、違反すれば6ヶ月以内の
  懲役または50万円以下の罰金が科せられること。
⑦ 被告人は裁判員裁判を強制され、拒絶する権利は認められないこと。
⑧ 被告人の防衛権・弁護権は厳しく制限されること。
⑨ 裁判開始前に密室で裁判官・監視官・弁護人が主張や証拠を整理するために、裁判員は単なる
  「市民参加」図ったという口実にされる危険性があること。


 このような幾らでも問題がある「裁判員制度」について、最高裁の司法研修所では、「研究報
告」をまとめ、裁判員が参加する一審の結論については、裁判員が参加しない二審でもできるだ
け尊重すべきだと結論付けています。市民参加を表看板とする裁判員制度による結論が二審で覆
るのは「制度の形骸化」を危惧する姑息な結論付けです。これでは三審制の否定にも繋がり国家
制度の根本をなす三権分立制を阻害することにもなります。とにかく問題がありすぎます。
 私たちは、あくまでも制度の廃止を求めます。



● 11月23日(日曜日)●

   突然、右足の膝が腫れだしました。激痛が走る状態です。

 20日に東京女子医大で健診を受け、「異常なし」と言われたばかりだったのですが、22日
の未明、寝ている間に右足のひざが痛み出し、朝見たら、大きく腫れていました。また、朝早く
女子医大に行って、整形外科と皮膚科で診察を受け、血液やレントゲンの検査をしてもらいまし
たが、結果が出るまで、原因は不明です。25日に再度検診をすることになりました。よくある
症状だということです。尿酸が高くなったか黴菌が入ったのではないかという見解ですが、尿酸
は正常値の範囲ですし、外傷も全然ありません。とにかく一歩あるくのにも痛みが走りますので、
少々弱っています。

 きのうと今日は仕方がないので、一日中家で寝たり起きたりしながら、時々、「漱石山房の復
元を推進する議員の会」で議員にお願いした「好きな漱石の作品」に関するアンケートの整理と
27日の本会議で行う予定の「代表質問」の原稿の手直しなどをしました。


● 11月20日(木曜日)●

      第四定例会の代表質問。質問項目を提出しました。

 今年最後の区議会定例会は、11月27日から開かれます。私は28日の一番最後の前に代表
質問を行いますが、今回の順番は一番最後です。今日が質問項目の提出日ですが、次の四項目を
届け出ました。

  1、区財政の動向と予算規模などについて (6分)
  2、自治意識の高揚と人的資源の周知などについて  (6分)
  3、契約事務の実態と改善に向けた取り組みについて (6分)
  4、「教育ビジョンは」の基本的な考え方と学校選択制の再検討について (6分)

 私の質問時間は25分なので、せいぜいこの程度の項目しか質問が出来ず、また、それぞれの
項目の質問時間も6分前後が限度いっぱいというところです。上記の項目だけでは、質問の内容
は分からないと思いますが、第一項目の財政問題では、例の「定額給付金」などについても質問
するつもりでする。

 定額給付金については、昨日、首相と全国の知事の代表が会談した際に、松沢神奈川県知事は、
首相に対して「政府が国民にもカネをばら撒くのは政策理念上問題がある」と述べ、「定額給付
金は政府が勝手に決めて、決められない所得制限だけ地方に押し付けた。政府の責任放棄だ。国
民に信を問うほどの大きな問題だ。政府は給付金を撤回すべきだ」だと求めたそうです。
 これに対して麻生首相は「定額減税では低所得者のところに届かないということでこうなった。
変えるつもりはない」と答えたと言うことです。こうした発言を聞くと、首相はこの税金のバラ
マキを福祉施策と位置づけているようです。しかし、そうならば、自らの責任で所得制限を設定
すべきです。制度構築の基本的な対応をしないで、所得制限をどうするかは自治体でお決め下さ
い、というのは実に不可解なことです。
 松沢知事と麻生首相のどちらの主張に利があるかは、一目瞭然です。

 私も、新宿区長に、財政政策としても福祉対策としてもほとんど合理性も妥当性もない定額給
付金については、「首相に対して撤回するように求め、その財源をもっと区民の生活を支える施
策に使えるようにすべきではないか」という質問もするつもりです。

 今日は、午前中、東京女子医大病院で血糖値や尿酸などの「定期健診」をしました。取りあえ
ずは「異常なし」ということだったので安心しました。
 午後からは「新宿区勤労者福祉センター」の評議会に出席しました。センターは今年度末で発
展的に解消し、「新宿仕事センター」に衣替えをする予定ですが、スムーズに移行し会員の満足
度が一層高まるようにという思いから、幾つかの質問をし、意見を述べました。


● 11月18日(火曜日)●

   この国の首相にふさわしいと思っている人が居るのか?

 麻生首相に対して、「指導者としてふさわしいのか」という観点にたって、自民党内からも批
判が顕著になってきました。この間の仕事振りを見ていると、「定額給付金」の所得制限の有無
を自治体に丸投げしたことに象徴されるように、何事についても目に見えた指導力を発揮するわ
けでもなく、まさに、「居ても居なくても対して変わらない存在」になってしまっているので、
このような批判は当然のことです。麻生さんは、今の困難な時代、一時的であるにせよこの国の
リーダーにふさわしいのか考えてしまいます。

 「まともに漢字も読めない総理大臣」としは未曾有(みぞうゆう?)の脚光を浴びていますが、
難しくもなく、日常的に良く使われているい漢字も読めないことがこのように頻繁(はんざつ?)
に報道され、その考えがたいことが多くの場面に踏襲(ふしゅう?)されて国民からそう評価さ
れてしまうと、「極めて指導力がなかった総理大臣」だったことを売りにして、むしろこれから
は「おばかさん番組」にでも出ていた方いいのではないかと思ってしまいます。

 新聞が伝えた『週刊文春』や『週刊新潮』の記事によれば、これまでも「参画を「さんが」、
「措置」を「しょち」、「偽装請負」を「ぎそうつけあい」、「有無」を「ゆうむ」、「物見遊
山」「ものみゆうざん」、「前場」を「まえば」などと誤読していると言うことです。調べた方
には敬意を評しますが、今は総理大臣ですからねぇ。何とも言えがたい気持ちになります。
 それにしても、この人は70歳近くなるまで「みぞうゆ」や「はんざつ」や「ふしゅう」など
と言ってきたのでしょうか。不思議です。

 今日は「自治・地方分権特別委員会」開催の定例日です。これまで検討してきた「区民」の定
義や「自治の理念」「自治の原則」などについて条例上の位置づけをどうするか意見交換をしま
した。来年1月20日に行う上越市への委員会視察や議員全体の勉強会についても確認しました。
また、明日、小委員会が開かれ、上越市の地域自治組織について研究しますが、私がレポートを
することになりました。委員会終了後、その準備をしましたが、結構、時間がかかりました。

 夜は、四谷の事務所で「区政報告」(B4用紙一万枚・両面)の印刷をしました。


● 11月16日(日曜日)●

    反対は私一人。前の「地域振興券」を調べてみました。

 朝から秋の終わりを告げるような雨です。正午から今回が最後という「東京女子マラソン」が
行われましたが、このような天候はマラソンにとっては悪いということではないようです。

 今日は、ほぼ一日中、家で「区政報告」の原稿(原紙)づくりをしました。B4サイズで一万
枚印刷し、今月末から来月にかけて送付したり手配りしたりする予定です。

 例の「定額給付金」についても私の考えを書きました。調べてみたら、「定額給付金」の悪し
き先輩ともいえる「地域振興券」は、自治体が窓口になったこともあり、新宿区でも1998年
12月24日と25日に臨時議会を開いて実施に関する予算を決定しています。

 私はこの時に、「地域振興券は財政政策としては全くの邪道であり、効果はない」「市民への
単なる迎合策に過ぎない」などと主張し反対しましたが、私以外の議員は、同じ会派の議員や共
産党の議員も含めて全部賛成し、反対したのは私一人だけでした。次の年の4月に区議会議員選
挙が行われることもあったので、他の全部の議員は、有権者の気持ちを思って賛成したのでしょ
うが、本来なら賛成するはずもない議員の態度や心理も狂わしてしまう「カネの力」は怖いとい
うことを、改めて実感したことを思い出しました。 

  今日の朝日新聞に載っていた川柳。 「だんだんとマンガチックになる首相」。

 前々からマンガチック。そればかりか、総理大臣として必要な高邁な政治哲学も理想に燃えた
理念もあるようには、マッタク、思えない(という陰の声もある)。


● 11月14日(金曜日)●

     AEDによる「電気ショック」の講習会に参加しました。

 停止した心臓に「電気ショック」を与えて再生させるというAED装置は、全国的に普及して
きています。新宿区でも公共施設にはほとんど設置されていますが、民間の建物などにも随分備
え付けられ、実際、AEDの活用したことによって命を取り留めたという事例が幾つも報告され
ています。

 今日、区議会で議員を対象にしたその「AED操作」の講習が開かれました。38人のうち、
12人の議員が参加しました。新宿消防署の3人の職員が懇切丁寧に指導してくれました。3年
前にも開かれましたが、私はその時も受講したので、今回で2回目ということになります。
 操作そのものは簡単です。ただ、停止した他人の心臓に「電気ショック」を与えるということ
ですから、何となく気持ちの上では抵抗があります。しかし、いざとなったら必要なことであり、
講習は大変参考になりました。人工呼吸や止血方法などについても教わりました。最後に筆記試
験も行われましたが、こちらの方はほとんど全員が満点だったようです。晴れて「合格」です。


● 11月13日(木曜日)●

      今年最後の定例会で代表質問。1月に上越市を視察。

 今月末から始まる今年最後の新宿区議会第四回定例会で代表質問を行います。何を質問するか
はまだ最終的に決めていませんが、いくつかの課題について検討しました。少しばかり原稿も書
いてみましたが、まだ、全く構想の段階で煮詰まっていません。

 今日、区議会の幹事長が開かれました。私が所属する「自治・地方分権特別委員会」で新潟県
の上越市を視察し、先進的な「地域自治組織」について調査したいと議長に要請していましたが、
調整が着きました。早速、議会事務局が上越市議会と相談した結果、1月20日から一泊二日で
実施することになりました。
 上越市の地域自治組織は全国から注目され、地方制度調査会でも先進的な事例として紹介され
ています。私は個人的に視察したいと思っていました。実は、今年の夏に東京で開かれた「日本
自治学会」のシンポジュームにパネラーとして参加していた上越市の矢野学議員(上越市と合併
する前に旧安塚町の町長をされていた方。その後、市議に当選)の発言を聞き、是非、直接お話
を聞きたいと考えていたからです。

 ただ、個人で説明を聞くよりは、特別委員会として視察することが出来れば、委員全体で共通
の認識も持つことが出来ますので、是非、そうなればといいと考えていました。願いが叶って本
当に良かったと思っています。早速、矢野学議員に電話を入れてお礼を申し上げ、視察の際にご
説明やアドバイスをいただくようにお願いをしました。

 きのう正式に決まった「定額給付金」と称するバラマキについては、全国の自治体から反発が
噴き出しています。「毒まんじゅう」のようなものですから当然の反発です。今朝、6チャンネ
ルに出ていた山田宏杉並区長は、「無原則」「無責任」「効果なし」と述べ、松沢神奈川県知事
も「天下の愚作」と断じていました。地方自治体の責任者は、大方、似たような発言をしていま
す。全く正論だと思います。カネをあげる(もらう)のがいいかどうかではなく、財政のあり方
を考えるならば、こうした発言をするのは当たり前のことです。
 所得制限の有無をまる投げされた側のある自治体の首長は「前代未聞の愚作」と怒っていまし
たが、10年前に「地域振興券」という似たような「愚作」が行われましたから、前代未聞とい
うことではではありませんが、いずれにしても愚作の先輩であるの地域振興券について反省がな
く、また、メリハリのない、目的もあやふやな愚作をまたも考えた公明党、これを受け入れた自
民党や政府の政治感覚、こんな貧困な政策しか考えられない状況は、実に深刻なことです。

 今日開かれた全国市長会の合同会議には、全国から約170人が出席しましたが、「厳しい財
政状況にありながら、2兆円ものお金を突如ばらまくという政策であり、このまま進めば国が滅
ぶ」(松浦正人山口県防府市長)などという意見も出たということです。新宿区長がどう考えて
いるか、是非、聞いてみたいものです。


● 11月12日(水曜日)●

    常任委員会、漱石山房の世話人会、特別区議員講習会。

 今日は常任委員会の開催日です。午前中は「総務区民委員会」が開かれました。また、昼休み
の一時間を利用して12月9日に開催する「漱石山房の復元を進める新宿区議会議員の会・結成
総会」に向けての世話人会を開きました。この日は漱石の命日に当たりますが、サブタイトルは
「区議会議員の ゙漱石忌゙ 」にすることにしています。世話人会は、自民・下村、公明・熊谷、
共産・近藤、民主・久保、無所属・根本、花まる・那須、それに社会の私がメンバーです。
 今日は、当日の進行、すなわち結成総会、記念講演会、漱石墓地の参拝、それに漱石談議の交
流会、「私の好きな漱石の作品」のアンケートの発表方法などについて相談しました。

 午後2時からは飯田橋の区政会館で「地方議会のあり方について」の議員講習会があったので
出席しました。読売新聞編集委員の青山彰久さんが講師です。地方分権の動きや議会改革につい
て、この間の特徴的な出来事を報告していましたが、あまり参考にはなりませんでした。
 帰りに飯田橋駅の西側にある青森県の「アンテナ・ショップ」に寄って、好物の南部せんべい
をいっぱい買って帰宅しました。


● 11月11日(火曜日)●

     雑司が谷墓地へ。漱石の墓地などを見てきました。

 新宿区議会議員全員が参加して12月9日に「漱石山房の復元を進める新宿区議会議員の会」
という議員連盟を結成しますが、総会終了後に漱石の「墓参」をする予定になっています。
 漱石墓地は雑司が谷霊園にあります。私たちが20数年に行った「漱石忌」の際に墓参したこ
とがあり、その後も何度かは訪ねていますが、10年ぐらいはご無沙汰しているので、今日、行
ってみました。権威付けを極端に嫌った漱石にはふさわしくないような堂々とした墓地は、すぐ
に分かりました。落ち葉などを払い、ごみを拾って帰りました。
 地下鉄副都心線を利用するのももちろん初めてです。どういうルートが一番行きやすいか検討
がつきました。 

 雑司が谷霊園では、墓地見物の何組かのグループに会いました。また、地図を持ち、有名人の
墓地を探し歩いている風の何人もの人たちにも会いました。改めて由緒があり、歴史のある墓地
であることを実感しました。

 私も、折角なので駆け足で小泉八雲、永井荷風、泉鏡花、羽仁もと子、島村抱月、竹久夢二、
竹林夢想庵(私は朝子夫人とは、生前、懇意にしていました)、東儀鉄笛(早大校歌の作曲者)
などを見て回りました。夢想庵の墓には初めて参拝しました。墓碑の裏面には建立者が記されて
いましたが、その一人として朝子夫人の名前があり、懐かしく感じました。

 また、生前、漱石と交流があり、何かの作品にも登場する大塚楠緒子(おおつかくすおこ。歌
人)の墓もありました。「 ひとあし踏みて夫思ひ ふたあし國を思へども  三足ふたたび夫おも
ふ  女心に咎ありや~」
という言葉で始まる反戦歌ともいえる「お百度詣」の作者です。
 漱石は、この人を好きだとも言われています。才色兼備の大塚楠緒子は、僅か35歳で亡くな
りましたが、その際に漱石が捧げた 「ある程の菊投げ入れよ棺の中」 は、私も若い時から知って
いる俳句です。楠緒子の墓が漱石と同じこの霊園にあったのは、今日初めて知りました。


● 11月10日(月曜日)●

   2兆円は国民の税金。政府や自公の私的なカネではない。

 例の「公金」で有権者の票を確保しようとする「給付金問題」が大詰めを迎えています。いく
つかの新聞の世論調査も発表されていますが、国民の評価は、予想以上に低いようです。当たり
前のことです。そもそもこれは「景気対策」か「福祉施策」か。肝心なことさえ不明です。
 例えばこんな具合です。官房長官が記者会見で「所得制限をする」と言明。一時間後に首相が
「所得制限は面倒。高額所得者は辞退すればいい」。担当者の一人の与謝野大臣は「辞退せよと
いうのは制度ではない」。当事者の見解も全くバラバラなのです。2兆円という気が遠くなるよ
うに税金を投じる施策だというのに、一体、どうなっているのでしょうか。
 典型的なドロ縄対策ですが、こんなものは、少なくても一旦白紙に返すしかないのではないで
しょうか。麻生首相は「なんだかんだ言ったって喜ぶ人はいる。必要な人はいる」。だから2億
円バラ撒くというのならば、この人は指導者としては全く失格であり、一時的にしろこの人がこ
の地位にいることは国民にとって実に不幸なことです。

 夜、新社会党新宿総支部の執行委員会に出席。日中は機関紙配達。総務区民委員会の資料調査。
「漱石山房」の打ち合わせのレジメ作り、年末の「産直活動」の準備など。


● 11月9日(日曜日)●

   津軽平野の冬景色の中を「ストーブ列車」が走る季節に。

 11月も中旬へ。私が子どもだった頃は、10月の半ばを過ぎると雪が降っていました。当時、
11月中旬の津軽はもう完全な「冬の季節」でした。今は盛んにテレビなどで報じられている津
軽平野を走る「ストーブ列車」は、その頃は全国的には全然知られていませんでしたが、今より
ももっともっと情緒のある雰囲気で雪ののっぱらを走っていたような気がします。

 今日、「週刊・新社会」の羅針盤という欄に365字以内で次のような原稿を書きました。

 明治、昭和、平成と「大合併」が続いたが、その歴史の裏からは地域社会の崩壊を嘆くうめき
声が聞こえてくる気がする。平成の大合併は今も継続中だが、ついに町村の数が1千を切って9
99になった▲平成大合併がスタートした99年3月31日の基数は670市、1994町、568
村、合計3232市町村。しかし、09年3月30日には783市、803町、193村、合計17
79になる予定だ▲小さな町や村が近隣の市に統合されている状況がよく分かる。都道府県の半
数は、村がないか1村しかない県になった▲自治の高揚ではなく、統治の手段としての合併だか
ら当然だが、合併で地域社会が良好な関係になったという肯定的な評価は、どこからも聞こえて
こない▲自治権限を持った「地域自治組織」の構築が不可欠だが、逆に「道州制」の論議の方が
先行している。地方自治の前途は誠に深刻だ。(365字)

 四谷少年野球大会の秋期リーグが今日から始まりました。開会式が10時前から行われたので、
出席しました。かつては10数チームあった四谷少年野球も、今は3チームしかなくなりました
ので、市谷地区から1チーム特別に参加してもらい、4チームのリーグ戦形式に大会がもたれて
います。サーカーチーム二比べると、昔日の感がします。


● 11月7日(金曜日)●

     迷走状態の「給付金」支給問題。止めた方がいい。

 全世帯に「給付金」を支給するという究極の選挙対策が、具体化する段階で迷走に迷走を重ね
ています。実施方法としては、全世帯に引換券を発送し、商品券(あるいは現金)と取り替える
ということが考えられているということですが、バラマキという批判を回避するために、高額所
得者には「辞退」を呼びかけるのだそうです。本当にこうしたカタチで実施しようとしているの
でしょうか。
 引き換えの券を送っておいて、辞退しなさいというのですから、まともな人間の考えることと
は思われません。可笑しくなります。もともと選挙目当てのバラマキなのですから、その批判を
避けようと工作すること自体、無理な話です。全く支離滅裂なやり方と言わざるを得ません。
 選挙も延びたことだし、財政的な効果はほとんど期待できない「愚作」ですから、もうこの辺
できっぱりと断念した方が「お国」のためになりそうです。

 がんに罹患したことを明らかにしていた筑紫哲也さんが亡くなりました。ジャーナリストとし
て一貫した姿勢で発言をし、多くの人に影響を与えてきました。惜しい人です。

 夕方、久しぶりに丸正前で一時間余り演説をしました。先日、私たちが区長に提出した「20
09年度予算編成に向けて要望書」や東京都と特別区が進めている事務事業移管、特別区の合併
問題などについて報告しました。いろいろな人に会い、激励されました。


● 11月5日(水曜日)●

  黒人奴隷の輸入から389年、オバマ候補圧勝。
   世界平和に貢献する大統領になって欲しいものです。

  アメリカ大統領選挙でバラク・オバマ(47歳)が圧勝しました。予想されたこととは言え、
史上初のアフリカ系大統領の誕生です。つい20数年から40数年ぐらい前までは、キング牧師
たちを先頭に黒人が「人間としての人権」を勝ち取るというごくごく当たり前のことを手に入れ
る闘いが、先進国と言われるこの国で粘り強く行われていました。過去のこのような負の遺産は
今も完全に払拭されたのではなく、多くの局面で残っているようです。

 黒人が奴隷としてアメリカに「輸入」されてから389年、リンカーン大統領が奴隷解放宣言
をしてから149年、キング牧師が「私には夢がある」と演説してから45年になります。

 私は、有名な「私には夢がある」と演説し、さまざまな弾圧にも断固としてひるまなかったキ
ング牧師が暗殺された日のことを知っています。二十歳の時でした。夢のスケールは全然違いま
すが、当時、私自身にも夢がありました。そうした青年の一人として、キング牧師のように、自
らすばらしい夢を持ち、人々を鼓舞し、勇気と希望を抱かせた続けた人が、一瞬のうちに命を落
すアメリカという国に愕然としたものでした。
 あのような悲劇や苦闘の集大成の歴史が、ずっと連なっていまに至っているのです。
 実に長い道のりでしたが、初めて黒人大統領が選ばれたという今日の出来事は、まさに時代の
流れ、社会の変化を感じさせるものです。

 オバマは、いまや伝説の人になったケネディ大統領を彷彿とされるところがありますが、どの
ような指導者になり、いかなる実績を残し、どう評価されるかは、これからの手腕にかかってい
ます。いまや悪の大国になり下がってしまったようなアメリカが、世界の平和のために、そして
多くの困窮を極めている世界の国々や人々のために、大国として正当な貢献を果たす国になるよ
うに、新大統領には、確固とした指導力を発揮してほしいものだと思っています。

 制度的に決まっていることですが、あのブッシュが居なくなるということを考えただけでも清
々しい気になります。オバマの正式な大統領への就任は、来年1月20日です。

 麻生首相が、大統領選挙の結果を受け、ぶら下がりで記者団の質問に答えていました。「日米
は50年以上にわたって信頼関係を築いてきた」などと述べていました。世界の政治状況がこの
大統領選挙によって大きく変わり得る可能性が出てきたというのに、日本のリーダーが何の政治
哲学も感じられない陳腐なコメントをしているのには驚き、がっかりしました。その辺の市民の
「居酒屋談議」でも、もう少しは理想や理念や哲学のあるハナシをするものですが~。


● 11月4日(火曜日)●

      「プラ-ヌンクス・ツェレ」について意見交換。

 ついこの間まで、11月30日の総選挙が有力視されていました。その場合は、公営掲示板や
選挙事務を行う臨時雇用の人件費などの選挙費用を予算化しなければならないので、今日、「臨
時議会」を開いて対応することになっていました。しかし、総選挙の日程は延びたために、選挙
関連の本会議やその他の会議は全て中止になりました。

 代わって、午前、「自治・地方分権特別委員会」の小委員会が開かれました。小委員会はすぐ
に終了しましたが、その後、小委員同士で「プラーヌンクス・ツェレ」という一般市民の意見を
聴取する新たなやり方について意見交換をしました。

 この方式は、「市民討議会」と言われているものです。ドイツで1970年代に考案されたも
のですが、これまで日本でも既に幾つかの自治体で「学校通学区域の自由化」や「ごみ問題の施
策」「まちづくり」などの課題を検討する際にこの方式が使われています。

 実施方法は、(基本的には16歳以上の)市民を全く無差別に選択し、連絡を受けた市民が自
主的に討議会への参加の有無を決め、(土曜日と日曜日など)2日から4日程度の日程で与えら
れた課題について徹底的に議論するものです。そして、最終的には、議論の結果をまとめて(行
政に)提出しますが、その結果については最大限尊重されるというのが基本的な特徴になってい
ます。経験的には、無差別に選択された市民の大体5パーセント程度の参加が見込まれると言わ
れています。

 これまでよく使われている「公募方式」の場合は、時間があり、何にでも関心のある人、一部
では「もの好き」などと揶揄されたりする人が参加する傾向があり、従って、ともすればいつも
似たような人たちがメンバー(金太郎飴と言われています)になりがちです。一般的な市民の意
見を広く取り入れるということでは、無理な面もあると指摘されています。しかし、この「市民
討論会」の場合は、無差別に抽出された人が選出母体になりますから、公募方式で見られるよう
な弊害は除去されることになります。参加者には一定の謝礼が支払われますが、一日、5000
円程度が「相場」のようです。

 「市民討議会」はこれまでにない新たな住民参加の方式です。今まで「サイレント・マジョリ
ティー」と言われてきた市民の声なき声を部分的であるにしろ、市政に取り入れる効果が期待で
きます。パブリック・コメント制度と同じように、市民の声を聞く「ツール」として私はこの制
度に大変興味を持っています。

  夜、新社会党東京都本部執行委員会。神戸(兵庫一区)から衆議院選挙に立候補する原和美副
委員長の支援などについて協議しました。

     社会新宿区議会議員団として「予算要望書」を提出。

 今日、社会新宿区議会議員団として中山区長に「2009年度新宿区の施策に対する予算要望
書」を提出しました。今年度から始まった区の実行計画に合わせた柱立てをしたために、昨年度
までの要望書の様式を全面的に作り変えました。約180項目の要望内容になっています。


● 11月3日(月曜日)●

      文化の日、早稲田祭、神宮球場などのあれあれ。

 文化の日です。恒例になっている勲章の受章者が、新聞にいっぱい出ていました。以前、私に
も「○○褒章」とかいう勲章受賞の話がありました。そんなことは考えて見たこともなかったの
で、本当にびっくりしました。
 この種の勲章は、居住する自治体からごく限られた数人を申請すると、前科歴でもない限り、
受賞が決まる仕組みになっているのだそうです。「山田さんが受賞すると言うことで申請してい
いか」という問い合わせでしたが、私は、勲章の受章というのは自分の信念にも反することなの
で、「申請はしないように。万一、受賞が決まったとしても絶対に受けないから」と強く辞退し
ました。担当者は「毎年毎年、今年こそ、欲しい、欲しいと言ってくる人がいっぱいいるのが実
態ですよ」「一度辞退するともう二度とは出来ませんからね。あとで後悔してもどうしようもな
いですよ」と随分念を押していましたが、私は、「欲しくない私の変わりに、是非、欲しい欲し
いと願っている人にその分をまわして下さい」と言ったことを思い出しています。数年も前のこ
とになります。

 ちょっと調べたいことがあったので、昼前に自転車に乗って早稲田大学に行ってきました。ち
ょうど大学は「早稲田祭」の最中で、あっちもこっちも人がいっぱいで大賑わいでした。
 用事はすぐに済んだので、午後2時前に家に帰ってきましたが、神宮球場で行われている早慶
第三戦が大歓声が聞こえてきました。今年の早慶戦は、1日の第一戦は早稲田、2日の第二戦は
慶応が勝って一勝一敗、3日の今日が決戦の第三戦です。すぐに何かをしなければならないと言
う特別な用事もなかったので、そのまま神宮球場に出かけました。
 試合は、4回を終えたところで早稲田が1点先行していましたが、後半、慶応に追いつかれて
しまいました。しかし、8回に1点勝ち越し、最終回にはダメ押しとも言える2点ホームランが
飛び出して見事に勝利しました。これで勝ち点をあげることが出来たので「完全優勝」です。
 今日の勝利投手は斉藤祐樹投手でした。今シーズンは名実ともに「早稲田のエース」として大
活躍し、今期6勝の勝ち星(通算では早くも18勝目)を挙げました。斉藤は最優秀投手に選ば
れたようです。
 球場では、偶然に知り合いと会ったので、揃って久しぶりに六大学野球の閉会式や最終の応援
セレモニーまで見てから帰りました。


● 11月1日(土曜日)●

       神宮球場で久しぶりに早慶戦を観戦しました。

 三連休の初日になりますが、今日は珍しく会議とか集会・イベントなどの予定はありません。
たまたま、秋の六大学の早慶戦の第一戦が行われるので、一時過ぎに一人で神宮球場に出かけま
した。
 早慶戦を観戦するのは実に久しぶりです。優勝がかかった試合です。早稲田が今日勝つと41
回目の優勝を果たすことになります。
 伝統の試合らしく私が球場についた時には既にバックネット裏も早稲田側の内野席もいっぱい
でした。仕方なく慶応側の内野席に入ることにしました。
 試合は接戦でした。早稲田は慶応の中沢投手に要所を締められましたが、それでも小刻みに得
点し、一方、エースの斉藤祐樹投手がよく力投し、8回からは速球の大石投手につないで最少得
点の一点に抑えきりました。3対1で勝利を挙げました。
 最近の東京六大学の闘いですが、早稲田は去年の秋まで四連覇を遂げた後、春は残念ながら明
治に優勝をさらわれました。しかし、この秋は見事に王座を奪還しました。
 明日の早慶戦で連勝すると完全優勝ということになります。

      驚き、あきれ、ぞっとする自衛官トップの認識

 今日の朝刊で実に驚くべきことが報道されていました。航空自衛官のトップの幕僚長が民間企
業が主催した懸賞論文で最優秀に選ばれたというのです。この幕僚長は、ことし4月の航空自衛
隊のイラクでの輸送活動を違憲だとした名古屋高裁の判決について「そんなの関係ねぇ」と茶化
したと言われる人物です。確信犯です。
 報道されたところによると、論文のポイントは次のようなことです。

 「わが国は、蒋介石によって日中戦争に引き込まれた被害者」
 「わが国は、極めて穏当な植民地統治をした」
 「日本はルーズベルトアメリカ大統領の仕掛けた罠にはまり、真珠湾攻撃を決行した」
 「わが国が侵略国家だったというのはまさに濡れ衣である」

 あの侵略戦争を美化するこんな考えの持ち主が、こともあろうに軍事組織のトップにいたとは、
驚くばかりです。ぞっとします。
 論文では、「あの戦争は、現地の人たちから評価されている面もある」というようなことも書
かれてあるそうです。このような趣旨のことを述べる人が時々います。大局を見ようとしない人、
見ることが出来ない人の言い分です。2000万人もの犠牲者を出したアジア諸国の人たちの感
情を思うと愕然とします。信じがたいことです。
 当然のことながら、更迭されるようですが、クビを切ればいいということではありません。全
く歴史認識に欠ける捻じ曲がった思想の持ち主がこの組織にいたという深刻な事態と、そもそも
こうしたことを可能にした組織としての制度や欠陥を徹底的に調べあげ、国民に報告する必要が
あります。
 任命者の責任も、当然のことながら問われなければなりません。政府の基本方針を全く無視し
た人物が堂々として軍隊組織のトップにいるなどということは、大原則である「文民統制」その
ものが全く否定されたことになります。政府の責任も極めて重大だと言わなければなりません。





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                (  9月以前の分は、この冒頭に記載してある該当の月をリンクしてご覧ください。)