「 私の考え ・ 私の主張 」
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   この欄の一番最後にかつての 「私のマニフェスト」 を掲載しています。
   現職時代に私が選挙公約にし、政治目標として掲げていたものです。ご覧下さい。

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                        (2015年3月1日 更新)

         

  
     安倍首相が今年8月15日に「戦後70周年談話」を発表するようです。いわゆる「村山
      談話」から後退する危険性が懸念されていますが、その内容によっては国際的な物議をかも
     し出すことになります。改めて日本の一つの指針とも言うべき「村山談話」を掲載します。



            「 戦後50周年の終戦記念日にあたって 」

              1995年(平成7年)8月15日

  先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によ
 って犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、万感胸に迫るものがあります。
  敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてま
 いりました。このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知と
 たゆみない努力に、私は心から敬意の念を表わすものであります。ここに至るまで、米国をはじ
 め、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、あらためて深甚な謝意を表明いたします。
 また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上
 げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。
  平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちに
 なります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代
 に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域
 ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも、これらの諸国との間に深い
 理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづ
 き、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、各国との
 交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。
 また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層
 強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。
  いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教
 訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
  わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、
 植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛
 を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を
 謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いた
 します。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
   敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを
 排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義
 とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏ま
 えて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進し
 ていくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の
 御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております。
  「杖るは信に如くは莫し」と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とする
 ことを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。


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     戦争への道を掃き清める
      特定秘密保護法の廃止に向けて闘い続けよう 

          2014年12月10日  新社会党中央本部

  特定秘密保護法が本日施行された。この法律は2013年12月6日、制定反対の多くの国民の声を
 無視して強行採決され、戦争ができる日本への道を掃き清めるための悪法である。

  同法の危険性や問題点はこれまで多面的に指摘されてきた。これに対し、安倍政権は同法の運
 用基準の策定や監視機関の設置などで問題を糊塗したが、同法の危険性と問題点は変わっていな
 い。
  第一に、同法は憲法12条で保障された「表現の自由」とともに「知る権利」を根底から破壊し、
 国民主権の憲法原則を否定するものである。
  第二に、同法は政府の行政機能の情報独走と秘匿を許し、立法府である国会の機能を著しく損
 ない、空洞化させるものである。
   第三に、同法は集団的自衛権行使とそれに関わる各種法律と閣議決定と不離一体のもとしてあ
 り、軍事立法の性格を有するものである。
  第四に、同法は最高懲役10年という重罰を科したうえ、プライバシーの侵害が無限に広がり、
 監視と抑圧の日本社会をつくり出すものである。

  安倍内閣は「戦後レジームからの脱却」「日本を取り戻す」というスローガンを掲げ、かつて
 日本がたどってきた戦争への道を再び踏み込み始めた。特定秘密保護法は安全保障会議設置法や、
 集団的自衛権行使容認の閣議決定など、この間の戦争立法と密接不可分の法律である。
  また、安倍内閣は今次総選挙で安定多数を獲得し、向こう4年間で集団的自衛権行使の容認か
 ら改憲に向けた企てを実現しようとしている。

  新社会党は、特定秘密保護法の廃止と集団的自衛権行使のための関連法の整備を阻止するため、
 さらに闘い続けるものである。
                                      以 上


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   声明 集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を許さず、
         改憲阻止のたたかいを続けよう

           2014年7月2日  新社会党中央本部

 1、2014年7月1日、安倍内閣は憲法9条を事実上破壊し、集団的自衛権行使を可能とする「安全
 保障法制の整備」に関する閣議決定をした。この基本方針を踏まえた「必要な国内法制を速やか
 に整備すること」を表明し、いよいよ「戦争ができる国」へと日本を180度転換する暴挙に踏
 み出した。またこの閣議決定は僅か一か月半の短期間で、しかも自公両党の協議のみ、国会審議
 も民意を問うこともなく19名の閣僚による閣議決定であり、これはまさしく改憲クーデターと呼
 ぶに等しいものであり、断じて認めることはできない。

 2、閣議決定された集団的自衛権行使容認の全文は大要3つに区分されている。第一に「グレー
 ゾーン」といわれる事態での警察活動を恣意的に拡大し、米軍との共同軍事作戦が可能とした。
 第二に「国際貢献活動」では、これまでの「後方地域・非戦闘地域」から大きく踏み出し、従来
 の「戦闘地域」に自衛隊の派兵が可能とするものである。第三に「切れ目ない事態」では、「非
 戦・非武装」を謳った憲法9条は、集団的自衛権を否定していないと独断と偏向による解釈改憲
 を公然と明記。従来の自衛措置に関する政府見解を変更し、新たな「武力行使の三要件」を規定
 した。これは、時の権力者の恣意的な拡大解釈が可能とされ「歯止め」も「限定」も無きに等し
 いものだ。自ら作り出した中国をはじめとした近隣諸国との緊張関係を「安全保障環境の変化」
 の文言でちりばめ、米軍や多国籍軍への参加を「国際貢献」と「積極的平和主義」で糊塗したも
 のだ。まさに日本が憲法前文・9条をかなぐり捨て「戦争ができる日本」を宣言した。

 3、翻れば、こうした安倍首相のクーデター的暴走は、着々と準備されてきた。第一次安倍政権
 (2006年9月~2007年8月)では「教育基本法」の改悪と改憲手続きを定める「国民投票法」の強
 行制定。また防衛庁を防衛省へと昇格させた。今次安倍政権では2013年11月の「国家安全保障会
 議設置法」から始まり、12月には「特定秘密保護法」の制定。そして「国家安全保障戦略」、
 「新防衛大綱」、「中期防衛力整備計画」を閣議決定してきた。加えて4月には「武器輸出三原
 則」の撤廃と解禁を閣議決定。こうして集団的自衛権行使と解釈改憲に通じる数々の悪法を制定
 し、今回の閣議決定に至った。そして安倍首相は「国家安全保障会議」と「秘密保護法」による
 情報の国家主義的管理、また「閣議決定」という少数の権力者で独裁的に国の命運を決める手法
 を乱発し、立法府を軽視し、違憲立法の乱発を準備している。安倍政権の掲げる「戦後レジーム
 からの脱却」とは、「自存・自衛」と称したアジア・太平洋戦争の教訓と歴史の忘却であり、そ
 れから生まれた日本国憲法の否定と改憲による国家主義的日本改造に他ならない。

 4、安倍首相は集団的自衛権行使による武力で平和がつくられるという。憲法9条で禁止されて
 いる「武力による威嚇」を「抑止力」と置き換える。だが、集団的自衛権行使は海外で自衛隊員
 が「殺し殺される」だけではなく、国内外の日本人や施設が武力攻撃の対象となる。特定の国家
 のみでなく「非対象国家」と言われる武装勢力からの「テロ」「ゲリラ」攻撃に原発列島が日常
 的にさらされるが、安倍首相はこのことに一切触れない。我々は「武力で平和は護れない」と一
 貫して訴えてきた。歴史から、また、イラク、アフガニスタンをはじめ世界の現実がそれを証明
 している。それ故に解釈改憲も明文改憲にも反対する。他方、改憲手続きの国民投票法による明
 文改憲を求める声があるが、我々はこれにも与しない。今次国会で国民投票法の一部が改定され
 た。だが、あまりにも短い国民投票運動の期間、財界や金持ちに有利な広報活動、最低限投票率
 の未規定などは変わらず、それ自体は保守・財界など改憲勢力に有利な法律に変わりはない。国
 民投票法は廃止すべきものと考える。今、必要なのは日本国憲法を生活の隅々に生かすことであ
 る。

 5、今回の「閣議決定」に対する反対運動は護憲・改憲の垣根をこえ、広範に広がった。首相官
 邸を取り巻く抗議行動はもちろん、全国各地で老いも若きも声をあげた。次のたたかいが迫って
 いる。集団的自衛権行使に伴う多くの関連法案が秋の臨時国会での提案をはじめ、長期のたたか
 いとなる。また、共謀罪など新たな提案も予測される。そのためには、国会内外での共闘と大衆
 運動、労働運動による安倍政権打倒のたたかいを推し進めよう。また、「戦争をさせない1000人
 委員会」をはじめ、改憲反対の共同闘争を更に広く厚く全国で組織しよう。
                                      以 上


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   「ヘイトスピーチ」で有罪判決。
    当然の判決。適切な法規制は不可欠。

  京都の朝鮮学校周辺で「ヘイトスピーチ」と呼ばれる差別的な発言が繰り返されたために、教
 育を妨害されたとして、街宣活動を行った団体などに賠償などを求めた裁判で、京都地方裁判所
 は「違法な人種差別だ」と指摘し、1200万円余りの賠償と学校周辺での街宣活動の禁止など
 を命じました。新宿区内でも、韓国関係の店舗などが集中する新大久保や大久保周辺で繰り返さ
 れ、社会問題になっている「現象」です。

  昨日の判決で橋詰均裁判長は「街宣活動と映像の公開で、子どもたちや教職員は恐怖を感じ平
 穏な授業を妨害されたほか、名誉を毀損された」「街頭宣伝を行っていた団体側は、正当な意見
 の表明というが、著しく侮蔑的で差別的な発言を伴うもので、人種差別撤廃条約で禁止された人
 種差別にあたり違法だ」と指摘し、団体などに1200万円余りの賠償と学校から半径200メ
 ートル以内での街宣活動の禁止などを命じました。当然のないようだと思います。
  いわゆる「ヘイトスピーチ」を巡って、賠償や街宣活動の禁止を命じる判決が出たのは全国で
 初めてです。

  これに対して、団体側の徳永信一弁護士は「民族差別を理由に、表現の自由や言論の自由が封
 じられてしまうのは本末転倒だ」と述べています。被告を擁護する弁護士の立場では当然の発言
 かもしれませんが、本質に目をつむるピンとはずれのコメントです。

  この判決は、当然の内容であり、国際的にも恥ずべき「ヘイトスピーチ行動」の大きな抑制効
 果になるものと思います。表現の自由が最大限尊重されるべきものであることは言うまでもあり
 ませんが、ヘイトスピーチのような相手の人権を完全に否定するような極めて差別的な言動は、
 本来の表現の自由とは、似て非なるものです。

  ただ、こうした差別的な発言であっても、法律で規制することや運用に当たっては、勿論、慎
 重でなければなりません。時の権力者が便宜的に運用し、法規制が悪用されることのないように
 充分に監視することが不可欠です。
                        (2013年10月15日)


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       「96条の会」結成呼びかけ文

  憲法改正手続きを定めた憲法96条の改正がこの夏の参議院選挙の争点に据えられようとして
 います。これまでは両院で総議員のそれぞれ3分の2の多数がなければ憲法改正を発議できなか
 ったのに対し、これを過半数で足りるようにしようというのです。
  自民党を中心としたこうした動きが、「国民の厳粛な信託」による国政を「人類普遍の原理」
 として掲げる前文、平和主義を定めた9条、そして個人の尊重を定めて人権の根拠を示した13
 条など、憲法の基本原理にかかわる変更を容易にしようと進められていることは明らかです。

  その中でもとりわけ、96条を守れるかどうかは、単なる手続きについての技術的な問題では
 なく、権力を制限する憲法という、立憲主義そのものにかかわる重大な問題です。
  安倍首相らは、改憲の要件をゆるめることで頻繁に国民投票にかけられるようになり、国民の
 力を強める改革なのだとも言っていますが、これはごまかしです。今までよりも少ない人数で憲
 法に手をつけられるようにするというのは、政治家の権力を不当に強めるだけです。
  そもそも違憲判決の出ている選挙で選ばれた現在の議員に、憲法改正を語る資格があるでしょ
 うか。96条は、「正当に選挙された国会」(前文)で3分の2の合意が形成されるまでに熟慮
 と討議を重ね、それでもなお残るであろう少数意見をも含めて十分な判断材料を有権者に提供す
 る役割を、国会議員に課しています。国会がその職責を全うし、主権者である国民自身が「現在
 及び将来の国民」(97条)に対する責任を果すべく自らをいましめつつ慎重な決断をすること
 を、96条は求めているのです。
  その96条が設けている憲法改正権への制限を96条自身を使ってゆるめることは、憲法の存
 在理由そのものに挑戦することを意味しています。

  私たちは、今回の96条改正論は、先の衆議院議員選挙でたまたま多数を得た勢力が暴走し、
 憲法の存在理由を無視して国民が持つ憲法改正権のあるべき行使を妨げようとする動きであると
 考え、これに反対する運動を呼びかけます。来る参議院選挙に向けて、96条改正に反対する声
 に加わってくださるよう、広く訴えます。

            2013年5月23日「96条の会」発起人

    樋口陽一(憲法学者・96条の会代表)青井未帆(学習院大学教授/憲法学)阿久戸光晴(聖学院大学
     学長/憲法学)新崎盛暉(沖縄大学名誉教授・元学長/沖縄近現代史・社会学)蟻川恒正(日本大学教
     授/憲法学)石川健治(東京大学教授/憲法学)石村善治(福岡大学名誉教授・元副学長、長崎県立大
     学名誉教授・元学長/憲法学)伊藤真(弁護士・日弁連憲法委員会副委員長)稲正樹(国際基督教大学
     教授/憲法学)上野千鶴子(東京大学名誉教授/社会学)浦田賢治(早稲田大学名誉教授/憲法学)岡
     野八代(同志社大学教授/西洋政治思想史・現代政治理論)奥平康弘(憲法研究者)桂敬一(ジャーナ
     リズム研究者)姜尚中(聖学院大学教授/政治学)木村草太(首都大学東京准教授/憲法学)小林節(
     慶應義塾大学教授/憲法学)小森陽一(東京大学教授/日本近代文学)齋藤純一(早稲田大学教授/政
     治理論・政治思想史)阪口正二郎(一橋大学教授/憲法学)坂本義和(東京大学名誉教授/国際政治学
     ・平和研究)杉田敦(法政大学教授/政治理論)高橋哲哉(東京大学教授/哲学)田島泰彦(上智大学
     教授/憲法・メディア法)千葉眞(国際基督教大学教授/西欧政治思想史・政治理論)辻村みよ子(明
     治大学教授/ジェンダー法学・憲法学・比較憲法学)中野晃一(上智大学教授/比較政治学・日本政治
     ・政治思想)西谷修(東京外国語大学教授/フランス文学・思想)長谷部恭男(東京大学教授/憲法学)
     林香里(東京大学教授/社会情報学・ジャーナリズム・マスメディア研究)三浦まり(上智大学教授/
     現代日本政治・比較福祉国家研究)水島朝穂(早稲田大学教授/憲法学)山口二郎(北海道大学教授/
     行政学・政治学)山内敏弘(一橋大学名誉教授/憲法学)和田守(大東文化大学名誉教授・元学長/日
     本政治思想史)渡辺治(一橋大学名誉教授/憲法学・政治学)

                       以上36名(2013年5月22日現在)


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   日本維新の会の橋下徹共同代表は即刻辞職せよ。

               新社会党中央執行委員会

   数々の暴言とファッショ的政治手法を繰り返す日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が
 再び旧日本軍「慰安婦」問題で暴言を吐いた。

   5月13日に「慰安婦制度というものが必要なのは誰でもわかる」とし、さらに1日に訪問し
 た沖縄県の米海兵隊司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と発言。この発言が社会的に問
 題化するなか、同党の石原慎太郎共同代表は14日に「軍と売春はつきもので、歴史の原理みた
 いなものだ。昔からあったのは歴史的事実」とし、橋下徹氏の発言を擁護した。

   橋下徹氏はかって、「『慰安婦』の強制連行はない」、「河野談話は最悪。見直すべき」と発
 言し、今回の発言は単なる暴言ではないことは明らかである。日本の一部にある歪んだ歴史認識
 と女性に対する人権感覚の喪失を物語っている。問題はこのような人物が大阪市長や公党の代表
 でいること自体が異常であり、即刻辞職すべきである。しかしこのことは橋下氏や石原氏だけの
 問題ではない。日本政府は国連人権理事会が「慰安婦問題」で08年と12年に2度も「法的責
 任と被害者への補償」を求めたが、未だこの勧告を受け入れようとしなかった。93年の「河野
 談話」や95 年の「村山談話」を踏まえて、民間のアジア女性基金での「国民募金」による「 
 償い金」を出しただけである。日本は「慰安婦問題」を正式に国家的犯罪行為とみなさず、国に
 よる補償を放置したままであり、橋下発言はこうした政府の姿勢と軌を一にしている。

  また、橋下発言と前後し、自民党高市早苗政調会長はNHKテレビで、「村山談話」の内容や
 「侵略戦争」の定義に疑問を挟み、先の侵略戦争の見直しに通じる発言をした。このように「慰
 安婦」問題や「南京虐殺」「東京裁判」をはじめ、アジア・太平洋戦争に伴う歴史認識の修正と
 侵略・植民地化の事実の隠蔽の動きを強めている。

   安倍首相をはじめ、時の権力中枢やその周辺のこうした類の発言の数々は近隣諸国の警戒感を
 増幅させ、不必要な対立と日本国内の排外主義的運動を助長している。改めて日本の戦後処理問
 題や靖国問題を含めて日本政府は真摯に向き合うべきである。

  新社会党は橋下徹氏の一連の差別と偏見に満ちた発言や政策はもとより、安倍内閣の閣僚の靖
 国参拝やアジア・太平洋戦争に対する歴史の改ざんを許さない。
   また、憲法96条の改悪を通じた、自民党の「日本国憲法改正草案」を具体化させないため、
 心ある人々とともに奮闘する。

                          2013年5月14日


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     「集団的自衛権の行使」は「戦争」です。
  安倍内閣は憲法の不当な解釈変更をやめ、9条を守れ!

                 共 同 声 明

  昨年末の衆院選の結果、再登場した安倍内閣は、リベンジとばかりに「集団的自衛権の行使」
 と「憲法の改悪」をめざし、ひたすら準備を強めています。
  しかし自民党が多数議席を獲得したとはいえ、民意が憲法第9条をはじめとする改憲を支持し
 たのではないことは多くのデータも示すところです。まして、昨年4月に発表された自民党改憲
 草案のいう「元首天皇を戴き、国防軍で『自衛戦争』をする国」には大多数の人びとが不安を示
 しています。安倍内閣は、改憲の要件を定めた憲法第96条をまず変更して改憲を容易にしたう
 えで、第9条などをはじめとする平和、人権、国民主権の憲法3原則の破壊に向かおうとしてい
 ます。
  私たちはこのような憲法改悪を断じて容認できません。しかも安倍内閣は、そうした明文改憲
 さえも待たないで、領土問題など東アジアの緊張からくる偏狭なナショナリズムを煽りたて、歴
 代政府が繰り返し確認してきた憲法解釈を変えて、集団的自衛権が行使できるように企てていま
 す。それをお手盛りの諮問機関による「答申」で飾り立て、国家安全保障基本法なるものを制定
 することで、合法化を謀っています。

  しかし、安倍内閣がめざす集団的自衛権の行使とは、米国の世界戦略の要求に従い、米国と共
 に海外で戦争をすることであり、たとえ「基本法」などでごまかしても、憲法第9条の許容する
 ところではありえないのは明白です。「集団的自衛権」を行使することは、第9条に真っ向から
 反して「戦争をする」ことに他なりません。
  私たちは、このような横暴な憲法解釈による憲法破壊を許しません。

  以上の立場から、私たちは連名をもって、安倍内閣に日本国憲法第99条が厳粛に規定する憲
 法尊重擁護義務に従い、不当な憲法の解釈変更や拡大解釈、憲法改悪への動きを中止するよう要
 求します。
                2013年2月17日

       第16回 許すな!憲法改悪・市民運動全国交流集会実行委員会


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   反捕鯨対策や国立競技場補修も災害対策なのか。

  東日本大震災の復興予算の信じがたいような「使い道」が問題になっています。
  先日、NHKが復興予算19兆円の使途について、その実態を放映し、その後もテレビ・新聞
 で取り上げられて、その後も民放で放映されていました。大震災直後の昨年5月から11月にか
 けて計上された予算です。 すなわち、1次補正4.0兆円、2次補正1.9兆円、3次補正9.2
 兆円、今年度予算3.8兆円、合計約19兆円の予算の使い道のことです。

  この19兆円のうち 10.5兆円は、私たちの所得税・住民税・法人税などの増税でまかなわ
 れることになっています。 特に、所得税は一律2.1%上乗せされて、来年から25年間徴収さ
 れることになっています。多くの国民は、被災地の復興のためなら痛みを共有するのは止むを得
 ないとして納得したのだと思います。実際は全く違います。

  復興予算の使途を検証したNHKの番組は、大変ショッキングな内容でした。
  最も金額の大きい3次補正9.2兆円の使途をみてみると、次のような事業を含んでいます。

  通済産業省の1兆8796億円のうち、岐阜県関市の国内最大手コンタクトレンズメーカーの
 工場にこの補助金が出されています。被災地における将来の雇用拡大の可能性につながるという
 のがその理由です。また、立地補助金の認可総件数510件。そのうち被災3県(岩手、宮城、
 福島)の事業に認可された件数は、たったの30件であり、全体の1割にもなりません。これが
 何で“被災地復興最優先”なのか訳が分かりません。

  以下、いくつかの具体的な事例を挙げると次のようになります。

 ●電気自動車の燃料電池の素材開発のための補助金として、経産省所管の独立行政法人に交付す
 る「低炭素社会を実現する革新的融合」に15億9800万円。いかにも官僚どもの天下り先確
 保そのものの施策です。

 ●刑務所での職業訓練の拡大を図る「被災地域における再犯防止施策の充実・強化」に2800
 万円。理由は、がれき撤去など将来復興作業を担える人材を育成することが目的です。何とも遠
 大な人材育成対策です。

 ●「国立競技場の補修費」に3億3000万円。利用者の安全確保が目的。震災後の「減災」の
 考え方に合致するというものです。全くバカらしい理由です。

 ●「反捕鯨対策など」に22億8400万円。南極での調査捕鯨を安全に行うことが、ひいては
 被災地の水産業の復興支援につながるというこれまた常識では考えがたいバカらしい理由。

 ●「沖縄本島最北端国頭村の海岸沿い国道の防波堤や斜面の補強」に5億円。沖縄の道路工事と
 東北の復興がどう結びつくのか全く不明。

 ●外務省の「アジア太平洋地域の青少年交流」に72億4700万円。海外の若者を旅費・食費
 全額負担で年間1万人招待する計画。過去5年間行われて既に終了した「21世紀東アジア青少
 年大交流計画」の事業を、復興予算の名をを借りて3週間程度の行うが、たった2日間だけ被災
 地を訪れることにより再開させたもの。要するに復活させることが目的で理由なんかどうでもい
 い、どうせ国民にはわかりゃしない、ということです。

  こんなことがまかり通っているのです。ゴルフで遊びまくり、料亭で豪遊しても「復興対策を
 協議した」と何とか言ってどこかに災害とか復興の言葉でも入れれば、何でも済んでしまう感じ
 です。これが、国民に長期間の増税を強い、呻吟する災害地の復興を後回しにして政府(官僚)
 が行う「高邁な復興対策」です。
  まさに詐欺師的な知恵です。こんなことまでして官僚は自分の地位と権益を守るのです。その
 「詐欺師集団」に振り回されて、ヘイヘイと従っているのが民主党政治(自民党が政権に帰り咲
 いても本質は全く同じ)の実態です。情けなくなります。
  ( 2012年10月1日・記入 )

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    説得すべきは沖縄ではなく、アメリカだろう!

  9月9日、沖縄で「オスプレイ配備反対県民大会」が開かれました。10万人もの県民が参加
 したということです。これと呼応して、東京でも11時から国会周辺で「沖縄と同時アクション
 ・国会包囲行動」が行われ、主催者発表で1万人が参加して国会を「人間の鎖」で包囲し、配備
 反対の気勢を上げ、盛り上がりました。

  オスプレイは、開発段階から、世界各地で墜落事故を起こし問題になっていますが、この危険
 極まりない最新鋭機が、人家が密集している沖縄の普天間基地に配備されることになっているの
 です。政府は、「アメリカが安全だと言っている」「事故の原因は人的なミスで、機体には問題
 がない」などど米軍のスポークスマンーのようなことを吹聴し、配備に躍起になっています。

  つい最近の事ですが、アメリカ海兵隊によると南部にあるノースカロライナ州のニューリバー
 基地に所属するオスプレイが、6日、オイル漏れ起こした疑いで警告灯が複数点滅したために、
 民家の近くの広場に緊急着陸したということです。この一件についても、防衛大臣は、「これは
 事故ではなく、事故を防止するための措置なので問題がない」と記者に語っています。沖縄県民
 を愚弄し、陳腐な言葉で国民をだまそうとする態度にはあきれ返ります。

  政府はこれまで、オスプレイ関連の事故は機体そのものの問題ではなく、人為的ミスと強弁し
 ています。オイル漏れも人為的ミスだといい逃れる気のようです。こんなバカらしいことを言っ
 ているあの森本防衛大臣先生は、ドンホーテそのものです。

  そもそも、人為的なミスが度々起こるような飛行機そのものが問題であるにも関わらず、それ
 を故意に隠そうとしているのです。また、野田首相は、配備は最終的には米軍が決めることだな
 どと述べて、主権国家を放棄したかのようなことまで言っていますが、首相といい、防衛長官と
 いい、競いあって喜劇役者を演じているようなものです。

  先日、森本大臣先生はこの飛行機に乗って、「乗り心地が良かった」などというとぼけたコメ
 ントを発し、反発を招きましたが、乗り心地がよければ安全だと言わんばかりです。「乗り心地
 がいいので、沖縄の皆さん、我慢してください」ということでしょうか。

  防衛大臣は、また近いうちに沖縄や一時的に配備されている山口を訪問し、「オスプレイは安
 全である」として、現地の自治体や住民を説得するのだそうです。しかし、やること、やるべき
 ことが逆じゃないのか、です。説得すべきは沖縄の自治体や住民ではなく、アメリカだろうとい
 うことです。なぜ、アメリカに行って、「オスプレイの配備には反対だ。やめてくれ」といえな
 いのか。この大臣は米軍の下請け業務を請け負っているお人好しおっさんなのか、です。

  とにかく、日本全土の0.6%の広さしかない沖縄県に、米軍基地が74%も集中している現
 状は、仮に日米安保を前提にしても全く異常な姿です。その上に、民家や学校が隣接して世界一
 危険だといわれている普天間基地に、危険な飛行機のサンプルのようなオスプレイが配備される
 ことは、絶対に許せないことです。何としても阻止しなければなりません。

                              ( 2012年9月18日・記入 )

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   「大阪維新の会」が政策発表、厳密な取捨選択を。
   
  「大阪維新の会」の鼻息が荒いみたいです。すぐに目新しい話題に飛びつくテレビ局は、大阪
 維新の会を毎日、朝夕のテレビに登場させてます。

  既存の民主・自民への不信感は「極まれり」の感じですので、かつての小泉政治のように、目
 新しいところに関心が集まるのは世の常ですが、しかし、だからといって何でもいいということ
 にはなりません。

  一時、調子が良くもてはやされ、そのために、思想性がないばかりか政治的にも全く未熟な人
 たちが餌に飛びつくような状態で食いついた「みんなの党」も、これまでの他の政党が辿ったの
 と同じように今や賞味期限切れになり、新物食いのテレビ界の視野からも消えつつあります。確
 固とした理念がなかったからです。いったん困難な局面に置かれた場合、思想性がないと、問題
 を是正するのではなく、安易に他の道に逃げ込むというパータンです。栄枯盛衰といいますが、
 理念が欠落した政党は、大体このような運命を辿ります。

  政党政治の土台は、いうまでもなく「政策」とその「実現」です。当たり前ですが、政党が掲
 げる政策は、民主党のようにただ作ればいいということではなく、政策に対して最後まで責任を
 持つことが大前提です。公約が実現できなかったならは、次の選挙で国民の厳しい審判を受けれ
 ばいいのです。

  前回の選挙では、「目新しい政治勢力」として大勝利をおさめた民主党は、驚く程の速さで政
 策を放棄し、バケの皮がはがれて、無残にも変身しました。
  今や国民との約束を反故にし、そのことに何の矛盾を感じないまま、全く別の皮をかぶって迷
 走している状態です。「どじょう」ではなく、変幻自在の「カメレオン」の感じです。しかし、
 こうした全く恥べき変節を、口先だけで正当化する「能力」だけは持ち合わせているようです。
 道理に反したことを正当化する野田首相のような「政治家」というのは、最早人間離れした「能
 力」の持ち主のような気が私にはしています。

  ところで橋下市長の「大阪維新の会」は、31日、次期衆院選に向けた政権公約集の「維新八
 策」なるものを最終案としてまとめました。

  主要な政策は、衆院定数(480人)の半減、政党交付金や歳費の3割削減、首相公選制の導
 入、太平洋パートナーシップ(TPP)協定への参加、参院廃止、道州制の導入、生活保護の受
 給抑制、消費税の地方税化、脱原発依存(具体的な数値や達成年度は言及なし)などです。

  これらの政策の中には、賛成できるものもないわけではありません。ただ、この団体の思想的
 基盤は、ここには直接触れていませんが「憲法改悪」です。これこそが「大阪維新の会」が持つ
 本質的な基盤であり、拠って立つ考えなのです。だからこそ、憲法改悪・教育基本法の一層の改
 悪を目論み、執念を燃やしている右翼の安倍元総理大臣に連携を呼びかけているのです。

  自民・民主両党がどうしようもないのは、実によく分かります。しかし、だからといって「憲
 法改正」を党是とする橋下政党がいいということにはなりません。歳費や議員数の削減は、有権
 者の喝采を得やすく、選挙になると、政策に未熟な者ほどこうしたことを言います。歳費や議員
 数は「適正」でなければなりませんが、むやみに削減しても、政治はよくならないどころかかえ
 って劣化する危険性があります。惑わされないことが大事です。大向こうに受けのいいことを言
 っている「大阪維新の会」は、政策的に考えると、自民党の右翼グループと同じかそれ以上に偏
 っています。民主政治の本質を否定し、「国民主権」の考えに真っ向から反する政治姿勢です。
 とても民主的な政治に馴染む勢力ではありません。

  日本の民主主義は、私たちが思うほどは成熟していませんし、その水準も決して高いわけでは
 ありません。国民の中には、依然として無批判に迎合する人もいます。実にいい加減です。だか
 らこそ懸念されることですが、安易に「橋下エセ改革」等には飛びつかないようにしなければな
 らないということです。軽率な付和雷同は、確実に自分の首を締めることに繋がります。「大阪
 維新の会」の政策や思想は、成熟した民主主義社会に馴染むものでないことは、誰でも、ちょっ
 と考えれば分かることです。
  ( 2012年9月4日・記入 )


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    生活保護適用問題、東京高裁で新宿区が敗訴。
   
  7月18日、東京高裁は、東京都新宿区内のホームレスの男性が、生活保護申請却下処分の取
 り消しを求めて訴えていた行政訴訟で、男性の請求を認容した一審判決を支持し、新宿区の控訴
 を棄却しました。区の完全な敗北です。高裁の主張は私もよく理解でき、共鳴できます。
  新宿区はこの判決を受けてどうするのか注目されていますが、先ほど区の担当者に今後の対応
 を問い合わせたところ、現在、関係者間で慎重に協議中ということで、まだ、結論は出ていない
 そうです。ただ、なるべく早く区としての態度を決めたいという話でした。
 
  この件について日本弁護士連合会会長が談話を発表していますのでを紹介します。
 
       新宿区ホームレス生活保護裁判東京高裁判決に対する会長談話
              日本弁護士連合会会長 山岸憲司
 
  昨日、東京高等裁判所は、東京都新宿区内でホームレス状態にあった男性が、生活保護申請却
 下処分の取り消し、生活保護開始決定の義務付け、生活保護費の支給を求めて提訴した行政訴訟
 について、男性の請求を認容した一審判決(東京地裁平成23年11月8日判決)を維持し、新
 宿区の控訴を棄却した。
  男性は、2008年6月、当時57歳でホームレス状態にあったが、アパート等の住居を確保
 した上で就職活動をしたいと考え生活保護を申請した。しかし、新宿区福祉事務所長は、男性に
 対し、ホームレス自立支援法に基づく自立支援システムによる緊急一時保護センターの利用を求
 め、男性がこれを断ったところ、生活保護法4条1項の「稼働能力不活用」を理由として、3度
 にわたり生活保護申請を却下したものである。
  本件では、申請当時、ホームレス状態にあった男性が、前記の「稼働能力活用要件」を充足す
 るかが争点となった。一審判決は、男性の主張をほぼ全面的に認め、生活保護法4条1項につい
 ては、「法は不可能を強いることができない」という法格言を踏まえ、当時ホームレス状態にあ
 った男性は、その利用し得る能力を、その最低限度の生活の維持のために活用していたものであ
 って、稼働能力活用要件を充足していると認めた。そして、この度の控訴審判決も一審判決の判
 断を維持し、新宿区福祉事務所長が行った生活保護申請の却下処分は、生活保護法4条1項の解
 釈、適用を誤った違法な処分であると断じた。
  本判決は、現在の雇用をめぐる情勢や男性の年齢、経歴、置かれた状況に照らしてみても至極
 妥当なものであって、憲法及び生活保護法の本来の理念に照らして正当であり、近時、稼働能力
 活用要件の恣意的適用によって貧困状態にある人々を生活保護制度から不当に排除している一部
 の生活保護行政に警鐘を鳴らす重要な社会的意義を有する。
  当連合会は、本判決を積極的に評価し、新宿区に対し、本判決を真摯に受け止め、憲法及び生
 活保護法に則った適切な生活保護行政を行うことを求めるとともに、全国の生活保護実施機関に
 対して、ホームレス状態にある人々を差別することなく生活保護制度を適切に運用するよう求め
 るものである。
                          2012年7月19日


 (尚、この事件について新宿区は控訴を断念しています。当然の選択だと思います。)


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   亡国の大飯原発再稼働を撤回せよ

 1、野田首相は6月16日、停止中の関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を宣言した。
 この決定は福島原発被災者はもとより、地球に生きるあらゆる生命体への重大な挑戦であり裏切
 りである。野田首相は「責任を持つ」と言うが、重大事故に対して首相みずからの命で償いきれ
 るものではない。償っても責任がとれるものではない。今からでも遅くはない、大飯原発をはじ
 め全原発50基の再稼働中止・廃炉宣言をこそすべきである。
 
 2、野田首相は「大飯原発の安全性が確保された」と胸を張った。だが、福島第一原発事故の危
 機的状況は回避したとは言えず、嘘と詭弁の安全宣言でしかない。大飯原発直下の活断層の評価
 も定まっていないなか、政府の暫定安全基準はわずか2日間で作成され、防潮提の建設は1年後、
 免震重要棟やベント管、フィルターの設置は今から3年後というお粗末な工程表を容認した。ま
 た、ストレステスト(耐性試験)のデータは改ざんされるなど耳を塞ぎたくなるような判断だ。
 ましてや「国会事故調」による事故の原因究明や「原子力規制庁」発足と、新安全基準の策定を
 みないままのなし崩し的再稼働である。まさに異常事態である。さらに、大飯原発再稼働は夏期
 限定とする関西広域連合の「条件」すら無視した。
 
 3、関西電力の電力量構成比(2011年)の43%を原発が占めている。そして2020年には原
 発50%、火力発電は46%から39%に、水力や新エネルギー開発は付け足しという計画を発
 表している。このように関電は原発最優先政策の先頭を走り、原発立地自治体には潤沢な金をば
 ら撒き、地元企業や地元住民に原発依存の構造をつくり出してきた。おおい町をはじめ福井県民
 を原発再稼働は痛し痒しとする状態に追い込み、再稼働同意の「世論」をつくり出した。周辺自
 治体には原発がないと夏期の電力消費の15%が不足をするというデマを流してきた。
 
 4、政府は大飯原発再稼働を撤回し、全原発の廃炉を前提とした、新たなエネルギー政策を立案
 すべきである。当面は化石燃料中心の電力の確保に全力を挙げるべきである。
 完全な透明性と独立性を担保した「原子力規制庁」の下で、全原発廃炉の作業に着手すべきであ
 る。また、核燃料サイクル計画は断念し、不必要な予算は全額削減すべきである。原発立地自治
 体の概念を広げ、広く関係自治体に原発に関する公聴会や意見を求め、原発問題に当たるべきで
 ある。同時に、原発立地自治体に対しては原発に代わる新たな雇用と産業政策を政府の責任で推
 進すべきである。
                2012年6月16日
                新社会党中央執行委員会

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 生活保護の受給問題で社会的な関心高まる。
  「親の面倒を見るのは当たり前」か?


  朝からテレビ番組でお笑いコンビ・次長課長の河本準一さんが新宿の吉本興業本社(旧新宿四
 谷第五小学校)で行った母親の生活保護費受給問題についての記者会見の模様を報じています。

  報道によると、会見で河本さんは、母親の受給を認めて一部を返還する意向を示し、「今にな
 るとむちゃくちゃ甘い考えだったのではないかと深く反省しております」と謝罪しています。社
 会的な評価からすると必ずしも正当ではなかった母親の受給を認め、さかのぼって返却するとい
 うことですから、これで一件落着です。しかし、どうも他のタレントを含めて続きがあるようで
 すので、暫くこの騒ぎは続きそうです。
 
  確かに彼の考えには甘いところがあります。例えば「収入が安定していなかったから、そのま
 ま生保を受給していた」という発言がありました。「収入が不安定」というならば、私たちの周
 りの派遣労働者・パート労働者など、働く人の三分の一程度は「不安定な収入」の人たちです。
 しかし、こうした人たちの多くに受給資格がないのは周知のことです。
  受給の是非のポイントは、その時点で収入も貯えもないのかどうかです。収入が安定している
 か不安定かは、受給の是非を決定付ける問題ではありません。不安定でも収入があれば受給資格
 はありません。
 
  今度の騒ぎを見て心配に思うことがあります。それは次のような考えがあるからです。
 
  「私は著名人が親の扶養義務を果たさずに生活保護を受給させることで『あの人もやってるか
 ら』と安易な受給が進むことを懸念し、問題を指摘してきた。彼の返納表明で『生活保護の前に
 まずは家族による扶養』という常識が浸透することを期待します」という指摘です。
 
  これは時々テレビにも出ている自民党の議員がブログに書いている一文です。
 この議員の指摘は全く間違いとはいえませんが、誤解される危険性が十分にあります。それは
 親の扶養義務のことです。この議員は、子どもは親の面倒を見るのは常識であり、当然だという
 考えのようですが、これは正確ではありません。
 
  当たり前の事ですが、親にも子どもにも、それぞれの生き方があります。親子といえども、環
 境や立場の違いがあります。考え方も違うはずです。こうしたことを前提にした上での「扶養関
 係」であって、それは任意な選択であって決して強制的、義務的なものではありません。
 
  今度のことで、本当は生活保護を受けなければ生活できない状態の人でも、世間の変な風当た
 りを心配して自制することになりはしないかという懸念があります。また、「子どもが親の面倒
 を見るのは当たり前」「親の面倒を見ない子どもは親不孝」などということが「常識」だという
 ことにならないのかです。そうならないように願いたいものです。
                               
(2012年5月26日)


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  本当に電気は足りないのか
  この記事は、4月14日の東京発のロイター電です。脱原発を願う市民の
     気持ちを表しているごく常識的な見解だと思い、引用しました。

  再稼働の必要性ありと判断した最大の根拠として政府が示したのは、原発ゼロの場合、関電管
 内の電力供給が需要に対してどれだけ不足するかというデータだ。9日と13日に首相官邸内の
 会見場で配布されたが、資源エネルギー庁が関電からの報告を基に提示した不足の割合は、一昨
 年夏並の猛暑だった場合は18,4%(9日時点提示では19,6%)、1割の節電要請を呼びか
 けた昨年夏並の暑さだったら5,5%(同7,6%)のそれぞれ供給不足になるという。
 
 ただ、これはエアコン需要が急増する日中の時間帯での数値で、この時間の需要を減らして他
 の時間帯に誘導するなどの工夫をすればこうした危機を回避できるとの見方は少なくない。 
 関電によると、昨年夏(7月~9月)の需要が、今年の原発ゼロ想定の供給力(9日時点提示の
 2574万キロワット)を上回ったのはたった11日間の合計56時間。昨年夏並の暑さなら、
 3カ月間のうち10日間余りの日中の需要をうまく他の時間帯に誘導すれば、充分に危機は回避
 できる。
 
  同様に、一昨年夏の需要の場合、今年の原発ゼロ想定の供給力(同2489万キロワット)を
 上回ったのは51日間の計473時間で、この前提ではたしかに厳しそうに見える。
 
   しかし、国のエネルギー政策議論に参加する飯田哲也・環境エネルギー政策研究所(ISEP)
 所長は、「最大需要は、一昨年の異常値は去年と比較すると350万キロワット多いが、内訳は
 気温要因が160万キロワット、関電が需給調整した分とその他の節電効果で190万キロワッ
 ト。一昨年並の猛暑となった場合でも、160万キロワット分は、去年から今年に出来る節電側
 のピークマネージメント(最大需要抑制)で楽に減らせる」と指摘する。
 
  大飯原発に隣接する滋賀県の嘉田由紀子知事は今月6日、ロイターのインタビューで、需給ギ
 ャップを乗り越える手法として、「(企業などの節電分を電力会社が買い取る)ネガワットなど
 市場メカニズムの中に節電を取り入れること」を挙げるなど、節電を「供給力」として活用すべ
 きとする声が高まっている。
                               
(2012年4月18日)
 
 
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  北朝鮮のミサイル発射で新宿区内にPAC3配備
    比国方面への「ミサイル」が新宿に飛来するのか。 

  北朝鮮が4月12日から16日までの間に「人工衛星」を発射すると予告しています。これま
 での経緯や実態からすると「ミサイル」の発射です。
 
  田中直紀防衛相は30日午前、長距離弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する事態に備え、
 自衛隊法に基づく「破壊措置命令」というものを発令したということです。
 
  自衛隊はこの命令を受けて、地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の配備など、迎
 撃態勢の整備を本格化させる模様です。
  PAC3は、沖縄などミサイルの軌道上だけでなく、首都圏の市ヶ谷自衛隊などにも配備する
 計画です。要するに幾つかのうちの一つは新宿区内に配備されるということです。「実績作り」
 が見え見えです。こうした「実績」を作って莫大な予算を確保するという魂胆です。よくやる手
 段です。安全のために万全な体制づくりをしているということで、国民は錯覚に陥るのです。
 
  新宿区内のPAC3の配備に関する「出来事」は市ヶ谷自衛隊だけではありません。これまで
 2回にわたって新宿御苑で設置訓練が行われています。自衛隊は、国民公園として一年中にぎわ
 っている新宿御苑への配備をねらっているのです。しかも地元の新宿区にも、全然連絡もしない
 でこうしたことをやっています。勿論、住民にも全く知らされず、私たちは事後に、新聞などで
 知ってビックリしている状態です。
 
  私は、何度か議会でこの問題を取り上げ、新宿区として毅然とした対応をとることを区長に要
 求してきました。しかし、実質的な情報公開は一切しないという自衛隊(防衛省)の姿勢に変化
 はありません。こうした自衛隊(防衛省)の対応に対して、区の姿勢は全く弱腰です。
 
  万が一、PAC3が新宿御苑に配備され、発射されるということになると、狙い通り迎撃した
 としても、都心上空でミサイルが爆発するわけですから、区民・都民は大きな被害を蒙る危険性
 があります。もし迎撃が成功しても、それで結構ということにはなりません。市ヶ谷自衛隊への
 配備でも同じことです。
 
  また「破壊措置命令」などという勇ましい言葉が使われていますが、PAC3の成功率は、現
 実には随分低いといわれています。最善の条件で行う「迎撃訓練」でも、しょっちゅう失敗して
 います。膨大な税金を投じるているにも関わらず、カネばっかり食っているのがPAC3です。
 「実戦」では発射される場合、ミサイルの飛行軌跡などの与件が事前に分かりませんから、成功
 の確率は一層低くなります。金儲けの軍事産業を喜ばせてはいますが、所詮、PAC3は軍人た
 ちの「高価な火遊びに近い」といわれる所以です。
 
  北朝鮮の国家体制は、拉致問題なども明らかなように民主的な政治とは縁遠いものがあり、全
 く異常です。ただ、過去の歴史が語るように、この異常さを埋めるのが外交政策です。これまで
 の日本に朝鮮半島に対する正しい外交政策があったといえるのでしょうか。
  近代、歴史上の大半の戦争は外交政策の失敗が起因で惹起されています。すなわち、外交政策
 の進め方によっては、回避できたであろう事例が多く指摘されています。

  戦後の日本の朝鮮半島に対する外交政策が正しかったというようにはとても思われません。
  異常な北朝鮮の体制を、ただ異常だ、異常だと大合唱するだけでは何の解決にもなりません。

                              
(2012年4月1日)

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   JALの不当解雇に反対し、職場復帰を目指す
     「日航労働者を支える会」が結成されます。


  今月18日に新宿を中心にした西部地区の皆さんが「原発のない社会の実現と、JALの不当
 解雇を許さない西部連絡会」を結成しました。略称「G・J西部連絡会」です。ここで謳われて
 いるJALの不当解雇ですが、これはどう考えても随分乱暴でひどいものです。

  日本航空は2010年12月31日の大晦日、165名のバイロットと客室乗務員を突然解雇
 しました。理由は「経営再建」です。
 
  しかし、この理由は解雇の根拠にならないことは明らかになっています。働くものを解雇する
 ためには、企業が自分の都合で自由に出来るのではなく、「整理解雇が出来る四つの条件」が必
 要だということが最高裁で示されています。日航の解雇は、この「整理解雇四条件」に合わない
 のではないかということが最初から指摘され、その声がますます強まっているのです。現に、稲
 盛会長自身、裁判所で「解雇は必要なかった」と述べていることからも明らかです。
 
  では日航の解雇は何が原因かと言うと、国鉄の解雇と似たところがありますが、企業や国にと
 っていいなりになる労働組合と働き手を作ることです。働くものの権利や労働条件の改善などを
 言う労働者は排除するということです。日本の社会は今、企業からみると低賃金で働くものを雇
 い揚げ、いつでも自由に解雇することが出来るような状態になりつつありますが、日航の解雇は
 その道筋を国の労働政策としてより明確にする意味合いを持っています。従って、日航の解雇問
 題は、日航だけの問題ではなく、全労働者に関係する基本的な問題をはらんでいることになりま
 す。全労働者の問題ですから全労働者が連帯して闘う必要があります。

  こうした観点から、この度「不当解雇とたたかう日本航空労働者を支える会」が結成さること
 になりました。11月7日(月)午後6時半から文京区民センターで「結成集会」が開かれます。
 代表世話人は宮里邦雄弁護士、朝倉むつ子(早大教授)、脇田滋(龍谷大学教授)の三名です。
 宮里先生は日本労働弁護士団の会長ですが、私たちが35年間にわたって毎月法律相談をお願い
 している東京共同法律事務所の先生でもあります。

  いま係争中の裁判は、東京地裁で12月19日にパイロット、21日に客室乗務員に結審を迎
 え、来年3月までには判決が出されます。ただ、いずれの結果でも上告されることになると思い
 ますので、闘争はしばらく続くことになります。長期戦です。
 
  私は結成される「支える会」が大きく強くなることを大いに祈り、力になりたいと思っていま
 す。

                           (2011年10月25日)

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   「誤った方針」が、多数決で正当化された大会に。

     ● 第16回・新社会党定期全国大会 ●



   第16回新社会党定期全国大会は、党の誤った昨年夏の参議院選挙戦術を正すことが出来なか
 ったばかりか、それを正当だとするお墨付きを与える大会になった。
 
   党大会の論議の第一番目の焦点は、昨年の参議院議員選挙で原和美副委員長が新社会党を離党
 し、社会民主党から立候補した問題である。この立候補に当たっては、党内の激しい議論の結果、
 原和美個人の選択にゆだねられ、社民党候補になることを選択した原さんは新社会党に離党届を
 提出した。全く当たりのことだが、新社会党からの離党は社民党公認の大前提である。
   ところが、わが党はその「離党届」を党規約に則って処理することなく、栗原委員長が「懐深
 く預かっていた」ことが、その後の中執のやり取りで明らかになったのである。この間、マスコ
 では、原和美は新社会党を離党し、社民党の公認候補として参議院選挙に立候補することが報
 道され、離党は「周知の事実」になっていたにも関わらずである。これは明白な二重党籍であり、
 完全な党規約違反である。しかも栗原委員長が先頭に立って規約違反を犯し、その本人が全く責
 任を感じないばかりか中執の大半がその違反事実を容認するに至っては、最早、この党の基本的
 な組織原則はどこにあるのか誠に怪しい限りだということになる。問題はもちろん、それに留ま
 らない。このニセ離党問題は、新社会党の党員をだまし、社民党の党員をだまし、何よりも支援
 を訴える選挙民をだます結果になったのである。政党としてはあるまじき重大な「詐欺的行為」
 だったということになる。
    
   しかし、今回の大会はそうした誤った選挙戦術を「正当」だとしたのである。
  
   党大会の論議の第二番目の焦点は、「政策協定」である。私たちは、自治体選挙でも他党候補
 を推薦する場合は当たり前のこととして政策協定の締結をその前提とする。政党としての理念や
 方針が激しくぶつかりあう国政選挙においては、政策協定はイロハのイであろう。特にわが党と
 社民党は、国政に関する基本政策の違いによって分裂した経緯がある。その社民党候補を支援す
 る場合に、政策協定は、その他の政党に対応するよりもより厳格でなければならないことは、結
 党の経緯からしても明白である。ところが、党幹部は、努力したにも関わらず政策協定には至ら
 ず、その結果、国政選挙において無条件で社民党候補を応援したことになったというのである。
 全く異例の対応だ。通常ならば、両党で合意が出来なかったら、わが党は推薦を取り消すのが当
 然の措置でなければならない。あり得なかったことかもしれないが、原さんが当選し、社民党国
 会議員として「自衛隊は合憲です」などと言わざるを得ないとしたならば、支援した新社会党の
 立場はどうなっていたか。メンツは全く丸つぶれであろう。
   しかし、第16回大会は、この問題でもなんとも鷹揚に 「問題なし」としたのである。

   今大会で論議の焦点になったこれらの問題は、執行部が率直に過ちを認め、二度と「こうした
 選挙はしない」と総括するのがまともな政党のとるべき態度であり、そうすることによって整理
 のつく問題なのである。
  言うまでもなく党は無謬ではない。予測しがたい誤りはあろう。しかし、誤りがあったならば
 責任を取るべき人が責任を取って正せばいいのだ。
   ところが、こうした過ちの推進論者たちは、今回のやり方を支持する声があるとか、各地で前
 進の芽があっただとか、ひいては「許される妥協だ」などと言うあやふやな言辞を弄して間違い
 を正当化し、今後、同じ様な誤った選挙戦術を採る道を残したのである。 信じ難いことだ。
 
   なお、選挙結果は想像以上の「惨敗」だった。得票総数3万8千813票。東京の票ではない。
 全国でである。全く気が滅入るほどの惨めな票しか獲得できなかったが、選挙総括には、変則的
 な戦いに対する批判はないとか、明るかった、元気が出た、などという陽気な言葉が羅列されて
 いる。推進者たちがこの「惨敗」についてもこのような「前進面」しか感じていないようだが、
 これまた実に不可思議なことだ。私には、全く浮世離れした総括だとしか思えない。
 
   大会では一部の代議員から2本の修正案が提出された。しかし、この修正案はいずれも大差で
 否決され、原案が圧倒的多数で可決された。残念の極みだ。
  この採決によって、わが党の第16回定期全国大会は、誤った方針が正しいこととして捏造さ
 れたという実に「歴史的な大会」になってしまった。ただ「歴史的大会」といってもほとんど知
 名度のない政党なので、政治的にはどこかに何らかの影響が出るということはありえない。

  新執行部も大会で選ばれた。既に、過った方針を先導してきた松枝書記長が新しい委員長に選
 ばれ、基本的にはそれを固める布陣になった。「方針内容にふさわしい人事」ということになる。
  一方、執行部内で一貫して反対してきた細川正、江原栄昭、それに私は退任、原野人・理論委
 員会事務局長も辞任した。私たちは、退任することになったが、誤った方針のお先棒をかつぐな
 んて「真っ平ごめんだ」という思いはある。これからは、東京都本部や基本組織の新宿総支部の
 活動を強め、 厳しいけれども党建設のために全力で取り組みたいと決意を新たにしている。



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 東日本大震災に伴う原発問題への新社会党の見解(第一次)
           新社会党本部


  2011年3月11日午後に発生した東日本大震災で被害を受けた方々に心からお見舞い申し
 あげ、亡くなられた方々には、衷心より哀悼の意を表します。今なお安否が不明な方々も一刻も
 早く救出されることをお祈りいたします。
 
   さて、この大震災に伴う福島第一原子力発電所での爆発・放射線漏れは刻々と事態が変化し、
 当該地域の住民はもとより、多くの国民の不安を引き起こしている。さらなる重大な事態が危惧
 され予断をゆるさない状態だが、現時点では、新社会党は以下の立場で対応する。
 
   第一に、稼動中の全国の原発をまずは即時停止し、安全を再点検をすることである。すでにこ
 の4日間で新潟と静岡では震度5~6の地震が襲った。いつどこでも巨大地震が起きる可能性が
 否定できない。にもかかわらず、新潟の柏崎・刈羽原発と静岡の浜岡原発は依然として稼動中で
 ある。政府は電力会社の言いなりだ。即刻、誘致先自治体はもとより、全国の自治体が原発の即
 時停止の決議を挙げ、政府と当該電力会社にはたらきかけよう。3月15日、EUは域内14カ
 国143基の原発の一斉安全点検を開始することを決定した。
   国際エネルギー機関(IAEA)は3月15日、「日本は原子力発電の不足分を補うだけの石
 油火力発電による余剰能力を有している」「日本は09年には石油火力発電能力の30%しか使
 用していない」と声明した。
  日本において、休止中の火力・水力発電所の稼動を早急に準備し、電力事情に対応する必要が
 ある。できないことはない。


  第二に、被害の拡大を止めるためには、東電だけでなく政府・官僚も事態を隠蔽しようとする
 のでなく、まず的確・敏速に情報を公開することを求める。とくに政府・自治体には福島近県を
 はじめ広範囲にわたる放射線量測定と住民への周知態勢つくりを求める。また、汚染の程度をレ
 ントゲン撮影の被曝量と大差ないなどと、質の違うものを比較するような報道機関の偏向キャン
 ペーンもやめるよう求める。
 
   第三に、福島原発周辺の放射線被曝状態の検査遂行と被曝治療の医薬品や医療施設などの処置
 をまず講じることである。また、福島原発からの避難半径の拡大に伴う避難先の確保、暖房具、
 食料などの供給体制を各周辺自治体が早急につくることが必要だ。

   第四に、「平成23年度予算案」では「原子力関係予算案」として4329億円が計上されて
 おり、その多くが原発研究・開発、建設立地などの費用と思われるが、それらの予算を今次原発
 被災対策に組み換えるべきである。
 
   反原発の立場を一貫して貫いてきた新社会党は、こうした考えに立ちつつ、眼前の深刻な事態
 の拡大を防ぐため自治体や地域から全力を挙げます。
                                    以 上


   風前の灯? 民主党政権下の武器輸出三原則


  先日、アメリカが4年振りに未臨界核実験を実施しました。核のない世界に向け、主導的な役
 割を期待されているオバマ大統領の下では初めてのことです。この実験は世界世論の輿望に逆光
 する動きであり、私たちは強く抗議しています。
 
  平和や核問題に関連した日本政府の何とも理解しがたい動向も懸念されます。国是でもある非
 核三原則の一角が骨抜き状態だったことは外交文書で暴露されたましたが、この非核の国是と連
 動し、日本の特徴的な平和施策である「武器輸出三原則」は今、見直し対象として急浮上してい
 ています。北沢防衛大臣の執念は格別で、菅首相も私的諮問機関(新安保懇)から見直しの提言
 を受けたこともあってか防衛大臣の動きを黙視している状態です。菅首相の態度は、全く腰抜け
 状態としか言いようのない対応です。「武器輸出三原則」の見直し理由は明確です。「防衛産業
 の振興」です。ここには、平和な社会の創造や市民の生命・生活の保全などは全くの眼中になく、
 最も大事な事は二の次、三の次です。
 
  先頃、防衛大臣はゲーツ米国防長官との会談した際、三原則の見直しに言及し大いに歓迎され
 たと喜んでいます。不動であるべき被爆国日本の平和理念は、こんなにも薄っぺらいものだった
 かと改めて驚かされます。平和についての国民第一の理念は、ひょっとするともうとっくに何処
 かへ吹っ飛んでいるのかも知れません。情けない民主党政権です。
                                  
(11月1日・記入)


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  練馬区で23区初の「事業仕分け」実施。傍聴しました。

  8月28日と29日に練馬区で「事務事業仕分け」が実施されました。23区では初めてこと
 です。学識経験者や公募委員による評価の結果は、対象になった38事業のうち、これまで通り
 の仕組みや方法で継続すべきだというのは、実にゼロでした。大半は、「事業の見直しが必要」
 だと判断です。練馬区の関係者が「効率性が高く」「必要性も高い」と内部的に評価し、「事業
 は良好に進んでいる」と考えていたものでも、事業仕分けでは、全く正反対に近い評価になった
 ものも随分ありました。むしろそちらのほうが多いくらいでした。
 
  私は、評価員の皆さんの不勉強さや核心に迫る質問の迫力に欠けることを気にしながら聞いて
 いましたが、それでいてもこのような結果です。いかに自治体が行っている事業に改善の余地が
 あるかということ明確な証左だと思います。
 
 私は、これまでも区議会の代表質問・一般質問で「新宿区でも事業仕分けを行うべきだ」と主
 張してきました。これに対する中山区長の答弁は「いま、実施する考えはない」ということでし
 た。しかし、今回の練馬区の事業仕分けの状況を見ていると、今更ながら、こうした手法の活用
 は、今後の新宿区の行政運営にとっても不可欠な課題だという思いをますます強くしました。
 
  事業を行っている当事者の区長や区の職員が、自己採点を行っていくら「計画通り進展してい
 る」「事業は良好だ」なとなどと判断しても、第三者の憲章を受けない限り、その評価はほとん
  意味を持たないことが、今回の練馬区の試みでも改めて明白になったと感じました。

                                                    (9月1日・記入)


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   新宿御苑で実施されたミサイル展開訓練に対して、
      新宿区長に「申し入れ書」を提出。


    自衛隊は先月下旬に再び新宿御苑で「バック3」のミサイル訓練を展開しました。
    2年前に次いで2度目です。住民には「事前に情報提供はしないように」ということで
   した。国民の平和公園・新宿御苑に物々しい戦闘車両が入り込んで戦争に向けての訓練を
   展開することに、私は強い憤りを感じます。この気持ちを表すために次のような「申し入
   れ書」を新宿区長に提出しました。6月の区議会定例会の代表質問でもこの問題を取り上
   げる予定で す。




 
                                   2010年5月10日
  中山弘子 新宿区長 様                       社会新宿区議会議員団
                                    団 長 山 田 敏 行
                                    幹事長  かわの 達男

           申 し 入 れ 書

  防衛省と航空自衛隊は4月25日夜から26日未明にかけて、新宿御苑において地対空誘導弾パト
 リオット(PAC3)の展開訓練を行った。しかも、ミサイルや発射装置を搬入し、フル展開で
 の訓練を行ったものである。
  報道によれば、新宿御苑の閉園後の25日午後9時前、埼玉県狭山市の第一高射群第4高射隊
 のアーミーグリーンの車両20台近くが入園した。直径25センチメ-トル、長さ約10メート
 ルの疑似ミサイルが発射装置に格納された車両も参加したとのことである。
  私たちは、平和都市・新宿区内において、このような武器配備訓練が行われたことに強く抗議
 するものである。
  2年前の2008年1月14日には、無線の通信状況などを確認する実地訓練が事前の連絡も
 なしに新宿御苑で強行された。
  私たちはこの時も、厳重に抗議し、二度とこのような事がないように、関係機関に申し入れる
 よう、中山新宿区長に強く申し入れを行った。
  しかし、再びしかもより実戦に近い形で行われたことに、怒りを込めて抗議するものである。
  今回は、事前の4月21日に防衛省の職員が新宿区に説明に来たが、住民への情報提供は禁じ
 たとのことである。
  新宿区長が、新宿区民の安全や安心よりも防衛省の要請を優先したことは、断じて許せない。
 2年前の教訓が全く生かされていない。
  しかも、説明を受けた翌日の4月22日には、その新宿御苑において、多くの区民や関係者を
 集め、玉川土水・内藤新宿分水散歩道の通水式が華やかに行われたのである。
  今回の本番さながらのPAC3訓練は、区民のやすらぎの場としての新宿御苑とは相いれない
 ものである。その点からも、これを認めた中山新宿区長に抗議すると共に防衛省に対して厳重に
 抗議することを申し入れるものである。
  平和な公園にミサイルを撃ち落とすためのミサイルが配備され、しかもどんな場面でいつ使う
 のか、近隣住民への影響は何かなど、全く説明もなく、実戦配備に向けた収況が着々と実行され
 ることは、きわめて問題である。
  区民の不安と危険がますます増大するこの事態を、新宿区長は重大に受け止め、二度と訓練を
 行うことなく、また配備計画も即時中止することを、防衛省をはじめ関係機関に申し入れるよう
 強く求めるものである。
                                      以 上


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    最高裁で完成直前の建物が「違法建築」
        新宿区の上告を棄却、住民側が勝訴


  都心のど真ん中にも拘わらず、時にはタヌキも出没するということで「タヌキの森」と親しま
 れていた由緒ある閑静な屋敷跡。ここに建設中だったマンションが12月17日、最高裁第一小
 法廷において「違法建築」と断定されました。
  建物本体は、完成目前の段階で7割方は工事が進展しています。こうした建築物が最高裁で違
 法とされるのは全く異例であり、今後、建物の取り壊しなどの対応が必要になりました。
  問題の建物は、新宿区下落合4丁目に建築中の高さ約10㍍、3階建マンションで戸数は30
 戸、延べ面積は約2800平方㍍の規模。この敷地は、開発が進む新宿区内でも非常に限られた
 緑地帯の中にあり、樹齢約200年のクスノキなどが聳え立ち、鬱蒼とした希有の景観を形成し
 ていました。

  そんな場所に突然降って湧いたような開発計画に対し、住民は強く反発。「みどりトラスト基
 金」を創設し、その基金を区に寄付して公園用地として買い取らせ、貴重な緑地を保存しようと
 する画期的な運動も起こりました。画期的な取り組みです。基金は話題を呼んで2億3千万円も
 集まり、区予算の5億4千万円と合わせて8億円弱で買収する計画でした。
  しかし、業者側は価格を吊り上げて10億円以上を主張し、結局折り合いがつかず不調に終わ
 りました。

  では、この裁判では何が争われ、何が違法だったのか。
 
  東京都建築安全条例には、敷地と道路との関係で次のような規定があります。「延べ面積が2
 千平方㍍を超え3千平方㍍以下の場合は8㍍の道路に接道すること」。ただし「建築物の周囲の
 空地や周辺の状況で安全上支障がない場合は、この規定の適用を除外する」という「特別認定」
 もあります。
  本件の建物の場合、8㍍道路へ接する必要があるが、最小幅は半分の約4㍍の通路しかありま
 せん。本則通りなら建築は全く不可能です。しかし、新宿区は「中庭が設置され、耐火性など安
 全上支障がない」として「特別認定」を適用し、合法とした上で建築確認を出しました。
 
   裁判では、こうした新宿区の判断の妥当性が争われたのでした。
 
  一審の東京地裁では新宿区の主張が認められ勝訴しました。しかし、住民が控訴した二審の東
 京高裁では逆転で敗訴、そして全国に報道され、注目を集めた先日の最高裁では、控訴した新宿
 区の主張は完全に否定され、「上告棄却」の裁定が下されたのでした。
 
  この問題は、新宿区議会でも繰り返し論議されました。特に熱心だったのは当該建築物の隣に
 住む民主党の小野議員で「タヌキがかわいそう」といった情緒的な表現を駆使しながら何度も本
 会議で取り上げました。
 
   私も、当初からこの問題には関心を持っていました。
  新宿区長が例外規定を適用して「特別に認定」したのは04年12月ですが、私はそのすぐ後
 の翌年3月の予算特別委員会でこの建築認定問題を取り上げ、区長の間違った判断を追及しまし
 た。
  私の主張はこうです。「本来だったら8㍍の道路に接する必要がある。これが大原則だ。例外
 規定を適用するのなら、まず、この大原則に限りなく近い条件を具備している必要がある。その
 上で安全性などに特別の配慮がされているというのならば特別認定の適用も妥当性があるが、こ
 の敷地の場合は本来の半分の幅しかなく、特認適用の条件はもともと全くない」。「区の拡大解
 釈が容認されるならば、条例本則の8㍍規定は無いのも同然だ」。「この判断は間違っている」。
 
  これに対して区長は「条例に基づく認定だ」と強弁し、間違った方針を変更しませんでした。
 
  最高裁の適切な判断は下されました。区の違法性を指摘した納得のいく判決です。しかし、こ
 の判決によって伐採された樹木が元に戻るわけではありません。実に残念なことです。愛嬌のあ
 るタヌキもどこに行ったのでしょうか。区の判断ミスで失われたものはまさに甚大です。
 
  これからの課題は三つあります。第一は区長の決定的な判断の間違いで失われたものに対する
 責任の所在です。第二はこれから提起されるであろう賠償請求に対する対応、そして第三はこの
 事態 を受けて当該の土地を今後どうする活用するかです。
 
  課題はそれぞれ深刻さを孕みますが、今回の最高裁判決は首長の判断の重要性や適格性を提起
 した点では、今後の自治体の法律や条例の解釈に大きな教訓を与えることになったと思います。
 
                                 (1月1日記載)

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    2016年の五輪は4都市が争い、
    南米初のリオデジャネイロに決定。

  2016年のオリンピック開催都市の選考で東京は落選しました。私はいまの状況での開催に
 は反対だったので、この結果については当然のように受け止めています。落選の理由は明確だ思
 っています。明確な開催理念がなく、従って都民の支持率が低くかったことと湯水のような誘致
  費用の使い方に最大の問題があります。
 
  オリンピック招致予算は当初55億円、うち都の負担が15億円と公表されていました。しか
 し、都の負担はどんどん膨れあがり、およそ当初の予算とは比較にならない総額150億円にも
 なっています。それでも収まらなくて現在では208億円を越し、都の負担は当初の10倍にも
 当たる158億円にも膨張しています。更に積立金は何と4000億円にもなっています。気の
 遠くなるような予算です。最初は少なめに積算し、その後は都民の目を避けるように徐々に増や
 していくやり方は、役人の常套手段ですが、オリンピックに関しては、当初の予算はあってなき
 がごときであり、オリンピックと名前がついたら何でも許されるという感じです。都民軽視の典
 型です。
 
  新宿区でも、世論盛り上げのイベントを3回実施し、約3000万円の税金を使いました。そ
 の内容は五輪のメダリストや吉本興業の「ノー・タレント」への支払いです。本当に馬鹿馬鹿し
 くなります。私は、こんな思いつきのようなことをして税金を浪費するから東京の支持率はあが
 らないのだと思っています。いま開かれている決算委員会でも、都に加担した新宿区のこのよう
 なやり方に対して強く批判する発言をしました。
 
  都民の合意形成もないまま、しかも支持も低い状態のまま税金を浪費し続けてきたのがオリン
 ピック招致活動です。これが最終的な投票にも反映したものと思われますから、落選は当然とい
 えば当然のことです。
 
  私は、リオディジャネイロになって良かったと思っています。リオは、実に誠実に、時間をか
 けて地道に誘致活動を行ってきました。南米で初めて開催するのはオリンピックの新たに歴史を
 きり開くことになります。リオのオリンピックが大成功するように心から願っています。

                                   (10月9日・記入 )


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    「オリンピック」と名がつくものなら何でも結構?

   2016年のオリンピック開催都市を決めるIOC総会は10月2日、コペンハーゲンで開か
 れます。私は東京開催には反対ですが、どこに決まるかについて大いに関心を持っています。
 
  今日、区立公園の管理担当者から、開催都市が決まる日本時間の3日の深夜に、もし東京に決
 定したならば、新宿駅西口の「区立新宿中央公園で祝福の花火の打ち上げることを許可した」と
 いう報告がありました。爆発音は最小限の花火だそうです。東京が開催都市になったのならば、
 その程度のことは結構だと思うし、そのことに私は目くじらを立てて反対する気持ちは毛頭あり
 ませんが、それにしても五輪誘致のための税金の使い方はまったく異常です。
 
  都議会議員10人がコペンハーゲンの現地集会に「にぎやかし」のために参加するということ
 です。一人当たり100万円の費用が税金から支払われます。「枯れ木も山の賑わい」(?)な
 のかどうかわかりませんが、私費ならとにかく、血税を使って「にぎやかし」のためにノコノコ
 出かけようとする信じがたい感覚の議員が、こんなにいるのは驚きです。
 
  新宿区も首をかしげることを行っています。東京開催の都民支持率は4都市で最低ですが、こ
  れを回復させるために、東京都は「招致機運盛り上げ費用」として41億円もの予算を計上し、
 都内の各自治体が行うイベントに対して、一事業はあたり1000万円を助成しています。実に
 気前のいいことです。もちろん財源は私たちが納めた税金です。新宿区はこれまで3回、このイ
 ベントを実施しました。約3000万円です。私はムダだといい続けてきました。
 
  イベントの内容は、「オリンピック招致の雰囲気の盛り上げ」ですが、イベントに招いたメダ
 リストや吉本興業のタレントに支払う「出演料」が最大の支出項目です。とにかく「オリンピッ
 ク」と名がつくものは、「何でも結構!」「金に糸目はつけない」「とにかくどんどん使ってく
 れ!」という感じです。まったく馬鹿馬鹿しい限りです。私は、以前から吉本のタレントの「笑
 い」とは縁遠い軽薄なばか騒ぎに辟易しているから特にこんな思いを抱くのかもしれませんが、
 それだけではないと思います。

  いずれにしても、こんな一過性で思いつきのようなイベントに金を使うのなら、指導者の育成
 とか、スポーツ施設の整備など、もっと地道なスポーツ振興にこそ税金を投じるべきです。こん
 なことは誰でも思うことですが、そうはなりません。いまの首長や政治家の「水準」を反映して
 いるからです。
 
  私は、今日の決算委員会で、このような税金の使い方はまさしく税金のバラまきであり、とて
 も理解できない、と強く反対の意を示しました。石原都知事やその取り巻きの「趣味」(?)の
 ため、あるいはこの五輪で一儲けしようとたくらむゼネコンなどの大企業のために、このように
 湯水のように税金を使われたのではたまったものではありません。こんな無駄遣いをしているか
 ら、逆に東京の「支持率」は上がらないのです。都民は、馬鹿騒ぎをするノー・タレントを使っ
 たこんな宣伝には踊らされることはなく、厳しい批判の目を持っているのだと思います。少なく
 ても、五輪誘致に浮かれている役人よりは、多くの都民はまともな感覚を持っていると私は感じ
 ました。    (9月29日・記入 )


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  「負担軽減」の本当の狙いは明らか。
    大資本や高額所得者の優遇そのもの。


  6月19日に閉会した新宿区議会第二回定例会で「東京都新宿区特別区税条例等の1部を改正
 する条例」が可決されました。
  この議案は上場株式等の配当に係る区民税の特例措置の延長などを中心にした「富めるもの」
 の税負担を軽くするための条例改正です。株式を保有している人たち、すなわち「金持ち優遇」
 の内容なので、私は同僚議員と一緒に反対しました。しかし、採決では自民・公明・共産・民主
 など、私たちを除く他の全ての議員が賛成にまわり、その結果、賛成35票、反対2票の大差で
 可決になりました。
 
   改定案の大まかな内容は次の通りです。株式などの配当金や売却益に係わる区民税は条例本則
 では3%になっています。ところが03年より、この3%を特例措置として軽減してきました。
 今回の提案はこの特例措置を更に延長して、本則3%を今後3年間、1・8%にするものです。
 つまり、区民税の1・2%の減税です。都民税の段階でも本則2%を1・2%にします。すなわ
 ち0・8%の減税です。国の段階の所得税でも、本則15%を7%へと減税するものです。つま
 り8%の減税です。以上の区民税・都民税・所得税を合計しますと、条例本則20%の課税は半
 分の10%に軽減されることになります。大変な減税です。
 
  今日、税制問題に詳しい北区議会議員の福田実さんから、次のような資料が送られてきました。
 株式等譲渡所得金額の10%分が減税になった場合に、トヨタや武富士、セブンイレブン、京セ
 ラブリジストン、三共、アコム、バナソニック、大手ゼネコンなど「大株主たち」の減税額です。

    (氏 名)  (保有株式)  (1株の配当)  (配当総額)   (減税総額)

    豊田章一郎   11,176千株    140円   15億6千万円   1億5646万円
    武井 健晃   6,941千株    180円   12億5千万円   1億2494万円
    伊藤 雅俊   21,568千株    54円   11億6千万円   1億1647万円
    稲盛 和夫   6,806千株    120円    8億2千万円     8167万円
    石橋  寛   27,100千株    26円    7億0千万円     7046万円
    豊田 章男   4,564千株    140円    6億4千万円     6390万円
    毒島 秀行   3,249千株    150円    4億9千万円     4874万円
    木下 恭輔   3,240千株    100円    3億2千万円     3240万円
    松下 正幸   7,913千株    35円    2億8千万円     2770万円
    鹿島 昭一   31,369千株     7円    2億2千万円     2196万円
    大林 剛郎   26,557千株     8円    2億1千万円     2125万円
      
(資料) 「大企業・大資産家優遇税制の転換を」垣内亮(『経済』09年3月号)より作成。

   つまり、こういうことです。住民税の負担を軽くするために、たとえば15億6千万円も株式
 配当所得の豊田章一郎さんに対して(この人は他の名目の収入も一杯あるはずです)、大変でし
 ょうから1億5648万円の税金を軽くしますよ、という意味だということです。

  税金に関する法改正には、名目上は「景気対策」だとか「消費拡大策」とか、いろいろとそれ
 らしい理由は付されます。しかし、表向きの能書きはとにかく、本当の「狙い」「目的」がどこ
 にあるかは、この福田区議の資料を見ると一目瞭然です。  
(6月28日・記入)



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   定額給付金は、景気・福祉施策か選挙対策か。

  景気対策とも福祉施策とも言いがたい選挙目当ての税金のバラマキ・定額給付金は、国会の決
 定を受けて全国の地方自治体が実施します。新宿区でも約51億円もの補正予算が議会に提案さ
 れました。これを審議した総務区民委員会では、賛成多数で予算案は可決されましたが、私は反
 対しました。そして、私は本会議場で以下のような「反対意見」を申し上げました。
  尚、この予算に賛成したのは自民党・公明党・共産党・保守系無所属の議員29人、反対した
 のは私たちと民主党の議員8人でした。


 「最小の経費で最大の効果」を追求すべき
   税金使途の大原則に反する稀代の愚策!


   社会新宿区議会議員団の 山 田 敏 行 です。
 
  第60号議案の平成20年度新宿区一般会計補正予算(第6号)について総務区民委員会で反
 対し、少数意見を留保しましたので、ただ今からその報告を致します。
 
  定額給付金の是非を論じる前に、いま私たちを取り巻く特徴的な「社会経済情勢」についてで
 すが、一言でいい表すなら、金融危機が世界を席巻し、景気後退が急激に進展して経済は沈滞状
 況に陥っているということが出来ると思います。

  現在の社会環境はどうかというと、あの年越し派遣村を見るまでもなく、不況の深化と共に、
 まじめに働く者が路頭に迷う状況が現出し、地域では汗水たらして働いてきた事業者がバッタバ
 ッタと倒産や閉鎖に追い込まれている状態です。
  こうした中で、3月の年度末までに新たに失業すると見込まれいる50万人以上と言われる非
 正規労働者に加えて、失業の波は正規労働者にも激しく押し寄せている状況です。最新の発表で
 は、有効求人倍率は僅かに0.67倍、失業率は4.1%と労働環境は極度に悪化しており、こ
 の傾向は更に進展する見込みです。

  一方、定額給付金の財源となる財政ですが、国の借金は予算規模の実に10倍以上に達してお
 り、特に対GDPとの比較でいうと日本の借金は米英仏独などの先進国と言われる国々の何と3
 倍程度にまで膨れ上がり、最早、国の財政は完全な「破産状態」なのであります。
 
  これこそは長年の保守政治のいまの社会にもたらした「負の成果」でありますが、しかし、こ
 の未曾有の事態に対して、これまで政治家は誰一人として責任を取らないまま今日に至っている
 という暢気な状態なのであります。

  いま私たちはこのような社会経済状況で生きていますが、こうした中での政策は、景気対策に
 しても福祉的な政策にしても、社会の象徴的な状況に答える施策として構築されなければなりま
 せん。言うまでもないことです。

  それでは、「定額給付金」は果たして今の社会状況を受け止めて積極的に選択されるべき政策
 なのかということです。

  「定額給付金」は、推進者から景気対策だ説明されています。そうでしょうか。過去の国民の
 消費傾向や経済企画庁の統計から多くの専門家が推計している数字を見ると、額給付金が対GD
 Pの個人消費を押し上げる効果は僅かに0.1%程度であります。受給額の多くは生活費や貯蓄
 に回されるであろうというのが大方の見方であります。
  要するに景気対策としてはほとんど効果がないということです。

  それでは福祉政策かというと、高額所得者を含めて所得に一切関係なく全国一律に税金を還元
 するということ一つ取ってみても分かるように、福祉施策としては極めて杜撰であって、そもそ
 もの有るべき体裁を備えていません。

  さて、冒頭に述べたように、現実の社会環境を受けて、いま国の施策として特に求められるの
 は雇用の維持・雇用の創出であり、地域事業者の支援であります。

  雇用確保や介護・後期高齢者医療などの社会保障政策の充実を考え、消費性向の改善策を図る
 ような政策を考えるべきであります。これはいまの社会状況が要請している最大の課題だと思う
 のであります。経済的な効果も大きいこうした施策にこそ限られた財源は効果的に出動されるべ
 きであり、これは財政政策のイロハだと思います。しかし、国会や官邸サイドからは国民の琴線
 にふれるような動きが全然見えてきません。期待すること自体そもそも無理なこととは言え、実
 に残念なことであります。

  私には、定額給付金が景気対策なのか、福祉政策なのか全然分かりませんし、あるいは別の政
 治的意図を持った選挙対策なのかも知れませんが、ただ、借金王国のこの国が、雇用が極めて厳
 しくなっている状況の中で、限られた貴重な税金を使ってやるような優先順位の高い政策ではな
 いということだけは明らかだと思うのであります。
   だからこそ、賢明な国民の7割以上の人たちが、ただで税金の還付を受ける、すなわちただで
 カネを貰える施策であるにも関わらず、定額給付金には反対してきたと思うのです。言うまでも
 ありませんが、定額給付金受領の意志表明をしている人が8割以上いるということと、この政策
 が評価され、支持されているかということとは全く別次元の問題であります。時々、このことを
 混同して捕らえている陽気な政治家がおりますが、それは単なる誤解であります。

  定額給付金については、この間、全国の自治体の首長からさまざまな発言がありました。その
 多くは、厳しい財政環境の下で行う税金の使い方としては適当ではないし、その効果も巨額の財
 政投資をする割りには期待出来ないという声であり、更には、撤廃すべきだという幾つもの意見
 もありましたし、地方分権というならば、地方に政策構築を任せて欲しいという声も強くあがっ
 ていました。

  しかし、そうした多くの首長も、地域住民のことを考えるならば、この事業はやらないという
 ことにまで踏み切ることは出来ませんでした。「賛成じゃないけれどもやむなく実施せざるを得
 ない」というのが大方の首長の現実の選択だと思うのであります。

  私の知り合いの何人かの首長も同じ立場にたっています。

  私は、こうした多くの首長の苦汁とも言える選択についてはそれなりに理解が出来ます。

  ところで、新宿区長はどうかというと、昨日の委員会の質疑でも再確認されましたが、この定
 額給付金について、「積極的に評価する」という立場だそうであります。

  私は現在の社会情勢や財政面の制約を考えるならば、また、この政策がもたらすであろう予測
 出来ないほど僅かしかない経済効果を考えたならば、中山区長の「この政策を積極的に評価して
 実施する」という考えは、とても理解出来ないのであります。

  自治法でも謳われている通り、私たちの貴重な税金を投入する場合には、国も地方も「最小の
 経費で最大の効果」を追求することを至上命題にしなければなりません。区長が本会議の答弁で
 言っているように「一定の効果がある」という、たかだかその程度のことであるのならば、「評
 価する」というのは、税金使途の理念や原則を軽視した考えと言わざるを得ません。

  ところで定額給付金は「自治事務」であります。しかし、私は現実には自治体に政策選択の余
 地のないこの事業が「自治事務」として位置付けられることについては不適切だと考えており、
 地方自治の将来のあるべき姿を考えたならば、今回のような国の施策の構築には大きな危惧を覚
 えています。

  区長は今年の区政方針で「地方政府」ということを強調しています。私も同じ意識を持ってい
 ます。「自治事務」を真にその名にふさわしいものすることこそ「地方政府」の第一歩であり、
 多くの首長が指摘しているように、自治体に政策立案の裁量も任せ、その地域に最も喜ばれ、最
 も必要な事業を行えるようにすべきだと考えます。

  しかし、「地方政府」を標榜する中山区長からは、一向にそうした声が聞こえてこないのは誠
 に残念なことであります。

  さて、つい3カ月前のことでありますが、麻生首相は高額所得者が定額給付金を受け取ること
 は「さもしいこと」と言いました。「さもしい」とは、心が汚く、いやらしいこと、浅ましいと
 いう意味であります。更に「人間としての矜持(きょうじ)に欠ける」とまで言い切りました。
 
  しかし今、目的も効果もはっきりしない定額給付金に私たちの貴重な巨額の税金がばらまかれ
 高額所得者が受け取る「さもしいこと」や「人としての誇りに欠けること」を含めて、この新宿
 区においてもその奇妙な愚策が実施されようとしています。
 
  多くの国民が反対を唱え、財政的に見ても僅かの効果しか期待出来ず、従って「最小の経費で
 最大の効果」と追求するという税金使途の原則にももとる定額給付金について、区長はこれを積
 極的に受け止め、評価しながら実施する考えだと言うことでありますが、私たちはそうした区長
 の姿勢にはとてもとても賛同することはできません。

  なお、念のために最後に付け加えておきますが、第60号議案で私たちが反対するのは定額給
 付金関係の予算措置であり、一緒に計上されている子育て応急特別手当関係、東五軒町保育園隣
 接地買収費、それに繰越明許費には賛成する立場であることを申し上げ、私の少数意見報告を終
 わります。
                                (4月1日・記入)



   ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


  遺言で3億円の土地を区へ遺贈、しかし、新宿区は放棄

      私は区長の判断に対して疑問を呈し、反対の意思を表明しました。
     10月10日の最終の本会議で発言したほぼ全文は次の通りです。

  私は、ただいま議題に供されております「第95号議案・権利の放棄について」を審議した総
 務区民委員会において、委員会決定に反対し、少数意見を留保しましたので、ただいまからその
 報告をするものです。

  この議案は、次のような経過のもとで議会に「議案」として提案されています。

  昨年12月5日、新宿区内(プライバシー保護の関係で町名や個人名は伏せてあります)に住
 んでいた104歳の方が亡くなりました。発見された「遺言書」には、土地約293平米、木造
 瓦葺2階建の家屋を新宿区に遺贈することなどが書かれていました。本来の相続人は、この方の
 子ども3人です。このうちの1人は、亡くなった母親と40数年一緒に生活していた78歳の女
 性ということです。

  この遺贈に対して、新宿区は「権利を放棄する」という決定をしました。

  区が遺贈の権利を放棄した理由は、相続人からの申し入れがあったことと、亡くなった母親と
 一緒に生活してきた78歳の子どもの「生活基盤を守る」ためということです。特に「生活基盤
 を守る」ということが遺贈を放棄した区長の判断の最大の根拠になったとされています。

  私たちに明らかにされている大まかな経過は以上の通りですが、私は区長が遺言者の意思に反
 して新宿区への時価3億円以上とも推定される遺贈の権利を放棄したのは、「適切な判断」では
 なかったのではないかと思っています。

  従って、委員会で反対した訳ですが、その理由は次のようなものであります。

  まず、判断のよりどころとしての「遺言制度」ですが、遺言は、死者の意思を最終的に実現す  るための社会制度であります。原則的には、遺言の内容を忠実に実現することが残されたものの、
 更にはこの社会の大前提になっているというということです。
 
  しかし、一方では遺贈を放棄することも権利として認められいます。ただ、新宿区のような公
 的機関が権利を放棄する場合には、私人間の場合と違って、放棄の理由に合理性があり、限りな
 く妥当であって、遺産を受け取る直接の権利者である新宿区民の多くが納得しうる理由がなけれ
 ばならないということです。

  今回、区長は「生活基盤を守る」ことを遺産放棄の最大の根拠としています。放棄の選択をし
 た場合は、遺言制度の最も重要な前提である遺言者の意思は全く反故にされることになります。

  しかし、それでもなお「生活基盤を守る」ためにはどうしても遺贈を放棄しなければならない
 のか、区には放棄する以外にこの方の生活を守る選択肢がなかったのかということです。
  遺言には他の財産についても書かれているたいうことですが、ここはそうしたことを含めた客
 観的な判断が必要だと思うのであります。

  私は放棄以外にも「選択肢」は幾つかあったのではないかと考えています。

  私も皆さんと同じように、遺言に書かれてあるからといって同居の女性にすぐに転居しなさい
 と要請するとか、年配のこの方の生活拠点がどうなってもかまわないなどとは全然思いません。
 
  しかし、貴重な財産を新宿区に寄贈するという遺言者の志を生かし、なおかつ同居の女性の生
 活拠点を保障する方策はないのかということです。
  例えば、新宿区はまず遺贈を受け、その上で、区の規定に基づいて、当分の間、無償でこの遺
 贈物件を貸し付けることにすれば、この人はこれまで通りの生活をおくることが可能になります。
  こうした手立てを講じることによって、何よりも尊重されなければならない「遺言者の意思」
 はその遺言の通り生かされることになるのであります。

  区が、なぜ、こうした誰でも思いつく方策を選択をし、実行しなかったのか、私は不思議でな
 りません。

  委員会での質疑で、区側は「生活基盤を守る」ということは、単にこれまでのところでこれま
 でと同じ生活をおくる場を保障するという、それだけではなく、土地家屋の所有権の「継続」を
 含むかのような答弁をしていました。

  しかし、こうした判断や主張に正当性や妥当性があるとは思われません。それどころか、私は
 遺言制度を否定するような発言だと感じてびっくりしたのであります。
 
  なぜなら、私たちが判断の原点に据えるべき遺言者の意思は、その遺言によって土地家屋の「
 権利関係の変更」を明確に求めているからであります。

  そうだとするならば、残された方が現実にここで生活していることを踏まえ、引き続きその生
 活の場を提供することは必要だとしても、遺言者の意思に反して、「生活基盤を守る」というそ
 れだけの理由で、土地家屋の権利を含めて残された方に提供しなければならないということには
 絶対にならない、と私は考えます。

  区がいう情緒的な理由の中に、「土地家屋の権利の変更もしない」ということを無理やりくっ
 つけ、結果として区長が遺言者の意思に背く決定をしたことは全く理解に苦しむところであり、
 また冒頭申し上げたように、遺贈を放棄する場合は、区民が納得できる合理的で妥当な理由がな
 ければなりませんが、この間の委員会質疑においても、そうした客観的で説得力のある理由が示
 されませんでした。誠に残念なことであります。

  「申出書」についても一言申し上げます。
 
  相続人から提出された「申出書」には、共同相続人である別の二人の方は、区が遺贈を放棄し
 たなら、自分たちも放棄し、妹に全財産を相続させると書いてあるということです。このことが
 放棄を決めた新宿区の判断にも影響を与えたということです。しかし妹には子どもも孫もありま
 せん。従って、もしいずれこの方が亡くなった場合には、相続を放棄するという二人の兄弟ある
 いはその関係者が、妹の全財産を継承することになります。長期的に見たら、相続の放棄でもな
 んでもないのであります。
  従って、共同相続人二人の「申し出」が、なぜ、区の放棄の判断に影響を与えたのかというこ
 とも腑に落ちないところがあります。

  また、当初、区側は遺言書は20数年経過していて、その間社会情勢も変化していると発言し
 ていました。まさかこのような認識が区長の決断に影響を与えたとは思いませんが、遺言は、言
 うまでもなく、何十年前に書かれようと死の直前に書かれようと、必要な体裁が整ってさえいれ
 ば、その有効性に何の違いもないことは、周知のことであります。
  確かに社会情勢は変化しています。しかし、それにもかかわらず、この間、遺言者の意思に全
 く変化がなかったことは遺言書によって客観的に示されています。この事実こそ重視されるべき
 であります。区は、なぜ社会情勢が変わっているなどという全く遺言の効力には関係のないこと
 をあえて強調しなければならないのか、私は、このことについても実に不可思議に思うのであり
 ます。
 
  いずれにしても、遺言者は自分の財産を、区に使ってもらいたい、区民に用立ててもらいたい
 と思ったからこそ土地家屋を新宿区に寄贈するという遺言を残した訳であります。そのような貴
 い遺言者の意思を、合理性も妥当性もない理由によって反故にしようとするこの議案は残念だと
 いうしかありません。

  以上、主なことだけについて発言しましたが、遺言者の新宿区を思う貴重な気持ちに思いを寄
 せ改めてこの「権利放棄」は不適切な判断であるということを最後に申し上げて、私の発言を終
 わります

              
               (10月10日・記載 )


  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


  「市議会報告チラシの配布」の住居侵入容疑は不起訴に。
    
それにしても、歴史が急速に逆行している感じがします。

   7月の初めに国分寺市内のマンションで建物の入り口にある「集合郵便受け」に市議会報告の
 チラシを入れていた共産党の市議会議員が、「住居侵入」の容疑で書類送検されました。集合ポ
 ストにさまざまなチラシ類が入るのはどこでも日常茶飯事です。いやらしいチラシも中にはあり
 ますが、たかが郵便受けにチラシを入れたぐらいの些細なことで「住居侵入」にされたのでは、
 全くたまったものではありません。こんなことが横行するのならば、近所の商店の「大売出しの
 チラシ」を入れて歩いていたおじさん、おばさんも逮捕、PTAの連絡用紙を配って歩いていた
 役員も逮捕、まつりの案内を配っていた町会の役員もお縄になり、アルバイトでピザのチラシを
 配っていた学生も連行、などと言うことにもなりかねませんが、こんな日常的なことで「書類送
 検」とは、全く驚くべき「暴挙」です。
 
   7月18日の朝日新聞の夕刊によると、東京地検の八王子支部は「不起訴処分」にしたという
 ことです。当たり前の措置だと思いますが、問題はこんなことで「書類送検」をする官憲の姿勢
 であり、思想的な背景が今度の「暴挙」の裏にあると思わざるを得ません。
   とにかく、この国では年と共に反動的な動きは徐々に強まってきています。ひとつひとつ、反
 対の声をあげていかなければ、いつかとんでもないことになってしまいます。物事が一挙に変わ
 る場合(悪くなる場合)はその状況が誰にも分かりますが、劇的な変化でない場合には、人々は
 徐々に慣れてしまって裏に潜んでいる危険性を読み取れないまま受け入れてしまうということが 
 通例としてあります。これが恐ろしいところです。

   次に引用したのは、ドイツの牧師のM・ニーメラーの「やつらが最初に共産主義者を攻撃した
 時」という詩です。以前、私はこの詩を本会議の代表質問で引用したことがあります。ナチの時
 代のものですが、だんだんと私たちの今の世相と似てきていると思い、ぞっとしています。
 

       やつらが最初に共産主義者を攻撃した時
               マルチン・ニーメラー

     ナチの連中が最初に共産主義者を攻撃した時、私は声をあげなかった、
       なぜなら、私は共産主義者ではなかったから。

     ナチの連中が社会民主主義者を牢獄に入れた時、私は声をあげなかった、
       なぜなら、私は社会民主主義ではなかったから。

     ナチの連中が労働組合員を攻撃した時、私は声をあげなかった、
       なぜなら、私は労働組合員ではなかったから。

     ナチの連中がユダヤ人たちをを連れて行った時、私は声をあげなかった、
       なぜなら、私はユダヤ人などではなかったから。

     そして、最後に彼らが私を捕らえにきた時、
       私のために声をあげる者は、もう誰一人として残っていなかった。


  [ マルチン・ニーメーラー について ]
       ドイツのルター派神学者。第1次世界大戦に従軍し,潜水艦長として活躍。ウェストファリアのミュ
   ンスター大学で神学を修め,1924~30年同大学学内伝道にたずさわり,31~39年ベルリン・ダーレムの
   ルター派教会牧師となる。ヒトラーの教会支配に対する抵抗運動の指導者として活躍し,牧師緊急同盟
   の結成を呼びかけ,告白教会の形成,バルメン宣言の成立にあずかって力があったが,逮捕されて,ダ
   ハウの強制収容所に送られる(1937) 。第2次世界大戦後解放されて,平和運動,ドイツ統一運動に尽力。
   ドイツ福音主義教会評議員,同外務局長。世界教会協議会会員。主著『Uボートから講壇へ』。


   ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

     以前の「活動日記」です。
               ( 2015年4月以前)



    ● 4月16日(木曜日)●

     17日から新宿区議。本来ならば~ と断腸の思い。

  統一自治体選挙の後半の闘い4月17日(日)から始まります。投票は26日(日)です。こ
 の頃、他の政党や新聞社の方々から、随分と電話をいただいています。新聞社からは、選挙情勢
 についていろいろと聞かれたり、予定候補者からは投票の依頼などを受けています。

  この選挙は、本来ならば息子の啓史が二期目を目指して闘う筈でした。しかし、無念なことに
 そうはなりませんでした。天命とはいえ、断腸の思いに駆られています。


      年一回の「胃カメラ検査」を行いました。

  私は大体年に一回、「胃カメラ」の検査をしてきましたが、前回の検査からほぼ一年たったの
 で、今日、梶原診療所(北区)でやっていただきました。昨夜から飲食を絶って検査に備えてき
 ましたが、検査は始まってしまうと実にスルーズで、あっという間に終了しました。

  検査結果はすぐ分かりますが、私の場合は、完全に健康な状態ではなく、若干のただれらしき
 赤みがありますが、何かの処置が必要だということでもないということでした。これまでとほぼ
 同じ見解でした。刺激のあるものなどは過剰に摂取しないようにということでした。

  先日受診した新宿区の定期健診(医師会立新宿区健康センターで検査)で、大腸の便の検査で
 血液反応があったと指摘されていたので、今日、そのことについて梶原診療所の先生と相談しま
 したが、5月中旬に大腸カメラの検査をしていただくことにしました。


   ● 4月13日(月曜日)●

   「平和憲法を生かす新宿の会」の活動強化を図ります。


   定例の新社会党新宿総支部の執行委員会が開かれたので、出席しました。安倍首相の下で、憲
 法改悪の掛け声が強まっていますが、これに抗するためには、夫々の地域で改憲阻止の動きを強
 めていくことが何よりも重要です。このような任務を担う組織として、新宿では「平和憲法を生
 かす新宿の会」があります。私が共同代表を勤めていますが、この会は1999年12月に発足
 して以来、駅頭宣伝、学習会、集会参加、署名活動など多彩な活動を続けてきました。

  今日の執行委員会では、憲法を巡る状況が急速に厳しくなり、改憲に向けての日程なども話題
 になっている状況なので、今後はより一層、「平和憲法を生かす新宿の会」の活動を強めていくこ
 とにしました。その手立てなどについて熱心に検討しました。


   ● 4月12日(日曜日)●

      久し振りに神宮外苑を散歩してきました。

  ここ二、三日の薄ら寒い天気とは打って変わって今日は好天気。花粉の飛散量も少なくなって
 きたので、久し振りに神宮外苑に散歩に行ってきました。一時間程かけて、外苑の外周道路を早
 足、大股で大体8キロ歩きました。

  国立競技場の解体工事は随分進んでいて、一本の照明塔を残してほぼ平面に近い状態なってい
 ます。隣接する明治公園も工事用の高い塀で覆われており、随分様相が変わっていました。その
 うちに日本青年館も解体になります。ただ、公園の脇にある人気の「ホープ軒(ラーメン店)」
 だけはいつもと同じように今日も沢山のお客さんで混雑していました。

  神宮球場では昨日から東京六大学の春季リーグの慶応対法政、東大対明治の各二回戦が戦われ、
 また、神宮第二球場では春季高校野球の都大会が行われており、周辺一帯に球場からの大歓声が
 響きわたっていました。

  絵画館前の広場では、四谷消防団が「消火訓練コンテスト」に向けて練習を行い、広場に続く
 広大な6面の軟式球場では、素人チームの熱戦が繰り広げられていました。

  神宮外苑の桜は盛りを過ぎましたが、銀杏並木では新しい葉っぱが芽吹き始めています。この
 辺一帯も、いよいよ本格的な春の季節に向かってその姿を変えていきます。


   ● 4月5日(日曜日)●

    「辺野古の新基地は絶対に建設することは
      できないと確信を持っている」(翁長知事


  今日、普天間基地の移設問題で菅官房長官と翁長知事が初めて会談しました。政府側がずっと
 「時間が取れない」という駄々っ子のような理由で拒否していた会談ですが、先日、翁長知事が
 名護市辺野古への移設に向けた海底ボーリング調査などを停止するよう文書で要求したことを受
 け、ようやく実現したものす。好都合によく政府側の予定が取れたものです。

  会談で菅官房長官は「(基地)負担軽減のために、やれることは全てやれと指示している。最
 重要なのは普天間飛行場の危険除去です。まさに市街地の中心部に位置していて、周辺を住宅や
 学校に囲まれていますから、世界で一番危険な飛行場と言われています。この危険除去と、固定
 化はあってはならない」と主張。

  これに対して翁長知事「今日まで、沖縄県が自ら基地を提供したことはないと強調しておきた
 い。普天間はもう危険だから大変だという話になって、その危険除去のために沖縄が負担しろと、
 お前たち代替案を持っているのかと、日本の安全保障をどう考えているのか、沖縄のことを考え
 ているのかという話をされること自体が日本の国の政治の堕落ではないか」。強烈な言葉です。

  菅官房長官は、沖縄の経済振興策についても、県と連携しながら進めていく考えを示し、改め
 て普天間基地の辺野古への移設に理解を求めました。
  しかし、翁長知事は「辺野古の新基地は絶対に建設することはできないと確信を持っている」
 と述べ、辺野古移設にあくまでも反対していく考えを強調し、議論は平行線に終わったというこ
 とです。

  この会談の模様はテレビニュースで何度も見ましたが、沖縄県側の論理、翁長知事の毅然とし
 た主張だけが強く印象に残りました。背後に明確な県民の意思があるからだと思います。正しい
 主張ほど強烈なものはありませんが、翁長知事の言葉に改めてこのことを感じました。痛快な思
 いがします。
  「辺野古の新基地は絶対に建設することはできないと確信を持っている」。
  なんとも感動的な言葉です。皆んな力を合わせてこの言葉を支えていかなければなりません。


   ● 4月1日(水曜日)●

     「知覧特攻平和会館』を見学してきました。

  2泊3日の日程で鹿児島県南の知覧(南九州市)に行ってきました。初めて「知覧特攻平和会
 館」を見学しました。前々から一度は行きたいと思っていましたが、ようやく念願を果たすこと
 ができました。
  戦争末期、人類史上類例のなかったいことですが、爆弾を積んだ小さな飛行機を操縦し、機体
 もろ共に沖縄攻撃を展開中のアメリカ戦艦に体当たりすることを命令され、「祖国のために~」
 「天皇陛下のために~」などという虚構のような使命を貫徹するため、あたら命を落とした20
 歳前後の青年たちの遺影・遺品・遺書・記録などの展示を見たり、「語り部」の話を聞いたりし
 てきました。

  犠牲になった青年たちの様々な遺品、特に遺書を見ると涙を禁じえませんでした。もうすぐ命
 を絶たなければならない青年たちの心境を思うと、とても正視することが出来ませんでした。た
 だ、遺品の一つ一つに戦争の本質を見る思いがしました。

  全くその名に値しない当時の権力者、特に軍部が我が物顔に幅を利かせていた時代ですが、政
 治的な能力、外交交渉の力量が欠落していた彼らの狭隘な利害や名誉、くだらないちっぽけな虚
 勢や権力争いために、多くの有為の青年たちは犠牲を強いられ、二度とない命を、僅か20歳前
 後で終えることになったのです。余りにもひどい「無念の死」です。彼ら若者たちの表向きの言
 い分からは私的な弱音などは聞けませんが、彼らは恐らく例外なしに残念だったろうと私は思っ
 ています。人間として当然の心理です。そうした彼らの本心、無念な気持ちを思うと、日本の政
 治の現状に怒りが湧き起こってきます。

  あの侵略戦争の愚行を反省してまともな道を歩んだ筈の日本が、こともあろうに再び元の道に
 引き返そうとしているのです。歴史の歯車が音を立てて逆転しているような感じがします。
  知覧から死の旅に行かざるを得なかった若者たちは、ついこの間の歴史にさえ目を閉ざす今の
 日本国民のお目出度い程の淡白さを見たら、さぞかしびっくりすることだろうと思います。


   ● 3月28日(土曜日)●

     新宿御苑大木戸門外のコヒガンザクラが満開。

  東京の桜が開花になって2.3日過ぎました。私は新宿御苑の大木戸門の近くをよく通ります
 が、門の入口に一本のコヒガンザクラがあり、今を盛りに咲き誇っています。薄いビンク色で実
 に綺麗です。さっき四谷図書館に行った帰りにもこの桜の脇を通りましたが、観光バスが何台も
 駐車し、沢山の人だかりでした。ほとんどが中国からの観光客のようでしたが、あっちこっちで
 写真を撮ったりして大賑わいでした。

  この桜は新宿区と姉妹都市の関係にある高遠町(現在の伊那市)から寄贈されたものです。高
 遠町は幕末まで内藤藩が治めていましたが、新宿御苑が内藤藩の下屋敷だったことから、両都市
 の姉妹提携に及んだものです。合併で新・伊那市が誕生した当時、新しい市の名前は歴史のある
 「高遠市」にすべきだという声も根強くあったことを記憶しています。

  高遠城跡はコヒガンザクラで有名です。私は桜の時期には行ったことはありませんが、毎年、
 大変な賑わいを見せるようです。桜は、高遠では門外不出とされていましたが、特別に新宿区が
 何本かの苗木をいただき、そのうちの一本が大木戸門外に植樹されたのでした。従ってこの桜に
 はそれなりの「由緒」があります。小さかった桜木は、20年もたつと立派な姿になりました。

  新宿御苑は東京でも有数の桜の名所です。これからいよいよ満開の時期を迎えます。暫くは日
 本のみならず外国からの来訪者を含めて御苑は観桜客で大賑わいになります。


   ● 3月26日(木曜日)●

    ユン・チアンの最新作『西太后秘録』を読みました。

  20年ほど前に世界中で大ベストセラーになった『ワイルド・スワン』の著者ユン・チアンの
 最新訳本・『西太后秘録』(上下)が2月に講談社から出版されました。
  先日、四谷図書館に予約していたらようやく4、5日前に届いたので一気に読み終えました。

  私はこれまで、西太后については詳細はほとんど知らないながらも、近代に向かう清朝・中国
 の一時代を支配した残虐な女傑、あるいは非情な独裁者とイメージしていました。
  しかし、この本を読んでみると、西太后は独裁者的な面は充分にあるものの、近代的な感覚を
 併せ持ち、特に人道主義者的な一面も持つ懐の深い指導者だったということが分かります。決し
 て単なる一人よがりの独裁者ではなく、実際は近代中国の基礎を築いたあの時代では稀有な指導
 者であり、国内の守旧派との抗争を繰り返しながらも、有能な人材を活用しながら欧米列強によ
 る非情な領土争奪戦に対峙していた指導力のある傑出した政治家だったようです。

  長い間中国社会を支配していた旧弊と決別することにも意を注ぎ、改革派の官僚たちと共に外
 国との貿易振興にも力を入れ、交易を盛んにすることによって中国財政の確立を図っています。
 将来を見据えて国内の通信網や鉄道網の建設に投資し、数々の改革を断行したのも西太后です。
 抗争に明け暮れたあの時代の政治家としては極めて視野が広かったことに感心しました。

  また私は、女性を苦しめた悪しき伝統の纏足(てんそく)を禁止したのは毛沢東の共産党かと
 思っていましたが、西太后だったというから驚きです。

  『西太后秘録』(上下)は、今に至る中国の、そもそもの国づくりの礎を築いた西太后の波乱
 万丈の生涯を描いていますが、中国の清朝末期から近代黎明期に至る流れを知る上でも実に面白
 い作品です。


   ● 3月25日(水曜日)●

    安倍首相が「我が軍」と国会答弁。確信犯的な発言。

  国会の論議を聞いていると、毎日驚くことばかりです。

  安倍首相は20日の参院予算委員会で、自衛隊と他国との訓練について説明し、その中で自衛
 隊を「我が軍」と形容しました。「自衛隊は我が軍隊」「隊員は我が軍人」ということです。

  言うまでもないことですが、憲法9条は「陸海空軍はこれを保持しない」と定め、99条では
 国務大臣などは憲法を尊重し擁護する義務を負うと規定されています。
  自衛隊は自他共に認める立派な軍隊ですが、総理大臣が日本の国会で、「軍隊」と述べたこと
 はありません。なぜなら明確に憲法に違反するからです。

  従来の政府の公式見解は、自衛隊を「通常の観念で考えられる軍隊とは異なる」としています。
 安倍首相自身も、2006年の第1次安倍内閣の答弁書(06年12月1日付)では、自衛隊は
 「通常の観念で考えられる軍隊とは異なるもの」で、憲法9条第2項で「保持することが禁止さ
 れている『陸海空軍その他の戦力』には当たらない」と答えていました。少なくてもこれが表向
 きの位置づけであり、国政上ては「軍隊」ではなかったのです。

  自衛隊と憲法9条の関係については、名だたる改憲論者たちも苦渋の配慮をしていました。
  しかし最早こうした気遣いをする必要はない、というのが今回の安倍発言の真意なのかも知れ
 ません。それほどまでに政治状況はは変わり、改憲に対するアレルギーは希薄になっていると判
 断したのだと思います。

  自民党が3年前に発表した憲法改正草案には「国防軍」の創設が盛り込まれています。軍隊で
 はあるけれども憲法上はそう呼べない自衛隊が抱える矛盾を実態に合わせて解消するための規定
 です。国民を欺き憲法に違反を続けてきた実態を正当化し、その実態に合わせて憲法の方を変え
 てしまおうというのが自民党案です。

  安倍首相は、この憲法改正草案の具現化に向けて、世論操作を意図しながら、いよいよ具体的
 な一歩を踏み出しましたのだと思います。今回の「我が軍発言」について「思わず安倍首相が口
 にした言葉」という報道した言葉であり、「配慮を欠いた失言」と表現している報道機関もあり
 ますが、そんなことは絶対にありません。確信犯的な発言であり、改憲状況を見据えた周到な発
 言そのものです。

  平和憲法を守るのか変えるのか。いよいよ戦後最大の岐路に向かいつつある気がします。舞台
 は憲法の命運を賭けた「正念場」に移行しようとしています。


   ● 3月23日(月曜日) ●

      沖縄県知事、辺野古基地作業の一時中止を指示。

  沖縄県の辺野古基地建設を巡って大きな動きが出てきました。翁長雄志知事は今日、防衛省沖
 縄防衛局に対し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた海底ボーリン
 グ調査など、全ての海上作業を30日までに停止するよう文書で要求しました。

  知事はこの要求を発表した後、県庁で記者会見し、防衛局が今年1月、辺野古沖の岩礁破砕許
 可区域外に大型コンクリート・ブロックを設置したことについて、「許可を得ずに岩礁破砕行為
 がなされた蓋然性が高い」と指摘した上で、サンゴ礁の損傷状況を県が調査する必要があるとし
 て、1週間以内に全ての海上作業を停止するよう指示したと説明しています。

  沖縄県知事の言い分は、辺野古の新基地建設に関して、前知事が辞める直前に泥縄的に行った
 ボーリング調査の許可について、その際には想定できなかったことが発生しているので、その調
 査をして今後に対応するため、現在の作業を一時中止せよ、と言うものです。
  そして、もし政府側がこの指示に従わなかった場合の破砕許可取り消しに関し、知事は「腹は
 決めている」とし、政府側が県知事の指示に応じなければ「岩礁破砕許可を取り消すこともある」
 と述べ、強硬手段も辞さない姿勢を示しました。

  大変大きな決断です。長い間基地問題で苦しんできた沖縄県民の切実な意向を受け、知事の権
 限を最大限活用した対応です。私には、自公の候補に打ち勝った翁長知事の要請には、全く聞く
 耳を持たないかたくな政府に対する「勇気ある果敢な挑戦」のように見えます。

  これに対し、菅義偉官房長官は会見で「日本は法治国家だ」「甚だ遺憾だ」と繰り返し、「文
 書の内容を精査した上で法令にのっとって対応する」と述べ、「一般論として、現時点において
 作業を中止すべき理由は認められない」として作業を続行する考えを表明しています。
  政府の言い分は、全て前知事時代に沖縄と合意した内容に基づいて作業をしているので、いま
 更何を言うか、という態度です。

  政府関係者は、県が岩礁破砕許可が取り消された場合、「法的措置も検討する」と明言してい
 ます。沖縄県と政府の対立はいよいよ先鋭化する状況で、最終的に政府が法的手段に訴える可能
 性もありますが、知事は 「そのようなことも念頭に対応したい」と語っています。

  客観的にみて、双方に言い分があります。従って、現段階でにわかにその是非を判断すること
 は困難ですが、ただはっきり言えることは、地方創生とか地方重視と声高に言いながら、政府は、
 民主的に沖縄県民が選んだ知事を、自分たちの意に沿わないからと忌避し、県民の真摯な声には、
 全然耳を傾ける意思も姿勢をないということです。実にかたくなな態度です。まさに反対意見の
 切り捨てであり、沖縄軽視そのものです。地方創生とは似て非なるものです。


   ● 3月21日(土曜日)●

    今ありて未来も扉を開く 今ありて時代も連なり始める

  今日から甲子園で春の選抜高校野球大会がスタートしました。しばらく熱戦が展開されること
 になります。
  開会式の最後に大会応援歌が流れました。次のような歌です。

    新しい季節(とき)のはじめに    新しい人が集いて   
    頬そめる胸のたかぶり         声高かな夢の語らい   
    ああ 甲子園 草の芽 萌え立ち    駆け巡る風は青春の息吹か
     今ありて 未来も扉を開く       今ありて 時代も連なり始める

  「今ありて未来も扉を開く」、「今ありて時代も連なり始める」。いい言葉です。過去は現在
 に連なり、現在は未来に続いているのです。ただ、当たり前のハナシですが、過去をきちんと総
 括することなくして、今が信頼できる未来につながり、明るい時代を展望することは出来ません。

  昨日の日記に安保法制のことを記しましたが、今の日本の安倍政治が、未来の扉を開き、次の
 時代に連なるとしたならば、甲子園の球児を含めた青年たちの未来は、まさに暗澹たるものです。


   開会式後の第一戦に、八戸市の八戸学院光星高校が登場しました。私は中学三年と高校時代の
 三年間を八戸市で過ごしたので、光星は何となく地元の学校という気分になります。相手は九州
 学院ですが、実力に勝る光星が9対2で投打で圧勝しました。
  私が高校生だった頃から、光星高校は学力の程度は今ひとつの評判でしたが、スポーツ関係で
 は多く分野で随分好成績を残していた学校でした。特にここ十数年は、野球では青森県の最強高
 校になっていますが、野球有名校特有の傾向ということで部員は大阪などを中心に全国か
 ら集まるらしく、レギュラーに地元八戸近辺の選手はほとんどいないようです。
  以前、八戸のある人と話した時、彼は「光星高校が甲子園に出ても、地元の代表という気があ
 まりしないんだよなぁ~」と嘆き気味に言っていたのを思い出しています。

   ● 3月20日(金曜日)●

    「安保法制」で自公合意。戦争する国にまっしぐら。

  「八紘一宇」を国政の大黒柱にすべし、と言い放った時代錯誤の、可愛そうなくらい歴史に無
 知な自民党の某女性議員の発言には驚きましたが、最近、この国は、一晩寝て起きるごとにおか
 しな方向に突き進んでいます。

  今日、崇高な憲法の精神を捻じ曲げた集団自衛権の行使合憲の閣議決定を御旗にして、「安全
 保障法制」の整備を検討してきた自民、公明両党の談合協議が決着したというニュースが流れま
 した。

  合意した新たな法制の骨子は、日本が攻撃されていなくても、米軍や他国軍への自衛隊による
 支援が、日本近隣とは無関係に、どこでも、すなわち地球の裏側であっても可能になります。要
 するに自衛隊の海外での活動を際限なく拡大する内容です。
  また自衛隊の派兵は、これまでのように個別の案件に応じて国会で議論し、その是非を検討し
 て法整備をするのでなく、いつ、どんな場合でも総理大臣の胸三寸で対応できるようになります。
 要するに極めて重要な国政の判断を総理大臣に丸投げするものです。国会の任務放棄ですが、そ
 うは言えないので表向きは「切れ目のない法整備」と虚飾されています。

  最早、憲法なんかはそっちのけ、何でも通ってしまう信じ難い政治状況です。

  平和憲法を持つ日本が、これから国際社会でどのような役割を果たしていこうとするのか。こ
 うした真剣な議論と対応こそが必要であるにも関わらず、基本的な日本としてのグランドデザイ
 ンを描くことなどは一切行わず、安倍首相のひねくれ切った精神状態を満たすためだけの与党合
 意と言っていいものです。

  いつものように厚顔無恥な安倍首相の言い分は、「いかなる事態でも国民の命と暮らしを守り
 抜く」「積極的平和主義のもと国際社会に積極的に貢献する」という決まり文句ですが、「国民
 の命・暮らし」も「平和」という概念も私たちが感じている言葉の意味合いとは全然違うのです。

  与党協議では、一時、公明党がちょっと頑張っているような報道もありましたが、結局、一つ
 も具体的な成果を出せず、全くうやむやのままの合意になっています。よくまぁこんな内容を公
 明党は受け入れたものだ思いますが、しかし、これが自称「平和の党」の本来の姿、実態です。
 この党は、政権にしがみついてオコボレを吸っていたいだけのように見えます。本当に情けない
 限りです。

  野党第一党の出番ですが、民主党がこれまた自公と同様に当てになりません。今や政党助成金、
 すなわちカネ目当ての幾つもの政党は、共産党を除くとどこもかしこも似たもの同士です。寒気
 がします。自信を持って国政を託くせる政党がない状態ですから、この国の将来(というよりも
 明日かあさっても)は本当に深刻そのものです。


   ● 3月16日(月曜日) ●

       ふるさとの青森で作られたりんごジュース。

  全国的に不順な天候になっています。大荒れ模様の地域もありますが、今日の東京は初春を思
 わせるような暖かさです。この天候に比例するように広範囲に花粉が飛び交っています。
  私はこれまで、以前からの服薬の効果もあるのか、例年になく軽症状態?でしたが、昨日あた
 りからは相当深刻な状態に陥りつつあります。
  花粉飛散の予報によると、ピーク段階に入っているようですが、このピーク状態は当分続くと
 いうことです。少なくても3月一杯は覚悟しなければならないようですから、何とも憂鬱な気分
 になります。

   今日、生まれ故郷である青森県津軽のいとこの方から青森産のりんごで作った各種のジュース
 を一杯送っていただきました。ここ数日、ふるさとは雪模様のようです。もちろん、津軽鉄道で
 はよくテレビで放映されるストーブ列車も運行されていて賑わっているようです。   早速、お
 礼の電話をしました。久し振りに純粋無垢?な津軽弁を聞きましたが、早口で話されると、だん
 だんすぐには分からない言葉が増え、理解することが出来にくくなってきました。

  私が生まれ故郷の市浦村(現在は五所川原市)を離れたのは中学校二年生の終了時の1957
 年の3月。その後、県内の南部地方になる太平洋側の八戸市で中学校三年生と高校の三年間の合
 わせて四年間を過ごし、高校卒と同時に上京。従って青森を離れてから何と半世紀以上の53年
 にもなります。

  津軽弁が分かりにくくなるのも当然と言えば当然と言っていい程の時が流れたということかも
 知れません。


   ● 3月13日(金曜日)●

     驚くべき発言。「いたずらに過去にこだわるな」

  今年は1945年の敗戦から70周年目。日本の軍国主義者たちに侵略の限りを尽くされた朝
 鮮・韓国や中国では、侵略戦争に対する勝利をかち取った70周年目の区切りの年に当たります。

  中国では、今年9月に「反ファシズム戦争勝利・抗日戦争勝利70周年」の記念行事を開催す
 る予定で、世界各国の首脳を招待すると報じられています。安倍首相は今のところは招かれてい
 ないようですが、この行事に関連して今日、菅官房長官が記者会見し、次のような発言をしてい
 ます。

  「中国国内の行事なので、政府としてコメントは控えたい。そのうえで申し上げるならば、い
 たずらに70年前の過去を強調する態度より、現在、国際社会が直面している様々な問題に対し、
 日中が未来志向の協力関係を発展させていくことが重要ではないか」。

  国土を蹂躙され、何百人もの無辜の命が奪われたあの侵略戦争に対して、「いたずらに70年
 前の過去を強調するな~」とは、こともあろうに、人の家に土足で踏み込んで人命や財産を奪い、
 生活を蹂躙し尽くしたその当事者が、「もう昔のことだからいつまでも言いなさんな」と言って
 いるということです。まさに歴史に目をつむる暴言であり、信じ難い発言です。

  このような政府の破廉恥な姿勢は、いま更驚くべきことではないかもしれませんが、「過去に
 目をつぶる者は現在に対しても盲目である」として自らを律し、近隣諸国の信頼を勝ち取ってい
 ったドイツとの、余りにも違うこの国の姿勢や認識に慄然とします。

  私は1994年4月、北京郊外の盧溝橋近くに開設されている「中国人民・抗日戦争記念館」
 を訪れたことがあります。正視できない展示に満ち満ちていました。現実の戦争の惨禍は、あん
 なものの比でなかった筈ですが、当時、私は、こうした悲惨な現実は絶対、一生、忘れてはなら
 ないと強く感じたものでした。

  人でも国でも、過去を正しく見つめ、真摯にそれを認識することなくして、信頼に満ちた健全
 な将来の関係は作りえないのです。


   ● 3月10日(火曜日) ●

      「過去の真摯な総括」は近隣諸国和解の大前提。

  ドイツのメルケル首相が来日中です。安倍首相と会談したのを始め、朝日新聞社などが主催し
 た講演会で講演、記者会見などで精力的に発言しています。さすがに存在感があります。
  メルケル首相の発言の趣意は、「(ナチスドイツの)過去の総括は近隣諸国の和解の大前提」
 「ドイツに真摯な和解の姿勢があったからこそ欧州連合をつくることが出来た」という歴史認識
 です。ドイツ外交の基本的に理念です。当然といえばその通りだと思いますが、過去に目をつむ
 りたがる安倍首相との姿勢の違いが余りにも明確なので、メルケル首相の言動が、とてもすがす
 がしい感じがします。

  今日の朝日新聞の川柳欄には、次のような作品が掲載されていました。

       春の夢 安倍とメルケル 替えてみる (長崎県 中里 喜昭)

       似た二国 差は原発と過去への目   (三重県 山本 武夫)

       人選を 間違えたかな 有権者    (大阪府 梅村荘八郎)


   ● 3月7日(土曜日)●

      東大寺二月堂の「お水取り」を見てきました。

  今、東大寺二月堂でお水取り(修二会)が行われています。長い間、いつかこの目で本物を見
 てみたいと思っていましたが、念願かなってようやく5日夜に見学することが出来ました。

  お水取りとして知られる東大寺の修二会の本行は、かつては旧暦2月1日から15日まで行わ
 れてきた伝統の行事ですが、現在は新暦の3月1日から14日までの2週間、古式にのっとって
 実施されています。

  清水寺の舞台に似た二月堂のバルコニーから夜空に赤々と何本もの松明が振りかざされ、火の
 粉が飛び散るあの光景は、今の時期、毎年テレビで放映されて有名ですが、本来の意味合いは本
 尊十一面観音に、練行衆と呼ばれる精進潔斎した行者がみずからの過去の罪障を懺悔し、その功
 徳により興隆仏法、天下泰安、万民豊楽、五穀豊穣などを祈る「法要」が目的です。

  私たちが鑑賞した5日夜は、午後7時から松明が登場し、全部で10本が披瀝されました。す
 ばらしい光景でした。傾斜になっている二月堂の前庭はもちろん、それに続く広場も開始時間が
 近づくにつれて徐々に人で埋まって身動きが出来ない状態になりました。五千人くらいの観客は
 いたのではないかと思います。
  私たちは一時間前からバルコニーの下で待機しましたが、時間の経過と共に深々と冷え込んで
 きて次第に寒さに震え上がりましたが、一旦松明が登場すると、しばし寒さも忘れて主役の彩な
 す勇壮な光景を存分に楽しむことが出来ました。

  東大寺の修二会は天平勝宝4年(751年)始められて以来、現在まで一度も途絶えることな
 く伝えられています。東大寺がある限り続く「不退の行法」だといわれており、寛文7年(16
 67年)に二月堂が火災で失われたときも隣の法華堂で行われ、物資難から諸々の行事が中止せ
 ざるを得なかった太平洋戦争の戦中戦後も実施されています。今年で1264年、従って126
 4回目になります。気が遠くなるほどの継続です。世界的に見ても稀有の長さの行事です。

  今回はJTBツアーで参加しました。奈良ホテルが宿泊地でしたが、50人近い一行で、遠く
 は盛岡から参加した方もおりました。お水取りの他に興福寺、薬師寺、唐招提寺などの見学もあ
 り、自由行動も充分にありました。東大寺の法華堂では、年配の職員の説明を聞くことが出来ま
 した。ここには10回から15回くらいは参拝していますが、この種の説明を受けるのは初めて
 です。とてもいい時間でした。以前この堂に安置されていた日光菩薩・月光菩薩は、私の最も好
 きな仏さんですが、現在は耐震構造が完備された新設の「東大寺ミュージアム」に配置換えにな
 っています。新装の堂屋で二体の仏さんにも参拝しましたが、法華堂に鎮座していた時よりも、
 ちょっとだけ太っているような印象を持ちました。


   ● 3月2日(月曜日) ●

       献金疑惑大臣続々。政治助成金制度は廃止を!

  西川農水大臣の疑惑献金に引き続いて、望月環境大臣、下村文部科学大臣、上川法務大臣への
 企業献金疑惑が問題になっています。よくもまぁこんなに次々と出てくるものだと思います。
   小渕大臣や松島大臣の辞任に引き続き、またまた西川大臣が辞任に追い込まれましたが、歴代
 内閣の中で安倍政権の大臣の辞任が一番多いそうです。

  そもそもこのような問題の引き金になっている企業献金は、ずっと前に廃止されなければなら
 なかった筈です。政党助成金制度が導入されたのは1995年ですが、猶予期間の5年後には企
 業団体献金は廃止の約束だったのです。

  国民の税金から、否応なく300億円以上も政治家たちの懐に流れ込むシステムを作り出した
 当時の能書きは、「政党本位、政策本位の政治を行う」「これで政治家と企業の癒着はなくなる」
 「カネにきれいな政治が実現される」などというものでした。
  しかし、現実はどうか。猶予期間が満了した2000年1月1日から表面的な政治家個人への
 企業・団体献金が禁止されましたが、抜け道はしっかりと作られていました。狡猾な政治がよく
 考える手法です。すなわち政党本部への献金は許され、政党本部から政治家個人への迂回献金は
 法的に認められていたのです。このため、実質的には従来通り政治家個人への献金がなされて、
 のうのうと今日に至っています。

  国民を欺く制度作りをしてそれを看過する日本の国会のモラルの低さには、あきれてしまいま
 す。こういうことだったら政党助成金のほうを廃止すべきですが、与野党とも固くスクラムを組
 んで、この「打ち出の小槌」はテコでも離そうとしません。

  昨年末、小沢一郎・山本太郎が談合して作った何とかという政党のように、このカネの魔力に
 魅せられて狂奔している政治家の漫画的な姿も現れ出ています。これが日本の最高機関と言われ
 る国政の姿です。

  政党助成金制度が導入された際の理由は、すべて嘘だったのです。今、要件を満たす全ての政
 党は、共産党を除いてこの政党交付金を受け取っています。全く見事な「嘘つき国会議員集団」
 です。
  1995年の開始以来政党助成金の総額は約5700億円にもなります。私の税金も、毎年毎
 年、こうした政治家たち、特に自民党や公明党議員にも交付金として渡っているのかと思う吐き
 気がします。ウソで塗り固められた政党助成制度は早急に廃止しなければなりません。


   ● 2月28日(土曜日)●

      明日からホームページアドレスが変わります。

  私が配信してきたホームページは「OCN」ですが、「誠に勝手ながら市場動向やシステム状
 況を鑑み~」、今日で配信サービスを終了することになりました。二ヶ月ほど前に連絡を貰って
 いたので、いつもお願いしている秦さんに他のプロバイダーへの移行作業を依頼していましたが、
 ようやく終了しました。移行先は「e-mansin」ですが、居住しているマンションが一括
 して加入しているプロバイダーです。今まで使用料だけ徴収され全然利用していませんでしたが、
 もったいないのでここにしました。あわせてメールのアドレスもここに変えました。
  新しい E-mailアドレスは、 yamabiko614@cg.em-net.ne.jp です。


   ● 2月26日(木曜日) ●

       感動的な帚木蓬生の最新作『天に星 地に花』

  この5日くらいで帚木蓬生の最新作『天に星地に花』を読みました。四谷図書館に予約して2
 ヶ月くらい経ってようやく手元に届きました。
  著者の代表的な既刊本はこれまでにほぼ読了しています。私の最も好きな現役作家の一人です。
 作品の中では特に、在日2世3世を描いた『三たびの海峡』やキリスト教カタリ派の迫害を描い
 た『聖灰の暗号』などが印象に残っています。

  『天に星地に花』は、久留米藩領井上村の大庄屋高松家の総領・甚八と弟の庄十郎を軸にした
 物語です。幼少期二人は父に連れられ、数千人が集まる百姓たちの怒りの姿を目の当たりにしま
 す。突然藩主から下された年貢の増徴と夫役によって、積もり積もった百姓たちの怒りに火がつ
 いたのでした。天地を揺るがすような一揆寸前、稲次因幡家老が百姓救済を申し出て、一揆は回
 避されます。
  しかし、百姓の願いを身をもって受け止め、殿を説得した家老は藩内の片田舎に幽閉される罰
 を受け、数年後、多くの人たちの願いもかなわずに落命します。

  甚八と庄十郎は、幼少期父と共にこの家老に謁見する機会がありましたが、この時、家老の座
 敷に掲げられていたのが、 「 天に星 地に花 人に慈愛 」という扁額でした。庄十郎は、生涯、
 この「人に慈愛」を人生の指針にします。

  時が経ち、甚八は家督を継いて大庄屋になり、庄十郎は自らの病をきっかけにまっすぐに医師
 の道を進みます。百姓の生活と困窮を見届ける青年医師として地域の信頼を一身に集めます。 

  作品の主軸となるテーマの一つは「一揆」。黄金色に輝く稲穂、田植え唄、雨乞い、火祭など
 筑後平野に息づく、さまざまな人生の哀歓を描きながら、支配者にに翻弄され抑圧され続ける庶
 民の姿を活写しています。怒りを溜めこんだ人々が、一体どのような答えを出すのか。今の日本
 の実状と重なって見えます。

  この帚木蓬生さん新作は、手書き原稿用紙1000枚以上だったそうです。単行本は600ペ
 ージにも及ぶ超大作の時代小説です。苦しい時代をひたむきに生きた一人の青年医師を描くと共
 に、現代社会への問題提起を行っている傑作だと思います。

  そう言えば、今日は1936年に勃発した「2・26事件」の日です。


   ● 2月25日(水曜日)●

     首相の御用機関、「21世紀構想懇談会」が初会合。

  戦後70年に合わせて発表する予定の「安倍談話」を検討するために設けられた16人の有識
 者(?)で構成する「21世紀構想懇談会」が、今日初会合を開きました。
  この日夕方、約1時間の初会合を終えた有識者たちは言葉少なに首相官邸を後にしたと報じら
 れていますが(官邸側の意向でマスコミの取材に消極的になっているようです)、代表して報道
 対応にあたった座長の西室泰三・日本郵政社長は、「総理から示された論点に沿って議論を重ね
 ていく」と報道陣に語ったそうです。

  この懇談会は、安倍首相が出すであろう恐らくどうしようもない内容の「談話」の隠れ蓑とし
 ての設置されたという経緯があります。16人のメンバーの中には、本当に有識者としてふさわ
 しい人もいるかも知れませんが、ほとんどは安倍首相のお先棒を担ぐ人たちばかりです。有識者
 たちの大半は、安倍首相の戦争好みの考えを如何に脚色して報告書に反映するか腐心する筈です。
  この懇談会から戦後70年にふさわしい内容の考えが示されるとは、とてもとても考えられま
 せん。狡猾な政治が良く使う典型的なアリバイ作りですが、この懇談会の進む方向は、安倍首相
 によって決められているのです。主体性のかけらも無い筈です。

  懇談会から報告書が出された時に、国民の中に、第三者の、しかも有識者の方々が論議してま
 とめたものだから、現時点での国民多数の意向が最大限反映されている内容になっている、など
 と思う人がいたら、それはとんでもない大間違いです。


   ● 2月23日(月曜日)●

     「平和憲法を生かす新宿の会」の活動について相談。

  安倍首相は憲法の骨抜きに執念を燃やしていますが、いよいよ改憲そのものにも言及し始めて
 います。2年先の参議院選挙の後あたりを一つの時期的な標的にしている気配です。

  こうした新展開の状況を受けて、憲法の改悪を阻止しようとする陣営は、いっそう本格的に改
 憲阻止の陣地を構築を進めなければならなくなっています。
  私たちは、1999年12月に「平和憲法を生かす新宿の会」を結成し、教宣活動、講演会、
 交流会、ニュース発行、署名活動などを続けてきましたが、安倍首相や自民党が改憲方向へ暴走
 している状態を受けて、私たち「平和憲法を生かす新宿の会」も、従来の活動の質を高め、一段
 と活性化する必要性を感じています。全国各地に強固な「護憲の橋頭堡」を構築しないと、いざ
 となった場合、改憲の強流に押し流されてしまう恐れがあります。

  私たちも今日夜、会の主要なメンバーが集まって今後の活動のあり方について協議しました。
 何としても「平和憲法を生かす新宿の会」を、新宿地域における有力な「護憲の橋頭堡」したい
 ものだと思っています。


   ● 2月21日(土曜日)●

       いよいよ本格的に花粉が飛び始め、憂鬱に。

  この時期特有の三寒四温の気候が続いています。季節が移ろっていき、自然の営みを感じるい
 い時期になるのかもしれませんが、一方ではいよいよ本格的に花粉が飛び始める時期になってい
 ます。20年位前からこの「病魔?」に犯され、毎年四苦八苦していますが、今年もこれからし
 ばらくは実に憂鬱な日々が続きます。
 
  耳鼻咽喉科の先生に相談して先日から抗アレルギー薬を服用していますが、今のところ、薬効
 があるのか無いのか全く不明です。今年は花粉の量が昨年よりも遥かに多いと報じられています
 が、どこか花粉の無い地域に逃げ出した思いです。


   ● 2月19日(木曜日) ●

    国民の目を紛らかす、見るからに低級な政治手法。

  信念を持って事に当たることは大事ですが、同時に心しなければならないことは客観的な判断
 を下すために真摯に第三者の意見を聞くことです。特に政治家には、この双方のバランスの良い
 対応が求められます。
  この場合、客観的な姿勢を持つ第三者とは誰かということが問題です。一方的な立場の人だけ
 では、客観性を装う「隠れ蓑」になります。しかし、最近はこの「隠れ蓑」で大横行です。

  菅義偉官房長官は今日の記者会見で、安倍晋三首相が戦後70年の今年中に出す「安倍談話」
 について検討する有識者懇談会のメンバー16人を発表しました。懇談会の名称は「20世紀を
 振り返り21世紀の世界秩序と日本の役割を構想するための有識者懇談会」(略称・21世紀構
 想懇談会)ですが、この首相にふさわしい典型的な片側サイドの人選です。

  座長には西室泰三・日本郵政社長が就任する見通しです。座長代理には集団的自衛権の行使を
 めぐる首相の私的諮問機関で座長代理を務めた北岡伸一・国際大学学長を充てるそうです。他の
 メンバーは、首相にべったりの国際政治学者の中西輝政・京大名誉教授、三菱商事会長で経団連
 副会長の小島順彦氏、外務省OBの岡本行夫氏と宮家邦彦氏、元防衛大学校長の西原正氏、飯塚
 恵子・読売新聞アメリカ総局長らが名前を連ねています。言わずと知れたいわくつきの面々であ
 り、隠しようも無い「尻尾」を持っている「有識者」です。こんなメンバーをよくもまぁ選んで
 発表できたものだと思います。

  懇談会は、この夏をめどに議論をまとめ、首相に報告する予定だそうです。首相は懇談会の議
 論を踏まえ、談話の作成に当たるということですが、出てくる懇談会の報告は勿論ですが、それ
 を参酌して作成するという首相談話の内容も、いよいよもってとんでもないもない、恥さらしの
 ようなものになりそうです。

  こうしたやり方が、(随分と程度の低い手法ですが)国民の目を紛らかす民主主義的な装いを
 凝らした狡猾な政治の実態なのです。先日亡くなったワイツゼッカー元ドイツ大統領の爪の垢で
 も欲しいくらいです。


   ● 2月15日(日曜日)●

   『あの戦争から遠く離れて』『孫玉福・39年目の真実』

  先日、若手ルポライターとして活躍している城戸久枝さんの『祖国の選択』-あの戦争の果て、
 日本と中国の挟間で-を読みました。城戸久枝さんは、3歳9ヶ月の時に満州のハルピン近くの
 林口駅でソ連軍の攻撃にあって両親や親戚とはぐれて孤児になり、筆舌に尽くしがたい逃避行の
 後、やさしい中国の養父母に育てられ、文化大革命を日本人として恐怖の中で生き抜き、日中国
 交回復の2年前に帰国を果たした城戸幹さん(72歳)の娘です。

  このような経歴の父の苦難の足跡を追った城戸久枝さんのもう一つの労作に『あの戦争から遠
 く離れて』(2007年刊行)があります。昨日と今日、この本を読みました。450ページを
 超える大作ですが、巻を措く能わずの状態で一気に読了できました。大宅壮一ノンフェクション
 賞、講談社ノンフェクション賞などを受賞、かつてNHKでも土曜ドラマ『遥かなる絆』として
 何回かにわたって放映されています。(残念ながら私は全く見ていません)。

  過去の歴史の実相を描き出しているこのような本を読んでみると、如何に戦争というものがむ
 ごく悲惨なものであるか分かります。同時に何気ない平和な時間がいかに尊く重いものであるか
 も実感できます。しかし、私が理解したと思っている戦争の実態は、言うまでもなく「大海の一
 滴」のようなものでしかないと思います。

  最近、安倍首相などが軽々しく「国民の命と暮らしを守る」「積極的平和主義に徹する」など
 を空虚な形容語として乱発していますが、心が他にある人たちのこうした駄弁を聞くと、私たち
 の生命や暮らしも、紙っ切れのように軽薄になってしまったものだと感じます。

  城戸久枝さんの二冊の労作の当事者である父親の城戸幹さん(中国名・孫玉福)も2009年、
 『「孫玉福」39年目の真実』という自分史を上梓しています。今回、この本もあわせて読み終
 えましたが、幼い子どもが両親とはぐれて路頭に迷っていたとはいえ、殺人鬼そのものであった
 日本軍人の子どもを保護し、わが子以上に愛情を傾けて育てあげた中国の養父母やそれを影に陽
 に支えた親族の方々、多くの友人たちの友情や地域の方々の心温まる人間性にはただ感激するば
 かりです。


   ● 2月14日(土曜日)●

   「国民の命と暮らしを守るために、戦争できる国にする」

  先日、通常国会で安倍首相の施政方針演説が行われました。13日からは自民公明で安全保障
 法制のあり方についての与党協議も行われています。
  全くイヤな気分になりますが、安倍首相にしても高村副総裁にしても、果ては公明党の幹部に
 しても、何かというと「国民の生命と財産を守る~」ということを発言の枕詞にして、如何に自
 分たちは平和を志向しているかを空念仏のように唱えるています。このように虚飾するとによっ
 て国民は抵抗感をなくすと思っているかのようです。本質も覆い隠そうという意図が明々白々な
 こうした態度には吐き気がします。これに加えて更に「積極的平和主義に基づき~」などと言う
 言葉に飾られることも常にあります。
  彼らの本心は、「国民の暮らしと財産を守る」ことを理由に上げて国民を騙し、更に「積極的
 平和主義」というフレーズで飾りたてることによって実態を隠し、トコトン憲法9条を骨抜きに
 して「戦争できる国の体制」を作り上げることです。徐々に、徐々にそういう体制が出来つつあ
 ります。かつての歴史が示すように、真綿で首を絞めるようにして異論を排除し、反対できなく
 なる状況を作っているのです。

  最近の日本は、一晩寝て起きるごとに、着実にそうした方向に突き進んでいます。


   ● 2月12日(木曜日)●

      日朝友好親善に向けての「新春のつどい」に参加。

  毎年恒例になっている日朝友好親善に向けての「新春のつどい」が新宿歌舞伎町の「叙々苑遊
 玄亭」で開催されたので出席しました。毎年多彩なメンバーが集まり、このつどいでしか会えな
 い人も多いので、いつも参加できるのを楽しみにしています。

  主催者の朝鮮総連新宿支部は、昨年委員長が交代し、前よりもさらに若返って40歳の金さん
 が就任しています。先月末私たちが開いた「新春のつどい」にも新委員長に来ていただきました
 が、実にはつらつとしてとても感じのいい方です。

  朝鮮総連は中央本部が売却されたり、一部で心ないヘイトスピーチを浴びせられたりして大変
 困難な状態にあるといわれたりしています。しかし、在日の皆さんはずっと以前から私たちと同
 じ地域で生活したり地域の行事に参加したり、また商売をしたりしています。総連はそうした人
 たちの生活や権利を守るためには極めて重要な組織です、そのことは今も昔もまったく変わりま
 せん。伝統ある新宿支部が若々しい新委員長の下でますます発展することを祈るばかりです。


   ● 2月10日(火曜日)●

     一晩明けるごとに日本はおかしな方向に向かっている。

  一晩あけるごとにこの国はおかしな方向に向かって進んでいるような気がします。
  政府は今日、政府開発援助(ODA)大綱を2003年以来約12年ぶりに改定し、「開発協
 力大綱」として閣議決定しました。ODAは開発国に対する重要な国際援助の性格を持っていま
 すが、援助を受けた国が有効に使っているのか疑惑がもたれ、権力者たちの汚職の温床になって
 いるのではないかとの指摘が繰り返されてきました。

  ここ数年、ODAは開発国への予算が減少を続ける中、今回の改定は、安倍晋三首相が掲げる
 「積極的平和主義」を踏まえ、支援出来る対象を従来より広げたのが大きな特徴です。では、ど
 の分野の対象を広げたのか。何とそれは軍事面なのです。そのために新しい大綱では、新たな協
 力を通じて、日本の平和と安全や国際秩序の維持という「国益の確保に貢献する」と初めて明記
 しています。そしてその一環として、非軍事目的に限って他国軍への援助も認めているのです。

  軍隊への援助が初めて可能とされました。形式的には「非軍事」となっていますが、一旦援助
 されてしまったならば、それを受けた国が何に使ったのかをチェックするのは不可能だといわれ
 ています。ということは、「非軍事に限定」という制約は、実質的には絵に描いた餅であり、軍
 事関連援助への隠れ蓑になってしまう恐れが大きいということです。

  これが安倍首相が言うところの「積極的平和主義」の姿です。本質は「積極的平和破戒主義」
 です。安倍首相は、あらゆる面で軍国主義体制ともいえる国の仕組みづくりを、政権の使命とし
 て推進しているのです。平和憲法など、最早この首相の眼中にはないかのような感じです。
  よく見ると首相は「憲法は目障りで仕方がない」という顔をしています。


   ●2月7日(土曜日)●

     『祖国の選択』。戦争で翻弄された人たちの記録。

  つい先日新潮社から発刊された城戸久枝さんの『祖国の選択』-あの戦争の果て、日本と中国
 の挟間で-を読みました。かつての満州や戦後間もない中国で生き抜いた名もなき日本人たちの
 苦闘の記録です。時を越えてこれからもずっと継承されなければならない「歴史と記憶の記録」
 だと思います。筆者は38歳、期待の若手ルポライターです。
  城戸久枝さんは、いわゆる「戦争孤児」を父に持っています。3歳9ヶ月の時に満州のハルピ
 ンでソ連軍の攻撃にあって両親や親戚とはぐれて孤児になり、筆舌に尽くしがたい生活を送った
 後、やさしい中国の養父母に育てられ、文化大革命を日本人として生き抜き、日中国交回復の2
 年前に帰国を果たした城戸幹さんの娘です。中国での父の苦難の足跡を追った『あの戦争から遠
 く離れて』(2007年刊行)は、大宅壮一ノンフェクション賞を受賞しています。

  戦争は如何にむごいものであるか、この本の全編から伝わってきます。「イスラム国」の犠牲
 になった湯川さんや後藤さん、ヨルダン人のパイロットの殺戮映像には目を背けてしまいますが、
 日本の軍国主義者たちが中国をはじめとするアジア各国で行っていた蛮行は、今回の「イスラム
 国」の残虐行為と同質です。こうした日本軍隊による想像を絶する残虐行為が戦争という名の下
 で大規模に、いたるところで日常茶飯事に繰り返されたのでした。

  いまイラクでは、テロリストたちへの反撃という名目でアメリカを中心にした有志連合がミサ
 イル攻撃を繰り返していますが、そのミサイルの先にイラクの一般市民の生活があることを思う
 といたたまれない気持ちになります。

  戦争がもたらす悲惨極まりない実態を少しでも考えるならば、平和憲法を改悪するなどという
 発想は沸いてくるワケがありません。しかし、黙っていると、また、戦前のような「当たり前で
 ないことが当たり前になり、当たり前でないことが当たり前」の世の中になってしまいます。


   ●2月4日(水曜日)●

     安倍首相がついに憲法改正時期について言及。
     「国民投票は来年夏の参院選後が常識だろう」

  安倍首相は4日、官邸で自民党の船田元・憲法改正推進本部長と会談し、憲法改正について初
 めて具体的な時期を明言しました。新聞報道によると船田氏が「議論の進み具合を考えると参院
 選後になるのではないか」と指摘すると、「それが常識だろう」と、既定路線であるかのように
 同意したということです。

  昨年末に行われた衆議院選挙で安倍首相は改憲の是非について国民に説明したのか。全く触れ
 ていなかったにも関わらず、選挙に勝った途端に当然のことのように明確に改憲を言い出したの
 です。狡猾な政治家の常套手段ですが、この男のペテン師ぶりにはあきれ返ってしまいます。昨
 日行われた参院予算委員会でも「わが党はすでに9条改正案を示している。なぜ改正するかとい
 えば国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と述べています。選挙ではこれが支持され
 たのだと言わんばかりです。
  この男は、何かというと「国民の命と暮らしを守る」とか「積極的平和主義」というフレーズ
 を使いたがりますが、これを何度も繰り返していれば、この国のバカな国民は納得すると思って
 いるのでしょうか。

  憲法改正には衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で発議し、国民投票で過半数の賛成が必
 要ですが、とんでもない首相をいただいた政権の下で、来年夏の参院選次第では、改憲がグッと
 現実味を帯びてくることになります。


   ●2月1日(日曜日)●

     ノーベル平和賞候補リストへのノミネートに向けて。

  「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会は、今年12月に発表されるノーベル平和賞受賞
 リストへのノミネートに向け、28日までに衆参両院の国会議員46人と大学教授ら10人、合
 計56人から推薦を得たことを明らかにしました。推薦人には厳しい条件がありますが、実行委
 員会によると、昨年はゼロだった国会議員が今回は名を連ね、推薦人数の総数も現時点で早くも
 昨年の13人を大きく上回っています。  
  今年のノーベル賞委員会への推薦締め切りは今日2月1日。推薦人は28日までに集約された
 56人よりも更に増えるものと思われます。実行委ではこれらの推薦状に加え、少なくとも現在
 までに集まっている48万6千筆超える署名をノーベル賞委員会に報告するそうです。
  東京新聞の報道によると、実行委共同代表の星野恒雄さん(81)は「九条の存在が世界中か
 ら注目され、改憲の動きを食い止めることにつなげたい」と話しています。昨年に引き続き私も
 既にインターネットで署名を済ませました。皆さんもご協力ください。

 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会のネット署名は次にアクセスすると可能です。

   ネット署名   http://chn.ge/1bNX7Hb  http://chn.ge/1dSWvo1
   F   B   https://www.facebook.com/nobelpeace9jou
   ブ ロ グ   http://nobel-peace-prize-for-article-9.blogspot.jp/


      「イスラム国」に拘束の後藤さん、殺害される。

  多くの人たちの願いもむなしく後藤健二さんが殺されました。理不尽なテロリストによる実に
 むごい殺害です。10日余り前に「イスラム国」に拘束されていたことが明らかにされ、ヨルダ
 ンで死刑判決を受けていた女性死刑囚との一対一の交換が提起されていた人質事件は、29日以
 降、膠着状態の様相を呈していましたが、今日未明のインターネット放送で殺害されたと放映さ
 れました。
  世界の耳目を集めていた事件ですが、信じ難い最悪の結末になりました。


   ●1月31日(土曜日)●

     三鷹で市議選に向けた事前活動を応援してきました。

  今年4月の三鷹市議会議員選挙で現職の友人が再選を目指して立候補します。選挙まで3ヶ月
 をきりましたが、三鷹市でも町の至るところに予定候補者のポスターが張り巡らされています。
  今日朝から何かの手伝いをしようと思い、三鷹市役所近くの彼の事務所まで出向きました。

  「イスラム国」の後藤健二さん拘束事件は、通告期限が切れて2日目に入りますが、その後表
 立ったの動きは全くありません。裏でいろいろなやり取りがあるのではないかと想像されますが、
 真偽のほどは分かりません。「イスラム国」に拘束されているヨルダンのパイロットの消息も不
 明のままです。


   作家の河野多恵子さんが29日に亡くなりました。河野さんは、『幼児狩り』で新潮社の同人
 雑誌賞を受賞し、『蟹』で芥川賞を受けました。非日常と日常が交錯する状況の多い作風だと称
 されている作家で、逝去を紹介した記事には「人間の奥底を徹底して見詰め、硬質な文体で作風
 を表現した」と述べられていました。
  谷崎文学賞、野間文芸賞、伊藤整文学賞、川端文学賞など純文学の賞を軒並みに獲得していま
 す。私は今まで河野さんの作品は一冊も読んだことがありませんが、この機会に代表作の一つで
 ある『みいら採り猟奇譚(りょうきたん)』を読んでみたいと思って、四谷図書館に予約したら
 幸運にもすぐに他の区立図書館から取り寄せてくれました。私が依頼した後、希望者が増えたよ
 うで、暫く待たなければ借りることが出来ない状態になっています。亡くなったとの報道後すぐ
 に申し込んで正解でした。


   ●1月30日(金曜日)●

       新社会党新宿総支部、新春のつどいを開催。

  新社会党新宿総支部は1996年4月に結成されて以来、関係者のご参加を得て毎年1月の最
 終金曜日夜に「新春のつどい」(旗びらき)を開催してきました。今年は今日がその日になって
 いますが、生憎、未明から東京には珍しい雪模様の天気になり、開催そのものが危ぶまれる状態
 になりました。しかし、夕方から雪もあがったので、予定通り開催することになりましたが、断
 続的に雨がぱらつく最悪の天候です。
  年配の方などからは、残念ながら参加を見合わせるとの連絡が相次ぎ、実際、参加者数は当初
 想定していた6割程度になってしまいました。
  ただ、今回の会場は新装成ったばかりで雰囲気が良く、また立食ではなくテーブル席にしても
 らったので、それなりに賑わいのある集まりになりました。ほっとしました。
  多くの参加者からは、今の安倍政権に対する批判が相次ぎ、集団的自衛権の行使容認には絶対
 反対し、憲法を守り抜くためにお互いに共同して闘い抜こうという連帯の発言が続きました。

  残念なニュースがありました。今夜のつどいでも中心的な話題になった憲法問題ですが、今日、
 憲法学者の奥平康弘さんが逝去が明らかにされました。26日に心筋梗塞で亡くなったそうです。
 86歳でした。「憲法九条の会」の9人の発起人の一人です。何回も先生の講演を聞く機会があ
 りましたが、改憲の動きに警鐘を鳴らし続ける一貫した姿勢は、私たちにとっては羅針盤のよう
 な存在でした。憲法の行く手が大変厳しくなっているこの大事な時期に、平和憲法を守り抜く陣
 営の指針的な存在の人が、ここでいなくなるということは何とも残念なことです。
  ご冥福をお祈りします。


   ●1月27日(火曜日)●

       「イスラム国」の人質問題。新たな展開に~。

  「イスラム国」に拘束されている後藤健二さんからの新しいメッセージが、今夜遅くインター
 ネット上で放映されました。24時間以内にヨルダンで拘束されている「イスラム国」のリシャ
 ウィェ死刑囚との交換釈放を求めるものです。要求期限を短時間に限定しているところが特徴で
 す。この新たな展開によって、日本とヨルダンを巻き込んだ拘束事件はその様相が大きく変わっ
 てきました。ヨルダンは、自国のパイロットが「イスラム国」に拘束されており、リシャウィェ
 死刑囚との交換の可能性が考えられていたようですが、今回の提案は後藤さんとだけの交換取引
 です。従って、ヨルダンには直接的なメリットがないばかりか多くの自国民が犠牲になったテロ
 リストを日本のために釈放せよとの提案です。表面的に明確になっているだけのことなら、とて
 もヨルダンが飲めるような条件ではありません。こうした中、ヨルダン政府がどう決断するか、
 いま世界が固唾を呑んで見守っている状況です。

  いま国会が開会中ですが今日の衆議院本会場での質疑で明らかになったことがあります。それ
 は日本政府はずっと早い段階から「イスラム国」に邦人1人が拘束され、1人が行方不明になっ
 て事実を掌握し、官邸に情報連絡室、外務省に対策室、ヨルダンには現地対策本部を立ち上げて
 いたという事実です。後藤さんと湯川さんがインターネット上で拘束されたことが明らかになっ
 たのは1月20日のことですが、その約2カ月も前のことになります。こんなに前から政府は対
 応に動いていたのでした。

  そうだとするならば、安倍首相が1月中旬に中東諸国を歴訪し、あの地域一帯に25億ドルの
 支援を約束し、そのうち、2億ドルを「イスラム国」対策に当てるとした例の発表は、時期的に
 見て適切な対応であったのかという疑問が出てきます。
  「イスラム国」を巡る複雑極まる相関関係の中で、日本の首相があの段階であの内容の意思表
 示をしたならば、結果がどうなるか。当然、可能性の一つとして今回の事件の勃発がが推定でき
 た筈ではないかという疑念です。慎重さに欠ける対応ではなかったかという気がします。


  別件です。25日の「日記」で白鵬を賞賛しましたが、今朝、残念なことがありました。
  恒例になっている今朝の大相撲1月場所優勝力士の記者会見で、大記録を打ち立てた横綱白鵬
 が、13日目、稀勢の里と一番に物言いが付き、審判員たちが協議の結果取り直しにしことにつ
 いて、痛切に批判しています。「子どもでも分かる」ような勝負を取り直しされたと鬱憤やるか
 たない態度であり、その高ぶった気持ちはテレビの様子からもよく読み取れました。
  しかし、あの一番は果たして「子どもでも分かる」ような単純な勝負だったでしょうか。
  私はテレビで見ていましたが、実に微妙な勝負でした。攻めていた白鵬に勢いがありましたが、
 土俵に落ちるほとんど同時でした。軍配は攻めていた白鵬にあがりました。しかし、白鵬は負け
 てはいないけれども勝ったとも思いませんでした。「子どもでも分かる」ような勝負ではなく、
 相撲の流れからしても取り直しが一番妥当な選択だと感じました。解説者なども同意見だったと
 思います。
  記者会見での「審判に対する物言い」によって、白鵬に対する批判が高まっているようです。
 批判は当然であり、あの発言は白鵬の思い上がりのような気がします。折角の歴史的な大記録に
 泥を塗ることにならなければいいと思いますが、そにしてもちょっと残念な気がします。


   ●1月25日(日曜日)●

      横綱・白鵬、全勝で偉大な到達点に花を添える。

  大相撲初場所は今日が千秋楽。13日目で早くも優勝を決めていた横綱白鵬は、今日、横綱鶴
 竜を一蹴して全勝で今場所を終えました。昭和の大横綱大鵬の32回の優勝回数を超える新記録
 の33回目の優勝に花を添えました。長い歴史を誇る大相撲界ですが、まさに前人未到の大記録
 です。白鵬が今後どれくらい優勝回数を延ばしていくのか分かりませんが、これは双葉山の69
 連勝と並んでこれからも破られることのない大記録ではないかと思います。

  私は津軽の田舎で育った小さい頃から大相撲が大好きでした。当時は、初代若乃花や栃錦が大
 活躍をしていた時期でしたが、私は同郷の若乃花の大ファンでした。絢爛豪華な土俵上では東富
 士、朝潮、吉葉山、鏡里、千代の山などの多彩な横綱が活躍していた大相撲の良き時代でした。
 テレビはまだなく、ラジオも珍しい時代でしたが、いつも親戚の家で、電波が途切れ途切れにな
 るラジオの実況放送に一喜一憂したものでした。

  大鵬は、1969年5月場所で32回目の優勝を記録しましたが、46年後の今場所、それを
 超える白鵬の大記録をこの目で見ることが出来たことは何といってもうれしい限りです。

  白鵬のよさは、その圧倒的な強さと共に相撲に対する誠実な姿勢にあると思っています。双葉
 山は70連勝がかかっていた土俵で安芸の海に敗れた時、知人への電報で「我れいまだ木鶏たり
 えず」と述べ、その後も精神練磨に努めたといわれていますが、角聖といわれる双葉山や大鵬に
 習い、相撲道を極めたいという白鵬の真摯な態度にはとても好感が持てます。こうした白鵬の姿
 勢は、歴史的な大記録と共に、恐らく後々まで語り継がれることになると思います。

  今日は千秋楽。歴史的な場面をこの目でみることが出来て、とてもいいひと時でした。


   ●1月24日(土曜日)●

      「イスラム国」の人質一人が殺害されたという放映。

  イスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」に人質として捉えられ、2億ドルという法外な
 身代金を要求されていた日本人2人のうち、湯川遥菜(はるな)さんが殺害されたとする映像が
 インターネット上で放映されたようです。夜遅くのことです。真偽のほどは定かではありません
 が、信憑性の高い情報のようです。とても許しがたい暴挙です。ご家族や関係者の心痛はいかば
 かりかと思います。
  イスラム教という有力な宗教の教義を看板の一つに掲げるこうした過激集団の理不尽な要求に
 対して、どういうふうに対応すべきなのか。政府はあらゆるチャンネルを駆使して情報収集に努
 め、解決に向けて可能性を探っているようですが、理屈の上での交渉事ではないので何とも難し
 い問題です。
  残された後藤さんが、無事帰ってくることをひたすら祈るばかりです。


   ●1月22日(木曜日)●

     木地師に関する物語・乙川優三郎著の『脊梁山脈』。

  乙川優三郎の『脊梁山脈』(せきりょうさんみゃく)を読みました。
  乙川の小説はこれまで随分読みましたが、これも強い感銘を受けたすばらしい作品でした。
  2013年に第40回大佛次郎賞を受賞しています。

  時代背景は敗戦後まもない時期。主人公の矢田部信幸(24歳)が敗戦により上海から復員し
 て日本に帰ってきたところから物語は始まります。
  矢田部は、佐世保からふるさとの福島に帰る復員列車で体調を崩し、たまたま一緒だった小椋
 康造の世話になります。ふるさとでの生活が落ち着いてから小椋が残してくれた不確実なメモを
 頼りに、彼を探して信州の一帯の山々を巡ります。その過程で「木地師」と呼ばれる人々のこと
 を知ることになります。

  木地師とは轆轤(ろくろ)を用いて日常生活で使用する木工品を製造する職人のことです。古
 来からこうした職人たちが、木材が調達できる山岳地帯を中心にして近畿から東北に至る各地に
 点在していたいことは、私はこれまで全然知りませんでした。いつかある東北地方の民芸店で木
 工品を見たことがありますが、それが作られるに至った背景については考えても見ませんでした。
  朝鮮からの帰化人たちが深く関わり、その一族は天皇とも関係があったとされる木地師に興味
 を持った矢田部は、木地師と小椋との関連を読み取り、彼を探す傍ら日本の古代史にまで遡って
 その由来を調べ、10年の歳月をかけた調査結果を出版します。小説とはいえ、よくまあ、こん
 なに詳しく調べ上げたものだと驚いてしまいました。帰化人と秦氏、木地師と小椋(あるいは小
 倉・大蔵など)、彼らが住む地域に「畑」(秦)が多いなどの相関関係についての記述は、興味
 が尽きない展開です。門外漢の私にはしかし、通読しただけでは理解しがたい部分が随分ありま
 す。
  この小説では、戦後の困難な生活環境の中で戦争で傷を負った多くの人々が必死に生きる姿だ
 けでなく、木地師という漂白の民に似た職人たちが何世代にもわたって辿ってきた波乱の生き様
 を浮き立たせていますが、特にその記述が日本の古代史へと遡っていく流れは、まさに壮大だと
 しか言いようがありません。特に秦氏や木地師との関連で日本の天皇制の起源まで言及した相当
 長文にわたる部分はあまりにも学術的な研究成果のようで、これが小説家かと錯覚するほどでし
 た。

  矢田部の恋人として、二人の女性が登場します。両親の血を受けて画家を目指しながらも数奇
 な人生を送って、今は飲み屋のオーナーになっている一見快活で大陸的な性格の佳江と、木地師
 の娘の多希子です。多希子は木地師の両親を戦争で亡くし、遠縁の同じ木地師の家に引き取られ
 た薄幸の女性ですが、子どもの頃から好きだった清元節の芸を生かし、けなげにも一人で自立し
 て生きていこうとします。矢田部は、そうした多希子を何かと応援しながらも、無理がたたって
 病に倒れてしまった多希子を気遣い、看病し、そしてこの物語が閉じられる直前に結婚して新た
 な生活をすることになります。
  画業への道を貫き通すために飲み屋をやめ、たった一人で卒然とヨーロッパに旅立った佳江と
 何事にも控えめな多希子の二人は実に対照的な女性ですが、どちらも大変知的であり魅力的です。

  この本では、古代と現代がまるで一冊の中に混在して行き交い、そうした中で矢田部を取り巻
 く人たちの人間模様としての物語が、控えめな表現の下で静謐な雰囲気を失うことなく進んでい
 きます。

  私はこれまで『脊梁山脈』という本の題名に何となく違和感があり、ちょっと敬遠していたた
 めに乙川作品としては随分読むのが遅れてしまいましたが、さわやかで感動的な読後感を持つこ
 とが出来ました。物語では主人公の矢田部は、思いもかけぬ苦労と稀有な体験の末、小椋に会う
 ことになりますが、このことによって矢田部は分水嶺を越え、ようやく彼なりに「戦争」に終止
 符を打つことになったのです。本の題名がなぜ『脊梁山脈』なのかということも分かるような気
 がしました。そのうちにもっと時間をかけて再読したいと思っています。


   ●1月21日(水曜日)●

        新社会党新宿総支部・「新春のつどい」を開催。

  私が委員長を務めている新社会党新宿総支部は、これまで毎年1月最後の金曜日夜に「新春の
 つどい」を開いてきました。今年は1月30日(金)午後6時からの開催になります。
  この集いは結党以来18年間、歌舞伎町にある会場を借りて開いてきましたが、今年は改修中
 のために止む無く近くにある「新宿三平ホール」(新宿区新宿三丁目の新宿サンパーク・三平本
 館7階)に変更になりました。利便性は新宿駅に程近い三平ホールの方がむしろいいと思います
 が、ただ初めて開く会場なので参加者が集まるかどうか心配しています。

  今日、ホールの責任者と当日の打ち合わせをしてきました。この方とは随分昔からの顔なじみ
 です。奥さんが津軽の出身で私の隣町の人です。何でもお願いすることが出来ますし、随分無理
 なことでも快く引き受けてくれます。気になっていたことは全て解消しました。あとは当日参加
 者が一杯集まってくれることだけです。
  参加費は3000円。皆さん、是非、お越しください。


   ●1月19日(月曜日)●

    土俵際ぎりぎりで何とか踏みとどまった感じの民主党。

  民主党の代表選挙が行われ、本命と目されていた岡田克也が選出されました。自民党以上に保
 守的な体質を持った細野豪志が選ばれたなら、いよいよこの党はご臨終だと思っていましたが、
 ぎりぎりのところで何とか踏みとどまった感じです。
  民主党は、憲法や安全保障、原発政策で自民党とはほんのちょっとは違うという以外にはほと
 んど似たり寄ったりの政策を持つ保守政党ですが、そうはいっても自民党安倍政権の暴走を食い
 止めるためには、残念なことですが他に選択肢がありませんから、とりあえずはこの政党に期待
 するしかありません。

  自民党との違いを際立たせるために当面何をすべきでしょうか。
  今年は敗戦70周年。安倍首相はこの歴史的な区切りに「談話」を出すようですが、例によっ
 て積極的平和主義などという虚言を使いながら軍国主義的な方向に傾斜をしていくことを滲ませ
 た内容になることは充分に想定できます。
  従って岡田民主党には、きちんとした歴史認識に基づき、今後の評価に充分耐えうるような民
 主党としての「談話」を、安倍首相に先駆けて明らかにして欲しいものだと思っています。そう
 することが民主党の寄って立つ軸足を明確にし、想定される安倍談話の色彩を少しは弱めること
 にもつながります。

 (蛇足ですが、代表選挙を報じるテレビの画面に時々、辻元清美がニコニコと作り笑いを振り
  まくような所作で何回も出ていました。実に目障りでした)。


   ●1月17日(土曜日)●

        ただ働き法・過労死促進法の成立は絶対に阻止を。

  「残業代ゼロ制度」に向けた改正法案が通常国会に提出される見通しです。管理職を除く労働
 者の労働時間の規制を外す初めての制度です。新制度は、その本質を覆い隠すかのように「高度
 プロフェショナル労働制」と命名されています。
  対象となる労働者は年収1075万以上の専門職。対象業種は主として証券、銀行、情報通信、
 製薬などで、職種としては金融商品の開発や為替取引、アナリストなどが挙げられています。
  現在、給与所得者でこの制度の対象となる労働者は全体の3・9%です。制度の執行に向けて
 た詳細は法案成立後に省令で決められ、働きすぎなどの規制が導入されるということです。
  対象となる労働者について厚生労働省は、労働条件について企業との交渉力があり能力次第で
 転職できる所得者や業種に限定していると説明しています。
  この制度は規制緩和を進める安倍政権の目玉政策の一つであり、産業界はもとより一部の労働
 問題専門家の中にも、対象者が限定的である上に「労働時間と賃金に関係する選択肢が増える」
 「短時間労働で成果があがる方向に動く」「むしろ働きすぎの防止につながる」などとして好意
 的に評価をする見方があります。
  しかし、これらは全く皮相的な評価に過ぎません。「小さく生んで大きく育てる」という言葉
 がありますが、労働者派遣法などの過去の例を見るまでもなく、いったん導入されたならば、対
 象となる年収や業種は加速度的に緩和されます。多くの労働者は馬車馬のように只働きを強いら
 れ、成果を競わされることになるのは火を見るよりも明らかです。新制度の真の目的はまさにそ
 こにこそあるからです。働く者を無権利状態に陥れるような産業界の企みは絶対に認められるべ
 きものではありません。
  新制度は、実態とは程遠い「アベノミクス」という語彙の響きの二番煎じともいえる「高度プ
 ロフェショナル労働制」という意味不明の仮面を被っていますが、要するに典型的な「只働き法」
 「過労死促進法」です。総力を挙げて成立を阻止しなければなりません。


   ●1月16日(金曜日)●

      『太陽の棘』と沖縄・ニシムイの画家たち。

  『太陽の棘』を読みました。美術館関係、とりわけ、絵画をテーマとした小説では根強いファ
 ンを持ち、『楽園のキャンバス』で山本周五郎賞を受賞した原田マハの近著です。前から図書館
 で予約していましたが、ようやく手元に届いたので一挙に読み終えました。

  戦争に敗れて3年程度たった沖縄・那覇郊外が舞台です。米軍から精神科医として沖縄基地に
 派遣され、2年間那覇基地に勤務したS・スタインバーグ博士という24歳の青年の回想として
 描かれています。

  戦慄を極めた沖縄戦で焦土と化した島土はもとより、身も心も打ちのめされた当時の沖縄・那
 覇市の郊外に「ニシムイ」(「西の森」という意味)という美術村があり、若き画家たちが乏し
 い画材を分け合って制作に励んでいました。のちのち沖縄を代表する画家として活躍した安谷屋
 正義(あだにやまさよし)、玉那覇正吉(たまなはせいきち)、山元恵一(やまもとけいいち)、
 名渡山愛順(などやまあいじゅん)、金城安太郎(きんじょうやすたろう、)、大城皓也(おお
 しろこうや)、屋部憲(やぶけん)、具志堅以徳(ぐしけんいとく)、安次嶺金正(あしみねか
 ねまさ)たちです。

  着任間もない若い精神科医はふとしたことからニシムイの画家たちやその家族と交わることに
 なります。絵を趣味とする彼は、画家たちの生活と活動を支援する意気をこめて彼らが制作した
 作品を次々と買い求めて、本国の両親に送っていました。その間おおよそ2年。突然帰国命令が
 出た精神科医は、その後再び画家たちに再会することはありませんでしたが、彼が本国へ送り続
 けた作品群はその後も大切に保管されていたということです。
  この本の表紙は、玉那覇正吉が描いた「S・スタインバーグ博士」で装丁されていますが、ゴ
 ッホを彷彿とさせるようなすばらしい絵です。本物を見たい衝動に駆られます。

  ニシムイの画家たちが描いた作品17点は2009年1月、約60年ぶりに米国から里帰りし
 て沖縄県立博物館・美術館で3月末まで公開展示されました。
  展覧会のカタログの中でスタインバーグ博士は、「私たちは、互いに、出会うなどとは夢にも
 思わなかった」と回想しています。まさに天の采配です。
  私はつい最近まで、ニシムイのことも開催された展示会のことも全然知りませんでした。

   作者の原田マハさんはこう述べています。
  「当時、食べていくのも精一杯というような状況下で、博士とニシムイの画家たちは、アメリ
 カ人と日本人、支配するものとされるものの大きな隔たりを超えて交流をした。それはなぜか。
 両者のあいだには、アートがあったからだ。アートには、国境などない。いかなる言葉も必要な
 い。1枚の絵があれば、それによって心を通わせることができる。それこそが、アートの本質で
 あり、すばらしさなのである」。

  S・スタインバーグ博士は、90歳になる現在も現役の精神科医として第一線にたち、信頼を
 集めているそうです。


   ●1月15日(木曜日)●

      仏の週刊新聞。再度預言者を侮辱した風刺漫画を掲載。

  刺画漫画が売り物の週刊新聞「シャルリー・エブド」の事務所が襲撃され、記者や編集者など
 12人が銃撃された事件は世界に大きなショックを与えました。驚くべき事件でした。

  報道の自由をゆるがせにするこの言論封殺事件は、犯人がパリ郊外で銃殺はされたことにより、
 とりあえず表向きの結末はつきました。しかし、「言論・出版の自由」と「宗教の尊厳・信教の
 自由」を如何に守り抜くかというということでは多くの問題を残しています。

  暴力的な行為で言論や報道を封殺するような行動は論外ですが、自分が信仰する宗教の尊厳に
 深く関する事については守られなければならないと主張する側の立場も実によく分かることです。
 言うまでもなく「自由」は、社会的にそれが許される前提の下において保障されます。人殺しの
 自由がないのと同じです。

  こうした中「シャルリー・エブド」は事件後初の新聞一面で、再度イスラム教の預言者ムハン
 マドを風刺する漫画を載せたそうです。暴力的な脅威には絶対に屈しないという強い意思表示だ
 と思います。
  しかし、早速、イスラム教の信者やイスラム社会からは、自分たちが神と崇める預言者を侮辱
 するものだと反発が出ています。預言者の偶像化を禁止していることも周知のことなので、反発
 するのは当然のことです。

  双方の主張にはそれぞれ理があります。従って、どのように整理すればいいのか単純なことで
 はありませんが、私はこう思っています。

  報道の自由は最大限遵守されるべきですが、このことを絶対化して現に膨大な信者が世界中に
 存在し、その影響力も極めて多大な有力宗教の「神」に対して、これをあえて風刺する漫画を掲
 載することが社会的にどういう必然的な意義があるのかということです。
  イスラム教の信者によるテロが横行しているにしろ、信教とテロは同一視するような課題では
 ありません。当たり前ですが全く別次元の問題です。テロを理由にして預言者を風刺する行為は、
 報道の自由との関連においても社会的に無条件に是認されることではありません。

  民主主義社会で認められるべきさまざまな「自由」の概念は、当たり前のことですが、いつ、
 どんな場合でも認められ、許されている訳ではなく、思想や風土が違う多様な社会との相対的な
 関係を前提とし、その前提や制約の中ではじめて存在するということです。

  今度の問題で言うならば、イスラム社会が大反発している今の時期に再度、風刺漫画を掲載し
 た「シャルリー・エブド」の姿勢は、この新聞が持つ特徴は出せているのかもしれませんが、そ
 もそもどういうこのことに説全的で積極的な意味合いがあるのか。預言者を風刺することは信者
 を風刺することに繋がりますが、そうした重大なことを、今、どうしてもやらなければならない
 ことなのか、などということを考えると、新聞社の行為はどうも自己本位に陥っているキライが
 あり、適切さを欠くのではないか。このように私は思っています。


   ●1月13日(火曜日)●

       定期健診で東京女子医大と御徒町の耳鼻咽喉科へ。

  午前、定期健診のために東京女子医大病院へ。血圧の状況や血糖値などを診てもらいました。
 大体、これまでと大きな変化はなしの状態でした。
  終了後、連れ合いと共に新宿三丁目の末広亭近くで以前から開業している定食屋さんで昼食。
 現職の頃、よく行っていた店です。ご主人は朴訥な人ですが、実に丁寧に料理を作っている感じ
 で、なじみのお客さんのみんなから好感を持たれる気がします。
  この辺では珍しくなってしまいましたが、魚を中心にした店です。その時期の焼き魚とか煮付
 けの定食があって、昼時はいつも混んでいます。私は以前からこの店のニシン定食が好物ですが、
 火曜日はニシンがメニューの一つに必ず載っています。今日はちょっと遅く行ったために売り切
 れでしたが、店の女将さんは私がニシン好きだということを知っていて「今日は生憎ですねぇ」
 などと言っていました。

  午後は、御徒町近くの耳鼻咽喉科医院に行きました。Bスポット治療をしている医院です。つ
 い先日まで、武蔵小山駅の医院に通っていましたが、どうも思わしくないので昨年末から同じよ
 うな治療をしているこの医院に変わりました。都内でBスポット治療をしている医院はごく限ら
 れていますが、こちらの治療の方が私には合っています。

  夜は新社会党新宿総支部の執行委員会。1月30日(金)夜に開く「新春のつどい」などにつ
 いて相談しました。終了後、みんなで簡単な新年会。


   ●1月11日(日曜日)●

       「国民は知る必要なし」の特別秘密保護法は、~ 。

  いただいた年賀状の整理をしました。改めて一枚一枚き丁寧に読み返してみました。昨日、城
 山三郎の『落日燃ゆ』について述べましたが、ある方からの年賀状に著者の城山三郎について触
 れている一文がありました。

  城山三郎は2001年、個人情報保護法案について「権力者は醜いことを隠すために、まずこ
 の法律を通そうとしている」として猛反対した、ということです。安倍政権下で悪用されようと
 している「特別秘密保護法」を見据えての見識だと思います。

  既にこの悪法は発効されています。政府は9日、この法律に基づき昨年末時点で10の行政機
 関が382事項を特定秘密に指定したと公表しました。意外に少ないと思う人もいるかもしれま
 せんが実態は逆です。一つの項目の中に何十、何百もの件数の文書や画像が含まれている場合が
 あり、その中身としての文書全体の件数は明らかになっていません。しかも、ここはいかにも役
 所らしいところですが、事項の分け方は行政機関の判断に委ねられており、特定秘密がどの程度
 の規模、種類で指定されているのか、私たち国民にはちっとやそっとでは分らない仕組みになっ
 ているのです。

  マスコミの報じるところによると、例えば、外務省が今回指定した35事項の一つに「北方領
 土に関する情報」があります。正式な事項名は「日ロ平和条約交渉に関する情報のうち、北方領
 土問題に関する外国政府との交渉もしくは協力の方針もしくは内容または収集した情報、その収
 集整理もしくは能力」というものです。
  この中に、長期間にわたる外交交渉の膨大な件数の特定秘密がひとくくりにされています。国
 家安全保障会議(NSC)については、2013年と2014年に28回開催された「議論の結
 論」を、まとめて一つの事項として指定されています。たった一つの事項です。
  このように事項件数と秘密件数の実態は余りにもかけ離れていて、私たち部外者には想像すら
 できません。役所の思う通りの「魑魅魍魎」(ちみもうりょう)の世界です。

  382事項のうち、防衛省は最多の247事項を指定しています。247事項の文書件数は、
 法施行前の「防衛秘密」として公表されたものと同じようですが、その実際の中身は約4万5千
 件程度とみられています。ただ、実態は全く不明です。今後指定が進めば、文書件数の総数は数
 十万件に上る可能性があります。都合の悪いこと、国民に知らせたくないこと、自分たちの類が
 及ぶかも知れないこと、などは全部秘密になってしまいそうです。

  要するにこの「特別秘密保護法」なる法律は、城山三郎が指摘したように「権力者が醜いこと
 国民の目から覆い隠すための法律」そのものなのです。

  言うまでもなく、こんな悪法は廃案にするしか選択の余地はありません。


   ●1月10日(土曜日)●

     正月に読んだ本の一つ、『落日燃ゆ』について。

   正月休みに何冊かの本を読みました。その中の一つは城山三郎の代表作である『落日燃ゆ』
 です。40年位前に出版され毎日出版文化賞・吉川英治文学賞を受賞した評判の本です。若い頃
 に読んだことがある本ですが、全く初めて読むような気がしました。

  東京裁判でA級戦犯として絞首刑を宣告されたのは七人ですが、その中で唯一非軍人(文官)
 であった元総理、外相広田弘毅の生涯を描いたたものです。広田はもともとは外交官ですが、太
 平洋戦争前、日本が中国大陸に侵略していった当時、第32代の総理大臣を務めています。在任
 期間は1936年3月9日から1937年2月2日の一年弱でした。

  信念に沿って戦争回避のために渾身的な努力をしながらも、当時絶対的な権力を持っていた軍
 部の妨害と圧力にあって自らが描く政治を実現できなかった広田弘毅。敗戦後、その軍人たちと
 共に処刑されるという運命を辿ったのは歴史の皮肉としかいいようがありません。

  ただ、広田の生き様は、そうした理不尽さに従容とし、他の被告たちの言い分も全てを受け入
 れ、裁判では一切弁解をしなかったことです。広田が東京裁判で少しでも自らを弁明していたな
 らば、絞首刑などにはならなかったというのが大方の見方です。

  あの狂気の時代に広田のような外交官・政治家がこの国いたことを思うと少しは救われる気が
 します。


   ●1月9日(金曜日)●

       沖縄軽視の安倍政権。辺野古基地問題で緊急集会。

  安倍政権による沖縄の民意に対する軽視の姿勢が際立っています。政府は8日、自民党沖縄振
 興調査会に対し2015年度の沖縄振興予算を減額する方針を説明し、今年度の3501億円か
 ら1割前後減らす方向だということです。
  しかも、予算要望のため上京した翁長雄志沖縄県知事との面会を閣僚が拒否するというえげつ
 ない対応が続いています。ただ、こうした異常さにこそ「地方創生」を内閣の最重要課題のひと
 つに掲げている安倍内閣の本心がよ
  安倍く示されています。国のいうままになる地方を作ることこそ
 が彼らの「地方創生」なのです。
  琉球新報によると、実に沖縄軽視の安倍内閣に対して県民のと怒りが広がっているということ
 です。当然のことだと思います。
  こうした中、次のような「緊急集会」が開催されることになっています。

   ●名 称 辺野古新基地建設断念を求める県議会議員団東京行動報告集会
   ●日 時 1月15日(木) 18:00開場 18:30開始
   ●会 場 連合会館・2階大会議室(東京都千代田区神田駿河台3-2-11)
   ●参加費 無料
   ●主 催 止めよう辺野古新基地建設実行委員会(次の団体で構成)
         県選出野党国会議員、県議会(社民護憲ネット会派、県民ネット会派、
         共産会派、社大会派、うまんちゅ会派)、平和運動センター、統一連、
          平和市民連絡会、ヘリ基地反対協。

               
( アピール文 )

   沖縄県では昨年11月16日の知事選挙で、辺野古新基地建設反対を掲げた翁長雄志候補が
  現職の仲井真弘知事を約10万票差で破り歴史的な勝利をおさめまし た。
    それを受けて、沖縄県議会は昨年の12月24日に、「県民の民意を尊重し、辺野古新基地
    建断念を求める意見書、決議」を賛成多数で可決しました。
   昨年一年間の4回の選挙で、沖縄県民の辺野古新基地建設に反対するこれ以上ない明確
  な民意が示されました。
   しかし、安倍政権は「辺野古への移設は粛々と進める」として、沖縄県民の民意を踏み
  にじり、辺野古新基地建設を強行しようとしています。
   このような中で、1月15日、16日に県議会代表団は、決議を持って日米両政府(官邸、
  外務省、防衛省、米国大使館)に辺野古新基地建設の断念を求める東京行動を行います。
  沖縄からの訴えを受け止めて、首都圏から辺野古新基地建設を許さない大きな闘いをつく
  りあげていくために多くの皆さんの参加を呼びかけます。


   ●1月8日(木曜日)●

      びっくりするほどお粗末な大阪府教育委員会。

  大阪府の教育委員会が外部に公開している英語教材の中に、橋下徹大阪市長の仕事ぶりをアピ
 ールするような表現の英文があったことが毎日新聞で報道されています。

  指摘を受けた部分は、中学1年の英語で習う「三人称単数現在形」を学ぶ問題ですが、
  「My name is Toru Hashimoto. I work hard for people in Osaka.」
   (私の名前は橋下徹です。大阪府民のために一生懸命働いています)という英文を、
 「橋下徹」を主語にして書き換えさせる問題で、解答は
  「Toru Hashimoto works hard for people in Osaka.」
   (橋下徹は大阪府民のために一生懸命働いています)。

  大阪府教委によると、当該部分は、橋下氏が府知事時代に指導主事らが作成し、以来ずっと公
 開され続けていたようです。橋下氏自身は作成に関与していないといわれています。
  府教委の担当者は「不適切だった。きちんとチェックすべきだった」と話しているそうです。
   外部から「政治的中立性の観点から問題だ」と指摘を受け、府教委は6日から当該の教材を公
 開中止にしたそうです。今頃になって、です。
  びっくりするほどお粗末な話です。これが「府教委のアタマの程度か」と呆れてしまいます。
 外部から指摘されるまで、府教委の誰もが不適切だと思わなかったようですが、こんな教育委員
 会の実態だから、首長サイドから理不尽な不要論が出てくるのです。

  他の自治体の教育委員会は、よもやこんなにひどいとは思いませんが、いずれにしても教育の
 あり方をめぐって非常に微妙な状況になっているので、全国の教育委員会は矜持を持ってかから
 なければ施政者の道具に化してしまいます。


   ●1月6日(火曜日)●

       上野松坂屋で「現代書道二十人展」を見ました。

  招待券をいただいていたので「現代書道二十人展」を見に行ってきました。毎年年始早々に上
 野松坂屋で開かれている著名な書道作品の展示会です。今年は第59回になります。案内状には
 「伝統に命を吹き込む至高の書展」と書かれていました。
  私は「書の見方」は全くといい程分りません。書聖と称され後世の書人に絶大な影響を与えた
 といわれている王羲之の書を見ても、特別に深い感銘を受けることもありません。ただ、最近は
 描かれた文字に何となく書き手の奥深い心情のような何かを感じるようになりました。

  二十人展のメンバーの一人で四谷の須賀町に住んでいる星弘道先生は、「書の文字は書き手の
 人格そのものの表現」という意味合いのことを、展示作品の中で書かれていますが、まさにその
 通 りだと思います。
  以前と違って最近は、多くの文字は機械で打ち込まれ、単なる伝達の手段に形骸化されている
 キライがありますが、機械文字からは書き手の気持ちはなかなか伝わりにくい傾向があります。
  バソコンなどの文字は、それはそれで書き手の第一義的な目的を達成するものにはなっていま
 すが、せめて私的な手紙くらいはペン持ち、この手で書かなければならないと感じます。年賀状
 も似たようなものだと思いますが、そう思ってはいながらも私自身は今年も住所氏名も年賀の文
 章も全てバソコン頼りになってしまいました。直したいものだと、今は感じています。


 ※ 今年もいろいろな方々から年賀状をいただきました。元気で過ごしているという消息とか、
   子どもたちや孫たちの情報に接するとほのぼのと心が安らぐ気分ちになり、「平和」を感
   じます。
   今年の年賀状で特に目に付いたのは、その「平和」を脅かすことになる今の政治状況に対
   する危機感です。集団的自衛権や特別秘密保護法などの目の前の課題と共に、憲法擁護へ
   の思いについては多くの賀状で触れられていた気がします。

 ※ 2日から4日まで2泊3日で、次男夫婦と共に山梨の温泉に行ってきました。本を読んだ
   りテレビで箱根駅伝を見たりする以外はホテルの中で何もしないでぼっと過ごしました。


   ●1月3日(土曜日)●

    世界平和度指数・8位の日本。しかし、年々下落傾向。

  「世界平和度指数」(Global Peace Index)というのがあります。イギリスのエコノミスト紙
 が実施しています。「社会の安全性」「国内・国際紛争の程度」「軍事化レベル」の三つを大き
 なテーマとする244項目について分析しているもので、2014年度は、162カ国を対象に
 各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化しています。

  2014年度の上位20カ国は次の通りでした。

      1位 アイスランド    2位 デンマーク    3位 オーストリア
    4位 ニュージーランド  5位 スイス      6位 フィンランド
    7位 カナダ       8位 日本          9位 ベルギー
   10位 ノルウェー    11位 スウェーデン   12位 チェコ
   13位 アイルランド   14位 スロベニア   15位 オーストラリア
   16位 ブータン     17位 ドイツ     18位 ポルトガル
   19位 スロバキア    20位 オランダ

  韓国は52位、中国は108位です。アメリカは101位になっています。
  一方、下位の10カ国は次のようになっています。最下位162位のシリアです。 

  153位 北朝鮮     154位 パキスタン  155位 コンゴ(旧ザイール)
  156位 中央アフリカ  157位 スーダン   158位 ソマリア
  159位 イラク     160位 南スーダン  161位 アフガニスタン
  162位 シリア

  日本は8位ですから、上位にランクされていると思います。日本が評価されるにあたって、平
 和憲法が貢献している割合は甚大なものがあります。現憲法は、今更言うまでも無いことですが
 私たちが世界に誇りうるまさに最大の財産です。
  ただ、ここ数年で特徴的なのは、日本の順位は年々下落傾向にあることです。過去の資料を見
 てみると、日本のランクは10年3位、11年3位、12年5位、13年6位でした。今後も憲
 法をないがしろにする安倍内閣が続くと、15年度は更に下っていくような気がします。

  この「世界平和度指数」は、可能な限り客観性を確保するための対応を採っているようですが、
 見方によって評価の違いがあります。「○○○よりも、なぜわが国の評価が低いのだ」という類
 のクレームがランク低かったり下がったりした国の政治家たちから主催者に寄せられているとい
 うことです。しかし、平和を考えるひとつの世界的な指標として持つ意味合いは大きなものがあ
 ると思います。
  今年は、完成を力を合わせて「世界平和度指数」の日本のランクがこれ以上下がることのない
 ような社会にしたいものだと思っています。


  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



          ● 2015年1月1日(木曜日)●

      あけまして おめでとう ございます。
        今年も どうぞ よろしくお願いします。
     ――――――――――――――――――――――
           私 の 年 賀 状


               (私がごく限られた人たちに発送した今年の年賀状の文章です)

 ● 改築中だったマンションがようやく完成。昨年三月、二年半ぶりに以前の場所へ移転。
   長男・啓史が亡くなって二年余り、昨秋、家族だけで三回忌を済ませました。次男・耕史
   夫妻は多忙ながらも都内で元気に過ごし、長女・潤子はイギリス留学から帰宅、九月から
   外務省の外郭団体である国際交流機関に勤務しています。
   私たちは夫婦は、以前の目まぐるしい生活に比較すると最近は変化のない単調な日々を送
    っていますが、二人とも好みの作家の作品だけは良く読んで、元気に過ごしています。

 ●  「アベノミガッテ解散」による総選挙は、自民党の圧勝に終わりました。安倍首相はこの
   選挙結果を「何もかも白紙委任された」と都合よく捉え、早くも改憲に言及するなど、暴
   走気味です。他国の戦争に加担する集団的自衛権の行使容認、武器輸出輪三原則の廃棄、
   原発再稼動の促進、特別秘密保護法の執行などで今年は社会状況が急激に悪転していくこ
   とは目に見えています。
   行き着く先は、最大標的の「憲法改悪」です。改憲策動が具体的な政治日程にのぽるこれ
    からが、平和な社会を創るための正念場です。


    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――










       《 2014年 》




   ●12月31日(水曜日)●

    低所得者層冷遇、富裕層には甘ァい税制改正大綱。

  自民、公明両党は30日、2015年度与党税制改正大綱を決定しました。一口で述べるなら
 ば、儲かっている大企業や富裕層は優遇し、中小零細企業や低所得者には厳しく、という中身で
 す。自民党や安倍内閣の基本的な性格がよく現れています。
  例えば企業の法人実効税率は15年度から段階的に引き下げ、また贈与税の非課税制度を大幅
 に拡充するなど、金があり余っている高齢者の資産を若い世代に移す際の贈与税を大胆に軽くす
 るなどですが、高額所得者、富裕層を優遇する姿勢が目立っています。
  株式などへの投資で得た利益に対する所得税を軽くするNISAについては、子供版の「ジュ
 ニアNISA」を新設し、子どもや孫名義の投資を年80万円までの運用益に課税しないとして
 います。カネの流通を促進する目的があるようですが、子どもや孫にまとまったお金を贈る余裕
 のない大半の高齢者にとっては、全く利用価値がありません。これは子ども騙しのごとき政策で
 あり、経済活動上はメリットがありません。

  要するに今回自民公明がまとめた税制改正大綱の基本的な考え方は、「強い者は支援するから
 もっと強くなれ、弱い者は(悔しかったら)強くなれ」と言っているのです。


   ●12月29日(月曜日)●

     今年の10大ニュース。私が挙げたい上位三つ。
     ①集団的自衛権行使容認、②特別秘密保護法、③原発再稼動の動き。

  今年も大詰めです。各種のマスコミは恒例ともいえる「今年の10大ニュース」の類の報道を
 しています。ある世論調査会社では、次のような10項目を挙げて投票を募っていました。

  ① 御嶽山噴火で死者57人、行方不明者6人、② 消費税8%スタート、
  ③ ノーベル物理学賞に青色IEDを開発した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏、
  ④ 全米テニスで錦織圭が準優勝、⑤「アベノミクス」の評価を問う衆院選、
  ⑥ 広島市北部の土砂災害で74人が死亡、⑦ STAP細胞論文に改ざんなど不正、
  ⑧ ソチ五輪で日本金1、銀4、銅3、⑨ 世界文化遺産に富岡製糸場、⑩ 高倉健さん死去。

  これらはいずれも多くの人たちの関心を呼んだ出来事ですが、PCの投票数の上位は、①、⑦
 ②、③の順になっているようです。この中から私がもし三つ選ぶならば、⑤・②・⑥or①にな
 ります。また、これ以外の項目を含めて選ぶなら、私が挙げたい上位三つは、次の通りです。

  ① 違憲の集団自衛権行使容認を閣議決定、
  ② 特別秘密保護法施行、
  ③ 川内原発など原発再稼動を容認するの動き強まる。

  もうすぐ新しい年になりますが、果たして憲法や原発に関する動きがどのように進展していく
 のか、ウルトラ右翼の安倍内閣の下ではとんでもない展開になるだろうとは思いますが、とにか
 く大いに気になるところです。


   ●12月27日(土曜日)●

    山本太郎参議、野合して「政党助成金第一の党」へ。

  今年も実質的な社会活動は、昨日でおしまいです。今日からは年末年始の休暇に入ります。
   思えば、今年もたいしていいこともありませんでしたが、最後になってまた後味の悪いニュー
 スが新聞の速報で報じられています。

  山本太郎参議院議員が生活の党に入党したという報道です。新聞は「先の衆院選で政党要件を
 失った生活の党は26日、新たに無所属の山本太郎参院議員を加えて5人になった」。「同党は
 総務省に政治資金規正法に基づく政治団体の届け出を行った」。これにより「国会議員5人以上
 の政党要件を満たしたので、来年の政党交付金を受け取ることができるようになった」と発信し
 ています。党の正式名称は「生活の党と山本太郎となかまたち」だそうです。

  山本太郎については、新社会都本部が昨年、自主的に支援する形で選挙戦を支援しました。私
 は、川田龍平がひよって改憲政党に行ってしまった苦い前例もあったので、知人・友人に山本の
 支持を依頼するなどは、とても出来ませんでした。
  案の定、一年半後、懸念した通りのことが起こってしまいました。原発以外にこれといってた
 いした思想性があるようには思えない山本太郎は、政党助成金をちらつかせた老練の小沢一郎に
 取り込まれてしまったようです。また、一人の政治家?がカネにまつわって変態を見せたことに
 なり、とても残念な気がします。

  党名は「生活の党と山本太郎となかまたち」だそうです。そもそも「なかまたち」がいるのか
 どうかですが、いるとすればその人たちが合意した結果、このような選択になったのかというこ
 とです。人を小ばかにしたような名前をつけてカネ目当ての野合を正当化している魂胆が見え見
 えです。

  私は、どうせなら「生活の党と山本太郎となかまたち、それより何より、政党助成金第一の党」
 にでもした方が、有権者にも野合の実態が分かりやすかったのではないかと思います。


   ●12月26日(金曜日)●

    非正規2千万人以上。これがアベノミクスの実態。

  今日総務省が発表した11月の労働力調査によると、非正規労働者数は前年の同月に比べると
 48万人も増えて2012万人になったということです。非正規労働者は年々急速に増え続けて
 いますが、2千万人の大台を超えるのは初めてです。経営者の論理にあったこうした雇用形態の
 拡大こそが「アベノミクス」の実態をよく表しています。
  働く方々の全体に占める非正規労働者数の割合も38.0%に達しています。内訳は、パート
 が11万人増の967万人、アルバイトが10万人減の414万人、派遣社員が19万人増の1
 35万人、契約社員が11万人増の289万人、嘱託が12万人増の124万人、その他は6万
 人増の84万人です。増加数、増加率とも派遣社員が最大となっています。男女別では、男性が
 6万人増の56万人、女性が13万人増の79万人となっており、女性の派遣社員が増えていま
 す。
  また、男性については嘱託の伸びが特徴的です。男性が10万人増の80万人なのに対して女
 性は2万人増の44万人となっており、定年退職後の再雇用を中心に、シニアの男性らが現職時
 よりはるかに安い賃金で、大きな戦力になっていることが示されています。
   働く方々の労働条件や権利などは年々「砂上の楼閣」的な脆弱な状態に追い込まれています。
 雇用する側は、パートとかアルバイトとか派遣という非正規や嘱託という雇用形態をとることに
 よって人件費を限りなく安上がりにしているのです。働く者たちを出来るだけ低賃金でこき使い、
 都合が悪くなったらお払い箱にできるのが「立派な経営者」と称えられる社会に突き進んでいる
 のですから呆れ返ってしまいます。

  大企業のオコボレが、いずれ中小零細企業にも滴り落ちるというのがアベノミクスの「三本の
 矢」のひとつですが、こうした労働者の諸権利をないがしろにするオコボレ政策が日本の長期的
 な経済の活性化につながるワケがありません。


   ●12月25日(木曜日)●

      扁桃腺のためカゼ声で発熱。集会参加は断念。

  二日ほど前から咽喉の中の右奥が痛くなり、気になったので昨日、行きつけの耳鼻科に行って
 きました。医者はチラッと見ただけで治療してくれたのかくれなかったのか、分からない間に薬
 だけをもらって返されてしまいました。扁桃腺だと言ったような気がしますが、はっきりしませ
 ん。いずれにしても医者の反応からすると「たいしたことはない」という雰囲気です。何のため
 に病院に行った心もとない限りです。昨夕から少々発熱もしています。
  今朝起きたら、咽喉の奥が引っ付くような感じで、声も出にくくなりました。今日はひたすら
 ウガイすることに務めました。

  今夜は6時から新宿地区労センター主催の「脱原発集会」と「新宿駅西口一周のデモ行進」に
 参加する予定でしたが、大事をとって不参加にしました。残念。


     『露の玉垣』。新発田藩の実録に基づいた物語。

  最近、乙川優三郎の作品を読んでいます。『生きる』で直木賞を受賞した作家です。昨日から
 今日にかけて、『露の玉垣』を読みました。越後の新発田藩で起こった出来事の物語です。全て
 実在した人物を通して家臣の運命と過酷な武家社会の実像を描き出した8篇の連作短編集です。

  この藩は徳川治世下の外様大名では唯一国替えを免れています。特産物は米ですが、広大な土
 地と水に恵まれながらも信濃川、阿賀野川などの大河や潟地、湿地帯が多いために度々過酷な水
 害に見舞われ、武士も食うに困る程で藩士も農民も常に貧困に喘ぎ続けた「貧乏藩」です。

  本書は、そんな藩を支えてきた名もない家臣たちの姿を描いた物語ですが、その基になってい
 るのは、家老役を勤めた溝口半兵衛長裕が1786年に書き始めた「世臣譜」です。
  この家系譜物語は、それぞれの家臣の人間像にまで言及した計19巻10冊にも及ぶ書物だそ
 うです。乙川優三郎が、これを保存していた溝口半兵衛長裕のご子孫から見せてもらい、史実に
 基づいて書き上げた作品群が『露の玉垣』です。

  「世臣譜」には、「露の玉垣」という外題がつけられていたようです。各篇に登場するどの藩
 士もみんな実在の人物ですが、そんな彼らの物語だからこそ、継いだ家と家族を地道に守り、そ
 して実直に藩を支え続けた姿に、何とも言えぬしみじみとした感動を覚えます。

  武士としての矜持を求められながらも、貧乏藩のために農民以上に泥まみれになり、命がけの
 日々を送らざるを得なかった武士社会の辛苦が行間ににじみ出ている作品です。そうした祖先の
 呻吟の上に多くの人々の今の生活が成り立っていることを思うと、殊更に味わい深いものがあり
 ます。

  本書を構成する8つの作品は次の通りです。乙路・新しい命・きのう玉蔭・晩秋・静かな川・
 異人の家・宿敵・遠い松原。私はこの中でも特に「きのうの玉蔭」「宿敵」「遠い松原」が印象
 に残りました。「宿敵」は格別に秀逸な一篇でした。

  これまでにこの作家の作品はほぼ全て読んでいます。『露の玉垣』の他に、あえて印象に残っ
 た三篇を挙げるならば『霧の橋』『かずら野』『冬の標』になるのかなぁと思います。



   ●12月24日(水曜日)●

     大惨事?安部内閣発足。早速改憲について発言。

  今日特別国会が召集され、第三次安部内閣が発足しました。早速、選挙では全く触れなかった
 憲法問題について発言し、改憲への意欲を語っています。このオトコの本心です。
  余談ですが、「第三次」の転換で「大惨事」が出てきたのでびっくりしました。なるほどと納
 得する気分にはなりました。

  沖縄県の4小選挙区で当選した4人も連れだって登院しました。特徴的な場面でした。いずれ
 も米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画に反対を訴え、自民党前職を破っ
 ての当選した一区・赤嶺政賢(共産)、二区・照屋寛徳(社民)、三区・玉城デニー(生活)、
 四区・仲里利信(無所属)の四人です。今日も、辺野古への基地移設に反対することを日米両政
 府に訴えていく決意を改めて主張し、「『オール沖縄』、国会に到着!」と声を上げています。
  最年長で77歳になる仲里利信氏は「『オール沖縄』で辺野古新基地を造らせない。4人が先
 頭に立って県民の声を国会に届ける」と語っています。

  一方、小選挙区で沖縄県民から「ノー」を突きつけられて敗退した自民党の四人、すなわち国
 場幸之助(一区)、宮崎正久(二区)、比嘉奈津美(三区)、西銘恒三郎(四区)はいずれも復
 活当選をしています。維新の会の下地幹郎(一区)も復活当選しているので、沖縄では立候補し
 た全員が当選するという珍事が起こっています。当選した4人よりも、一旦は落選し、奇妙な選
 挙制度に救われたた5人の方が「多数」なのです。

  仮定の話です。「ある日、沖縄選出の9人の議員で基地問題について議論し、総理大臣に要望
 書を提出することにしました」。議論百出、最後は多数決で決着をつけることになり、その結果、
 「辺野古への移転計画は推進すべきと決定」。民主主義の一つの特徴は徹底的に議論した上、最
 後は多数決で決定し、全てがそれに従うこと。「かくして沖縄の民意は、県民の代表として選ば
 れた衆議院議員により、移転計画推進との意向が総理大臣に伝えられた」。

  何ともおかしな選挙制度です。折角有権者の方々が「国政を任せられない」として信任しなか
 った人が、制度的な欠陥によって国政に関与することになるのです。一体、有権者の意思はどこ
 に行ってしまうのでしょうか。今の選挙制度はとても国民の意向を正しく映し出す仕組みではあ
 りません。

  尚、今回の選挙で有権者が比例区で投じた得票を議席に割り振ると次のようになります。

   自民党・157議席(実際の獲得議席=291議席)(134議席も盗り過ぎ)
   民主党・ 87議席(実際の獲得議席= 73議席)( 14議席が不足)
   維 新・ 75議席(実際の獲得議席= 41議席)( 34議席が不足)
   公明党・ 65議席(実際の獲得議席= 35議席)( 30議席が不足)
   共産党・ 54議席(実際の獲得議席= 21議席)( 33議席が不足)
   その他・ 37議席(実際の獲得議席= 14議席)( 23議席が不足)

  自民党がいかにアブク議席・バブル議席を盗っているのか、一目瞭然です。自民党が他党の議
 席を掠め取って、勝った、勝った、と言っているのです。民主主義の根幹に関わる国政選挙がこ
 んな有様であるに関わらず、これを抜本的正そうとする議論すら起こらないのですからこの国に
 は明るい未来何んぞあるのかと思わざるを得ません。


   ●12月23日(火曜日)●

     今年の漢字は「税」ですが、「虚」という投書も。

  年末の恒例行事の一つになっていますが、今年の世相を漢字一字で表すと「税」ということで
 す。一週間も前に清水寺の住職が墨黒々と揮毫して披露していますが、今日の朝日新聞には「自
 分として『虚』だな」という投書が掲載されていました。人それぞれですからどんな漢字でもい
 いと思いますが、「税」よりは「虚」の方がしっくりします。
  私だったら何になるか考えてみました。怒、違、破、欺、裏 ~ などなど、ちょっと考えただ
 けですが、安部首相の政治姿勢に関連する言葉だけが浮かんできて、うんざりです。こうした思
 いは、今後もどうやら暫くは続きそうなので暗澹とした気分になります。転換が必要です。来年
 の漢字が「転」にでもなるように、一日も早く国民の真の意思がくみ上げられるような政治を創
 り出さなければなければなりません。

  ところでキューバとアメリカの国交回復へ動きは大きなニュースになっていますが、来年早々
 からのこれに関連する動きは世界の関心を集めるものと思います。
  私たち新社会党とキューバ政府は以前から友好関係にあります。大会には、必ずキューバ政府
 の代表が来賓として出席します。こうした関係もあって私の友人たちは、これまでに随分キュー
 バを訪問をしていますが、私はまだそうした機会がありません。キューバと近接する軍隊放棄の
 国・コスタリカは、そのうちに是非、訪問したい国です。



   ●12月21日(月曜日)●

     世界を驚かせたキューバとアメリカの国交交渉。

  キューバとアメリカが「国交正常化交渉」を始めることになったというニュースは、世界の注
 目と関心を集めています。今年最大のニュースのひとつと言っていいかもしれません。

  カストロやゲバラを中心にした若き青年革命家たちが、当時の腐敗しきったバチスタ政権を打
 ち倒したのが1959年1月1日。以来56年にわたって独自の歴史を刻んできたキューバはこ
 れからどうなるのか?

  ラウル・カストロ国家評議会議長20日、キューバ国会で演説し「両国関係の障害はなくなっ
 た」としてオバマ大統領にエールをおくった上で、「社会主義体制を変えるつもりはない」と明
 言しています。
  アメリカの鼻の先で社会主義体制を維持してきたキューバは、福祉関係、とりわけ医療面で大
 変先進的な体制を作っていますが、経済面では未だに配給制度に頼らざるを得ず、国民生活は厳
 しい状態にあるといわれています。

  今度の歴史的な国交正常化交渉とその結果としての両国関係の改善によって、こうした厳しい
 状態がどのように変わっていくのか、大いに注目したいところです。


  キューバの話題で私が何よりも先に思い浮かべるのは「キューバ・ミサイル危機」です。19
 62年10月14日から28日までの14日間の歴史的な出来事でした。当時、私は津軽の田舎
 から東京に出てきて大学受験の準備をしていた最中でした。米ソでは、ケネディ大統領とフルシ
 チ首相がリーダーを勤めていた時で、まさしく「東西冷戦」そのものと言っていい時代でした。
  この時、米ソ間は核戦争寸前にまで達しました。多くの生命が瞬時に失われる可能性がこれほ
 どまでに高まったことはありません。この危機は、まさに全ての人間の生存にかかわる未曾有の
 事件であり、この14日の間に匹敵する状況は、今後も歴史上存在はしないだろうと言われてい
 ます。
  もしあの時、実際に核戦争が起こっていたらどうなったか。1億人以上のアメリカ人、1億人
 以上のソ連人、数億人のヨ-ロッパ、アジア、その他の地域の人々が死んだであろうといわれて
 います。
   この破局が起こり得たかも知れない可能性について、後日、ケネディー大統領は「3分の1か
 ら2分の1の間と予測した」と語っていたそうですが、そんなことを思うと今もってぞっとする
 戦慄が走ります。


   ●12月19日(金曜日)●

       いつもよりは早めに年賀状を作り始めました。

  毎年ぎりぎりになってからあわてて作っている年賀状ですが、今年はちょっとだけ早めにとい
 うことで今日から作成作業に入りました。ただ、現職を引退してからは差し出す枚数も随分減ら
 しているので、以前のように大作業になることもありません。

  私が区議会議員に当選した当初の頃の何年間かは、今のように有権者に年賀状を出すことが禁
 じられていなかったので、「議会報告」も兼ねながら毎年、3、4千枚の年賀状を差し出したも
 のでした。しかも、当時は宛名は全て手書きにするしかなかったので、年賀状=大変な作業=苦
 痛、という感じでした。郵便代も15万円から20万円もかかり大変な負担でした。

  そんな昔のことを考えると300枚程度で済ませている今は、年賀状づくりと言っても全く気
 楽なものです。


  ●12月18日(木曜日)●

     魯迅の『狂人日記』『阿Q正伝』を読みました。

  数十年間ぶりに魯迅の代表作のひとつである『阿Q正伝』『狂人日記』とを読みました。すぐ
 に読み終えることが出来る短編なので、若い頃は何度も読んだ記憶がありますが、久し振りに読
 んでみると、二つの作品とも新鮮でやはり味わい深いものがあります。

  『阿Q正伝』は、中国の高校教科書にも採用されている作品なので、中国国民の多くが知って
 いる小説だといわれています。無知な農民である架空の阿Qを主人公とし、権威には無抵抗です
 が、弱者には結構厳しく、また、現実の惨めさは口先で糊塗して思考で逆転させるという能力を
 持つ阿Qの滑稽さを描き出している作品です。しかし、最後には無能力さ故に殺されてしまうこ
 とになります。
  当時の中国社会の病巣を痛烈に告発した魯迅の傑作として評価されていますが、こうした時代
 背景を考えると読んだ時の印象も随分違ってきます。


  ●12月16日(火曜日)●

       この総選挙では「憲法改正まで委ねていない」

  総選挙で圧勝した自民党は引き続き連立を組む公明党と「政権合意文書」なるものをまとめま
 した。それによると憲法については「憲法調査会の審議を促進し、憲法改正に向けた議論を進め
 る」として改憲を強く滲ませ、憲法違反の集団自衛権の行使容認については「閣議決定に基づい
 て安全保障関連法案を速やかに成立させる」としています。ウルトラ右翼の安部政権にのめり込
 む「エセ平和の党・公明党」を巻き込んだこの改憲内閣は、早くも衣の下から鎧をチラつかせつ
 つあります。

  今日の朝日新聞に「憲法改正まで委ねていない」というある主婦の投書が掲載されています。
 おおむね次のような指摘です。

   「衆院選の結果、安部政権の継続が決まりました。早速、首相は憲法改正へ意欲を表明し
    ました。でも、ちょっと待って下さい。首相は選挙期間中、改憲については触れてなかっ
    たではないですか。終わったとたんに持論を持ち出すのは国民を欺くことではないでしょ
     「世界の歴史は、国民が政治家の言葉にごまかされ、真相の分からないまま戦争に突入し
    たことを教えています。私たちはその教訓をまなび、政治家の言葉を聞き分けなければな
    りません」
   「安部首相は、改憲が悲願ならば、正々堂々と持論を国民に問いかけるべきです」
   「安部自民党は勝利しましたが、多くの国民は憲法改正まで委ねたわけではありません」

  この主婦の方の述べる通りだと思います。

  しかし、保守系の政治家は選挙の時に「票」にならないこと、国民に知られたくないことや都
 合の悪いことは、どれ程重要なことでも言わない、というのがこれまでの常套手段でした。
  彼らは今までも、選挙の時には何にも触れないくせに勝ったとたん自分たちの政策が支持され
 たと言い続け、「国民から選ばれたのだから」と強弁して国民がの望んでもいないことをやって
 きたのです。最近の事例では、集団自衛権の行使容認は合憲だと強引に押し切っていることに端
 的に示されています。こうした手法は、ペテン師まがいの暴挙・暴走だと私は思っています。
  沖縄返還交渉では、政府・官僚は国民にも国会にもウソをいい続け、事実が明らかになった今
 でも頬被りをしています。
  古い話になりますが、先の戦争でも政府や軍部は毎日のように日本軍は「連戦連勝」し、輝か
 しい戦績をあげ続けていると報道しました。真っ赤なウソを言いふらして、国民をミスリードし
 たのです。

  過去の歴史が教える通り、真に国民の立場にたとうとしない権力者は、こうした類のことを平
 気でやってきたし、これからも彼らはやり続けます。国民をだますなんてたやすいことだと思っ
 ているのかも知れません。こうしたことを考えると、今問われているは「政治家の質」であると
 共に、国民がよって立っている「民主主義のレベル」そのものではないかと思っています。

  何度も何度も騙される私たちの方にも、経験に学ぼうとしないでくだす判断ミスや情勢分析の
 不足があるです。市民のレベル以上の「アタマ」を望むことはできません。

  いつの場合でも、私たちは、私たちの今と将来にとって何が大切なのか、権力者の本心はどこ
 にあるのか、何が最善の選択なのかを読み取らなければならないと思います。
  今度の選挙でも同様です。目先の些事に惑わされていると、悪徳政治家の思いがままの政治に、
 私たち自身が加担し、しかもそれを推進する立場にたってしまうことになってしまいます。


  ●12月14日(日曜日)●

     恐ろしい選挙結果になった。国民は安部政権に
    憲法改悪・原発再稼動などを白紙委任した状態に~。


  事前の予想通り「アベノミガッテ」選挙は自民党が圧勝、有権者は自公に3分の2以上の議席
 を与えるという信じ難い選挙結果になりました。

  勝利をおさめた安部首相は早速、憲法改定論議の促進について言及しています。

  この選挙結果によって安部首相は、他国の戦争に加担する集団的自衛権の行使と関連の安全保
 障法制の制定は国民から支持された、原発再稼動促進も国民から支持された、消費税の10%値
 上げも支持された、俺のやろうとしていることはみんなみんな国民から支持されたと突っ走って
 いくことでしょう。有権者は、何はともあれ、「それで結構」というお墨付きを与えたのですか
 ら、私は悪夢を見ている感じで気分が悪くなってしまいました。


  ●12月10日(水曜日)●

   「カネを出しているのだから自民党の言うことを聞け」

  滋賀県の前知事でびわこ成蹊スポーツ大(大津市)の嘉田由紀子学長が、衆院選で民主党の候
 補者を支援していることに対し、自民党滋賀県連が「教育の政治的中立を大きく損なう」と抗議
 する文書を同大学の運営法人に送りつけたということです。
  自民県連は8日付で学校法人の理事長に宛てた文書で、多額の税金から私学振興の補助金が出
 ているとした上で「特定の政党、候補を応援するのは公平中立であるべき学長のとるべき姿とは
 考えられない」と批判し、制裁をほのめかしつつ圧力をかけています。そして「政権与党として
 も大きな危惧を抱かざるを得ない」と露骨な脅かしをかけています。「政権与党として~」だそ
 うです。

  私は一瞬、「ここは公立学校かな?」と考えましたが、紛れもなく私立です。言うまでもなく
 教職員は「公務員」ではありません。従って、政治や政党からこのような干渉を受けるいわれは
 全くないのです。

  抗議を受けた学校法人側は10日に自民党同県連の幹事長宛てに反論の文書を送り、「勤務時
 間外に、個人の立場で憲法に保障される思想・信条の自由に基づく行動まで制限されるものでな
 い」と説明したそうです。ごく当たり前の主張です。また学校側は、自民党参院議員も私立大学
 の法人理事長を兼務していた例があると指摘したとも報じられています。

  与野党問わず、国会議員が私立学校の経営に携わっているケースは、全然珍しいことではなく
 以前から随分ありました。私が若かった頃、自民党副総裁の川島正二郎という大物政治家が東洋
 大学の総長か学長をやっていました。裏舞台での駆け引きにたけた政治家でした。教育界とは無
 縁と思われるこの人が、何で大学の責任者なのだろうと、当時大変不思議に思ったものでした。
 東海大学の創設者である松前正義は長い間、社会党の国会議員でしたし、息子も大学の経営に参
 画し、同様に社会党の国会議員をつとめました。
  古くは早稲田大学創設者の大隈重信が総理大臣をつとめた政治家であったことは、多くの人が
 知っていることです。これらは枚挙に暇のない事例です。

  こうした私学の関係者が政治的な言動をしてはならないという自民党県連の主張は、何の根拠
 もなく、権力をかさにきた単なる嫌がらせ以外の何物でもありません。思慮に欠ける個人のたわ
 ごとならとにかく、政権政党の重要な組織としての言動ですから、呆れてしまいます。

  自民党の多数の奢りがよく現れている事例です。こんなことに目くじらを立てる暇があったら
 日本は政教分離を国是のひとつとしている国なのだから、「宗教団体が政治に介入するな」とい
 うべきでしょう。巨大な宗教団体は、莫大の固定資産税や関連する税が免除されているのです。
 本来、支払うべき巨大宗教団体のこうした税金は、スズメの涙ほどの私学助成金の比でない事は
 周知のことです。しかも宗教団体の政治への関与の方が、憲法そのものに抵触するだけにより重
 要で深刻な問題であることは自明です。

  どうも自民党県連の考えは「カネをあげているのだから自民党に逆らうな。俺たちの言うこと
 を聞け」ということのようです。カネが絶対の自民党の幹部の考えそうな陳腐な発想です。社会
 に対する正常な認識を持つ者とは程遠い言い分です。

  今回の愚挙は、これまでずっと続いてきた「地方自治体は、交付金を与えているのだから国の
 指令に従え」という化石のようなこの党の姿勢が、いまだに健全であるという事を如実に物語っ
 ている何よりの証左です。

  こんな発想しか出来ない勢力が、もうすぐ投票の選挙で勝利をかち取ると予測されるなんて、
 とてもとても信じ難いことです。


  ●12月9日(火曜日)●

      今日は「漱石忌」です。雑司が谷霊園に墓参。

  夏目漱石は今でも日本で一番人気のある文豪と言っていいと思います。漱石は、明治になる直
 前の慶応3年2月9日に新宿・牛込の名主の家で生まれました。よく知られているように松山、
 熊本などで教鞭をとり、主に都内各地で執筆活動を続けました。この間、ロンドンにも留学した
 り、療養のために鎌倉など滞在したことがあります。ただ、人生最後の10年間は、生まれた地
 に程近い早稲田南町に帰り、「漱石山房」で今も読み継がれている数々の名作を発表しました。
 そこで僅か50歳弱の生涯を終えました。今からに98年前の1916年12月9日のことです。
  今日は漱石の命日、すなわち「漱石忌」です。

  漱石は雑司が谷霊園で眠っています。漱石の墓参りにはもう10回程度は行ったことがありま
 す。今日は、時々通院している病院からそんなに遠くないところに霊園があり、命日ということ
 でもあるので、午後、久し振りに墓参に行ってきました。私が行った時は誰もいませんでしたが、
 墓は綺麗に掃き清められ、幾つもの花が添えられいました。独特に形作られた漱石の墓碑一帯に
 は線香の匂いも漂っていました。

  再来年は「漱石没後100年」の記念すべき年になります。


  ●12月8日(月曜日)●

        「平和憲法を生かす新宿の会」、再出発へ。

   今夜、新社会党新宿総支部の今年最後の執行委員会が開催されました。国政選挙、自治体選挙
 などについて対策を協議し、議論しましたが、最近活動が停滞気味になっている「平和憲法を生
 かす新宿の会」の活性化についても話し合いました。来年早々から体制を一新し、活動・組織の
 再構築を図ることで合意しました。
  終了後は事務所近くの四谷駅前の新道通りの居酒屋で忘年会を行いました。


  ●12月7日(日曜日)●

       伝統のラグビー早明定期戦は早稲田が勝利。

  今日、ラグビーの関東大学対抗戦の最終戦が行われ、伝統の「早明戦」は早稲田が37対24
 で明治に勝利しました。今日は日中外出していたので、スポーツニュースなどで結果が分からな
 いようにして、帰宅してからビデオで観戦しました。

  今年で90回目を迎えた「早明戦」は、恒例の会場である国立競技場の改修のため、場所を秩
 父宮ラグビー場に移して行われました。試合は前半、明治がトライなどで先制、早稲田も素早い
 展開から2つのトライを奪って逆転し、前半は早稲田が18対10とリード。後半、早稲田は肩
 のけがから復帰した日本代表の藤田慶和選手を起点とした攻撃でリードを広げますが、明治も6
 点差まで追い上げ、更に明治は25分すぎ、早稲田ゴールの前でスクラムのチャンスを迎えます
 が、これを早稲田が必死の押し返してピンチをしのぎました。
  早稲田はこのあと2つのトライを追加して突き放しましたが、最後のロスタイムに明治が伝統
 のスクラムで得点をあげたのはさすがでした。結果は37対24で早稲田の勝利。通算の対戦成
 績は早稲田の52勝36敗2引き分けとなりました。

  今日で関東大学対抗戦はこれですべての日程が終了しましたが、1位・帝京大、2位・早稲田、
 3位・明治、4位・慶応、5位・筑波大という結果になりました。今年も帝京大の牙城は崩せま
 せんでした。上位5校が14日からの全国大学選手権に出場します。


 今日、「科学的社会主義研究会」の定期総会が都内で開催されました。選挙期間中ですが、こ
 の日程は相当以前に設定されていて関係者に周知されていたことなので予定通り実施されました。
 出席したのは主に関東一帯の同志の人たちです。最初に日本における社会主義運動の歴史につい
 て学習し、その後、今後の組織のあり方などについて真摯な議論を交わしました。

  伝統ある「社会主義協会」は、現在、一応二つの組織が存在していますが、ここ数年の動きを
 見ていると、二つの組織ともとても社会主義を志向している団体のようには見えません。このこ
 とは、いま行われている総選挙に対する対応を見ても良く分かります。共産党嫌いに凝り固まっ
 ており、もともと社会主義政党ではない社民党一辺倒です。のめり込んでいる状態です。
  今日は、こうしたことが議論の中心になりましたが、日本において、理論・行動の両面で本来
 の社会主義を目指す組織の結成が急務です。


  ●12月4日(木曜日)●

      新聞各社、自民圧勝の序盤予想。不可解?。

  驚きました。今日の朝刊で朝日、毎日、読売新聞などのマスコミ各社の「議席獲得予想」が発
 表になりましたが、いずれも「自民圧勝、野党大苦戦」です。序盤戦での予想なので今後どう変
 化するか分かりませんが、それにしても全く「予想外」の「予報」です。

  私には、何がこのような自民党の支持に結びついているのかわかりません。野党が「だらしな
 い」というのは、その通りだ思いますが、積極的な選択ではないとか消去法的な選択であったと
 しても、「戦争をする国を志向する政権」「大衆に犠牲を強いる政権」である安部首相とそれを
 進める自民党に何故、このような状態で支持が集まっていくのか。そもそも利己主義的な「アベ
 ノミガッテ解散」に対して、市民が怒りの気持ちを持つことがないのか、全く不可解なことです。


  ●12月3日(水曜日)●

      はやぶさ2、期待を載せて宇宙の旅に出発。

  小惑星探査機「はやぶさ2」が今日午後、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、
 約1時間47分後に予定の軌道で切り離されました。世界中の多くの人たちが注目していた打ち
 上げは成功しました。
  約52億キロにもおよぶ宇宙の旅に挑む「はやぶさ2」は、小惑星「1999JU3」で石を
 採取した後、東京オリンピックが開かれる2020年に地球に帰ってくる予定です。
  私には、このような世界は想像もつかず、何がなんだか全然分かりませんが、何ともわくわく
 した気持ちにはなります。「はやぶさ2」が目的とした小惑星の物質を採取して、およそ6年後
 に、無事、帰還することを祈っています。


  ●12月2日(火曜日)●

      選挙戦開始、この選挙の最大の目標は ~。

  衆議院選挙が公示になりました。安部首相が「長期政権」を目指し、自らの保身のために仕掛
 けた私利私欲のための選挙です。首相は「アベノミクスの評価を問う選挙」と都合のいい位置づ
 けをしていますが、彼が進めてきたこの経済・財政政策は「強い者はより強く、弱い者はますま
 す弱く」してきたことから明白なように、基本的に間違っています。株などで大もうけをしてい
 るごくごく一部の「強い者」の視点で見ると、好ましい状態かもしれませんが、弱者が差し伸べ
 る手を払いのけるような今の政治は、根本的に間違っています。

  失政の経済・財政問題に加え、今回の選挙の重要な争点は、集団的自衛権の行使容認や武器輸
 出三原則撤廃問題、秘密保護法制定問題、原発再稼動推進問題など、この国の将来に強くかかわ
 る重要課題で一杯です。心して選択しなければなりません。

  安部首相は、アベノミクスという漠然とした情緒的な言葉で成功を歌い上げ、他の争点は隠し
 続ける選挙をしたいことは明々白々ですが、こうしたことがそのまま通るはずがありません。い
 くら人のいい、諦めやすく忘れやすい、長い物に巻かれやすい日本人でも、見え透いた安部の意
 図くらいは分かります。

  これまでバラバラだった野党が、この選挙で完全に自民・公明に対抗しうる共闘を構築しきれ
 ていないことは残念ですが、それなりの調整は進んだと思います。どうしようもない野党もあり
 ますが、ここは違いを競うのではなく、真の敵を見据えて力を合わた闘いをすべきです。

  とにかくこの選挙の最大の目標は、自民・公明の議席をひとつでも多く減らすこと、弱者を切
 り捨て、戦争への道を突き進む勢力からなりふり構わずに議席をもぎ取ることです。


  ●11月30日(日曜日)●

    吹雪ている津軽の友人からりんごが届きました。

  ふるさとの友人から今年もまた名産のりんごが送られてきました。王林とフジです。うれしい
 限りです。早速お礼の電話をしましたが、津軽は昨日から雪が降り、いまは吹雪の状態で一面荒
 れ模様ということでした。雪一色の季節です。私のところではまだ暖房も必要なしという状態な
 のに、地球規模で見るとわずか数ミリの距離でこのように違うのですから、あらためて驚いてし
 まいます。

  そういえば、「はやぶさ2」の打ち上げが迫っていますが、この衛星が目指す小惑星に到達す
 るということは、日本からブラジルに向かってボールをなげ、そこにいるてんとう虫に当てる位
 の悠遠なことなのだそうです。
  宇宙研究の進化やそれを推進する科学の世界は、東京と津軽の天候の違いくらいに驚いている
 ような状態ではないようです。


  ●11月29日(土曜日)●

    自民党のマスコミへの圧力に早くも屈服する動き。

  自民党がNHKと在京民放テレビ局に出した「選挙報道の公平中立」などを求める要望書が批
 判を浴び、話題になっています。こうした政権党からのあからさまな圧力は「異例のもの」で、
 私から見ると番組の編集権に対する権力の介入そのものです。

  こうした中、早速影響が出ています。各党議員と政治家以外のパネリスト数人が討論するとい
 う構成であった討論番組『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系/11月29日放送)が、放送日
 直前に議員のみの出演に変更されていたことが明らかとなりました。
  出演予定者だった評論家の荻上チキ氏によれば、放送日2日前の27日に番組スタッフから電
 話があり、「ゲストの質問によっては中立・公平性を担保できなくなるかもしれない」との理由
 で議員のみの出演に変えると伝えられたということです。
  新聞報道によると、荻上さんが番組スタッフに「誰かが何か言ってきたりしたんですか?」と
 確認したところ、「局の方針と番組制作側の方針が一致しなかったため」ということでしたが、
 「番組スタッフも戸惑っていた」模様です。自民党の圧力が早くもテレビ局の番組制作に影響を
 与えている様子がうかがえます。

  自民党がこの種の圧力をかけるのは全く論外ですが、しかし、マスコミがそれに従うような動
 きをとるのは、本当に残念です。私は次のようなことをFacebookに書きました。

  「マスコミが時の権力に迎合するようでは存在価値がない。あらゆる番組の報道姿勢から「批
 判的精神」を抜き取ったら何が残るのか。健全な民主主義社会にあるまじき自民党の「要望書」
 を批判することこそマスコミの持つべき最低限の「矜持」というものだろう。自民党の思う通り
 の流れになっている。彼らの醜い笑い顔が見える気がする」。


  ●11月28日(金曜日)●

     マスコミに異常な圧力。わが物顔の自民党。

  自民党がNHKと在京民放テレビ局に対し、選挙報道の公平中立などを求める「要望書」を渡
 していたことが明らかになりました。街頭インタビューの集め方など、番組の構成について細か
 に注意を求める内容です。政権党がこうした異常な行動をとることに戦慄を覚えます。

  要望書は、解散前日の20日付になっており、萩生田・自民党筆頭副幹事長、福井照・報道局
 長の両衆院議員の連名だそうです。
  それによると、「出演者の発言回数や時間」「ゲスト出演者の選定」「テーマ選び」「街頭イ
 ンタビューや資料映像の使い方」など詳細にわたる4項目について、「公平中立、公正」を要望
 するというものです。
  街頭インタビューをめぐっては今月18日、民放の報道番組に出演した安倍晋三首相が、アベ
 ノミクスへの市民の厳しい意見が相次いだ映像が流れたことについて、「これ全然、声が反映さ
 れてません。おかしいじゃありませんか」と不快感を示しています。市民が日常生活における当
 たり前の感覚を述べているのにに対して、「おかしい」と怒るのですから変な総理大臣です。

  また要望書では、「過去にはあるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、大きな
 社会問題になった事例も現実にあった」とも記し、各局の報道姿勢を強くけん制しています。

  信じ難い暴挙です。このようなマスコミへの圧力は、最近、「朝日新聞バッシング」に端的に
 示されているようにいろいろな局面で顕著になってきていますが、健全な民主主義社会ではあり
 えないことです。しかも政権党がこのようなことをしたのですから、驚きです。暴挙以外のなに
 ものでもありません。まさに「わが物顔の自民党!」「血迷っているのか自民党!」です。

  毎日新聞によると、服部孝章・立教大教授(メディア法)は次のようにコメントしています。
  「放送法の文言をひいて公平中立を求めているが、実態はテレビ局への恫喝(どうかつ)だ。
 しかも、以前のテレビ局の報道を「偏向報道」と批判している。アベノミクスに批判的な識者を
 出演させないよう予防線を張っているともとれ、(自民党の)焦りも感じる。政権担当者は批判
 されるのが当たり前なのに、自分たちの都合のよい報道を求めるのは危険な行為だ」。


  ●11月27日(木曜日)●

      義兄が逝去、葬儀で京都に行ってきました。

  京都の伏見に住んでいる義姉の夫が亡くなったので、妻と一緒に葬儀に行って日が変わる遅い
 時間に帰ってきました。自宅近くの病院で長い間、闘病生活を送っていましたが、最後まで、意
 識ははっきりしていたようです。三連休で東京近辺の職場から見舞いに行っていた長男と会話を
 交わし、彼が帰路の電車に乗った頃に体調が急変したということでした。
  昨年の秋に私たちが見舞いに行った時は、思っていたよりもずっと元気で、そのうちに退院で
 きるのではないかとも話していしたくらいでした。多趣味の人という印象が強く残っています。
  家族葬でしたが、心温まる見送りでした。


  ●11月23日(日曜日)●

     神宮外苑の「銀杏祭り」、ラグビー早慶戦。

  いま、神宮外苑では「いちょう祭り」が行われています。全国各地の名物料理が会場一杯に並
 んで大賑わいです。昨年の「Bー1グランプリ」で優勝した八戸の「せんべい汁」の店もありま
 した。私が三年間の高校時代を過ごした場所です。祭りは12月9日までです。
  有名な「銀杏並木」は、まだ色づいたばかりですが、これから一日ごとに風景が変わって、一、
 二週間もすると美しい黄金色一色になる筈です。

  銀杏並木に隣接している秩父宮ラグビー場では、今日、伝統の早慶戦が行われています。私は
 家に帰ってからテレビで観戦しましたが、先行したにもかかわらず最後は追いつかれて引き分け
 に終わりました。これで今年も帝京大学の優勝が決まりました。
  ここ数年、早稲田のラグビーはかつても面影を失っていて、大変残念です。


  ●11月21日(金曜日)●

     橋下市長が国政に転進? 何とも奇妙なお方。

  衆議院が解散になりました。政治の現状に大いに不満があったとしても、いま国民の多くが国
 会の解散を望んでいる状態ではありません。まさに長期政権を睨んだ安部首相の身勝手な目論見
 みによる解散であり、国政の私物化そのものです。
  このような解散権の乱用は、制度的には是認さていたとしても、安易にはやらないところにそ
 の国の民主主義の成熟度の高まりがあると思いますが、日本はまだまだその段階には達していな
 いことを総理大臣が率先して示している気がします。

  国会の解散によって不可解な動きが出ています。大阪の橋下市長と松井知事が職をなげうって
 選挙に立候補するのだそうです。「大阪の都制度構想」で公明党が約束違反をしたから、カタキ
 を打つのが目的のようです。公明党に裏切られた無念な気持ちは分かりますが、こうした「裏切
 り」を見通せなかった見識のなさを、まず恥じるべきです。
  自らの反省もなく、短脈的な言動を繰り返すこのオトコは、なんとも奇妙なお方です。


  ●11月19日(水曜日)●

      「パラスとケンタロウス」を見てきました。

  上野方面に行く用事があったので、ちょっと足を延ばして東京都美術館を見学してきました。
 美術館では現在、「ウフィツィ美術館展」が開催中です。「ウフィツィ美術館展」という催しの
 名称は、規模や内容からして余りにも誇張されているようにも感じますが、主催者としては入館
 者を増やすためにこのようなことにこだわるのかも知れません。

  今日は第三月曜日ですが、毎月一回、これに該当する日の入館料は、「シルバーデー」といっ
 て65歳以上は無料で入館できます。このような制度があることについて今まで知りませんでし
 たが、先日、知人から教えられ、機会があったら是非、利用したいと思っていました。

  会場は、高齢者を中心にそれなりに混みあっていましたが、予想していた程でもありませんで
 した。日本の場合、人気のある美術館の催しは、「頭越しに絵を遠望する」状態が結構あります
 が、今日はそれなりにゆっくり鑑賞することが出来ました。

  今回の目玉作品はボッテイチェリーの「パラスとケンタロウス」やギルランダイオの「聖ヤコ
 ブス、聖スティファヌス、聖ペテロ」などです。これらの作品はいずれも以前、ウフィツィ美術
 館で見たことがあります。中学生になったばかりの娘と一緒にイタリアを周遊した時ですが、も
 うかれこれ14年余りも前のことになります。


  ●11月18日(火曜日)●

     長期政権を睨み、自己保身のために衆院解散。

  衆議院が21日に解散されることになりました。表向きは「消費税率引き上げの延期の是非を
 国民に問う」ですが実際は「支持率が高い間に解散し、長期政権を目指す」です。安部首相の権
 力にいつまでもすがり着いていたいという目論見みは明々白々です。こうした個人的な欲望のた
 めに、解散権を乱用されたのでは、国政はめちゃくちゃです。
  解散になってしまったからには、この権力亡者の目論見みを転覆させる結果を、私たちが出す
 以外にありません。


  ●11月16日(日曜日)●

     沖縄県民の意思は明確。辺野古基地NO!

  米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設を最大の争点にした沖縄県
 知事選は16日投開票され、辺野古移設に反対する前那覇市長、翁長雄志(おなが・たけし)氏
 (64)が当選を確実にしました。沖縄県民の意思が実に明確に示された選挙でした。
  ここ数年は、政治の実態に対して不満ばかりが募っていますが、久しぶりに「バンザイ」でも
 叫びたい気持ちです。同時に行われた沖縄市長選挙も、対立の保守候補の倍以上も得票し、圧勝
 でした。痛快な結果の選挙でした。

  安部政権の幹部たちは早速、「従来の方針に変更はない」などと強弁していますが、この内閣
 の大きな看板のひとつである「地方創生」が、いかにインチキでありまがい物であるか、自ら露
 呈する状態に陥っています。
  要するに政府の考えは、沖縄県民の気持ちなどはどうでもいいのです。


  ●11月15日(土曜日)●

     相続問題、財産が少ないとより問題化する?

  相続に関するいさかいの発生と財産の多寡の関係ですが、相続問題は財産が多いと起こるので
 はなく、財産が少ないところにより多く発生するといわれています。
  これは統計上からも真実のようです。何となく分かる気がします。

  私には、相続税がかかるような「財産」はありませんが、ただ、来年から「課税水準」が大幅
 に切り下げられて、都内に不動産を持っている人(特に都心部)の相当数に課税に対象者になる
 だろうとも言われています。その推定が正しいかどうかは分かりませんが、私にとっても全然無
 関係な問題ではなくなりつつあります。

  今日、朝日新聞社の主催で「相続問題」の講演会が新宿西口の高層ビルの一角で開催されたの
 で参加しました。200人以上の定数の会場でしたが、満員でした。やはり、税法の改正を目前
 にして市民の関心は高いようです。
  税理士やコンサルタントなどの専門的な話でした。大体予想していた内容であり、私にとって
 は深刻に考えなければならないような課題でないことははっきりしましたが、それだけでも大い
 に参考にはなりました。


  ●11月13日(木曜日)●

   本心を言わず、自己保身のため解散に走る安部内閣。

  国会解散が現実味を帯びています。もう避けられないだろうという見方が有力で、各党はいっ
 せい準備を急いでいます。
  解散の理由は、消費税率の引き上げをに一年半延ばすことにするために、そのための信を国民
 に問う、ということだそうです。いかにも安部首相らしい国民を軽視した理由です。よく知られ
 ているように消費税率を10パーセントにする時期については、内閣が判断できることは法律で
 決まっています。これ自体は問題ですが、しかし、節操のない民主党も賛成して法律できめられ
 ているのです。従って一年半延期することは、言うならば「内閣の専決事項」になっているので
 す。こうしたことは、国政を一ヶ月以上も空白にする解散理由にはなりません。

  「集団自衛権の行使容認」という憲法違反を、国民の判断を仰ぐことなくのうのうとやっての
 けるような首相が、よくまあ、こんなことを解散理由にするものだとあきれ返ります。
  要するに、私たち国民は軽くみられているのです。真の解散理由は、いま解散したほうが自分
 たちに有利だと思うからです。安部内閣を長期政権にしようという意図が明々白々です。
  本心を言わないで別のことを繰り返し述べつらうのは、よく政治家の使う手です。「アベノミ
 クスは大いに成果を挙げた」という事を何度も言っていると、事実を知らない国民はなんとなく
 そう思うのと同じです。

  ただ、もはや解散は避けられそうもなさそうですから、そうだとするならば、私たちを軽く見
 ている安部首相の一族郎党に、投票によって鉄槌を加えてやるしかありません。


 ●11月12日(火曜日)●

   「白玉の歯にしみとおる秋の夜の酒は静かに飲む~」

  友人から「鍋をつつきながら一杯やろう!」と誘われていたので、お邪魔しました。彼のとこ
 ろで飲む酒は、どういうわけかとても美味しいし、鍋も格別の味がします。彼は、酒好きだった
 若山牧水に傾倒しているようで、「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒は静かに飲むべかりけり 」
 という有名な歌をよく口にします。

  同門の先輩ですが、私とはほとんど同じ年代です。私と違って話題が豊富で、いままで随分い
 ろいろな事を聞いてきましたが、今夜も全く違う出来事を披露してくれました。とてもいい時間
 を過ごすことが出来ました。
  いい気分だったので、帰りは乗り物に乗らずに約30分かけて早稲田大学近くから歩いて自宅ま
 で帰りました。


  ●11月10日(月曜日)●

    新宿区長選は、保守系の吉住健一候補が当選。

  昨日行われた新宿区長選挙は、自民・公明推薦の保守系候補・吉住健一候補が3万9千票余り
 を獲得し、当選しました。予想通りの結果です。ただ、対立候補の共産推薦の岸まつえが2万4
 千票余りを獲得し、大善戦でした。前回の対立候補の1万1千票に比べると2倍以上の得票を得
 たことになります。投票率は25㌫で前回とほぼ同じです。

  私たち新社会党は、党としては力量の関係があって岸候補を推薦しませんでしたが、私は個人
 的に岸候補の推薦人に名前を連ね、選挙公報にも推薦人3人のうちの一人として大きく報道され
 ました。少しは役に立ったのかなぁと思っています。

  現職の中山弘子区長はもうすぐ12年の任期を終えて退職します。中山区長は、私とは多くの
 政策面で同じような姿勢だったように思います。新宿区政に大きな足跡を残した首長でした。大
 変お疲れ様でした。


> ●11月9日(日曜日)●

     啓史の友人たちが墓参し、「偲ぶ会」を催行。

  午後、啓史の親しい友人が訪ねてきてくれました。一人は医療関係の仕事をしていますが、海
 外にもよく出張するなど、随分多忙な毎日を送っているようです。つい先日入籍したばかりとい
 うことですので、まさしく新婚ほやほやです。新婦は啓史もよく知っている人だそうです。彼と
 会うのはほぼ一年ぶりですが、この間のつもる話をすることが出来ました。

  一時間ほど遅れて、もう一人の友人が来訪しました。彼は若手の医者です。現在は都立病院に
 勤務しています。今日は仕事の関係で遅くなってしまったということでした。啓史が初めて選挙
 に立候補することになった際、事前ポスターを500枚くらい地域のいたるところに張りめぐら
 しましたが、そのポスターに啓史と共に「弁士」として掲載したのが、彼です。弁士二人ともと
 ても好感の持てる顔をしているので、結構、評判になったポスターで、何枚も剥がされて持って
 いかれたことがありました。四年前のことになります。

  啓史が亡くなった際に、私たちは啓史の交友関係はほとんど知らなかったために、友人関係の
 段取りは全てと言っていいくらい二人にしてもらいました。

  啓史は、今日来宅してくれた二人と日常的に切磋琢磨しあうことによって自らを鼓舞していた
 ところがありましたが、とにかくすばらしい能力や可能性を持った二人の友人です。

  今日は、夕方、友人たち16人が啓史の菩提寺の東長寺(新宿区四谷四丁目)に集まり、揃っ
 てって墓参した後、生前何回もみんなで飲み会をした新宿二丁目の居酒屋で「偲ぶ会」をすると
 いうことでした。啓史は本当にいい友だちを持ったものでした。


 ●11月7日(金曜日)●

    P・モディアノの『イボォンヌの香り』を読了。

  今年のノベル文学賞に輝いたのはフランスのバトリック・モディアノ(69歳)です。受賞理
 由は、「記憶を扱う芸術的手法によって、最もつかみ難い種類の人間の運命について思いを起こ
 させ、占領下生活、世界観を掘り起こした」というものです。ちょっと読んだだけではどのよう
 なことを意味するのか不明です。
  この作家の代表作には、『エトワール広場』『パリ環状通り』『暗いブティック通り』などが
 あり、『イボォンヌの香り』や『ルシアンの青春』などは映画化されているということです。

  私は今まで、P・モディアノの名前すら知りませんでしたが、折角なので、是非、読んでみた
 いと思って区立図書館の在庫を調べてみました。区内各地の区立図書館で作品の何点かを所蔵し
 ていました。早速予約していましたが、昨日、そのうちの『イボォンヌの香り』が四谷図書館に
 転送されてきたので読み始めました。

  この小説は、200頁余りの中篇作品なのでそれほど時間をかけないで読み終えることが出来
 ました。しかし、残念ながら私にとっては深い印象を受けるような作品ではありませんでした。
 期待していただけに少々がっかりしました。『パリ環状通り』や『暗いブティック通り』も予約
 しています。近々読む機会がありますが、これらはきっと『イボォンヌの香り』とは別の世界の
 ストリー展開があるのではないかと思っています。


 ●11月5日(水曜日)●

     今日は息子・啓史の二回目の「命日」です。

  今日は啓史の二回目の命日です。午後、連れ合いと共に東長寺にお参りに行ってきました。耕
 史は、朝早くここに寄ったらしく写真入りのはがきにメモを書いて置いてありました。
  啓史の友人たちは9日の日曜日に15人前後で墓参し、その後「偲ぶ会」を開催する予定だと
 聞いています。

  弟(耕史)と妹(潤子)は、今日の facebook に次のようにコメントしています。


 ● 山 田 耕 史

 【今日は、兄貴の三回忌】( 2012/11/5 10:23)

  あれから丸二年
  早いようで長い日々だった。
  毎日毎日思い出す、
  あの兄貴の意識の無い日々、
  そして居なくなってから。
  毎日毎日帰りの電車で泣きながら
  1リットルくらい一気飲みしてたよ。
  何をするにしても、集中出来なかった。
  実際今も上手く行かないことばかり。
  言い訳にならないけど本当にそう。
  友人と話しても合間合間で兄貴を思うし、
  一人だと尚更強く思い出すよ。
  おれは、弱い人間なのかな? 
  会社では何事も無いようにしてるけど、
  上手く行かないのを、
  そのせいにしようとしてる、
  弱い人間なのかな?
  当たり前の事がどれだけ大切か
  この二年考えた。
  凄く後悔した。
  ろくに話してないし、
  飲みにも行かなかった。
  まだ、夢にも出て来ない。
  もとには戻れない、
  なかなか時間が癒してもくれない、
  まだまだ時間がかかるね。
  やっと二年。
  また、一年見守って!
  来年、選挙だよ。
  とりあえず約束したからキャッチを考えておくわ。
  お父さんに見てもらうよ。
  あれより上手いのはもう無理かもなぁ。


 ● 山 田 潤 子

  2014年11月5日。兄・啓史の三回忌でした。
  この2年、自分で自分の環境を変えるのにこんなにも良いエネルギーを使ったことは今までの
 人生でなかったなと思うほど、夢中になりつつも流れに身を任せるという意味を知った時間でも
 ありました。
  あまり啓ちゃんのことは意識していないつもりでも色んな決心の裏には必ず存在していて、最
 後の数か月病院で色々話し合ったことは、これからも自分の糧になって生きるんだろうと(こん
 なこと全く想像できなかったけど)、今はそう感じます。


  ● 11月 2日 (日曜日)●

    家族でささやかに啓史の「三回忌」を行いました。

  11月5日は啓史の命日です。2012年11月5日に亡くなって二年が経過します。早いよ
 うな気もしますが、そうでもないような思いもしています。複雑な気分です。

  今日昼過ぎ、私たち両親、弟夫婦、娘など家族を中心にしてごく数人で菩提寺の東長寺に墓参
 し、その後、歌舞伎町の古い料亭でささやかな「偲ぶ会」を行いました。当たり前のことかも知
 れませんが、月日が経過しても、依然として別離の情絶ちがたいものがあります。

  昨日は夜6時半から東長寺で「萬燈供養」という儀式が行われました。連れ合いと二人で参列
 しました。これは、東長寺を菩提寺とする会員を、毎年亡くなられた月の一日に供養する儀式で
 す。10人の僧侶が一斉に読経し、その後、参列した人たち全員で本堂前の「水の苑」全体に多
 数の灯火をともして故人を偲ぶというものです。年配の方々が中心でしたが、100人くらいが
 参列していました。


  新宿区では、今日から区長選挙が始まりました。投票・開票は9日。 


 ● 10月30日(木曜日)●

    東京女子医大病院でエコー検査。「異常なし」。

  5年位前から、半年ごとに東京女子医大病院で「エコー検査」を行い、肝・膵・腎・脾臓など
 内臓全般の状態を調べています。担当してくれている先生からのアドバイスによるもです。
  検査のたびごとに夫々の数値に若干の増減はありますが、今までのところは全て正常の範囲内
 です。今日の検査でもおおむね「異常なし」という結果でした。安心しました。


 ● 10月29日(水曜日)●

     恒例の「新宿地区・脱原発集会」に参加。

  夜6時から毎月一回開催ということで恒例になっている脱原発集会が新宿駅西口近くの公園で
 行われました。私は「平和憲法を生かす新宿の会」の幟り旗を持って参加しました。主催は新宿
 地区労働組合センターです。集会のあとは揃って新宿駅西口一帯をパレードしました。


 ● 10月27日(月曜日)●

    橋下構想は両議会で否決。さっさと辞任をすべき。

  大阪府と大阪市を統合再編する大阪都構想の協定書(設計図)議案が27日、府市両議会の本
 会議で、野党の反対多数で否決されました。橋下市長が、「行政の無駄を省く」という大義名分
 の下で推進を目論んでいる構想ですが、大阪で都構想が実現すると行政の二重性が解消し、行政
 の無駄が無くなったり、少なくなるかというと、それは全く不明なことです。都制度では先輩格
 の東京都に無駄がなくなっていないのと同じです。
  問題は「都構想」か「府構想」にあるのではありません。しかし、変わっている橋下市長は、
 問題の太宗は「都構想」で解決するかのような幻想を振りまいて、信任投票にも似た市長選挙ま
 で行ったのでした。この選挙には何の名分もなかったために、まともな対立は一人は立候補せず、
 茶番劇のようなみっともない選挙でした。これこそ全く「無駄遣いの見本」のようなものでした。

  大阪府議会・大阪市議会で議案が否決されたということは、橋下市長に対する不信任案が通っ
 たようなものです。橋下の最重要公約が否決されたのですから、さっさと辞職するのがこの風変
 わりな政治家の採るべき道ではないかと、私は思います。


 ● 10月26日(日曜日)●

   広瀬淡窓と咸宜園の人間模様を描いた『霖雨』読了。

  昨日から今日にかけて葉室 麟の小説『霖雨』を読みました。
  江戸時代の教育者・広瀬淡窓(ひろせたんそう)と咸宜園(かんぎえん)をベースにし、淡窓
 兄弟やここに集った人たちの悲喜こもごもの人間模様とか当時の治世の有様を描いた小説です。
  葉室 燐の小説らしく、歯切れのいい表現と格調高い文章で書かれており、「巻を措く能わず」
 の感じで読み終えました。

  淡窓と咸宜園については、その昔、大学入試の時に、当時の私塾のひとつとしてごくさわりだ
 け暗記した記憶がありますが、今まで教育方針などの具体的なことは全く分かりませんでした。

  その咸宜園ですが、江戸時代、天領であった九州豊後国・日田郡堀田村(現在の日田市)に文
 化2年(1805年)に広瀬淡窓が創立した全寮制の私塾です。「咸宜」(かんぎ)とは、中国
 最古の詩集『詩経』にある「殷、命を受く咸宜(ことごとくよろし)」から来ています。「咸く
 宜し」とは、すべてのことがよろしいという意味です。
  淡窓は日田が天領でもあったことから、武士だけでなく、どんな身分でも、男女を問わず受け
 入れ、門下生一人ひとりの意志や個性を尊重する教育理念を塾名に込めたといわれています。
  咸宜園には、入学金を納入し名簿に必要事項を記入すれば、身分を問わず誰でもいつでも入塾
 でき、また、「三奪の法」によって、身分・出身・年齢は一切とらわれず、全ての塾生が平等に
 学ぶことができるようにされたそうです。淡窓の思想が読み取れます。

  淡窓は、儒学者・漢詩人でしたが、弟の広瀬旭荘(きょくそう)も教育者であり、咸宜園では
 四書五経の他にも、数学・天文学・医学のような様々な分野の講義が行われていました。毎月試
 験があり、「月旦評」(げったんひょう)という成績評価の発表があって、それで入学時には無
 級だったものが、一級から九級まで成績により上がり下がりしました。塾生は遠方からの者も多
 かったため、寮も併設され、学生は男女を問わず、全国68ヶ国の内、66ヶ国から集まったと
 いわれています。驚くべき広がりです。

  咸宜園は、江戸時代の中でも日本最大級の私塾となり、80年間でここに学んだ入門者は約4
 800人にも上っています。塾出身者には、高野長英、大村益次郎、清浦圭吾などがいます。
  咸宜園は、淡窓の死後も名声を維持し、明治30年(1897年)まで存続しています。


  今日、久しぶりに政治問題に関してさまざまな意見交換をする会合がもたれたので参加しまし
 た。午前11時から夕方の6時まで開かれた仲間内の会合ですが、関東近隣から20人ほど集ま
 り、政治の現状、国政選挙、自治体選挙、新社会党の今後のあり方などについ忌憚のない考えを
 述べ合いました。

  一強多弱の政治状況の中で、反動政権に対して有効な対抗手段が打ち出せないままですが、い
 たるところに国民の不満が鬱積している状況は、基本的には変わっていませんし、むしろその傾
 向は深化しています。粘り強く進むしかありません。


 ● 10月23日(木曜日)●

     拉致問題、調査代表団は派遣すべきか否か?

  ずっと国民の関心をひきつけてきた北朝鮮による拉致問題は、いまだに遅々として解決の方向
 に向かっていません。政府は北朝鮮に対し、日本人拉致被害者らの再調査について聴取する政府
 代表団を今月27~30日に平壌に派遣する予定だと報じられています。北朝鮮側が応じれば、
 外務省の伊原純一アジア大洋州局長を団長とする代表団を派遣する考えだとのことです。

  政府側は、再調査を行う北朝鮮の特別調査委員会から直接、調査状況の説明を受ける方針で、
 特別調査委の委員長を務める徐大河(ソ・テハ)国防委員会安全担当参事(国家安全保衛部副部
 長)ら責任者との面会を求めています。

  代表団派遣を巡っては、北朝鮮側が9月末に中国・瀋陽で行われた日朝外務省局長級協議で提
 案していたものです。拉致被害者家族会などは「北朝鮮に主導権を握られかねない」と反発して
 います。これまでの経過からするとと、家族会の懸念もよく分かります。

  派遣するかしないか、どっちの選択が正しい結果をもたらすか私には予測できませんが、停滞
 している事態を打開する可能性に賭けるならば、ここは派遣の選択が妥当だろうと思います。
  政府も北朝鮮との対話継続を重視する観点から派遣の決定するようです。


 ● 10月22日(水曜日)●

     来年こそ「憲法9条」にノーベル平和賞を!

  憲法9条にノーベル平和賞が授与されるかもしれないというニュースは、改憲の動きが強まる
 世上の中で、とても痛快なの話でした。残念ながら今年は受賞を逸しましたが、希望は来年の受
 賞発表につながっていきます。是非、早い時期に受賞して欲しいものだと思っています。
  今日、主唱者の「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会は、次のようなメッセージを全世
 界に発し、引き続き来年の受賞を目指して署名運動を展開していくことを表明しています。


              Executive Committee for
   “The Nobel Peace Prize for Article 9 of the Japanese Constitution”

  たくさんの皆様のご賛同・ご支援・ご協力を心から感謝申し上げます。2014年度のノーベ
 ル平和賞には、テロや暴力に屈することなく非暴力で女性が教育を受ける権利を訴え続けてきた
 マララ・ユズフザイさんと、児童労働の撲滅のためにさまざまな活動を行ってきたカイラシュ・
 サティアティ氏が受賞された事に、心からの敬意と祝意を贈ります。

  実行委員会は、引き続き、世界の平和を願い、世界各国に平和憲法を広めるために、2015
 年度には100万人の署名を目指し、 取り組みを継続いたします。

    ● 日本語版ネット署名 ⇒ http://chn.ge/1bNX7Hb
    ● 英語版ネット署名  ⇒ http://chn.ge/1bU0pay
    ● 韓国語版ネット署名 ⇒ http://chn.ge/SX9NHa
    ● 中国語版ネット署名 ⇒ http://chn.ge/1kRuUIJ

  来年度に向けての詳細につきましては、後日改めて、アピールさせて下さい。
  引き続き、世界の平和を願い、「戦争しないでほしい、仲良くしてほしい」という素直な、素
 朴な平和を求める声を世界中で大きくするために、国を超えて世界中の平和を愛する人たちと手
 をつなぎ、それぞれの政府に戦争させないように働きかけ、置かれたところから、世界の平和を
 願う1人ひとりの小さな声と力を合わせて行きましょう。
  平和への願いと心から感謝を込めて。

    2014年10月22日

                     「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会



 ● 10月21日(火曜日)●

      内閣の看板が落ちた。開き直りの「辞任理由」。

  安部改造内閣の目玉だとされた女性閣僚5人のうち、二人が同時に辞任しました。有権者に有
 価物資を配ったとか、政治資金の収支報告が虚偽であったとかが辞任の理由です。いずれも政治
 家にあるまじき無責任な行為であり、辞任は当然です。

  ただ、こうしたことは残念ながら「稀まれなこと」ではないようです。表には出ないけれども
 裏ではごく普通に横行しているのが実態だとも言われています。辞任に追い込まれたこの人たち
 は、不運だった?と言うべきかも知れませんが、大半の政治家のモラルは、所詮この程度の軽薄
 なものだと思ったほうがよさそうです。

  辞めざるを得なかった二人の辞任理由がふるっています。(自分に責任はないけれども、国民
 の皆様の生活のことを考え?)「国政の停滞を招きたくない」というのだそうです。愁傷な心が
 けのように聞こえますが、全くの開き直りです。特に松島法務大臣などは「自分は法に違反して
 いない」と強弁しているのですからあきれ返ります。法務大臣が基本的な法律のイロハに疎いの
 ではどうしようもありません。


  午後、久しぶりに武蔵小山駅近くにある耳鼻咽喉科医院に行ってきました。ここは都内でも珍
 しい「Bスポット治療」を行っています。私は以前から鼻の奥部分に鼻が溜まりやすく、そのた
 めに気分が悪くなることが多くありますが、この「治療」は、溜まった鼻を取り除き、溜まりに
 くくする処置をしてくれます。一ヶ月ほど前から通院しています。当初期待していたほど、急速
 に改善するわけでもありませんが、少しずつ良くなっいることは事実です。


 ● 10月20日(月曜日)●

    党新宿執行委員会。区長選、区議選について協議。

  夜、四谷の事務所で定例の新社会党新宿総支部執行委員会が開かれました。11月2日告示の
 新宿区長選挙、来年4月19日告示の新宿区議会議員選挙関連の議題について協議しました。ま
 た、「平和憲法を生かす新宿の会」のこれからの活動のあり方などについても話し合いました。


 ● 10月19日(日曜日)●

    平和憲法を生かす新宿の会でいもほりの集い開催。

  川越市の南大塚で「平和憲法を生かす新宿の会」が毎年開催している「いもほりとバーベキュ
 ーのつどい」が開かれたので参加しました。今年は20人ちょっとの参加者でしたが、好天気に
 恵まれ、楽しいひと時を過ごしました。
  この集いでなければ会うこともない何人かの人にも会えたので、近況を報告しあいました。


 ● 10月18日(土曜日)●

     トルコ・ネムルート山の貴重な遺跡を見てきました。

  久しぶりに連れ合いと共にトルコの世界遺産をめぐる旅行に行ってきました。世界遺産の大半
 は文明発祥当時の歴史的な遺跡とブルーモスクなどのイスラム寺院です。古い歴史を誇る地域だ
 けに、次々と紀元前9000年前とか8000年前の宮殿跡とか集落跡などを見せられると、日
 本の歴史の尺度になれた頭ではとても想像だにできない悠遠な時の流れを感じました。現地に行
 くまで思いつかなかったことですが、世界四大文明発祥の地のひとつであるチグリス川一帯も見
 ることが出来ました。

  結構長い旅程でした。通常のツアーではほとんど行くことのないトルコの東部地域の周遊含め
 て、ゆったりとしたバスで約5000キロも走破しました。念願だったネムルート山の古い遺跡
 や首都アンカラのアタチュルク廟も見物することが出来ました。

  今度の一行は24人でした。私たちと同年代の高齢者が大半でしたが、途中で健康を害する人
 もいませんでした。ただ、少々トラブルめいたてことがあったようで中途で現地のスルーガイド
 が交代になりました。参加者の中には、結構変わった人もいるので、こんなことがあるのかも知
 れません。

  旅先では、日本のニュースがほとんど報じられることがないために、日本で何が起こっている
 のかは不明でしたが、そうした中でも日本の3人がノーベル物理学賞を受賞したこと、平和賞は
 マララ・ユズフザイさんと、カイラシュ・サティアティ氏が受賞し、「憲法9条」は選に漏れた
 こと、日本を襲った台風で特に静岡地方に被害が出たことなどが、旅先のテレビでも放映されて
 いました。


 ● 10月4日(土曜日)●

     気軽に読める直木賞作家の 葉室  麟 の作品。

  最近、葉室麟の作品を読んでいます。『蜩の記』(ひぐらしのき)で直木賞を受賞した作家で
 す。江戸時代中期・末期ころの地方の小さな藩での出来事や俳諧の世界を題材にした作品がほと
 んどですが、文章がきれいでストーリーも小気味よく展開していきます。藤沢周平の作品を彷彿
 とさせる味わい深さです。

  主要な作品はここ一ヶ月くらいの間にほとんど読破しました。全く気軽に読み続けられる作品
 ばかりです。読後もさわやかな気持ちになれます。今度、『蜩の記』は映画化されるようです。 


 ● 10月3日(金曜日)●

      「憲法9条にノーベル平和賞」が急浮上の予測。

  10日にノルウェー・オスロで2014年のノーベル平和賞の受賞者が発表されます。この発
 表を前にして「憲法9条・受賞」への期待が急浮上し、可能性が高まってきたようです。
  受賞予測を毎年発表している民間研究機関の「オスロ国際平和研究所(PRIO)」が3日、
 ウェブサイト上の予測リストを更新しましたが、それによるとこれまで「欄外」だった「憲法9
 条」が一躍トップにおどり出たということです。一挙に受賞へ向けての舞台に駆け上った感じで
 す。

  PRIOの受賞予測リストには、これまで(1)フランシスコ・ローマ法王、(2)エドワード
 ・スノーデン氏、(3)「ノーバヤ・ガゼータ」(ロシアの新聞)、(4)ドニ・ムクウェゲ氏
 (コンゴ民主共和国の医師)、(5)マララ・ユスフザイ氏(パキスタン出身の女性の教育の権
 利提唱者)が挙がっていましたが、3日付でこのリストが更新され、「憲法9条」がトップにな
 り、フランシスコ・ローマ法王と入れ替わったということです。他の4候補も順位が入れ替わっ
 たようです。

  朝日新聞によると、PRIOのハープウィケン所長(52)は3日、朝日新聞の取材に応じ、
 「中立や不可侵、平和主義につながる原則を掲げる憲法9条は、軍事的な紛争解決が多用される
 昨今において重要にもかかわらず、十分に光が当てられていない。領土問題などアジアがはらむ
 将来の紛争のおそれについても注目されるべきだ」と話したということです。

  10日の発表が楽しみです。日本が世界に誇る最大の財産である憲法9条は、時の政権によっ
 て、絶えず骨抜きの策動が繰り返されてきました。村山政権までがそれに加担しましたが、それ
 でもその不動の輝きは失っていません。「ノーベル平和賞」を受賞する価値が充分にあります。


 ● 10月1日(水曜日)●

      神宮外苑は、いまだにデング熱の関係で一部閉鎖。

  今日から10月。今年もあと3ヶ月です。先ほど、神宮外苑を散歩してきましたが、神宮外苑
 のアスレチック広場は「デング熱」を媒介する蚊がいる危険性があるということでの依然として
 閉鎖中でした。隣接の新宿御苑はいまだに全面的に閉鎖されたままです。
  いつまで続くことか。

  自然災害で大変な犠牲者が出ています。御嶽山の爆破による影響です。これまでに死者は40
 人を超えました。当日の登山者の実態が掌握できていないために、一体、どれくらいの人が爆発
 した山に取り残されているのか実態が不明のままです。これからも犠牲者が増えるような様相で
 す。戦後最大の山岳事故です。


 ● 9月28日(日曜日)●

      土井たか子さん逝去。存在感のある政治家でした。

  土井たか子さんが亡くなりました。憲政政党では初の女性党首(委員長)を努め、その後、女
 性初の衆院議長に就任しました。実に存在感のある方でした。

  私も土井さんと一緒にさまざまな選挙運動をやったり、一緒に写真を撮って自分のポスターな
 どの印刷物をつくるのに利用したり、各種の会合で何度も懇談したりする機会がありました。土
 井さんは、何とも言われぬ「花のある政治家」でした。享年85歳。数々の輝かしい功績を偲び、
 心からお悔やみを申し上げます。

  土井さんは同志社大法学部を卒業後、関西学院大などで憲法の講師を務めていましたが、19
 69年に衆院兵庫2区から社会党公認で立候補して初当選。以来、連続12回、36年間議席を
 守り、社会党の顔、護憲・平和のリーダーとして縦横の活躍をしました。86年、社会党の再建
 を託され、委員長に就任。消費税導入を掲げる自民党に対して「だめなものはだめ」と反対の論
 陣を張り、選挙では対抗軸を鮮明にした訴えをしました。消費税導入が争点だった衆院選と続く
 参院選で大勝し、自民党の過半数割れ、与野党逆転を実現。この時の「山が動いた」とのせりふ
 は、当時の流行語にもなりました。

  93年に社会党など8党による細川内閣が発足すると、女性初の衆院議長に就任。一方で、9
 4年に誕生した自民、さきがけとの3党連立政権で、首相に担がれた村山富市委員長が社会党の
 立党の精神を放棄したとも言える「自衛隊合憲」など、基本政策の大転換を図ったことにより、
 その後の党勢の急激な後退にも直面しました。護憲平和の社会党が勢力を失い、衰退して今日に
 至る決定的な端緒になったのはこの時でした。

  土井さんは多くの功績を残しましたが、その政治活動の中で私が残念に思うのは、1994年
 1月、与党であった社会党の勇気ある一部議員の造反によって政治改革4法案が参議院で否決さ
 れた時の土井議長の対応です。
  土井議長は、何故か細川首相と河野洋平自民党総裁の会談を斡旋し、これを受けて開かれた両
 院協議会の議を経て参議院で否決された小選挙区制法案が成立してしまった事です。もしあの時、
 土井議長があのような軽率な斡旋行動をとらなかったならば、小選挙区制法案は陽の目を見るこ
 とはなかったのです。政治が年々低級化している最大の原因は現在の小選挙区制にありますが、
 結果的には土井議長は、その誕生の手を貸したことになるのです。

  小選挙区制は、日本の政治状況を根本から変えることになり、今の全く無気力な二級、三級の
 国会議員を生み出す要因になってしまいましたが、あの時の「土井議長の斡旋」は、当時の重大
 な情勢分析を見誤った判断であり、今でも残念の極みです。


 ● 9月26日(金曜日)●

     G・マルケスの『百年の孤独』を読み終えました。

  G・マルケスの『百年の孤独』を読了しました。以前にも述べましたが『百年の孤独』は19
 67年、スペイン語で出版され、当初からヨーロッパで大好評を博し、その後のノーベル文学賞
 の受賞につながった著者の代表作です。日本では1972年に刊行されています。

  最近、G・マルケスの「全集」をずっと読んできましたが、この作家の作品は、『族長の秋』
 に代表されるように圧倒的な語り口と時間・空間を越えた膨大で錯綜とした情報の展開で実にわ
 かりにくいストーリーになっているのが特徴です。『百年の孤独』も似たような描写になってい
 ますが、ただ読み始め、次第に慣れてくると極端に難解な作品ということでもないような気がし
 ました。とにかく「最後まで必ず読み通す」ということでこの大作に挑戦しましたが、少なくて
 も当初の目標は達成することができました。
  私は、最初に『族長の秋』を読んだということもあるでしょうが、『百年の孤独』よりは『族
 長の秋』の方に強烈な印象を抱きました。

  これで日本で出版されているG・マルケスの大体の作品は読み終えました。


 ● 9月23日(火曜日)●

      彼岸の中日。啓史の「墓参」に行ってきました。

  秋分の日。彼岸の中日です。妻、娘と共に啓史が眠る東長寺にお参りに行ってきました。自宅
 から寺まではほぼ10分くらいの道のりです。
  寺の本堂で10時半から最初の法要が催されることになっていたので、それに間に合うように
 行きましたが、到着した頃には既に150人くらいの方々が着席していました。

  この寺は大きなお堂に沢山の位牌とそれぞれの遺骨の一部を納め、それを「墓地」の代わりに
 して永代供養するというやり方をとっているので、寺の細かなしきたりを避けたいと考える人た
 ちや身寄りのない方、一人暮らしの方などの人気を集め、他の寺に比べるといわゆる檀家に類す
 る人は格段に多くなっています。地域も広範囲にわたるようです。今日も6回にわたって法要が
 行われるということです。

  法要では30分位にわたって6、7人の僧侶が読経し、その後参会者全員で焼香しました。お
 経の内容は全然分かりませんが、何となく荘厳な気持ちになりました。全体の法要が終了した後
 は、それぞれ位牌や遺骨の納められているお堂にお参りするという段取りになっています。

  啓史が亡くなったのは2012年11月5日ですから、もうすぐ三回忌になります。


  東長寺の隣に源慶寺という寺があります。ここには寅さん(渥美清。本名・田所康雄)の質素
 なお墓があります。
  一年位前から毎週土曜日に「男はつらいよ」の全作品がテレビ放映されていますが、わが家で
 は全部ビデオで撮り、適当な時に順次見ています。寅さんは全部で48作品ありますが、私たち
 はこれまで第一作から第27作までしか見ていないので、これから放映される作品を含めてまだ
 21作品が残っています。
  今日は、折角なのでテレビを通して今や旧知の間柄になった感じの寅さんの墓にもお参りし、
 「これからもよろしくお願いします」と挨拶してきました。


 ● 9月21日(日曜日)●

   平和憲法を生かす新宿の会で神宮外苑一帯の施設見学会。

   今日「平和憲法を生かす新宿の会」で施設見学会を行いました。10時半に千駄ヶ谷駅に集ま
 って神宮外苑一帯の施設や史跡を見て歩くという催しです。会では、以前は頻繁にこうした催し
 を行っていましたが、しばらく中断していたので、久しぶりの集まりになりました。

  コースは、千駄ヶ谷駅→国立競技場正門→学徒出陣壮行の記念碑(国立競技場内)→お鷹の松
 (絵画館横)→樺太島国境標識(絵画館横)→明治天皇葬場殿跡(絵画館後)→なんじゃもんじ
 ゃの木(記念碑)→聖徳記念絵画館(内部見学)→銀杏並木→憲法記念館(明治記念館内)→滝
 沢馬琴旧居跡→信濃町駅、でした。

  今日気持ちのいい秋晴れに恵まれ、有意義なひと時を過ごすことができました。
  私も久しぶりに(20年ぶり?)絵画館の中に入り、展示されている80枚(日本画と洋画各
 40枚)の絵を詳細に見て回りました。歴史的史実に忠実に基づいて描いたといわれるだけあっ
 て、それぞれの時代の一頁を見ているような感じがしました。


 ● 9月19日(金曜日)●

     毎月一回、新宿で開催の脱原発パレードに参加。

   新宿地区労センターでは毎月一回、脱原発の集会とパレードを開催していますが、今日6時か
 ら開催されたので参加しました。簡単な集会の後、いつものように人でごった返している新宿駅
 西口一帯をパレードして周りました。パレードの時間は30分程度ですからごく僅かですが、と
 にかくものすごい人だかりなのでアピール度は結構大きいものがありそうです。


 ● 9月18日(木曜日)●

   漱石山房の復元案。何だか「~もどき」のような構想。

   16日から新宿区議会第三回定例会が開会されていますが、今日からは決算委員会が開始にな
 りました。この決算委員会の文化施策の面では、夏目漱石の晩年10年間の活動の中心になった
 早稲田南町の「漱石山房」の復元に関することが論議になるものど思われます。私も大いに関心
 を持っています。
  ここは漱石の終焉の地ですが、残念ながら家屋は先の大戦の東京空襲で焼失しました。由緒あ
 る建物の復元は新宿区の大きな課題でしたが、私は、当然のこととしてかつての「漱石山房」は
 忠実に再現されるものと思っていました。

  しかし、この間の復元論議では、「漱石山房」の一部だけを復元し、それをガラス張りの大き
 な建物ですっぽりと覆ってしまうという案が有力になっているのだそうです。私はがっかりして
 います。大文豪の晩年の活動の拠点として、数々の名作が書き継がれ、また当時の日本文壇のサ
 ロン的な場所でもあった著名な場所が、こうした「漱石山房もどき」の復元案を基にして進捗し
 ていくならば、全国の漱石ファンもさぞかしがっかりするのではないかと思っています。少なく
 ても、新宿区はすばらしい「漱石山房」を復元してくれたとは、誰も評価しないのではないかと
 思います。


 ● 9月18日(木曜日)●

     スコットランドの独立問題でさまざまな動き。

   イギリス連邦を構成する四つの地域のひとつで北部に位置するスコットランドの独立ん関して
 さまざまな動きがあり、その帰趨が全世界の注目を集めています。独立の是非を問う住民投票は
 18日に行われます。賛成が一票でも多いと大体2年後には独立することになっています。

  当初は独立反対の世論が圧倒的だったために、住民投票も単なるセレモニーに終わるのかと思
 っていました。しかし、北海油田の利権をめぐる思惑などもあり、土壇場になって賛否が拮抗す
 る状態になってきました。賛成の比率が上回ったという世論調査もあります。
  楽観的に考えて簡単に住民投票を容認したイギリス政府は大慌てで、キャメロン首相もスコッ
 トランドに行って「NO」の票を投じるように説得に回っています。自治権を大幅に拡大すると
 いった「アメ」もばら撒いているようです。日本政府の沖縄対策と似ているところがあります。

  昨日、エリザベス女王までもが「スコットランドの人々が将来について、注意深く考えること
 を望む」と述べたそうです。独立問題で女王が発言するのは珍しいことだそうですが、世論調査
 で賛成派が勢いを増していることに危機感を表明したものと受け止められています。
  皇室が政治問題で発言することについて、イギリスでは認められているのかどうかわかりませ
 んが、日本では考えられないことです。

  投票の結果がどう出るかわかりませんが、もともとスコットランドは独立国でしたし、イング
 ランドに併合される前には、両国で戦争までした歴史がありますから、この際、独立して、この
 地域に最も相応しい国づくりをしたほうがわかりやすいような気がします。

  ただ、こうしたことが前例になると、イギリスのもうひとつの地域の北アイルランドやスペイ
 ンのカタルーニァ地方、ロシアや中国のいろいろな地域、カナダのケベック州などでも似たよう
 な動きが出てくるものと考えられます。特に、カタルーニァ地方は以前から独立の動きが根強く
 あり、つい最近も大規模なデモがあったばかりです。スコットランドの独立問題は、結構難しい
 国際的な問題と連動しています。
  日本でも、いつまでも軍事基地を押し付けられて四苦八苦している沖縄で「琉球独立」の動き
 が起きる(強まる)かもしれません。


  ● 9月14日(日曜日)●

   「京都非公開文化財・特別公開』記念ジンポジューム。

   通常は公開されていない京都の寺社や歴史的な施設の文化財が、毎年、春と秋に一時的に公開
 さています。全国の古美術ファンに喜ばれている企画です。ただ、京都にある数多くの寺社など
 の「財宝」を順繰りに公開していていますので、毎年同じ文化財が見られるというわけではあり
 ません。例えばある寺の秘仏は、10年ぶりとか20年ぶりに公開されるという具合です。

  今年は、10月31日から11月9日まで、「金閣寺の方丈」や「東寺の灌頂院」など18施
 設の文化財が公開になる予定です。

  今日、この公開を記念して有楽町の朝日ホールで講演会とシンポジュームが開かれたので出席
 しました。京都古文化保存協会と朝日新聞社の主催です。弁士やパネラーはいずれも京都の著名
 な寺社や施設から駆けつけたそうそうたる面々でした。

  最初から最後まで興味深い話を一杯お聞きしましたが、特に冷泉家の苦労は会場の共感を呼び
 ました。冷泉家は藤原俊成・藤原定家などを始祖にもつ日本の「歌道」を最もいまに受け継ぐ名
 家ですが、宗教法人ではありません。寺社と違って信仰によってご利益がある対象でもありませ
 んから、いわゆる「お布施」に類する収入は一切ありません。
  冷泉家には広大な敷地・家屋と国宝をふくむ重要文化財が一杯ありますが、それらの財産は免
 税ではなく、一般家庭と同じように莫大な固定資産税や相続税がかかってきます。

  冷泉家時雨文庫・常務理事の冷泉貴実子さんが述懐していましたが、「私たちの日常は、奥座
 敷で十二単でも身につけて、風雅な日々を送っているように誤解する人がいますが、実際のとこ
 ろは、毎年の税金を納入するために、資金をどう工面するか、日々、あっちこっちを駆け巡り、
 それに振り回されているのが実態」ということでした。
  以前、冷泉家の屋敷は、隣接する同志社大学に売却される寸前だったという話も披露されまし
 た。税制面での配慮や資金援助がなければ、とても貴重な文化財を持ちこたえることが出来ない
 ということです。時々テレビで放映される冷泉家に関するニュースは、古式ゆかしい風雅な一面
 だけなので、私たちは税金面での苦労話など全く考えることもありません。

  日本の文化財の保存に投じられる予算は、以前に比べると増えているとはいえ、まだ「一桁違
 う」というのが実態です。国民の財産である貴重な文化財を保存し、それを後世に継承していく
 上で最大のネックになるのは「国民の無関心」という指摘がありましたが、その通りだと思いま
 す。国もそうですが、自治体もまったく同じです。私たち市民が文化財に関心を寄せこと、次の
 世代に受け継ぐ社会的な流れを形成することは、民主主義社会の深度を測る大きなバロメーター
 と言っていいかも知れません。


  ● 9月13日(土曜日)●

     予約していた『百年の孤独』が届きました。

  近所の区立四谷図書館に借り入れの予約をしていたG・マルケスの『百年の孤独』がようやく
 届きました。6月の終わりくらいから新潮社から出版されている『マルケス全集』をずっと読ん
 できましたが、この本が最後に残しておいた作品になります。
  『百年の孤独』は1967年、スペイン語で出版され、ヨーロッパで大好評を博し、ノーベル
 文学賞の受賞につながった著者の代表作です。日本では1972年に刊行されています。

  マルケスの小説は、『族長の秋』に代表されるように圧倒的な語り口と時間・空間を越えた膨
 大で錯綜とした情報の展開で実にわかりにくいストーリーになっているのが特徴ですが、『百年
 の孤独』も似たような描写になっています。この特徴に慣れるまでが結構大変です。
  今日は冒頭の部分をちょっとだけ読みましたが、とりあえずの目標?を、とにかく「最後まで
 必ず読み通すこと」に置いてこの大作に挑戦したいと思います。


  ● 9月11日(木曜日)●

    原発の再稼動OK。フクシマ大惨事の教訓はそっちのけ。

   原子力規制委員会は、九州電力の川内原発1・2号機(鹿児島県薩摩川内市)の安全審査を行
 っていましたが、10日、新規制基準への合格証となる審査書を決定しました。
  フクシマ大惨事以降、全国の原発に再稼動の承認が出るのは初めてのことです。予想されたこ
 ととはいえ、怒りを覚えます。

  九電は今後、再稼動に向けて地元への同意手続きを本格化させますが、例によって様々な「ア
 メ」を用意するのだと思います。恐らく地元自治体はそのアメに飛びついて、いずれは知事や市
 長が「苦渋の選択だ」などと言って、九電や政府の意図する方向に収束されていくはずです。

  現行のルールでは、電力会社が原発立地県や立地市町村の同意を得れば再稼働できることにな
 っています。要するに再稼働の判断を電力会社と地元自治体に丸投げするということです。
  原発の是非は、国家のエネルギー政策の根本にかかわることですから最終的な判断の責任は国
 にありますが、今の政府にはフクシマ災害の教訓を受け止め、それを最大限生かすような姿勢は
 微塵もありません。とにかく頭にあるのは「再稼動」だけです。

  人類と共存できない原発は、まともな政府、まともな国会、まともな市民でならば、放棄の選
 択しかありません。しかし、原発が稼働しなければ化石燃料の輸入増加が続くとか、経済活動が
 停滞するとか、目先の経済への影響に振り回され、屁理屈を並べ立て、長期的で根本的な国のあ
 るべき姿をどう構築するかなどはそっちのけになってしまっているのです。

  交付金や雇用など経済面からの原発との結びつきを重視し、将来的な地域のあり方や大局的な
 見地から国の姿は考えようとはしない立地市町村の多くの人たちは、川内原発について、早晩、
 「再稼働OK」のお墨付きを与えるでことでしょう。

  残念なことですが、目先のことではなく、その先を視野に描いて物事を判断する人は、今の日
 本では少数派なのです。


    ● 9月10日(水曜日)●

     神宮外苑や新宿御苑は、依然として閉鎖中。

  神宮外苑に散歩に行ってきました。一周1325メートルの神宮外苑の周回道路は、三周する
 と約4キロになります。途中、銀杏並木に寄り道すると大体5キロの距離になります。散歩には
 もってこいの距離です。私は1キロ約10分のペースで歩きます。
  このコースは、土日以外のウィークデイでも、いつもは結構にぎわっています。ただ、今日は
 随分閑散としていました。例の「デング熱感染」の影響です。周回道路に隣接するアスレチック
 施設のあるスペースは、依然として閉鎖されていました。

  その後の報道によると「デング熱」は全国的に拡大していくような状況になっています。新宿
 御苑もまだ、閉鎖中のままです。


    ● 9月7日(日曜日)●

     ますます身近に迫ってきたデング熱の感染源。

  デング熱の拡大が懸念されています。代々木公園が感染源といわれいますが、疑われる地域は
 近隣にも広がっていて新宿中央公園、神宮外苑、新宿御苑が一部閉鎖か全面閉鎖になっています。
 ちょっと離れている四ッ谷駅近くの外濠(そとぼり)公園の蚊も怪しまれている状態です。
  昨日、デング熱に国内感染した2人目の患者が確認されました。23区内の60代男性で、代
 々木公園の東にある神宮外苑を訪れており、ここで蚊に刺されて感染したとみられています。感
 染源の懸念が広がる中、環境省は新宿御苑を今日から当面閉鎖することにしています。

  私は昨日も神宮外苑に行ってきました。私が利用している絵画館の近くにある簡易なアスレチ
 ック場には、蚊が一杯いました。まだ、ニュースが報道される前でしたが、念のために刺されな
 いよう注意をしました。家に帰って報道を聞いて驚きました。
  新宿御苑の遊歩道は毎日のように利用していますが、さっき、新宿駅方面に行くために新宿御
 苑の脇まで行ったところ、全面閉鎖の張り紙がしてありました。園内の蚊を収集して菌の有無を
 調べるようです。デング熱はエボラ出血熱などと違って爆発的に広がる危険性はないようですが、
 今後どうなるのか心配です。


  ● 9月5日(金曜日)●

   やっと病院を見つけ、鼻づまりの治療に行ってきました。

  私は、10年以上前から鼻の奥が詰まり気味で、そこに鼻水が貯まっていくような症状になっ
 ています。非常に気になっています。以前は家で塩化亜鉛を薄めた液体を塗ってもらっていまし
 た。これは東京医科歯科大学病院の堀口先生が考案した「Bスポット療法」と呼ばれている治療
 法です。薬を貼付する時に相当の痛みがありますが、大変効果的でした。

  その後、薬品(塩化亜鉛)の入手が困難になったためにずっと放置していました。以前、近く
 の耳鼻科に行って治療してもらいましたが、全く効果がありませんでした。
  最近、特に鼻詰まりがひどくなってきました。鼻の奥に膿が溜まる感じです。家では、無意識
 に鼻の膿を吐き出そうとして声を出すので、うるさがれています。

  以前から「Bスポット療法」を行ってくれる病院を探していましたが、いよいよ切羽詰ってき
 たので本格的に調べてみたら、ようやくそれらしき病院が見つかりました。

  早速今日、行ってきました。武蔵小山駅近くの「青山セントラルクリニック」です。現在の院
 長先生の父親が堀口先生の弟子だったようです。
  早速治療してもらいました。この病院では堀口先生の「Bスポット療法」を更に発展させて鼻、
 のど、扁桃腺の左右6箇所に薬を塗る治療をする「6スポット療法」を行っています。こうした
 治療を行っているのは全国的にみてもごく僅かのようです。都内ではこの診療所だけです。しば
 らく通うことになります。厳密には決まっていませんが、当面は週に2回にする予定です。

  今日のたった一回だけの治療でもだいぶ楽になりました。10回くらい治療を受けると恐らく
 驚くほど回復することだろうと期待しています。


  ● 8月31日(日曜日)●

    相当程度の暑さは平気。自律神経が異常状態か?

  異常な気象状態が続いた今年の8月も終わりました。多くの死傷者を出した広島市の土砂災害
 は何とも痛ましい限りでした。熱中症で多くの犠牲者も出ました。総務省消防庁によると、21
 ~27日の1週間だけで熱中症で救急搬送された人は、今年最多の8580人だったそうです。
 搬送先で死亡が確認された人は15人、3週間以上の入院が必要な重症者は193人です。よく
 わかりませんがこの夏全体では相当の死者が出ているはずです。

  北海道の気温が沖縄よりも何日も高くなるなど、まさに異常な夏でした。地球が病んでいる状
 態に陥っているのかも知れません。南太平洋のいくつかの島国では、水位が上がるのを懸念して
 別の国に集団移住を進めるということです。
  まさに長期展望にたった抜本的な世界的な環境保全対策が求められています。

  この夏の私自身の体調は、妻や娘よりも、それほど暑さは気になりませんでした。一人でいる
 時は、クーラーをかけなくてもある程度は平気でした。私はこれが普通と思っていますが、家族
 からは通常な体質ではない、と言われています。確かに暑さには鈍感、寒さには敏感になってい
 るようです。自分でも自律神経が相当おかしくなっているのではないかと思っています。


 ● 8月27日(水曜日)●

     新宿区役所の庁舎は耐震工事の真っ最中です。

  午後6時から新宿区議会の「議員待遇者室」をお借りして、何人かで現在の国政や新宿区政が
 抱える問題など、政治全般について意見交換をしました。久しぶりに新宿区役所に行きましたが、
 今、耐震工事の真っ最中で、このために夜間入口も変わっていました。

  11年3月11日の東日本大地震の時、新宿区議会は予算委員会の最中で、私も区役所6階の
 大会議室で審議に参加していました。地震に見舞われたときにびっくりしましたが、当時、市役
 所庁舎は完全に耐震構造がなされているということだったので、私自身は少なくてもここにいる
 限りは安全だと思っていました。このような強震だと、区役所の周りの古いビルのいくつかは倒
 壊したかも知れないと思ったりしました。

  地震の後何ヶ月かして、改めて庁舎の耐震性を検査してみると、庁舎はきわめて危険な状態で
 あることが判明しました。再度、3月11日クラスの地震があったならば、まっさくに倒壊する
 のは新宿区役所であってもおかしくないという状態でした。あの予算委員会の際にこのことを知
 っていたならば、大会議室で会議をしていた人たちはパニック状態になっていただろう思います。

  このために、新宿区役所は現在、大規模な耐震工事を行っているのです。


 ● 8月26日(火曜日)●

     渋谷駅ハチ公前で「憲法守ろう!」の宣伝活動。

  今夜6時から渋谷駅ハチ公前で憲法の堅実と擁護を訴える宣伝行動が行われたので参加しまし
 た。チラシ配布をしましたが、生憎、断続的に小雨が降ったりしたので不十分な対応しか出来ま
 せんでした。在日30年くらいになるという中国籍の方から話しかけられましたが、日本の政治
 情勢に精通していました。安部首相では日本の針路は危ないといっていましたが、正論をついて
 いました。それに比べると、ここを行き来する若者の大半は、政治には全く無関心のように見え
 ます。


 ● 8月22日(金曜日)●

    「アベノミクス」に期待する人、もうゼロでは?

   一時期、「アベノミクス」という言葉が亡霊のように世間に徘徊していましたが、最近はほと
 んどお目にかからなくなりました。最初から胡散臭い言葉でしたが、ようやく世間にもその虚像
 が認知されることになったようです。
  消費税の増税によって物価はあがったけれども賃金は上がらない、従って消費志向も沈滞気味
 で、「アホノミクス」の第三の矢の成長戦略は力強く日本経済を牽引するどころか足元に力なく
 だらりと落ち込んでいる状態です。確固とした展望はなくお先真っ暗の状態です。

  今日もテレビで中小企業の経営者が深刻な経営状態を吐露していましたが、安部首相に聞かせ
 た発言でした。この政権になって「経済政策」「景気対策」は失速、「国際協調」「近隣外交」
 はもともとダメ、「沖縄問題」「平和施策」「原発問題」などでは全く後退。それでは何か前進
 したものは、ということになると、衆目の一致するところ「なし」ですから、この内閣はどう考
 えても合格点のレベルには達していません。

  こうしたときによく使う手ですが内閣改造で国民の目をごまかし、北朝鮮の拉致問題で失点の
 回復を図ろうと目論んでいますが、調子よく適当なことを並べて国民をだまそうとする首相のあ
 の政治手法は、ネタがばれた手品そのものですからもういい加減に見たくないですねぇ。


  甲子園の高校野球もいよいよ大詰めです。2011年夏・12年春・夏と三期続けて準優勝を
 おさめた郷里の八戸学院光星は、今年も順調に勝ち進み、今度こそ東北初の優勝を、と期待され
 ていました。
  しかし、今日の準々決勝で敦賀気比高校に大差で敗れてしまいました。残念至極です。頂上を
 極めることは、どのような分野であれ、とても難しいことです。

  ところで、最近の甲子園出場を狙う全国各地の野球有力校には、地元の子どもたちはごく数え
 るしかいないようです。光星も大半が八戸やその近郊以外の子どもたちで、特に大阪圏の出身者
 が多いそうです。地元八戸では、結構冷めた感じの応援風景だということでした。
  私の三人の子どもたちが卒業した四谷第六小学校・旧四谷第二中学校出身で地元の少年野球チ
 ーム(大京町キングス)で活躍した子どもは、明日、準決勝を闘う日本文理高校で野球をしてい
 ます。ひょっとすると日本文理高校も、地元の新潟以外の選手たちが多数を占めているのかも知
 れません。実態の伴わない「地元代表」というのは、何となく味気のない感じがします。


  ● 8月20日(水曜日)●

    戦後生まれだから戦争を知らない、は適切な表現?

  今年は敗戦69周年です。前回の国勢調査によると、日本の元号別の人口構成は、明治生まれ
 が総人口の0・2%、大正生まれが4・4%,昭和生まれが77・4%,平成生まれが18・0
 %になっています。戦後生まれの人口は総人口の75・5%となっていて、初めて総人口の4分
 の3を上回る結果になっています。

  こうした人口構成の変化もあって、よく新聞報道などで「戦争を知らない世代が大多数になっ
 た」といわれます。今日の朝日新聞の投書欄にも「安部首相は(戦後生まれだから)戦争を知ら
 ない」という一言が載っていました。
  私はこうした報道や表現は全く一面的だといつも思っています。確かに戦争の「実体験」があ
 るかないかという時間的な区切りで考えると、ない人が圧倒的に多くなりました。しかし、戦時
 中に生きたからと言って戦争を知っている、戦後生まれだから戦争を知らない、わけではありま
 せん。私よりもはるかに年配の人でも、戦争の実相に対して驚くほど無知な人は、周りに一杯い
 ます。恐らくこうした人たちは、安部首相の「積極的平和主義」に盲目的に共鳴している人が多
 いのではないか思います。

  安部首相が「戦争を知らない」との指摘はその通りですが、それは戦後生まれだからではなく、
 戦争の本質や実相に対しての感覚がきわめて希薄だからに他なりません。
  戦争を知っているかいないかは、体験があるか否かは大きな要素ですが、同時にその人の歴史
 に対する認識の範疇に属する問題でもあります。

  これから戦後生まれがもっともっと増えたとしても、戦争の本質に対する認識を深めていくこ
 とによって、戦争の風化を食い止め、平和を希求する社会を創っていくことができるのだと思い
 ます。


 ● 8月18日(月曜日)●

    また変な議員の発言。「アイヌ民族は今やいない」。

  地方自治の多様性は最大限尊重されなければならないが、最近、一部の地方議員の極端な行動
 や発言には驚かされるばかりです。

  ある札幌市議が、いまやアイヌ民族はいない、と言ったというのです。
  北海道新聞によると、自民党に所属する金子快之議員がツイッターで、「アイヌ民族なんて今
 はもういない」「100%アイヌ民族の血が流れている人が果たしてどれだけいるのか」「アイ
 ヌ民族に対する札幌市の支援制度はいらない」と述べたということです。
  アイヌ民族の地元中の地元の市議会議員がこんな的外れのことを堂々と述べるなんて信じがた
 いことです。あまりにもお粗末過ぎます。

  衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で可決されたのは2
 008年のことです。これを受けて政府は、アイヌ民族を初めて「先住民族」として認めました。
 全く遅きに失した対応ですが、とにかく日本が単一民族でないことはこれによって周知の事実に
 なりました。その後、国によって新たなさまざまなアイヌ政策がスタートしています。

  金子議員は一連の支援事業に批判的だったとされていますが、批判的だからと言って厳然たる
 事実を一片たりとも否定する理由にはなりません。この人の信念かもしれませんが、今回の発言
 はあまりに乱暴すぎ、頓珍漢です。

  北海道新聞によると、北海道は昨年10月、7年ぶりにアイヌ民族の「生活実態調査」を行っ
 ています。調査結果によれば、道内に暮らす人は、1万6786人。さまざまな事情から名乗り
 出られない人も相当いるとみられています。金子議員の「いまはもういない」という発言は一体、
 何を根拠にしているのでしょうか。

  私は青森県の生まれですが、東北から北海道にかけて、各地の地名にはアイヌの言葉が一杯冠
 されています。北海道の開拓時代、アイヌ民族に対して収奪や差別が行われ、政府は強制的な同
 化政策を進めました。この結果、アイヌの地域共同体であるコタンは崩壊し、アイヌ文化も衰退
 を余儀なくされています。しかし、こうした反省から、心ある先人たちが精力的にアイヌ民族を
 取り上げ、その文化の復興を進めてきたのでした。
  アイヌ民族として初めて国会議員になり、身をもって国政の場でアイヌ民族に光を当てた社会
 党の萱野茂さんも、そうした先駆者の一人でした。

  国や北海道、札幌などの自治体が行っている施策の背景には、反省を込めたこうした苦節の経
 過と歴史があるのです。「アイヌ民族はいない」などという妄言は、この人の陳腐で低劣な歴史
 認識をよくあらわしていますが、それにしてもひどい発言です。こんなのが北都札幌の市議なん
 ですねぇ。


  ● 8月16日(土曜日)●

    神宮外苑の花火大会。新マンションからは初めて。

  今夜は、神宮外苑の「花火大会」です。午後7時半から8時半までの一時間に1万発の花火が
 打ちあげられました。改築前の野口ハウスの窓からは、毎年、真正面にあたる神宮球場の上空に
 花火がよく見えました。新しいマンションから見るのは今年が初めてになりますが、以前と同じ
 6階だし、位置関係も同じなのでこれまでと同様によく見ることが出来ました。3年ぶりです。
  幸いに直前まで降っていた小雨も止み、打ちあげが始まる頃には星空になっていました。

  このマンションの取り柄のひとつは、花火がよく見えることかも知れません。10階の上のマ
 ンションの屋上も花火を楽しむ人たちで一杯だったようです。

  今夜は、以前から懇意にしてもらっている知り合いがわざわざ来てくれたので、みんなで一緒
 に食事をしながら夜空を彩るつかの間の火の競演を堪能しました。


 ● 8月15日(金曜日)●

   戦争賛美の宗教施設に恭しく参拝するバカ大臣ども。

  今日は69年目の敗戦記念日。この日はいつも「靖国神社の参拝」が話題になりますが、今日、
 安倍首相本人は参拝せず、萩生田総裁特別補佐を通じて私費で玉串料を奉納しました。萩生田氏
 は参拝後、首相から「国のために尊い犠牲となられたご英霊の御霊に、尊崇の念をもって謹んで
 哀悼の誠をささげてほしい。揺るぎない恒久平和をしっかりと誓ってほしい」と伝えられたと記
 者団に述ています。戦争をする国づくりに邁進するオトコが何を言うかです。

  また、古屋・新藤・稲田の各大臣がそれぞれ靖国神社を参拝、「国のために命をささげた方々
 に哀悼の誠をささげるのは当然だ」と語ったといわれています。更に菅官房長官は記者会見で、
 「国のために尊い命を犠牲にした方々に対し手を合わせてご冥福をお祈りをすることは、どこの
 国にあっても当然のことではないか」と強調しています。

  毎年のことでうんざりしますが、参拝するお偉方は、毎年毎年、全く頓珍漢なことを言ってい
 るのです。彼らは「国のために尊い命を犠牲にした方々に対し手を合わせてご冥福をお祈りをす
 るのは当然のこと」と念仏のように唱え、それを最大の理由にして靖国参拝を正当化しています
 が、これが完全に間違っているのです。
  犠牲者に敬意を示し、冥福を祈ることに異を唱える人はどこにもいません。問題なのは「A級
 戦犯を神」として奉っている靖国神社に公人が恭しく参拝することが全くふさわしくないという
 ことです。
  「戦犯の神」を崇拝するならば、先の侵略戦争を正当化し、反省の気持ちなどは微塵もないと
 いうことになります。更に官房長官をはじめとして今だに「どこの国でも行っていること」と述
 べる無知な者がおりますが、彼ら特有の国民を惑わす姑息な言い訳です。
  戦争を絶対的に賛美し、こともあろう戦争責任者を神として奉る偏狭な宗教施設に対して、国
 の重要な地位にある人が、その地位のまま参拝するのは、日本の彼ら以外にはどこにもありませ
 ん。どこかにあるのならば、口先だけで「どこの国でも行っていること」などというのではなく、
 具体的な国名を挙げて教えてもらいたいものです。

  よく知られているように天皇陛下は、参拝していません。昭和天皇は以前には参拝していまし
 たが、A級戦犯が葬られた後は参拝を中止しています。歴史を正視し、間違った道への逆戻りを
 許さないという考えがちょっとでもあったならば、天皇のような姿勢になるのは当然のことであ
 り、こうすることこそが妥当な判断というものです。

  「みんなで靖国神社に参拝する会」という団体があり、今日も見覚えのある自民党の国会議員
 たちが雁首そろえて参拝する姿がテレビに映し出されていました。侵略戦争を「聖戦」だなどと
 称して歴史の捏造に加担しているこういう浅はかな連中もまた、日本の国際的な評価を台無しに
 している元凶のひとつになっているのです。


  ● 8月12日(火曜日)●

    友人からとても立派な「表札」をいただきました。

  夕方、友人から一杯飲もうと招待を受けていたのでお邪魔しました。彼とは同窓で人生の少な
 からぬ時期に同じような環境の中で過ごしたこともあって、昔から結構気が合っています。

  彼が住んでいるマンションは早稲田大学にほど近いキャンパスの北側にあり、以前は南側の窓
 から大隈講堂も見えていたということです。反対側の窓下には鬱蒼とした椿山荘の森が広がり、
 遠くには池袋のサンシャインが望めます。南側にも北側にもすばらしい眺望が広がっている建物
 です。私も学生の頃は大学近くの古い下宿屋の三畳間に住んでいましたが、このマンションが出
 来た頃は、どんな人種がこんな御殿のような建物に住むんだろうと思っていたものでした。
  今では建物自体が随分古くなったし、その後、周りに立派な建物が次々と建てられたので、今
 は一帯の風景の中に溶け込んでいてほとんど目立つような感じではなくなりましたが、私にとっ
 てはいつまでも早稲田と椿山荘の間に超然と屹立しているという印象が強い建物です。

  彼が準備してくれた日本酒を飲み、気兼ねのない楽しい時間を過ごしました。思いがけなく私
 のマンションの新築祝いとして「表札」をいただきました。日光の一刀彫で造られたものです。
 材質も重厚な感じで見たからに風格があります。こんな立派なものを玄関に掲げるのは、黄門さ
 んの印籠のようでこそばゆい思いがします。何となく躊躇しますが、そのうちに彼が私のところ
 に来てくれる筈ですので、その時だけ一時的に掲げるという「姑息?」なやり方もあるなぁ、と
 思ったりしています。


 ● 8月11日(月曜日)●

   新社会党新宿の執行委員会で区長選などの意見交換。

  午後6時から四ッ谷駅近くの事務所で新社会党新宿総支部の執行委員会が開かれたので出席し
 ました。さまざまな議題に関して意見交換をしました。11月に行われる新宿区長選挙について
 も協議しました。現在、区長選挙の候補者として名前が挙がっているのは、自民党が擁立する予
 定の若手の都議会議員です。この予定候補には公明党も同調しするものと思われます。共産党も
 候補者の選考を進めている筈ですが、まだ具体的な名前は出ていません。

  私たちは主体的に独自の候補者を擁立するほどの力量はありませんので、各党の擁立状況を見
 ながら態度を決めたいと思っています。

  今日の会議では9月21日(日)午前10時半から「神宮外苑・史跡めぐり」を行うことも決
 めました。神宮外苑には、学徒出陣壮行記念碑、樺太島日露国境標識、明治天皇葬場殿跡、明治
 憲法・憲法記念館、聖徳記念絵画館、滝沢馬琴終焉の地など、由緒のある史跡や記念碑が点在し
 ています。当日はこれらの史跡を見て回ります。特に、絵画館については、あの特徴のある建物
 はみんなよく知っていますが、入館して明治時代の歴史的な出来事を写し出した80枚の絵を見
 た人はほとんどいない筈です。


  ● 8月9日(土曜日)●

   長崎市長が「集団的自衛権」の行使容認を厳しく批判。

  今日はナガサキの原爆記念日です。平和宣言で田上市長は「集団的自衛権の行使」を容認した
 閣議決定を厳しく批判しました。当然のことだと思います。被爆者たちも式典に出席した安部首
 相に対して閣議決定の撤回を要求しています。安部首相は、「見解が違う」と言い逃れをしたよ
 うですが、問題の本質は単に見解が一緒だとか違うとかではなく、国のあり方として日本が本質
 的に持つべき理念そのものにかかわることです。具体的には憲法が持つ三原則を中心にした基本
 的な精神を尊重するのかしないのかという問題です。この首相が持っている保守回帰の「心根」
 は不動のようですから、今の流れを変えるためには、そっくり他の人と入れ替えるしかありませ
 ん。
  しかし、現在の日本の不幸は、入れ替わるべき政党も人材もいないということです。そればか
 りではありません。国会の場で安部の施政を指弾し、政府がとっている危険な動向をまともに批
 判する議員さえいないのです。かつての日本社会党の存在の大きさを痛感します。


 ● 8月7日(木曜日)●

     検査中のピロリ菌は、一回で除去されました。

  2ヶ月ほど前、医者の助言に基づいてピロリ菌を殺菌するために一週間ほど服薬しました。一
 ヵ月半後にその効果を検査するため検体を採取し、知り合いの診療所に持参しましたが、今日、
 その検査結果が判明しました。先生の判定は「陰性になった」、すなわち、ピロリ菌は除去され
 たというものでした。年齢からしても恐らくもう一回の服薬することになるだろうと思っていた
 だけに少々意外な感じでした。ただ、ピロリ菌はいなくなったけれども、恐らく50年以上も体
 内に菌がいただろうから、これによって胃がんになる確率が一挙に軽減したわけではない、とい
 うことでした。
  これからも年に一回は胃カメラの検査をきちんとやって予防に努めることを先生と約束し、な
 んとなく軽やかな気持ちで診療所を後にしました。


 ● 8月6日(水曜日)●

     安部好みの官僚原稿を、ただ読み上げただけ。

  69回目のヒロシマ原爆記念日です。今日のヒロシマの記念式典には、これまで通り安部首相
 が出席しました。9日のナガサキの式典にも出席する予定です。それ自体は好ましいことですが、
 首相がこの間やってきたことは、原発関連の一連の施策に端的に示されているように核廃絶とは
 間逆のことです。
  今日の式典の挨拶も仕方なく口先で核の廃絶を言っているだけで、被爆国として核のない社会
 を形成していくために世界世論をリードするような決意も誠意も全く感じられません。ただ出席
 だけはして、官僚が書いた安部好みの砂のような原稿を無感情に読み上げた感じです。この首相
 は、一体何のために意義ある原爆記念式典に参加しているのでしょうか。


 ● 8月4日(月曜日)●

    G・マルケスの『わが悲しき娼婦たちの思い出』

  先日、厚生労働省が発表したように昨年の日本人の平均寿命は男性が初めて80歳を超え、女
 性も86.61歳と2年連続で世界第1位になったということでした。男女とも文字通り「人生
 80年の時代」に入ったということです。

  一か月ほど前からガルシア・マルケスの作品を読んでいますが、この人の作品のひとつに『わ
 が悲しき娼婦たちの思い出』があります。主人公は90歳の老人です。今日読み終えましたが、
 彼の小説にしてはわかりやすい文章で書かれています。川端康成の『眠れる美女』に着想を得た
 といわれ、冒頭には「眠れる美女」の冒頭の一節が引用されています。

  書き出しは「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにし
 ようと考えた」というものです。どぎもを抜く表現です。
  日本の男性の平均年齢よりも10歳も年上の90歳の主人公は、誕生日を前日になじみの娼館
 のマダム(70代?)に頼んで、うら若い処女を紹介してもらいます。娼館に行くと14歳の胸
 も膨らんでいない少女はぐっすり眠っていました。誕生日を迎えた老人は少女の横で一緒に眠り
 に落ちていきます。老人はその少女に勝手に名前を付け、91歳の誕生日の直前まで一年近くに
 わたって一緒に傍で眠るという行為を繰り返す物語です。嫌悪感を抱かずにはいられないような
 行為ですが、老人をはじめとする登場人物は何となくユーモアがあり、随所にさまざまな社会問
 題も織り交ぜられ、巻を置かずの面白い展開になっています。この小説を書いたときのマルケス
 は77歳だったそうです。こうした奇抜な発想を生み出し、読者を惹きつける物語りに仕上げる
 G・マルケスの、ノーベル賞作家としての力量を感じました。


 ● 8月2日(土曜日)●

     何とも痛ましい事件が全国で発生しています。

  毎日のように想像を絶する事件が頻発しています。高校一年生の少女が仲良しの同級生を殺害
 した事件については、その後の状況が連日報道されています。犠牲になった子はもちろんのこと
 ですが、両親の気持ちを思うと居たたまれなくなります。
  被害者の両親からコメントが出されました。「毎日娘のことを考えて家族で涙を流している日
 々です」。両親は読書好きだった娘のひつぎに歴史小説を入れ、成人式に着せようと思っていた
 母親の振袖を遺体に掛けてあげたということです。涙が出てきます。

  今日は、神奈川県山北町ではキャンプ中だった家族4人が、鉄砲水ともいえるような増水によ
 って車ごと流され、子どもたちを助けた父親が母親を探している間に、子どもたちが再び流され
 てしまって、結局母子3人が犠牲になっています。かわいそうで言葉もありません。幸せだった
 四人家族が、突然、一人になってしまうなどとは私には想像することさえ出来ません。父親の気
 持ちはいかばかりかと思います。このキャンプ場では無許可のまま川幅などが浚渫されていたよ
 うです。

  イスラエルなどの紛争地では、絶対にあってはならない人間の行為によって、長い間、信じが
 たいような犠牲者が出ています。両陣営が唱える「正義」のための戦いかもしれませんが、ひと
 つしかない命がこうも簡単に奪われていく状況は、人間社会の愚かさを端的にあらわしています。
 どう考えてもまともではありません。痛ましい限りの夏の日々です。


 ● 8月1日(金曜日)●

       男性の平均寿命、初めて80歳を超える。

  厚生労働省の発表によると、昨年の日本人の平均寿命は男性が80.21歳になり、初めて8
 0歳を超えたということです。女性も86.61歳と2年連続で世界第1位です。
  昨年の日本人の平均寿命は、一昨年と比べて男性は0.27歳、女性は0.20歳上回り、い
 ずれも過去最高を更新しました。男性の平均寿命は香港、アイスランド、スイスに次いで世界4
 位にランクされています。
  男性と女性の平均寿命の差は6.40歳です。一昨年より0.07歳縮まりました。平均寿命
 が女性だけでなく男性も80歳を超えたのは、世界でも香港やスイスなど一部の国や地域に限ら
 れていて日本人の長寿は世界のトップレベルとなっています。

  今、イスラエルやシリア、ウクライナなどでは、民族紛争のために毎日多数の犠牲者が出てお
 り、またアフリカ西部のギニア、リベリア、シエラレオネでは、最大致死率が90%以上にもな
 るという「エボラ出血熱」の発生で未曾有の被害が出ています。このようなことが起こると平均
 寿命は極端に下がってしまいます。日本でも1945年、戦争に負けた時の平均寿命は、男性が
 僅か23.7歳、女性も低く34歳でした。今ではとても信じ難い数字です。

  日本の平均寿命が男女とも高いのは、医療技術の進歩とかインフラの整備とか良好な食料環境
 とか衛生思想の充実とか様々な要素がありますが、そのひとつに「戦争放棄」をうたった憲法第
 9条の存在があります。戦争放棄は日本の平均寿命を高める大きな要因になっているのです。

  ところで、平均寿命は、生まれたばかりの赤ちゃんが平均的に生存する年数のことですが、一
 定の年齢の人がこれからどれくらい生きるかは「平均余命」といわれています。例えば70歳の
 場合、平均余命は男15.08歳、女19.53歳(平成22年の統計)です。
  私の場合も、まだ結構余命年数はありますので、有効に使わなければなりません。


 ● 7月31日(木曜日)●

     ピロリ菌除去の状況検査のために検体を持参。

  2ヶ月ほど前、健康診断で胃カメラの診察をした際、先生から胃がんを予防するために「ピロ
 リ菌」の有無を検査したほうがいいというアドバイスをいただきました。「ピロリ菌」という言
 葉は知っていましたが、詳しい説明を受けるのは初めてでした。菌のあるなしでは、胃がんにな
 る割合が極端に違うのだそうです。
  早速、血液と便の結果をしてもらい、「ビロリ菌」の有無を検査しましたが、菌がいることが
 わかりました。私たちの年代は、子どもの頃に井戸水で生活した人が大半なので、大体の人は菌
 保有者なのだそうです。

  そこで菌を除去する治療をすることになりました。朝夕一週間、五種類の薬を飲み、そして一
 か月半後に検体を病院に持参して菌の有無を確かめます。菌がなくなっていればそれで治療は終
 了し、菌が検出されたならば薬を変えて一回目と同様の治療をするというものです。

  ようやく今日、服薬終了後一ヶ月半が経過したので、検体の容器を病院に持参しました。どう
 なっているか興味があります。検査結果は8月7日に担当の先生から聞くことになっています。


 ● 7月29日(火曜日)●

      ずっと継続している「脱原発の集会・デモ」

  雨が降っても槍が降ってもという言い方がありますが、毎月一回、原則として「槍が降らない
 限りは実施」している新宿地区労センター主催の脱原発の集会・デモ」が今日、行われたので参
 加しました。毎回午後6時に新宿駅に程近い区立柏木公園に集まり、簡単な集会の後、参加者全
 員で新宿駅西口一帯をパレードします。集会開始からデモ終了まで大体、一時間前後なので、仕
 事帰りに気軽にちょっと参加することができます。いつも沢山の人で埋まっている新宿駅西口が
 デモのルートなので、注目度は抜群です。今日集まったのは25人くらいでした。

  原発をめぐる状況は、再稼動を容認する動きなどもあってめまぐるしく変化していますが、脱
 原発社会を作る必要性は高まることがあっても低くなることはありません。ごく最近も汚染ごみ
 の最終処分場をどこにするかでもめています。突然、候補地に擬せられた自治体では反対の声が
 高まっていますが、当然のことです。
  このようにフクシマ原発の後始末もろくに出来ない政府が、再稼動だけは事の殊の外熱心です。
 いまの政府には、長期的なエネルギー政策もなければ地球環境の保全を視野に入れた構想もなく、
 場あり的で短脈的な小手先の対策があるだけです。

  私たちは脱原発の意思表示は絶やすことなく継続的に発していく必要がありますが、新宿地区
 労働センターの持続的な活動は、大変貴重な取り組みだと思っています。


 ● 7月28日(月曜日)●

     居住マンションで未明に火災警報が鳴り響く。

  未明の2時半頃ですが、私が入居しているマンションでほぼ建物全体に「火災報知器」の警報
 がけたたましく鳴り響きました。「火災発生」の知らせです。すぐに消防車も到着しました。

  新しく完成したばかりのマンションは北に向かってコの字型に建っており、私は南側最上階の
 6階に住んでいます。西側は外苑西通りに面していて10階建て。東側は7階建てで、全体の戸
 数は約200戸にものぼります。
  深夜、このような大規模マンションで居住者全員が飛び起きるほどの大音響が20分以上も響
 きわたったのでみんなびっくりして飛び起き、部屋の外に出て何事かと心配しました。

  後で分かったことですが、原因は東側6階に住んでいる人が調理をしていて、その際に発生し
 た煙を感知器が捕らえたために警報装置が稼動したようです。通常の場合、それぞれの室内で出
 される「警報通知」の段階で対処され、管理人室に通知が回ったとしても専門家の管理職員が状
 況を掌握して適切に処理するのだそうです。
  従って、実際に火災でも発生しない限りは今回のような騒動にはなりませんが、今回は発生し
 た部屋での一次的な対応が誤り、管理人室でも処置を誤ったために大騒動になったということで
 した。予期しないことが二重に起きてしまったということです。

  このマンションは防災面では最新の対策が完備されていると言われ、そのことがひとつの「ウ
 リ」になっています。訪ねてくる人が、いちいち「入館」の許可を取る必要があるので、私は少
 々うんざりしていますが、万全な装置が完備され、どんなに立派なマニュアルが出来ていたとし
 ても、いつもその通りにはならないことが、改めて今回証明されました。

  全く当たり前のことですが、家庭でも地域でも、もちろん国でも、全て思った通りに事は運ば
 ないということを大前提にして、あらゆるしくみや制度は構築されなければなりません。
  比較できるような事柄ではありませんが、原発事故に対しても絶対に完全な対策など構築でき
 ません。必ず事故が起こりうるし、起こると取り返しのつかないことになります。従って、原発
 は廃棄するしか選択の道はないのです。


 ● 7月27日(日曜日)●

      長い間一緒に活動した友人と会いました。

  久しぶりに懐かしい友人と会う機会がありました。私が初当選をした28歳の頃から、彼には
 あらゆる面でずっと支援してもらい、一緒に活動しました。同じ青森県出身(彼は弘前市出身)
 ということもあって、気心が合う同志でした。社会党が解体状態になり、社民党、民主党、新社
 会党などに分裂したときに、彼はいろいろな関係上社民党に籍を置き、私は新社会党の結成に参
 加しましたが、私たちは今でも分かれたという意識はほとんど持っていません。

  彼は私よりは半周りほど若いために、今でも現役で働いており、会社は彼を必要としているの
 でしばらくは働き続けるということです。

  四谷の居酒屋で、社会党の今昔や最近の政治情勢について、ずっと話し合いました。


 ● 7月25日(金曜日)●

    「人間のくず」を体現しているお粗末な百田尚樹。

  安部首相のお気に入りでNHKのトップに座った籾井会長は、最もその職に相応しくない「人
 材」ですが、同じようにNHKの経営委員の中にも信じがたいようなことを平気で述べる者がい
 ます。
  作家で経営委員の百田尚樹が、22日に開かれたNHKの経営委員会で、「ニュースウオッチ
 ・9」の大越健介キャスターが「在日コリアン1世は強制連行で苦労した」という意味合いの発
 言をしたことについて、異議を唱えたということです。今朝の朝日新聞で報じられていますが、
 あきれ返ってしまいました。
  放送法3条では、経営委員が個別番組について干渉することは禁じられており、また、第32
 条では、経営委員の権限について「委員は、個別の放送番組の編集について、第3条の規定に抵
 触する行為をしてはならない」と定めています。
  簡単明瞭な条文であり、素直に読めば誰にでもすぐにわかる内容です。百田尚樹がこれを理解
 できなかったのかどうかは分かりませんが、彼の干渉発言は法の規定に抵触していることは明ら
 かです。

  新聞報道によると、百田尚樹が問題にしたのは、17日にされた在日コリアン3世の結婚観の
 変化についてのリポートが放送された際、終了間際に大越キャスターが「在日コリアン1世の方
 たちというのは、1910年の韓国併合後に強制的に連れてこられたり、職を求めて移り住んで
 きた人たちで、大変な苦労を重ねて生活の基盤を築いてきたという経緯があります」と発言した
 ことについてです。
  このごくごく自然なキャスターの発言を捉えて、百田尚樹はNHKの放送担当の理事らに対し、
 「在日韓国・朝鮮人を日本が強制連行したと言っていいのか。間違いではないか」「日韓併合後
 に強制連行はなかった。NHKとして検証したのか」などと問いただしたということです。理事
 者側は「強制連行もあれば自分の意思で来日した人もいるという趣旨で発言したものだと思う」
 などと説明したそうです。

  百田尚樹というオトコは、「日韓併合」は、日韓両国が全く対等の立場で実施したものだとで
 も思っているのでしょうか。彼は以前にも「日教組は日本のがん」だとか「南京大虐殺はなく、
 従軍慰安婦はうそ」などとと発言しています。また、今年5月には自民党の会合では、南太平洋
 のバヌアツ共和国やナウル共和国の名前を挙げて、これらの国は「家に例えると、くそ貧乏長屋
 で泥棒も入らない」などと発言、2月に行われた東京都知事選の応援演説では、対立候補を「人
 間のくず」と非難して逆に嘲笑を浴びています。なんともお粗末な人間です。

  この百田尚樹というオトコこそ、歴史の現実を正視しない「人間のくず」を典型的に体現して
 おり、今や籾井会長と共に象徴的な「NHKのがん」だと言っていいかも知れません。


 ● 7月24日(木曜日)●

      新宿区役所稲門会の「暑気払い」に出席。

  新宿区役所職員・議員の現役や退職者たちで作っている任意団体の「新宿区役所稲門会」は、
 大体年に二回ほど会合を開いて交流を重ねています。現在の会長は元助役の高橋和雄さんです。
 私は現役の時に事務局長をしていました。今夜、歌舞伎町の居酒屋でその集まりがあったので参
 加しました。久しぶりに会う人ばかりです。誰とでも気兼ねなくいろいろな話が出来るので私は
 いつも参加していますが、今夜も楽しいひと時を過ごすことができました。

  私が現役の時のことですが、新宿区議会で早稲田大学出身の議員は、自民・社会・共産・その
 他無所属の各会派に分かれて多い時には8人もおりました。現在は、引退や死亡などでたったの
 3人だけになっています。早稲田大学は新宿区の行政と強く関係する地元の有力な大学なので、
 もっと出身の議員の数が増えてもいいのではないかと思ったりしていますが、言うまでもなくそ
 うでなければならないとか、区政と相関関係があるとかいう話ではありません。

  ただ、、同窓の職員は以前に比べると相当多くなっているようです。管理職になっている人た
 ちも着実に増えています。最近では、私が初めて議員に当選した後に生まれた課長職の人が何人
 もおります。時の流れを感じます。


 ● 7月23日(水曜日)●

     ウルトラ右翼政権と対峙する勢力が皆無の状態。

  今夜、久しぶりに新宿駅近くで何人かの友人たちと合流して「暑気払い」をしました。たわい
 のない話をしましたが、当然のことのように政治のことが話題の中心になりました。

  最近の日本の政治状況は、ウルトラ保守の安部政権の下で急速に右傾化傾向を強めています。
 長年にわたって自民党が政権を独占していた時代でも無かったような状況です。国論を完全に二
 分していた集団的自衛権行使容認の閣議決定や秘密保護法制定を強行制定するなど、実に深刻な
 様相を呈していますが、根本的な問題は、半数にも及ぶ国民の反対の声を受け止めてこうした反
 動的な動きときちんと対峙する勢力・政党が国会ではきわめて少数だということです。

  悪しき小選挙区制の影響ですが、今や「国権の最高機関」は、国民の半数以上の声さえも無視
 し、それがごく普通にまかり通るほど形骸化している状況なのです。離合集散を重ねるたけのこ
 政党は論外ですが、民主党もこれほどひどい政党だとは思いませんでした。
  こうした中で、私の所属する新社会党の存在価値はますます重要性を帯びていますが、残念な
 がらその影響力・発信力は皆無に等しく、新社会党という党があること自体、結党以来18年に
 なりますが、ごく一部を除いては全く知られていません。一般的な市民の眼中にはないのです。
 国会の議席を失って以来、その他大勢の政治団体の中にひとくくりにされ、年と共にその姿カタ
 チは小さくなっていくばかりです。長い間議員をしていた私の場合でも、「社会党の山田さん」
 とはよく言われましたが、「新社会党の山田さん」とはごく数えるほどしか言われたことはあり
 ません。

  困難な状況を打開して党勢の回復を図ることが私たちの最大の課題であり、このことは党を強
 化したいと思う誰もが意識していることですが、客観的に考えてそのような条件が私たちの前途
 にあるわけではありません。まさに風前のともしびと言っていい状態です。国政以上に深刻です。


 ● 7月19日(土曜日)●

     朝鮮半島の現状を考える講演会に出席しました。

  中野駅北口近くの中野区立産業振興センターで「朝鮮半島の統一と東アジアの平和を考える講
 演会」が開かれました。
  私の友人たちが主催している新社会党朝鮮半島問題PTが開催する講演会で、講師は韓統連副
 議長の宗世一(ソン・セイル)さんです。約一時間半にわたって、①米国の東アジア政策、②バ
 ク・クネ大統領の内外政策と政権の現状、③現状の南北朝鮮関係と統一に向けての動向と課題、
 について講師から詳しい説明がありました。情勢分析のきちんとした中身の濃い講演会で、とて
 もいい話を聞いたという気分になりました。

  北朝鮮に対する私たちの感情は、拉致問題や金一族の独裁政権が横暴を極めているという実態
 からしてとても好意的な評価ができるような状態ではありません。しかし、こうした現状を作り
 出しているその大元の原因のひとつに、武力を誇示するアメリカの東アジア政策が深く関係して
 いることを、今夜の講演会で改めて学ぶことが出来ました。

  ごく最近、北朝鮮の目の前で行われた米韓軍事演習に、集団自衛権の行使を容認したばかりの
 自衛隊も参加しました。日米韓の武力競演です。北朝鮮を強く意図した武力演習ですが、このよ
 うに目の前、鼻の先でドンパチと火薬の臭いをちらつかせて、北朝鮮に黙っておれ!というのは、
 横暴なアメリカの利己主義的な世界戦略とそれに盲目的に追従する日韓の北朝鮮敵視外交以外の
 何物でもありません。


 ● 7月18日(金曜日)●

    マレーシア航空機がウクライナで撃墜。全員死亡。

   信じ難い事件が起こりました。紛争状態にあるウクライナ東部のドネツク州で17日、アムス
 テルダム発クアラルンプール行きのマレーシア航空機が何者かに撃墜されて墜落し、乗客と乗員
 298人全員が死亡しました。
  ウクライナ政府は即座に、「現場付近を実効支配する『親ロシア派力』が、ミサイルで撃墜し
 た」と発表。米国やヨーロッパの主要各国もこの見方を支持し、親ロシア派とそれを支援するロ
 シアを厳しく批判しています。
  一方、ウクライナ東部支配する親ロシア勢力やロシア政府は、ウクライナ政府軍の仕業だと反
 論しています。
  今のところの、撃墜の確かな原因はわかりませんが、それにしても、戦闘地域だとは言え、飛
 行禁止のされていない地域で民間機がミサイルで撃墜されるということは信じ難いことです。
  戦争では殺人は罪にならないといわれます。そうしたこともあって、歴史的には数多くの惨状
 が世界各地で起こってきましたが、戦争の当事者でもないマレーシアの民間航空機が問答無用で
 撃墜されるなどとは、夢想だにできないことです。


 ● 7月14日(月曜日)●

       新宿区長選挙に向けて対応を協議しました。

   新社会党新宿総支部の執行委員会が四谷駅近くの党事務所で開かれました。11月に行われる
 新宿区長選挙などについて協議し、新宿の新社会党としてとるべき対応を協議し、態度を決めま
 した。私たちは現在の中山弘子区長が四度目の立候補をするもの思っていましたが、いろいろと
 事情があったらしく、中山さんは今期限りで引退することを六月の定例区議会で正式に表明した
 ので、区長選を巡る事態は全く変わりました。
  今日、私たちが協議し、決定した新社会党新宿総支部としての対応は、いずれ正式に発表する
 機会があると思います。


  注目のサッカーW杯決勝は今朝の4時から開催されました。娘に起こされ、二人でテレビ観戦
 しました。ドイツとアルゼンチンの戦いでした。試合の攻防は拮抗し、90分では決着がつかず
 に延長にもつれ込みましたが、延長後半でドイツが待望の先取点を入れ、それを守り抜いて勝ち
 に結び付けました。とても良い試合でした。


 ● 7月13日(日曜日)●

        実に厳しい世界の制覇をかけた勝負の世界。

   ブラジルで開催中のW杯もいよいよ大詰めです。今日は早朝の5時から3位決定戦のブラジル
 対オランダ戦が行われたので、早起きしてテレビ観戦しました。
  優勝候補の呼び声が高かった地元ブラジルは、順調に予選を勝ち抜いて決勝トーナメントに進
 みましたが、準々決勝のコロビア戦でエースのネイマールが大怪我を負って戦列を離れ、続く準
 決勝のドイツ戦では歴史的ともいえる7対1という屈辱的なスコアで大敗を屈しました。迎えた
 今日の試合は、ブラジルファンのせめてもの期待を担った戦いでしたが、私のような素人から見
 てもほとんどいい良いところがなく、3対0で敗れ去りました。ネイマールがいなかったからこ
 うした結果になったのかどうかはわかりませんが、世界最高の舞台で実力を厳しく競うあうW杯
 の厳しさ、高度に洗練されたサッカーゲームの奥行きの深さのようなものを感じることが出来ま
 した。
  W杯が始まる前に、日本の一部では、日本チームの優勝を云々する声があったと思いましたが、
 今回の日本チームの闘い方からしてもとても軽々しくそんなを言えるような世界ではないことを
 改めて実感しました。  


 ● 7月10日(木曜日)●

      「情報は必ず漏れる」は、世界の常識では?

   昨日、ベネッセコーポレーションは、同社の顧客情報約760万件が外部に漏洩(ろうえい)
 したと発表しました。現在、漏洩したと推定されているのは、同社の通信教育サービスなどの顧
 客に関する情報の約2070万件ですが、そのうちほぼ確実に漏洩している情報は約760万件
 だということです。漏洩した「情報項目」は、郵便番号、顧客(子どもとその保護者)の氏名、
 住所、電話番号(固定電話・携帯電話)、生年月日・性別だそうです。欲しいと思っている業者
 にとっては、まさに値千金の垂涎の情報です。

  個人情報の漏洩事件は日常茶飯事のことですが、今回はあまり大規模だったためにマスコミの
 取り上げ方もいつもとは様変わりです。

  しかし、考えるまでもないことだと思いますが、外部に通告された「情報」は、いくら綿密な
 対策を講じたとしてもいずれは流出します。潜在的に情報というものそうした本質を持っていま
 す。漏れる時期が今日・明日かそれとも50年・100年後かの時間的な違いはあるにしても、
 「情報はいずれ漏れる」は世界の常識です。カタチがある物が壊れるのと同じです。未来永劫に
 わたって、情報が当初の能書き通りに健全に管理されるなどということは有り得ないことです。
 考えられる最も厳しい対策を講じたにもかかわらず、しょっちゅう事故を起こし、ついにはフク
 シマ事故(事件)にいたった原発問題と似ているところがあります。

  従って、情報問題で大事なことは、漏れることを大前提にして社会の仕組みが構成されなけれ
 ばならないということです。


 ● 7月7日(月曜日)●

   今のところ「徴兵制は違憲」。そのうち合憲になるかも?

   政府が、閣議で「集団的自衛権の行使容認」を決定したことにより、戦争する集団になった自
 衛隊員の生命の危険性は、前よりも格段に強まりました。このことにより自衛隊への入隊の希望
 者は減少すると予測し、保守陣営の中からも「やがて徴兵制が復活するのではないか」というこ
 とが指摘され始めています。
  元自民党幹事長の加藤紘一が共産党機関紙の赤旗日曜版(5月18日号)でこのことを指摘し、
 野中広務・元自民党幹事長も朝日新聞(5月23日号・朝刊)で同趣旨のことを述べています。
 ごく最近では、国防の実務の現場で長く働いていた元防衛官僚の小池清彦・加茂市長が、朝日新
 聞の6月25日号で「近い将来、日本人が血を流す時代が来ます。自衛隊の志願者は激減します
 から、徴兵制を敷かざるをえないでしょう」と見通しを述べています。

  このような一部の世論の動きに対して、内閣官房は7月5日、次のような「Q&A」(「国の
 存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の一問一答)を掲
 載しています。とりあえず今のところは否定するのに躍起になっています。22の問答がありま
 すが、直接関連する二つの問答を紹介します。

 【問10】 徴兵制が採用され、若者が戦地へと送られるのではないか?
   【答】 全くの誤解です。例えば、憲法第18条で「何人も(中略)その意に反する苦役
       に服させられない」定められているなど、徴兵制は憲法上認められません。

  【問11】 日本が戦争をする国になり、将来、自分達の子供や若者が戦場に行かされるよう
       になるのではないか?
    【答】 日本を戦争をする国にはしません。そのためにも、我が国を取り巻く安全保障環
       境が厳しくなる中で、国の存立を全うし、国民の命と平和な暮らしを守るために、
       外交努力により争いを未然に防ぐことを、これまで以上に重視していきます。

  この二つの【問】に対して【答】で述べていることは全く正解です。しかし、可笑しくなって
 しまいました。政府(内閣官房)のアタマの構造では、「徴兵制は憲法上認められない」が相手
 の国を武力で攻撃することは、憲法上認められているようだし、「国民の命と平和な暮らしを守
 るために、外交努力により争いを未然に防ぐこと」よりも、まず、「わが国には武力攻撃の用意
 があるんだぞ」と威嚇することが優先するようです。

  国民の大反対を押し切り、ろくな説明も出来ないままに集団的自衛権行使という憲法違反の決
 定を平気で強行しながら、よくまあヌケヌケとこんなことが言えるものだと呆れ返っています。
 そのうちに「何人も意に反して苦役を強制されないことは最大限保障されなければならないけれ
 ども、国の安全のためには最低限、思想信条が制限されるの当然のことである。従って、徴兵制
 の実施は現憲法でも可能だというのが賢明なる安部政権の憲法解釈である」「全ては国家の平和、
 国民のいのちを守るためなのだから不平を言わずに従え」などということにどなりかねません。


 ● 7月4日(金曜日)●

    兵庫県のおかしな県議は、正当な選挙で選出された人。

  西宮市選出の兵庫県会議員が、3年もの間、毎日のように日帰りで博多や東京などに出張した
 と称して、何百万円もの「政務調査費」を受け取っていたことが判明し、それを説明する席上で
 当事者の議員が意味不明の大号泣を繰り返していたことが、テレビ各局で繰り返し報道されてい
 ます。

  正視するに耐え難い画面です。この議員に対する私のコメントは何もありませんが、理解でき
 ないのは、領収書・報告書もないのにこうした信じ難い「視察・出張」に対して長い間、正式な
 支出が認められてきたという議会のあり方・決まりごとの不可思議さについてです。領収書なし、
 調査項目の詳細なし、調査報告書なし、調査対象不明~など、全てがあやふやであり、いかにも
 うそっぽい「議員活動」であるにもかかわらず、膨大な調査費(市民が支払った税金)だけは、
 ほぼ無条件に支払われるというのですから、全く理解がいきません。きわめて杜撰な議会の対応
 です。詐欺みたいなものです。詐欺そのものかも知れません。当人の軽率さにはあきれ返ります
 が、こうしたことを許している制度的な欠陥を改めることなく是認してきた議会のあり方こそ大
 問題です。強いて言うならば「詐欺的行為の共犯者」と言っていいかも知れません。

  それにしてもこの西宮市の県会議員は有権者の一代表以前に、一般市民としてもまともな人間
 とは思われませんが、このオトコ、当たり前のことですが正当な選挙で有権者の支持を受けて当
 選した議員なのです。この信じ難い「議員先生」に対する批判は一杯あるにしろ、同時に考える
 べきことは、とても代議員としてふさわしくない人間を選んだ側にも大きな責任があるこという
 ことです。選んだ側に、それ相当の反省すべき点や責任があることを私たちはきちんと自覚する
 必要があります。

  国政ではいま、安部首相が横暴を極めていますが、横暴の基盤になっているのは前回の衆議院
 選挙、それに続く参議院選挙において国民が選択した多くの議員、すなわち議席です。
  誰が今の「戦争する国づくり」を進める政治基盤を「選択」したのか、私たちはきちんと考え
 ることが必要です。


  ちなみに、私が区議会議員を勤めていた新宿区議会の支出は、当たり前のことですが、大変厳
 格でした。例えば、議員控室で使用するPCのインクなどの消耗品を買った場合、「ポイント」
 がつくことがあります。そのような場合には代金からポイント分を差し引いた額が支給されてい
 ました。すなわち1000円の消耗品で1円のポイントがついた場合、支給額は999円でした。
 また、まとまったポイント額で何かを購入した場合には、「現金支出ではない」ということで、
 調査費支給の対象にはなりませんでした。
  しかし、私たちは公金を使うのですからこうした厳格さは当然のことだと思い、何の違和感も
 感じませんでした。


 ● 7月1日(火曜日)●

   憲法理念を踏みにじる暴挙。「戦争する国」を閣議決定。

  今日夕方、安部内閣は臨時閣議を開き、他国への攻撃に自衛隊が反撃できる「集団的自衛権の
 行使」を認める決定をしました。歴代の内閣が踏襲してきた憲法解釈を完全にひっくり返す方向
 転換です。
  今回のこの閣議決定は、「戦争しない国」から「戦争する国」への大転換を図るものです。憲
 法の基本的な柱のひとつである「平和主義」を根本から覆す暴挙であり、一種の「クーデター」
 のようなものです。憲法は何一つ変わっていないのに、国のあり方の根本にかかわる重大なこと
 が一内閣の恣意的な判断で変更されるなどということは、「立憲国家」のもとではありえないこ
 とだと思いますが、あってはならないことを国民の反対をそっちのけにしてやってしまったので
 す。絶対に認められることではありません。


   マスコミの報道によると、閣議決定を受けノーベル賞作家の大江健三郎さんらが、東京都内で
 記者会見し、「閣議決定は許しても実際の行使までは絶対に許さない。今日はその誓いの日だ」
 と抗議の声を上げまし。会見したのは、大江さんら「戦争をさせない人委員会」のメンバー。冒
 頭に「集団的自衛権の行使は中立の立場を捨てることで、過去の戦争の多くが集団的自衛権を名
 目に正当化されてきた。憲法の理念を権力者から取り戻さないといけない」などとする声明を発
 表し、今後も反対運動を続ける意向を示しました。大江さんは「平和憲法と民主主義が自分の支
 えであり、打ちのめされたような気持ちだ」と表情を曇らせ、「安倍晋三首相は憲法への畏れを
 持たない珍しい人間だ。集団的自衛権がもとで国内で起きるテロなどへの想像力も欠けている」
 と批判しました。
  また、作家の落合恵子さんは「立憲主義の息の根が止められようとしている。権力者の戦争ゲ
 ームに付き合わず、国民は子供の笑顔を思い浮かべてほしい」とアピール。法政大の山口二郎教
 授は「さまざまな概念を持ちだし、国民を当惑させたままで閣議決定に踏み切った。不誠実極ま
 りない」と訴えました。


  連立政権を組み、これまで権力の甘い汁を吸ってきた公明党は、自評「平和の党」ということ
 で暫くは反対のポーズをとっていましたが、最後は「歯止めがかかった」などという素人くさい
 ことを理由に挙げて、この許しがたい決定に賛成してしまいました。政権離脱を早々と封印して
 の決定です。これからも政権の椅子のどこかに座らせて下さいということのようです。

  いずれにしても安部首相には、さっさと退陣してもらうしかありません。


 ● 6月28日(土曜日)●

      ようやくG・マルケスの『族長の秋』を読了。

   ガルシア・マルケスの代表作『族長の秋』を読み終えました。『百年の孤独』と並ぶG・マル
 ケスの代表作です。作者自身、この作品は「螺旋的に展開していく」と言っていたようですが、
 六つに分かれた段落の冒頭は全て主人公の族長(独裁者の大統領)が死んだ時の描写から始まり、
 次第に複雑極まりないストーリーへ大きな円周を描きながら螺旋的に進んでいきます。ひとつの
 段落が終わるまで、大体50頁くらいですが改行などは一切なく、かぎカッコ付きの会話の描写
 も全くありません。物語は、時間的な流れとは関係のないような感じで複雑に絡み合いながらが
 進んでいきます。

  これまで、カリブ海沿岸やラテンアメリカの地域に君臨した独裁者は一杯います。ハイチのデ
 ュバリエ、パラグアイのフランシア、エルサルバドルのエルナンデ=マルテスネス、ベネズエラ
 のファン・ビセンテ・ゴメスなどです。キューバのバティシタ政権の下で悪辣の限りを尽くした
 ソサ・ブランコもいます。
  例えば、ディバリエは、政敵が暗殺を逃れるために犬に変身したと信じて国中の黒犬を抹殺し
 という信じ難い男だし、フランシアは、20歳以上の国民全員に結婚を命じ、エルナンデ=マル
 テスネスは、食事に毒が入っていないかどうかを調べる振り子を発明したとして名を残し、農民
 を大虐殺した際に「人間の死よりも蟻の死の方が重いのだ。人間は死は転生の始まりだが、蟻に
 とっては死は永遠であるから」という言葉を吐いたと言われています。

  『族長の秋』は、こうした常軌を逸した名だたる独裁者たちの稀代の蛮行をひとまとめにして
 仕上げられた物語ですから、想像を絶する場面が次々と展開されていきます。

  大変読みにくい小説であり、何を意味するのか、何の比喩なのか分からないところが随所に出
 てきます。消化不良の部分が一杯ありますが、絶大な評価を受けているだけあって実に読み応え
 がありました。これから何点かの短編を読んだ後、次は大作『百年の孤独』に取り掛かります。


 ● 6月26日(木曜日)●

    松本サリン事件から20年。憲法は様変わり状態。

   松本サリン事件が引き起こされたのは1994年6月27日のことです。猛毒のサリンが散布
 され、死者8人、重軽傷者は実に660人にものぼる大事件になりました。一般市民に対して初
 めて化学兵器が使用されたテロ事件でしたが、信じ難いようなずさんな警察の捜査とそれに追随
 したマスコミのなれ合いの果てに、一人の無実の人間が犯人にでっち上げられた冤罪事件、報道
 被害事件でもありました。
  「松本サリン事件」は、警察の初動捜査の失敗とマスコミによる冤罪報道の拡大によって肝心
 の真相解明が手遅れになり、翌年3月の「地下鉄サリン事件」の惨状へと繋がっていきます。
  この「地下鉄サリン事件」の直前には阪神・淡路大震災が発生しました。1995年1月17
 日のことです。振り返ってみると、当時は社会が騒然としていたような気がします。
  明日27日であの忌まわしい松本サリン事件から20年になりますが、テレビや新聞は、区切
 りの時期を迎えたということで数日前から事件について、さまざまな報道が行われています。

  わが家でも夕食の時に、一連の「サリン事件」や「阪神・淡路大震災」当時のことを思い浮か
 べ、この大きな出来事の後、約16年経過した2011年3月11日には東日本大震災が発生し、
 フクシマ原発事故が引き起こされることになったけれども、この間に日本社会に大きな影響を与
 えた出来事は何だろうか、ということがひとしきり話題になりました。

  娘は「バブルの崩壊」によって、拓銀、長銀、日債銀、山一證券、三洋証券などの大手金融機
 関が次々と倒産し、その後の日本社会が長期間にわたって経済危機、金融危機に陥ったことでは
 ないだろうか話し、一方、私と連れ合いは、国労・総評つぶしが端緒になり、引き続いて日本社
 会党が政策転換をはかり、空中分解したことによって護憲勢力が壊滅状態になり、保守勢力の台
 頭を促し、今の反動的な政治状況を生み出していることではないだろうか、という思いを述べま
 した。

  集団的自衛権の行使問題で、今日も自民党と公明党は国民そっちのけでお互いに都合のいい妥
 協点探りをしているようです。どう表現したとしても権力者がすぐにでも都合よく拡大解釈をす
 るのは周知のことです。「戦争放棄」という憲法の大原則を踏み外したならば、すぐにでもタガ
 が外れます。水漏れを防ぐことが出来ないタル同然です。

  いま、かつての日本社会党が国会に存在していたとしたならば、政治状況はどうなったであろ
 うかと、最近よく思います。自民党と公明党が憲法の崇高な理念をそっちのけにし、言葉面で政
 治をもてあそぶようなこんな状態には絶対にならなかったことだろうし、世界に誇るべき日本の
 最大の財産である平和憲法が、かくも骨抜きにされるような状況には、絶対になっていなかった
 だろうと、私は考えています。


 ● 6月24日(火曜日)●

     自民・公明が「戦争する国づくり」で合意

  今日、自民、公明両党の与党協議で、憲法の解釈を変えて他国を武力で守る集団的自衛権を使
 えるようにすることで大筋合意したと報じられました。自民党が集団的自衛権の行使を認める閣
 議決定の原案を示したのに対し、公明党はいろいろと文言修正の要求を出しながらも、基本的に
 は受け入れを了解したということです。公明党は、現在の政権与党の立場を堅持するという考え
 なのでいずれ自民党と妥協してこうなるだろうとは思っていましたが、案の定、大半の人たちが
 予想していた通りなりました。これまでの公明党のやり方からして今回の対応は全然驚くことで
 はないかも知れませんが、国民の多くが反対している集団自衛権容認反対の声が完全に無視され
 てしまい、残念至極です。

  今回の大筋合意によって自民・公明両党は、憲法9条のもとで専守防衛に徹してきた日本の安
 全保障政策を大転換し、憲法解釈を変えるという姑息きわまりないなやり方で日本を「戦争が出
 来る国」にすることを決めます。閣議決定ですから法律的な拘束力はありませんが、それにして
 も大変な変化です。当然のことですが、両党には将来起こるであろう憲法の解釈変更によって生
 じるあらゆる結果については、充分に責任を取ってもらわなければなりません。


  東京女子医大病院で健康状態をチェックしてもらいました。血糖値・尿酸値・血圧などのいわ
 ゆる「成人病項目」は基準よりも若干高めですが、2カ月前の検査と比較すると目立った変化は
 ないということでした。


 ● 6月22日(日曜日)●

      G・マルケスの『コレラの時代の愛』を読了。

   先日から1982年にノーベル文学賞を受賞したガルシア・マルケスの短編をいくつか読み、
 その後、取り掛かっていた500ページを超える大作の『コレラの時代の愛』を今日、読み終え
 ました。
  彼の作風は独特でマジック・リアリズム(魔術的リアリズム)と称されていますが、幼い頃、
 祖父母に聞いたような迷信やおとぎ話、あるいは地域の伝承、風評などと思われる独特の世界が
 驚く程の速さで次々と展開されます。

  『コレラの時代の愛』は、20世紀も終わりの南米コロンビアのカルタヘナが舞台です。カリ
 ブ海の潮風が作品全体を貫いているような感じです。
  青年フロレンティーノは、当時は貧しい電報の配達人ですが、裕福な商人の娘フェルミーナに
 一目惚れをし、彼女に愛を告白します。二人とも二十代前後です。しかし、彼女の父親は大反対
 で二人の中を引き裂いてしまいます。フェルミーナはヨーロッパ帰りの医師ウルビーノ博士のプ
 ロポーズを受け結婚します。しかし、その後、事業に成功したフロレンティーノは彼女への思い
 を忘れることなく、彼女の夫が死ぬまでの間、期間にして実に51年9ヶ月と4日待ち続けるこ
 とになります。
  この間、「心の貞節」?を守りながら620人以上の女性と関係を持つフロレンティーノ。何
 だか精神状態が分からなくなりますが、最後には待望久しかったいウルビーノ博士の交通事故死
 によって、二人の半世紀以上断ち切られることがなかった「奇妙な恋」は成就する方向に向かい
 ます。しかし、二人とも既に70歳と74歳の高齢者。物語はこれからも進んでいくところで小
 説は終わっています。コレラがまだ不治の病だったころの話です。

   作品は写実的な描写で徹底しており、セリフはごく僅かしかありません。細かな改行などはほ
 とんどなく、全ページが文字でびっしり、平板そのものです。全体が約50ページくらいの塊で
 一応の区切りになっていますが、改行のないまま展開する場面は、面白い描写で飽きることはあ
 りませんが、実に忙しい感じがします。従って、約50ページを一気に読み通すくらいの気持ち
 でないとないと膨大な挿話や主人公たちの性格、物語の推移、人物の機微、前後関係が分からな
 くなります。

  これからまた幾つか短編・中編を読み、いよいよG・ガルシアの代表作である『百年の孤独』
 と『族長の秋」を読むつもりです。


 ● 6月21日(土曜日)●

   自民党が新提案。なりふり構わず「戦争参加の道」へ。

  集団的自衛権の行使容認をめぐり、先日は自民党が閣議決定をする場合の「案文」を示しまし
 た。「案文」は武力行使する場合の新たな3要件を柱としており、「他国に対する武力攻撃が発
 生し、国民の権利が根底から覆されるおそれがある」場合などに集団的自衛権が行使できるとし
 ています。

  更に自民党は、20日朝の自公協議の席上で新たな3要件に基づき、これまで憲法上は認めら
 れないとしてきた国連の「集団安全保障」による武力行使も一部認めるべきだと主張し、閣議決
 定文にこれを盛り込むことを求めたと報道されています。
  これは今まで主張していなかったことであり、全く突然の提案です。具体的にはペルシャ湾な
 どで戦闘が行われている場合の機雷の掃海活動などを念頭においたものです。自民党は「集団的
 自衛権の行使によって掃海活動をしていた自衛隊が国連安保理決議によって集団安全保障に移行
 したとたん、活動できなくなるのはおかしい」として、このような提案をしてきたようです。安
 部首相は自衛隊をはるか遠くまで派遣し、自分の命令で「武力行使」をさせたい一心に凝り固ま
 っています。何が何でも自衛隊員に海外で武器を持たせたくて仕方がないようです。その一心の
 ために、今や憲法はそっちのけで「何でもあり」という感じです。

  安部首相は、本の青年が犠牲になったら靖国神社に奉ろうとでもいうのでしょうか。何かとい
 うと「積極的平和主義」と口走りながら、今やこの男の頭の中には、憲法9条はもちろんのこと、
 反戦平和を高らかに宣言した憲法の崇高な精神を真摯に受け止める気持ちなどは、微塵もないこ
 とが益々はっきりしています。


  昨日朝7時から行われたW杯予選、日本対ギリシャ戦は、0対0で引き分けに終わりました。
 惜しい場面も幾つかありましたが、相手のギリシャが一人退場するという絶対的に有利な状況で
 の試合とは思えない、ごく普通のゲームでした。緒戦に引き続き第二戦もFIFAが発表してい
 るランク通りの結果になり、これで日本の予選突破はほぼ絶望的になりました。
  敗戦の理由は、例の言い分の「自分たちのサッカーが出来なかった」ということか?


 ● 6月20日(金曜日)●

     星 弘道さんの「近作書展」に行ってきました。

  戒行寺(新宿区須賀町)住職の 星 弘道さんは現代日本を代表する書家の一人です。星さんは
 現在、日本書作院の理事長や日展理事、日本書道連盟副理事長などの要職をつとめ、自ら立ち上
 げた「龍寶書道会」の主宰者でもあります。

  今月18日から星さんの古希を記念して高島屋日本橋店で「星弘道・近作書展」が開かれてい
 ます。招待状をいただいていたので、今日、高島屋で鑑賞してきました。
  「書」は、どのような見方をすればいいのか私にはよくわかりませんが、展示されていた大小
 数十点の作品の一つひとつをじっくりと見させてもらいました。一字一字の書の優雅や姿・カタ
 チ、命を吹き込まれたであろう筆がしるした流麗な流れ、墨の濃淡が醸し出す味わい深い雰囲気
 など、どの作品もとってもすばらしい思いました。吸い込まれるような、あるいは逆に突き放さ
 れるような感じで作品の前に立ち、私は一生涯の間に、ここに展示されている無数の作品の、そ
 の一字さえも書くことが出来ないだろうと思いながら拝見しました。

  多くの人たちが鑑賞していた会場で 星 弘道先生とお会いする機会がありました。先生からは、
 啓史が亡くなったことについて、改めてお悔やみの言葉をいただきました。啓史が選挙に出るこ
 とが決まった直後のことですが、私と啓史は一緒に星さんのところにご報告の挨拶に行ったこと
 がありました。瀟洒な雰囲気の戒行寺の境内で星先生とお会いしたその時の情景は、今でもはっ
 きりと私の脳裏の中に生きています。三年前の今頃のことです。

 「 ~古希記念・こころの書~  星 弘道 近作書展 」は24日まで開催されています。


 ● 6月18日(水曜日)●

    渋谷駅頭の「集団的自衛権容認反対行動」に参加。

  「集団的自衛権」の行使をめぐる動きは、安部首相は閣議決定に持っていけるのかどうか大詰
 めの段階を迎えています。物の怪にでも憑かれたような危ない男が総理大臣の椅子に座り、情緒
 的な時代遅れの情勢分析に基づいていろいろと指図することについて、周りを取り囲む連中は何
 も「ものを言わない」という奇妙な政治情勢ですが、いま一番声を上げなければならないのはわ
 れわれ市民です。

  連日、全国各地でさまざまな反対活動が行われていますが、その一つとして今日午後6時から
 渋谷駅(ハチ公前)で容認反対の宣伝活動が行われたので参加しました。

  宣伝カーで訴え、チラシ配布や署名活動を行いましたが、私は弁士になることは辞退し(今日
 は腰痛が激しくていつものような”元気な声”?で訴えられない気がしたものですから)、チラ
 シ配布を行いました。
  テレビでもよく放映されるこの交差点は、東京の中でもとりわけ若者や外国人の行き来が多く、
 いつの場合でもチラシ等はほとんどさばけない場所ですが、今日も二十数枚しか手渡し出来ませ
 んでした。「集団的自衛権の行使容認」は、若者を戦場に駆り立て、場合によっては命を落とす
 状況を作り出すという実に危険な策動ですが、当事者の「若者」がこのように無関心でいられる
 というのは、私には何とも不可思議な感じがしてなりません。宣伝方法が旧態依然としていて新
 鮮さがほとんどないという主催者の工夫の無さも問題で反省しなければなりませんが、若者を筆
 頭に世論がこのように無関心のままだと、一番微笑むのは無謀な権力者です。これは、歴史がこ
 れまで飽きるほど示してきた珍しくもなんにもない「教訓」です。


 ● 6月15日(日曜日)●

   順調に?敗退。「自分たちのサッカーが出来なかった」

  注目のW杯で日本の初戦が行われました。相手はアフリカの強豪のコートジボワールです。先
 制点は日本でしたが、後半戦で逆転を許し、2対1で敗退。FIFAが発表しているランク通り
 の結果になりました。日本の何人かの主要な選手のコメントは「自分たちのサッカーが出来なか
 った」という言葉で異口同音。何とも陳腐で意味不明な敗戦の弁です。この選手たちは、勝った
 場合には「自分たちのサッカーが出来たから~」というのでしょうか?
  単なるスポーツ好きの域を出ない素人の私には、「自分たちの実力通りのサッカーしか出来な
 かったから試合に負けたのではないか」と思われましたが ~。違うのかなあ。


 ● 6月13日(金曜日)●

    W杯開会。今日も国会前では「戦争への道は反対!」

  日本時間の今日から注目のW杯が始まりました。緒戦に早くも地元のブラジルが登場し、クロ
 アチアに勝利、大いに盛り上がっています。しばらくは世界中が試合の動向に釘付けになりそう
 です。日本は15日にコートジボワールと対戦します。

  ただ、現在の日本はそれどころではありません。安部首相が執念を燃やしている集団的自衛権
 の行使をめぐる問題が大詰め段階に入っているからです。閣議決定については、今のところ公明
 党が慎重審議を求めていますが、政権与党のうまみを十分に吸い取ってきたこの党が、これから
 どの程度頑張れるかは全く不明です。
  戦争への道にストップをかけるためには世論の盛り上がりが何よりも大事です。今日も衆議院
 第二議員会館で「緊急反対行動」が行われています。


 ● 6月11日(水曜日)●

    中山弘子新宿区長は、今期限りで「引退」を表明。

  今日から新宿区議会第二回定例会が始まりました。今回の会議は6月20日までです。恒例に
 よって定例会の冒頭に各党代表による「代表質問」が行われましたが、この質疑の中で中山弘子
 区長が11月末の任期切れをもって引退することを明言しました。
  中山さんは3期12年、区長職についていますが、私は次も当然立候補し、少なくてももう一
 期は勤めるものとばかり思っていただけに、とても驚いています。
  中山区長は、自民・公明などが与党になっており、大まかな枠組みとしては「保守区長」にな
 っていて、私たちは逆に野党という位置づけになっていました。ただ、区政の基本的な政策面で
 は私とずいぶん合致することころがありました。従って心情的には、相当の政策部分で与党以上
 に中山区政を支援する気持ちを抱きながら区政の課題に対応してきたものでした。
  私の後継者の息子の啓史も中山区長の姿勢は結構評価していました。彼の議会活動は残念なが
 ら短時間でしたが、区長に対する気持ちは私と同様だったと思っています。

  前日ある会合で中山さんと一緒になった時に、立ち話程度の会話でしたが、「またやるんでし
 ょう?」と聞いたところ、中山さんは言葉を濁していました。その時の雰囲気から推察して、私
 は当然立候補をするものと確信していました。それだけに今日の引退表明は驚きであり、また、
 とても残念な思いもしています。


 ● 6月8日(日曜日)●

   G・マルケス著の精緻な『予告された殺人の記録』。

  ガルシア・マルケスは、1982年にノーベル文学賞を受賞しました。受賞理由は「現実的な
 ものと幻想的なものとを融合させて、一つの大陸の生と葛藤の実相を反映する豊かな想像力の世
 界を構築した」というものでした。よく事情を知らない私には、受賞理由そのものも理解できな
 いところがありますが、日本の作家にも大きな影響を与えたと言われるこの作家の作品は、ずっ
 と前から読みたいと思っていました。随分時間がたちましたが、今年4月17日、マルケスがメ
 キシコ市内の自宅で逝去したことや最近朝日新聞でガルシア・マルケスのことが紹介されていた
 こともあり、ようやく読む気持ちになりました。

  まず手始めにとっつきやすいといわれている『十二の遍歴の物語』の何点かをさっと見た後、
 『予告された殺人の記録』を読みました。この作品は1981年に発表されたものですが、マル
 ケス自身が自分の最高傑作だと言って評価している作品です。100頁くらいの作品ですが、一
 気に読むことが出来ました。実際に起きた身辺の事件をテーマして書かれたものですが、あまり
 にもその描写が精緻で構成が上手なために、マルケスが事件の真相を知っているのでは、と当局
 に疑われたという逸話を持っています。単なるひとつの虚構が、限られた地域社会の人々の中で
 「事実」と化していく過程やそれが展開して遂に殺人事件が起きてしまう話です。
  新聞の書評には、作家の星野智幸さんがこう書いていました。

  「私は今の日本でこれを読み直すのが恐ろしい。なぜなら、最初は単なる噂や思い込みでしか
 なかった中傷が、人々がそれを妄信していくに従って事実と化し、遂に悲劇が起きる話だからだ。
 この社会でも、そんな事実はないのに外国人の陰謀だ、戦争の危機だ、などと言い交しているう
 ちに、本当に戦争を起こしてしまうかも知れないという不安が現実のものとなっている」。

  マルケスの著作は、新潮社から「全小説」が刊行されているので主要な作品は全て読むことが
 出来ます。今後順次、『落葉』『大佐に手紙は来ない』『ママ・グランデの葬儀』『わが悲しき
 娼婦たちの思い出』『エレンディラ』『この世で一番美しい水死人』などを読み、代表作として
 評価の高い『族長の秋』や『百年の孤独』に挑戦してみたいと思っています。

  最近はあまり読書をいないし、特に翻訳作品は久しぶりなので、慣れるまで少々時間がかかり
 ます。


 ● 6月7日(土曜日)●

     雨の土曜日、注目の中野区長選は最終日です。

  東京地方は激しい雨に見舞われた一日でした。北海道を除いて日本全体が「梅雨入り」したと
 いうことで、北から南まで日本全体が雨模様です。
  今日と明日、四谷地区では「氏神様」と称される須賀神社(私が住む大京町は「大京神社」)
 のお祭りが行われますが、あいにくの雨なので盛り上がりに欠けた状態です。

  私は先日に引き続き中野区長選の応援に行ってました。今日が最終日です。雨の中を政連カー
 で三時間ほど訴えて回りましたが、思っていた以上に好反応でした。ただ、現職に対抗する挑戦
 者サイドが二つに割れている状態での三つ巴の選挙なので厳しさは否定出来ません。
  明日は投票日。開票は明後日になりますが、いい結果になるように期待しています。


 ● 6月6日(金曜日)●

   「憲法9条にノーベル平和賞を!」。署名集めが進展。

  平和国家の象徴である憲法九条の素晴らしさをみんなで共有し、守り、活かし、それを世界に
 広めていく取り組みの一つとして、「憲法9条にノーベル平和賞を!」という実行委員会が組織
 され、署名運動が展開されています。
  私はとっくに署名しましたが、この運動への理解が深まり、もっと沢山の方々に署名をしてほ
 しいという気持ちで、以下、この運動の経緯を簡単に紹介したいと思います。

  このアイデアを思いついたのは、神奈川県座間市の主婦・鷹巣直美さん(37歳)です。一昨
 年、欧州連合(EU)が「地域の統合により、国家の和解と平和を進めた」として平和賞に選ば
 れたのを聞いて、「戦後70年近くも日本に戦争をさせなかった憲法9条にも資格がある」とひ
 らめいたということです。安倍政権が改憲への動きを活発化する中で、「受賞すれば憲法9条を
 守れる」と思ったことも大きかったようです。

  「社会問題に無関心な学生」だった鷹巣さんを変えたのは、留学先のオーストラリアで出会っ
 た各国の難民でした。戦火や暴力で心身共に深く傷つき、しかし、それでも立ち直ろうとする姿
 を見て、「日本が戦争に巻き込まれずにすんでいるのは平和憲法のお陰だ」と実感するようにな
 りました。7歳の長女と1歳の長男の子育ての傍ら、鷹巣さんは、昨年1月からネット上で「憲
 法9条にノーベル平和賞を」というキャンペーンを始め、集めた署名は、ノルウェーのノーベル
 委員会に随時送っていました。しかし、委員会からはメールで「個人か団体に授与するもので憲
 法のように抽象的なものは候補になれない」との返信があったそうです。

  新聞報道などによると「憲法9条にノーベル平和賞を」という運動は、今回が初めてではあり
 ません。1991年に「第9条の会」を米国で立ち上げたオハイオ大名誉教授がノーベル委員会
 に推薦しようとしましたが、鷹巣さんと同じ理由で委員会から断られたのだそうです。
  こうした経緯を踏まえて鷹巣さんが考えついたのは「憲法9条を保持しているのは日本国民」
 という構図でした。日本国民一人ひとりならば、受賞の対象になります。
  署名運動を行っていることについて、鷹巣さんが地元の人たちに話したところ、賛同する市民
 たちに一杯いましたが、その人たちによって昨年8月に「実行委員会」が結成されました。
  先頭に立って署名を集めている市民たちは、「最初は受賞なんてできるのかと突飛に感じたが、
 署名を集めるうちに受賞の価値が充分あると確信するようになった」と述べています。

    2014年のノーベル平和賞に「ノミネート」  

  ノーベル平和賞のノミネートには、推薦人が必要です。推薦資格があるのは、国会議員や閣僚、
 大学の学長、社会学や歴史学などが専門の教授です。平和や外交政策の研究所長、国際裁判所裁
 判官、過去の受賞者やノーベル委員会の関係者も有資格者です。
  早速、大学教授らに協力を呼びかけると、推薦人は次々と集まりました。その一人である勝村
 弘也・神戸松蔭女子学院大学教授(聖書学)は「戦争に直接関わらない国は世界で珍しい。それ
 を改憲で崩そうとする動きに、若い人の関心が希薄すぎると感じる。こうした活動は日本社会が
 よって立つ土台を見直す大きな機会になる」と評価しています。

  ノルウェー・ノーベル委員会は、すでに憲法9条にノーベル平和賞を授与する対象としてノミ
 ネートしたということです。毎年、ノミネートされる対象は一杯ありますので、最終的に憲法9
 条が受賞するかどうかは全くわかりません。そう簡単なことでないのは勿論のことです。しかし、
 今年がダメでも来年があります。再来年もその次の年もあります。

  私は遅かれ早かれ、憲法9条にノーベル平和賞が授与されるのではないかと思っています。そ
 うなって欲しいと願ってもいます。ただそのためには、何としても皆んで憲法9条を守り抜いて
 いかなければなりません。

  運動の趣旨や賛同署名は次のアドレスで可能です。ぜひ、ご協力ください。

            ブログ:   http://nobel-peace-prize-for-article-9.blogspot.jp
       F  B:   https://www.facebook.com/nobelpeace9jou

  尚、私が署名した際に「実行委員会」からは次のような返信メールが届いています。



           山田敏行さん、こんにちは。

       私たちのキャンペーン「 世界各国に平和憲法を広めるために、日本国憲法、特に第9条を
      保持している日本国民にノーベル平和賞を授与してください 」にご賛同いただき、ありがと
      うございます。
       Facebookの友だちにもキャンペーンを紹介していただけますか?
       以下に、友だちへ転送できるメッセージの内容を用意しました。
(上記のブログ参照)
       ご支援を心から感謝します。
       今後ともご協力よろしくお願いします。

                                       「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会



 ● 6月5日(木曜日)●

    激戦の中野区長選、手伝いに行ってきました。

  6月1日に始まった中野区長選もいよいよ後半戦になっています。自民党・公明党推薦で現職
 の田中候補、民主党・結の党推薦の喜治候補、それに私たち新社会党と社民党・共産党が推薦す
 る宮本さとみ候補の三人が立候補しています。
  私の古くからの友人が宮本選対の事務局長をしていますが、彼から要請があったので、今日、
 手伝いに行ってきました。三つ巴の闘いが展開されている感じがしました。

  かつて中野区は、福祉の面でも教育の面でも平和行政の面でも、また地域社会を育むという面
 でも、全国の自治体の先駆的な役割を果たしていたことがありました。今は全くそのような面影
 はなく、保守系首長が牛耳る、どこにでも転がっているような「開発優先」の陳腐な自治体にな
 ってしまっています。

  この選挙で宮本新区長が誕生すれば、間違いなく中野区の再生に繋がっていき、住民の声が行
 き届く行政が展開されることにより、以前の輝きを取り戻すことになります。是非、そうなって
 欲しいものだと思っています。投票は3日後の6月8日です。


 ● 6月3日(火曜日)●

   「解雇有効」、不当な日航客室乗務員の高裁判決。

  今日午後、東京高裁で注目を集めていたJAL不当解雇裁判の客室乗務員判決が言い渡されま
 した。高裁の判断は「解雇有効」。全くの「不当判決」です。判決では「破綻した以上、更正計
 画が認められなければ会社は存続できない」と述べ、首切りが当たり前だと言わんばかりです。
 だったら、今は会社の業績が好転し、大幅な黒字を出すまでになっているのだから、解雇を撤回
 するのがとるべき正当な道だろうと思います。今日の判決は、地裁判決とまるで違わないような
 論理立てで、何のためにこの1年間、高裁で審議してきたのか理解に苦しむ結果です。労働者の
 命や権利をないがしろにし、日航管理者の言い分が大手を振ってまかり通っている判決内容です。

  明後日の5日には、同じく東京高裁でパイロットの判決が言い渡されます。厳しい内容になり
 そうな予感がします。


  現在、中野区では区長選挙の真っ最中です。新社会党は、共産党や社民党中野、市民の皆さん
 と共に人権派弁護士の「宮本さとる」さんを推薦して闘っています。この選挙では、私の古くか
 らの友人の江原さん(元新社会党東京都本部委員長)が選対の事務局長を務め、全力で闘いの先
 頭に立っています。今日、中野駅近くの選対に行って江原さんと今後の打ち合わせをしてきまし
 た。私のできることは限られていますが、今後、政策宣伝カーに乗って中野区内を走り回ること
 にしました。



 ● 6月2日(月曜日)●

     小学校の同級生たちと新宿で会いました。

  昨日、東京近辺に住んでいる津軽の小学校時代の同級生が新宿に集まり、駅近くの居酒屋でい
 っぱいやりました。
  私たちは、小学校を卒業してからもうすぐ60年になります。子ども時代を送った学校は、青
 森県北津軽郡脇元村の村立脇元小学校です。
  私たちの同級生は、転出・転入などにより学年で若干の移動はありましたが、6年間、大体3
 7人前後でした。村立脇元中学校の3年間もまったく同じようなメンバーで、9年間一緒でした。
 現在は、小中学校とも合併によって廃校になり、跡形もなくなってしまいました。
  同級生たちは、これまで6人が亡くなり、現在は31人が健在です。東京近辺に住んでいるの
 は8人です。8人のメンバーは、これまで一年に一度、大体今の時期に新宿で集まって旧交を温
 めてきました。2年前の秋には、浅虫温泉で同級生全体のクラス会を行いました。

  昨日の集まりには5人が参加しました。最近奥さんを亡くした人、三年前にフクシマ原発で被
 災し、現在は東京に住んでいる人、私のように息子を亡くした人など、それぞれにさまざまなこ
 とがありました。フクシマ原発で被災した人は、奥さんの生まれ育った福島県南相馬市(旧小高
 町)で美容院を営み、ずっと幸せな生活を送っていましたが、突然、原発の犠牲者になってしま
 い、すべてがめちゃくちゃになってしまいました。彼は奥さんや子どもたちと熟慮に熟慮の末、
 南相馬市には帰らない(帰れない)という辛い決断したということです。

  午後1時から同じ居酒屋で5時間も談笑しました。話題はいろいろでしたが、いつものように
 とてもいい時間でした。


   (追記)

  この日記を書き終えた今朝(3日)9時過ぎ、合併前の市浦村の役場に勤め、合併後は五所川
 原市社会福祉協議会で事務局長をやっていた同級生の桑野邦夫から電話がありました。31人に
 いる同級生の中の一人の「成田勲」が2日、急逝したということでした。
  びっくりして言葉もありませんでした。彼は、誰からも好かれる中々の好漢でした。若い頃は
 大酒飲みで失敗談もいっぱいあったようです。しかし、身体を壊してからは浴びるほど飲んでい
 た酒を一滴も飲むことはなかったということです。「あの飲んべいの勲が~」と、彼の意思の強
 さに村の人たちはみんな呆れるほど感心したものでした。
  彼は村役場に勤めていました。とにかく面倒見がいい男なので村の人たちからはとても頼りに
 されていたようです。退職後は、舞台を代えて沢山の肉牛(市浦牛)を飼い、次々と子どもを生
 ませてはそれを高値で売り払い、結構儲かっていたようです。
  2年前に浅虫でクラス会を開いたときには、「今度は脇元(私たちの小中学校があった村)で
 クラス会を開こう。その時は俺が育てた牛を一頭でも二頭でもみんなに食べてもらうつもりだ」
 と言っていたものでした。これからもずっと付き合いたい、いいヤツでした。彼が手塩にかけて
 作った牛肉を食べる機会もなくなりました。昨日までは夢だに考えることもなかったことが起こ
 ってしまい、なんとも寂しいことです。



      ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       (これまでの「行動日記」は「私の考え・私の主張」に移動しました)




 ● 5月31日(土曜日)●

   久しぶり。満員の神宮で優勝争いの早慶戦見物。

  今年春のシリーズの「早慶戦」は、久しぶりに優勝がかかっていて2勝して勝ち点を上げた方
 が優勝です。
  神宮球場からは、私の住んでいるマンションまで午前中から大きな歓声が聞こえてきました。
  1時から試合開始ですが、15分くらい前に神宮球場に行ったら大混乱状態で、バックネット
 裏席はとっくに満員、内野席もほぼ満員状態でした。結局、外野席に隣接する席しか空いてなか
 ったので、やむなくここにしました。何日も前からメールなどで連絡があり、同窓の知り合いは
 バックネット裏席に何人も来ている筈ですが、私がやっと確保することができた半外野席、さっ
 と見回したところでは、周りには知り合いは誰もいませんでした。
  試合は早稲田・有原、慶応・加藤両エースの投げあいで熱のこもった投手戦でした。慶応の守
 備ミスで早稲田が一点先行し、このまま逃げ切れるかと期待しましたが、6回慶応にツーランホ
 ームランが出て逆転されてしまいました。結局2対1で敗北、まことに残念でした。


 ● 5月28日(水曜日)●

    墓参後、小豆島見物。初めて栗林公園にも。

  家族(私たち夫婦と長女の潤子)で久しぶり香川県善通寺市に行き、七回忌を迎える義母の墓
 参りをしました。菩提寺の金倉寺と墓所がある金林寺にお参りをした後、皆んな丸亀駅前の割烹
 家で食事をし、旧交を温めました。
  私たち家族はその後、以前から行きたいと思っていた小豆島に渡り、2泊して島の名所を見て
 周りました。二日目は時々小雨になったりしてあいにくの天候でしたが、島の名産のオリーブ・
 そうめん・醤油関係の施設や場所、「二十四の瞳」の舞台になった分校などの関連場所にも行く
 ことができました。美しい大きな島ですが、整備されていて島全体に活気が感じられました。

  最終日は高松で栗林公園を見学しました。日本を代表する名園です。三大公園に入っていない
 のが不思議なくらいの美しさですが、どうやら三大公園の上位に属する特別な公園と思うと納得
 ができます。私はこれまで、高松に行った際は栗林公園の前を通って背後の紫雲山は何度も見て
 いましたが、中に入るのは今回がはじめてです。
  連れ合いは高松市近郊の志度生まれで、高校は栗林公園のすぐ近くにあったので、この公園に
 は皆でよく来ていたそうです。


 ● 5月25日(日曜日)●

    義母の7回忌で善通寺の金倉寺に行ってきます。

  義母(妻の母・和氣幸子)が亡くなったのは2008年6月4日のことです。97歳の誕生日
 の前日に天寿を全うしました。人生の後半の約30年間くらいは私たち家族と一緒に暮らしまし
 た。共稼ぎだった私たち夫婦は、一緒に生活する中で長い間、おばあちゃんからさまざまなこと
 を学び、精神的な支援を受けてまともな日々を送ることができたようなものでした。3人の子ど
 もたちも、おばあちゃんが大好きで、多くの面で影響を受けて育ちました。

  亡くなってもうすぐ6回目の命日になりますが、仏式では「7回忌」になります。和氣家の菩
 提寺は四国の善通寺市にある金倉寺(町名は金蔵寺)です。四国88箇所の何番目かに当たる由
 緒のある名刹です。なお、和氣一族の墓地は、金倉寺から2キロ程度はなれた金林寺という小さ
 な寺にあります。いかにも歴史のありそうな幾つもの墓碑が並んでいます。ほとんど和氣一族の
 墓です。寺の縁起はよくわかりませんが、金林寺そのものが和氣家の私寺のような感じです。
 
  明日早朝、七回忌の供養のために金倉寺と金林寺に行きます。私たちの他に京都や姫路、浦和
 などからおばあちゃんの子どもたち(と言っても、もうみんなおじいさんおばあさんといってい
 い程の年齢ですが~)やその家族(孫たち)が集まる予定です。
  改めて亡きおばあちゃんに感謝し、元気な頃の姿を偲びたいと思っています。

  私たちは久しぶりに四国に行くので、以前から行きたいと思っていた高松市の栗林公園やオリ
 ーブや素麵の産地で「二十四の瞳」の舞台として有名な小豆島に寄ってくるつもりです。


 ● 5月23日(金曜日)●

   毅然として国と対峙。竹富町教委に激励のメール。

  私は先日、沖縄の竹富町教育委員会に対して、教科書採択問題では文科省の干渉や圧力に屈し
 ないで、最後まで信念を通してほしいという200字くらいの激励のメールを送りました。

  竹富町は、文部科学省の意向に反し、独自の判断で中学校の公民教科書を採択していますが、
 これが文科省から目の敵にされ、さまざまな圧力を受けてきたのです。
  これまでのところ、竹富町は確固として自分たちの意思を押し通そうとしています。小さな町
 が絶大な国の権力と対峙することは容易ではありませんが、竹富町教育委員会は実によく頑張っ
 ています。本当にすばらしい対応です。

  そもそも竹富町教委の行為は「違法」なのでしょうか。

  沖縄県八重山地区の竹富町が、地区内の他の市町が使っている保守的な記述の育鵬社版とは別
 の中学公民教科書を採択し、使用していています。これについて下村博文・文部科学相は、地方
 自治法にもとづく「是正要求」を行うことを公言し、育鵬社版の採択を強要してきたのです。こ
 れは権力者のよく取る手法ですが、地方自治をないがしろにする政治介入そのものです。

   そもそも育鵬社の公民教科書は、戦前の大日本帝国憲法を美化し、憲法改定に子どもたちを誘
 導する危険な内容を持っています。
  下村文科相は、「是正要求」の理由として「同一の採択地区内の市町村は同一の教科書を採択
 するという法律に竹富町は違反している」としていますが、事実は違います。

  問題の本質は、ほとんど支持されなかった育鵬社版の教科書が採択されたことにあります。同
 地区の教科書調査員は1人も育鵬社版を推さず、PTA連合会も校長会も育鵬社版に反対してい
 ました。ところが採択地区協議会の玉津博克会長(石垣市教育長)が、規約まで変えて協議会内
 で育鵬社支持が多くなるようにし、育鵬社版を推薦する答申を出してしまったのです。

  この事態に竹富町の住民や教育委員会は強く反発し、町は育鵬社版とは別の教科書を採択しま
 した。その後、沖縄県教育委員会が仲裁に入り、地区内の3市町の教育委員全員が参加した話し
 合いが持たれました。これは法律の定めた「協議」にあたります。協議に基づき、竹富町以外の
 他の2市町は育鵬社版を採択しましたが、竹富町はこれとは別の選択をしました。
  これが大まかな経過ですが、育鵬社版とは別の教科書を採択した竹富町だけに国が何かと圧力
 をかけているのは、明らかに差別的対応です。竹富町の教科書採択にはまったく違法ではありま
 せん。

  文部科学省は、これまで権力をかさにかけて竹富町教育委員会を相手に違法訴訟?を起こす構
 えでした。脅かしによって屈服させようとする魂胆が見え見えです。先日、私が激励メールを送
 ったのは、国・文科省のこうした不当な圧力に負けるなといいたかったからです。

  ところが今日の報道によると訴訟は断念したということです。まったく当たり前のことだと思
 います。しかし、少々残念な気もしています。国によって理不尽な訴訟が起こされ、その結果、
 文科省の不当性や思い上がりが白日の下に晒されたほうが、国民にも分かりやすかったかもしれ
 ません。



  今日は亡くなった長男・啓史の誕生日です。午後、妻・長女と共に菩提寺の東長寺に墓参に行
 ってきました。弟は仕事で同行できませんでしたが、彼はfacebookで子どもの頃の家族
 の写真を載せ、兄の誕生日のことを報じていました。
  私たちは夕飯時の食卓に彼の写真を飾り、一緒に誕生祝いの乾杯をしました。寂寥感が募りま
 した。また今日、啓史の親しかった友人から「生花」を送っていただきました。いつまでも心に
 留めていただいていることに恐縮しています。


 ● 5月22日(木曜日)●

  「原発再稼動は認めない」 福井地裁で画期的な判断。

  昨日、福井地裁は「大飯原発の再稼動を認めない」という画期的な判決を下しました。
  判決の要旨を見ましたが、完全に安全な状態では制御することができない原発という電力供給
 が手段が抱える本質的な問題を真正面から捉えなおした拡張の高い判決だ思いました。

  判決文には、こんな一節があります。
  「個人の生命、身体、精神および生活に関するん権利は、その総体が人格権といえる。生命を
 守り、人格を維持しようとするという、人格権の根幹に対する具体的な恐れがあるときには、侵
 害の行為の差し止めてを請求できる」
  「原発は電気の生産という社会の重要な機能を営むが、その稼動は憲法上は人格権の中核部分
 より劣位に置かれるべきものはものだ」

  まことに当然の指摘だと思います。
  私たちが住み、次の世代が受け継ぐこの社会において、最も優先すべき価値は、過去、現在、
 将来の「生存を保障する人格権」です。電力を供給するための原発の稼動は、そのための単なる
 一手段でしかありません。原発の稼動で電気代が安くなる(かも知れない)などという問題は、
 人格権と同列に論じるべき対象ではないということです。人格権に目を向けないで電気のネダン
 や経済活動にだけ重視する考えは、典型的な本末転倒といえるものの見方です。

  この判決の後、菅官房長官が記者会見をして「再稼動を推進する政府の方針は不変だ」と述べ
 ています。政府としてのものの価値観に対する発言はありません。福井地裁の判決文の高い見識
 に比べて、なんとも低級で陳腐な発言です。目の先のエサしか見ることができない動物に似てい
 ます。これが今の政府の水準だと思いますが、こんな政府しかもてないこの国は、一体、民主主
 義がそれなりに成熟した国なのかと疑いざるを得ない気がします。

  判決ではこんな指摘もしています。
  「原発の稼動は電力供給の安定性とかコスト低減なるという主張があるが、(当裁判所は)多
 数の人々の生存そのものにかかわる権利と電気代の高い低いの問題を同列に論じるような議論に
 加担したり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないと考える」
  「原発運転の停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべ
 きではない。豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、(原発事
 故によって)これを取り戻せなくなることが国富の喪失だと当裁判所は考える」



    明日は、夭折した私たちの息子・啓史の誕生日です。

   明日5月23日は、亡くなった啓史の誕生日です。数日前から、彼の友人よりメールが送られ
 てきたりしていましたが、今日、北海道千歳市に住んでいる二葉保育園時代の先生から手紙を添
 えた「生花」が送られてきました。啓史が初めて保育園に通った時に担当してくれた先生です。
  私たちの三人の子どもは、啓史を先頭に、次男・耕史、長女・潤子が約10年間、二葉保育園
 に通い、多くの先生方に枚挙にいとまのないほどの面倒をかけました。私たち両親にとっても思
 い出深い貴重な保育園生活でした。当時のことがいろいろと脳裏を走ります。

     先生からの手紙にはこう書いてありました。   


      啓史くんへ。 一日早いのですがお誕生日に寄せて。

        私には幼い姿しか浮かばないのですが、
        啓史くんたちに出会えた時間は、私の大切な宝物です。
        お父さんに手を引かれて歩く後姿のそっくりだった事、
        耕史くんへの妬きもち、今でも微笑ましく思いだされます。
        すてきなご両親に出会えたあなたを、羨ましく思います。


   私たちは、明日、墓参りをし、家族でささやかに彼の誕生日を祝ってやります。それにしても
 いまだにさまざまなことを思い出し、その度に悲しくやり切れない気持ちになります。


 ● 5月21日(水曜日)●

  ひたすら事実を覆い隠し、原発再稼動に狂奔する政府。

  朝日新聞によると、福島原発の事故の際に第一原発にいた所員の9割に当たる約650人が吉
 田所長の待機命令に違反して他の場所に撤退していたということです。この命令違反によって事
 故対策が不十分になった可能性があるということですから戦慄を覚えますが、それだけに限らず
 こうした重大な事実を東電がずっと隠していたということです。しかも政府は、菅官房長官によ
 ると、この件についての詳細な事実は今後も公表するつもりはないというのです。全くあきれ返
 ってしまいます。都合の悪いことは隠し通すという姿勢です。どんなことをしても、国民の反発
 なんかたかが知れていると言わんばかりです。
  安部首相は、「原発の放射能は完全に制御されている」とオリンピック誘致の国際舞台で大嘘
 をつきましたが、最近の政府の姿勢は、この大嘘つきの指導の下で、フクシマ事故などなかった
 かのように原発再稼動の大合唱をおこなっています。とんでもないことです。一体、この人たち
 はどんな神経を持っているのでしょうか。


  先日、山口哲夫さんから『信念は曲げず』という著書をいただきました。山口さんは30代で
 釧路市長に当選し、以来、地方自治の立場を高める行政推進の先駆的な役割を果たした人です。
 その後、国政に転じ社会的に弱い方々の立場に立って奮闘しましたが、著書は、そうした活動の
 模様を活写した自伝的な作品です。今日、遅ればせながら礼状を書いて投函しました。
  私は山口さんから長い間、さまざまな指導を受けてきましたが、一人の人間としても、また政
 治家としてもすばらしい人です。今の政府に巣くう底の浅いヤカラとは対極に位置する人だと思
 います。山口さんのような信頼される政治家が日本の政治をリードする状況にならないと、いつ
 までたっても「政治の質」は良くなりません。最高の道徳者であるべき政治家が、真っ先に「低
 級な人間だ」と思われるようではどうしようもありません。


 ● 5月19日(月曜日)●

   「ピロリ菌」が判明、除去の治療をすることに~。

  今年はじめに受診した健康診断のバリューム検査で異常が指摘されたので、先日、胃カメラの
 検査を行ってもらいました。幸い結果は「異常なし」でしたが、その際先生から薦められたので
 「ピロリ菌」の検査をすることになり、採血や検便をしていました。今日、検査結果を聞きに行
 ったところ、菌を保有していることがわかりました。私の年代では8割以上が保菌者ということ
 ですから、ごくありふれた結果だったようです。

  「ピロリ菌」を退治するためには、一週間ほど朝夕2回、抗生物質を含んだ薬を飲む必要があ
 るということなので、早速薬局でもらってきました。決められた回数の服薬が終了したら、約一
 ヵ月半後の検便によって再度、菌の有無を検査することになっています。まだ除去されていない
 よならば、また、服薬して一回目と同じことをすることになるそうです。「ピロリ菌」が除去さ
 れると、胃がんになる危険性はぐっと減少するのだそうです。

  今日検査してもらった病院は、信頼できる知り合いの先生がいる北区の「梶原診療所」です。
 診療所がある梶原は、東京で唯一、都電が走っています。病院に行く時は王子で都電に乗り換え、
 梶原で下車しました。帰りは梶原から終点の早稲田までずっ都電に乗りました。飛鳥山や庚申塚、
 巣鴨新田、鬼子母神前、雑司が谷霊園前、面影橋など地名そのものからも昔の風情を感じられる
 場所を幾つも通りました。

  終点の早稲田からは約40分かけて自宅マンションまで歩いて帰りました。久しぶりに早稲田
 大学の構内も通りました。
 

 ● 5月17日(土曜日)●

   国立競技場をぐるっと囲む年配の人たちにびっくり。

  時々、神宮外苑を歩いています。家から歩いて六分ほどで行くことができます。絵画館や六面
 ある軟式野球場をぐるっと取り囲む周回道路は、いつもきれいに整理されています。一周132
 5メートルの緑道は、実に気持ちのいい雰囲気をかもし出しています。ここは三周すると約四キ
 ロ、昔の一里になりますので、私はいつも大体三周します。

  今日は国立競技場でポールマッカートニーの公演があるということで、私が散歩に行った10
 時過ぎには沢山の人たちが会場を取り囲んでいました。嵐などのコンサートと違って年配の方も
 随分目立ちました。夕方のテレビ報道によると並んでいた人たちはわざわざ北海道や九州など遠
 くからも来ていたようですが、お目当ての公演自体はポールマッカートニーの体調不良により中
 止になったということです。折角、遠路わざわざここまで来たというのに、残念なことだろうと
 思いました。


  15日に行われた安部首相が集団的自衛権行使を閣議決定しようと画策する記者会見の発言に
 対して、各方面から疑問や反対の声が高まっています。当然のことです。
  安部首相はパネルを持ち出して、実に短脈的に危機感をあり、「国民の命や暮らしを守る」と
 高ぶっているような感じですが、だからと言って憲法違反をして良いわけありません。
  この人の独りよがりにはうんざりします。一日も早く代わってもらうしかありません。


 ● 5月15日(木曜日)●

  集団的自衛権の行使は、米国のため日本が戦争すること。

  今日、安部首相は御用機関である「安保法制懇」の報告を受けて記者会見し、従来の憲法解釈
 を変更して集団的自衛権の行使に向けて解釈の転換を図ることを表明しました。
  記者会見では、パネルまで持ち出してやたらと「国民の命と安全を守る」ことを感情的に強調
 し、「積極的な平和主義」に基づいて憲法解釈を変えると決意を語っていました。どこから見て
 も立憲主義を踏みにじるとんでもない総理大臣だと思いました。

  憲法は、言うまでもないことですが、総理大臣を頂点にした内閣を初めとするとする「権力」
 を国民が縛る最高の装置ですが、縛られるべき対象の内閣が、都合のいいように勝手に解釈して
 自分たちの施政を正当化できるならば、憲法はなきものに等しくなることは自明です。憲法は国
 民が作ったものであり、その「改変」は国民だけの権利です。一内閣が恣意的に「改変」できる
 ものではありません。

  記者会見では、「平和主義はこれからも厳守する」とか「集団的自衛権の行使は必要最低限に
 止める」など都合のいいことだけを憑かれたように説明していましたが、要するに安部首相が狙
 っているのは「日本を戦争する国にする」ということです。
  集団的自衛権の行使とは、他国を守るために日本が戦争することにほかなりませんが、戦争放
 棄を高く掲げている現憲法をどんな曲解してもこんなことができるわけがありません。
  安部首相が今やるべきことは、衆議院を解散して、自分が進めようとしている憲法骨抜きの是
 非について国民の信を問うことです。


 ● 5月14日(水曜日)●

  飼い主にこんなにも尻尾を振らなければならないのか。

  今日の朝日新聞は一面トップで15日に発表される予定の「安全保障の法的基盤を再構築に関
 する懇談会」(安保法制懇)の報告書の全文を掲載しています。
  「安保法制懇」は安部首相の私的諮問機関で第三者的な装いを凝らしていますが、実態はまっ
 たくの御用機関ですから、ここから出てくる報告書は最大限、安部首相の意向を踏まえたものに
 なることは誰もが予測していたことです。しかし、朝日新聞のを記事を見て、まったく驚くばか
 りです。一言で言うならば、憲法という国の最高法規を政府が「合法的に骨抜きできる」という
 ものです。安部首相がその行使に執念を燃やしている集団的自衛権も、安保法制懇は憲法9条の
 範囲内という見解ですから驚くというよりもあきれてしまいます。
  飼い主に尻尾を振る安保法制懇の委員の偉い先生方も、ここまでやるのかと感心してしまいま
 す。こんな安保法制懇の考えが許され、回りまわってこれが国のあり方を形作ったとしたならば、
 もはや憲法は単なる飾り物に過ぎなくなってしまいます。

  昨日、国会周辺では集団的自衛権の行使容認に反対する市民たちが横断幕を手にして抗議の声
 を上げています。約2500人の人たちが「人間の鎖」で国会を取り囲みました。私は、別の集
 まりがあったのでこの行動には参加しませんでしたが、参加した人の話では、かつてない緊迫し
 た雰囲気を感じということでした。

  明日、正式に安保法制懇の報告書が発表されます。国のカタチが問われる問題の帰趨が次第に
 山場を迎えつつあります。

  それにしてもこんなにも危険な考えに立つ安部内閣が依然として高い支持率を保っているのが
 不思議でなりません。さっきテレビを見ていたら「いまの憲法は古い」として改憲を唱える人が
 何人もいました。このように人たちが高い支持率を構成しているのだと思いますが、一体、この
 人たちは憲法を読んだことがあるのでしょうか。そもそも憲法を考えるのに、新しさとか古さが
 主要な判断基準にすること自体に、発言者のレベルの低い基準が示されていると言わざるを得ま
 せん。


 ● 5月13日(火曜日)●

      現在の日本の奨学金制度。サラ金並みの取立て。
     
  強制執行=2000年度1件、 2012年度=326件。

  最近よく「奨学金被害」という言葉を聞きます。学生時代、奨学金を受けて勉学に励んだ人は
 いっぱいおりますが、そういう人たちが学校卒業後、いざ返済する時期になっても収入が少ない
 ために返すことができない状態に陥っているのも全然珍しいことではありません。何しろ今は、
 年収300万円以下の労働者の比率が全体の4割以上にもなっているという実態です。
  ところが、昔の育英会、今の日本学生支援機構は、取立ての専門機関に依頼してサラ金業者並
 みに厳しく返済を強要しているという現実があります。ここ数年、こうした動きが特別顕著にな
 っているのです。それが「奨学金被害」です。勉学を奨励することを理念としている筈の「奨学
 金制度」は、今や単なる「金貸し」と似たような信じがたい状態になっており、うっかり奨学金
 に頼ると後でとんでもないことになる心配も出てきています。

  今夜、新宿区地区労センターなどが主催して「奨学金制度を考える勉強会」が開かれたので参
 加しました。講師は「奨学金問題対策全国会議」で事務局長を務めている岩重佳治弁護士でした。
  講師からいろいろな実態の報告がありましたが、現在の「奨学金」は、とても教育を形作る重
 要な制度とはいえ難いということを改めて実感しました。

  例えば、先進国の集まりであるOECDの中で、大学の授業料が無償で、それに加えて返済し
 なくてもいい「給付制奨学金」のある国は、ドイツ、フィンランド、デンマーク、フランス、ギ
 リシャ、チェコなど16か国にも上ります。また、大学の授業料は有償だけれども「給付制奨学
 金」のある国は、アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、オランダ、スペイン、韓国などこれ
 も16か国になっています。

  日本はどちらにも入っていません。なんと日本は、OECDの中で大学の授業料が有償で「給
 付制奨学金」もないただひとつの国なのです。

  今その日本では奨学金の取立てが血も涙もない状態で行われているのですから驚きます。これ
 だけ見たならば、日本はとてもとても先進国としての健全な教育制度を持っている国家とは思わ
 れません。

  こういう数字も紹介されました。
  奨学金の取立てのために「強制執行」が行われたのは、2006年度は0件、2007年度は
 1件、2012年度は326件。いかに厳しい取立てが行われているかを示しています。驚くば
 かりです。


 ● 5月12日(月曜日)●

    新社会党新宿総支部の第一回執行委員会開催。

  新社会党新宿総支部は、8日に今年度の定期大会を開催しましたが、今日、第一回目の執行委
 員会が開かれました。執行委員は、監査や規律委員を除くと8人ですが、それぞれの向こう一年
 間の役割分担を決めました。私は定期大会で執行委員長に再任されましたが、責任は重大です。
 今年度は運動の各分野で少しでも前進の芽を伸ばしたいものだと考えています。


 ● 5月10日(土曜日)●

    「産直活動」で久しぶりに多くの家を訪問。

  私は現職の時からほぼ40年間にわたって「産直活動」を行ってきました。全国各地に散在す
 る知り合いの生産者から原価同様で名物の品物を提供してもらい、それを地域の人たちに販売す
 るという活動です。扱う品物はずいぶん整理して現在はごく限られた製品だけにしていますが、
 毎年この産直を待っている人が結構いるので、完全にやめるというわけにはいきません。今年も、
 去年利用してもらった人に限って案内しましたが、利用者からの紹介だという新規の人もいるの
 で実数は減少するどころか、若干増えているという状態です。

  今日、家族にも手伝ってもらって品物を配達して歩きました。この間、しばらくご無沙汰し、
 久しぶりに訪問する家がほとんどなのでいろいろな話が飛び交いました。やはり、亡くなった息
 子(啓史)のことがどこでも話題の中心になります。私としては、皆さんが啓史のことを忘れな
 いでいてくれるのだと心が打たれる反面、残念ながら雄図の半ばで病に倒れた彼の無念を思うと
 とても辛い思いにかられました。明日も今日の続きを行います。


 ● 5月9日(金曜日)●

   もうすぐ中野区長選、党関係の打ち合わせに出席。

  中野区長選が6月1日に告示なり、選挙戦がスタートになりますが、選挙戦を如何に闘うかに
 ついて、今夜、私たちの仲間の会議があったので参加しました。区長選は、区民との約束を反故
 にしてまた立候補する現職を含めて三つ巴の戦いになりそうですが、私たちが推薦している弁護
 士の宮本智予定候補の評価は、日増しに高まってきています。現職が立候補するので厳しい状況
 は変わりませんが、いい闘いになりそうです。勝ちたいものです。


 ● 5月8日(木曜日)●

    新社会党新宿総支部、第19回定期大会を開催。

  夜、新社会党新宿総支部の定期大会が開催されました。結党以来、19回目になります。早い
 のです。党員や党友、機関紙の拡大などについていろいろと意見交換をしました。一昨年の11
 月に啓史がなくなって以来、新宿にはわが党の区議会議員もいなくなり、困難な状況に置かれて
 いますが、ここは踏ん張って乗り越えるしかありません。
  大会では役員の改選も行われましたが、委員長には私が留任し、副委員長は一人増員して二人
 にし、体制の強化を図りました。この一年は、何としても前に進んでいく状況をつくたいものだ
 とと考えています。


 ● 5月3日(土曜日)●

  憲法は私たちの最大の財産。今日,68回目の憲法記念日。

  今日は68回目の「憲法記念日」です。安倍政権のもとで集団的自衛権を容認する動きが強ま
 っていて注目の的になっていますが、憲法の精神を曲解したこうしたこと策動が認められる訳が
 ありません。
   自民党では、半世紀も前の「砂川判決」を持ち出して、最高裁が現憲法で集団的自衛権を容認
 しているなどと言い出していますが、とんでもない言いがかりです。

  いつものように今日、日比谷公会堂で憲法発布を祝う記念講演会が行われました。今年で68
 回目の憲法記念日になります。私は所要があったので残念ながら欠席しましたが、盛会だったよ
 うです。
  安倍政権が進める憲法改悪の目論みやその前段としての集団的自衛権の容認など憲法を骨抜き
 にする策動は、その意図が明らかになるに従って、次第に国民からは反発を呼んでいます。当た
 り前の事です。こうした憲法を擁護する動きがより一層強まることを願っています。


 ● 4月30日(水曜日)●

    バリュームで「要検査」、胃カメラで「異常なし」。

  今年初めに新宿区健康センターで行った健康診断のバリューム検査で、「精密検査」が必要だ
 といわれていました。このため今日、梶原診療所で胃カメラの検査をしてもらいました。結果は
 すぐに分かりましたが、ほぼ「異常なし」ということでした。とりあえず一安心です。念のため
 にピロリ菌の検査もして貰うことになりました。


 ● 4月29日(火曜日)●

   今日、パソコンを更新。ホームページも再開します。

  私が使っているパソコンはXPですが、今月8日でセキュリティ更新のプログラムが提供され
 なくなってしまい、攻撃されるリスクが高い状態になっていると言われています。普通に使って
 いるならば心配することはないと助言してくれる人もおりますが、素人の私には、「普通に使っ
 ている」のかそうでないのかの判断も充分に出来ません。従って、わが家でも不本意ながらネッ
 トで暫く前に新しいバソコンを購入しましたが、今日、旧バソコンからプログラムを移して貰い
 ました。
  バソコンの事については、どんな場合でも友人の秦さんにお願いしていますが、今日も来てい
 ただいて全ての作業をやって貰いました。メールの受送信など若干、作業が出来なかった部分が
 残ったので、連休明けに再度来ていただくことになりました。
  私はXPでホームページを作成するのは危険だというだということだったので暫くの間、更新
 しないままにしていましたが、ようやく再開できることになりました。


 ● 4月26日(土曜日)●

   中野区長選勝利! 宮本智予定候補の事務所開きに出席。

  6月1日から中野区長選が始まります。8日が投票日です。区長選の勝利を目指して今日、宮
 本智予定候補者の事務所開きが開催されたので出席しました。とても盛会でした。
  かつて中野は、「革新の砦」といわれ、福祉、教育、平和などの多くの分野で全国から注目さ
 れる先進的な行政を行っていました。しかし、現在は全く見る影もない陳腐な自治体になってし
 まっています。特にいまの田中区長はひどいもので、区民からは「うそつき区長」とまでいわれ
 ています。
  今度の区長選は、かつての輝かしい中野を取り返すことが出来るか否かの重要な闘いになりま
 す。


 ● 4月19日(土曜日)●

     旧社会党新宿総支部の人たちと一緒に会食。

   今日午後、旧社会党時代に新宿総支部に所属して活動していた人たちと一緒にに会食する機会
 がありました。日常的に会う機会がある人たちが大半なので、久しぶりということでは必ずしも
 ありませんが、今日は特別に「旧社会党の集まり」という名目なので何となく感慨深いものがあ
 りました。参加者の「現住所」は、社民党、民主党、保守系無所属、無所属(政治の舞台から離
 別)、それに私のような新社会党と実にさまざまです。
  旧社会党が政策転換を行って分裂状態になってからいろいろなことがありましたが、長い時間
 が経過した今は、昔一緒に活動し、苦楽を共にした「同志」という思いが結構強く、それだけに
 今日は楽しいひと時を過ごすことが出来ました。それにしても、今の混沌とした政治状態を見る
 につけ、旧社会党の存在の大きさを痛感すると共に、なぜあの党がこんなに雨散霧消の状態にな
 ってしまったのか、残念な思いだけがつのっています。


 ● 4月16日(水曜日)●

    小保方さんの理研の上司が責任回避の記者会見。

  「STAP細胞」問題について、小保方さんの指導に当たっていたとされている理研の笹井副
 センター長が記者会見を行いました。マスコミなどで事前に報道されていた通りの内容だったと
 思います。問題になっている論文の共著者としての自分の責任については、「後半部分だけにか
 かわっただけ」「実験にも関与していない」などとして、明確に責任を回避しました。
  通説によると、「共著者」というのは、論文全体に対して、責任を負う立場にあると言われて
 いますが、今日の説明では上手い具合にその辺の言い逃れをしています。保身のためとは言え、
 聞いていて嫌な気分になりました。この人は大変に有能な学者のようですが、記者会見を見てい
 て感じたことは、人間的にはどうも好きにはなれそうもないタイプの人だということでした。


 ● 4月15日(火曜日)●

      語学留学していた娘が今日、帰国しました。

  イギリスのオックスフォードに語学の勉強で留学していた娘の潤子が今日帰ってきました。3
 月22日に私たちがイギリスに行き、卒業したばかりの潤子と一緒に10日間、ロンドンやパリ
 で主に美術館を見て回わりましたが、私たちと別れた後、娘は半月かけてドイツやオランダ、ベ
 ルギー、スペインなどを訪問し、それぞれの都市で友だちと会ってきたようです。心配していた
 ということでもありませんが、とりあえず無事に帰ってきたので安心しています。現地で日常的
 にネイティブの英語と接したので語学の実力は結構ついたようです。


 ● 4月12日(土曜日)●

   中野区長選の勝利に向け、宮本智さんの励ます会開催。

  6月8日(日)に隣の中野区で区長選挙が行われます。話題の多い首長選挙です。一番関心を
 呼んでいるのは、現在の区長の政治姿勢についてです。今の田中区長は自ら提案して「区長は三
 期12年で終わり」の条文を盛り込んだ条例をつくり、当時全国的にも話題になりました。とこ
 ろが、今回、それを変更し、四選目に挑戦することになったのです。「やり残したことがある」
 のが理由ですが、常識では想像すら出来ないことです。

  田中区長は、最初の区長選挙に立候補したとき、主に三つの約束をしました。①多選禁止(当
 初は2期8年で終わりということでした。その後3期12年限りに変更)②箱物行政禁止(立派
 な建物よりも福祉や教育の中身の充実)、③100㌫市民派(政党に依存しない)、の三つです。
 12年たった田中区政の現状はどうでしょうか。全く逆の状態です。これほど有権者に対する約
 束をないがしろにする区長も珍しいと思います。

  こうした中で6月1日から区長選挙が始まり、8日に投票が行われますが、田中現区長に対抗
 して、弁護士の宮本智さんが立候補します。中野区の私たち新社会党の仲間が全力で応援してい
 ます。私は勿論選挙権はありませんが、もともと中野区の自治には強い関心を持っており、宮本
 さんを支援しています。

  今夜、「宮本智さんを励ます大集会」が中野ゼロホールで開かれたので、参加しました。広い
 会場は満杯でした。とても盛況でした。都知事選に立候補した宇都宮建児さんも応援弁士として
 参加していましたが、田中区長のように「平気でウソをつく人」は珍しいと感心していました。

  かつて中野区は全国の自治体がうらやむ「自治の砦」といわれました。福祉や教育、平和の行
 政で全国の先陣を切る自治体でした。残念ながら今はかつての面影が全くありません。今度の区
 長選挙で、是非、かつての輝かしいスガタを取り戻してほしいものだと思っています。


 ● 4月11日(金曜日)●

     憲法9条が今年のノーベル平和賞にノミネート。

  報道によると憲法9条がノーベル平和賞にノミネートされたということです。ノーベル賞の候
 補になる件数は随分多いようですから最終的にどうなるかは分かりませんが、候補に上がること
 自体素晴らしいことです。率直に言って、憲法9条はノーべル平和賞のふさわしい最高規範であ
 り、全世界に普遍化されてほしい人類の財産です。

  私は先日この運動を初めて知ったので早速、賛同署名をしたばかりでした。
  もし、晴れて憲法9条が授章対象になった場合、「受賞者」は日本国民ということですから、
 ひょっとすると今年の秋(10月10日発表予定)には、私も「ノーベル賞受賞者」の一人にな
 るかも知れません。それにしても、授与された場合、日本国民を代表して誰が名誉あるこの平和
 賞を受け取ることになるのでしょうか。


 ● 4月9日(水曜日)●

 「STAP細胞はある」と明言。小保方さんが記者会見。

  今日午後、注目されていた「STAP細胞発見者」の小保方晴子さんの記者会見が行われまし
 た。テレビでその模様を見ましたが、新しい事実を知ることが出来たり、今までの報道で先入観
 として抱いていたことの幾つかについてはいろいろと違うところがあるという印象を持ちました。
 当事者の話を直接聞くことは、実に大事なことだと改めて感じました。

  現在、問題の基本的な構図は、小保方論文の信憑性に関するもので、これに対して理研は「捏
 造」とか「改ざん」と断定していますが、そもそもののもっと本質的な問題は、小保方さんが突
 き止めたという「STAP細胞」が実際に存在するのかどうかです。今日、小保方さんは「20
 0回以上も作製に成功」していると主張し、第三者(インデペンデント)の成功者もいることを
 明言しています。更に、理研の研究室にはその細胞があるとまで言っています。

  科学の世界ですから全てを徹底的に疑うという姿勢は大切なことだと思いますが、今日の小保
 方さんの発言がおおむね事実だとするならば、「論文の体裁上の不備」という問題をどう整理す
 るかということは残りますが、本質的な問題の大半は解消されたのも同然です。
  一日も早く今のこの状況を乗り越えていくことを願っています。医学的に見て想像を絶するよ
 うな貢献をするであろう「STAP細胞」の今後の研究の進展を期待するばかりです。


  みんなの党の渡辺代表が辞めることになったようです。例の「5億円問題」の責任を取らされ
 た上での辞任です。何とも腑に落ちない辞任劇です。
  記者会見での説明によると、よく調べてみたら妻の講座に5億円振り返られていたていたので、
 貸主にはそこから返済したということです。全額返済した上での辞任だから文句はあるまいと開
 き直っているような感じです。
  古来よく「政治は最高の道徳でなければならない」と言われていますが、ある程度の勢力のあ
 る政党の代表として日本を代表する政治家の一人でもある(と思われる)人がこんな状態ですか
 ら何ともお粗末ことです。子どもたちの将来の夢の対象に「政治家」が出てこないのは当然です。

  我が家の事ですが、今日、連れ合いに「私の資金がそちら様の講座に振り返られていないか」
 と確かめたところ「一銭もない」ということでした。


 ● 4月5日(土曜日)●

    全国・都組織に続き、新社会党新宿も来月定期大会。

  私が所属する新社会党は、早いもので結成されて19年目になります。政党が出来ては消える
 最近の政治状況からして、最早、「新」社会党という党名が似つかわしくないくらい「長い歴史
 のある政党」になってしまった感じがします。依然として党勢が停滞していますが、それだけが
 残念です。新社会党は3月初めに第19回全国大会、3月末には第19回東京都本部大会を開催
 しました。これを受けて新宿総支部でも来月初旬に定期大会を開きますが、今日、そのための議
 案書(素案)作りをしました。
  議案書は、私が基本的な素案を作り、それを今月開催の執行委員会で検討して必要な修正をし、
 そこでまとまった成案を党員に送付して大会に臨むという段取りになります。


  オックスフォードでの留学を終え、私たちとロンドン・パリで美術館めぐりをした娘の潤子は、
 その後もオランダ・ベルギーなどの旧知の友人たちを訪問していますが、毎日、楽しい時間を送
 っているようです。昨日は新装なったアムステルダム国立美術館でレンブラントの「夜警」やフ
 ェルメール「牛乳を注ぐ女」などの名画を鑑賞したそうですが、今までよりも随分見やすく工夫
 されていたということです。私が4年前に訪れた時は、丁度改装中だったために、本来とは違う
 別の部屋でこれらの名画を鑑賞しました。
  潤子はこれからスペインのバロセルナやマドリード、トレドなどで何日か過ごし、15日前後
 には帰国する予定です。


 ● 4月2日(水曜日)●

    桜の名所・新宿御苑は大賑わい。満開の時期に。

  東京は桜が満開です。新宿駅方面に買い物に行く用事があったので新宿御苑の横の道を通りま
 したが、四谷の大木戸門は桜を鑑賞する人でごった返していました。生憎、天気はあまり良くあ
 りませんが、駐車場には観光バスが何台も止まっていたので、おそらく園内は大変な人だかりだ
 と思いました。

  夜、北区に梶原診療所に行って胃カメラを受診する打ち合わせをしました。私は5年前までこ
 のここの診療所で一年に一度胃カメラをしてもらっていましたが、新宿区立健康センターで受診
 が可能になったので切り替えていました。今年は区立健康センターが改築中で不可能になったた
 めに、久しぶりに梶原診療所に行くことになったという次第です。
  診療所の建物が近くに移転し、新しくなっていたのビックリしました。以前見てもらった先生
 に親切に対応してもらいましたが、診断の結果、今月30日に胃カメラを行うことになりました。


 ● 3月31日(月曜日)●

    ロンドンとパリの8箇所の美術館を訪問出来ました。

  夕方、自宅に帰ってきました。娘の潤子がオックスフォードで語学などの勉強をしていました
 が、3月で卒業することになったので、これを機会に、10日間ほどでしたが、一緒にロンドン
 やパリを旅行していました。私たち夫婦と次男の嫁さんの三人で成田を発ち、現地で娘と合流、
 四人の旅行になりました。

  今回は、私の希望で主として美術館巡りをしました。訪問できたところは、ロンドンの大英博
 物館、ナショナルギャラリー、コートールド美術館、パリのルーブル美術館、オルセー美術館、
 オランジェリー美術館、クリュード中世美術館、ギュスター・モロー美術館の8箇所にのぼりま
 した。コートールドとオランジェリー、クリュード、モローの四館は念願かなって今回初めて訪
 問できた美術館でした。以前パリに行った時、訪ねていったモロー美術館はたまたま臨時休館中
 だったので残念な思いをしましたが、今回はどこも充分に時間があったのでゆっくりと鑑賞でき
 て満足でした。

  この10日間、日本の動きはごくごく僅かしか知りませんでしたが、羽田に迎えに来た息子か
 ら桜が満開になっているということ「みんなの党」の渡辺善美代表が8億円を受け取っていたけ
 れども正当な手続きをしていなかったことをはじめて聞きました。使い道を問われて「酉の市で
 熊手を買った」などどふざけたことを言っていたそうです。

  パリから帰国便は、羽田空港の国際化に伴って導入された「パリ~羽田」の第一便になるとい
 うことでした。私たちの待合室があったシャルル・ド・ゴール空港で簡単な記念のセレモニーが
 行われ、記念品(日本酒用の升、ハンカチ、カードミラー)をいただきました。

  今回の旅行で改めて痛感したことは、この間、ずっと勉強していた私の英会話はほとんど通じ
 ないというがっかりする「厳粛な事実」でした。


 ● 3月21日(金曜日)●


   久しぶりに娘と美術館巡りへ。明日から暫く出かけます。

  今、娘の潤子がロンドン郊外のオックスフォードに語学勉強で留学をしていますが、3月で卒
 業します。前々から約束していたことですが、この機会を利用してしばらくの間に親子でロンド
 ンやパリの美術館めぐりなどをすることにしています。このため、私たち夫婦は、明日、ロンド
 ンに向けて出発します。一応10日間の予定です。帰ってくるのは31日になります。


     今日は春の彼岸。啓史の墓参に行ってきました。

  今日は季節の変わり目になる彼岸です。午後、世間の慣習に従って、私共も啓史が眠っている
 東長寺に墓参に行ってきました。沢山の人たちがお墓参りをしていました。
  私は、いつもの事ながら心中に去来する実に虚しい思いのためか、ずっと涙が流れ出て止まり
 ませんでした。


 ● 3月18日(火曜日)●

   「春一番」の突風。花粉の大飛散で憂鬱な時間。

  南の高知県では、今年の先陣をきって桜が開花したということです。いよいよ春本番の時期を
 迎えますが、東京では今日、「春一番」が吹き荒れました。自転車で新宿駅南口の高島屋や高田
 馬場方面まで行きましたが、強い風に吹かれて大変でした。

  例年に比べると今年は随分花粉の飛散も少なめです。これまで鼻づまりなどで寝られなかった
 ということもなかったので、今年は病院に行かなくても乗り切りたい思っていて、どうやらそれ
 も可能かなァと密かに期待していましたが、「春一番」の今日は花粉も「今年一番」という感じ
 で、マスクをしていても、涙と洟が止め処もなく流れてきます。実に憂鬱です。

  先日、新宿区民健康センターで検診を受けた「定期健康診」のバリュウーム検診の結果が郵送
 されてきました。結果は残念ながら「要精密検査」ということでした。バリューム検診の場合は
 よくこの様な結果になるというように聞いていましたが、その通りになってしまいました。
  これまではバリューム検診ではなく、新宿区健康センターで直接胃カメラ検診をしてもらって
 いましたが、今年は施設が改築中のためにそれが出来ません。何処かの医療機関で胃カメラの検
 診をしてもらわなければなりません。


 ● 2月17日(月曜日)●

     四谷税務署、東京女子医大病院、HIS新宿など。

  「確定申告」の届出は今日が最終日です。朝9時過ぎ、四谷税務署に家族三人分の申告書を提
 出しました。最後なのでもっと混んでいるのかと思っていましたが、それ程でもありませんでし
 た。その後、東京女子医大で血圧関係の定期健診。診断は案外早く終わったので、すぐに新宿駅
 南口の高島屋前にあるHIS新宿本社まで行ってパリ旅行の日程延長に伴うホテルの延泊の手続
 きをしました。上手い具合にパリ中心部のオペラ座に近接している同じホテルで延泊の部屋が確
 保できました。


 ● 3月15日(土曜日)●

    確定申告書を作成、若干の還付金がありそうです。

  今年の確定申告の届出期限も17日が締め切りですから、あと2日になりました。わが家では、
 私たち夫婦と昨年8月末で退職し、語学留学に出かけた娘の三人分の申告書を提出することにし
 ていますが、今日は朝からその作成に取り掛かりました。知り合いの青色申告の作成も手伝った
 ので夕方までかかってしまいました。

  娘は半年ちょっとで退職した関係で納税額の大半は還付されることになりました。一方、私た
 ち夫婦は年金収入だけのため、納税額も現職の時とは比較にならない位少なくなりましたが、そ
 れでも医療費控除などがあるために、夫々還付金を受け取ることになりました。
  月曜日の最終日に四谷税務署に提出します。


 ● 3月13日(木曜日)●

     政治家には珍しいほど誠実・実直な人でした。

  四谷地区から選出され、長い間一緒に新宿区議会議員をしていた自民党の小倉喜文さんが9日
 に急逝されました。つい先日、同じ自民党の野口史章さんの叙勲と結婚を「お祝いの会」で会っ
 たばかりでした。85歳になられたということですが、相変わらずお元気だっただけにとてもビ
 ックリしています。小倉さんは、政治家としては珍しいくらい大変誠実な方人で、私の好きなタ
 イプの人で、ずっと懇意にしていただきました。そのうちにいっぱいやりましょう話していまし
 たが、それも叶えられなくなりました。

  今夜、お通夜が営まれたので出席しましたが、小倉さんの突然の逝去を痛む人たちでいっぱい
 でした。


 ● 3月10日(月曜日)●

  立憲主義を完全に否定。余りのひどさに腹が立ってきます。

  夜、新社会党新宿総支部の執行委員会が開催されたので出席しました。事前に自民党の「憲法
 改正草案」の勉強会(今回で10回目)を行いました。毎度の事ながら「立憲主義」を完全に否
 定し、本来あるべき憲法そのものを自己否定するような内容のひどさ呆れて腹立ってきます。


 ● 3月7日(金曜日)●

     引越して5日目。大分片付いててきました。

  家中に所狭しと積み込まれていたダンボールの山も、次第に整理が進んで大分少なくなりまし
 た。購入を依頼し、配達されるの待っていた幾つかの電燈もようやく届いたので、早速所定の場
 所に設置しました。部屋の雰囲気もそれらしくなってきたような気がします。まだ、カーテンな
 どは準備ができていないので、全部が整うまでにはもう少し時間が必要です。

  世紀の大発見だとして世界の揺るがした理化学研究所の小保方晴子さんたちの論文の信憑性を
 めぐって、連日、各方面の動きが報道されています。意表を突く簡単な手法で様々な組織に変化
 できる「STAP細胞」を作製したという生物学の常識を覆す発見は、門外漢の私でも随分驚き
 ましたが、はたしてどのような結末になるのか。大変関心があります。不正とか意図的な盗用と
 か売名的な作為という悪質なものでないことを願っていますが~。


 ● 3月5日(水曜日)●

   起きてから寝るまで、荷物の整理に追われる毎日。

  連日、引越し荷物の整理に追われています。一昨日の3日は一日中、業者から派遣された経験
 豊かな女性が3人手伝いに来てくれました。お陰げ様で随分整理が進みました。昨日は有り難い
 ことに近所の知人が美味しい食事をいっぱい差し入れてくれました。大助かりでした。これで2
 日は大丈夫?です。

  昨日・今日は私たち2人で早朝から夜12時過ぎに寝るまで整理作業しました。くたびれまし
 たが大分床のスペースが見えるようになりました。この新居は、改築前まで住んでいた「野口ハ
 ウス」や仮住居の「内藤町ハウス」よりもある程度広いスペースになっている筈ですが、間取り
 や収納ペースの関係のためか全然広くなったという気がしません。限られた空間に効率よく持ち
 物を納めるのには苦労します。


 ● 3月2日(日曜日)●

   新マンションへ引越し。今日がここでの初日です。

  今日10時半からの新マンションへの荷物搬入に備え、昨日の夕方から引越し業者の若い人た
 ち6人で車に荷物の積み込みをしました。翌日の引越しが早い時間の場合にはこうしたやり方を
 するのだそうです。業界の専門用語で「よいづみ」(夜積み?)というようです。引越し業者の
 青年男女は実に手際のいい作業をしているので感心しました。私だったら一時間もかかることを
 僅か10分位で仕上げるという感じです。
  今日、新しい部屋への荷物の搬入は10時半から始まって2時過ぎまでかかりました。大小の
 ダンボールが約150箱、その他、家具類、フトン、植木などなどでどの部屋もベランダやその
 他の場所も荷物で満杯です。随分捨てたつもりですが、ほとんど減っている感じはしません。

  午後から次男夫妻が手伝いに来てくれたので、業者が帰った後は、私たちだけで整理をしまし
 た。精力的にやったつもりですが荷物の山はほとんど変わらずです。これを全部整理するのかと
 思うと気が遠くなりそうです。


 ● 3月1日(土曜日)●

    昨日新マンション引渡し。今日・明日で引越し作業。

  昨日午後4時過ぎから新マンションの引渡しがありました。「マジェスティハウス新宿御苑パ
 ークナード」といういかめしい長々とした名前が建物の正式名です。私たちの部屋は614号室
 でが、簡単な説明を受けた後、新しいカードキーを貰って部屋に入りました。内覧会の際に何箇
 所か手直しを依頼していたところがありましたが、ほぼ改修されていました。

  引越しは今日の夕方から何台かのトラックへの荷積め作業が始まり、実際に新マンションに荷
 物が運び込まれるのは2日の午前になります。いま住んでいるマンションは、いたるところにダ
 ンボール箱が積まれています。それに挟まりながら必要最低限の生活用具でここでの不便になっ
 てしまった最後の数日を過ごしています。


 ● 2月25日(火曜日)●

      危険極まりない政治に一石を投じたいもの。

  新社会党の定期全国大会は3月2日、3日の両日、御茶ノ水の連合会館で開かれます。また、
 東京都本部も3月下旬に定期大会を控えていますが、今夜、千代田区内でそれに向けての機関会
 議が開かれました。私は現在は中央執行委員も都本部の役員は辞退しているので、実質的な党運
 営にかかわっていませんが、新宿総支部の執行委員長をしているので、その範囲内では多くの責
 任を負っています。私たちの政党は、5人の国会議員が議席を失ってから今日まで議席の回復が
 出来ず、大変厳しい状態に置かれていますが、何とか国会議員や自治体議員を増やして、今の危
 険極まりない政治の動きに一石を投じたいものだと念願しています。


 ● 2月24日(月曜日)●

     脱原発・JAL不当解雇糾弾の集会・パレード。

  夜6時から、脱原発の集会と日本航空の不当解雇を糾弾する集会とパレートが行われたので参
 加しました。新宿地区労センターが毎月実施している行動で私は大体8割くらいは参加していま
 す。JALで不当解雇された乗務員の方々も毎回参加していました。柏木公園で行われる短時間
 の集会の後、新宿西口一帯をパレードして脱原発やJAL不当解雇問題などを訴えます。開始か
 ら終了まで大体一時間位の行動ですが、新宿西口一帯は大変な人だかりなので、多くの人々の目
 に触れることになり、効果は抜群です。前回は右翼の宣伝カーとかち合い、最後まで追っかけら
 れて大変でしたが、今日は何事もなく終了しました。久しぶりに会った人がいたので、彼を誘っ
 て何人かで居酒屋に行き、積もる話をしました。


 ● 2月22日(土曜日)●

      知り合いの「授章祝賀会」に出席しました。

  長い間一緒に新宿区議会議員を務めていた自民党の野口史章さんが去年の秋、勲章を授章しま
 した。今夜、それをお祝いする祝賀会が早稲田大学隣のリーガロイヤルホテルで開催されました。
 野口さんは同窓ということもあり、現役時代から親しくさせていただいていますが、彼自身、今
 回の授章を大変喜んでいるので、その喜びを更に増幅させるようなこんな立派なお祝いの会が開
 かれ、皆さんから賞賛されて本当に良かったと思っています。
  今日は、授章祝賀会と同時に野口さんの再婚の報告もありました。勿論、新伴侶も出席してい
 ましたが、初めてこのことを聞いた人が大半だったようで、随分と盛り上がりました。


  今夜、祝賀会場である人から「山田さんは40年も区議会議員をやっていたのだからもう勲章
 は貰ったんでしょう」と質問されました。昔の事を思い出しましたが、私に対してもずっと前に
 さる筋から勲章を受けるかどうかの事前の打診がありました。その時は「藍綬褒章」という勲章
 でしたが、普通の場合、それを授章した後、適当な時期に次の勲章を受けるという手順になるの
 だそうです。私は勲章などは全く興味がないので「折角のお話ですが、辞退します」と言ってお
 断りしました。辞退はあまり前例がないようで随分慰留?されましたが、私の気持ちが変わるこ
 とはありません。その時には将来の授章も含めて辞退することを伝えてあるので、その後、私に
 は一切勲章の話はありません。

  こうした勲章辞退の出来事があった直後、それを聞いた知人たちが中心になって「勲章辞退を
 お祝いする会」という楽しい「祝賀会」なるものを開いてくれました。その変な祝賀会の時にい
 ただいたネクタイは今でも洋服ダンスにかかっていて、時々利用しています。色々な会合などで
 勲章のことが話題になることがありますが、今か今かと打診を待っている人もいるようです。私
 の代わりに勲章を貰いたいと思っている人が授章したのだろうと思いますが、私はその人のため
 に結構いいことをしたと思ったりしたものでした。随分以前の出来事です。


 ● 2月19日(水曜日)●

     引越しの準備でダンボール詰め作業をしています。

  改築中のマンションの引渡しは2月28日に行われます。業者と相談した結果、引越しは3月
 2日に実施することになっています。引越しまで10日余りを残すだけです。先日から精力的に
 そのための準備をしていていますが、ダンボール詰め作業も随分進みました。事前に大小100
 個のダンボールを貰っていますが、これまでにほぼなくなりました。後は、引越し当日まで使用
 している筆記類関係などの諸物や食器類とか寝具類、衣類などを残すだけになっています。
  寄る年波のせいか私は軽いギックリ腰になり、妻は左腕が上がらない状態になっていますが、
 どうにか無事に引越しが出来そうな見通しになってきました。


  今日、新宿区健康センターで年に一度の健診を行いました。センターは現在改築中で仮施設で
 業務を行っているので、これまで受診してきた「胃カメラ」は出来ない状態になっていて、代わ
 りに「バリュウム検査」を行うことになっていましたが、診察器具類が突然故障状態になってし
 まったということで、検査が不可能になってしまいました。他の診察は全部終わりましたが、バ
 リューム検査は後日、改めて実施することになりました。センターの職員は随分恐縮していまし
 たが、人間でも機械でも万全ではありませんので、止むを得ないことだと思います。


 ● 2月17日(月曜日)●

   私はインチキな人間です、と言っているような中野区長。

  がっかりするニュースが報道されています。今日、中野区議会で任期期満了に伴って実施され
 る中野区長選(6月1日告示、同8日投票・9日開票)に、現職の田中大輔氏(62)が4選を
 目指して立候補する意向を表明したということです。単なる立候補表明ならば何処にでもあるこ
 とですが、中野区の場合は違うのです。

  田中区長は、自分が提案し、可決された中野区の自治基本条例で、「区長は連続して3期を超
 えて在任しないよう努める」との規定を設けたという経緯があります。首長は長い間やっている
 とマンネリになり、自治の停滞につながるというのが多選禁止条例の制定の趣旨で、当時、全国
 の注目を集め、評価されたものでした。区民の皆さんも田中区長の自治体運営に対する考えに共
 鳴したために三期目の当選が果たされたのだと思います。条文が「努める」という努力規定にな
 っているのは、法律に抵触する懸念があるための便宜的な表現であり、実質的には「禁止」その
 ものなのです。
  自分が制定の主導的な役割を果たした条例ですから、ご当人が正常な判断能力が失ってでもい
 ない限り、四選には立候補しないのがまともな人間のすることです。

  「中野区自治基本条例」は、中野区の憲法のような条例です。制定した張本人が中野区の憲法
 的な条例の趣旨に全く反する動きをするというのですから、呆れてしまいます。中野区民がこう
 した「インチキ区長」をまた選ぶとは思いませんが、立候補することそのものに恥を感じない人
 間が区長を務めるということが、この23区内に起こっていることには驚きを感じます。


 ● 2月3日(月曜日)●

     新しいマンションの「内覧会」がありました。

  3月初旬から入居する予定の新マンションは、現在工事が最終段階に入ってます。2月28日
 には引渡しが行われますが、今日、それに先立って「内覧会」がありました。

  以前、モデルルームを見ているので入居する予定の部屋のイメージは大体分かっていますが、
 今日改めて実物を見てみると、想像していたよりも狭かったので少々ビックリしました。改築前
 の野口ハウスの居室は約65平米、新マンションは約73平米なので以前よりも少しは広くなっ
 ている筈ですが、間取りの配置の関係などのためかむしろ狭くなったような気分になりました。
 ベランダが随分広くなったので開放感がありますが、部屋全体のイメージは何となく窮屈になっ
 たような気がしています。収納場所の確保の為に設計段階でいろいろと考えたつもりですが、い
 くら工夫しても全体のスペースは決まっていますので、納得できるような図面にはなりません。
 これから何処に何を収めるか、頭痛の種になります。引越しは3月2日の予定です。


 ● 2月2日(日曜日)●

    あんな会長が在任中は、視聴料は払わないことにした。

  NHKの籾井新会長が国会に参考人として呼ばれ、先日の会長就任の記者会見の発言の真意を
 質されています。この件については、25日の「行動日記」で触れましたが、今日、テレビで報
 道されたこの一週間のニュースを見て、改めてそのひどさに腹が立ちました。

  新会長はいろいろな問題発言をしていますが、一番驚くのは「政府が右と言っていることを左
 と言うことはできないじゃないか」という発言です。会長就任記者会見の場で、私的な見解と断
 りながらも、NHKは政府の方針に追随すると宣言したのです。信じがたいことです。

  公共報道機関のトップがこんな姿勢では、NHKは死んだも同然です。私はNHKの実務に携
 わる人たちがこうした会長の軽率な発言(ついうっかりした口を滑らしたのではなくこの人の真
 意だと思いますが)に全て影響を受けるとは思いたくありませんが、しかし、その影響の芽は既
 に出ているという指摘もあります。

  「権力は腐敗する」「政府は真実を言わない」というのは、世の東西を問わず世界の「常識」
 です。日本でも沖縄返還時の日米秘密交渉をみれば歴然としています。報道機関が率先してこう
 した「常識」に目をつぶり、政府が右なら右、左なら左だということなら、最早、報道機関とし
 ての存在価値はありません。

  イギリスのBBCは、フォークランド紛争やアイルランド独立組織の動きをめぐる問題をめぐ
 って当時、飛ぶ鳥を落とす勢いがあったサッチャー首相と厳しく対決し、圧力を受けながらもそ
 れに屈しないで断固として姿勢を取り続け、国民からは最も信頼できる報道機関として最大の評
 価を受けたという歴史を持っています。このような姿勢こそ、報道機関、とりわけ公共機関は求
 められているのです。何とも情けない、恥ずかしい人事です。

  あの会長がいる組織にカネを払うのはどうして納得できません。私の家では、今までは何があ
 っても我慢して視聴料は支払ってはきましたが、あの会長がいなくなるまで払わないことにしま
 した。


 ● 2月1日(土曜日)●

    またか、呆れる橋下市長の「自転車操業政治」。

  「大きなニュース」があるということなので何のことかとテレビを見たら、橋下市長が辞任を
 して大阪府構想についての評価を市民に問うということでした。

  この男は、自転車操業的な政治手法が好きなようで、絶えず敵を作っては攻撃し、注目を得て
 きました。大阪府構想もそのひとつですが、大阪府と大阪市があっては「二重行政」だから「都
 制度」に変えたいというのが構想の骨子です。しかし、府と市ならば問題があり、都制度ならば
 それが解消するのかというと、そんなことはありません。府と市の現制度の下でも、やろうと思
 えば二重行政はいくらでも解消できます。制度の問題というよりは、首長の資質や見識によるも
 のです。それに、橋下が標榜する「都制度」は、東京都と23区の関係を見ればわかるように、
 これはこれで多くの課題があるのです。

  それに大阪府構想の是非については、先の堺市長選挙で維新候補が敗れたことで一定の結論が
 出ていることです。要するに大阪府構想なるものは新しいもの好きの大阪市民には一時的に歓迎
 され、関心を持たれたかもしれませんが、最早賞味期限が切れたのです。維新以外の大阪市議会
 議員が橋下市長の旗振りについて行かないのは当たり前の事です。彼の本質がだんだん分かって
 きたということです。

  どうやら市長選挙は行われることになりそうですが、折角の機会ですので、大阪市の有権者の
 皆さんには、今度は是非、「自転車操業市長」は選ばないようにしてもらいたいものです。橋下
 は、NHK新会長の発言についても大賛成しているという信じがたい感覚の持ち主です。彼は日
 本の政界には全く必要のない人間です。市長選で落選したら政界を引退するということですから、
 この言葉通りならば、市長選挙はとても大事な選挙になるかもしれません。


  東京都知事選挙のことですが、今日午後3時半から戸山ハイツで宇都宮候補の演説が行われま
 した。また、同じ時間、高田馬場駅では政連カーで街頭演説やチラシ配布が行われました。私た
 ちの仲間も参加しました。

  夜、インタネット中継で主要な四人の候補者による討論会が行われました。候補者の主張の違
 いがある程度は明らかになったような気がします。あと一週間、9日の日曜日が投票日です。


 ● 1月31日(金曜日)●

  新社会党新宿総支部「新春のつどい」が開催されました。

  私が委員長を務めている新社会党新宿総支部の「新春のつどい」が、今夜、歌舞伎町の会場で
 開かれました。毎年1月の最後の金曜日に開催されている恒例の行事です。

  昨年の「新春のつどい」は、たまたま他の大きなイベントと日程的にかち合ってしまったため
 に、予定していた方々の参加を得られなかったということがありましたが、今年は綿密に対応し
 たこともあって私たちが想定以上の方々にご参加をいただきました。久しぶりにてお会いする方
 が何人もおりました。

  都知事選挙の真っ最中だったために、どうなるか若干の不安もありましたが、盛会裏に終了す
 ることが出来、ほっとしています。終了後は気の合う有志がこぞって、近所の居酒屋で二次会。


 ● 1月30日(木曜日)●

  世界を揺るがす30歳の女性研究家からのビッグニュース。

   ものすごいニュースが発表されました。昨夜は出かけていたので全然知りませんでしたが、今
 朝、新聞を開いてビックリしました。

  30歳の日本人女性が率いる再生医学の研究チームが公表したニュースです。神戸市の理化学
 研究所の小保方晴子さんが世界への発表に先駆けて公表したのは、意表を突く簡単な手法で様々
 な組織に変化できる「STAP細胞」を作製したという生物学の常識を覆す発見です。

  小保方さんは早稲田大理工学部を2006年に卒業後、高校時代から憧れていた再生医学の研
 究を開始し、この年、iPS細胞を作製したと発表した山中伸弥・京大教授の講演を聞き、研究
 に打ち込む決意を強め、研究を重ねてついにSTAP細胞からできた細胞を持つマウスを誕生さ
 せたということです。

  小保方さんの世界を揺るがすような発見にいたる経緯を証明した論文は、超一流科学誌として
 権威のある『ネーチャー』からは、当初、「信じられない」として掲載を拒否されたのだそうで
 す。論文を審査した研究者からは「長年の細胞生物学の研究の歴史を愚弄している」というひど
 い趣旨のメールまで届いたというから驚きです。

  肩を落とす小保方さんを、研究仲間の皆さんが励まし続け、小保方さんはデータ類を解析し直
 し、昨年3月、論文を再投稿。今日、『ネーチャー』に掲載されることになっています。世界の
 医学界の耳目が、当面この科学誌に集まるだろうと言われています。

  小保方さんがリーダーを勤めるユニットのスタッフ5人は全員が女性。研究室の壁はピンクや
 黄色で明るく、好きなムーミンのキャラクターシールがいっぱい貼ってあるようです。何とも微
 笑ましくなります。仕事着は白衣ではなく、大学院時代に祖母から貰ったかっぽう着。「これを
 着ていると家族に応援してもらっているように感じる」という事ですから、気持ちの優しい方だ
 と思います。

  理工系の女子学生や女性研究者を指す「リケジョ」が注目される中で飛び出した驚くべきビッ
 グニュースですが、10年後、50年後の人類社会にどのような素晴らしい貢献をもたらすこと
 になるのか楽しみです。本人はこのことを意識して、「一歩一歩着実に研究を進めたい」と決意
 を話しています。いずれ、ノーベル賞の候補者として話題になるかもしれません。


 ● 1月29日(水曜日)●

    久しぶりに「新宿区役所稲門会」が開かれました。

  同じ大学の卒業し、新宿区役所関係の現職・退職の職員(管理職が中心)や新旧の区議会議員、
 区の特別職の人たちを中心にした人たちの集まりがあります。「新宿区役所稲門会」という任の
 組織です。一年に2、3回集まって近況を語り合ったり、その時々の社会状況などについて、意
 見交換などをしています。何かを決めるとか、ここから一定の行動を起こすとかいったものでは
 なく、全くたわいのない単なる同窓会組織です。時には、屋形船で東京湾を遊覧したり、知り合
 いの親方がいる相撲部屋を訪ねてちゃんこ料理を食べたり、早慶戦を観戦したりしています。気
 兼ねなく参加できるので、私はいつも欠かさずに出ています。現職の頃はこの会の幹事長をして
 いました。
  今夜、歌舞伎町の料理屋さんで今年初めての催しがあったので参加しました。久しぶりに会う
 人や初めて管理職になり、出席資格を得たフレッシュな人もおりましたが、そんなことは全く無
 関係にすぐに打ち解けて、約3時間ほど楽しい時間を過ごしました。

  最後には、皆んなで恒例になっている「都の西北」を高唱して別れました。


 ● 1月28日(火曜日)●

   通常国会開催。一枚看板の「アベノミクス」の実態は~。

  今日、通常国会が開催になりました。安倍政権は、依然として高い支持率を得ていますが、私
 にはこの内閣の何処が良くて国民が支持しているのか良く分かりません。一枚看板と言ってもい
 い「アベノミクス」も、もともとアメリカの金融緩和政策の焼き直しであり、独創的なものでも
 何でもありません。世界的な経済動向とたまたま時期的に日本の「緩和政策」が合致したという
 ことであり、最近ではいろいろな局面でほころびが出ています。「アホノミクス」と揶揄する人
 もおりますが、勤労者や退職者家庭の生活実態は、むしろ厳しくなっているというのが現実の姿
 です。
  安倍首相は、今日の国会演説でも株価が上がったとか、円安になったとか自慢していますが、
 株も円も、上がったり下がったりの繰り返しで、特別に何ということもないごくごく普通の経済
 状態になっています。
  この内閣の外交政策は、衆目の一致するところですが、どう見ても落第だし、秘密保護法制定、
 集団自衛権の容認、教育制度の改悪などの動きは極めて危険な要素を持っています。

  自民党は以前から自分たちのことを「責任与党」と称して、自己満足に陥っている風でしたが、
 最近では、みんなの党が「責任野党」と言い始めています。自画自賛しているつもりなのかも知
 れませんが、実に聞きづらい言葉です。
  かつて論客ぞろいの日本社会党が健在だった頃と違って、今の国会に、国の進路に正しい方向
 を与えるような白熱した論議を期待することは全く無理ですが、国会に期待がもてないからには、
 取り敢えずは消極的な選択として、余計なことはしないで欲しい、何もするな、という何とも情
 けない心境になって今日の国会幕開けの動きを見ています。


 ● 1月25日(土曜日)●

    新会長の暴言。政治の質も随分地に堕ちたものです。

  安倍首相のたっての後押しで先日NHK新会長に就任したばかりの籾井勝人氏が、就任の記者
 会見で随分勝手な持論を展開したようです。すなわち、国際的にも微妙な問題になっている従軍
 慰安婦については「どこの国にもあったことだ」と見解を述べ、その保障をずっと求め続けてい
 る韓国に対しては「解決済みの問題」だと一蹴したということです。公共機関であるNHKの会
 長が何で政権の代弁者役を果たさなければならないのでしょうか。どういうことか分かりません
 が、オランダ・アムステルダムの「飾り窓」のことまで言及したと報じられています。

  NHK会長は、特に政治的な公平性(これまで自民党がこのことを執拗に主張)が要求されて
 いますが、籾井氏は自分の立っている位置が全く分かっていないようです。NHK会長職は国会
 の「承認人事」ですが、国会は最もこの職に相応しくない人を承認したような気がします。
  しかし、客観的に見て相応しくない人でも、自分の意に沿う人ならば無理やりにでも押し込む
 というやり方、こうしたやり方こそが安倍政治の本質です。多くの人々の反対の声を歯牙にもか
 けず、強権的に押し通した秘密保護法案の国会運営に、こうした姿勢はよく現れています。安倍
 手法の最終的な行き着く先は、憲法の改悪です。

  そういえば、最近は雨後のたけのこのようにやたらと「○○○審議会」「○○○懇談会」とい
 う名称の第三者の意見を反映するかのように装った「御用機関」が作られています。そしてどの
 機関も一様に安倍政権の政策に対してお墨付きを与えています。自分たちの意に沿う人物をメン
 バーにあてがっているのですから、審議する前から出てくる結論は推定できるというチャチな装
 置です。民主主義的な化粧をした役者が演じている典型的な茶番劇です。田舎芝居でももう少し
 はましなストーリーの変化や舞台装置があるような気がしますが、安倍御用機関にはそれもあり
 ません。

  そういえば、安倍首相は就任以来、口癖のように「積極的な平和主義」という言葉を使ってい
 ます。「平和」を、更に「積極的」と強調するのですから、知らない人は、この首相は「平和の
 権化」のような印象を受けたりするかも知れませんが、強い表面づらの語彙と意図している中身
 とは全く違います。
  そう言えばかのヒトラーも「議会制民主主義」を唱え、平和裏に舞台に登場し、民主主義的な
 やり方で蛮行を繰り返したのでした。「積極的平和主義」と合い通じるものがあり過ぎます。

  日本の政治の質も随分地に堕ちたものです。しかし、ただ嘆いていただけでは、これまたどう
 しようもありません。


 ● 1月23日(木曜日)●

   都知事選挙告示、脱原発票が分散されるのは残念至極。

  東京都知事選挙が告示になりました。有力候補は、宇都宮健児、細川護煕、舛添要一、田母神
 俊雄の四氏。マスコミ各誌の報道によると、実質的には細川・舛添両候補の争いの様相です。
  私たちの新社会党東京都本部は、宇都宮候補を推薦していますが、原発政策の帰趨が最大の争
 点になっている選挙の性格からして、細川候補と一本化をはかるべきではないかという声が、支
 持者からは勿論、内部からも上がっているという実態もあります。

  都政の課題は原発だけではなくて多岐多様ですが、原発に対する「国民投票」的な性格を帯び
 てしまったこの選挙の性格からして、私も可能な限り一本化が望ましいと考えています。国の原
 発政策のあり方に極めて重大な影響を与えるであろう「脱原発」の貴重な票が、細川と宇都宮の
 両候補に分散されるのは、何とも残念なことです。

  もし、脱原発を訴えている細川・宇都宮両候補が舛添候補に敗れることになった場合には、政
 府は「政府の原発依存政策が支持された」として再稼動や新規稼動、更には原発関係の大企業と
 共に原発輸出を進めることは火を見るよりも明らかです。こうした状況には絶対にしたくないも
 のです。


 ● 1月21日(火曜日)●

    西部全労協の「旗びらき」に参加。お祝いの挨拶。

  今夜、西部全労協の恒例の「旗びらき」が新宿の歌舞伎町で開かれたので出席しました。「旗
 びらき」は、主として政党や労働組合が年の初めに開催する「新年会」の名称ですが、今年、こ
 れまで開かれた幾つかの関連団体の旗びらきは、代わりの人たちに出席してもらっているので、
 私にとって今日の旗びらきが今年初めての参加ということになります。出席者の大半は知ってい
 る人たちですが、今年初めて会ったということもあって皆さんにはちょっと遅めの新年の挨拶を
 兼ねて、決意の言葉を述べることが出来ました。

  8時ちょっと過ぎに終了し、時間も早かったので、懇意にしている何人かと一緒に会場近くの
 馴染みの居酒屋に寄って10時過ぎまで懇談しました。


 ● 1月19日(日曜日)●

     沖縄の名護市長選で基地反対派の稲嶺候補が圧勝。

  注目の名護市長選で、アメリカ軍の普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対を訴えた現職の
 稲嶺進候補(68)が大差で再選を決めました。負けることはありえないと思っていました。私
 も気持ちを込めて何がしかのカンパをしましたが、本当によかったと思っています。

  当選確定後、稲嶺市長は「私は辺野古の海にも陸にも新基地を造らせないと公約に掲げていた
 ので、これまで通りしっかりと信念を貫いていく」と述べ、改めて辺野古移設を拒否する考えを
 表明しています。
  公約をしっかりと守っていくこと、ごくごく当たり前の事であり、「守る」などということは
 あえて言うべきことでもありませんが、沖縄では仲井間県知事が公約を破り、自民党の国会議員
 も皆んな揃って公約破りをしていますので、稲嶺市長の当たり前の発言が新鮮に聞こえます。

  稲嶺市長は公約破りの仲井真弘多知事について「選挙結果は、知事が承認したことに対する答
 え。承認したから仕事は終わりだというのであれば、沖縄県をとりまとめる知事として無責任で
 はないか」と批判しています。また、移設推進を訴えた前自民党県議の末松文信候補(65)を
 破った勝因を「1996年の普天間返還合意以来、今回ほど争点がはっきりした市長選はなかっ
 た。推進、反対とくっきり分かれたので有権者にとってわかりやすかった」と分析しています。

  選挙結果を受けて菅官房長官は、「市長権限は限られている。移設に支障はない」と述べ、辺
 野古沿岸部の公有水面埋め立て申請の承認を「今からどうこうできない」と述べています。何だ
 か「無知民」にもでも言うようなコメントです。もし逆の結果が出ていたら、官房長官は全く違
 う発言をしただろうと思います。何でもっと率直に本当の気持ちを言うことが出来ないのか、私
 は不思議に感じます。こんな事を言っているから政治家は信頼されないのです。

  いずれにしても、恥も外聞も無い全く露骨な「カネで票をつる謀略選挙」に対して、名護市民
 は「基地反対」という明白、かつ厳然とした意思を示しました。
  今後、市・県・国のとるべき道はおのずと明白です。


 ● 1月18日(土曜日)●

     森元首相が世論操作を図る意図の軽薄な発言。

  今日、2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会の会長に就任する予定の森元首
 相が、あるテレビの番組で、小泉元首相が訴えている「原発即時ゼロ」について、「6年先の五
 輪のためにはもっと電気が必要だ。今から(原発)ゼロなら、五輪を返上するしかなくなる。世
 界に対して迷惑をかける」と批判したというのです。
  この人は、返上なんてこれっぽっちも考えていないにもかかわらず、こうした発言をすること
 によって世論操作を図り、都知事選挙を有利に運ぼうとする魂胆です。

  いかにも薄っぺらい発言ですが、ひとつ考えることは、自分が何かの発言をすることによって
 これまで世論が影響を受けてきたと首相の職にあった者が考えているということです。この人の
 どんな発言がこうしたケースに該当するのかに分かりませんが、それにしても日本の国民・市民
 はなめられたものです。こんなことしか言えない人が組織委員会の会長を勤めるなんて、大丈夫
 なのか、老婆心ながら心配になります。

  私には、折角開催することになったオリンピック開催を返上することになったら大変だから原
 発稼動は容認しようと思う人が、たった一人でも居るなどとは、とても信じがたいことです。


 ● 1月17日(金曜日)●

    公約違反に加え、「カネで人心を釣る」名護市の選挙。

  名護市の市長選挙が大詰めを迎えています。今度の日曜日が投票日です。基地反対の稲嶺候補
 が先行し、基地容認の末松候補が猛追しているという報道です。

  つい先日、沖縄知事が公約を破って名護市・辺野古への基地移設を容認、これに先立って沖縄
 選出の自民党国会議員が皆んな揃って国政選挙での約束を反故にした中での市長選挙です。公約
 違反は、まさしく名護市民・沖縄県民を愚弄する暴挙ですが、きのう、自民党の石破幹事長が沖
 縄入りし、500億円規模の「名護復興基金」を作ると約束したということです。典型的な「カ
 ネで人心を釣る選挙」であり、二重三重に市民・県民の気持ちを逆なでするものです。

  私は、名護市の有権者の大半はこうした稚拙な自民党の策略に惑わされると思いません。とに
 かく、ここは誇り高い琉球市民の毅然とした矜持を示し、稲嶺候補が圧倒的な得票で勝利するこ
 とを心から願っています。


  今日は「阪神・淡路大震災」19周年。つい先日の出来事のようだった気がしています。
  もうひとつ。今日、フィリピンのジャングルに29年間も潜伏していた小野田寛郎さんが亡く
 なりました。日本の敗戦をアメリカの謀略と断じ、気が遠くなるような長期間、異国の山中でゲ
 リラ戦を続けた人でした。まさに戦前の歪みきった教育を体得した権化のような感じがしていま
 すが、その強靭な精神力にはただただ驚くばかり。


 ● 1月16日(木曜日)●

    遠い遠い先の日には、私もきっと平安な心境に ~。

  昨日、ある方から一枚の葉書をいただきました。葉書のあの限られたスペースに、こんなにも
 沢山の文字が書けるのかと思うほど細かな、しかし、実に達筆な文字がしたためられていました。
  いろいろなことが回想風に書かれていましたが、そのさまざまな回想の中で、啓史のことにつ
 いてはとても好意的に、しかも優しい気持ちで悼んでもらいました。感謝の気持ちいっぱいです。
   啓史や私のことに関連付けて文中に次の三つの歌が引用されていました。

    わが知れる限りの人に愛せされ死にゆくことの何ぞうれしき (田波御白)
    父母の涙ぬぐひしハンケチを顔にあてやり棺にをさむ        (木下利玄)
    我という人の心はただひとりわれより外に知る人はなし    (谷崎潤一郎)

  葉書の最後は、次のような言葉で締めくくられていました。「~いつの日にか、遠い遠い先の
 日に、心に平安のおとづれることを心から願っています」。


 ● 1月14日(火曜日)●

   新マンションの「入居説明会」。引越しは3月2日。

  2年前から改築中だった私たちのマンションは、ようやく2月28日に引き渡されることにな
 り、今日、「入居説明会」が西新宿のバナソニック本社で開かれました。入れ替わり立ち代りい
 ろいろな業者が説明してくれましたが、とにかくこれまでのクラッシックな野口ハウススとは違
 って、多様なサービスを提供してくれるマンションのようです。こうしたメニューを理解し、兼
 ね備えたサービスを使いこなすのが大変な気もします。シェアのサービスもあるのには驚き
 ましたが、それだけに何かと費用もかかるようです。
  私たちはどっちかというとシンプルな生活をのんびりと送りたいと思っていますが、果たして
 これからそれが出来るかどうかです。

  住所は、これまでの野口ハウスと同じく「新宿区大京町26番地」で変わりませんが、マンシ
 ョン名は「マジェスティハウス新宿御苑パークコート614号室」というのがフルネームです。
 やたらと長ったらしく、それに高級さを装ういかめしい名前です。そこで私は少しは簡略にして
 「マジェスティ新宿御苑614号室」、または「マジェスティ614号室」を略称として使うよ
 うにしたいと思っています。

  内覧会は2月3日、引越しは3月2日に決まりました。


 ● 1月13日(月曜日)●

   「殿!ご乱心」より「総理!ご乱心」が深刻な問題。

  細川護煕元首相が都知事選挙に立候補することを明らかにしました。「脱原発」を最大の争点
 にして闘うと決意を披瀝しています。小泉純一郎元首相が全面的に支援する模様で、今日も一緒
 に記者会見を行っています。都知事選挙は、国政がらみの「原発推進派」と「脱原発派」の闘い
 になる様相です。従来以上に全国的な関心が高まります。いいことです。大いに頑張って貰いた
 いものです。

  細川さんが出馬することについて、自民党政府の有力閣僚が「殿!ご乱心」と言ったというこ
 とですが、全く馬鹿げたたわ言です。先祖帰りを進め、それを周りの誰も批判しない状態、すな
 わち、翼賛会的な状況の中での「総理!ご乱心」の現在の政治状態の方こそはるかに深刻ですが、
 この某有力閣僚にはこのことが全然分かっていないようです。


 ● 1月12日(日曜日)●

   ラグビー大学選手権。今年も残念な結果でノーサイド。

  今日はラグビーの大学選手権の決勝戦。最近数年間は帝京大学が絶好調で、現在史上初の4連
 覇中です。今年の決勝は、伝統の早稲田大学がこれにストップをかけることが出来るか否かが最
 大の注目点で、特に早稲田の15番・藤田選手の活躍が見ものでした。
  試合は早稲田が先行しましたが、すぐに帝京が追いつき、前半は全くの互角。後半は帝京が開
 始早々2トライをあげて引き離し、一方的な試合かと思われましたが、中盤から終盤にかけて早
 稲田が猛追し、決勝戦にふさわしい白熱した闘いになりました。しかし、41対37でノーサイ
 ドになり、残念ながら逆転には至りませんでした。今年もダメでした。


 ● 1月11日(土曜日)●

     啓史の知り合いが訪ねてきてくれました。

  啓史が大学時代にアルバイトをしていた職場で一緒だったお嬢さんが焼香に来てくれました。
 彼女には、啓史の遺稿集に原稿を書いて貰ったこともありますし、以前から、それとなく名前を
 聞いたことがありますが、お会いするのは今日が初めてだと思っていました。
  しかし、麹町スクワールで開かれた「お別れの会」に来てくれたのだそうで、そのときに挨拶
 をしたという事でした。
  とても快活で元気のいい方でした。今は超大手の商事会社に勤めているそうで、毎日多忙のよ
 うです。暫くイギリスにも留学したと言うことだったので、潤子の事も含めて私たちも気兼ねな
 く話が出来ました。随分長時間、引き止めてしまいました。
  彼女の話を通して、私たちが知らなかった啓史の一面を知ることが出来ました。


 ● 1月6日(月曜日)●

  ぞっとする。悪行の権化・渡辺美樹がダントツの資産。

  今日、昨年7月に当選した参議院議員の資産状況が発表されました。トップになったのは自民
 党の渡辺美樹です。言わずと知れた居酒屋チェーン・ワタミグループの経営者で、その資産額は
 17億580万円にものぼるそうです。
  このワタミグループは、いわゆる「ブラック企業」としても全国的によく知られており、あら
 ゆるところで労働強化、賃金・残業代未払い・不当解雇などの問題を引き起こしいます。マジメ
 に働く人たち、とりわけ若い人たちを深夜まで働かせ、当然支払うべき賃金や残業代を払わない
 で徹底的に搾取し、それによって築いた財産が17億円あまりという事です。全然説明の必要が
 ない実に分かりやすい「図式」です。

  こうした「悪徳経営者」が国政の最高機関の議員ですから、ぞっとします。こうした議員には、
 人に優しい政治、弱者に心を寄せる政治など、世の中がひっくり返っても出来るわけがありませ
 ん。
  ただ、この人は選挙で正当に選ばれたのですから、当然の事ですが彼に投票した人がいます。
 その人たちは、新聞やテレビで報道されるワタミグループの数々の悪行と渡辺美樹なる人物の莫
 大な今日の資産報道を、いまどんな気持ちで見ているでしょうか。


 ● 1月5日(日曜日)●

  正月休みを利用して次男夫婦とちっとした旅行に行ってきました。宿泊したホテルを拠点にし
 てその近辺の観光地にも車で出かけました。次男は結婚して5年になりますが、私たち両親は、
 これまでの年末年始はずっと気ぜわしい時間を送っていたので、こうした旅行をするのは初めて
 のことです。楽しいひと時でした。


 ● 1月1日(木曜日)●

        あけましておめでとうございます。
       今年もどうぞよろしくお願いします。

  いろいろな方から年賀状をいただきました。昨年は喪中だったので、二年ぶりです。
  年賀状では多くの方が政治の現状について触れていますが、今年は果たしてどんな一年になる
 でしょうか。
  最近の安倍政治は危険な方向にまっしぐらの状態ですし、「アベノミクス」と喧伝される経済
 状況も一部からは「アホノミクス」と揶揄されています。更には4月からの消費税率の引き上げ
 を目前に控えいて、私たちの生活は全く予断の出来ない環境の中に置かれています。
  どう考えても明るい展望は望めませんが、いずれにしても逞しく生きていくしかありません。
  皆さん、今年もご指導下さい。どうぞよろしくお願いします。









 ● 12月31日(火曜日)●

   今日、区切りの大晦日。今年の政治はひどかった。   

  どこの国でも同じなのかもしれませんが、私たち市民が無関心でいると政治の方向はどこに行
 く分かったものではありません。権力者が絶対的な力を持っている状況の中で、その時代の政治
 が後世の人たちからどう評価されるのか。多くの歴史が教える通り、好意的に評価されることは
 ほどんど皆無だと思います。市民が「無関心」に流れる時代ほど怖いものはありません。

  今の安倍政権。集団的自衛権を容認し、武器輸出や原発輸出を進め、あえて戦犯を賞賛するよ
 うな行動を断行し、更には平和憲法を変えてごく普通に戦争の出来る国にするというこうした反
 動的な「体制」を選んだことについて、いま多くの人たちが「こんな筈ではなかった」「自民党
 に議席を与えすぎた」と後悔しているのではないかと思います。
  今年は、こうした政治の反動を痛感する一年でした。

  今の安倍政権は、国のスガタを変え、歴史の歯車を逆転させる方向に突き進んでいます。この
 ままでは更にとんでもない方向に突進していきます。
  こうした動きは何としても変えるしかありません。のちのち、「後悔先にたたず」と言っても
 どうしようもありません。「後悔」をするならば、まさに今です。
  変えることは勿論、容易ではありません。私たち自身が政治変革に向けた並々ならぬ強い決意
 を持ち直す必要があります。来年は、そうした気持ちを持ち続けたいと思います。


  今日は今年最後の一日。午後、啓史が眠る東長寺に行って合掌してきました。依然として辛い
 ひと時でした。夕方の6時前、耕史・千鶴夫妻が来訪。皆んな母親が準備したニシンとエビ天の
 年越しそばを食べ歓談しました。夜11時、オックスフォードに行っている潤子からスカイプで
 電話がありました。いま向こう9時間遅れの午後2時。これから一緒に勉強している友だちと連
 れ立ってロンドンに行き、イギリスの大晦日の雰囲気を楽しむのだそうです。いいな~ぁと思い
 ました。

  今日は今年最後の一日。いろいろなカタチで家族みんなと触れ合いうことが出来ました。


 ● 12月27日(金曜日)●

     啓史の全ての本会議質問のDVDをいただきました。

   息子の啓史は、2011年4月24日投票の新宿区議会議員選挙で初当選し、同年5月1日の
 正式就任から亡くなった翌2012年11月5日までちようど一年半ほど新宿区議として在任し
 ました。
  この間、区議会では合計5回「代表質問」や「一般質問」を行っています。病気で入院中だっ
 た2012年9月の第三回区議会定例会を除いては、全ての定例区議会で本会議での質問に登壇
 し、親の私から見ても視点の確かな内容の濃い質問をしていました。私は、これから啓史がどの
 ような政策を掲げ、その実現のためにどんな活動をして区政の前進を図ろうとするのか、密かに
 楽しみにしていたものでした。しかし、残念この上ないことですが、それは見果てぬ夢になって
 しまいました。

   今日、啓史が質問に立った全ての本会議の模様をコピーしたDVDを届けていただきました。
 前々から私たちが是非入手したいと願っていたものです。DVDに加えて、思いがけなかったこ
 とですが、綺麗にファイルされた本会議での写真や視察先で写した多くの写真までいただきまし
 た。それらは全て見やすく整理されていたので驚きました。啓史が私たち両親や弟、妹に遺して
 くれた貴重な財産のように思えてきて涙が出てきました。母親も全く同じ気持ちです。早速、啓
 史の霊前に供え、事の顛末をきちんと彼に報告しました。私たちの何物にも代えがたい「宝物」
 として座右に置き、ずっと大切にし、慈しむつもりです。

  私には、本当に一瞬のように思えてならない啓史の議員生活でした。しかし、短いなりにも充
 実したものだった、必ずそうだったと確信しています。その彼の活動の模様を、時系列的にこの
 ように記録し、分かりやすく整理してくれて、更に霊前に供える生花までいただきお礼の申しよ
 うもありません。とにかく有り難い気持ちでいっぱいです。


    辺野古への移転容認。民意をカネで売り渡した沖縄知事。    

  仲井間沖縄県知事は、今日、普天間基地の辺野古移転を容認しました。この知事は、一時的な
 「カネの力に負けてで沖縄の心を売り渡すかもしれない」とある程度は予想されていましたが、
 その通りになってしまいました。沖縄では知事への失望が広がり、「裏切りだ」という怒りに満
 ちた抗議の声と共に1000人もの人たちが県庁舎になだれ込んだということです。

  日米両政府による1996年の普天間返還合意から17年。県外移設に希望をつないできた県
 民からは、2021年度まで毎年3000億円台の沖縄振興予算を確保する方針を示した政府に
 対しても「札束で県民のほおを張っている」と怒りをあらわにし、カネで知事の決断を引き出そ
 うとした安倍政権への憤りも渦巻いています。知事が要求した普天間飛行場の5年以内の運用停
 止や牧港補給地区の7年以内の全面返還に対しては、テレビの報道では「履行されるかどうかは
 結局米国次第。県民に要らぬ期待感を持たせたに過ぎず、軽減策は全く評価できない」と批判す
 る声が沢山出ています。

  仲井間知事は、基地の県外移転を県民に約束して知事選挙を勝ち抜きましたが、その最大の公
 約を全く反故にして逆の選択をしたことになります。あってはならないことです。驚くべき民意
 に対する挑戦です。知事は、要するに選挙での約束を、県民に説明もせず、了解を得ないまま、
 カネでオキナワの心を売り渡したのです。ここには正当な代議員制度の影も形もありません。政
 策によって選出される民主主義の本質を否定する姿です。知事は記者会見で「公約に違反してい
 ない」と強弁していましたが、辺野古を沖縄県内の場所とは思ってもいないのでしょうか。仲井
 間知事は、まともな人間として「恥を知る」ことさえ捨て去ってしまったかのようです。
  沖縄では、自民党の全ての国会議員も選挙公約に反して県内移転を認める姿勢に変身していま
 すから、最早ここには民主主義国家、代議員制に立脚する近代国家のかけらもありません。

  これはまさに形を変えた何度目かの「琉球処分」のような気がしてなりません。しかも今回の
 恥ずべき「琉球処分」は、当事者である沖縄知事自身によってなされたものですから全く信じが
 たいことです。


 ● 12月26日(木曜日)●

   平和・国益・国際協調をぺらぺら述べてきた首相が、
     そうした軽率な言葉にも反する信念の靖国参拝を強行。   


  安倍首相が靖国神社に参拝しました。よもやと思っていましたが、「信念」にそって「決行」
 したという状態です。靖国神社は、今更言うまでもなく、誰がどう強弁し、弁解しようと「戦犯
 を神として祭っている神社」です。ごく一般の市民が、自分に関係する戦没者を慰霊するという
 ことは特別に問題視することでもありませんが、総理大臣が参拝するということは「戦犯を崇め
 ること」であり、与える影響は甚大です。当然ですが、侵略戦争に対する日本の姿勢が問われる
 ことにもなります。
  早速、中国、台湾、韓国、北朝鮮などかつて侵略された国々から激しい抗議の声が上がってい
 ます。今回は、今までになくアメリカ政府からも「失望した」とのコメントが出ており、更にロシ
 アからは「遺憾である」、欧州連合からは「慎重な外交対応を求める」との批判が示され、まさ
 に四面楚歌の状態になっています。
  安倍首相は、いつものように「戦争犠牲者に敬意を表するのは世界の指導者の常識」などと言
 い訳をしています。しかし、こうした独りよがりの言い訳は、靖国神社参拝に限るならば全く陳
 腐な空言に過ぎないことが「世界の常識」だということです。

  安倍首相は、演説や記者会見などで何かというと「国益」とか「国際協調」とか「世界平和」
 などという言葉がよく好んで使いますが、この人のこうした言葉は、私たちが常識的に考える言
 葉の意味とはどうも違うようです。この内閣にまだ50%前後も支持率があること自体私には不
 思議でならならないことですが、こうした摩訶不思議な高支持率を背景にして、独善的な解釈で
 政治をやられてはたまったものではありません。
 
   安倍首相には一日も早く退陣していただくしかありませんが、ただ、そうなるためには私た
 ち市民がもう少し利口にならなければならないと思います。今の政治の本質を理解すれば、批判
 的な姿勢を持つことになるのは不可避なことです。また、こうした姿勢を持つことは、次の世代
 の人たちにまともな社会を残す任務を持つ我々の「義務」だろうと私は思っています。


  2年前から改築中の私たちのマンションは、外構がほぼ出来上がり、現在は急ピッチで内装工
 事が行われているようです。来年2月3日には「内覧会」が行われ、月末までには引き渡される
 ことになっています。いよいよ新居への入居が具体的な日程に上ってきましたが、今日、引越を
 担当する業者から大小のダンボールが100個配送されてきました。新年早々から荷物を整理す
 る引越しの準備をすることになります。
  如何に沢山のものを捨てられるかが「勝負」になりますが、経験的にいうと、いざとなればど
 れも思い出多いものばかりなので、捨てたいと思う気力の割にはなかなか決断が付かず、モノは
 一向に減らないというのが現実です。


 ● 12月21日(土曜日)●

    来年6月中野区長選挙、後輩の宮本弁護士が立候補へ。   

  新宿区の隣の中野区で来年6月初旬に区長選挙が行われます。私の友人は、この選挙の候補者
 選考に深く携わってきましたが、先ごろようやく決定しました。今日、その予定候補者に決まっ
 た宮本智(ともみ)弁護士の確認団体の結成式が中野駅近くの集会所で開かれたので、私も参加
 しました。宮本智さんは早稲田大学の卒業で、私の後輩になります。

  かつての中野区は、大内正二区長や青山良道区長を擁して「革新の砦」と言われました。中野
 区で実施された「教育委員の準公選制度」は、教育行政に大きな影響を与え、全国的に大変注目
 を集めた先進的な取り組みでした。当時、新米の新宿区議会議員だった私は、いつも「中野区に
 学ばなければならない」「中野区以上の新宿区政を創らなければならない」と思って様々な課題
 と取り組んだものでした。
  しかし、十数年後、保守の巻き返しにあって革新区政が崩壊した以降は、ごくごくありふれた
 自治体、全く学ぶものがない反動的な区政になり、何処にでもあるような陳腐な自治体に変わっ
 てしまいました。

  来年6月の区長選挙は、かつての光輝いていた「住民本位の中野区政」を取り戻す重要な闘い
 になります。この選挙で中野区政が変わるならば、23区など他の自治体にに与える影響も決し
 て少なくありません。是非、宮本予定候補に勝利して欲しいものだと思っています。私も出来る
 限りの応援をさせて貰うつもりです。


 ● 12月20日(金曜日)●

    呆れる。区民税滞納議員や土下座議員が都知事候補?    

  猪瀬知事が辞任に追い込まれました。いわゆる「5000万円借用問題」であんな説明しか出
 来ないのならば、辞任せざるを得ないのは当然のことだと思います。ただ、5000万円かそう
 でないかの金額の違いはあるにしろ、とても正当とは言えないような「カネ」を貰っている保守
 系の国会議員は、枚挙に暇のないほどいる筈です。ただ彼らは、上手に貰い、上手に隠し切って
 いるから問題が顕在化しないだけです。うまく処理出来なかった猪瀬素人知事とは、このあたり
 の狡猾さにおいて雲泥の差があるのです。

  知事のは辞任表明によって、都議会は「百条委員会」の設置を見送るようですが、これもおか
 しな対応です。自分たちが振り上げたこぶしを勝手に下ろし、都議会に課せられた任務を自ら放
 棄するようなものです。事実は何も明らかになっていないのですから、都議会は徹底的に真相の
 究明を図る努力をすべきです。

  ところでマスコミでは、早速、都知事候補の名前が取りざたされています。いずれも聞きなれ
 た「有名人」たちですが、政治家として力量があるとか新しい地平を開くような新鮮味が感じら
 れるとか、将来の都政を安心して任せられるような魅力のある人材とはお世辞にも言えないよう
 な方々ばかりです。かつて新宿区に住んでいて、住民税を払っていなかった某女性国会議員(こ
 のお方は、後で知ったことですが、何と私と同じ町内会でした)、以前、選挙の際の演説会で、
 見苦しい土下座までして有権者に媚(こび)を売った某女性国会議員等の名前まであげられてい
 るのには驚きました。とても首都の自治の舵取りを任せられるような人材ではないことは、多く
 の都民がよ~く知っている事です。

  自民党の都知事候補は、オンナならば誰でもいいのかと呆れ返ってしまいます。首都の都知事
 候補が、よもやこうした人たちで決まることはないと思いますが、候補に擬せられ名前が出るだ
 けでも私は嫌な気分になってしまいます。こんな人の誰かが候補になるのだったら、まだ一途な
 ところが感じられる素人知事の猪瀬直樹の方が大分マシかも知れません。

  いずれにしても来年2月には都知事選挙が実施されます。「オンナ」であることを最大の武器
 にするような嫌らしい女性や知名度があったとしても自治の理念などは微塵も感じられないよう
 なチャカチャカした人でない人を、今度はじっくりと選びたいものです。何しろ東京は、必要な
 らば国と毅然として対峙し、日本の地方自治体の旗手として先駆的な役割を果たすことが期待さ
 れている極めて重要な立場にある自治体なのですから~。


 ● 12月18日(水曜日)●

     無料で東京美術館の「ターナー展」を見ました。    

  上野の東京都美術館で開催中の「ターナー展」を見に行ってきました。今日、東京での展示は
 最後になります。混んでいるのかと思いましたが、それほどでもありませんでした。ゆっくりと
 見ることが出来ました。

  英国美術界の巨匠と言われて人気の高いウィリアム・ターナーは、生涯を通じて風景画を描き
 続け、独自の絵画表現を極めた画家として知られています。今回の展覧会は、世界最大のコレク
 ションを誇るロンドンのテート美術館から、油彩画の名品30点以上に加え、水彩画、スケッチ
 ブックなど計約110点を展示した大規模なもので、ターナーの栄光の軌跡をたどった本格的な
 回顧展です。
  私はターナーのようなぼかした作風はそんなに好きではありませんが、今日はじっくりと鑑賞
 し、大いに堪能することが出来ました。来年3月末頃にはロンドンに行くつもりなので、その際
 にはテート美術館(テート・ブリテン)にも行って、彼の代表的な作品をもっともっと見たいと
 思っています。

  今日は12月の第三水曜日ですが、東京都美術館は毎月第三水曜日、65歳以上の「高齢者」
 は無料になります。今まで「不覚」にもこの制度を知りませんでした。これからはこの無料の日
 を狙ってここに行きたいと思っています。今日はついでに事務封筒を買う予定があったので、上
 野から浅草橋まで歩きました。1万歩を超えました。


 ● 12月16日(月曜日)●

    また朝日新聞が社説で「軽減税率導入反対」の主張。    

  消費税率も引き上げを前にして、生活必需品などに対して軽減税率をどう設定するかが課題に
 なっています。私は消費税は所得が少ない人には典型的な逆進性を持っているので、本来的な税
 制の原則に反していると思っています。従って消費税の導入や税率の引き上げそのものに反対で
 すが、引き上げが決まったことを前提に考えるならば、当然の事として軽減税率は導入すべきだ
 と思っています。

  ところで朝日新聞は、これまで消費税導入や税率の引き上げの旗振り役を果たしてきましたが、
 昨日の社説でも相変わらず「高邁な持論」を展開しているのには驚きました。
  例えばこんなことを述べています。
  軽減税率についていろいろと手前勝手な主張を述べた後、「(軽減税率の導入は)適用する商
 品の線引きが難しい。まず、所得が多い人まで恩恵を受け、税収が目減りする」。
  大した理由だと感じます。確かに軽減税率を導入すると、高所得の人も恩恵を受けることにな
 ります。その通りですが、だから反対だと言うのは全く一面的な見方です。そもそも消費税は低
 所得者の人に甚大な影響を与え、更に税率引き上げの際に軽減税率を設けなければ、その負担は
 更に重いものになります。踏んだり蹴ったりの状態になります。最もらしく「高額取得者」の恩
 恵について触れるならば、それよりももっと大きな声で「低所得者」の過重な負担について主張
 をしてほしいものです。この世の中には、ごく僅かな比率の「高所得者」がいないのは周知の事
 実なのに、朝日新聞の論説委員の皆さんには、高所得者だけが見えて、低所得者は全く視野にな
 いようです。

  よくマアこんな主張を社説として堂々と掲げられるものだと思います。


 ● 12月15日(日曜日)●

    晩秋の神宮外苑。8千人の市民ランナーでいっぱい。

  午前、久しぶりに晩秋の神宮外苑に出かけ、5キロほど散歩しました。観光客でにぎわった名
 所の「銀杏並木」の葉っぱもほぼ落ちて、歩道も車道も黄色のじゅうたんを敷き詰めたような風
 情でした。
  今日は丁度、東京陸上競技協会主催の短距離駅伝が国立競技場や神宮外苑の外周道路一帯を舞
 台にして開催されていて、ものすごい数のランナーでどこもかしこもいっぱいでした。コースに
 なっている広い外周道路は埋め尽くされているという状態でした。とてもタイムを競う状態では
 ありません。関係者に聞いたところ、8千人くらいの市民ランナーが全国から集まっているとい
 うことでした。競技をしているというよりは、それぞれが自分のペースでジョギングしている感
 じでした。スタートとゴールになっている国立競技場の中も覗いてみましたが、あの広々とした
 スタンドは、選手たちや応援する人たちで埋め尽くされていました。


 ● 12月14日(土曜日)●

   政治反動の中でも、諦めずに粘り強く努力するしかない。

  ”一強多弱”と言われ、なんでもありの政治状況になっていますが、今日、政治の現状や政党
 の本来的なあり方などについて意見交換をする集まりがあったので出席しました。

  みんなの党が分裂し、維新の会も混迷状態ですが、他党の事はとにかく、私たちの新社会党も
 大変に困難な立場におかれています。長期的に党勢が衰退する状態を克服できず、旗幟鮮明な国
 政選挙方針を出しきれないでいます。このままでは、国民の視界から消えてなくなるという深刻
 な状態ですが、抜本的な党再生策はなかなか明確にしえないというのが現状です。
  憲法改悪の動きが強まる中で、私たち「護憲勢力」の役割はますます重要になっていますが、
 国政でも地域でも全く期待に応えられるような役割を果たせないのは実に残念なことです。

  今日の集まりの中では、政治の現状に対する強い危機意識は夫々から出されましたが、肝心の
 現状の流れを変える方策については、暗中模索の状態でした。当たり前の事ですが、諦めずに粘
 り強く努力を続けていくしかありません。


 ● 12月11日(水曜日)●

    同窓の気が合う何人かでたわいない話をしました。

  私が楽しみにしている事のひとつは、大学の同窓の何人かで年に二回程度どこかに集まり、食
 事をしながら談笑することです。今日、その集まりがありました。今回はメンバーの一人のお宅
 にお邪魔して奥さんの素晴らしい手料理をご馳走になり、美味しいお酒をいただきました。政治
 的な立場は夫々違うので、そうした話題は一切は抜きで、たわいないことを話しましたが、とて
 もいい時間を送ることが出来ました。


 ● 12月9日(月曜日)●

    今年最後の党新宿総支部執行委員会。終了後、忘年会。

  今年も師走の半ばに入ろうとしています。今日、私が委員長を務めている新社会党新宿総支部
 の今年最後の執行委員会が開かれました。今年の活動のあれこれについて話し合い、2014年
 の「旗びらき」(新春のつどい)は1月31日(金)に開催することにしました。

  会議が始まる前に、自民党が発表した「憲法改正草案」の読み合わせをし、意見交換をしまし
 た。この間何回が行っている恒例の勉強会です。改めて感じますが、この草案はとにかく最初か
 ら最後までひどい内容です。主権者である国民が、憲法によって代議員制度の中で権力を与えら
 れている者の横暴を制約するという立憲主義的な思想は、完全に欠落しています。そればかりか
 憲法が国民を縛るという本末転倒の中身になっています。立憲主義の考えは、意図的に消し去っ
 ているのです。明治憲法よりも後退した内容になっているという指摘もありますが、いずれにし
 てもこんな時代遅れの遺物が日の目を見ることのないようにしなればなりません。

  今日の執行委員会は、今年最後の会議になるので、終了後、四谷駅近くの新道通りの居酒屋で
 「忘年会」を行いました。


 ● 12月6日(金曜日)●


    死して更に評価が高まるマンデラ大統領の功績。
   一方、安倍首相の「秘密保護法は民主主義社会の恥」。

  民主主義の基本である知る権利を制約する稀代の悪法が参議院で自民・公明などで強行採決さ
 れ、成立しました。

  秘密保護と知る権利を調整するための国際指針である「ツワネ原則」の採択を主導したアメリ
 カの団体は、成立した秘密保護法について、国際基準に程遠いとして深い憂慮を示す声明を発表
 し、更に「21世紀に民主主義国家で検討されたものの中で最悪のレベルの社会基準」と厳しく
 批判しています。

  国際的に指弾を浴びる法律が異常な経過の中で制定される今の日本のスガタは、どう考えても
 まともな状態ではありません。時代遅れの法律の制定を執念に取り付かれて主導した安倍首相と
 それに追随した政治家たちの見識に無さ、高邁な理念の無さにはあきれ返ります。日本の将来を
 託すことはできません。

  一方、昨日、南アフリカのマンデラ元大統領が亡くなりました。不屈の信念に基づいて生涯の
 全てをかけてアパルトヘイトの撤廃のために闘った偉大な人物です。
  訃報に接し世界の多くの指導者がこぞって哀悼の言葉を捧げています。例えばアウンサン・ス
 ーチーさんは「人間性の基準を高めた偉大な人間」と述べ、オバマ大統領は「彼がいなければ今
 の自分はない」とまで言っています。死してなお、その評価や声望は強まるばかりです。

  国情の違いはあるにしても、同じ時代に日本の安倍首相のやったことは民主主義社会の恥と言
 われ、一方、マンデラ大統領は神の領域に達した人のする業績と言われるこの対照、この際立っ
 た落差。この二人を同じ「政治家」という言葉で語ることは最早不可能です。そもそも、マンデ
 ラ大統領に対して失礼であるようなるような気がしています。


 ● 12月4日(水曜日)●

     現代の「治安維持法」、参議院で強行採決の動き。

  政府・与党は「特定秘密保護法案」について、5日午後の参院国家安全保障特別委員会の審議
 終了後に採決に踏み切る方針のようです。
  与党内には6日の臨時国会会期末を控え、5日中に参院本会議を開き、法案の成立を目指す動
 きも出ており、与野党の攻防は緊迫しています。

  安倍首相、今国会初となる民主党の海江田万里代表らとの党首討論で、「特定秘密保護法案の
 採決について、議論は丁寧に進め、どこかの段階で終局させなければならない」と述べ、今国会
 成立に重ねて意欲を示しています。

  首相は秘密指定・解除の状況をチェックする機関として、今日突然、「保全監視委員会」を内
 閣官房に新設する方針を表明。秘密指定の基準作りに関わる「情報保全諮問会議」と、秘密指定
 された公文書の廃棄の可否を判断する「独立公文書管理監」(審議官級)も設ける考えも示しま
 した。この期に及んでいろいろな御用追認機関の名前がポンポンと出てきますが、このことだけ
 見てもこの法案がいかに粗製なものか、よく分かります。

  自民・公明が仲良く手を携えて前進し、みんなの党や維新がこれににじりってオベッカを使っ
 ている大政翼賛会的な構図になっていますが、一旦出来上がったらどうにでも運用されかねない
 「現代の治安維持法」は、なにはともあれ廃案にするしかありません。


     「和食」が世界文化遺産の登録されました。

  アゼルバイジャンの首都バクーで開かれていた無形文化遺産保護条約の政府間委員会で、日本
 が推薦していた「和食・日本人の伝統的な食文化」を、無形遺産に登録することを決めました。
 日本が委員会に提出した「提案書」では、京都の精進料理や懐石料理、東京のすし、東北地方の
 鍋料理などを紹介しているということですが、テレビに出てくる「喜びの声」の主は、高級な料
 理店の人ばかりです。一食何万円もするような料理が「和食」を代表しているような感じです。

  私が親しみを持ち、言葉からイメージする「和食」は、有名店の○○料理や○○料理などでは
 なく、例えばしゃけやニシン・さばなどの焼き魚、めざし、冷奴、納豆・きんぴらごぼう、ワカ
 メの味噌汁など三度の食事の品々ですが、今回、「私の和食」が世界遺産に登録されたことにな
 るのかどうか?、よく分からなくなっています。

  これまでほとんど意識しなかったことですが、日本の無形文化遺産は、これまでに21件もあ
 り、今回が22件目にもなるんですねぇ。調べて見たら次のようになっていました。

  能楽・人形浄瑠璃文楽・歌舞伎・雅楽・小千谷縮・越後上布・石州半紙・日立風流物・京都祇
 園祭の山鉾行事・甑島のトシドン・奥能登のあえのこと・早池峰神楽・秋保の田植踊・チャッキ
 ラコ・大日堂舞楽・題目立・アイヌ古式舞踊・組踊・結城紬・壬生の花田植・佐陀神能・那智の
 田楽。そして今回の和食ということになります。


 ● 11月25日(月曜日)●

     最早、これはまともな状態の代議員制度ではない。

  自民党の沖縄選出国会議員全員が、選挙公約をかなぐり捨て、一転して辺野古への基地移転を
 容認しました。一年前の総選挙で沖縄の自民党公認の候補者は、全員、普天間基地の辺野古への
 「県内移転」を認めず、「県外移転」を重要な公約していました。県民は、この政策を支持し、
 彼らを当選させたのでした。ところが、今日、自民党国会議員の5人全員が辺野古への基地移転
 を認めることにしたというのです。沖縄にとっては、基地問題は最大の課題ですが、この最重要
 課題で選挙公約と正反対の態度を取るなどとは信じがたいことです。驚いて全く言葉もありませ
 ん。

  このように選挙の公約とは全く別のことをしたのでは、最早、正当な代議員制度が機能してい
 るとは言えません。勿論、豹変した彼らには、正当な国会議員としての資格はなく、あえて言う
 ならば、有権者を裏切る単なるうそつきに過ぎません。

  考えを変えたという国会議員は「県民の命をの方が大切だ考えて(約束とは逆の)決断をした」
 などと述べています。自分を正当化する薄っぺらい言い訳であり、政治家がよく使う常套手段で
 す。この人は、代議員制度や民主主義に対する理解が全くないようです。情けない限りです。こ
 の議員は、「県民の命~」などという善人めいたことを言う前に、基本的な選挙公約を変えたこ
 とに対する責任こそ自らに問うべきです。

  私は沖縄の有権者に「なぜ、こんな人は選んだのか!」「選んだほうにも責任があるぞ!」と
 言いたい思いです。しかし、考えてみると沖縄の方々からは、ひっとすると逆に「あんな支離滅
 裂なことをいう都知事をなぜ選んだのか!」という声が聞こえてきそうな気もします。勿論、私
 は猪瀬知事などには投票していませんが、沖縄にしても東京にしても(他のところもいっぱいあ
 りますが)、人類の英知の所産であった筈の現代の代議員制度は、政治の仕組みとして日本では
 まともに機能していないひどい状態になっています。

  国会の状況も同類です。明日26日には、「特定秘密保護法案」が衆議院で採決される模様で
 す。公明党のみならず、一応、野党と言われているみんなの党、維新の会も競い合って自民党に
 擦り寄るみっともないスガタの国会になっています。言うまでもなく、国会は「議論の府」でな
 ければなりませんが、最近は陳腐な「談合の府」に成り下がっています。

  国会は国権の最高機関ですが、国会でのやり取りを聞いていても、例えば大臣の答弁は官僚が
 作成した作文を棒読みするだけであり、その程度の低さは目を覆うばかりです。今に始まったこ
 とでもないかも知れませんが、何とも情けない「政治の世界」です。


  今日、所要があったので神宮外苑を通りました。名所の「銀杏並木」の木々は黄葉の真っ盛り
 でした。月曜日だというのに、多くの人たちが綺麗に彩られた木々の下を散策していました。
  丁度、恒例の「いちょうまつり」も開催中でした。ちょっと覗いたら、全国各地から自慢の郷
 土料理がいっぱい集まっていました。高校時代の3年間を過ごした懐かしい八戸市の名物の「せ
 んべい汁」(2012年のB級グルメで念願の初優勝)も出店されていて、人気を博していまし
 た。


 ● 11月22日(金曜日)●

   辛淑玉の講演会に出席。ヘイトスピーチを乗り越えよう!

  いま、在日韓国人や朝鮮人を標的にしたヘイトスピーチが、全国各地で巻き起こり、民族差別
 や人種偏見、弱者差別に満ちた言動が繰り返されています。

  新宿区でも、新大久保などで盛んに街宣活動が行われ、とても聞いていられないような侮蔑的
 な言葉が飛び交い、暴力事件も起こっています。

  こうした一部の憎悪に満ちた動きに対して、先日、「ヘイトスピーチやレイシズムを乗り越え
 る国際ネットワーク」(略称・のりこえねっと)が立ち上げられました。
  発起人は、上野千鶴子、宇都宮健児、佐高信、辛淑玉、田中優子、和田春樹などの各氏です。
 この他に新右翼「一水会」顧問の鈴木邦男さんや松本サリン事件被害者の河野義行さんなども名
 前を連ねています。

  今日、発起人の一人である辛淑玉(しんしご)さんの講演会が飯田橋で開かれたので行ってき
 ました。講演会の冒頭、全国各地で引き起こされている「ヘイトスピーチ」関連のビデオが流さ
 れましたが、とても正視するに耐えられないものでした。

  全国的な傾向として、ヘイトスピーチを行っている連中の年代層も国籍(人種)も性別も様々
 です。ただ、大まかな傾向としては、40代前後の中年前期層が結構多いようです。そして彼ら
 の多くは、これまで労働条件の整った職業に就けず、人下関係が限定されたごく限られた環境の
 中で生きてきたという共通点のようなものがあります。生活も安定しないこうした状況の中で、
 彼らは、安定した労働条件にある公務員を敵視すると共に、在日韓国人・朝鮮人・被差別部落出
 身者・障がい者・性的少数者など、社会的弱者・少数者を適当な敵に仕立てて、憎悪に満ちた言
 葉を投げかけ、そうすることによって自分自身の存在を確認し、居場所にしているのです。

  要するに考えようによっては彼らも戦後社会の被害者のようなものであり、こうした「被害者」
 は今のような政治・経済状況の下ではますます増えるだろうというのが辛さんの考えです。「日
 本におけるヘイトスピーチは、戦後体制が作り出した差別そのものだ」という主張です。

  このように辛さんの話は、ヘイトスピーチを行っている連中は許しがたいけれども、ただけし
 からんと反撃するのではなく、社会の病巣の心髄に迫ってこの問題を考え、問題解決のために何
 が必要か、何をしなければならないのかという姿勢でした。
  問題点の本質を見据えた見解だと思いました。


     ケネディ大統領が暗殺されて50年になりました。

  今日2103年11月22日は、ケネディ大統領が暗殺されて50周年に当たります。私は当
 時21歳の大学生でしたが、新しい時代を切り開く「旗手」のように見えた若い大統領の暗殺に大
 変なショックを受けました。

  ケネディ大統領の登場によって、少なくてもアメリカでは「政治家は信頼の対象になり得る」
 という状況が生まれ出ていました。当時は、こうした動きが世界各国に伝播し、政治の大きな変
 革が起こるかもしれないという希望がありました。しかし、暗殺によってそれが一瞬の内に消滅
 し、途絶えてしまいました。以来、グローバル的に見て、政治家が信頼される対象に置かれたこ
 とはありません。

  日本の政治家は特にひどくて、政治家の代名詞は、約束破り・うそつき・いい加減・言い逃れ
 上手・二重人格などなどです。まさに負の遺産の権化のような存在になっています。情けないこ
 とです。いま、猪瀬都知事の5000万円問題が脚光を浴びていますが、これに対する知事の、
 いかにも本当の事は説明していないという事が見え見えの言動は、薄っぺらさ、陳腐さを感じま
 す。呆れてしまいます。こうした人間が東京都知事の地位にあるのかと思うとイヤになります。
 
  「政治は最大の道徳」だと言われています。勿論、これこそが現実の世界で真理でなければな
 りませんが、ケネディの不慮の死以来、空言のようになってしまった気がします。
  今日は、そうした意味でも悲しみを新たにする「記念日」です。


 ● 11月20日(水曜日)●

    保守四党が悪法の微調整に合意。成立にまっしぐら。

  「真実は知らしむべからず」。戦前回帰の社会を目指しているのではないかと思わざるを得な
 い政治状況になっています。

  安倍首相が執念を燃やしている「特定秘密保護法」の成立に向けて、国会の動きは最終段階に
 入っています。今日、修正協議を進めていた自民・公明・みんな・維新の保守四党が微調整で合
 意しました。原案とほとんど変わらない内容です。似たもの同志の話し合いですから、こんな結
 末になることは想定済みですが、それにしてもよくマア、とんでもないこんな悪法に揃いも揃っ
 て合意できるものだと思います。

  「真実」を国民の目をそらすこの形を変えた現代の「治安維持法」は、26日にも衆議院を通
 過し、時をおかずに参議院でも可決される動きです。
  ついこの間まで、ねじれ現象のために「決められない政治」があたかも悪いことのように喧伝
 されていましたが、今のこの状態が「決められる政治」のスガタです。多くの国民が望んで選ん
 だ「決められる政治」は、本当にとんでもない結果を生み出そうとしています。誰かが言ったと
 いう言葉、「国民の頭の水準以上の政治は望めない」とは、一面の真理です。


  今夜、会議があったので新宿区役所(議員待遇者室)に行きました。久しぶりです。6階の部
 屋に向かう途中で、仕事を終えて帰る何人かの顔見知りの職員に会いました。
   夜9時過ぎまで、10人くらいで区政関連のことについて意見交換をした後、引き続き皆さん
 と区役所近くの居酒屋で懇談しました。


 ● 11月17日(日曜日)●

   「秘密保護法反対大集会」開催、ご参加を!
     21日(木)午後6時半、日比谷野外音楽堂。

  いま、国会で「秘密保護法案」が審議されています。聞きなれない法案ですが、大変問題があ
 ります。「なにが秘密か、それは秘密」、これがこの法律の特徴であり、本性です。
   防衛、外交、スパイ活動防止、テロ活動防止の4分野に関する情報を「特定秘密」と指定し、
 「国民の知る権利」を奪うということまで踏み込んでいます。

  こうした政府の策動に対して特定秘密保護法案に反対する大衆行動が始まっています。法案の
 閣議決定を受けて、「平和フォーラム」は10月29日、東京都内で2800人が参加して集会
 を開きました。また、新社会党は国会審議の山場の11月18~22日までの5日間、独自に国
 会前の座込み行動に取り組むことにしています。

  11月21日(木)午後6時半からは、日比谷野外音楽堂で「秘密保護法反対大集会」が開か
 れます。この集会の共催者の団体である平和フォーラムの福山真劫共同代表は、「憲法が最大の
 危機を迎えている。米軍の戦争の共犯者として日本版NSC (国家安全保障会議)設置と特定秘
 密保護法案、防衛大綱の見直し、武器輸出3原則の見直し、集団的自衛権行使の合法化、国家安
 全基本法の制定から憲法改定へと続く流れを許してはならない。今臨時国会最大の焦点は特定秘
 密保護法案だ。反対の声を挙げていこう」と呼びかけています。

  また、「秘密保護法案反対ネットワーク」の海渡雄一弁護士(東京共同法律事務所)は、法案
 の特徴として、①原発も秘密にされる、②厳罰化、③戦争準備の軍事立法だと指摘。さらに米国
 と情報を共有化し、集団的自衛権を行使して米軍と共に戦うための法律だと批判し、その上で、
 「廃案に追い込むには世論を盛り上げるしかない。共同通信の世論調査では83%が慎重審議を
 求めている。11月21日の集会では日比谷野外音楽堂を立錐の余地なく埋めつくして国会へ行
 こう」と訴えています。

  安倍内閣が誕生してほぼ一年経ちますが、経済が好転しているなどという空宣伝の下で、だん
 だんとおかしな政治状況・社会状況になっています。しかし、多くの国民は、お人よしにも、こ
 の極めて好戦的であり、憲法改正を進めて武力行使も辞さない考えの内閣を結構強く支持してい
 るのです。不思議です。

  いま問われているのは、私たち国民一人ひとりの「民度」そのものです。


  今改築中の私たちのマンションは、来年2月末に完成する予定です。10階建ての躯体もほぼ
 立ち上がり、いよいよ内装作業に入っているようです。大体200戸の規模のマンションなので、
 外苑西通りではとりわけ、大きな建物になります。
  一方では入居に向けていろいろな準備が進められています。今日は部屋の内装の件で打ち合わ
 せがあったので、連れ合いと一緒に新宿駅西口にある業者のショールームまで行って、話し合い
 をしてきました。こうした検討は、大体、終盤に入っている状態ですが、もう暫くは細部の詰め
 がありそうです。


 ● 11月13日(水曜日)●

     小泉元首相、日本記者クラブで「脱原発発言」。

  最近、小泉純一郎元首相は「脱原発」の発言続けています。自分の過去の考えを反省し、やっ
 ぱり原発のない社会にしなければと思ったようです。
  昨日も日本記者クラブで会見し、「原発ゼロは首相が決断すればできる」と述べ、安倍晋三首
 相に即時原発ゼロの方針を打ち出すよう求めています。実現する時期については、電力各社がめ
 ざす既存原発の再稼働も認めない立場から「即ゼロの方がいい。企業も国民も準備ができる」と
 語ったそうです。。
  「核のごみ」と呼ばれる高レベル放射性廃棄物の最終処分場については「これから日本でメド
 をつけられるというのは楽観的で無責任だ」とし、「原発ゼロの方針を政治が出せば、知恵のあ
 る人がいい案を出してくれるというのが私の考えだ」と訴え、原発の再稼働についても「再稼働
 すればまた核のごみが増える。最終処分場は見つからない。すぐにゼロにした方がいい」とし、
 原発ゼロの方針を打ち出せば、代替エネルギーの研究・開発が加速的に進むという考えを強調し
 ています。
  今の政治情勢についても言及し、「野党は全部原発ゼロに賛成。反対は自民党だけだ」とし、
 首相在任中に郵政民営化法案に反対された当時よりも「はるかに環境がいい」と述べたと言われ
 ています。誠に正当な認識であり、的確な指摘です。


 ● 11月12日(火曜日)●

   「ただいま宮城御前を通過でございます」で起立・敬礼。

  私が参加しているある会議の前段で、毎回、自民党が発表した憲法改正草案の勉強会を行って
 います。ここ半年ばかり続けています。今日は「元首」の項の読み合わせをし、意見交換を行い
 ました。

  現在の天皇の憲法上の位置付けは「象徴」として、「内閣の助言と承認」に基づいて国事行為
 を行うとされています。時代と共に、いわゆる国事行為とは見られないことで天皇が出席するケ
 ースが増えている傾向にあり、これ自体、問題だと思いますが、それでも現在は「象徴天皇」と
 して「国事行為」のみを行い、「政治的な言動」はしないことが相当程度定着しています。

  しかし、自民党の改正案は、天皇を「元首」と位置づけることを明白にした上で、運用次第で
 は政治的な場面に上手に利用されかねないような問題点を沢山含む内容になっています。

  今日、一緒に勉強していた方が、昔の朝日新聞の投書欄のコピーを見せてくれました。それに
 よると、戦前は都電に乗っていても、皇居や明治神宮に近づくと、車掌が脱帽しながら乗客に向
 かって仰々しく「ただいま宮城(きゅうじょう)御前を通過でございます」とか「ただいま神宮
 御前を通過でございます」と通告し、乗客は起立してそちらに向かって最敬礼をしていたという
 ことを紹介し、そうしなければ「非国民」「危険人物」とみなされたという内容です。電車の車
 掌は、うっかり乗客に告げることを忘れたりすると、愛国的な乗客から糾弾され、上司から責任
 を問われたのではないか思います。
  こうした世の中にしてはならないというのが投書した老婦人の意見です。

  恐らく、婦人が心配するような状況には、一挙に逆戻りするとはとても思われませんが、憲法
 でも法律でも、一旦変えられてしまうと時の経過と共に権力者によって上手い具合に恣意的に運
 用され、悪用されことになります。幾つもの過去の歴史が私たちに教える真理です。例えば「国
 旗・国家法」制定の時に、国会答弁で政府は「強制はしない」ことを繰り返し約束しました。
  しかし、その後の実態は「強制」そのものです。東京都教育委員会は、その先鞭を果たしてい
 ます。上手い具合に言い含めて実際はそれと異なることをする、これが擬似民主主義国家のスガ
 タです。従って、悪用されかねない憲法や法律は絶対に作らせてはなりません。

  自民党の憲法改正草案は、最初から最後まで問題だらけですから、間違ってもこんなものを作
 らせてはなりません。それともうひとつ。いま国会で審議中の「秘密保護法」も極めて問題のあ
 る法律です。こんな時代錯誤もはなはだしい法律は、皆んな力を合わせて廃案にしなければなり
 ません。


 ● 11月10日(日曜日)●

     友人だち15人が啓史の墓参をしてくれました。
 
  午後、啓史の友人が二人訪ねてきてくれました。社会的に重要な分野で仕事をしている人たち
 です。これまでも何度か会っていますが、いつ会って話しても好感の持てる方々です。女性は、
 以前にケンブリッジに留学していたことがあり、今回、潤子が語学留学をする前に何度会ってい
 ろいろとアドバイスをいただき、不安を解消したようです。

  今日は午後4時半頃、かつてのNPOの仲間が15人ほど、啓史の菩提寺(東長寺)に集まっ
 て墓参した後、新宿三丁目の居酒屋で啓史を偲び、交流するのだそうです。
  「啓史の一周忌」ということで、このような機会を持ったようです。皆さんが啓史のことを忘
 れずに心にかけてくれていることは、私たち両親にとっては何よりも嬉しいことです。

  私の風邪は依然として中途半端な状態が続いていて、すっきりしません。年齢を重ねるに従っ
 て風邪と付き合う期間も若い頃よりは随分長くなったような感じがしています。


 ● 11月9日(土曜日)●

    依然として微熱下がらず、病院で薬を貰ってきました。

  四、五日前から風邪気味で咳が出たり微熱もずっと続いていますが、良くなる気配はなく、ま
 すます悪化していくような状態なので、今朝、新社会党の機関紙を配りながら病院に行って薬を
 貰ってきました。

  病院で診察を待っている間に、岩波書店の『図書』(11月号)に掲載されている佐々木幹郎
 さん(詩人)の「津軽三味線の彼方へ」という一文を読みました。
  津軽三味線の天才的な奏者と言われる初代の高橋竹山について書いたものです。全くマイナー
 の音楽楽器だった津軽三味線に対して、世間の人々が関心を持つ動機を作った最大の功労者です。

  戦前から戦後にかけてた、津軽三味線を弾く人たちの中には、目に障害を持つ人が多く、「ボ
 サマ」などと言われいました。ボサマたちは、辺鄙な東北北部から北海道にかけての村々を回り、
 米や食べ物を貰い歩いていました。当時、玄関前で津軽三味線を弾き、物品を貰うことは「門付
 け芸」と呼ばれたようです。私は津軽に生まれたので、子どもの頃、村の中を津軽三味線を弾い
 て歩いていた人がいたことを知っています。貧乏な生活を送っていた私たちから見ても、「ボサ
 マ」は侘しい雰囲気の漂うような感じの人たちでした。
  その「門付き芸」に使われていた津軽三味線を音楽界のひとつのジャンルとして確立したのが
 初代・高橋竹山です。

  佐々木さんは「食べるものを乞い、寝る場所を確保するために、三味線など聴きたくもないと
 思っているを人の前で、門付き芸をする世界から、三味線音楽を聴きたいという人々の前で演奏
 する」までにしたのは、竹山だと書いています。

  子どもの頃、津軽民謡の成田雲竹と津軽三味線の高橋竹山の名前は、ラジオでも何度も聞いた
 ことがあります。当時は上手いのか下手かさっぱり分かりませんが、ラジオから流れる二人の歌
 声や荒々しいバチサバキをよく耳にしたことによって、雲竹と竹山は津軽民謡と津軽三味線の代
 名詞そのものになっていました。今でも二人の名前は強く脳裏に刻まれています。

  竹山は、1910年(明治43年)青森県東津軽郡小湊で生まれました。陸奥湾にちょっとだ
 け突き出た夏泊半島の付け根の町で、冬になると白鳥の飛来してくるところです。波乱の人生を
 送った竹山は、1998年、生まれ育ったふるさとの小湊の地で亡くなりました。享年87歳で
 した。

  佐々木さんは、陸奥湾を夕日が落ち込む場所、津軽三味線の音色が落ち込む場所、と記してい
 ます。竹山の、幾多の困難に打ち勝ち、生き続けなければならないという強靭な精神を形づくり、
 それを生涯支え続けたのは、たたきつけられるように奏でられる津軽三味線の音色が落ち込む生
 まれ故郷の陸奥湾の寂寞とした情景だったのではないかと思いました。


 ● 11月5日(火曜日)●

     月日の流れは人の心を癒す、と言いますが~。
 
  今日11月5日は長男・啓史の命日です。一年前のこの日の朝に起こったあの出来事は、私た
 ち両親や彼の弟・妹にとっては、決して忘れることの出来ない天を突き破るような悪夢でした。

  三、四日前から、心に留めていただいている沢山の方々より、生花やその他のさまざまなお供
 え、手紙・メール・FAXなどをいただいています。わざわざ家までお出でいただいた方もおり
 ますし、菩提寺の東長寺に参拝してくれた方もおります。有り難い気持ちでいっぱいです。

  この一年、私たち両親は、何かにつけて啓史のことを思い出し、痛切な気持ちを日々新たにし
 ながら過ごしてきました。いつも強がりを言っている弟の耕史(結婚して東大和市に住んでいま
 す)も、私たちのいないところでは、兄貴を思い出して、よく涙を流しているようです。彼は、
 今朝早く、勤め先に向かう途中で菩提寺に寄り、子どもの時に写した三人(啓史・耕史・潤子)
 の写真数枚をコピーし、簡単なメッセージを書いて位牌のある場所に飾っていたということで、
 私たちよりも早く寺に参拝してくれた人から、そのことを知らせるメールがありました。耕史ら
 しい気持ちの表し方だと思いました。
  妹の潤子(ロンドン郊外のオックスフォードに語学留学中です)からは、命日だからというこ
 とで今朝の9時前に電話がありました。向こうはちょうど夜の12時頃(5日になったばかり)
 だったようです。日本が朝になるのを寝ないで待っていたそうです。


  よく、月日の流れは人の悲しみを癒し、苦しみを和らげる~、と言います。そうかもしれませ
 んが、私たちはこの一年間、絶えず啓史のことを思い浮かべ、残念な気持ちや悲しみを新たにし
 ました。

  亡くなってしまった彼に、私たち両親が今後、生きている間にやってやれることはほとんど何
 もありません。ただひとつ出来ることと言ったら、常に啓史のことを思い浮かべ、いつまでも私
 たちの記憶に留めることだけです。残念ながらそれしかないのです。
  そんなことを思うならば、月日の流れに対して、私たちは傷心の気持ちを癒したり、和らげた
 りしたりすることは望まない、という心境にもなっています。


 ● 11月2日(土曜日)●

    啓史が亡くなってもうすぐ一年。一周忌の集いを開催。


  啓史が亡くなったのは昨年の11月5日です。もうすぐ一年になります。早いようなそうでも
 ないような何とも言い難い日々でした。この間、多くの方々にお悔やみを頂き、激励を受けまし
 たが、辛く寂しい気持ちばかりが次々と沸きあがってくる一年でした。

  今日11時半から啓史の親しい友人たちやごく限られた親族など15人だけで「一周忌のつど
 い」を開きました。実は、昨日の午後2時から夜にかけて菩提寺の東長寺では、毎年11月に亡
 くなった方々を対象にした「合同慰霊祭」が盛大に行われ、10人くらいの僧侶による一連の祭
 事が挙行されました。東長寺の恒例の催しだということですが、私たち両親も初めて出席しまし
 た。約100人くらいの方々が出席していました。

  今日、「一周忌のつどい」に参加してくれた方々には、啓史が納骨されている東長寺の「千手
 堂」で献花し、位牌に向かってみんなで焼香するだけの簡素なセレモニーで終了し、その後は予
 約してある新宿駅近くの別の会場に移り、みんなで三時間程会食しながら懇談しました。参加し
 て貰った人たちにそれぞれ近況や思い出話を語って貰いましたが、私たち両親にとっては、とて
 も貴重な、温かい感じがする時間でした。

  これで、大きな区切りの「一周忌のつどい」が終わりました。何となくホッしましたが、一方
 では、ひとつの行事が終わるたびに、啓史がだんだんと遠くに離れていって、大事な記憶が次第
 に薄れていくような気分に陥り、家に帰ってからはずっと寂寥感に襲われました。ぞくぞくと寒
 気がして、涙がとめどもなく出てきました。


   昨日、お寺の「合同慰霊祭」の際に、私たちのすぐ近くに住んでいて、数年前に若くして連れ
 合いを亡くした若い女性とその妹、姉妹の友人が三人が、啓史の一周忌ということで、わざわざ
 寺の祭事に来てくれました。妹と友人は啓史の小中学校の同級生です。姉の亡くなった伴侶もこ
 の寺に葬むられていますが、彼女は未だに辛くて伴侶を弔うための寺の祭事には参加出来ないそ
 うです。
  そうした心境にもかかわらず、昨日は啓史のために来てくれたので、私たちも感激しました。
  娘さんたち三人の家族とは、彼女たちが生まれる以前からお付き合いをいただいていますが、
 姉の伴侶は啓史と同じように30代半ばで、しかも突然病で亡くなっています。愛する連れ合い
 を亡くした悲しみは、私たちが息子を亡くしたのと同様に、想像を絶する悲しみであったと思っ
 ています。


 ● 10月31日(木曜日)●

    山本議員が、天皇を政治的に利用しようとする行為。
 
  今日、元赤坂の赤坂御苑で開かれた秋の園遊会で、出席していた山本太郎参院議員が天皇陛下
 に直接、手紙を渡したと報じられています。驚きました。何を考えているのか。常軌を逸してい
 ます。

  この件について、山本議員は園遊会後、国会内で取材に応じ、手紙には東京電力福島原発事故
 をめぐる被害、特に子どもたちの未来を案じ、健康被害について書いたとして、「政治利用には
 つながらない」との認識を示しています。

  しかし、動機や手紙の内容はどうあれ、こうした行為は明らかに天皇を政治的に利用する意図
 の表れです。天皇の立場を自らの主張を貫くひとつの有力な手段としてに利用しようとするもで
 あり、現憲法の理念や過去の日本の天皇に関連する歴史に少しでも理解のある人間ならば、決し
 てとるべき行為ではありません。こんな短脈的な理由で行動したのならば、この男は、そもそも
 国会議員としてのは資質があるようには思われません。

  現憲法の下でも、何かにつけ天皇の立場を利用しようという動きは、これまでも何回もありま
 した。右翼団体などは今でも天皇主権の主張や行動を繰り返していますが、天皇の政治的利用は
 どちらかというと右翼的な思想の持ち主が主流でした。それだけに、山本議員の今日の行動には
 驚かされましたが、それにしても理解しがたい行動です。
  足尾銅山事件の田中正造の天皇直訴を思い浮かべますが、時代背景が全然違います。社会状況
 を度外視した行動は、喜劇に等しいものです。

  私たちとは全く立場は違いますが、高崎経済大の八木秀次教授(憲法学)は「今回の行動は、
 明らかな政治利用だ。天皇陛下の政治的中立ということをまったく理解していない。国会議員と
 しての資質が問われる」と指摘しています。ごくごく常識的な指摘だと思います。



  新宿の「和真メガネ店」に依頼していた新しいメガネが出来上がりました。眼科医で処方箋を
 書いて貰い、それに基づいて作ってもらいましたが、これまでのメガネよりも三段階くらい弱い
 度数になっているようです。恐らく視力は大分後退しているはずなのに度数を弱くするという処
 方は理解できませんが、そうした素人の疑問はとにかくとして、出来上がったメガネは、新聞や
 テレビなど、近くの視野が随分楽に見えるようになりました。


 ● 10月30日(水曜日)●

      脱原発の新宿行動に参加し、新宿駅周辺をデモ行進。

  全国各地で脱原発の運動をしている個人や団体は沢山ありますが、その中の一つに新宿地区労
 センターの活動があります。福島原発事故以来、集まった人数に関係なく、ずっと続けられてい
 ます。毎月一回、新宿駅西口近くの公園(柏木公園)に集まり、簡単な集会を開いた後、いつも
 人でごった返している新宿駅西口周辺をパレードして、脱原発の訴えをする行動です。
  集会を始まってからパレードが終了するまで大体一時間、実に淡白な行動です。

  今夜、その行動があったので前回に引き続き参加しました。今回は、いつもの柏木公園が改修
 中のために、場所を移して、新宿駅からずっと東に寄った新宿一丁目の花園西公園が出発地点で
 す。私の家の近くです。デモは、靖国通りを通り、よくテレビなどで取り上げられる新宿二丁目
 から歌舞伎町入口を通り、更に新宿駅東口付近から西口に出て、いつものコースをぐるっと回っ
 て、最後は柏木公園の入口で解散になりました。一時間ちょっとかかりました。

  いつもの警備は新宿警察署が担当していましたが、今回は出発地を管轄する四谷警察署がその
 任に当たりました。デモの参加者よりも多いくらいの警察官に警備されながら、予定通りに今回
 も無事に終了しました。

  原発は人類と共存できる代物ではありません。絶対に根絶しなければなりません。大局的な見
 地に立ち得ない政府の下で、原発の再稼動は機会を見て頭をもたげようとしていますが、日常的、
 継続的な反対運動は我々の最大の武器として大変に大事なことだと思っています。


 ● 10月29日(火曜日)●

    被災者の福島帰還は無理。一方では原発の売り込み。

  政府・自民党は今日、福島原発事故で年間積算放射線量が50ミリシーベルト超の「帰還困難
 区域」について、帰還まで長期の時間がかかることを明確にした上で、移住先で住宅を確保でき
 るよう賠償金を手厚くするなどの方針を明らかにしました。
  これは政府が事実上、「帰還できない」との見通しを示し、移住による生活再建を促すという
 ことです。
  これまで政府は、避難した被災者の「全員帰還」を原則としていた方針を、根本から大きく転
 換させるものです。

  原発は、一旦あのような大事故が起こると、取り返しがつかない事態になります。だからこそ、
 原発再稼動は断念すべきなのです。

  一方、トルコを訪問中の安倍首相は、原発を輸出するためのセールスマンのような役割をを演
 じています。深刻な原発事故の実態に目をつむり、大企業の儲けのために外国へ「悪魔の手段」
 を、総理大臣が先頭に立って売り込みに狂奔するというのですから、信じがたいがい行為です。
 よほど精神的におかしくないとこんな馬鹿げたことは出来ません。「偉大な政治家」です。


 ● 10月26日(土曜日)●

       台風による悪天候の影響は最小限でした。

  京都・奈良に行ってきました。台風27号による強風・大雨を覚悟していましたが、南の海上
 で停滞状態が続いていたので、天候への影響は最小限で済みました。
  本来の目的だった妻の親族への見舞いも初日に無事に済ませることができました。

  啓史が好きだった京都の広隆寺、奈良の中宮寺では、それぞれの「半跏思惟像」の前で啓史の
 遺影を持って写真を撮る予定でしたが、(よく考えてみたら)撮影は禁止です。例外はないかと
 思っていましたが、ありませんでした。やむなく、それぞれの仏像の堂屋の前での撮影になりま
 したが、以前から一緒の写真を撮りたいと思っていたので、何となくホッとしました。

  今回は、天候の関係もあったので、移動を最小限にとどめ、ゆったりとした寺社見学になりま
 した。足を運んだところは広隆寺・法隆寺・中宮寺・法輪寺・法起寺・興隆寺・東大寺の7寺で
 した。東大寺では、完成したばかりの「東大寺ミュージアム」に初めて入館しました。これまで
 法華堂(三月堂)に鎮座していた「日光菩薩」と「月光菩薩」がここに移されていました。この
 著名な両像は、法華堂では狭いスペースの中で巨大な諸像にはさまれ、随分堅苦しい感じがして
 いましたが、移転先のミュージアムは、ゆったりとした清潔な空間の中で、耳に染み込むような
 静寂さを保ち、一段と美しさを放っていました。東大寺では、雨の中を他に法華堂・二月堂・四
 月堂・戒壇院・大仏殿を見て回りまし。

  法隆寺・興福寺・東大寺など教科書に出ている寺では、全国各地からの修学旅行の子どもたち
 の大群と一緒になりました。今はその時期です。折角の機会なのに生憎の悪天候なので、可愛そ
 うな気がしましたが、子どもたちは結構楽しそうに時間を送っていました。


 ● 10月22日(火曜日)●

    明日から知人の病気見舞で京都へ。
   それを兼ねて広隆寺と中宮寺の弥勒菩薩を背景に
        啓史と三人で写真を撮って来る予定です。


  二つの強烈な台風が日本列島を襲来する状況です。こうした悪天候の予報の中ですが、明日か
 ら25日まで二泊三日の予定で京都と奈良に行ってきます。京都に住んでいる妻の親族が入院中
 なのでその見舞いが主な目的ですが、もうひとつは広隆寺と中宮寺を訪れるためです。

  元々は、今月の9日から11日の予定でした。しかし、ちょうど台風が来そうだったので、二
 週間延ばして明日からにしましたが、まったく同じようにまた台風です。
  しかし、何度も延ばすことはできませんし、23日と24日は雨の中でも動けそうなので、今
 回は「決行」することにしました。

   京都の広隆寺と奈良の中宮寺には、啓史が入院中に、回復したら一緒に行こうと話し合ってい
 ました。彼は以前、これらの寺を訪問した時、何種類かの絵葉書や精巧な弥勒菩薩のミニチュを
 買ってきて大切にしていました。随分、気に入っていたようです。今、それらは彼の写真の前に
 ずっと飾ってあります。啓史は京都・奈良には別の人と行くつもりだったようで、一緒に行こう
 という病室での私たちの提案にはマジメに対応しなかったような感じでした。ただ、亡くなって
 しまったからには、私たちが彼を連れて行って、病室での約束を果たすしかありません。

  私たち夫婦とも、両寺の署名な弥勒菩薩は大変好きな仏像のひとつです。連れ合いは京都に住
 んでいたのでしょっちゅう見に行っていたようですし、私も若い時からこれまで何度も行って見
 ています。言うなら、なじみの仏像です。ただ、今回はいつもの違って、啓史の遺影を持参し、
 三人で写真を撮ってくるつもりです。


 ● 10月19日(土曜日)●

     「視界不良」のために、メガネを購入しました。

  最近、新聞やテレビを見ていても目がチラチラし、大変見にくくなってきました。白内障かと
 思って先日、眼科医で診察して貰いましたが、ほとんど進行していない状態でした。いろいろと
 検査して貰った結果、主な原因はメガネが合わなくなっているためだということが分かりました。
 それも、メガネの度数が強すぎる状態になっているのだそうです。現在使用してるものよりも3
 ランクくらい弱くしなさいと診断され、メガネを買う時に使用する処方箋を書いてくれました。

  今日、それを持って、これまでメガネを購入していた「和眞・新宿店」に行きました。丁度気
 に入ったフレームがあったので一緒に購入しました。一週間後に出来上がります。遠くも近くも
 何となく焦点が合わなかった状態がどうなるか。「視界」がどうに変化するか、楽しみです。


     ふるさとから合併前の最後の村長が上京しました。

  この下に記載してある16日の出来事の続きのような感じになりますが、今日、私のふるさと
 の旧市浦村(青森県北津軽郡)から、合併前に最後の村長を務めた高松隆三さん上京したので、
 みんなで歓迎会を開催しました。場所は市ヶ谷の「グランドヒル市ヶ谷」です。

  最初に一時間ほど高松村長から私たちの故郷の十三湊の歴史について語って貰い、その後、ア
 ベノミクスについて村長の見解を述べて貰いました。

  鎌倉時代、日本海交易の中心都市だった十三湊の隆盛と衰亡の歴史は、いつ聞いてもワクワク
 します。南の博多と並び称された十三湊は、ある時、大津波に見舞われ、これによって栄華を誇
 った最北の史都は、一夜にして壊滅したといわれています。謎めいた伝説に彩られている十三湊
 は、多くの史家によって何年も前から今も、発掘が続けられ、その発掘品の数々は、専門家から
 注目され、当時の歴史に新たな一ページを画すものとさえ言われています。

  カムチャッカから南に下って、北海道、本州、九州、沖縄列島までの弓状の島々の配置を大陸
 側から見てみると、十三湊はその中心的な位置に当たります。当時の十三湊は、発掘品で分かる
 ように、国内はもとより中国・朝鮮などとの交易が盛んでしたが、地理的に見てもよく理解でき
 る話です。

  また村長は、アベノミクスや消費税増税については大変批判的でした。私も全く同感です。結
 構、溜飲を下げる思いがしました。

  高松さんは、四期務めた村長時代、大変先進的・革新的なところがあり、自治体運営について
 確固とした「信念」「方針」「一家言」を持っている人でした。高松さんの市浦村政は、日本の
 小規模な自治体の中では卓越したものがありました。本州の北のはずれの小さな村のさまざまな
 実験でしたが、自治体問題の専門家からは大変に注目されていて、私たちの自慢の種のようなも
 のでした。

  当時、私は高松さんには市浦村長から、いずれ青森県知事になって欲しいと思っていました。
 しかし、残念ながらそうはなりませんでした。こうした有能な人が、くだらない政治的な駆け引
 きの中で、優れた能力を発揮する最適な活躍の場所を得ることが出来なかったというのは、何と
 ももったいないことでした。

  今日は、懇談の時間で高松さんと久しぶりに充分に語り合う機会が持つことが出来ました。ふ
 るさとのことをいろいろと思い浮かべながら、いい時間を過ごすことができました。


 ● 10月16日(水曜日)●

      ずっと昔の事を思い出した二つの出来事。

  私が生まれた青森県の十三湖は、やまと蜆(しじみ)が取れることで有名ですが、今日、ここ
 に住む友人からその蜆が一杯送られてきました。
  私たちは、子どもの頃、クラスで一緒にこの蜆を取って地域の人たちに売りに歩き、修学旅行
 の費用に当てたものでした。当時、みんな貧しかった私たちの村では、修学旅行で青森や浅虫温
 泉(今はすぐにいける場所になりました)に行くのも大変なことでした。みんなで揃って修学旅
 行に行きたいという思いから、私たちはいろいろな「仕事」をして資金稼ぎをしました。蜆売り
 は、そのひとつでした。60年近くも前のことになります。今では懐かしい思い出です。

  今日、懐かしいことがもうひとつ。
  ほぼ40年ぶりにある方からメールを頂きました。私が区議会議員に初めて立候補した時にい
 ろいろとお世話になった方の息子さんです。私は30歳直前、彼は20歳を過ぎたばかりだった
 と思います。なかなかの好漢で論理的な青年でした。何かとご支援を頂いた両親も私の好きなタ
 イプでしたが、息子も私たち若い者同志で議論を交わしたり、たまにはみんなで旅行などにも行
 きました。そのうちにご家族も他所に移り、彼とは離れ離れになっていまいました。
  先日、来年2月に新しいマンションに転居する予定のために雑物を整理していたら、当時の写
 真が出てきたので、彼のことを思い浮かべ、懐かしく見入ったばかりでした。
 その彼からのメールです。ビックリしました。私のホームページを時々見ているということで、
 啓史が亡くなったことも知っていました。私はすぐに返事を送付しましたが、何とも懐かしいこ
 とでした。


 ● 10月14日(月曜日)●

     社民党の新党首に吉田忠智さんという人が当選。

  今日、10月12日、13日に実施された社民党党首選挙が開票されました。新しい党首には
 9986票を確保した吉田忠智さんという参議院議員が選出され、次点の石川大我豊島区議は2
 239票でした。
  社民党は、かつての社会党と違って委員長のことを「党首」などという封建時代の家制度の名
 残りのような呼び方をしていて、このことだけでもイヤな感じですが、新党首の吉田さんは、2
 6日の党全国代表者会議で承認され、正式に就任する予定だということです。よく分からない手
 順ですが、まずはおめでとうございました。

  社民党が今後、どのような政党に生まれ変わるのかはよく分りません。そもそも、この党に何
 かを期待できるかのかどうかも怪しいものです。しかし、政治情勢が極度に反動化する状況です
 から社民党にはもう少しはピリッとした元気のいい政党になって欲しいものだとは思っています。

  ただ、それにしても落ちぶれたものです。私が社会党に入党したのは1967年、早稲田大学
 の学生の時でした。当時の委員長は佐々木更三さんでした。その以前の歴代の委員長は、片山哲
 ・鈴木茂三郎、河上丈太郎、浅沼稲次郎でした。日本の政界の第一線で影響を与え、活躍した人
 材です。周辺にも綺羅星のような人たちが一杯おり、政治の方向をリードしていました。そうそ
 うたる面々でした。
  初めて新宿区議に当選したのは1971年ですが、この時の委員長は成田知己さんです。佐々
 木更三、勝間田清一の後を継いで委員長になった学者タイプの政治家です。成田委員長には、四
 谷にあった私の小さな事務所にも来てもらったものでした。

  その後、横浜市長を務めていた飛鳥田一雄、国会随一の論客といわれた石橋政嗣が順次、委員
 長を務め、次いで土井たか子が日本の政界で初めて女性として政党の責任者に就任し、一時大躍
 進しました。しかし、この頃から党の路線がおかしくなりました。そして田邉誠、山花貞夫とい
 う右派の国会議員が委員長についてからは急速に変質を重ね、更に村山富市が委員長になり、体
 よく首相に祭り上げられるにいたった前後から、党は「基本政策」を放棄してしまい、かつての
 輝かしい日本社会党は名実共に消滅してしまいました。

  私たちが日本社会党の基本路線を引き継ぐ「新社会党」を結成したのは、社会党が決定的に変
 質したこの時期(1996年3月)です。

  村山さんや土井さんたちが社会党の基本政策を変え、名前も社民党と変えてからは、まさに崖
 っぷちを転げ落ちるような状態でした。
  その村山さんは、最近頻繁にマスコミに登場しています。そして、発言することと言ったら、
 自分の誤った路線採用によって党の衰退を招いた責任などはどこかに忘れ去り、社会党(今の社
 民党)は無くなってもいいなどということを繰り返しているのですから、何とも無責任で暢気な
 ものです。

  しかし、そうは言っても輝かしい実績のある政党です。その歴史を引き継ぐ党の最高責任者を
 選出する選挙ですから非常に重みがある筈ですが、寡聞にして私は選挙を争った吉田さんも石川
 さんも知りません。私の周りの人たちも同じ印象を持っています。二人の政治的な実績が何かも
 知りませんし、そもそも語るべき実績があるようにも思われません。
  こうした「無名で実績のない人たち」が、あの社会党の流れを継承すると称している政党の党
 首を争うというのですから、今は他党の事ですが、情けなくなりますし、それより何より、実に
 奇異な感じになります。

  新党首の下で社民党がこれからどうなるのか分りませんが、「自衛隊は合憲だ」などという妄
 想から醒め、かつての日本社会党の路線に立ち返ることを大前提にするならば、大いに頑張って
 かつての勢いを取り戻して欲しいとは思っています。


 ● 10月13日(日曜日)●

     恒例の「いもほりとバーベキューのつどい」に参加。    

  三連休の中日です。今日は、恒例になっている平和憲法を生かす新宿の会主催の「いもほりと
 バーベキューのつどい」が開かれたので参加しました。私はこの会の共同代表の一人になってい
 ますので、主催者の一員にもなります。今回で15回目になります。西武新宿線の南大塚駅で下
 車し、そこから程近い「荒幡農園」が会場です。
  今日は子どもたちを含めると25人ほどが参加しました。はじめて参加した人、何年かぶりに
 久しぶりに参加した人、去年に比べて随分とても大きくなった子どもなどなど、それぞれ童心に
 返って中秋のひと時を楽しみました。
  晴れ上がった秋空の下で皆でわいわい談笑しながら食べる豚汁や焼肉、野菜炒め、ニシンなど
 は何であんなに美味しいのか~。


 ● 10月8日(火曜日)●

   「ヘイトスピーチ」で有罪判決。当然とは思う、が ~。

  京都の朝鮮学校周辺で「ヘイトスピーチ」と呼ばれる差別的な発言が繰り返されたために、教
 育を妨害されたとして、街宣活動を行った団体などに賠償などを求めた裁判で、京都地方裁判所
 は「違法な人種差別だ」と指摘し、1200万円余りの賠償と学校周辺での街宣活動の禁止など
 を命じました。新宿区内でも、韓国関係の店舗などが集中する新大久保や大久保周辺で繰り返さ
 れ、社会問題になっている「現象」です。

  昨日の判決で橋詰均裁判長は「街宣活動と映像の公開で、子どもたちや教職員は恐怖を感じ平
 穏な授業を妨害されたほか、名誉を毀損された」「街頭宣伝を行っていた団体側は、正当な意見
 の表明というが、著しく侮蔑的で差別的な発言を伴うもので、人種差別撤廃条約で禁止された人
 種差別にあたり違法だ」と指摘し、団体などに1200万円余りの賠償と学校から半径200メ
 ートル以内での街宣活動の禁止などを命じました。当然のないようだと思います。
  いわゆる「ヘイトスピーチ」を巡って、賠償や街宣活動の禁止を命じる判決が出たのは全国で
 初めてです。

  これに対して、団体側の徳永信一弁護士は「民族差別を理由に、表現の自由や言論の自由が封
 じられてしまうのは本末転倒だ」と述べています。被告を擁護する弁護士の立場では当然の発言
 かもしれませんが、本質に目をつむるピンとはずれのコメントです。

  この判決は、当然の内容であり、国際的にも恥ずべき「ヘイトスピーチ行動」の大きな抑制効
 果になるものと思います。表現の自由が最大限尊重されるべきものであることは言うまでもあり
 ませんが、ヘイトスピーチのような相手の人権を完全に否定するような極めて差別的な言動は、
 本来の表現の自由とは、似て非なるものです。

  ただ、こうした差別的な発言であっても、法律で規制することについては、勿論、慎重でなけ
 ればなりません。なぜなら、時の権力者によって、便宜的に運用、悪用される危険性が大変強い
 からです。


 ● 10月7日(月曜日)●

     啓史の友人のお母さんが訪ねて来てくれました。

  夜、啓史の中学校時代の同級生のお母さん(Yさん)が、北海道産の立派なサケや日高昆布な
 どの海産物を持ってきてくれました。
  Yさんの息子と啓史とは大の仲良しで、子どもの頃、私たちの家にもしょっちゅう遊びに来て
 いました。なかなかの感じのいい子どもでした。ところが今から9年前に交通事故で突然亡くな
 ってしまいました。その数年前には彼の父親も交通事故で亡くなっています。想像を絶する残念
 な不幸が続き、私たちも慰めの言葉もなく、ただ呆然とするばかりでした。

  啓史は、生前、彼(Yさんの息子)の命日には横浜にある墓に花束を抱え、いつも一人で墓参
 していたようです。私たちもそのことを何気なく聞いていました。啓史にとってはいつまでも惜
 別の思い止むがたいものがあったみたいです。

  啓史が病気で亡くなってからは、Yさんや二人の娘さん、お孫さんたちが何度か弔問に来てく
 れました。「今ごろ、二人はあちらの世界で仲良く語り合っているだろう~」などと話をするの
 が常でした。今日もYさんと延々とそんなことを語り合いました。

  Yさんの住居は、四ッ谷駅に程近い場所の新宿通りに面した大きなビルの一角(7階)にあり
 ます。その窓には、今でも啓史のポスターが貼られてあり、新宿通りから見上げると見ることが
 出来ます。Yさんは剥がすことが出来ないのだそうです。今でも、機会あるごとに啓史のポスタ
 ーに話しかけているということでした。先日は、ご家族で啓史のお墓にも行っていただいたとい
 うことです。私たちにとってはとても有り難い話です。

  不幸にしてYさんの息子は不慮の事故で若い命を失い、数年後、追うような形で啓史も亡くな
 りましたが、Yさんや私たちにとって、息子たちは一瞬たりとも忘れることが出来ない「無二の
 宝物」なのです。


 ● 10月6日(日曜日)●

     潤子から電話、母はスカイプで30分以上通話。

  30日にイギリス・ロンドン郊外のオックスフォード語学学校の留学に出発した娘から、今日、
 初めてスカイプで連絡がありました。ちょっと風邪を引いたみたいですが、映像で見るととても
 元気そうでした。母は、学校の授業の事、友だち関係の事、寄宿先の家族の事、食事の事、天候
 の事、生活全般の事などを30分以上話していました。スペインとイタリアから同じ学校に留学
 している学生も電話の途中でスカイプの映像に登場して、ニコニコしながら何度か手を振ってい
 ました。
  子どもの頃から、ちょっとお茶をすることが大好きで、学生時代は一時、そんな店でアルバイ
 トをして「紅茶の腕」を磨いていた潤子には、伝統的な紅茶社会であるイギリスの学校生活・日
 常生活は、とても合っているようです。


 ● 10月5日(土曜日)●

     夜、久しぶりに友人宅を訪問、雑談しました。

  夕方、久しぶりに同窓の友人宅にお邪魔をし、あれこれ雑談をしながら遅くまで一杯やりまし
 た。最近は特別に用事あって出かけた後でもない限り、わざわざ飲食のために夜に外出すること
 はとても気が重い感じがしていますが、今夜は特別です。友人の手作りの料理も格別でした。

  長居をしたために友人宅を出たのは夜10時くらいになってしまいましたが、気分が良かった
 ので歩いて夜道を帰ることにし、早稲田大学の大隈講堂の前を通り、漱石生誕の地から喜久井町
 の坂を登り、東京女子医大病院前、曙橋、四谷三丁目を通って自宅へ。普通に歩いて約30分ほ
 どのみちのりでした。


 ● 10月2日(水曜日)●


  私の知り合いで、啓史のことも子どもの頃から知っている方から、ヘンリー・スコット・ホラ
 ンド神父の『さよならのあとで』という本を贈っていただきました。
  一遍の詩の一行を一ページに収録し、随所に挿絵を配置したとても素敵な本です。
  帯封には「いちばん大きなかなしみに」と記されています。


     死はなんでもないものです。
     私はただ、
     となりの部屋にそっと移っただけ。

     私は今でも私のまま
     あなたは今でもあなたのまま。

     私とあなたは
     かつて私たちが
     そうであった関係のままで
     これからもありつづけます。

     ~
     ~

  本には、こうしたフレーズが42行、書かれています。一、二分で読了できますが、心に深く
 染みいる言葉たちが並んでいます。涙が出てきました。啓史の写真の前に飾ってやりました。



     消費税増税決定。朝日新聞社説は「政府を信じる」

  消費税を8パーセントに引き上げることが確定しました。安倍首相は、第三者の意見を聞いた
 ような場面をでっち上げ、客観性を持たせるようなことをいろいろと画策をしましたが、所詮は
 シナリオ通りの「規定路線」です。

  一貫して消費税引き上げの旗振り役を務めてきた朝日新聞は、9月11日の社説では恥ずかし
 げもなく「安倍首相は、ぶれずに(増税を)予定通り実施すべきだ」などとエールを送っていま
 したが、今日の社説でも「税金は安いにこしたことはない。それでも(増税を)納得するのは、
 政府が暮らし必要な政策に取り組むと信じるからだ」と物分りのいい姿勢を表明しています。
  以前は、マアマア、批判精神が強いと評価されてきた朝日新聞が、税制の基本理念に反する逆
 進性の極みである稀代の悪税を導入する政府の考えを「信じる」と公言し、世論形成に奔走する
 なんて、とても「信じがたいこと」です。

  朝日新聞は、歴代の自民党政権が、大企業や資本家のために湯水のように税金を使い、その累
 積借金が1000兆円余にもなったことには実に寛容です。度重なる財政の失敗について、これ
 まで誰一人として責任を取ることがなかった現実があるにもかかわらず、今後は、これまでとは
 がらりと変わって、本当に消費税が「財政再建」のために有効の使われると思っているのでしょ
 うか? これじゃ、政府・権力の「宣伝紙」のようなものです。


 ● 10月1日(火曜日)●

     山崎豊子さんが亡くなりました。筆太の作家でした。

  作家の山崎豊子さんが亡くなりました。独特の視点から社会問題を鋭く抉り出し、問題提起し
 た筆太の作品を幾つも世に送り出した人でした。確か前職は毎日新聞の記者で、井上靖に師事し
 て作家の道を歩みだしたと記憶しています。

  山崎豊子さんについては私にもひとつの思い出があります。
  高校生の頃でしたが、夏休みの宿題の自由研究か何かで、何にしようか迷っていた時に、当時、
 話題になった『暖簾』でデビューしたばかりの山崎豊子さんに本の感想文を出して、それに対す
 る返事を貰い、そのやり取りを学校に提出して宿題をしたことにしようという安易なことを考え
 付きました。
  早速、一気に『暖簾』を読み終わり、山崎さんに拙い感想文を出したところ、数日後に思いが
 けなくも本人から結構長い返事を頂きました。期待はしていましたが、まさかと思っていただけ
 にビックリしました。これで面倒くさかった宿題は終了です。

  休みあけに学校に提出したら、話題になっいた新進の作家の手紙だったので、先生も驚いたよ
 うなそぶりでした。学校内でちょっと話題になり、私も結構いい気分でした。

   その山崎さんからの手紙は、学校に提出した後、何度か返してほしいと先生に言いましたが、
 結局、返して貰うこともなくそれっきりになってしまいました。従って、山崎さんからの手紙が
 私の手元にあったのはほんの数日限りでした。何を書いていたのか、今は全然分りません。
  しかし、山崎さんの作品や言動が話題になるたびにも、私は頂いたこの手紙のことを、よく思
 い出しています。


 ● 9月30日(月曜日)●

     娘は無事にイギリス到着。14時間の長旅でした。

  娘からメールが届きました。オックスフォードに無事到着したという知らせです。
  成田を出発した後、モスクワ経由でロンドンのヒースロー空港に着きましたが、モスクワでの
 2時間の乗り継ぎ時間を入れると何と14時間余りもの長旅だったようです。利用したロシアの
 アエロフロート機は、「今までで(乗った飛行機の中で)一番狭い座席幅だった」ということで
 す。随分窮屈だったようです。
  空港からはお迎えの方の車でロンドン郊外のオックスフォードのホストファミリーの家庭へ。
  寄宿先は私たちと同年輩の夫婦の家庭です。ご夫婦には子どもが4人いますが、それぞれ独立
 しているので、今は二人だけで生活しているようです。ご主人の方は、ゴルバチョフに似ている
 と書いてありました。
  明日から学校が始まりますが、とにかく無事に到着したので私たちは一安心です。


  午後、啓史の親しい友人が二人訪ねて来てくれました。夕方までたわいのない話をしましたが、
 啓史のことを忘れないで、貴重な休みの日にこうしてわざわざ来ていただくことは、なんとも申
 し訳ない気持ちですが、ただ、私たちにとっては何よりも嬉しいことです。


 ● 9月28日(土曜日)●

     娘がイギリスのオックスフォードに出発しました。

  私たちの娘(潤子)は、大学を卒業後、約5年間、NTT関連の会社に務めていましたが、い
 ろいろと考えるところあったようで、先日退職しました。そして今日、イギリス・ロンドン郊外
 のオックスフォードに向けて出発しました。娘は英語やフィンランド語が話せますが、その「語
 学力」を一層習熟させることが目的だということで、取り敢えずは半年の予定です。あるいはも
 っと長くなるかもしれません。
  私たち両親は、朝、耕史(次男・潤子の兄)が運転する車で成田まで見送りに行ってきました。
  娘がオックスフォード滞在中に、今建築中のマンションが完成(来年2月)し、引越しをする
 ことになるので、娘は出発前の幾日かは、鉢巻をしマスクを掛けて、留学の準備と引越しの荷造
 りの両方をしていました。日ごろは大雑把なところがあり、母親にいろいろと言われてたりして
 いますが、今回は、随分丁寧にやっていました。

  これから暫くは、文字通り夫婦二人だけの生活になります。


 ● 8月27日(火曜日)●

    12月頃までは、金網と仮囲いの中での生活に。

  私たち家族が住んでいたマンション(旧野口ハウス)は2年前から解体・改築中です。その後
 の建築工事は順調に進んでいるようで、一部は11階になる建物の躯体も半分くらいは立ち上が
 ってきました。来年1月末には完成することになっています。

  一昨年9月から、隣の内藤町のマンションに仮住まい中です。ここは見晴らしがよく、窓を開
 けると眼下に四谷四丁目交差点が見えます。新宿通りと外苑西通りが交差するこの地区の交通の
 要衝ですが、人や車の行きかうスガタが手に取るようによく見えます。
  ただ、交通量が大変に多い交差点なので、排気ガスの濃度も相当なものだと思います。

  一日中(24時間)、緊急車両の通行が多いこともここに住んで初めて実感しました。近くに
 慶應病院や林外科病院などの救急病院があることもあり、真夜中でも車のサイレンがよく鳴り響
 いています。最初はしょっちゅう目が覚めましたが、今はほとんど気にならなくなりました。

  このマンションで、先日から大規模修繕が開始されました。10数年毎に実施する修繕工事で
 す。仮囲い工事も始まりました。ベランダの植木なども全部部屋の中に収容しなければなりませ
 んし、洗濯物を干すのも毎日指示を仰がなければなりません。

  私たちは来年2月には新マンションに移る予定なので、大修繕工事はその後になればいいのに、
 と手前勝手なことを考えたりしていましたが、もちろんそんなことにはなりませんでした。
  こうした事情で、12月頃までは工事用の金網や仮囲いで覆われた建物の中で生活することに
 なりますので、大分うっとうしくなりそうです。


 ● 8月26日(月曜日)●

    手続き問題?「はだしのゲン」の対応は学校判断で。

  松江市の教育委員会が「はだしのゲン」の描写は過激だとして市立小中学校の図書室の陳列を
 子どもたちが本を自由に閲覧することができない「閉架状態」にしていた問題が全国的に反響を
 呼んでいます。市の教育委員会は二回にわたって会議を開き、元の状態に戻すかどうかは学校側
 の判断にゆだねることを決定し、教育委員会事務局にそうした対応を取るように指示したという
 ことです。

  当然の処置だと思いますが、教員委員会の話し合いの中心は、事務局が教育委員会に了解を求
 めず、また報告もしないで独断で「閉架」したという手続き問題だったようです。こうした手続
 きはもちろん重要なことですが、こんなに反響を呼んでいる問題ですので、もっと本質的なこと、
 例えば子どもの知る権利や情報提供のあり方、あるいは学校図書室における司書の役割や任務、
 配置の必要性などについても充分に話し合い、その成果を松江市から全国に発信して貰いたかっ
 た思いました。この市の教育委員会委員には、そうした認識は希薄なようです。

  今回の問題は、単なる「手続きの是非」を問うような簡単なものではなく、底流にあるのは歴
 史認識のあり方そのものであり、子どもの世界だけの問題ではなく、大人たちの歴史に対する向
 き合い方が問われた問題であることは、論を待たないところです。

  

 ● 8月19日(月曜日)●

     村山元首相、社民党の発展的解消も必要と発言。

  驚きました。社民党の村山富市元首相は、18日夜、東京都内で記者団に対して野党再編に関
 連する件で次のように語ったと報じられています。
  「社民党はこのままいっても先がない。党派にこだわらず、憲法を守らないといかんという者
 は結集すべきだ」「社民党が火付け役になって新しい党を作り上げていくことも大事なことだ」。
  護憲勢力結集に向け、社民党の「発展的解消」も必要との認識を示したものと言われています。

  今の社民党が「先も後もない状態」であることは村山さんが述べるまでもなく、多くの人の共
 通認識であり、今の政治情勢の中で護憲勢力の大結集が必要なことも全く常識的なことです。

  しかし、社民党の党首や首相を務めた重鎮が、まさしく党の存亡に係わる重大問題について、
 世間話でもするようなのような状態で記者団に語ることは、常識ある政治家のすべきことではあ
 りません。党内で充分に議論を重ね、一定の目安をつけてから外部に発表すべき課題です。党の
 最重要幹部が、よくマア、他人事のような軽々しさで口に出来るものだと感心しています。とて
 も信じ難いことです。

  そもそも日本社会党が大変な勢いで急な崖を転がりだしたのは、この人が首相に担ぎ上げられ、
 その「手土産」に、党の命ともいえる大事な基本政策をいとも簡単に放棄したことが最大の端緒
 になっています。そうしたいわば「傷のある者」が、個人的な感想を披瀝するようにこうした大
 事なことを軽々に述べることは本当に驚きです。誰が考えたって慎重な段取りが必要な問題です
 が、今回の村山発言は、そんなことは全く関係なし、といった感じです。

  私たちは、当時、村山さんなどが推進した「自衛隊合憲」「安保・米軍基地容認」など、社会
 党の基本政策を踏みにじる政策転換に同調することが出来なかったために、やむなく袂を分った
 という経緯があります。それだからなおさら、こうした軽率なことが「当事者」からなされるこ
 とには奇異な思いがしています。


 ● 8月17日(土曜日)●

    「はだしのゲン」は過激、自由閲覧は不適切、だと。

  島根県松江市の教育委員会が、「はだしのゲン」の描写は過激だとして、市立小中学校の図書
 室で子どもたちが本を自由に閲覧することができない「閉架状態」にしているという。

  松江市教育委員会(市教委)の説明によると、作品の中に過激な描写があるという市民から提
 出された「描写が残酷で間違った歴史認識を子どもに植え付けるので学校の図書室から本を撤去
 すべき」との陳情を受け、昨年12月、校長会に対して書庫などに納める閉架図書にするよう要
 請、これに本を所蔵する全ての市立小・中学校(全49校中39校)が従った、のだという。

  ヒロシマで被爆した漫画家で昨年末に亡くなった中沢啓治氏が自らの体験をもとに描いた「は
 だしのゲン」は、原爆の悲惨さを訴える優れた作品として読み継がれ、20カ国以上で翻訳され、
 世界的にも高い評価を受けています。

  新聞報道によると、市教委は閉架にした理由を、旧日本軍がアジアの人々の首を切り落とした
 り、銃剣術の的にする場面が過激だ、と説明しています。これに対して中沢啓治さんの奥さんは、
 「残虐な描写はあるが実際の残虐さはあんなものではない」と述べています。その通りであり、
 歴史を正視する姿勢の人ならば、現実の戦争がいかに残虐で想像を絶するものであるかは、誰し
 もが知っていることです。現実を正しく後世に伝えることは今生きている者の使命です。

  かつて私もこの本を購入し、3人の子どもたちは、小さい頃からそれを繰り返し見ています。
 幸いなことに私の子どもたちは、「過激な描写」を見ても、市教委や校長会、一部の市民が心配
 しているように、その後の成長に悪影響が出たということはなく、原爆や戦争、平和についての
 関心を高めたということでは、全く逆です。異論を唱えたという一部市民の子どもと違って「感
 性」が少々劣っていたのかも知れません。

  「はだしのゲン」を学校の図書室で自由に手にとって見たいと思っている子どもたちは、全国
 どこの学校でも一杯いる筈です。しかし、松江市の市教委や校長や先生方は、そうした子どもた
 ちの意識を稚拙だと危ぶみ、育ちゆく瑞々しい感性に悪影響を及ぼすとして、こうした措置をし
 ているのでしょうか。それとも、教育行政にありがちな「面倒くさい問題にはフタをして先送り
 する」という伝統的な姿勢の表れなのでしょうか。

  私には、「この本は子どもたちが自由に見るのにふさわしくない」と思って疑わない意識を持
 つ人たちや問題先送り体質の人たちが教育現場を「支配」している松江市の現実の方がはるかに
 危なく、深刻な問題を有しているように思われてなりません。
  仮に市教委や先生方が本当に「子どもたちにふさわしくない本」だと思ったならば、なぜ今ま
 で自分たちの判断と責任で必要な対応をしなかったのか。一市民から指摘を受けて初めてそう思
 ったとしたならば、主体性など全く感じられず教育行政としては何とも頼りないことです。

  教育評論家の尾木直樹さんは「ネット社会の子どもたちはもっと多くの過激な情報に触れてお
 り、市教委の判断は時代錯誤」と述べていますが、この考え方は大方の共通認識だと思います。

  それにしても理解できないのは、市教委の命令一下で、校長会が従順にそれにならい、その校
 長会の要請(実際は彼らの命令?)で、区立小中学校がそれに見事に平伏する誠に規律正しい松
 江市の不思議な教育現場のスガタです。
  しかし、こうした状態は松江市だけの特殊事情ではなく、全国いたるところ見られることます。

  松江市の教員の中には、市教委・校長会の措置に異議を唱えた人がいたのかもしれませんが、
 そうした動きは見えていません。恐らくあったとしてもたいしたことはなかったのでしょう。
  日本全国、どこの学校でも正論を吐く先生が次第に少なくなり、無批判に権力に従っていく傾
 向が顕著になっています。教育行政の現実は、いよいよあるべき教育のスガタとは対極の「長い
 ものには巻かれろ」という危険極まりない状態になっている気がします。


 ● 8月15日(木曜日)●

    今日、敗戦の日。国民のアタマをしっかりしないと~

  今日は敗戦68周年の記念日。あの戦争では日本人300万人、アジア諸国の人たち2000
 万人が尊い命を落としました。犠牲になった人はもちろんですが、それぞれに繋がる人たちはど
 れ程の数に上り、そしてその人たちの悲しみは、未だにどれ程深いことか~。

  戦争はこの上なくおろかな人の営み。こうした人為を引き起こさないためには、歴史が発する
 さまざまな声や教訓に、私たちは謙虚に耳を傾ける事が何よりも大事です。しかし、この頃のこ
 の国は、だんだんとおかしくなり、その速度は加速しています。施政者のせいですが、それを選
 んだのは私たち国民です。

  「国民のアタマ以上の政治は期待できない」。国民のアタマの程度をもっときちんと高めない
 と、ついこの間起こったあの悲劇がまた起こってしまいます。そのための「条件」は次第に揃っ
 てきています。憲法96条の改悪、集団自衛権容認の動きなどです。動きは顕著です。こうした
 反動の旗振りをする政治家たちの「陳腐な論法」をきちんと批判し、それを許さない国民のアタ
 マの程度が、今、求められ、そうしたアタマを私たちが持てるかどうかが、問われているのだと
 思います。

  今日は「敗戦の日」。一度しかない人生、何物にも絶対に代えがたい貴重な命を、施政者に値
 しない者たちの自分勝手な論理のために、無駄に失ってしまった全ての人たちの霊に黙祷。


 ● 8月11日(日曜日)●

      明日から青森の田舎に墓参りに行ってきます。

  明日から久しぶりに両親の墓があり、兄家族が住んでいる八戸市に墓参りに行ってきます。連
 れ合いは、半年余り前に骨折した後遺症で体調がまだ万全でない状態なので、今回は娘の潤子と
 二人だけ行くことになりました。

  娘は八戸へ行く途中にある盛岡市は全く知らないので、下車をして4、5時間、市内を見物す
 ることにしています。盛岡市は、あの地域一帯を支配していた南部藩のあった岩手県都ですが、
 不来方城跡(こずかたじょうし)や盛岡市に関係がある石川啄木、宮沢賢治、原敬、新渡戸稲造
 の関連場所などをざっと見物する予定です。
  私は若い頃から何度も盛岡市には行ったことがあります。ただ、それほど鮮明な記憶が残って
 いるという訳ではありませんので、今回はきちんと見ようと思っています。
  盛岡名物の冷麺を食べるのも楽しみにしています。八戸市には夕方着きます。2泊3日の予定
 で14日には帰宅します。


  ここ2、3日、旧盆だということで啓史に対して何人かの方から様々な「お供え」を贈ってい
 ただいています。また今日は、彼の親しい友人が暑い中、わざわざ何度目かのお花を持参してく
 れました。依然として傷心さめやらない私たちにとっては、気持ちが晴れない中ですが、とても
 嬉しいことです。


 ● 8月9日(金曜日)●

   ナガサキで原爆慰霊祭。市長が核問題で痛烈な政府批判。

  被爆68年となる「長崎原爆の日」の今日、長崎市内で平和祈念式典が開かれました。ヒロシ
 マと同様にテレビで中継されたので、安倍総理大臣の挨拶の直前まで式典の模様を見ました。

  原爆投下時刻の午前11時2分、参列者が黙祷して犠牲者を悼んだあと、田上富久市長は「平
 和宣言」を読み上げました。政府が核兵器の非人道性を訴える共同声明に賛同しなかったことを
 「被爆国としての原点に反する」と強く批判し、日本が核廃絶にリーダーシップを発揮するよう
 求めました。今まで以上に素晴らしい宣言でした。

  政府は今年4月、スイス・ジュネーブで開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備委
 員会で、核兵器の非人道性を訴える共同声明に、驚くことに賛同の署名をしませんでしたが、田
 上市長は「平和宣言」で「世界の期待を裏切った」「核兵器の使用を状況によっては認める姿勢
 を示した」と指摘し、政府に対して「被爆国としての原点に返ること」を求めました。
  また、原発の技術を輸出するため、安倍首相自らがNPT未加盟のインドと原子力協定の交渉
 を再開したことについても、「NPTを形骸化し、NPTを脱退して核保有をめざす北朝鮮など
 の動きを正当化する口実を与える」と批判しました。
  ヒロシマ市長の「平和宣言」でも同趣旨の指摘がなされましたが、全く当然の発言です。参列
 していた安倍首相はどういう思いで聴いていたのか。

  市長は更に、世界に1万7千発余りある核弾頭の9割以上がアメリカとロシヤ両国のものだと
 指摘し、両国の大統領に「大胆な削減」に取り組むよう求めました。その上で、「政府の行為に
 よって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」という憲法前文を引用し、そこには国民
 の決意がこめられているとして、平和を求める原点を忘れないよう、戦争や被爆の体験を語り継
 ぐことの大切さを訴えました。

  また、反核運動を引っ張った長崎の被爆者、山口仙二さんが7月に亡くなったことを挙げ、減
 り続ける被爆者の平均年齢が78歳を超えたと指摘。「ノーモア・ヒバクシャ」という山口さん
 の国連での演説を引き、若い世代に「被爆者の声に耳を傾けて」と呼びかけました。

  式典には約5800人が参列し、初参加のインドを含め、過去最多に並ぶ44カ国の代表が集
 まったということです。米国は昨年に続いてジョン・ルース駐日大使が出席し、2011年の初
 参列から3年連続で代表が出席したことになります。


 ● 8月6日(火曜日)●

   ヒロシマ原爆慰霊祭、市長の指摘を首相はどう聞いたか?

  今日はヒロシマの原爆記念日です。平和公園で行われた「慰霊祭」のテレビ中継を見ました。
  広島市長の「平和宣言」は、安倍政権の二枚舌的な対応や政策を鋭く批判したものですが、な
 かなか辛らつな内容でした。出席していた安倍首相の表情も映し出されていましたが、苦りきっ
 た顔をしていました。

  広島市長の指摘を肯定的に受け止め、自分のやっていることが歴史的評価にとても耐えられる
 ものでないことを自覚するならば、直ちに「核の傘」に安住するような政策や原発再稼動、原発
 輸出に対する考え方を変えるべきですが、もとより、そんなことはこの首相には全く期待できる
 筈もありません。


 ● 8月5日(月曜日)●

   また、沖縄でヘリが墜落。抜本的に再発防止は~

  沖縄で米軍のヘリコプターが墜落しました。沖縄でヘリや戦闘機の事故は日常茶飯事のように
 起きており、またかという感じです。防衛大臣や外務次官は、異口同音に「米軍に事故の真相究
 明を要請中」とか「事故情報の公開を徹底させる」などと述べ、「事故の再発防止を求める」な
 どとコメントしています。他人事のよう感じがします。よくある事故ですから、政府の感じ方は、
 この程度の鈍感なものなのかも知れません。

  政府が本当に再発防止を図ろうとするのならば、マニュアルどおりに口先で米軍に再発防止策
 の強化求めるようなポーズを取るのではなく、沖縄から米軍を撤退させることしかありません。
 沖縄の基地が無くなって初めて「再発防止」が抜本的に図られることになることは、誰でもわか
 ることです。


 ● 8月4日(日曜日)●

    津軽の故郷を感じる二枚のDVDをいただきました。

  津軽の同級生の桑野さんから「平成25年・脇元の冬物語」と「散歩コースに咲く花々」(4
 月22日から6月29日)という二枚のDVDが送られてきたので家族で楽しく鑑賞しました。

  私が津軽で過ごした子どもの頃は、周りにどのような花々が咲き誇っいるのかほとんど関心も
 なく、何かが咲いていても、それは元々そこにあるものであって珍しくもなんでもない全く当た
 り前の感覚で過ごし、花や草木の姿に気に留めることもない状態でした。

  しかし、ふるさとを離れて半世紀以上経過し、少しは花の美しさが分るようになった今、こう
 して故郷の野山に咲く花たちを見ると、本当に驚くことばかりです。
  こんなに綺麗な花々たちが、こんなにもたくさん私たちの周りに咲いていたのだという驚きと、
 ほとんどそんなことに気がつかないまま少年時代を過ごしたのだったいう驚きです。

  冬、雪に埋もれた状態の故郷は、今も昔も厳しい環境ですが、そうした中でも、権現崎(小泊
 岬)を横に置いて、日本海の水平線に沈みこむ焼けるような夕日の荘厳さや津軽富士として親し
 まれている岩木山が、雪を山頂に配置して雲に浮かぶ気品ある美しさは格別であり、富士山と同
 様に「世界遺産」になって貰いたいくらいです。

  この早春、桑野さんがカメラにおさめた写真の数々を上手に編集した作品ですが、素晴らしい
 DVDでした。 


 ● 8月3日(土曜日)●

   麻生大臣は、まず常識的な「歴史の真実」学ぶべきだ。

  憲法改正問題に関連して、麻生大臣が「ナチスのやり方に学んだらどうか」と発言したそうで
 す。何を学べというのかよく分かりませんが、この人は「歴史の厳粛な真実」に対して全く疎い
 人間のようです。要するに常識のない人間です。いかにも軽率な感じがします。首相時代、「国
 語力」なさで笑いものになり、出身校の学生からさえ「○○○大学の卒業生といわないで欲しい」
 という声が上がったりしましたが、国語力だけではなく歴史的な感覚(常識)の無さも相当なも
 のです。それにしても、こうしたお方が今の日本を「代表する政治家」なのですから、全く薄ら
 寒い感じになります。


  11月上旬に葛飾区で区議会議員選挙が行われます。私たちの知り合いの娘が立候補すること
 になっていますが、みんなで応援することにしています。今日午後、何度目かの応援の行動があ
 ったので、私も少しは役に立つのかと思って参加しました。結構な暑さでしたが、適当に汗をか
 き、むしろ爽快な気分になりました。

  一年程前から突然血圧が高くなってしまったので弱めの薬を服用し、定期的に診察を受けてい
 ます。今日午前、東京女子医大病院で診てもらいましたが、全く問題なしということだったので
 一安心しました。


 ● 7月27日(土曜日)●

   新マンションの設備関係についての相談会がありました。

  二年前まで私たち家族が住んでいたマンション(野口ハウス)は現在改築中ですが、ほぼ予定
 通り来年2月末には完成することになっています。一昨年の9月から隣町のマンションで「仮住
 まい中」ですが、余程のことがない限り、あと半年余りで「新居」に移ることになります。

  新マンションが完成までにはいろいろと準備作業がありますが、今日、新居の様々な設備につ
 いての相談会が西新宿にある「住友不動産」で開かれたので妻と二人で行ってきました。キッチ
 ンの設備、テーブルと椅子、各種ドアの作り方、照明器具、ベランダの作り方(ウッドデッキか
 タイル張りか)、カーテン、カガミ、冷暖房器具などなど盛りだくさんの選択です。

  それぞれ品物によって値段の違いがあります。小さな見本だけではなかなか全体を理解するこ
 とは出来ませんが、それぞれの設備について一通り私たちの希望を述べ、見積書を作ってもらう
 ことになりました。具体的にはこれから何度か相談して決めるということになりますが、こうし
 た問題(選択)は、どう慎重に検討しても、後から考えると、幾つもの反省や選択ミスが出るも
 のだと思っています。


 ● 7月21日(日曜日)●

     参院選で自民党が圧勝。この国の将来はお先真っ暗。


  今日実施された参議院議員選挙で、自民党が大勝利をおさめました。大方の予想通りの結果で
 す。これで衆参両院で自民党などの保守勢力が圧倒的多数を占めることになりました。

  健気にも「アベノミクス」で日本経済は好転しているなどという宣伝に惑わされ、それを信じ
 る「賢明」な国民の短脈的な視点での選択によって、日本の将来はますます深刻なものになって
 しまいりました。特に日本が何よりも世界に誇りうる「平和憲法」は危機的状態の中に放り投げ
 出された感じになります。


 ● 7月13日(土曜日)●

    国立新美術館で「貴婦人と一角獣展」を観ました。

  国立新美術館で開会中の「貴婦人と一角獣展」を観ました。前から観たいと思っていましたが、
 いよいよ東京での展示は明日までになってしまいましたので、今日、自転車にまたがり、神宮の
 銀杏並木の横を通って美術館へ。大体、ゆっくり走って15分くらいの道のりでした。

  作品のタペトリー(タペストリー)は、パリ市内にあるフランス国立クリューニー美術館の至
 宝といわれている6枚の連作です。1500年頃の作品だといわれています。五枚は人間の「視
 覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」の五感を表し、残る一枚は、中央の大きな天幕の上部に
 書かれている「我が唯一の望み」という一文が何を意味するのか、今もって諸説が唱えられてい
 るという謎めいた作品です。

  会場は、結構混んでいましたが、ただ、今回は展示作品が少ないこともあってゆっくりと鑑賞
 することが出来ました。

  いずれ機会があったら、現地の国立クリューニー美術館でまた観たいと思っていますが、是非、
 そういう機会に恵まれるように願っています。


 ● 7月4日(木曜日)●

    エジプトで政変。軍部が大統領を更迭、世界が沈黙?


  エジプトで政変がありました。一年前に民主的に選出された大統領が軍部によって更迭され、
 軟禁状態に置かれたようです。暫定大統領の下で新大統領が選出されることになりそうです。
  報道によるとここ数日前から大統領の辞任を迫る大規模なデモが首都のカイロなどで勃発して
 いました。しかし、この政変は軍部によるクーデターにほかなりません。アメリカのオバマ大統
 領は、このクーデターをしぶしぶ追認するような談話を発表しています。こうした国際的な政治
 の激変には全く影響力を発揮することのない日本政府は、例によってどうでもいいような「見解」
 でその場しのぎをしています。

  クーデターの前段に市民の大規模なデモがくり返されたので、市民の要求を受け止めたような
 軍部の「政変」になっていますが、しかし、国民が民主的に選んだ大統領は武力によって覆され
 るものではありません。当たり前の事ですが、市民のデモは「示威行動」であって、直接指導者
 を更迭したり、選出したりするものではありません。
  アメリカはもちろん、日本政府もこうしたクーデターについては、断固とした厳しい姿勢をと
 るべきですが、そうした動きは皆無で世界が沈黙状態です。危険なことです。


  今日から参議院選挙開始。「ねじれ解消」と自民・公明の党首が絶叫。何でねじれを解消する
 必要があるのか。争点の法案がスムーズに通らないことを嘆いて「ねじれ解消」を叫んでいるの
 ならば、「ねじれ状態」はむしろ望ましい国会の姿。

  私たちの幸せのために、今度の選挙でもっとねじれた参議院にしよう!


 ● 7月2日(火曜日)●

   信じがたい事。東電が柏崎刈羽原発の再稼動を申請へ。

  東京電力が柏崎刈羽原発の再稼動申請を決定しました。東電の社長は記者会見で「原発を動か
 さなければ会社の経営が成り立たず、電気料金の再値上げも避けられない」と主張し、再稼動申
 請の正当性を説明して見せています。信じがたいことです。フクシマでの大惨事のことなどはこ
 の人たちのアタマの中からはもう消えてなくなっているようです。
  東電という会社は、常識では理解不可能ないい加減な会社であり、その経営者たちはまともな
 判断の出来ない者たちのようです。世界を震撼させ、今尚、取り返しのつかない犠牲を多くの人
 たちに強いている状況の下で、よくマア、こうした決定が出来るものだと思います。

  明後日から参議院選挙です。この期に及んでも、原発の再稼動を支持する候補者が一杯おりま
 すが、こんな人たちがこれからの日本の政治に関わるのかと思うと、この国から逃げ出したくな
 ります。


 ● 7月1日(月曜日)●

     啓史が眠る東長寺で「新盆」の法要がありました。


  今日11時から啓史が眠っている東長寺(新宿区四谷四丁目)で恒例の「大施食会」と「新盆
 施食会」という法要があったので私たち夫婦と娘の三人で出席しました。

  お寺の説明だと「大施食会」(だいせじきえ)というのは、「貪りの心を戒め、あよゆる精霊
 に食を施し、生きとして生けるもの全てに感謝する法要」で、毎年この時期に平安時代から行わ
 れている伝統的な行事だそうです。今年、新盆を迎える啓史などの故人の供養も合わせて実施す
 るものです。

  私たちは時間ギリギリに到着しましたが、すでに会場の東長寺本堂には150人くらいの方々
 が整列していました。年配の方が大半ですが、若い世代の人たちも参加していました。10人の
 僧侶が30分くらいお経を唱え、その中では、この一年の間に新しく旅だたれた方が、「無事に
 初めてお里帰をされるように」との願いを込め、法要の中の最中にそれぞれの戒名が紹介されま
 した。お坊さんがお経を唱えるような調子で100人近い故人の戒名を早口で読み上げるので、
 私は聞き漏らしましたが、娘は啓史の名前をきちんと聞き取ったようです。

  法要の後、全員で焼香し僧侶の説教を聞いて法要は終了。一時間程度の行事でした。
  今日は寺から参加者全員に食事が提供されたので、本堂の広間でありがたく食べてから帰宅し
 ました。私たちが住んでいるマンションから見える近くの寺です。片道4分です。

  私には、寺の行事はなかなか理解しにくいものばかりですが、何はともあれ、啓史が「あの世
 で、何かに不自由することなく元気に過ごすこと」だけをひたすら祈るばかりです。 


 ● 6月29日(土曜日)●

  11月に葛飾区議選。知人の娘が立候補。今日支援行動。

  今年11月に葛飾区で区議会議員選挙が行われます。私たちの知り合いの娘(29歳)が立候
 補することになっています。選挙まであと半年もありませんので全力で準備を進めていますが、
 今日は協力できる人たちが集まって、選挙地盤に3万枚の政策チラシを配布することになりまし
 た。集合場所は「お花茶屋駅」。京成本線で上野から約20分くらい。堀切菖蒲園の隣ですが、
 初めて降りる駅です。
  指定された会場には既にたくさんの人たちが集まっていました。私は約800枚を受け持ち、
 割り当てられた地域に配布しました。2時間半くらいかかりましたが、好天に恵まれたので、結
 構気持ちのいい運動になりました。
  葛飾区議選の状況は不明ですが、全力をあげて勝利して貰いたいものだと思っています。


 ● 6月23日(日曜日)●

      都議選の投・開票。自民・公明完勝、民主惨敗。

  都議会議員選挙の投・開票が行われました。自民・公明両党は全員が当選、民主党は半減以下
 の大敗という結果に終わりました。事前に予想されていたよりも極端な結果になりました。新宿
 では自民2人、共産、公明各ひ1人の4人が当選。現職の民主党候補は惨敗です。
  参議院選挙の前哨戦ですが、自民・公明は勝ちすぎ、民主は負けすぎの感じがします。しかし、
 「これが選挙だ」と思います。


 ● 6月15日(土曜日)●

  済生会中央病院で「慰霊祭」。啓史の冥福を祈りました。

  啓史が入院していた東京都済生会中央病院で平成24年の「慰霊祭」が行われました。この一
 年間、済生会中央病院で亡くなった方の中で、病理解剖に協力した故人の霊に感謝する趣旨で、
 病院が主催する催しです。

  この一年間の対象者は48人という報告でした。遺族の方は合わせて50人くらい、病院関係
 は院長以下80人くらいの医者や解剖関係などの専門家が参加していました。黙祷、院長の挨拶、
 病理関係代表の挨拶、全員の献花などで「慰霊祭」はおよそ一時間で終了、簡素な催しでしたが、
 改めて四ヵ月半にわたった啓史の闘病生活・治療状態が次々と思い浮かんで辛いものでした。

  啓史の主治医で大変お世話になったW先生、T先生が参加されていたことは先生方の献花の際
 に知りましたが、慰霊祭の後、遺族の希望者に解剖結果の詳細を説明する予定があり、私は希望
 していなかったので、主治医さんに話しかけるのは他の方のご迷惑になるかと思って挨拶もしな
 いまま早々に退去しました。
 
  慰霊祭の会場を出たたところで、この病院に勤めているKさんから声をかけられました。Kさ
 んは病院の事務関係の重要なポストにある方です。彼にはほのぼのとした思い出があります。私
 が初めて新宿区議会議員に当選し事務所を開設した際に、そのすぐ近くに住んでいた数人の子ど
 もたちの中の一人がKさんです。彼は私の事務所によく遊びにきましたが、小学校入学前の小さ
 なかわいい元気のある子どもでした。

  その後、その地域で再開発計画が持ち上がり、彼の一家は転居しましたが、何年か前に啓史が
 済生会中央病院に入院した時に、突然病院内で「山田さんですねぇ」と話しかけられ、ビックリ
 したものでした。
  去年、啓史が入院した際には、私は多忙な彼には連絡しないままでした。従って、Kさんは啓
 史のことは知らないものとばかり思っていましたが、今日思いがけずに声をかけられてビックリ
 しました。啓史が亡くなったことが彼の目に留まっていたことは、私にとっては何かとてもほっ
 とすることでした。 


  明日は「父の日」です。午後、次男夫妻がプレゼントを持って来宅しました。私はいつも同じ
 様なものだけしか着ていないので、夏用のシャツをプレゼントしてくれました。少々、派手な感
 じです。潤子は予定があって外出していたので、今夜は4人で食事をしました。


 ● 6月14日(金曜日)●

   自民党の「96条改憲」に反対のシンポジュウム。

   憲法学者が結成した「96条の会の発足シンポジウム」が開かれたので出席しました。代表に
 なった樋口陽一東大名誉教授が基調講演を行い、その後のシンポジウムは、長谷部恭男(東京大
 学大学院教授)、小森陽一(東京大学大学院教授)、山口二郎(北海道大学大学院教授)、岡野
 八代(同志社大学教授)杉田敦(法政大学教授)がパネラーになって進められました。次いで行
 われたリレートークにも水島朝穂(早稲田大学大学院教授)など著名な憲法学者が7、8人登壇
 しました。
  会場になった上智大学8号館410号室は、300人くらいの収容が可能のようですが、私が
 行ったときには既に満員でした。私は「立見席」で最後まで立って聞いていましたが、会場に入
 れずに溢れた人が一杯出たので、隣接する教室など、何と10箇所もの別会場を急遽準備したと
 いうことでした。大盛況でした。改めて96条の改悪に対する思いの強さを感じました。岡野教
 授は、「私にとって96条の改悪を認めることは、人類を辞めます、という事と同じ」という趣
 旨のことを行っていましたが、将来の世代の進路に極めて重大な悪影響をもたらす96条のハー
 ドル引き下げには、しっかりと反対していかなければならないと感じました。
  96条の先にある状況をしっかりと認識し、手行き先の不明なバスに飛び乗ってはなりません。



             「96条の会」結成呼びかけ文

  憲法改正手続きを定めた憲法96条の改正がこの夏の参議院選挙の争点に据えられようとして
 います。これまでは両院で総議員のそれぞれ3分の2の多数がなければ憲法改正を発議できなか
 ったのに対し、これを過半数で足りるようにしようというのです。
  自民党を中心としたこうした動きが、「国民の厳粛な信託」による国政を「人類普遍の原理」
 として掲げる前文、平和主義を定めた9条、そして個人の尊重を定めて人権の根拠を示した13
 条など、憲法の基本原理にかかわる変更を容易にしようと進められていることは明らかです。

  その中でもとりわけ、96条を守れるかどうかは、単なる手続きについての技術的な問題では
 なく、権力を制限する憲法という、立憲主義そのものにかかわる重大な問題です。
  安倍首相らは、改憲の要件をゆるめることで頻繁に国民投票にかけられるようになり、国民の
 力を強める改革なのだとも言っていますが、これはごまかしです。今までよりも少ない人数で憲
 法に手をつけられるようにするというのは、政治家の権力を不当に強めるだけです。
  そもそも違憲判決の出ている選挙で選ばれた現在の議員に、憲法改正を語る資格があるでしょ
 うか。96条は、「正当に選挙された国会」(前文)で3分の2の合意が形成されるまでに熟慮
 と討議を重ね、それでもなお残るであろう少数意見をも含めて十分な判断材料を有権者に提供す
 る役割を、国会議員に課しています。国会がその職責を全うし、主権者である国民自身が「現在
 及び将来の国民」(97条)に対する責任を果すべく自らをいましめつつ慎重な決断をすること
 を、96条は求めているのです。
  その96条が設けている憲法改正権への制限を96条自身を使ってゆるめることは、憲法の存
 在理由そのものに挑戦することを意味しています。

  私たちは、今回の96条改正論は、先の衆議院議員選挙でたまたま多数を得た勢力が暴走し、
 憲法の存在理由を無視して国民が持つ憲法改正権のあるべき行使を妨げようとする動きであると
 考え、これに反対する運動を呼びかけます。来る参議院選挙に向けて、96条改正に反対する声
 に加わってくださるよう、広く訴えます。

            2013年5月23日「96条の会」発起人

    樋口陽一(憲法学者・96条の会代表)青井未帆(学習院大学教授/憲法学)阿久戸光晴(聖学院大学
     学長/憲法学)新崎盛暉(沖縄大学名誉教授・元学長/沖縄近現代史・社会学)蟻川恒正(日本大学教
     授/憲法学)石川健治(東京大学教授/憲法学)石村善治(福岡大学名誉教授・元副学長、長崎県立大
     学名誉教授・元学長/憲法学)伊藤真(弁護士・日弁連憲法委員会副委員長)稲正樹(国際基督教大学
     教授/憲法学)上野千鶴子(東京大学名誉教授/社会学)浦田賢治(早稲田大学名誉教授/憲法学)岡
     野八代(同志社大学教授/西洋政治思想史・現代政治理論)奥平康弘(憲法研究者)桂敬一(ジャーナ
     リズム研究者)姜尚中(聖学院大学教授/政治学)木村草太(首都大学東京准教授/憲法学)小林節(
     慶應義塾大学教授/憲法学)小森陽一(東京大学教授/日本近代文学)齋藤純一(早稲田大学教授/政
     治理論・政治思想史)阪口正二郎(一橋大学教授/憲法学)坂本義和(東京大学名誉教授/国際政治学
     ・平和研究)杉田敦(法政大学教授/政治理論)高橋哲哉(東京大学教授/哲学)田島泰彦(上智大学
     教授/憲法・メディア法)千葉眞(国際基督教大学教授/西欧政治思想史・政治理論)辻村みよ子(明
     治大学教授/ジェンダー法学・憲法学・比較憲法学)中野晃一(上智大学教授/比較政治学・日本政治
     ・政治思想)西谷修(東京外国語大学教授/フランス文学・思想)長谷部恭男(東京大学教授/憲法学)
     林香里(東京大学教授/社会情報学・ジャーナリズム・マスメディア研究)三浦まり(上智大学教授/
     現代日本政治・比較福祉国家研究)水島朝穂(早稲田大学教授/憲法学)山口二郎(北海道大学教授/
     行政学・政治学)山内敏弘(一橋大学名誉教授/憲法学)和田守(大東文化大学名誉教授・元学長/日
     本政治思想史)渡辺治(一橋大学名誉教授/憲法学・政治学)

                       以上36名(2013年5月22日現在)


 ● 6月12日(水曜日)●

  「私は知らなかった」「知らないのだから責任はない」

  プロ野球が中盤の戦いに入っていますが、今日、信じがたいようなことでコミッショナーの記
 者会見がありました。今シーズンから去年よりも飛ぶボールに変えていたけれども、それを公表
 していなかったという内容です。
  時代によって、バットのつくりや球質を変えることはありうることだと思いますが、問題は、
 公表していなかったことです。しかも、加藤コミッショナーは、「私は知らなかった」「もし知
 っていたら公表した」と弁明。記者から責任の所在を問われると、「知らなかったのだから責任
 はない」「不祥事だとは思っていない」と強弁する始末です。

  組織の最高責任者であるにもかかわらず、こうした重要なことを部下の一部の人たちが秘密裏
 に処置し、コミッショナーへは知らされない組織になっているようですが、こうした信じがたい
 組織形態に放置した自分の責任は全然感じない方のようです。

  柔道と同じ様に、スポーツ界の一部では、責任回避の「技」にたけていることが「ボス」にな
 る条件なのかもしれません。


 ● 6月10日(月曜日)●

   自民党の「改憲案」の勉強会。時代錯誤の内容。

  関東地方も梅雨入りしたことになっていますが、全然雨が降りません。東京では田植えもない
 でしょうが、こうした空梅雨では、農作物を作る人たちは困るのではないかと懸念しています。

  夜、四谷で会議がありました。会議の前段に自民党が昨年4月の発表した「改憲案」の勉強会
 を行いました。言うまでもなく「憲法」は、国民が権力者を行使する者の行為を規制する基本法
 規です。しかし、自民党の改憲案はさかさまで、多くの条文で権力者が国民の権利を制約し、従
 属させる内容になっています。そもそも、これは「改憲」案という代物でもなく、時空を間違っ
 て出てきた亡霊のような「新憲法」です。

  全くとんでもない内容であり、よもやこうした時代錯誤の改憲案を国民が認める事もないでし
 ょうが、あの手この手の手練手管を使うのが自民党です。自分たちで都合がいいように憲法を変
 えやすくするために、まず改憲手続きを大幅に緩和する第96条を変えようとする策動が強まっ
 ています。何としてもこうした暴挙ははね返さなければなりません。

  私たちが参加する団体では、下記の要領で「大集会」を開くことになっています。

      「壊憲N0!96条改悪反対大集会」

      ※日時 ・ 2013年6月18日(火)午後6時半
      ※場所 ・ みらい座(豊島公会堂)
      ※講演 ・ 「96条改正は憲法の死刑宣告] 憲法学者・奥平康弘さん
      ※主催 ・ 壊憲NO!96条改悪反対連絡会議


 ● 5月28日(火曜日)●

   啓史が修理に出していたカバンを受け取ってきました。

  今日、ほぼ一年ぶりになりますが、新宿高島屋のROEWEで啓史が修理に出していた「カバ
 ン」を受け取ってきました。

  啓史が亡くなった時に、遺品の整理をしていたら、ROEWEのカバンの「修理依頼票」が出
 てきました。彼が愛用していた書類入れのカバンです。ところが、その修理票には店舗の記入が
 なかったので、何処に修理に出したのか全然分りませんでした。

  当時、私たちは精神的にも錯綜としていた時期でしたので、探し出す気力もその暇もなくその
 ままに放置していました。ところが先日、彼の友人から「あのカバンはどうなりました?」と聞
 かれたので、母親がふっと思い出して、改めて修理に出した店舗を探していました。

  ROEWEの関係店舗は限られていますから、幸運にもすぐに分ったようです。新宿高島屋の
 一階の店舗でした。聞くところによると、ROEWEでは、いつまでも受け取りにと来ないので、
 啓史宛に何度か電話をし、郵便まで出してくれたそうです。啓史の携帯電話にはそのことが録音
 されていたのだと思いますが、暗証番号が分らないので、私たちはそれを聞くことが出来ないま
 まになっていました。

  今日、受け取ってきました。お手数をかけたROEWEの店員の皆さんにも充分に御礼を言っ
 てきました。受け取ったカバンは彼の霊前に置いてやりました。
  私たちはいま、大事な啓史の「忘れ物」が手元に戻ったような気持ちになっています。


 ● 5月26日(日曜日)●

  小平市の住民投票、不成立。この市の市長も資格なし?

  東京では初めての試みとして注目を集めていた小平市の住民投票が今日、行われました。結果
 は、投票率が50パーセントに届かずに不成立となりました。投票率は誠に低率の35・17%
 (有権者14万5024人)でした。市条例で定めた成立要件である「投票率50%」に達しな
 かったため、投票は成立せずに開票されませんでした。

  住民投票で計画の是非が問われたのは、東京都が1963年に都市計画決定した都道「3・2
 ・8号線」(府中市―東村山市間)のうち、小平市内の五日市街道と青梅街道を南北に結ぶ1・
 4キロ区間について住民の判断を仰ぐもので、雑木林を通過する形で計画された道路建設計画の
 是非を、「計画を見直すべき」「見直しは不要」の二者択一で投票して貰うという内容です。
  自然環境が悪化するなどとして計画に異議を唱えた市民団体が今年2月、住民投票条例制定を
 直接請求、3月の市議会で条例が可決され、画期的な「住民投票」が実施の運びになりました。
  その後、小林正則市長が「投票は市民の総意であるべきだ」と訴え、成立要件に関する条項が
 追加されました。

  こうした大事な問題で投票率が50パーセント以下というのはいかにも低調ですが、市長が敢
 えて条件として付したことには若干の違和感もあります。
  今年4月7日に小平市では市長選挙が行われ、現職の小林市長が当選しましたが、その時の投
 票率はどうだったか。50パーセントを超えていたのかというと、NOです。僅かに35,26
 %でした。小林市長が自ら言うよう自分は「市民の総意でない市長」ということになります。
  住民投票制度だったら無効の市長なのです。こうしたことは、どう理解すべきでしょうか。


  この土曜・日曜には泊まりこみの「研修会」がありました。埼玉県の秩父市郊外で行われまし
 たが、全国から30人くらいが参加しました。有意義な集まりでした。

  今日の午前中までで研修会は終了したので、午後からは何人かが一緒に車に分乗して「秩父事
 件」の史跡を訪ねて回りました。住民が結集し、事件の端緒を切り開くことになった「椋神社」
 では、神社の方が私たちのために各種の資料を寄贈してくれました。
  私は、以前からここを見学したいと思っていましたが、ようやく念願が叶いました。

  また、有名な徳川家康ゆかりの「秩父神社」では、たまたま若い神主さんが神社の由緒因縁を
 含めて、いろいろな説明をしてくれました。更に、帰りには何年か前に倒れたご神木(ケヤキ・
 樹齢500年)の苗木をプレゼントしてくれました。ありがたくいただきました。ケヤキは大き
 くなるのが結構早いようなのでどう育つか楽しみです。


 ● 5月24日(金曜日)●

   「TPPの危険な構造」の学習会に行ってきました。

  「TPP」への参加が現実問題になり、その帰趨が関心を呼んでいますが、実態を理解してい
 る人はそんなに多くはありません。当初から農作物生産者が反対の声をあげていますので、「T
 PPは農業問題」だと早合点している人も多く、私たちの生活全般にかかわる問題でありながら、
 社会的な関心の度合いはいまひとつ低調です。有権者の関心の低さもあって、参議院選挙でも大
 きな争点にはなりそうもありません。しかし、TPPは、私たちの首を絞めることになる様々な
 問題を抱えいてます。

  今日、「TPPの危険な構造 ~対抗策をどう創るか~」と題する学習会があったので参加し
 ました。改めて多分野に甚大な影響を及ぼすことが分りました。特に、TPPでは国内法に優先
 することも決められ、それに縛られる危険性が大きいことも分りました。こうなると憲法98条
 の規定との関連も出てきますので、まさにTPPは憲法問題でもあります。

   ※ 憲法98条 ①「この憲法は国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、
     詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」。


 ● 5月23日(木曜日)●

   亡くなって半年あまり、今日は啓史の誕生日です。

  今日は啓史の誕生日です。1976年5月23日生まれです。今日で37歳になります。啓史
 が亡くなったのは昨年の11月5日ですから、半年余りが過ぎました。無念の思いは月日の経過
 で癒されることもありませんが、最近は「これが彼と私たち家族の運命だ」という思いを出来る
 だけ受け入れるように心かげています。

  午後、墓参に行ってきました。母親は骨折の治療中で体調がすぐれないために、私が一人で行
 きましたが、納骨堂には誰もいなかったので、彼の位牌を抱いて話しかけてやりました。

  夕飯の時には、潤子は仕事で遅くなったために、両親だけで啓史の写真を食卓に飾り、ごくさ
 さやかに誕生祝いをしました。弟の耕史はfacebookで兄のことを偲んでいるようですし、
 友人たちも啓史の誕生日について話題にしてくれています。誕生日に啓史と飲みに行っていた店
 に行ってきたという方もいます。ある方からは、改めて啓史の死を痛むメールを私たちはいただ
 きました。過分にも「彼は逸材だ」と言ってくれています。

  三人の子どもはみんなそうでしたが、中学生くらいまでの小さい時にはおばあちゃんが一日が
 かりでおいしい料理を作ってくれて、賑やかに家族で「誕生祝い」をしたものでした。そうした
 写真を見たりすると、昔日の感がし、胸が詰まります。叶わぬことですが、家族みんなが健康や
 命を取り戻せるのならば、あの頃に返って欲しいものだと思っています。


 ● 5月18日(日曜日)●

     啓史の親友が結婚相手と共に来てくれました。

  啓史の親友が結婚します。彼のことについては啓史から入院中にもいろいろと聞いていました。
 随分親しく付き合っていたと聞いており様々な「武勇伝」もあるようですが、何よりも彼の生き
 方に触発され、学ぶことが多かったようです。彼は医者として歩み始めてまだそんなに時間がた
 っていませんが、啓史が入院中には自分が受けている治療の実態について何かと見解を求め、彼
 の見解を聞いて、自分の主治医の治療については全幅の信頼を寄せていたような気がします。啓
 史が大学院(MBA)に行って勉強する気になったのも、彼ともう一人の友人の生き方に影響を
 受けたこともあると思っています。生前、啓史から何度かその類の話を聞いたことがあります。

   今日、結婚相手の女性と一緒にわざわざ家に来てくれました。奥さんになる方もお医者さんで
 す。眼科が専門だということです。とても感じのいい方で、まさにお似合いのカップルです。今
 日は私たち夫婦と娘の5人で一時間余り懇談しました。楽しい時間でした。帰りには二人で啓史
 が眠っているお寺にも行ってくれるということです。

  6月1日に挙行される結婚式の際には、何と啓史の遺影を飾ってくれるということです。私た
 ちは大変恐縮していますが、啓史自身は、どんなにか彼の結婚式に出席し、啓史らしい言葉でお
 祝いの挨拶をしたかっただろうと思うと、今更ながら残念な思いが募ります。そんなことを考え
 ると胸がつまって涙を禁じえません。

  私たちは、今は何も言えなくなってしまった啓史共々、お二人が幸せこの上ない人生を歩まれ
 ることをひたすら祈念するばかりです。


 ● 5月12日(日曜日)●

     伊勢丹近くで昼食、「ビックロ」で買い物。

  朝、『新社会』の配達をしました。昼食事に新宿駅方面に出かけ、食事をしたあと、ビックロ
 に寄ってズボン類とシャツ類などの買い物をしました。衣類を複数買うことは、これまでは全く
 といっていいほどなかったことですが、値段が安いこともあり、6点程も買ってしまいました。
 折角買っても、これまでは着用しないので家族からは批判されてきましたが、今日の買い物はど
 うなるか。
  とにかくお客で一杯でした。若い人たちが大半ですが、私と同類の年配の人も珍しくない状態
 でした。店に流れていた宣伝文句によると「ビックロ」は、「新宿の新名所」なのだそうです。

  夕方、啓史の親しい友人が家に訪ねてきてくれました。これまで何度も何度も来ていただいて
 いる方です。一時間ほど雑談を交わしましたが、とてもホットするひとときでした。


 ● 5月11日(土曜日)●

     「社交辞令」を大幅に差し引いたにしても~


  40年も前から今の時期に「産直活動」を続けてきましたが、今年も対象者を絞って実施しま
 した。品物が届いたので、今日、注文をいただいていたところを配って歩きました。
  生憎の雨模様ですが、次男夫妻が車持参で手伝ったくれたので大いに助かりました。40軒程
 を訪問しましたが、みんな昔からの親しい間柄なので、何処でも啓史の事が話題になりました。
 「社交辞令」の分を大幅に割り引いて考えたとしても、随分に皆さんから期待されていたことが
 分りました。
  私にとっては、啓史が皆さんからこの様に好意的に受け止められていたは何よりも嬉しいこと
 ですが、それだけに一層悲しい思いをすることにもなりました


 ● 5月5日(日曜日)●

    ようやく馬琴と茂吉の終焉の地が新宿区の史跡に。

  新宿区は、3月27日に「滝沢馬琴終焉の地」と「斎藤茂吉終焉の地」の史跡を文化財に指定
 しました。このニュースは今日発行された新宿区の「広報しんじゅく」に掲載されています。
  滝沢馬琴と斎藤茂吉の「終焉の地」を新宿区の文化財として指定する事については、今から2
 0年位前から、私が繰り返し、議会で主張していたことです。全く遅々として進展しませんでし
 たが、今回、ようやく指定されることになりました。大変結構なことだと喜んでいますが、それ
 にしても新宿区の貴重な文化財(史跡)についての価値観はどうなっているのでしょうか。こん
 なに重要な「新宿区の財産」を、なぜ、何度何度も指摘されながら今まで長い間指定しなかった
 のか、区の感度の悪さには呆れるくらいです。新宿区は進んだ文化行政を行っている一方で、随
 分感覚の鈍いところもあるのです。もっともっと文化的な事物に対する価値を大切にする自治体
 であって欲しいものだと思っています。

  区のホームページでは、この二件の文化財について次のように紹介しています。

 ●  「滝沢馬琴終焉の地」(新宿区霞ヶ丘町14-1)  

  この地は、江戸時代後期の戯作者である滝沢馬琴(1767~1848)が天保7年(183
 6)11月10日から嘉永元年(1847)11月6日に死去するまで、約12年間を過ごした
 場所です。
  馬琴は、明和4年(1767)、江戸深川で旗本松平信成の用人の子として生まれ、寛政2年
 (1790)山東京伝に入門し黄表紙作家となり、後に読本作家となりました。生涯を通して、
 わが国最大の長編小説『南総里見八犬伝』をはじめ、代表作『椿説弓張月』など多くの作品を残
 しています。
  天保6年(1835)嫡男宗伯が病死すると、孫の太郎のために、翌年7月に四谷組同心の株
 を買い取り、神田同朋町の屋敷から四谷信濃町の四谷組同心屋敷へ移転しました。購入には、旧
 宅と蔵書700余部の売却金を充てています。
  四谷に移転してからは、婿の清右衛門、妹、妻の百が相次いで亡くなる不幸に見舞われました。
 自身も『南総里見八犬伝』の執筆中に目を患い、失明に近い状態のなか、故宗伯の嫁の路に口述
 筆記させ、天保13年8月に『南総里見八犬伝』を完成しました。
  馬琴が最晩年を過ごした当地は、江戸時代後期の代表的戯作者の終焉の地として、また『南総
 里見八犬伝』の完成した場所として記念すべき地です。

 ●  「斎藤茂吉終焉の地」(新宿区大京町22番地)  

  この地は、歌人・精神科医斎藤茂吉(1882~1953)が昭和25年(1950)から昭和
 28年(1953)に亡くなるまで過ごした場所です。
  山形県南村山郡金瓶村(現上山市)の農家の三男として生まれた茂吉は、14歳で上京し浅草
 区東三筋町(現台東区)の浅草医院(後の養父斎藤紀一が開設)に寄寓し、開成尋常中学校、第
 一高等学校に学びました。明治37年(1904)より作歌をはじめ、翌年には斎藤家に入籍す
 るとともに、東京帝国大学医科大学に入学しました。卒業後は精神科医として、長崎赴任や欧州
 留学を経験、帰国後は青山脳病院の再建に奔走し、院長として経営にあたりました。歌人として
 は、『アララギ』の創刊に参加、その後歌集を数多く発表しています。
  大京町転居後は、最晩年で体調も優れませんでしたが、作歌を続け二冊の歌集『石泉』『霜』
 を刊行し、昭和26年(1951)には文化勲章を受章しました。妻輝子・長男茂太(精神科医
 ・随筆家)・次男宗吉(小説家・北杜夫)ら、家族とともに最晩年を過ごした場所として、地域
 史や文学史上重要な史跡です。当時の家屋は昭和63年(1988)に解体されましたが、茂吉
 の書斎は部材保存され、故郷の山形県上山市の斎藤茂吉記念館内に復元展示されています。

  なお、今回以上の二件の他に「中井御霊神社の本殿・幣殿・拝殿」(新宿区中井二丁目29-
 16)と「柳田國男旧居跡」(新宿区市谷加賀町二丁目4-31)も指定されています。


 ● 5月3日(金曜日)●

   高まる改憲の声。そんなに「戦争する国」にしたいのか。

  今日は改憲の声が高まる中で迎えた憲法記念日です。改憲論者たちは「日本の憲法は公布以来
 67年もたつのに一度も改定されていない」「改定しにくい憲法だ」「外国の主要国では何度も
 変えられる」「変えやすくする必要がある」等と主張して、発議要件を「3分の2」から「2分
 の1」にすると叫んでいます。

  安倍首相が先頭に立って、こうした間違った主張を機会あるごとにしているのです。憲法は権
 力者を「規制」する法典ですが、規制される側がいうようなことではありません。

  そもそも、「外国の主要国」では、日本と同じかむしろ日本以上に改定が難しい「硬性憲法」
 を持っています。しかし、これらの国では必要があり、国民が賛同しているから改定されている
 のであって、「改定要件」の内容は問題ではありません。

  時々の政治の動きによって、小泉チルドレンで憲法が変えられ、小澤チルドレンでまた変えら
 れる、更に安倍チルドレンで~、などということになったのでは、最高法規である憲法の内容は
 毎日のように変わるスーパーの安売りのチラシと似たような状態になります。

  安倍首相は、こうしたことを充分に分りきっていながら、国民に向かっては、いまの日本の憲
 法は「改定しにくい憲法」「もっと国民意思で変えられる憲法」にしなければならないと繰り返
 しているのです。間違ったことでも百遍言いば国民は信じると思っているのでしょうか。衆愚政
 治の最たるものです。

  改憲論者たちの本当の狙いは憲法第9条ですが、世論調査では、50歳代から70歳代の男性
 に相対的に賛同者が多いということです。さっきのテレビでも、いかにも戦争の体験を持ってい
 そうな相当年配の人が、「日本は憲法9条を変えて軍隊を持たなければ一人前の国ではない」と
 いう趣旨の事を言っていたのには驚いてしまいましたが、こうした人はいるのです。

  こうした状態を見ると、改めて憲法の是非について、最終的に問われるのは私たち一人一人の
 国民だということを痛感します。


 ● 5月1日(水曜日)●

   夫婦揃ってスローモウションの生活を送っています。

  数日前から腰痛に悩まされています。一旦よくなりかけましたが、昨日から又痛み出し、緩慢
 な動作しか出来ない状態です。今日はメーデーですが、残念ながら参加も断念しました。メーデ
 ーには毎年出席しており、不参加の記憶は思い出せません。

  連れ合いは、3ヶ月ほど前の体調が悪かった時に深い咳をしたことが原因で背骨を骨折し、治
 療中です。順調に回復しているものと思っていましたが、数日前から又痛み出し、尋常ではない
 ので再検査したら、今日、その後もう一箇所骨折していることが分りました。

  今、我が家はこうした状態で、夫婦揃ってスローモウションの生活を送っています。連休後奈
 良に仏像を見に行く予定でしたが、不可能です。


  古くからの知り合いがなくなりました。長い間闘病生活を送っていました。いずれ、元気にな
 るものと期待していましたが、叶えませんでした。73歳でした。私も息子もずっと好感を抱い
 ていた大学の先輩です。伝統ある自転車クラブの監督や大学の講師も務めていました。
  今夜、近くの寺でお通夜が営まれたので夫婦でご焼香に行ってきました。残念なことです。


  ● 4月28日(日曜日)●

  沖縄の立場を無視し、政府が「主権回復」の式典開催へ。
   ヒロシマ・ナガサキの原爆投下日を終戦を早めたとして祝うようなもの。

  政府は今日、都内で「主権回復の日」の式典を開きます。日本は1945年(昭和20年)、
 第二次世界大戦の敗戦によって連合国軍総司令部(GHQ)の占領下に置かれ、「主権」をアメ
 リカに奪われました。そして1952年4月28日に発効したサンフランシスコ講和条約により、
 失われていた主権を回復します。今年はそれから61年目になります。

  「国家主権の回復を記念する式典」なのですから、一見喜ぶべき事のように思えます。しかし、
 全国でこの式典に反発する動きが起きています。

  ひとつは、沖縄県民の反発です。沖縄では4月28日は「屈辱の日」と呼ばれているのです。
 沖縄は講和条約発効後も奄美、小笠原とともに米軍の統治下に置かれました。米軍が沖縄に駐留
 し、県民の土地は接収され、基地は拡大しました。その強引な基地建設の模様は「銃剣とブルド
 ーザー」と呼ばれるほどでした。そして敗戦から27年を経た1972年、沖縄はようやく日本
 に返還されたのでした。

  しかし返還後も沖縄には在日米軍専用施設の7割以上が集中し、米兵による犯罪なども多発し
 ています。沖縄県民からすれば、主権は「回復」どころかずっと脅かされたままなのです。
  こうした情勢を踏まえ、仲井真弘多沖縄県知事は式典に出席せず、副知事を代理出席させるこ
 とにしました。当然の対応だと思います。ヒロシマ・ナガサキに原爆が投下された8月6日・9
 日を、終戦を早めたとして記念式典でお祝いするようなことが許されないのと同じです。

  問題の二つ目は、政府が天皇・皇后両陛下の式典出席を予定していることです。野党からは天
 皇の政治利用の側面があるとして、憲法違反を指摘する声も上がっています。マスコミの報道に
 よると、宮内庁幹部も内心では出席に消極的のようです。

 こうした反対論に対し、安倍首相は式典の意図を「日本の独立を認識する節目の日だ」と強調
 しています。しかし、いかにも説得力のない言い分です。沖縄は日本でないような理由付けです。

  今日はは各地で「反対集会」も開かれますが、このように日本全体がこぞって祝うことの出来な
 い「記念式典」を政府が主催して開催するのは間違っています。二度と行うべきではありません。


 ● 4月27日(木曜日)●

   連合メーデー。首相は出席拒否、社民党は招待されず。

  今日、連合が「メーデー」を開きましたが、驚いたことが二つありました。ひとつは、社民党
 がメーデー中央集会に招待されなかったことです。社民党は今までずっと来賓として参加してい
 ましたが、今年は「考え方が違う」という理由で不招待になったということです。
  もうひとつは、安倍首相に出席を要請したけれども断られたことです。

  連合は、「自民党とは考え方に共通性はあるけれども、社民党とはそれがない団体」のようで
 す。今の連合の実態をよく表しているような気がします。こんなだらけた連合と「政策に共通性
 がない」と袖にされた社民党はむしろ喜んでいいことかもしれませんが、それにしても「労働者
 の総本山」はひどい考えになり下がってしまったものです。


  夜、家族三人で録画していたA・ヒッチコックの「サイコ」を観ました。1960年の作品で
 すが、その頃、見ていますから、50年余ぶりに再見ということになります。アンソニー・パー
 キンスのイメージは少々残っていますが、全く初めて見る感じでした。ヒッチコック監督の代表
 作だけあって楽しめました。


  ● 4月20日(土曜日)●

      桜ではなくミサイルを配備して、ご意見を聞いては。

  今日は新宿御苑で総理大臣主催の「桜を観る会」が開かれているということで私たちが住んで
 いマンションこの辺一帯は、参加する方々で大変な人だかりでした。
  聞くところによると全国から一万人くらいの方々が招待されているということです。朝、新宿
 駅方面に出かける際に新宿御苑脇を通りましたが、参加者は年配の方が大半です。
  お目当ての桜はとっくに散ってしまっているこんな薄ら寒いに、遠くから参加する方も大変だ
 ろうなあと思ってしまいました。

  そういえば、数日前まで北朝鮮の「ミサイル発射」がマスコミをにぎわしていましたが、防衛
 省はこれを迎撃するための「パック3・ミサイル」の配備をこの新宿御苑内に考えいるというの
 でから呆れてしまいます。一層のこと、招待客の一万人の方々に散ってしまった「桜」ではなく
 「迎撃ミサイル」を観ていただき、新宿御苑のような国民公園にこうした武器を配備することが
 適切かどうかご意見でも承った方がいいのではないかと思います。


 ● 4月18日(木曜日)●

    憲法を「戦争する国」に変えさせてはならない。

  憲法第9条を変えるために、まず96条を改めようとする動きが強まっています。すなわち、
 憲法「改正」発議を3分の2から過半数へ引き下げることを可能にする憲法96条を改めようと
 する策動です。自民党や維新の会が執念を燃やしています。自民党の改憲志向は昔からのことで
 すが、最近台頭してきた維新の会はそれ以上です。先日大会で決めた綱領には、現憲法を「絶対
 平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法」と位置づけています。信じが
 たい憲法認識です。こうした動きは、これ以上看過できません。

  こうした危機的な状況の中で、憲法を変えさせてはならないと思う有志の皆さんが「立憲フォ
 ーラム」を発足させることになりました。一人でも多くの皆さんが「立憲フォーラム」へ参加さ
 れることを、私からもをお願いいたします。

           ■「立憲フォーラム」設立総会  

     日時: 2013年4月25日(木)午後5時から。(約1時間半)  
     場所: 衆議院第二議員会館1階・多目的会議室(30分前から入館書配)  
             (地下鉄永田町駅・国会議事堂前駅下車)  
     記念講演: 武村正義・元官房長官(元さきがけ代表)
          藤井裕久・元財務大臣(民主党顧問)


  ● 4月13日(土曜日)●

   守口ゼミの教授・研究生が啓史の墓参に来てくれました。

  早稲田大学大学院(MBA)の「守口ゼミ」の皆さんが、守口剛教授を先頭に9人揃って啓史
 の墓参に来てくれました。(もう一人の留学生だった方は帰国したために欠席)。
  私たち両親はお寺の前で皆さんを迎え、簡単に説明しながら啓史と私たち両親の位牌がある場ヌユ
 所などを案内し、献花や焼香をして貰いました。

  その後、皆んなでお寺からそんなに遠くない料理店に移動し、二時間ほど飲食をしながら懇談
 しました。
  二年間、一緒に学んだ研究生のプロフィールやゼミの状況については、大まかには啓史から聞
 いていました。それぞれ日本を代表するような企業・団体で重要な役割を担いながら、主として
 夜間や休日・土曜日に難関といわれるMBAで研究を重ねてきた人たちばかりです。啓史はよく、
 先生は尊敬できるし、一緒に勉強しているゼミの研究生も素晴らしい逸材ばかりだとよく言って
 いました。

  私は今日初めてゆっくり皆さんと話をする機会を得ましたが、すぐに啓史の皆さんに対する評
 価が誇張でも何でもないことが分りました。それぞれ人間味に溢れ、ユーモアにも富んでいて、
 大変魅力的な人たちでした。啓史もこの2年間、皆さんとよく溶け込んで私たち両親は全く知ら
 ないさまざまな「武勇伝」もどきものも残してたようです。

   啓史の夭折は、私たちにとっては世界のどこにも比類する物など有りうる筈もない程悲しい出
 来事ですが、しかし、このことを神の摂理・配剤と受け止めざるを得ないとするならば、その凝
 縮された36年という人生の最後の大事な2年間に、今日、集ってくれたような人たちと母校で
 一緒に勉強することが出来、それぞれを充分に認め合いながら楽しい交流を重ね、切磋琢磨する
 機会を持てたことは、啓史にとってはとても大きな喜びであったのではないかと思っています。

  これは、啓史が私たち両親に残してくれた「遺産」と言っていいものなのかも知れません。
  今日のゼミの皆さんの「墓参」とその後の「懇談会」のひと時は、凝縮された時間でしたが、
 私たち両親にとっては、とても印象的で忘れることができない出来事になりました。


  尚、守口ゼミは、ホームページでは次のように紹介されています。

  「21世紀のマーケティング・マネジメントについて、理論と実践との有機的な関連を考慮し
 ながら研究をすすめています。今日では、市場の成熟化、グローバル化、情報技術の進展などの
 さまざまな要因によってマーケティング・マネジメントのあり方が大きく変化しています。この
 ため、本モジュールでは、マーケティングの基礎的理論を土台としながら、実務における先端的
 な事例や最新の理論を踏まえて研究をすすめていきます。隔年で10名前後の学生を受け入れて
 います。学生のキャリアも研究テーマもさまざまですが、互いに切磋琢磨することで充実した2
 年間を送り、その成果を実務の世界にフィードバックして欲しいと考えています」。


 ● 4月11日(木曜日)●

    4月28日は、沖縄にとっては「琉球処分の日」
      「主権回復の日」どころか「新たな苦難の始まりの日」に

  安倍首相は4月28日を「主権回復の日」として、国をあげて記念式典を実施しようとしてい
 ます。この日はアメリカなどの連合国の一部と敗戦国の日本が1951年に結んだ「サンフラン
 シスコ条約」が発効した日です。しかし条約発効と同時に、沖縄県をはじめ南西諸島は米国の施
 政権下におかれ、沖縄は1972年までアメリカによる占領状態が続きました。

  こうした歴史を見ると沖縄県にとって4月28日は、まさしく何度目かの「琉球処分の日」と
 いうことになります。沖縄に犠牲を強いることになったこうした日を、お祝いをするなどという
 「主権回復の記念式典」は絶対に行うべきではありません。

  かつて沖縄は平和な「琉球王国」でした。これを薩摩藩が併合、さらに廃藩置県を経た後、日
 本は皇民化政策で沖縄を支配してきました。アジア太平洋戦争では本土防衛の「捨て石」とされ、
 沖縄戦の犠牲者18万8千人のうち沖縄県出身者が実に12万2千人にものぼりました。
  戦後の沖縄は27年間「銃剣とブルドーザー」の米軍支配が続き、72年にようやく本土復帰
 を果たしましたが「本土並み返還」は真っ赤なうそでした。

  在日米軍基地の74%がいまだに沖縄に居座り、ベトナム戦争をはじめアジアへの侵略拠点に
 使われてきました。米軍・軍属の事件・事故も後を絶ちません。
  そして今、普天間基地に空飛ぶ欠陥機・オスプレイが配備され、辺野古新基地建設も強行され
 ようとしています。沖縄の軍事基地は縮小されるどころか、拡大・強化されているのです。サン
 フランシスコ条約で沖縄を切り捨てた4月28日は、「主権回復の日」どころか沖縄にとっては
 「屈辱の日」そのものなのです。

  沖縄県や過去の歴史にきちんと目を向ける人たちがこぞって反対している「主権回復記念式典」
 を、なぜ安倍内閣は強行するのでしょうか。
  それは自民党・安倍首相の改憲の決意と無関係ではありません。自民党は結党時から一貫して
 「改憲」を主張し、憲法は米国から「押し付けられた」との認識を持っています。
  2010年の自民党綱領改訂では「日本の主権を自らの努力により護り、国際的責務を果たし、
 一国平和主義観念論をとらない」とし、「憲法改正で日本らしい日本」を目指しています。

  「主権回復の日」を契機に「主権国家がいまだ憲法により軍隊や集団的自衛権がもてない」こ
 とを際立たせようとしているのです。式典は「天皇・皇后両陛下のご臨席の下、各界代表が参列」
 して行われようとしています。これは天皇の政治的利用に他なりません。昭和天皇のアジア太平
 洋戦争の責任を問わないまま、現天皇を「主権回復記念式典」に「臨席」させることは「天皇」
 の政治的利用と「天皇を元首」とする自民党の改憲案の動きと決して無関係ではありません。
  そもそも、4月28日で日本総体の主権が回復したなとどいう考えは、歴史をないがしろにし、
 過去の日本の現実に目を背ける一面的な認識に過ぎません。


  夜、四谷の事務所で党関係の会議がありました。会議そのものは短時間で終了したのでも何人
 かの人たちと近くの居酒屋で一杯やりました。
  朝鮮問題に取り組んでいる友人からは、いま「大問題」になっている北朝鮮のミサイル発射騒
 動についてレクチャーを受けました。
  この件について北朝鮮はこれまで何も発表していないのに、日本政府やマスコミは、今日にも
 ミサイルが発射されると予測して、朝から大騒ぎをしています。一体、どうなっているのでしょ
 うか? この問題と関連して、今日、韓国は北朝鮮に「対話」の呼びかけをしました。大事な動
 きです。こうした外交努力を、日本こそ率先して行わなければならないのに、安倍政権がやって
 いることはた単に国民に「恐怖心」を撒き散らし、一方的に非難しているだけです。


  ● 4月9日(火曜日)●

    権力を肩に、教育に口を挟み、歪める動きが顕著に。

  国会で教育基本法に関連する質疑がありました。国会中継で安倍首相や下村文部科学大臣は、
 教育基本法が改定されたにもかかわらず、今の教育は、日本という国に対して自信と誇りを持つ
 ような教え方がされていないと立腹した答弁をしています。

  大変な違和感を感じます。教育、特に歴史教育は、この国がたどってきた各分野の真実を学び、
 事実を検証して、そこから将来の社会のあり方を学び取るものだと思いますが、首相も担当大臣
 もそうは考えていないようです。権力者の価値観を押し付けようとする意図が顕著です。こうし
 た価値観の異常な偏屈者が教育に口を出すとろくなことがありません。権力者が教育をゆがめ、
 国の進路を誤った方向に誘導する愚行の例は、歴史が示す通り日本でも他の国でも一杯あります。
 「大した問題ではない」ではないとして無関心では済まされないことです。

  サッチャー首相が亡くなりました。強烈な印象を残した政治家の一人でした。レーガン米大統
 領と並んで新自由主義の権化のような存在でした。日本では中曽根政権の時代でしたが、国労が
 攻撃の対象になり、総評が弱体化し、社会党の勢力が急激に衰退していった時期です。

  この三人の政治家に共通していることは、政治が弱い立場にある人々の幸せに目をそらし「自
 己責任」を第一義とする方向に転換させるために旗振り役を果たした人たちだということです。
  サッチャーは、女性としての強い存在感を際立たせた点では出色の人物ですが、チャーチルな
 どとは違って政治史に置ける歴史的な評価という点では、「弱いものいじめの政治姿勢を、信念
 を曲げずに最後まで貫いた」というくらいの事しか私には思い浮かばず、決して尊敬できるよう
 な政治家ではありません。


  東京女子医大病院で定期健診を受けました。これまでずっと2ヶ月に一度の割合で血糖値や尿
 酸値、血圧の状況などをチェックしてもらっています。昨年11月に啓史が亡くなったあと、血
 圧が高くなってしまったので医者の指導で服薬していますが、最近は正常な範囲で落ち着いてき
 ました。ただ血糖値は上がり気味なので、担当医からは「飲食に気をつけなさい」「適度な運動
 を心がけなさい」と忠告されました。確かにここ2か月くらいは極度の花粉症のために、 ほとん
 ど外に出ないこともあって、本当に運動不足です。


 ● 4月8日(月曜日)●

   北朝鮮でミサイル発射の動き。日本は単に傍観視?

  北朝鮮がミサイル発射の動きを強めているようです。防衛大臣は「破壊命令」なるものを発す
 る一方で、迎撃ミサイルのパック3を市ヶ谷の防衛省に配備するようです。
  北朝鮮の一連の異常な威嚇報道などは全く理解に苦しみますが、しかし、この国だけが「悪者」
 で米国や韓国や日本が「正義」だというわけでもありません。
  米韓合同軍事演習と称して、明らかに北朝鮮を想定した実践さながらの「軍事行動」を自分た
 ちの国の周りでやられ、威嚇されているのですから、北朝鮮も被害者のようなものです。こんな
 ことをされたのでは尋常な状態ではいられません。ちょっとした弾みで悲劇が起こらないように
 願いたいものです。それにしてもこうした異常な状態の時に、日本の果たすべき役割のようなも
 のは、全く何にも無いものなのでしょうか。


  今日の夜は、定例になっている新社会党新宿総支部執行委員会です。四谷の事務所で開催し、
 月末に開く予定の定期大会などについて協議しました。


  ● 4月5日(金曜日)●

    「憲法は日本を孤立と軽蔑の対象に貶めた」。
      これが維新の会の綱領。あきれ返るばかり。

  日本維新の会が大会を開いて党綱領を決めました。信じがたい内容です。
  綱領では基本的に取り組む課題として第一番に次のようなことをあげています。

  「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶であ
 る占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる」。

  以下、7項目が列挙されていますが、「国家」の「統治機構」の強化が前面に出た中身です。
 この政党のことですから何が書かれていても驚いてはダメなのかもしれませんが、それにしても
 時代錯誤の認識です。

  いまの憲法によって日本が「日本の孤立と軽蔑の対象に貶(おとし)められた」というのです
 から、この政党の皆々様方は「少々お脳が足りないのではないか」と思ったりします。
  風変わりな個人が「珍説」を唱えることは時々ありますが、一定水準の人たちの集まりである
 はずの政党が、しかも全会一致でこうした綱領を決めるなどとは、開いた口がふさがりません。
「集団変人政党」なのでしょうか。

  この古色蒼然とした綱領についてはいろいろ人たちがあきれ返りながらもコメントを出してい
 ます。以下に引用する元外交官の天木直人氏のブログのごく一部です。

  「~それほど日本維新の会が公表した憲法観がひどいのだ。今一度読み直してみる。”日本を
 孤立と軽蔑の対象におとしめ、絶対平和という非現実的な共同幻想を押しつけた元凶である占領
 憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる”。これだ。こんな粗雑
 な言葉の並ぶ文章を党の政策綱領に掲げ続けるのである。そのことだけで恥をさらし続けるよう
 なものだ」。


 ● 4月2日(火曜日)●

   選挙にさえ勝てれば政党なんかどこでもいい、のか?


  驚きました。民主党政権で復興大臣を務めていた平野達男氏が離党届を出しました。理由がま
 た振るっています。この夏に行われる参議院選挙で、民主党で選挙をやったのではとても勝ち抜
 くことが出来ないので、無所属になり、自民党にも支援を要請するのだそうです。

  随分率直な方だとは思いますが、この人は何のために国会にいるのか不思議な気がします。似
 たような政党とはいっても、自民党と民主党では、政策の違いが少しくらいはあるはずです。有
 権者は、普通の考えるなら、自民党がイヤだから民主党の候補者を選んだのだと思います。
  ところが選ばれたこの人の場合は、選挙のためならば全く「手段を選ばず」で、どこでもいい
 ようです。すなわち「政策」などはそっちのけです。要するにうまく立ち回って、勝てばいいの
 です。有権者に対する公約などは、空念仏に過ぎません。選挙公約を信頼する有権者は、単なる
 浅はかな者なのです。こうした有権者にはその時々に適当なことを言ってればいいということで
 す。この人の真意は、実に明確です。

  最近、一部の政党を除いて、「軽薄な政治家」がウンカのように増えています。国政のみなら
 ずも地方議会も同じ傾向です。新宿区議会でも似たようなケースがあるようです。「高等な選挙
 戦術」のために、吊るしてある洋服でも選ぶようにあっちこっち渡り歩くヤカラにはウンザリし
 ます。


  夜、親しい知人のご子息の「お通夜」に参列しました。生憎の大雨ですが、多くの人たちが別
 れを惜しんでいました。昨日も記載しましたが、若干48歳でした。不慮のご逝去ですが、彼の
 無念とご両親のいたたまれない気持ちを思うと、改めて涙が流れ落ちました。


  ● 4月1日(月曜日)●

  知人の息子の訃報。親の気持ちを思うと言葉もありません。

  昨夜、親しい知人から電話があり、長男の亡くなったという知らせを受けました。48歳とい
 う若さでした。私が早朝、四ッ谷駅で演説をしていると勤めに向かう彼が通りかかり、いつも丁
 寧に挨拶をしてくれました。私が引退して啓史に代わってからも、全く同じように挨拶をして貰
 いました。いつも元気そうでした。その姿がはっきりと目頭に浮かびます。
  知人の話によると、突然の逝去だったということです。胸が詰まります。涙を禁じえません。
  彼の死を私たちの場合に置き換えて思い起こし、改めて人の命の無常を感じています。


  今日から新年度です。国でも自治体でも新しい予算が今日から執行されます。民主党から自民
 党に政権が移り、、経済の大本である日銀総裁も緩和路線の主唱者に代わりました。停滞状態か
 ら一歩抜け出そうとする気配は感じますが、まだその方向性は定かではありません。

  今日、日銀の「短観」が発表されましたが、予想よりも一ランク回復傾向が弱いということで、
 市場の受けは充分ではなく、東証は全面安状態に陥っています。景気回復の波は、輸出関連産業
 を筆頭に高まっているとしても中小零細企業などはまだまだ回復基調はなっていません。
  新年度が今日からスタート。これからどう展開することになるのか。


 ● 3月30日(土曜日)●

    力作ぞろい。句集『見返り峠』をいただきました。

  夕方、久しぶりに息子夫妻が来訪。嫁さんのお母さんが上梓した句集『見返り峠』を持ってき
 てくれました。まださっとだけしか見ていませんが、驚くほどの力作ぞろいです。
  これまでも何度か知り合いから句集やそれに類するものをいただいたことがありますが、率直
 に言って、それらの作品群を見ていて感じたことは、一応体裁は整っているとしても、心に響く
 ような作品に出会うのはごくごく稀にしかないということでした。
  しかし、今日いただいた句集「見返り峠」は違います。作者は長い句歴を持っているだけに言
 葉の選び方、使い方が絶妙です。私は全く素人なのでどのように表現して評価すればいいのかと
 んと分りませんが、いずれにしてもじっくりと鑑賞させて貰いたいと思っています。

  とりあえず印象に残った五句を紹介します。

        ・ 地吹雪にふつと消されし村一つ
        ・ 秋濤の削り足らざる岩を攻め
        ・ 涅槃図の馬の目頭より涙
        ・ 一燭に照らし出されて糸桜
        ・ 防人の見返り峠日脚伸ぶ


  ● 3月29日(金曜日)●

    今日は実質的な年度末。流した汗が報われる新年度に。

  今年は3月30・31日が土日なので、今日が実質的な年度末になります。昨年末に安倍政権
 が誕生して以来、円安傾向が進み、日経平均株価も着実に上がっています。いろいろな要因が重
 なり合ってこうした状態になっていますが、今後どうなるかは誰しも予測しがたいところがあり
 ます。働く者にとって、賃上げは最も重要な課題ですが、一部の大企業はとにかくとして、大半
 の中小零細企業はまだそうした状態ではありません。

  週が明けると新年度です。どのような「潮の流れ」になるか。
  少しでもマジメに働く者の流した汗が報われる状況になって欲しいものです。


 ● 3月28日(木曜日)●

    政治家の「病気情報」ほど信頼できないものはない。

  ここ4、5日、体調が不良です。花粉症に加え風邪気味の状態で微熱が続いています。何とも
 億劫な毎日を過ごしています。今日は家に閉じこもり玄関から一歩も外に出ていません。一昨日
 の夜には、新宿で友人と会って一杯やりましたが、楽しい時間帯にもかかわらずゾクゾクとして
 いました。

  病気といえば日本維新の会の石原慎太郎共同代表が脳梗塞だったことが明らかにされました。
  心配された後遺症などはなく、三男で自民党の宏高衆院議員は、「退院しました」と言ってい
 るようです。
  石原氏は昨年12月の衆院選で当選し、17年ぶりに国政復帰し、相変わらず反動的なことを
 言って元気なところを見せていました。今月初旬に入院したことが明らかになった際、維新の会
 幹部は「風邪をこじらせたため、大事を取った」と説明。ところが、退院予定とされていた今月
 中旬を過ぎても姿を見せず、出席するとされていた22日の衆院本会議にも現れなかったことか
 ら、重病説も一部で流れていました。

  しかし、政治家の「病気情報」ほどいい加減なものはありません。息子は「退院した」という
 のに、事務所では「入院中」と言っているそうです。入院中か退院したかは、余程頓珍漢な人で
 ない限り間違うようなことではありませんが、どちらかが「ウソ」をついているということです。
 ウソをつくということは、病気が軽くはないということの裏返しになりますが、これとてもよく
 分かりません。

  昔から「政治家の病気情報は疑ってかかれ」と言われていますが、最近は、病気だけではなく
 政治家の全ての言動が「病気情報」に限りなく似てきたような感じがします。


  ● 3月25日(月曜日)●

    「衆議院選挙は無効」、広島高裁で画期的な判決。

  ついに「衆議院選挙無効」の判決が出ました。最大2.43倍の「1票の格差」が是正されな
 いまま実施された昨年12月の衆院選をめぐる全国訴訟の判決で、今日、広島高裁(筏津順子裁
 判長)は、広島1、2区の選挙を無効とする判決を下しました。

  選挙無効の判決は戦後では初めてのことです。被告(政府ではなく広島県選挙管理委員会です)
 は上告すると思いますので、直ちに選挙が無効とはなりませんが、格差の抜本的な是正に乗り出
 さなかった国会に、司法が選挙のやり直しを命じる異例の事態となりました。

  これまで、同類の訴訟の判決は8件目になります。東京高裁、札幌高裁、仙台高裁、名古屋高
 裁金沢支部、高松高裁は、いずれも選挙は「違憲」、名古屋高裁、 福岡高裁は「違憲状態」 と
 いう判断です。ただ、これまでは全ての選挙無効の請求は棄却されており、認めたのは広島高裁
 が初めてです。

  いま、国会では選挙制度の改革が議論されていますが、自民党が公明党に随分配慮した内容に
 なっています。ゲリマンダーを思い起こし、何とも見苦しい感じがします。
  今の小選挙区制度では民意が切り捨てられます。全国統一の比例選挙が最も望ましいかもしれ
 ませんが、取りあえずは、少なくても以前のような中選挙区にすべきです。


  今日、甲子園のセンバツの二回戦で早稲田実業が平安高校に鮮やかな逆転勝ちをおさめ、次の
 戦いに歩を進めました。今年の早実はマスコミでも注目されていない地味なチームですが、この
 チームが勝つとセンバツそのものが大いに盛り上がります。斉藤投手以来の「優勝」を期待して
 います。


 ● 3月22日(金曜日)●

   税金使用の飲み食いと「調査研究」がどう結びつくのか。

  新聞の報道によると千代田区議会の2011年度の政務調査研究費で、三会派の所属区議に不
 適切な使用があるとして、区内の住民団体が返還請求を東京地裁に起こしたそうです。

  住民団体の指摘によると、飲食費やタクシー代の支払いなど、使用基準に違反している支出が
 あるにもかかわらず、是正されていないということです。以前、沖縄に行って視察をしている筈
 の公明党区議の目黒区が、都内でのタクシー料金を計上したことで問題になりましたが、指摘を
 されている千代田区議も常識的に考えて尋常ではないタクシー代を計上しているようです。

  飲食代の計上が非常に多い議員もいるようです。飲み食いが調査研究とどう結びつくのか、自
 費ではなく、税金を使って調査研究するようなものなのかどうか、理解に苦しみます。「飲み食
 いは自分の費用」ですることは当たり前です。

   私が在籍していた新宿区議会では、使用基準を明確に設け、議員倫理条例を作って厳格な支出
 に務めており、飲食代などへの支出はもちろん一切認められていません。これは厳しい対応とい
 うよりは当たり前のことをしているということです。それでも時々、ある会派などは監査委員か
 ら改善を指摘されたることがありました。

  いずれにしても区民が支払った税金を使わせて貰うわけですから、誰が見ても納得できるよう
 な使い方をしなければなりません。同時にまた代議員制の議会に所属する者としては、当たり前
 ですが、「費用対効果」を大前提にした支出でなければなりません。


  ● 3月20日(水曜日)●

   イラク戦争20周年、開戦理由の大量破壊兵器はどこに~。

  今日は、イラク戦争20周年に当たります。当時、アメリカはブッシュ大統領、イギリスはブ
 レア首相、日本は小泉首相でした。

  ブッシュは「ならず者のイラクは大量の破壊兵器を保有している」と断定し、ブレアと共に開
 戦に踏み切り、小泉は「大量破壊兵器」があることを前提に開戦を支持しました。
  悲惨な戦争で多くの市民が犠牲になりましたが、開戦の理由とされた「大量破壊兵器」は、そ
 の後も発見されませんでした。元々、そんなものはなかったというのが、今や歴史的な常識にな
 っています。

  ブッシュは何ら根拠のない虚偽の理由を振りかざして戦争を始め、小泉は、飼い猫のような態
 度でそれを支持したのでした。数え切れない犠牲者を山のように築くことになった「犯罪的な指
 導者たち」です。このような好戦的な為政者が、その後何にも責任を追及されずにのうのうと生
 きているのは不思議な気がします。

  チャップリンは、名作と評価が高い「殺人狂時代」の劇中で「一人殺せば殺人者、百万人殺せ
 ば英雄」と述べていますが、未曾有の犠牲者を生み出す原因を作りながら、あのブッシュとその
 追随者に対して、ぜひの審判が何もされないというのは、チャップリンの言葉とどこか共通する
 無常を感じます。「指導者たち」の許しがたい誤判断に拠って落命した人たちの無念を思うとい
 たたまれない気持ちになります。


  今日は「春分の日」。啓史が亡くなってから初めての彼岸なので、私も「墓参」に行って来ま
 した。すぐ近く東長寺です。寺には多くの参拝者が集まっていました。丁度、本堂では6人の僧
 侶による「彼岸会法要」の真っ最中だったので、私も末席にそっと参列しました。
  法要には、お参りに来ていた150人くらいの方々が出席していました。若い人もおりました
 が、大半は年配の女性の方々です。
  お坊さんたちによって延々と唱えられる単調なお経は全く意味不明ですが、お彼岸ですからき
 っと亡くなった人たちを優しく供養する有り難い読経であろうと勝手に思って、ずっと居残り、
 最後は皆さんと一緒になり、祭壇のはるか遠くに鎮座する仏像を啓史の仮の姿だと思って焼香し
 ました。


 ● 3月18日(月曜日)●

   不遜にも「啓史」の名前を語った電話がありました。

  4日ほど前の夕飯時ですが、「啓史」から電話がかかってきました。「本人」が言うには「扁
 桃腺で声がかれてしまった」「病院で診てもらった」「明日の朝、もう一度診察する」「病院の
 トイレに携帯を落としてしまった」「今、ドコモショップで修復中」「お父さんの携帯番号を知
 らせて~」等などのことでした。

   亡くなった息子の名前を僭称して悪事を働くなどとは、特に許しがたいことです。
  私は何とか捕まえてやろうと思い、バカらしい思いを抱きながらも出来る限り丁寧に話をあわ
 せ、健康に気につけることが第一番だなどと言いながら、向こうが何を言い出し、要求してくる
 のか興味を持ちながら応答していました。しかし、どうも明日の朝、「病院からに帰った後に電
 話をする」ための布石をしていたらしく、たわいない話を交わしただけで電話を切ることになり
 ました。

  翌朝、今か今かと電話を待っていましたが、連絡はありませんでした。私の「演技」が未熟だ
 ったために、彼らの「お客さん」になることが出来なかったようです。

  「啓史」や弟の「耕史」の名前を僭称したこうした電話が一年に何回かかかってくるので、い
 つも捕まえてやろうと思って対応しますが、今回は残念ながら第二段の電話がかかってくる可能
 性がなくなったようです。

  ~ということでまたも失敗してしまいました。残念な気持ちです。


● 3月17日(日曜日)●

     四谷出張所脇にあるコヒガンザクラが満開です。

  うっとおしい花粉が、連日猛威を振るっていますが、その一方で春の訪れを告げる花の便りが
 各地から寄せられています。今日、四谷特別出張所の脇に通ってビックリしましたが、友好都市
 の伊那市(旧高遠町)から新宿区に贈られ、この場所に植栽された「門外不出」のコヒガンザク
 ラはいまが満開で、多くの人が写真におさめていました。ピンク色でなんともいいようのない美
 しさです。いよいよ季節が代わり春本番になります。

  最近、新宿のツタヤで時々DVDを借りて評判が高かった映画を見ています。今日は「明日に
 向かって撃て」を見ました。

  最近借りた映画は、「第17捕虜収容所」「モダン・タイムス」「イヴの総て」「イージー・
 ライダー」「街の灯」「暴力脱獄」「カサブランカ」「めまい」「許されざる者」「断崖」「ア
 マデウス」「終着駅」「モロッコ」「情婦」などです。

  評価が高い映画でも、この程度の中身か、と思う作品もあります。製作された時代的な背景に
 よることがもありますし、私の「鑑賞力」が充分でないせいかも知れません。しかし、名作とい
 われて世間の評価が確立している作品はやはり優れています。
  まだまだ見たい映画がいっぱいありますので、徐々に鑑賞していきたいと思っています。

   予断ですが最後にあげた「情婦」は、アガサ・クリスティーの作品を映画化した優れた裁判映画で、
   元のタイトルは、 Witness for the Prosecution(検察側の証人)です。日本名のタイトルは、全然
   作品とは異質です。全く内容と無関係なこんなタイトルでは作品に対しても失礼千万にことです。


 ● 3月15日(金曜日)●

   東京の文化・魅力は「夜はカジノでシャンパンを飲む」

  もうすぐ新年度ですが、これに向けて今、全国の各自治体の議会では新年度予算案が審議され
 ています。新宿区議会でも22日の本会議で予算案が議決される予定になっています。

  都議会の予算委員会では先日、「ばくち関連の文化論議」(?)がとり交わされたようです。
  ある自民党の議員が「カジノを合法化し、積極的に誘致すべきだ」と訴えたのに対して、猪瀬
 知事は「せっかく世界各国からからお客さんが来たって、浅草寺に行ってそれでどこに行ってと
 いうのでは駄目だ。浅草寺でもいいんだけどね、それだけじゃ駄目。浅草寺に行って、夜はカジ
 ノに行ってそこでシャンパンを飲みながら楽しい会話がある。これが文化。これがまさに東京の
 都市の魅力を高める」と答弁したということです。また知事は「税収の増額や独自の財源確保に
 もつながる」とも答え、「法整備を、ぜひ国会議員に働き掛けて欲しい」と訴えたとも報じられ
 ています。

  この知事の認識は、東京の文化に親しみ魅力を感じて貰い、それを更に高めるのは「夜はカジ
 ノに行って、そこでシャンパンを飲み、楽しい会話をする」ことのようです。何とも「傾聴に値
 する高尚な文化論議」です。

  競馬・競輪やパチンコなど賭博性の高い娯楽は、自己責任で楽しめばいいことですから、カジ
 ノの是非についても何も目くじらを立てる必要もないかも知れませんが、導入の理由付けに都市
 の「文化」や「魅力・品格」などという最もらしいことを言われると、どうしてもこれは何じゃ
 ということになります。特にカジノは、映画の小道具などにはなるかもしれませんが、競馬や競
 輪と違って、「文化」とは無縁の言うなら単なる「ばくち」に過ぎません。

  東京には(その中でも新宿は最も多いわけですが)毎日沢山の外国人が訪れていますが、ばく
 ちが嫌いでアルコールを苦手とする旅行者にとっては、将来にわたって「東京の文化・東京の魅
 力」は関係のない無縁の他事になったのでは、知事やかの議員は論外として、決していいことで
 はありません。
  自治体がカジノなどを誘致する必要は全くないという立場で、きちんと論点整理をしておく必
 要がありそうです。


 ● 3月14日(木曜日)●

      ローマ法王と中国国家主席。選挙も色々です。

  新しいローマ法王が決まりました。新法王のご両親はイタリア人ですが、本人はアルゼンチン
 の出身です。南米出身では初の法王になります。「フランシスコ一世」と名乗るそうです。
  何となく軽妙に聞こえる「コンクラーベ」という投票で、大方の予想よりは早く266代目の
 新法王が誕生しましましたが、それでも投票は5回行われたようです。3分の2以上の票で決ま
 るまで延々と投票が繰り返されるという慣例になっています。

  もうひとつ。今日、北京で開かれていた日本の国会に当たる全国人民代表大会で中国の新しい
 国家主席が決まりました。習近平主席の誕生です。こちらも投票で選ばれましたが、習近平の得
 票は、賛成2952票、反対1票、棄権3票だったそうです。99,86%の賛成です。

  ローマ法王と中国国家主席の「選挙結果」を見ると、どちらが民意を反映している選挙かよく
 分かります。カトリック信者も中国の人口も何億人もいます。そうした母体の選挙では、「コン
 クラーベ」のように票が割れるのが当たり前であり、特定の人に9割以上も票が集中することは、
 普通の民主主義的な制度ではありえないことです。正当な選挙を阻害する何かが作用しているか
 らこうした結果になるという証左です。今日、地球の西と東で起こった対照的な人為です。


  明日から、連れ合いと共に気分転換をかねて暫くぶりに旅行に出かける予定でした。しかし、
 同行者の思わぬ「骨折」ために中止になってしまいました。恐怖の「花粉」から暫く逃れられる
 と期待していましたが、返す返すも残念な「骨折り」です。


 ● 3月13日(水曜日)●

   今日は春闘集中回答日。連合ではなく安倍政権が主導?

  今日は「春闘」の集中回答日です。相場の形成に大きな影響を与える大手の自動車・電機など
 の一時金では、満額回答が相次いでいます。

  マスコミは、安倍政権が経済界に異例の賃上げ要請をしたことが満額回答に影響を与えたと報
 じています。春闘の当事者が、連合ではなくて安倍政権のような報じ方です。そういえば、連合
 の何とかという議長(会長か頭取という名前だったかも知れません)が、ちょっとテレビに出て
 いましたが、誠にカゲが薄い存在です。闘いを忘れた今の連合の姿象徴しています。

  大手の大企業は円安・株高の影響で景気が上向きですが、問題は下請けの中小企業・零細企業
 の状態がどうかです。まだまだ景気向上の恩恵を受けてはおらず、これからどうなるかです。予
 測は難しいところです。中小零細企業が本当に好景気を実感し、働く人たちの労働条件の向上に
 跳ね返って初めて「今年の春闘は、マアー、好かった」ということになりますが、果たしてこれ
 からどうなるか?

  午後、用事があったので新宿駅近くまで歩いて行ってきました。ものすごい突風でした。顔の
 マスクが何度も風で飛ばされそうになりました。実際飛ばされていた人もいました。帽子は珍し
 くありませんが、マスクが飛ばされそうになるのはそんなにあることではありません。
  今日は全国的に強風が吹いているようです。春のあらしです。福岡では「開花」だそうです。


 ● 3月11日(月曜日)●

     東日本大震災・フクシマ原発人災事故から2年。

  思い出すと慄然とします。今日は、東日本大震災と福島原発事故から2年目になります。
  多くの人が犠牲になり、それに繋がる無数の方々は、いまだに心の癒えることのない生活を送
 っています。どう表現しても浅薄な感じがしますが、心から哀悼の意を表します。

  私たち家族は、昨年11月に最愛の息子を亡くしていますので、「人の命」には異常なほど敏感
 になっています。あの大震災・原発事故で、突然家族を失った人たちや避難を余儀なくされた人
 たちの気持ちに思いを馳せると、私は自分のことと重なり合って、最早、通常の気持ちでいるこ
 とは出来ません。

  しかし、こうした状態であるにもかかわらず、「原発は必要だ」という世論が日増し増えてい
 る感じです。「熱しやすく冷めやすい」という迎合主義的な日本人カタギがよく表れています。
 「原発は人類と共存できない」にもかかわらず、わずか5年か10年か先のささやかな利害に振
 り回されている施政者や経済界の姿は、見方によっては何とも滑稽な感じがします。


 ● 3月10日(日曜日)●

     娘の友だちが「墓参」に来てくれました。

  娘の友だちが啓史の墓参に来てくれました。フィンランドから帰ったばかりということです。
 お寺(東長寺)に行く前にちょっとだけ家に寄ってくれました。

  娘とは留学中にヘルシンキで知り合い、通っていた大学は違っていましたが、親しくさせて貰
 ったようです。彼女は、私も名前だけは知っているシベリュース音楽院で学んだピアニストです。
  音楽に関する話題は、私にとっては全く「未知の分野」のようなものなので、話を聞いている
 となるほどと思うことばかりで新鮮な感じがしました。話題が豊富で、音楽家らしくいかにも感
 性に富んでいて、実に快活なお嬢さんでした。


 ● 3月9日(土曜日)●

    花粉症でメガネ猿状態。脱原発大集会に不参加、残念。
   「啓史に期待、若くて器量がいい。弁も立つ」の記述を見つけました。

  今日の午後、明治公園で「脱原発集会」が開かれました。作家の大江健三郎さんなど9人が呼
 びかけた集まりです。一年半前の11年9月19日に同公園で開催された集会は、実に6万人が
 参加し、立錐の余地なしという状態でした。この集会には、私も区議会議員に当選したばかりの
 啓史や何人かの知り合いと一緒に参加しました。つい先日のことのように思われます。
  この日以来、私たちは啓史を先頭に立てて、毎週金曜日に一年間にわたって「脱原発の署名活
 動」を四谷三丁目の丸正総本店前で行い、実に多くの方々からご協力を頂き、大きな成果を挙げ
 ることができました。
  当然、私は今日の集会にも参加する予定でした。しかし、花粉症で両目がはれ上がり、メガネ
 猿のような状態で、いかにもみっともないし、外出もしたくなかったので止む無く参加は取りや
 めました。家で時々バソコンをいじっていましたが、偶然、後段で触れるような記述に出会いま した。

  「6月26日、山田啓史君の当選を祝い励ます会に参加。オヤジの固い支持者を継承し順調な
 スタ-トがきれたと思う。単なる2世議員でなく優れた資質を有している。本人の努力にもよる
 がいずれ我が党のリ-ダ-になれる。10年後にはトップリ-ダ-にしたい」。

  これは元中野区議会議員で長い間、新社会党東京都本部委員長を務めた友人の江原栄昭さんの
 ブログの一節です(11年6月26日の記載)。この江原さんのブログは以前見たことがありま
 すが、今日、これに呼応する形で書かれていたと思われる次のような記述を見つけました。

  「 ~将来は江原栄昭氏が推すように山田啓史区議にリーダーとなって欲しい。ただ10年後
 では遅い。まだ議員になったばかりでも、将来の柱として育てないと党がもたない。新社会党の
 イメージを払拭する若さと器量を有して、弁も立つ。本当に期待している」。

  私たちの全く知らない方です。そうした方が、一年数ヶ月前、当選直後にもかかわらず啓史の
 ことをこのように高く評価してくれていることには、率直にいって大変驚きました。

  暫くの間、花粉のうっとおしさも忘れてこの記述に見入っていました。じっと見入りながら、
 ごく短かい期間しか出来なかった啓史の各種の活動や死に至るまでの様々なことを思い浮かべて
 いました。無念な思いがつのり、涙を禁じえませんでした。


 ● 3月8日(金曜日)●

   あとどれくらい続く? うっとおしい「花粉の襲来」

  いよいよ本格的に「花粉襲来」の感じです。去年の数倍と報道されていましたが、これほどひ
 どいとは思いませんでした。病院で一杯貰ってきた飲み薬や目薬・鼻吸入剤が効いているのか効
 いていないのか、全くわからない状態です。帽子・マスク・メガネの重装備でも効果があるのか
 不明です。ちょっとした外出も苦痛です。

  夜、新宿で何人かの人たちと国政や自治体の課題について意見交換をしました。参議院選挙も
 近づいていますが、国政の勢力分布は今や「改憲議員一色」です。こうした中にあっても護憲勢
 力はまとまりを欠いているのですから、どうしようもない状態です。


 ● 3月6日(水曜日)●

   「窃盗にも理由はある。罪は免んじてやろう」の判決。
     東京高裁、一票の格差は違憲。選挙結果は有効。

  昨年末の衆議院選挙について、一票の格差の是非が問われていた東京高裁の判決が出ました。
 私たちの選挙区の東京一区での選挙の有効性が問われた裁判です。

  今度はある程度想像していましたが、「選挙は違憲」という判断です。しかし、判決では、選
 挙は「違憲」だけれども「有効」だということです。食物を盗んだ泥棒に対して、「物を盗んだ
 ことは罰せられなければならないが、食べなければ死んでしまうから、窃盗の罪は問わないこと
 にしよう」ということです。
  なかなか理解に苦しむ判決ですが、こうした判断はを「事情判決」というのだそうです。選挙
 を無効にすると国政が混乱するからという「温情」のようです。

  しかし、こうした「温情」が、国政の速やかな対応を遅らせ、現状のような緊迫感のないおし
 ゃべりの場にしていることも事実であり、本当に残念なことです。
  国会では、これから「違法」な選挙で選ばれた議員先生方が「法律」を作ることになるのです
 が、誠に奇妙な「国政の最高機関」の風景です。こうした違法議員が制定した法律は、そもそも
 有効性があるのでしょうか。


 ● 3月5日(火曜日)●

     色とりどりの花々をどっさりといただきました。

  連れ合いの知人から、驚くほどの切花がどっさりと送られてきました。幾種類もの春先らしい
 色々とりどりの花々です。花屋さんが商売のために仕入れたような状態です。とても自分の家だ
 けで飾りきれるような数ではなかったので、幾つかに小分けして何人かに差し上げました。

  生憎、連れ合いは、信じがたいことが原因で「骨折中」で療養に専念していますので、代わり
 に私が花粉(今日は「大変多い」)が飛び交う中を、帽子・マスク姿で涙と鼻水を流しながら花
 を配って歩きました。長い人生でいろいろなことを経験してきましたが、「花配り」は初めての
 ことです。

  今日は驚いたことに、もうひとつの花をいただきました。こちらは薄いブルーの花びらが美し
 い「胡蝶蘭」です。初めて見る花模様であり、色具合です。

  今日いただいたこれらの花々は、早速、啓史の遺影の前に飾ってやりました。たまたま啓史の
 大学時代の友人から、心温まるメールと二葉の写真も送っていただいたので、プリントしてそれ
 も一緒に飾ってやりました。何人もの方にお心遣いをいただきまして本当に有り難いと思ってい
 ます。

  つい最近自分に関係して自覚している言葉があります。「月命日」です。今日は11月5日に
 亡くなった啓史の4回目の「月命日」に当たります。月日の流れは早いものです。


 ● 3月2日~3日(土・日曜日)●

    「山田敏行を励ます会」。一泊で鬼怒川温泉へ。

  突然のことでしたが、これまずっと懇意にしてきた友人たちが私を「励ます会」を開いてくれ
 ました。参加者は7人。お昼前に東武線の浅草駅に集合し、鬼怒川温泉の「花の宿・松や」へ。

  この老舗の旅館は、幹事の役を担ってくれた友人がいつも利用している宿らしく、「名物」の
 オカミさんを先頭に揃って私たち一行を出迎え、下にも置かないもてなしで接待してくれたこと
 には驚きました。オカミさんは「鬼怒川温泉オカミの会・会長」としてこの一帯では有名だとい
 うことですが、それよりも驚いたのは「人形の収集家」「竹下夢二の収集家」としても名を馳せ、
 旅館のすぐ隣には世界各国で収集した「人形記念館」、別の場所には「竹下夢二記念館」を開設
 していることです。

  私たちは早速、「人形記念館」を見物しましたが、素晴らしい作品が所狭しと陳列されていま
 した。時節柄、お雛さんも飾られていました。

  夕食の際には、皆んなで啓史に黙祷した後、何人かで考え、作成したという「感謝状」をいた
 だき、更に「記念品の目録」まで頂戴しました。手作りの感謝状でした。見栄えは立派だけれど
 も形式的で無味乾燥な感謝状とは比較にならない程の心根がこもっています。記念品は珍しい青
 森醸造のお酒のようです。
  私は形ばかりの謝辞を述べしたが、皆さんの心遣いに涙が出ました。その後は、酒を飲み交わ
 し、美味しい食事をしながら気兼ねなく談笑し、心温まるひと時を過ごしました。とても励まさ
 れました。


 ● 2月27日(水曜日)●

     「同じときに生まれてきてくれてありがとう!」

  今日は色々な方からメールや手紙・はがき・電話をいただきました。
  私と連れ合いにとっては、それぞれの方からの書面やお話しは、深く心髄に触れるものばかり
 で、大きな励ましになると共に、有形無形の心の支えになります。

  今日いただいた中から、一人の方からのメールを紹介したいと思います。ニューヨークに住ん
 でいる小林夏矢子ちゃんからのものです。啓史とは区立四谷第六小学校の同級生ですが、それよ
 りもずっと前から一緒です。生まれてまもなく一緒に入園した二葉南元保育園時代から、二人は
 おもらしたオムツをつけたまま遊びまわっていた文字通り「生来の仲間」です。
  メールは次のようなものです。

   お手紙を今日、頂きました。読んで、また涙が止まりませんでした。ゼロ歳から、ずっと
  一緒だったけいちゃん。実の妹よりも長い間「兄弟」だったけいちゃん。

    普通なら、お互い歩んだ道も違うし、国も文化も異なった場所にいるから仲が悪くなって
  も不思議じゃないのに、30歳を過ぎても国際電話や電子メールを通して、ジョークで笑っ
  たり、一緒に選挙プランを立てたり、帰国の際には食事で再会!と、昔からのペースで、遠
  くにいてもとても身近な存在だったけいちゃん。

   もう本当に会えないのかと、これからの未来は彼と一緒に笑う時間がないのかと思うと、
  涙が止まりません。「俺もマジで忙しくなくなったらニューヨークへ遊びに行く!」と言っ
  ていたのに~。 あの独特な笑い声がこだまして、本当に悲しくて言葉がでません。

   でも・・・ こうして彼の短かった人生に、ゼロ歳の時から手を繋いで、笑って、歌って、
  喧嘩して、遠くにいてもなぜか一緒いれた事を、けいちゃんに出会えた事を、とても嬉しく
  思っています。

   けいちゃんがいなかったら違う私がいるかもしれないから~。 けいちゃん、同じ時に生
  まれてきてくれてありがとう。おじちゃんとおばちゃん、最初のお友達を作ってくれてあり
  がとう。感謝します。

   そういう事を言うと、けいちゃんは又「やっぱり!俺ってすっげえ人気者!」とか言って
  眉毛をピクピクやりかねないのであまり悲しまないで笑って人生やっていこうと思っていま
  す。おじちゃんもそうして下さいね。悲しんでるおじちゃん、おばちゃんを見るのが一番辛
  いのは多分、けいちゃんだと思うので~。

  夏矢ちゃんは新進気鋭のデザイナーですが、啓史が選挙に出ると決まり、ポスターを作ること
 になった時に、何種類かの原案を作成して送ってくれました。啓史はその原案を元に事前ポスタ
 ーや本番ポスターを作りましたが、選挙ポスターらしくない垢抜けた作品で地域の方々からもと
 ても好評でした。貼ってあったポスターが、明らかに「盗まれた」と思えることも何度もありま
 した。私自身、大好きなポスターでした。
 
 夏矢ちゃんは、11月25日に開催された啓史の「お別れの会」の際には、多忙な中をわざわ
 ざニューヨークから駆けつけてくれて、彼女らしい「惜別の挨拶」をしてくれました。


 ● 2月26日(火曜日)●

    長靴の国の動きが、世界を雨模様にしています。

  イタリアで行われた国政選挙で、「反緊縮勢力」が伸長したことを受けて、世界各国の株価が
 一斉に下落、日本でも日経平均株価が200円以上も下がり、円安から円高に反転しました。
  日本から遥か遠くのイタリアの選挙で、即座に日本経済にこのような影響が出るという現実に、
 あらためためて驚かされます。世界の経済が密接不可分に結びついていることの現れですが、イ
 タリアの選挙は、イタリア国民だけの選択であり、その結果によっていかに他国が影響を受けよ
 うがコミットの仕様がないというのも現実ですから、何とも不可思議な世界になったものです。
  古くから言われてきた「世界連邦体制」でも作るしか地球上に生きる世界市民としての権利の
 発揚の場はなくなっているのかもしれません。

  今週の土、日曜日に旧知の人たちが意気消沈している私を励ますということで、一泊旅行に連
 れて行ってくれることになっています。場所は鬼怒川温泉。私はよく分かりませんが宿泊するの
 は著名な旅館のようです。先日、日光一帯で「震度5強」の強い地震があり、その後、鬼怒川温
 泉でも余震が続いているようですが、幹事の方が先方と連絡を取り合ったところ、余程のことが
 ない限り安全だということです。従って、旅行は当初の予定通り実施することになったというこ
 となので楽しみにしていますが、何となく皆さんに申し訳ない気持ちになっています。


 ● 2月24日(日曜日)●

    青森地方は大雪。酸ヶ湯温泉は550センチの積雪。

  大変な寒波襲来で故郷の青森県内一帯は未曾有の暴風に見舞われ、ずっと大雪が降り続いてい
 ます。県内全域に大雪、風雪、雷、低温の各注意報が発令され、最大瞬間風速は日本海側の深浦
 29・1メートルを記録、積雪は八甲田山録の酸ケ湯温泉で550センチにもなり、これまで国
 内にある観測地点の中で最深値を更新しています。私の生まれた日本海側の津軽地方も兄が住ん
 でいる太平洋側の八戸市も、風・雪・寒さで大変のようです。

  午後、啓史の友人がひっこり訪ねて来てくれました。家に来る前に先日納骨した東長寺にも行
 き、啓史の位牌の前に缶ビールを備えてきたと言っていました。もう何度もお出でいただいてい
 ますが、気さくな人でなかなかの好漢です。私たちと一時間ほど雑談をしました。


 ● 2月23日(土曜日)●

    手紙で皆さんにその後の「報告」をしています。

  私たちにとっては懸案だった啓史の「納骨」が終わったので、その後は今日までずっとお世話
 になった方にお礼の報告書を郵送しています。

  随分沢山の方から様々なご弔意をいただきました。一応、ノートに記録しているつもりですが、
 亡くなった当初、私たちは心身ともに全く不安定な状態だったので、その時の記録は不確実なと
 ころがあります。連絡漏れもあるような気がしますが、それでも今日までに約150人位の方々
 への郵送は終わりました。「お別れの会」にのみご参加いただいた方へのご連絡は、余りに多数
 に上るので、失礼させて貰いましたが、それを別にすれば、ほぼ終了だと思っています。

  それにしても、さまざまな形での「お供え」はもちろんのこと、手紙・はがき・FAX・メー
 ル・電話などを通して一人ひとりの皆様の温かい心情に触れることが出来ました。打ちひしがれ
 ていた私たちの何よりの支えになりました。本当にお礼の言葉もありません。

  今日もわざわざ旧知の方が来てくれました。啓史が生まれるずっと以前から何かとご交誼を頂
 いている方です。私はたまたま外出中だったのでお会いできませんでしたが、改めて、この何十
 年間に啓史だけでなく家族ぐるみでお世話になったことを思い出し、振り返りました。


 ● 2月22日(金曜日)●

    「原子力は人殺しだ!」 写真家樋口健二さんの講演会。

  夜、40年間にわたって原発と被爆の実態を追い続けてきた報道写真家の樋口健二さんの講演
 会に参加しました。今日のテーマは「原発被曝労働の実態」。会場は飯田駅近隣の集会室。

  講師の自称「売れない写真家・樋口健二」さんは、フクシマ以降、全国各地の講演でひっぱだ
 こだとのことです。今日は、これまで氏が撮った何枚もの生々しい写真をスクリーンに映し出し
 ながら話は進められました。「原子力は人殺し産業だ」と断言する樋口さん。気迫が満ち満ちた
 言葉でした。「労働者を被曝させ、命を切り取って原発は稼動されている」「会社は大もうけし
 ているが、犠牲になっている労働者はピンハネされ、その実態は隠されたままだ」などの発言に
 は、この写真家が歩んきた40年間の確信と原発に対するすさまじい怨念を感じました。

  講演会の参加者は約50人。もっと多くの人たちに聞いて貰いたかった話でした。

  午後、新社会党東京都本部で会議。今後の選挙活動などについて話し合いました。今年夏には
 参議院選挙が実施されますが、参議院で改憲勢力の議席をひとつでも減らし、第9条を初めとす
 る憲法を守り抜く議席を確保することが最大の政治課題になります。


 ● 2月21日(木曜日)●

   三人の死刑執行。改めて死刑制度の是非を考える。

  今日、三人の死刑が執行されたことが明らかにされました。いずれも残忍極まりない事件の首
 謀者が対象になったといわれています。

  前々から、死刑制度やその執行は当然という声がある一方で、死刑執行は国家による「殺人」
 であり、絶対に反対という主張も根強くあります。なかなか簡単には社会的な合意を見え出せる
 問題ではありませんが、私は死刑制度には反対です。その理由は、人の命はどのような理由があ
 るにしろ、国家機関を含めた他者が強制的に奪えるものではないからです。ましてや死刑の判断
 を下す裁判は「人の営為」であり、絶対的な真理を見え出せるものではないからです。

  これまでも死刑を含む判決の誤りや判決に対する疑問や不信は枚挙に暇がありません。判決は
 「人間のすること」ですから、こうした誤りは完全には回避し得ない「当たり前」です。

  神でない人間が、限られた判断材料の中で、人間の生命に関わる根本的な生殺与奪の権限を持
 つことは、元々あり得ないと私は思っています。


 ● 2月20日(水曜日)●

        「確定申告」、「花粉症」、「脱獄映画」。

  昨日作成した三人分の「確定申告書」を四谷税務署に提出しました。受付が始まったばかりな
 のでもっと混んでいるのかなぁと思っていましたが、数えるほどしか「お客さん」がいなかった
 ために提出はすぐに終了しました。

  昼は、新宿駅近くで旧知の人たち何人かと久しぶりに食事をとりました。今後の党活動や地域
 活動などについて意見交換をしました。
  帰りに紀伊国屋で新刊になった『仏教を歩くシリーズ』の二作目の『最澄』を購入しました。

  気象庁発表によると、花粉の飛散予報はいまのところまだ「少ない」という段階ですが、だん
 だん目や鼻に初期症状らしきものが出てきました。今年は例年よりも数倍多いということなので
 恐ろしい限りです。厚めのマスクを何枚か買って帰りました。

  夜、TSUTAYAで借りてきたビデオを見ました。前から一度見たかった「第17捕虜収容
 所」です。1953年のビリー・ワイダー監督の作品です。「大脱走」などと並んで脱獄映画の
 傑作と評されている映画ですが、評判通りとても面白い映画でした。

  最近、出来るだけ映画(DVD)を見るようにしています。ここ一ヶ月位の鑑賞作品。

  『天井桟敷の人々』『恐怖の報酬』『自転車泥棒』『切腹』『上意討ち』『裏窓』『波止場』
  『評決』『チャップリンの独裁者』『チャップリンの殺人狂時代』『飢餓海峡』『西部戦線異
  状なし』『真空地帯』『大地のうた』『ガス燈』など。


 ● 2月19日(火曜日)●

   確定申告書を作成。高額医療費制度について考える。

  「確定申告」の受付が始まっています。今日、私たち夫婦と啓史の三人分の申告書を作成しま
 した。明日、四谷税務署に持参します。

  啓史は年度途中で亡くなったので、普通の申告と違って、私たちが相続人になり、「準確定」
 という申告書を提出することになっています。死亡後4か月以内に申告することになっています
 が、啓史の場合は3月4日までが提出期限になります。

  私たち夫婦の場合は年金もたいした額ではなく、従って納めた所得税も少なかったので、確定
 申告によって還付される税金はごく僅かです。ただ、多額の所得税を納めた啓史の場合は、長い
 間の入院で支払った医療費が大変多額にのぼり、それだけに税法上の「医療費控除」も多かった
 ので、還付金も相当な額になりました。

  今日、改めて啓史の医療費を計算して驚きました。4か月余りにわたったその入院費用が大半
 ですが、年間医療費の総額が720万円余りになりました。このような高額になったのは「臍帯
 血移植」という特別な治療を行ったためです。ただ「高額医療費制度」の適用によって510万
 円余りが公的制度によって補填されたために、私たちの実際の負担額は210万円余りでした。

  今度、大変な恩恵を受けた「高額医療費制度」は、発足当初とは大分仕組みが変わりました。
  私も議会の中で度々この制度の改善について言及したことがありますが、旧制度では一度患者
 が医療費の全額を支払って、1、2か月後に還付される仕組みでした。従って、一時的とはいっ
 ても患者には大変な負担になっていました。

  今は改善され、公的補填分は当初より患者の負担額から除外されていますので、負担感が緩和
 されています。ただ、この制度の適用は「1ヶ月単位・同じ病院・同じ病気」が適用条件なので、
 より高度な医療を受けるために月の中途で転院したりすると、総額では「高額医療費制度」の該
 当の医療費になりながらも、「同じ病院」ではないために適用除外になります。

  より使いやすい制度にするために、更なる検討・改善が必要です。
  こうした社会保険制度・医療保険制度の改善は、是非、啓史にやって貰いたかったなぁという
 気持ちです。彼は、こうした制度の改革には関心を持ち、とても意欲的でした。


 ● 2月17日(日曜日)●

       初めての方が「弔問」に来てくれました。

  今日午後、啓史が「共同代表」を務めていたNPOの皆さんが、揃って東長寺に墓参に行って
 くれました。後で受け取ったメールによると、その後、渋谷に移動し、「偲ぶ会」を行ったとい
 うことでした。今日は娘の潤子も参加する予定でしたが、昨日から熱があり、体調が優れないの
 で、残念ながら欠席しました。(啓史がなくなる以前だったら、「それくらいの熱で休むやつが
 いるか!といいかねないところでしたが、私も健康こそがすべてに最高優先と心底思うようにな
 りました)。

  墓参に先立って、自宅に2人の方が「弔問」に来てくれました。そのうちの一人の方の名前は、
 私たちもずっと前から知っていましたが、お会いするのは今日が初めてです。(ずっと以前、大
 京町でお祭りが行われていた時に、啓史と共にたまたま私とすれ違って挨拶を交わしたことがあ
 るということなので、「厳密にいうと二度目になります」と言うことでしたが~)
  一時間程度の短い時間でしたが、いろいろな話が出来、私たちの知らないことも聞けて、本当
 に良かったと思っています。

  今日のNPOの「墓参」と「偲ぶ会」には、約20人程度が参加したようです。20歳後半か
 ら30歳前半の、皆んな優秀ないい仲間たちです。


 ● 2月15日(金曜日)●

     新宿区役所稲門会の新年会。冒頭、啓史に黙祷。

  新宿区役所・稲門会(早稲田大学出身者の団体)のちょっと遅めの新年会が歌舞伎町で開かれ
 たので出席しました。稲門会の皆さんは、啓史の「お別れの会」にも高橋会長を筆頭に沢山来て
 くれました。また、その時、生花(シクラメン)をいただきましたが、三ヶ月たった今も綺麗に
 咲いています。

  会の冒頭、啓史に対して黙祷をしていただきました。また、会長を初めいろいろな方に啓史に
 ついて触れていただきました。本当に嬉しいことでした。

  啓史は、議員になって日が浅いので確かこれまで2回だけしかこの会に出席していないと思い
 ますが、これからもずっと出て欲しかった「集まり」でした。
  皆さんに期待され、評価していただいてとても嬉しかった反面、今更のように残念な思いもつ
 のりました。複雑な思いが交錯した時間でした。


 ● 2月14日(木曜日)●

     憲法96条を改定する動きが具体的になっています。

  安倍政権が誕生し、経済・財政政策に関する面が脚光を浴びていますが、底流では看過できな
 い動きが進んでいます。その最たるものが憲法改悪に関連する問題です。
  憲法を改定するためには憲法96条の規定により、全国会議員の三分の二以上の議員による発
 議が必要です。安倍政権が誕生して以来、特にこの96条の三分の二条項を二分の一に変えよう
 する策動が進んでいるのです。

  新聞報道によると(新聞の4面の片隅に全く目立たないベタ記事で載っています)、日本維新
 の会とみんなの党が協議し、合意を急いで96条改定案を今国会に提案することで一致したいう
 ことです。もしこれが成立すると、憲法第9条も第25条も国会で単純多数を占めた勢力によっ
 ていとも簡単に変えられてしまうことになります。

  これは大変なことです。「景気が上き傾向で結構だ」とか「アベノミクスが成果を挙げつつあ
 る」とかと騒いでいるその底流では、国の仕組みを根本的に変えるための大変なことが現実にな
 るかもしれないという大きな動きがあるのです。大変な「政治情勢」になっています。細心の注
 意を払ってこの動きを監視しなければなりません。

  いよいよ憂鬱な「花粉症」の季節です。耳鼻科に行って一か月分の飲み薬と目薬、鼻用吸入剤
 を貰ってきました。今年は格段に飛散(悲惨?)の量が多いといわれていますが、いただいてき
 た薬用の効果は果たしてどの程度のものか?


 ● 2月13日(水曜日)●

     新宿で新春の集い。「核実験と朝鮮総連は関係ない」。

  夜、歌舞伎町の焼肉レストランで「朝鮮・日本友好親善新春のつどい」が開催されました。朝
 鮮総連新宿支部や商工会、女性同盟などが毎年、今の時期に開いている集まりです。
  新宿区の幹部職員や新宿区議会議員(日朝友好親善新宿区議団のメンバー)も多数参加してい
 つものように盛大でした。昨日、北朝鮮が地下核実験を強行した直後なので崔潤二・総連新宿支
 部委員長がどのような挨拶をするのか注目していましたが、冒頭、明確に「核実験は、朝鮮総連
 は全く無関係の出来事」と述べたので、少々ビックリしました。私の隣席に座っていた早稲田大
 学のある名誉教授も 「随分はっきり言ったなぁ」と驚いていました。
  集いの途中で、新旧区議会議員の一員として、私も一言挨拶をする機会がありました。旧知の
 何人かにも会いました。例年通りプロ歌手による朝鮮民謡なども披露され、焼肉も美味しく、楽
 しいひと時でした。


 ● 2月12日(火曜日)●

     北朝鮮が「地下核実験」。国際世論に敵対する暴挙。

  国際世論の大反対にも関わらず、今日、北朝鮮が三度目の「地下核実験」を強行しました。例
 によって北朝鮮のテレビは、絶叫しながら「世紀の偉業」をたたえています。国内統治手段や外
 交政策の一環とはいえ、時代に取り残された別世界のような感じがします。

  私たちはこれまで、全ての国の核実験に反対し、アメリカの「未臨界核実験」にも一貫して反
 対してきました。アメリカは、「未臨界核実験」は核爆発を起こさないからCTBT(包括的核
 実験禁止条約)に反しないと弁明していますが、同実験は、新たな核兵器開発を含め、核兵器の
 独占体制を維持・強化しようとするための核実験であり、核軍縮と核兵器廃絶をめざすことをう
 たっているCTBTの精神や国際世論の意向に反することは明らかだからです。

  私たちは、「非核都市宣言」をしている新宿区に対して、これまであらゆる核実験には区とし
 て反対するように要請し、新宿区は未臨界核実験を含めて反対の態度を明確にしてきました。今
 回も反対の意思を表明にする思いますが、このようなこれまでの新宿区の姿勢からしても北朝鮮
 の「暴挙」は本当に残念なことです。


  今日、連れ合いと一緒に東京女子医大で定期健診を受けました。最近は以前からおかしかった
 血糖値・尿酸に加えて血圧も正常でない数値になっていますので、気をつけなければならないと
 思っています。更に、これから暫くの間は「花粉症」に悩まされることになります。東京都は、
 今日、花粉が飛び始めたと発表しました。今年は膨大な花粉が飛散するとのことなので、今から
 うんざりし恐怖を感じています。

  夜、新社会党新宿総支部執行委員会が開催され、当面の活動について意見交換をしました。


 ● 2月10日(日曜日)●

    特大の胡蝶蘭は、各枝に幾つかの花を残しました。

  昨日、啓史の納骨が終わったので寂しい思いをしながらもほっとしていますが、今日は、遺骨
 を置いていたリビングの一角を整理しました。
 
 「お別れの会」の際にNPOの仲間の皆さんからいただいた特大の胡蝶蘭は、啓史の遺骨を包み
 込むようにして咲いていましたが、今まで各枝に幾つかの花を残して、私たちの願どおり最後ま
 で彼を見守ってくれました。
  大学院のゼミの仲間の皆さんや新宿区役所稲門会、友人たちや地域の知人の方々が供えてくれ
 たシクラメンや最近ご焼香に来てくれた方からいただいた幾つもの生花も、まだ色とりどりに一
 杯咲いています。

  これらの花々は、遺骨は寺に納めたのでいなくなりましたが、啓史の写真の囲りに引き続き飾
 らせていただきました。今日、出かけていた妹の潤子が何種類かのチョコレートを買ってきて啓
 史の写真の前に置いていました。


 ● 2月9日(土曜日)●

     啓史の「受戒と納骨」を行って貰いました。

     早いものです。亡くなってからもうすぐ100カ日になります。

  午後2時半から四谷四丁目にある東長寺で啓史の「受戒式」(受戒会)と「納骨式」をやって
 いただきました。出席した親族は、私たち両親と弟夫妻、妹、それに近所に住んでいる伯父夫妻
 といとこの8人、それに大学や職場、NPOなどの友人代表が7人です。ごく限られたですが、
 合わせて15人が参列しました。
  東長寺は道元が開いた曹洞宗の寺で、福井の永平寺と鶴見の総持寺が総本山です。

  今日のセレモニーに関しては、お寺と事前に話し合いをしました。そのひとつは戒名について
 です。私たちは無宗教なので「本名」で結構ですと辞退したのですが、寺院に納骨することは仏
 教徒になることなので、仏教徒としての名前が必要であり、戒名の授与は必須のことだといわれ
 たので、その通りにお願いしたという経緯がありました。

  今日、本堂で行われた「受戒」の儀式では、最初に僧侶から簡単な「受戒」についての説明を
 受けた後、お経が唱えられ、その読経の中を参会者全員で大きくて高い祭壇の上に置かれている
 啓史の霊前に向かって焼香しました。

  一連の儀式が終了した後、僧侶は啓史について、「直接会っていないけれども、これまで街な
 かでポスターなどをよく見る機会があった」「36歳の若さで落命したことは惜しみても余りあ
 る」「政治の道を志半ばで終えざるを得なかった啓史さんの無念を思い、残された者たちがしっ
 かりと彼の思いを引き継いで生きなければならない」といった趣旨の言葉がありました。

  私たちは、お寺には啓史がどのような経歴を持ち、どのような仕事に携わっていたかとか、ど
 ういう状態で亡くなったかなどは全然話してはしていませんでしたが、僧侶は、私や啓史のこと
 を知っていたようです。

  僧侶からの突然の「弔意」を私はとても嬉しい気持ち聞きました。心が締め付けられる感じで
 したがとても清々しい思いに陥り、どっと涙が出るのを禁じ得ませんでした。

   私たち両親は、いずれ啓史と同じくこの寺に納骨して貰うことにしたので、今日、啓史と共に
 一緒に「生前戒名」を付けてもらいました。事前の打ち合わせの際に、戒名に入れる文字の希望
 を問われたので、本名が推定できるようにしてほしいということで「山啓」「山敏」「山淑」を
 入れたものをお願いしていました。その際、寺の担当者の方は、「一字は入れられるけれども二
 字はどうかなあ」とか「山の字は岳の字になる場合がある」とか話していました。

  今日授けられた戒名は「真山啓道信士」(啓史)、「芳山淑心信女」(淑子)、「貞山敏政信士」
 (敏行)というものです。私たちの希望は幸い全部叶えられた戒名になりました。

  世間では、戒名は遺族が拠出するカネの額によってランクがあるといわれています。しかし、
 東長寺では全員が「信士」と「信女」に統一されていますので、すっきりしています。

  啓史が納骨された場所は、寺の地下一階にある「千手堂」というお堂です。地下二階にある別
 の堂屋とあわせるとこれまで1万人以上の方々から納骨の申し込みがあり、その数だけ位牌が並
 べられています。生存中の方々の位牌も随分沢山ありますが、亡くなった場合、位牌の裏側にそ
 れぞれの遺骨の一部が納められることになっています。今日から私たち夫婦も啓史の位牌と共に
 ここに仲間入りしました。

  全て終了した後、皆んなで新宿に移動し、伊勢丹前の「銀座アスター」で2時間余り会食し、
 懇談しました。改めて感じましたが、啓史の友人たちは実に好感が持てる人たちばかりです。


 ● 2月8日(金曜日)●

     明日は啓史の「納骨式」。何か寂しい気持ちです。


  啓史が亡くなってから3か月が過ぎました。明日、午後2時半から四谷四丁目の東長寺の共同
 墓苑に「納骨」をします。私の「ピックアップ」に書きましたが、この寺は、無宗教の方々の納
 骨を受け入れて、将来にわたって寺とのわずらわしい結びつきも全然ないので、啓史だけではな
 く私たち両親もいずれここに納骨して貰うことにしました。

  今夜、私たち両親と弟夫婦、妹の家族だけで「お別れの会」を行いました。夕食の直前にある
 方から「納骨」の前にもう一度行きたいと思っていたけれどもどうしても行くことが出来ないの
 で、代わりにお線香をあげておいて欲しいという電話があったので、早速、啓史の霊前にそのこ
 とを告げて焼香しました。

  いよいよ明日、啓次の「遺骨」ともお別れになるのかと思うと、今夜は何となくとても寂しい
 気持ちでいっぱいです。


 ● 2月6日(水曜日)●

      東京地方大雪の天気予報は、また大はずれ。

  今日は夜半から雪が降り、東京でも10センチになる予報でしたが、見事に外れて全く降りま
 せんでした。気象庁の予報は、1月14日に首都圏などを襲った大雪も予測できず、雪の予報の
 難しさが改めて浮き彫りになった形です。同庁には「大げさだった」「電車が遅れたのは気象庁
 のせいだ」などの苦情電話が6日だけで30本以上寄せられたそうです。

  近年の天気予報は、人工衛星が収集したデーターを基にして非常に科学的で説得力があり、信
 じざるを得ないように感じになりますが、今日のように全く綺麗に外れる状況を見ると、当然の
 ことかも知れませんが、「天気予報は天気の状況を判断するひとつの手段に過ぎなかった」とい
 うことが改めてよく分かります。

  天気予報は人力ではどうしようもない自然現象の予報ですが、人為的な事柄に対する予報(予
 測)は、精神的な要素も絡みますから、より一層難しくなります。従って、あんまり予報・予測
 ・見込み・見通し・推測の類には、気をもむことがないのかも知れません。


 ● 2月5日(火曜日)●

     東京は生活費負担が世界一。しかし,別の顔も ~。

  イギリスの経済誌「エコノミスト」の調査部門は、毎年実施している世界主要都市の生活費調
 査の最新版を発表しました。調査は、世界の約140都市で食料や衣料、家賃など160以上の
 製品やサービスの価格、すなわち「生活費負担」の程度を比較したものです。

  それによると、前回調査では最も生活費が高い都市として一位にランクされたスイスのチュー
 リヒは7位に下がり、2位だった東京が1位、2位には前回3位の大阪が入りました。
  デフレが続いているにもかかわらず、日本の大都市の生活費の高い実態が目立った結果になっ
 ています。3位はシドニー、4位はオスロ、5位はメルボルンです。
  上位20位には、アジアと豪州の11都市、欧州の8都市が入っていますが、不思議なことに
 ニューヨークなど北米の都市は入っていません。

  世界の大都市の中でも、東京での生活費負担がいかに大変かよく分かる調査ですが、こんなこ
 とばかりでなくいいこともあります。
  個人的なことですが今月初め、紙袋に入れて持っていた物をどこかに忘れてしてしまいました。
 家に帰る途中で気がつきましたが、一杯飲んでいたこともあり何処に忘れたのかどうしてもきち
 んと思い出すことができません。当日、寄った先の何カ所かに連絡を取ってみましたが、そこで
 はなかったようです。ある程度のお金も入っていたので、出てこないかも知れないと思っていま
 した。
  警察への「落し物」の届けもどうしようか迷っていて出さないままになっていましたが、何と
 昨日の昼、四谷警察署の落し物係から、「忘れ物」が届いているという連絡がありました。早速、
 警察に行きましたが、四日ぶりにお金を含めて全ての忘れ物を受け取ることが出来ました。もう
 ダメだろうと諦めていただけに本当にビックリしました。

  東京は、生活しにくい面もいろいろとありますが、落し物や忘れ物が、カネを含めて無事に返
 ってくるというそういう面も持っています。実に多面的な都市です。


 ● 2月4日(月曜日)●

      生半可な対応では何の解決にならない問題。

  ロンドン五輪代表を含む柔道女子の選手15人が、園田隆二監督などの暴力やパワーハラスメ
 ントを告発した問題が連日報道されています。今日、女子柔道の15人の選手の代理人を務める
 二人の弁護士が記者会見し、声明文を出した選手側は、辞任した園田監督だけでなく、全日本柔
 道連盟の指導体制の抜本的な改革を訴えていることを明らかにしました。

  私は、スポーツ団体の実態は全く分かりませんが、今回の選手たちの言い分はこれまでの実態
 を踏まえていると思うし、そうであるなら当然の主張だと思います。
  「愛のムチ」とか「気合を入れる」「根性をたたきなおす」などをよき文化のひとつとする風
 潮がある日本のスポーツ界の状況からして、指摘されているような暴力やパワーハラスメンは、
 柔道界だけではなく、多くのところでずっと続いてきただろうし、余程本気になって「根絶対策」
 を講じないと、これからも簡単にはなくならないだろうと思います。

  今回の問題でも、当初は監督に注意する程度のことで済まそうとしたところに全柔連の隠蔽体
 質がよくあられているし、全柔連の「解決策」を容認してことの収束を図ろうとしていたJOC
 の人権感覚も五十歩百歩です。生半可な対応策では根本的な解決には結びつきません。どんな場
 合でも「暴力は絶対にダメ」ということがが大前提になければ、学校でもその他の世界でも、暴
 力・体罰・パワハラなどの解消は不可能です。

  本来あってはならないこうしたことが、日本の有力なスポーツ団体でひきおこされ、JOCも
 まともな対応が出来ないようでは、「日本でオリンピックを!」などと主張する資格はありませ
 ん。


 ● 2月3日(日曜日)●

    2月はじめての日曜日。春の気配の神宮外苑を散歩。

  午前中、新社会党機関紙を何部か配達をし、帰りに神宮外苑を4キロほど散歩しました。今日
 は日曜日なので、いつものように多くの人たちが走ったり、歩いたりしていました。最近よく会
 いますが、両手にステッキのようなものを持ってゆっくりと散歩している高齢者の方も沢山いま
 した。

  午後、私の小学校時代の同級生が啓史のご焼香に来てくれました。私たちの同級生は関東近辺
 に7、8人おりますが、そのうちの一人で取手に住んでいる人の奥さんが先日、突然亡くなりま
 した。朝、彼は所要があって出かけ、夕方帰ってきたら、家の中で倒れていて亡くなっていたと
 いうことですから、全く突然の死です。私と同じようにその後、彼は傷心状態のようです。

  今日、ご焼香に来てくれた友人と相談し、そのうちに他の人にも呼びかけて、奥さんを失くし
 た彼と息子を失くした私の「激励会」を開こうということになりました。私に限っていうと自分
 で自分の激励会を開く一員になるということになりますが、久しぶりに会って歓談するのが大き
 な目的ですから、どっちでもかまったことではありません。


 ● 2月1日(金曜日)●

    新社会党新宿総支部の「新春のつどい」を開催。

  私が委員長を務めている新社会党新宿総支部の「新春のつどい」が開かれました。今年はちょ
 っと開催が遅くなりましたが、毎年、私たちが年初に開いている恒例の集まりです。
  今夜は、私たちの関係の別の集まりもあり、そちらに参加してもらっいる人もおりますので、
 例年よりは参加者は若干少なめですが、大体、いつもの顔ぶれが揃いました。
  何人かの人が挨拶をし、その後は、思い思いに歓談です。いつもの福引も行いました。
  夜8時半終了後は、これも例年通り、新宿駅近くの居酒屋で「二次会」。


 ● 1月31日(木曜日)●

    会議時間よりもいっぱい飲み会の時間の方が長い?

  今夜、会議があったので出席しました。新宿区政の課題や国政の動きなどについて意見交換を
 しました。皆んな知り合いばかりなので、率直に意見交換をしました。有意義でした。
  こうした会議の後は、近くでちょっと一杯飲むのが恒例になっていますが、今日も勿論そうな
 りました。結局、会議よりも一杯飲み会の時間の方が長くなったような感じになりました。

  明日から2月です。啓史の「納骨式」は、2月9日に実施しますが、一週間余り後に迫ってき
 ました。もうすぐです。
  亡くなって3か月近く過ぎて、私たちも随分落ち着いてきたので、最近は「焼香に行きたい」
 とご連絡を受けた方々には、ご面倒でもお出でいただいています。

  今日午後、事前にメールで約束をしていたある方がご焼香に来てくれました。これまで私たち
 が全然知らなかった方です。最も、彼の友人・知人の大半は、学校の同級生などをごく一部を除
 くと私たちの知らない人ばかりなので、全然驚くことでもありません。
  今日お出でいただいた方は、仕事の合間に来てくれたのだと思いますが、とても感じのいい方
 でした。納骨を前にして有り難いことだと思っています。


 ●1月30日(水曜日)●

   ビックリしました。新宿区内で4千年前の人骨発見!

  驚きました。新宿区内でおよそ4000年前の縄文時代の人骨が沢山見つかりました。テレビ
 でのニュースで放映されていますが、ビックリしました。

  貴重な人骨が見つかったのは、新宿区市谷加賀町二丁目のマンションの建設予定地で、工事前
 の去年11月から発掘調査を行っていたところ、土器と共に埋葬された少なくとも男女3体を含
 む11人分の人骨が発見されたということです。

  国立科学博物館が鑑定したところ、骨はおよそ4000年前の縄文時代中期から後期にかけて
 のもので、保存状態が極めてよく、男女の性別や、どのような暮らしをしていたかが分かるとい
 うことです。このうち出産を何度か経験したとみられる女性の頭蓋骨では、歯が均一にすり減っ
 ていて、当時の人は自分の歯を使って革をなめしていたためだということですが、どういうこと
 なのか、いまひとつ理解に苦しみます。

  調査した新宿区文化観光課の学芸員は「海から離れ貝塚もない新宿で縄文人の骨が見つかり驚
 いている。当時は縄文人にとって暮らしやすい、緑や水にあふれた場所だったのだろう」と話し
 ています。何となく古代のロマンを感じる話です。

  新宿区では今後、出土された人骨を国立科学博物館に移して修復作業を行い、長期間にわたっ
 骨が保存された要因などを検討するそうです。
  より詳細なことは、新宿区のホームページに掲載されていますのでご覧下さい。。


 ●1月29日(火曜日)●

     政府予算案発表。「弱い立場の者は、切捨ての対象」

  来年度の政府予算案が発表になりました。いかにも自民党政権らしい内容です。一口で言うな
 らば「人からコンクリートへ」。「弱いものは上手に切捨てる対象にする」です。
  公共事業費は、景気対策を理由にして大幅に増え、生活保護費は、低所得者との兼ね合いから
 バサッと切り下げになります。このことにすべてが象徴されている感じです。当然、借金は雪だ
 るま式に増えますが、そんなものは景気が回復すれば解消できるという論法ですから、随分、安
 易な姿勢です。これまでも、「失敗したなら政権を投げ出せばいい。そのツケは国民が負う」と
 いうことで一貫してきた政党ですから、「過去のよき歴史を引き継いでいる」といえます。

  税制制度の基本姿勢も明白で、弱い立場のものからは広く多く、逆に強い立場のものに対して
 は限りなく負担を軽くという考えです。
  消費税率引き上げの際の軽減税率の適用も、屁理屈がつけられて見送りになりました。一緒に
 超高額所得者の最高税率の適用も見送りですから、徹底しています。

  改めて感じますが、これが自民党政権の姿勢なのです。そうした点では、大変に「分かりやす
 い予算案」だといえます。


 ● 1月28日(月曜日)●

   通常国会開催。冒頭演説で経済政策の強化を力説。

  今日から通常国会が開催されました。安倍首相の「施政方針演説」をニュースで見ましたが、
 経済政策に最重点を置いたものでした。
  安倍首相が就任して一ヶ月。これまでのところは急速な円安傾向が続き、日経平均株価も一時
 は11、000円を超えて随分高くなっていることもあり、安倍政権に対する評価と期待はそれ
 相当に高まっています。これからもこの傾向が定着し、景気が好転すれば大変結構なことだと思
 います。ただ、そうなるかどうかは不明です。民主党政権が余りにもひどかったので、今の世論
 の受け止め方は政権が交代して良かったという雰囲気ですが、これから様々な反作用がどう出て
 くるのか注目していかなければなりません。

  今日の施政方針演説では、原発やTPP、憲法、集団自衛権などに関する見解表明はありませ
 んでした。そういう点では物足りない演説ですが、あえて政策的に見解が分かれている問題につ
 いての言及を避けた意図がうかがえます。この夏の参議院選挙を充分意識した姿勢が明白であり、
 この先の政治状況を考慮した発言であることがわかります。

  改築中の私たちのマンションですが、近所の人からの情報では、ようやく基礎部分の工事が始
 まってきたということです。建築現場のすぐ前に住んでいる方ですから、いやおうなく毎日、工
 事の進捗状況を「見させられている」立場になっています。
  マンションの完成は来年の2月末なので13ヶ月後ということになります。最近、実に綺麗な
 宣伝チラシが新聞によく入ってきます。このインターネットの画面でも盛んに宣伝していますが、
 とにかく無事に完成して欲しいものです。息子の不幸なこともあったので、ここから早く元の場
 所に移りたい気持ちでいっぱいです。


 ● 1月27日(日曜日)●

     ビデオ鑑賞で「周回遅れ状態」を取り返します。

  10代の終わりから20代前半の頃は、よく映画を見ていました。18歳で上京してからも下
 宿先の近く(現在の西早稲田交差点の南)に封切りの映画を程なくして上映する映画館があった
 ので、プログラムが変わるたびに見に行っていました。この時代のキネマ旬報の「ベストテン」
 はもちろんのこと、話題になった映画は、大体見ていたと思います。三部作の大長編の「人間の
 条件」などは、深夜映画館で徹夜で見たものでした。特に黒澤作品の大半は何度も見ています。

  しかし、20代後半で議員になってからは、ほとんど映画は見なくなりました。時間がないと
 いうわけではありませんが、映画を見る気持ちの余裕がなくなったからかもしれません。
  こうした状態で40年が経過しました。従って、この間の半世紀弱も間、話題の映画は、ごく
 ごく数本を除いは、ほとんど見ていません。

  以前から、退職したらビデオを借りてきて色々な映画を見て、「周回遅れの状態」を正さなけ
 ればならないと思っていました。何かして気分転換を図らなければならないということもあり、
 ようやく2、3週週間前から映画を見ようという心境にになってきました。

  ここ半月くらいの間に新宿東口のツタヤで借りてきて「幕末太陽伝」「切腹」「恐怖の報酬」
 「自転車泥棒」など何本か見ました。一昨日は「天井桟敷の人々」と「波止場」を借りてきまし
 た。「天井桟敷の人々」は、戦争中に作られ、戦後まもなく発表された伝説的な作品ですが、前
 々から見たいと思っていた映画です。第一部と第二部に分かれ3時間以上にもわたる長編です。
  今日、一緒に見ていた娘は、感性が合わないと言って第一部で早々と「退場」、テレビ前の最
 後までの観客は、私と連れ合いの二人だけでした。(元々の観客も3人だけですから何というこ
 とでもありませんが~)。

  このビデオは、今日が返済日だったので、夕方、ツタヤまで行って返却し、代わりに「上意討
 ち-拝領妻始末-」(小林正樹監督)と「タクシードライバー」(米・1976年公開)を借り
 てきました。いずれも極めて評価の高い映画であり、見るのを楽しみにしています。


 ● 1月26日(土曜日)●

     神宮外苑で、走る人、歩く人、たむろする人。

  神宮外苑をぐるっと取り囲む「外周道路」は、一周約1300メートルくらいの距離です。家
 から自転車で数分で行くことができますので、時々出かけます。

  歩いている人、走っている人、道端でぶらぶらしている人など色々です。日曜日にはサイクリ
 ング道路になります。道路の一角では、まだ自転車に乗れない子どもが乗車の練習をしています
 が、ボランティアの指導者のアドバイスで、運動神経のいい子どもは、あれよあれよと思ってい
 る間に乗れるようになってしまいます。

  私はいつも早足、大またで歩くようにしています。今日午前、歩いてきましたが、3周(約4
 キロ)し、ついでに銀杏並木を往復(約800m)してきました。5キロ程度の距離です。
  私は100メートルを一分弱で歩きますので、今日の運動時間は50分弱でした。

  土日曜日はいつも一杯の人たちがおります。今日も体育の授業の一環なのか近くの都立青山高
 校の生徒が沢山走っていました。慶応大学のジャージを着ていたグループも10人位固まって走
 っていたので、医学部の学生かも知れません。また、最近よく見る風景ですが、男女20人位の
 高齢者の一団が、両手にステッキのようなものを持って談笑しながら歩いていました。

  歩いていると時々、知り合いに会ったりします。ただ、こうした「運動の場所」で、色々と話
 をするのは相手の邪魔にもなりますから、出来るだけ帽子を深くかぶって気づかれないようにし
 ています。


 ● 1月25日(金曜日)●

    「センバツ」に早実が出場することになりました。

  第85回選抜高校野球大会は、3月22日から13日間の予定で甲子園球場で開催されますが、
 今日、選考委員会が開かれ、36校の出場が決定されました。

  東京代表のひとつとして早稲田実業学校が出場することになりました。4年ぶりだそうです。

  確か6年前のことになるでしょうか。センバツ大会における早実の斉藤祐樹投手の活躍は、ま
 だ多くの人たちの記憶に残っていることです。今回も是非、ひと暴れして好成績を残し、高校野
 球ファンを楽しませて欲しいものだと思っています。

  もう、随分昔のことになりますが、センバツ大会で、人気者だった荒木大輔投手が大活躍した
 ことがあります。この年以降、生まれた赤ちゃんの名前に「大輔」が多くを占めるに至ったこと
 でも彼の人気の度合いが分かります。

  この大会で準優勝した早実チームは、「応援お礼」の挨拶のために、新宿区役所・新宿区議会
 を揃って訪問しました。この頃、早実は早稲田大学隣の西早稲田にあったので、新宿区は確かに
 地元自治体だったのですが、早実はどちらかというと全国的に人気のあるチームであり、新宿区
 が地元だという意識は、区民にも選手たちにも余り無かったような気がします。

  ただ、この訪問は、早実ファンの私にとっては、とても嬉しいことでした。
  私たち議員は、甲子園で活躍し続け、テレビで見慣れていた選手たちと一緒に記念写真をとっ
 たものでした。写真はどこかにしまってありますから、探すと出てくるはずです。


 ●1月24日(木曜日)●

     今回の「人質事件」と憲法や集団自衛権問題。

  アルジェリアで「人質事件」の犠牲になった日揮や関連会社の社員10人の内、9人が明日朝、
 「帰国」をすることになりました。何人かの遺族の方は、テレビに登場し、インタビューに応え
 て無念な気持ちを述べていますが、何とも痛ましいことです。ご家族・ご遺族の気持ちは察する
 に余りあります。

  今回事件に巻き着込まれた日揮や関連会社の人たちに限らず、いま外国で働いている日本人は
 たくさんいます。そうした労働者の中には、治安が悪いためにその国の軍隊や警備隊に守られな
 がら仕事をしているケースも随分にあるようです。大変な労働環境です。

  ただ日本の場合は、「平和憲法のある国」「憲法第九条で戦争を放棄している国」ということ
 で、これまでは人質事件やテロ行為に巻き込まれなかった面があると言われていました。
  しかし、今回は残念ながらそうはなりませんでした。むしろ逆に、日本人が狙われたというよ
 うな報道もありますから驚きです。

  今回、外遊中の安倍首相は、日程を途中で切り上げて帰国し、事後対応の陣頭指揮を執ったよ
 うです。首相はマスコミなどに繰り返し「海外で働く人たちの安全対策を強化しなければならな
 い」と述べています。全くその通りだと思います。

  しかし、その安倍首相は、外国で働き、活動する人たちにとっても極めて由々しい事態の発生
 を助長しかねない考えを持っています。すなわち、集団自衛権の行使を合憲として自衛隊の「交
 戦権」を認め、更には、平和憲法をそのものを改悪するという考えです。

  戦争しない国として信頼されてきた日本が、「戦争する普通の国」になるということですから、
 これまでそれぞれの国や地域で築かれてきた信頼関係は一挙に崩れ去ることになります。

  自衛隊の交戦行動を容認するというのが安倍首相が繰り返す「安全対策の強化」だとするなら
 ば、それは根本的に間違っています。全く逆です。

  万が一にも、外国、とりわけ治安が悪い紛争地域で働く日本の人たちが信頼される大きな要因
 なってきた平和憲法そのものを変えることがあったとするならば、これからの日本の国際的な関
 係や活動の有り方を考える上でも極めて大変なことになります。そうしたことは絶対にあっては
 ならないことです。

  今回の事件は、こうしたことも考えさせる不幸な出来事でした。


 ●1月23日(水曜日)●

    早期退職者を批判するのは、日本人好みの精神論。

  埼玉県内で100人を超える教員が退職手当引き下げ前に「駆け込み退職」を希望していると
 いうことで問題になっています。佐賀県や徳島県等では教頭や学級担任を含む教員が既に「駆け
 込み退職」をしているようです。
  毎日新聞や朝日新聞によると、高知県など他の幾つもの自治体でも退職希望者がおり、教育委
 員会が対応に追われていると報道しています。

  こうした動きに対して、先生なら、受験を控え、もうすぐ卒業する子どもたちのために、受け
 取るカネが少々少なくなって最後まで奉仕する精神を持って勤め上げるのがスジであろう、とい
 う最もらしい批判が投げかけられています。こうした批判はいつもの事です。しかし、この種の
 精神論的な主張は、問題の本質を見失う危険性を持っています。

  少なからぬ自治体では、経費削減のために、一部の営利企業のようにカネを少し多めに与えて
 やるから定年前に早く辞めるようにいう勧奨が日常茶飯事に行われています。ところがこれに対
 する批判が、首長や議会やマスコミや市民から持ち上がってるでしょうか。私は過分にして聞い
 たことがありません。

  今回の「駆け込み退職」は、カネを多くするのではなく少なくするという逆のケースですが、
 労働者が自主的に自分の進退を選択するということでは、両者とも変わるところがありません。
  自治体が採用しているこうした「賃金政策」に対して、法律や条例の許す限りにおいて働く人
 たちが自分の信念に基づき、将来の家族の生活を守るために、最良の選択をして対応するという
 ことは、全く当たり前の事です。

  要するに、早期退職でもいいし、満期退職でもどっちでもいいのです。その人の選択の問題で
 あり、どちらも許されています。どっちを選択しても、精神論的、感情的に批判されるようなこ
 とではありません。「先生は別」だとか「警察官は別」などということは全くありません。先生
 も警察もその他の職業の人たちも、みんな同じ「一介の市民」です。

  新聞報道によると、地方自治の分野では著名な教授は「~自分の懐より、公務員として公共に
 奉仕する精神を最後まで全うして貰いたい」と批判していますが、このような精神論的な批判者
 は、矛先を先生や警察や職員に向けるのではなく、賃金内容を規定している条例を検討し、妥当
 性を欠くのならば、それを提案した首長や議決した議会こそ、まず批判の対象にすべきです。


 ●1月22日(火曜日)●

    降雪地域では「屋根の雪下ろし」が深刻な課題。

  東京では一週間前に8センチの「大雪」に見舞われました。今日も夜半から雪模様(予測では
 1センチ?)になりそうだということで、天気予報の番組では、朝から一日中大騒ぎ状態です。

  私のふるさとの津軽地方は、最近特に降雪が少なくなりましたが、それでも一冬に1メートル
 くらいの雪はしょっちゅうのようです。
  私が生まれた役所のHPには次のような記事が載せられています。この時期は、「屋根の雪下
 ろし」が日常的な課題になっており、高齢者家庭では深刻な問題になっています。屋根からの転
 落事故も発生しており、役所でも随分気を使っていることが分かります。1センチの予測で大騒
 ぎしている東京の雪は、ままごとのような感じがします。

  (青森県五所川原市のホームページから抜粋)

  ● 毎年、屋根の雪下ろしや除雪作業中の事故が相次いで発生しています。
    事故を防ぐためにも以下のことを守りましょう。

  ○ 除雪をするに当たって

  ・ 除雪を行う時は、2人以上で行う。
  ・ 緊急時に連絡できるよう携帯電話を持つ。
  ・ 動きやすい服装にする。
  ・ 屋根の落雪に注意する(新雪や晴れの日の雪のゆるみには特に注意)。
  ・ 融雪溝や水路へ転落しないよう注意する。
  ・ 除雪機を使用する際、雪詰まりはエンジンを切ってから処理する。
  ・ 疲労時は作業しない。

  ○ 屋根の除雪について

  ・ 安全帯・命綱、ヘルメット、滑りにくい靴を着用する。
  ・ 命綱は使う前によく点検する 。
   (長さの調整をしているか、屋根の反対側へ固定しているか、正しく結んでいるか、
    滑りにくいロープを使用しているかなど)。
  ・ 小回りのきくスノーダンプやアルミ製スコップ等を使う。
  ・ 滑らないよう厚さ20センチ程度の雪を残す。
   ・ 軒先の雪は最後に落とす。
  ・ はしごは必ず固定し、はしごから屋根への移動時は特に注意する。
  ・ 転落時に強打しないよう、建物の周りに雪を残しておく。


 ●1月21日(月曜日)●

     「国体は護持された。朕はたらふく~」 の感じ。
         生徒たちの主張の方がはるかにまともで正論。
            どうしようもない大阪の市長や教育委員たち。

  大阪市立桜宮高校の体罰による自殺事件をめぐって、橋下市長は体育科系の入試は認めないと
 発言し、これに対して教育委員会は、今日、4対1の多数決で市長のめちゃくちゃな主張を追認
 する決定をしました。驚くべき追随の動きです。
  橋下市長は「素晴らしい決定だ」と自画自賛していますが、こんなつまらないことを自分で褒
 めなければならない姿は、何かみすぼらし感じます。

  終戦後間もなくして開かれたある集会で、「国体は維持された。朕はたらふく食ってるぞ。汝
 ら人民、飢えて死ね」というプラカードが掲げられた写真がありますが、橋下の無理が通って満
 足げに微笑むサマは、この写真と二重写しに見えてきます。彼はこういっているようです。
  「オレの理不尽な主張は通った。満足だ。在校生や保護者、受験生などなどに不満があろうが、
 そんなことはこのオレ様の知ったことではない」。

  今回の場当たり的な対応に対しては、当然のことながら、反論が渦巻いています。
  同校の在校生代表数人は記者会見し、問題のすり替えであり、間違った決定だと発言していま
 す。市長の思いつき発言と屁理屈をつけて権力におもねる教育委員たち「見識」に比べると、生
 徒たちの方がはるかに問題の本質を見ていて、正論を述べています。

  この学校には「普通科」と「体育科系」がありますが、今回の決定は、「体育科系」が「普通
 科」に便宜的に変わるだけで、入試の科目も新学期からの授業内容も表向きは基本的には変わら
 ないのだそうです。こうした看板の架け替えが、いじめや体罰問題を考え、解決や根絶を図るこ
 とには何の影響も与えないことは、誰でも知っていることです。まさに、問題のすり替えです。
  今回のように、ある学校の体育のクラブで体罰が引き起こされたから、体育科系が廃止ならば、
 普通科で発生した場合は普通科が廃止にでもなるのでしょうか。
  単に現象面だけ見て幼稚な対応をするこうした馬鹿げた、幼稚な選択は、少なくても市長とか
 教育委員とかの地位にある「まともな人間」のすることではありませんが、まともでないからこ
 うした理不尽なことが出来るのです。

  大阪市の教育行政で、まず一番最初に変えなければならないのは、何かというと教育に介入し
 たがる橋下市長の考え改めること(これは不可能だろうが~)とどうしようもない教育委員先生
 を入れ替えることです。それに加えて、誰が見ても明らかに体罰が発生しているにも関わらず、
 類が自分に降りかかるのを避けるという自己保身のために、実態に目をつむることを何とも思わ
 ない校長など一部の管理職を教育界からさっさと追放することも必要です。こうしたことのほう
 が、役人が好む看板の架け替えのような小手先の「変革」よりも、はるかに重要です。そもそも、
 本来的な教育者とはとても言え難い彼らは、「存在悪」そのものもなのですから~。


 ●1月20日(日曜日)●

     とても嬉しい時間でした。啓史の友人が来訪。

  午後、啓史の友人が2人、綺麗な生花を持って「ご焼香」に来てくれました。弟の耕史も知り
 合いということで、同行して来たので、私たち両親と5人で2時間ほど、四方山話をしました。
  親しい友人たちなので、私たちも何となく気が晴れる思いがしました。最近はめっきり来客も
 少なくなりましたが、それだけに私たちにとっては、とても嬉しい時間でした。


  昨日、大横綱の大鵬が72歳で亡くなりました。無類の強さを誇った横綱でした。しかし、た
 だそれだけではなく、端正な容姿がかもし出す風貌や色々な所作は、実に品格のある「相撲取り」
 でした。大変な人格者であったとも聞いています。他の多くの横綱たちとは大違いです。
  私は、角聖と称され、「双葉の前に双葉なし、双葉の後に双葉なし」といわれた双葉山の相撲
 は知りませんが、双葉山の次に聳え立った相撲界の巨峰が消え去った感じがします。何とも惜し
 いことです。

 ●1月19日(土曜日)●

     花を買うために「花屋さん」に行きました。

  生まれて初めてではないのかも知れませんが、今日、花屋さんに行って百合など何本かの花を
 買いました。
  啓史が亡くなった後、多くの方々から次々と沢山の生花をいただきましたが、最近は少なくな
 り、胡蝶蘭やシクラメンなど、特別長持ちをする花を除いては、霊前の花々も次第に寂しくなっ
 てきました。とりあえず少しは補充することになり、私が花を買いに行ったという次第です。来
 月初旬に近くのお寺に「納骨」の予定ですが、それまではせめて霊前を花だけでも賑やかにした
 いという気持ちです。

  今までは、花の名前も多くは知らないし、ましてや花の値段となると全くの門外漢でしたが、
 花屋さんに行ってみて、同じ花でも随分値段が違うのに驚き、戸惑いました。一本1000円以
 上の百合もあれば、200円前後の百合もあるということでビックリしました。何を買えばいい
 のか皆目見当がつかずに迷いましたが、花屋さんとも相談して、適当に揃えて貰いました。
  家に帰り、早速、啓史の霊前に飾りましたが、結構いい雰囲気になりました。


 ●1月17日(木曜日)●

     あの日はもう18年前のことになりました。
      最初はあんなに被害が出るとは思わなかった。

  今日は「阪神淡路大震災」から18年目になります。18年前、あの大震災の直後のことです
 が、私は新宿区役所の中で、知り合いから頼まれた相談事の事実関係を調査し、解決するために、
 あっちこっちの部署を飛び回っていました。あの日は、時間の経過と共に、刻々と状況が変わり、
 犠牲者の数も数分ごとに激増していく状況だったので、愕然とした思いを抱いたものでした。

  あの未曾有の自然の脅威の後、私たちは一年10ヶ月前には地震と津波、それに人災の原発事
 故という「東日本大震災」を経験することになりました。何とも恐ろしいことですが、私たちは、
 こうした天災や人災から、果たして何かを本当に教訓として体得し、次の世代のために生かして
 いると言えるのでしょうか。


   次も大阪の話題です。大阪市立桜宮高校でバスケットボール部の男子生徒が顧問から体罰を受
 けた翌日に自殺した問題を受け、橋下市長は、①桜宮高校の先生全員を取り替えること、②体育
 科の入試を中止すること、③これが出来なければ予算を執行しないこと、を言明したということ
 です。
  トラブルメーカーらしく何とも勇ましい発言ですが、全くの思いつき発言の類であり、本質的
 な問題の解決とは全く無縁の荒治療です。白か黒か、ゼロか100か、という日本人好みの単細
 胞的な選択です。こうしたことを得意げにいう首長が、教育問題に介入してくると碌なことがあ
 りません。大体、この市長はついこの間の発言で「体罰を容認」していたのです。問題の本質を
 皮相的に捕らえ、短脈的に切り込む橋下市長のやり方に対して、人気者の尾木先生が理解を示す
 ような発言をしていたのにも驚きました。


 ●1月16日(水曜日)●

   久しぶりに政治課題について皆さんと意見交換。

  何人かの人たちと今の国政や新宿区政の課題などについて話し合う「勉強会」のような会議あ
 ったので、参加しました。現在の新社会党の状況や党としての様々な課題などについても意見交
 換をしました。随分久しぶりのことです。
  最近は、外に出るのを控え、どちらかというと引っ込み勝ちになっていますが、こうした意見
 を交わす議論の場というのは本当に大切だと思いました。
  終了後、これも久しぶりなことですが、皆さんと新宿駅近辺の居酒屋で大いに談笑しました。

  14日に降り続いた大雪の中、新宿駅近くの「TUTAYA」に行き、「日本の一番長い日」
 と「荒野の決闘」を借りてきました。どちらも若い時分にどこかの劇場で見たことがある映画で
 すが、つたやの陳列棚の中で目に入ったので、何となく懐かしくなって借りたものです。二本と
 も大体のストーリーは知っていましたが、随分久しぶりなので初めて見るような感じでした。特
 にジョン・フォード監督の「荒野の決闘」は、有名なOK牧場の争いを描いたもので、邦題から
 受ける印象は、あたかも正義の保安官兄弟とならず者一族との「銃撃戦」が唯一の主題のような
 感じがしますが、監督が描こうとしたのは繊細な人間模様だということを、改めて感じました。
  主人公のワイアットが、クレメンタインの頬にキスをし、握手をして馬に乗り、「実にいい名
 前だ、クレメンタイン」と告げ、兄弟のモーガンを追う。クレメンタインは、果てしなく広がる
 荒野に向かって去っていく二人をいつまでも見送る最後のシーンは、この映画が名画として評価
 される所以を髣髴とさせるものでした。

 ●1月14日(月曜日)●

    東京は久しぶりに大雪。成人の日にでっかい祝福。

  東京は「大雪」です。こんなにまとまった雪が降るのは10年ぶりくらいでしょうか。
  東京に降雪があると、いつも土岐善麿の次の有名な歌を思い出します。

 
    輪転機 今こそ響け うれしくも 東京版に 雪のふりいづ

  明日の朝刊の東京版は、うれしい記事になるかどうかは分かりませんが、恐らく雪の記事で埋
 まるのではないかと思います。今日は成人の日ですが、「晴れ着」に「大雪」の祝福です。


  ここ数日の税制問題に関する動きは、いかにも自民党らしいやり方、考え方が現れています。
  来年4月から消費税率が8パーセントになる予定ですが、この際、「軽減税率」を設け税負担
 を軽減することになっています。ところが、自民、公明両党が与党税制協議会を開いて消費増税
 時の低所得層対策などについて協議したところ、「軽減税率」は消費税収が減る分の財源確保や
 流通業者の事務負担の解消に一定の時間がかかることから来年4月に税率を8%に上げる段階で
 の導入は見送る公算が大きくなったということです。
  要するに、こうしたことはやりたくないというこの政党の気持ち現れです。

  一方 高額所得者対象の所得・相続税の最高税率を引き上げ(最高税率45パーセント)につ
 いては、消費税負担増と重なっては納税者(私たち庶民ではなく、年間5000万以上の高額所
 得者のこと)の理解が得られないなどという「温かい対応」によって、16年7以降に引き伸ば
 す考えだということでした。しかし、さすがに低所得層の負担が相対的に重い消費税増税が来年
 4月から始まるため、富裕層の課税強化についてはやむなく15年1月から行うことにしたよう
 です。

  こうしたやり方を見ているといかにも自民党らしいと感じました。これから暫くは、金持ち以
 外はまともな人間とは思っていないような政党の政治が続くのです。


 ●1月13日(日曜日)●

    東京オリンピックを開催する理由は何だろう?

  2020年に開催されるオリンピックの誘致活動をロンドンで行っていた東京都の猪瀬知事が
 帰国して記者会見をし、「評判が良かった」と感想を述べたそうです。そうですか、という感じ
 です。
  東京都と開催場所を争うマドリッドのやイスタンブールでは、市民の支持率が随分高いようで
 すが、東京ではなかなか高まりません。四年前の前回ほどではありませんが、例によって莫大な
 カネを投入して笛を鳴らし、太鼓をたたいていますが、都民の琴線には一向に響かずです。
  現状では、「東洋と西洋の接点」とか「イスラム世界で初のオリンピック開催を」をセールス
 ポイントにし、発展著しいイスタンブールが、優勢だそうです。私が見ても分かりやすい理由で
 す。東京よりもはるかに開催場所としてふさわしく、私も大いに支持したいくらいです。

  何しろ、東京には「平和のための世界最大のスポーツの祭典」を開催する客観的で不動の名目
 がありません。取って付けたように「災害復興」を唱えているようですが、後だしじゃんけんの
 ような感じで全く説得力がありません。単に復興状況を訴えることが開催の最大の理由ならば、
 オリンピック開催はむしろ復興の進展に障害になりかねません。また、オリンピックを自分が住
 んでいる近くて見たいという願望が主要な理由ならば、パンダを自分が住んでいる市営動物園で
 見たい、と言うのと余り変わらない利己的な言い分です。パンダは、パンダが住むのにふさわし
 い場所で見るのが基本でなければなりません。
  要するに東京には、決定的な開催理由がないのです。理由がないから開く必要もないし、従っ
 て開かなくてもかなくても良いということです。

  今もって知事の風格など微塵も感じられない(これはオリンピックとはほとんど関係ないこと
 ですが~)猪瀬知事がいう「評判が良かった」という発言は、どう理解すべきなのか、これもよ
 く分からない話です。知事が、世論操作を意識してこうも楽観的な認識を述べているのならば、
 オリンピック開催にはシビアな見方をする利口な都民からはますます見離されることになってし
 まいます。


 ●1月12日(土曜日)●

   今年も故郷では「地吹雪ツアー」が行われています。

  北国では冬真っ盛りの時期です。私の故郷の津軽では、ここ数年、降雪が極端に少なくなって
 いるようですが、ある旅行会社の企画によると、青森県を舞台にした「冬ツアー」が企画されて
 いて、結構、好評のようです。
  それによると、一日目は、八戸市で無形文化財の「えんぶり」を見学し、その後、横丁めぐり
 をしながら昨年Bー1グランプリで優勝した「せんべい汁」などを味わい、二日目は、岩木山の
 麓の古都・弘前市で史跡やりんご選果場の見学、津軽の名物料理や地元の酒場で津軽の酒や民謡
 を楽しみ、三日目は、この地域の冬の風物詩ともなっている「ストーブ列車」にのって津軽平野
 の真ん中に移動し、モンペや角巻き姿で「地吹雪」を体験する、というものです。
  ここを出身地にする私から見ると、なんとも面白い企画であり、参加したいくらいですが、一
 番肝心の降雪の状態は、どうも心もとないようです。

   現在再建中の私たちのマンションの建設現場のすぐ東側の小規模なマンションで火災が発生し
 たということで大京町一帯に何台もの消防車が急行したので、ビックリしました。
  火災が発生した近隣には知り合いが沢山住んでいますが、ボヤ程度で済み、人災事故もなかっ
 たということなので安心しました。


 ●1月11日(金曜日)●

   湯水のような「借金財政」で、この国は持つのか?

  安倍政権の誕生を契機に株式市場は様変わりしつつあります。円安が進み、日経平均株価も着
 実に上昇機運にあります。政権交代の効果だと評価されていますが、勿論、良いこと尽くめばか
 りではありません。
  安倍財政の基調は、実に単純です。膨大な財政投資です。ただ、肝心の財源があるわけではあ
 りません。全て赤字国債で対応するというのですから、綱渡り的な財政運営です。今でも国家財
 税は破綻状態ですが、さらに気前良くカネをつぎ込むのですから失敗は許されません。
  景気が好転し、税収が大幅に増えてこれまでの赤字を補填する状況にならない限り、行き先は
 知れています。安倍政権の財政政策は、いかにも自民党らしい政策ですが、「綱渡り的な政策」
 であることは、以前の自民党と全く同じです。
  これまでの歴代政権は、赤字国債を乱発し、「公共投資」と称して湯水のようにカネをばら撒
 き、失敗しても誰一人として責任を負うこともなくも次の政権にバトンタッチをするという繰り
 返しでした。安倍政権もカネをばら撒いて、適当なときに「はい、さよなら」では、国の財政は
 火の車になり、国民の首はますます回らなくなってしまいます。


  新しい年になって10日。随分少なくなりましたが、今年に入ってからも啓史に対するお悔や
 みの手紙(はがき)をよくいただいています。啓史の個人的な知り合いもおりますが、多くは私
 たち夫婦や弟、妹の知人・友人です。手紙をいただくと、差出人との関連で色々なことを思い出
 しますが、いつも胸が締め付けられる思いがしています。

  手紙やお電話をいただいた方には、啓史に関する印刷物をお送りしています。髄分、増刷しま
 したが、次第に残部も少なくなりました。ただ、来月早々には、私たちのマンションのすぐ近所
 のお寺に併設されているの「個人の墓苑」に納骨をする予定になっていますので、それまでは大
 丈夫のような気がしています。
  今日も近くと遠くの二人の方からお手紙をいただきました。

  最近は全く運動不足なので、出来るだけ歩くようにしています。今日も神宮外苑に出かけ、4
 キロ程度を早足で歩いてきました。神宮外苑は一周が1350メートル程度なので3周するとち
 ょうど4キロになります。昔の一里です。早足だと35分くらいで歩くことが出来ます。
  今日は、多くの人たちが走ったり、歩いたりしていました。


 ●1月10日(木曜日)●

    大阪の「暴力事件」と中国の「言論統制事件」

  また、いじめ問題が連日報道されています。「いじめ」というよりは「教師の暴力事件」です。
   大阪市立桜宮高校で、運動部顧問の教師から継続的な暴力受けて2年生主将が自殺しました。
 校長などの管理者側は、これまでの他のいじめ事件と同じ様に、保身的な言辞を弄して自己弁明
 に躍起になっています。よく見るシーンです。「事件」が起こる学校は、なぜこうも校長やとり
 まきの教師の姿勢に共通したものがあるのでしょうか。信じがたいことです。

  全国の学校では、尊敬されている立派な教師や校長がはるかに多いのに、一旦こうした問題が
 明らかになると、全ての罪悪は首長の「権限外」の「教育委員会」にあると断言する橋下市長の
 ような極端な主張が正当性を帯び、支持されることになってしまいます。この橋下市長は、先日
 の発言では、「話しても聞かないならば、適当な体罰は許される」と豪語していていましたが、
 「自転車操業市長」らしくさっさと趣旨変えをし、今回は「体罰絶対反対」になったようです。
 「認識が甘かった」と反省の弁を述べていますが、まあ、何とも甘っちょろい、どうでいもいい
 ような「認識」です。そのうちにまた変わるでしょうが、加減なものです。
  それにしてもこの高校の校長などの管理者は、管理者としても教師としても全く失格です。

  この問題に関連してマスコミの論調では先生による「愛の鞭」は何処まで許されるか、などと
 いう馬鹿げた話もありました。こうしたことがいまだに一部の世論を形成しているのです。残念
 なことです。

  もうひとつの信じがたい事件。例によって中国での「言論弾圧事件」です。
  中国で改革志向の新聞として人気の高い『南方周末』(広東省)の新年特別号が、共産党指導
 部によって改ざんを強制された問題です。記者たちが抗議して問題が明らかになり、同紙と同様
 に「モノ言う新聞」として知られる北京の有力紙『新京報』が、共産党機関紙の人民日報系の新
 聞『環球時報』の社説を掲載するよう指示した党宣伝部に対し、最後まで抗議したということで
 す。『新京報』は、発行停止の圧力を受け、最終的に社説を転載したようですが、目立たない場
 所に圧縮して掲載するなど抗議の意思を表しています。
  また同じ紙面に掲載したコラムに、『南方周末』と発音が似た「南方的粥」(南方のおかゆ)
 を紹介し、「勇敢な心」「今年は最近数十年で最も寒い冬」などと記し、『南方週末』の記者ら
 が、共産党宣伝部の厳しい言論統制に対して抵抗していることを示唆する文章で、記者への支持
 を暗示しています。

  中国の改革派知識人らは『南方周末』と同じ様に『新京報』への支持を表明していますが、党
 宣伝部は国内主要紙に対して「政府に公然と対抗すれば、敗者になる」と脅し、『環球時報』の
 社説の転載を要求、他紙は相次ぎ転載したそうです。しかし、『新京報』は転載を拒否したため、
 党中央宣伝部が、同紙に転載を強要しましたが、『新京報』では一線の記者らは強く反対し、社
 長も辞意を漏らして抵抗したということです。

  今や世界の経済大国になり、国際舞台での発言力も極端に強くなった大国・中国では、こうし
 た信じがたいことが、今も起こっているのです。とてもまともな国とはいえません。
  ただ、言論自由のどこかの国でも、マスコミの無節操な報道にいとも簡単にミスリードされ、
 国民の大半が「集団ヒステリー」のようになってしまうことも度々あります。他の国のことを笑
 ってばかりもいられません。自戒することこそが大事です。


  ●1月9日(水曜日)●

  来年2月入居するマンションのモデルルームを見ました。

  昨年は、最悪の年でした。いまだに気持ちの整理が出来ないままの状態ですが、この「行動日
 記」の更新は再開したいと思っています。今年はとにかくいい年になるように願っています。

  年が明けましたので、一年余り後の来年2月ということになりますが、大京町26番地に再建
 中のマンションが完成することになっています。今日、モデルルームの見学会があったので見に
 行ってきました。
  私たちが入居していた「野口ハウス」と北側の「富士コープ」、西側の「大京町マンション」
 の三棟の合築ですが、総数で195部屋の大規模マンションになります。新しいマンションの名
 前も「マジェスティハウス新宿御苑パークナード」というものです。高級感をセールスポイント
 にしているようですが、イヤになるほどのいかめしさです。参加者皆んなで10分前後のDVD
 も見ましたが、新宿御苑の宣伝物を見いてるような感じでした。

  肝心のモデルルームですが、私たちが入居する部屋と大体同じくらいのスペースの部屋でした。
 とにかく上品な雰囲気でした。ただ、色々な家具類、付属物がいっぱい設置されていたので、私
 たちが思っていたイメージよりは、髄分窮屈な感じがしました。何となく期待が裏切られた思い
 がしていて、少々がっかりでした。
  要するに、今度新しいマンションに移る時には、出来るだけ持参するものを少なくしなければ
 ならないということだと思います。改めてそのことを痛感しました。


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    息子の山田啓史(新宿区議会議員)が11月5日に亡くなりました。6月20日に東京都済世会中央
    病院に入院して以来、私たち両親は四ヶ月余りにわたって毎日、病院に通い続け、息子と退院後の活動
   について語り合うと共に、彼を激励し続けました。当然回復するものと確信していましたので、息子の
    病気については、これまで、この「行動日記」には何の記述しませんでした。しかし、想像だにしなか
   った最悪の結末になってしまいました。大変なショックを受けています。こうした状態だったので、暫
   く「行動日記」の更新を中断していました。錯綜としていた気持ちも次第に落ち着きを取り戻してきま
   したので、これからは随時、更新を再開したいと思っています。
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 ●10月29日(日曜日)●

   奥義を窮めた青江又八郎、羨ましい限りの強さ。

  最近、藤沢周平の『凶刀』『刺客』『孤剣』『用心棒日月抄』等のシリーズ物を読んでいます。
 これらの作品は何年か前にも一読しているので2回目ということになります。青江又八郎が主人
 公です。藤沢周平の小説は、状況の描写が実に繊細で、それに一つ一つの言葉が生き生きとして
 いるので、読んでいても快い気分になります。更に、主人公の青江又八郎は剣の奥義を窮めてい
 るかのようにめっぽう強く、どんな困難な状況でも最後には相手に打ち勝つことになっているよ
 うなので、安心して読み続けられます。私は今、不安な気持ちの中で一杯ですが、又八郎の存在
 は何とも羨ましい限りです。

  今日から第181臨時臨時国会が開催されました。総理大臣による恒例の所信表明演説は衆議
 院だけです。参議院は、先の国会で問責決議が可決されたという理由で実施されません。全く異
 例のことです。夜のニュースで首相の演説を聴きましたが、全てが空言のように感じました。
  これまでも、絶えず政治に対する不信感はありましたが、野田政権はその最たるものです。全
 く期待できません。しかも、いまの政治の悲劇は、このどうしようもない政権に変わる勢力が、
 それ以上に信頼できないという現実です。


 ●10月28日(日曜日)●

    二杯の大きなズワイガニ。少しは気分転換に。

  知り合いが旅行先の秋田から大きな二杯のズワイガニを送ってくれました。今夜は娘が外出中
 なので夫婦二人で美味しくいただきました。ここ暫くは気が滅入ることばかりですが、おいしい
 蟹を食べて、少しは気分転換にもなりました。

  注目されていた鹿児島補欠選挙は自民党候補が勝利しました。この選挙で鹿児島の有権者はど
 のような気持ちで自民党候補を選択したのでしょうか。消去法で残った人にやむなく、とか、不
 毛の選択だったが棄権はしたくなかった、ということでこの候補が当選したのならば、何とも残
 念な有権者の「権利行使」です。しかし、どうもこうした見方はそんなに間違ってはいないよう
 な気がします。


 ●10月9日(火曜日)●

   iPSの山中伸弥教授に、ノーベル医学生理学賞。

  ノーベル医学生理学賞が「iPS」を作製した山中伸弥・京大教授に授与されました。医学業
 界の最大の業績ともいわれている山中先生の素晴らしい仕事に対して、世界で最も権威のある賞
 が与えられるわけですが、本当に喜ばしいニュースです。

  今夜のテレビで次々とは放映される「iPS」の可能性について、私も、いま自分が置かれて
 いる状況を踏まえながら、深い感慨を持って見ました。山中教授のこの「世紀の作製」が一日も
 早く実用化され、多くの方々の難病や障害の治療に寄与し、人々の命を救うことになるように、
 ただ祈るばかりです。

  今日は新社会党新宿総支部の定例の執行委員会。当面する幾つもの政治的な課題について意見
 交換をしました。ただ、私は大幅に遅れてしまい、会議の最後の段階でちょっと参加することだ
 けになってしまいました。


 ●10月7日(日曜日)●

   恒例のいもほりは中止、お山参詣のDVD鑑賞。

  三連休です。今日は「平和憲法を生かす新宿の会」が、川越市郊外の南大塚で毎年実施してい
 る恒例の「いもほりとバーベキューのつどい」が、雨天模様のために中止になったので、特別な
 予定はなくなりました。

  この三連休、全国的には余り好天ということではありませんが、各地で様々な行事が行われて
 います。この時期の催しではありませんが、先日、同級生から津軽の故郷で行われる「脇元・磯
 松地区のお山参詣」のDVDが何枚か送られてきたので、懐かしい思いで見ています。私の小さ
 い頃の記憶は全く途切れ途切れです。初めて見る地域の風習のような感じがしています。


 ●10月5日(金曜日)●

    大間原発建築再開、函館市の怒りは最もなことに。

  大間原発の建築再開は、全く不可解です。30年には原発ゼロの方針なのに、また新しい原発
 を作るというのですから、政策に整合性がありません。政府の方針が迷走している表れです。

  津軽海峡をはさんで隣接している函館市の怒りは最もなことです。
  函館市議会は、政府が青森県の大間原子力発電所の建設継続を容認する考えを示したことに対
 し「断じて受け入れられるものではない」として、建設の無期限凍結を求める決議をしました。
 万一の場合、大間原発から最短で23キロメートルしか離れていない対岸に位置する函館などの
 道南地域の住民の生命は、危険にさらされることになります。同様に私が生まれた津軽半島の十
 三湖周辺も、函館などの道南地域と同様に危険にさらされることになります。深刻です。

  「原発は人類と共存できない」ことが明らかになっているにも関わらず、経団連などの経済団
 体の儲け主義や米国の軍国主義などに振り回されて、こうした政策しか示せない政府の無見識な
 対応には、本当にアタマにきます。


 ●10月3日(水曜日)●

    古着を着て歩いている赤ん坊のようなもの。

  「日本維新の会」が早くも内輪もめをしているようです。選挙目当てで入党した7人の寄せ集
 めの国会議員の一人が、「橋下の独裁は許さない」と威勢のいいことをホームページで書いたこ
 とがそもそもの発端のようです。この議員の言い分は、「国会の事は国会議員が決めるし、党の
 事は橋下市長が決める」ということのようです。

  何とも不思議な言い分です。政党政治では、「国会の事」であってもは「その他の事」であっ
 ても、所属する政党の方針に基づいて対応するのが当たり前の事です。有権者も、こうしたこと
 を前提にして投票したのです。しかし、この議員の場合は、「国会の事」は所属政党の考えに縛
 られないで、自分たちが独自に判断できると勘違いしているようです。「国会の事」は(党の方
 針に左右されず)国会議員が判断するのが当たり前という言い分です。
  何とも理解しがたい認識です。

  近年、少なくない数の国会議員は、くるくると政党を渡り歩いています。所属政党に対する帰
 属意識が全く希薄です。ひどいのは、所属する党の名前で当選したのに、その党を捨てて、議席
 だけは持ち逃げする比例区選出の議員が結構いることです。しかも、こうした詐欺的な行為に対
 して、当人がそれほど罪悪感を持っていないことにはあきれ返ります。
  このような国会議員が「選ばれた私たちの代表」なのですから、気が滅入ってきます。

  政策に共鳴して所属した筈の自分の政党に対して、どこかのサークルにでも入った程度の認識
 しかないから、「国会の事」は、自分たち国会議員が決めるのは当たり前という発想になるので
 す。水準の低い話です。

  そもそも「日本維新の会」は、傷だらけの人の寄せ集めのようなところがあります。中田横浜
 市長や山田杉並区長は、共に不倫問題でたたかれ、市長選挙や区長選挙への立候補を断念せざる
 を得なかったした人間です。また、候補者選考委員長になったといわれる竹中平蔵先生は、小泉
 政権の総務大臣時代に新自由主義政策を振りかざし、日本の諸制度をずたずたにした人間です。
 キズ者たちの寄せ集めという人的魅力の乏しさもあって、「日本維新の会」も次第に化けの皮が
 はがれつつありますが、この党は、まさに古着を着てよちよち歩いている赤ん坊のような感じが
 します。

  最近、朝日新聞に掲載されたの川柳から。言い得て妙、です。

     ● 入れる党 入れる人なき 国に住み
     ● 無理な問い「どちらが 首相にふさわしい」
     ● 代わっても 何も変わらぬ な~んにも


 ●10月1日(月曜日)●

   「在庫一掃セール」ですよ。大安売りの改造内閣。

  第三次の野田改造内閣が発足しました。何でこんなにくるくると大臣が変わらなければならな
 いのか。こんなに変えなければならないほど、どうしようもない議員が今まで大臣になっていた
 のか。
  野田首相を取り巻く何人かの人材を順ぐりに「配置換え」にし、あとの何人かは「在庫一掃セ
 ール」を思わせるような人員配置です。基本政策をいとも簡単に放棄する内閣ですから、当たり
 前の事かもしれませんが、改造内閣からは魅力のある政治理念とか不動の方針みたいなものは全
 く感じられません。期待もしていませんから、「どうぞご自由に」といいたいところですが、た
 だ、こうした「在庫一掃内閣」の動きや考えによって、内政外交両面で大きな影響が出るのです木
 から、何とも困ったものです。


 ● 9月30日(日曜日)●

    価値感の乏しい都市計画からまぬかれた東京駅。

  東京駅の復元作業が完成し、先日公開されました。明日10月1日、全面的にオープン予定と
 いうことです。1914年(大正3年)に創建された東京駅丸の内駅舎は、今や伝説的な建築家
 といってもいい辰野金吾により設計され、その堂々たる姿で、多くの人々に愛されてきました。
  しかし、敗戦直前の1945年(昭和20年)の戦災により南北のドームと屋根・内装を焼失。
 戦後、3階建ての駅舎を2階建て駅舎にし、特徴的だった二つのドームを私たちが見慣れたこれ
 までの八角形の屋根に長い間、親しまれてきました。
  この度の「保存・復原工事」では、外観を創建時の姿に忠実に再現するのはもちろんのこと、
 さらに、未来へ継承するため、鉄骨煉瓦造の下に地下躯体を新設し、機能拡大の工事を行ったと
 いうことです。

  一時、政府は、この建築学上も非常に貴重であり、文化財としても価値の高い東京駅を解体し
 て高層ビルにするという無粋な計画を立てていました。しかし、「赤レンガの東京駅を守ろう」
 という反対運動が全国に起こったために、解体をまぬかれたという経緯をたどっています。この
 ような価値のある建築物が、古くなったら何でもかんでも取り壊してしまうという日本のまちづ
 くりを貫く価値観の 乏しい都市計画の犠牲にならずに本当に良かったと思っています。


  そういえば、渋谷にある子どもの城が、「老朽化」のために取り壊しになります。莫大な税金
 をかけて作った建物が、たったの40年ちょっとで「老朽化」し、ごくごく当たり前のように新
 たな税金を投じて建て直しをする、というのですから、誰れが考えても無駄なことです。たかだ
 か40年くらいで「老朽化」し、取り壊しになるような建物だったら、最初から作るなといいた
 いくらいです。 


  今日、大型の台風が襲来、北上して朝から天候不順。ただ、夕方まではどうにか雨に降られる
 こともなかったので、久しぶりに議会報告を兼ねた「チラシ」の配布をしました。
  夜は、一時的な大雨と大変な強風。


 ● 9月27日(木曜日)●

      あの手この手の詐欺師たちの電話にご注意を。

  毎月2回、区議会議員山田啓史事務所では「無料法律相談」を行っています。依頼者から電話
 をいただいたら、私が相談内容の概略を聞き、弁護士事務所と連絡を取り、直接、弁護士事務所
 に行ってもらうというやり方を取っています。しょっちゅう照会の電話がかかってきます。

  弁護士事務所を紹介する前に、大まかな話を聞くと、弁護士に相談するまでもなく、私のアド
 バイスによって処理すれば解決できる問題も随分あります。
 
  今日かかってきた相談は、「NPO法人の○○○○の会から、ずっと昔以前に買ったった本代
 を支払えという請求が来た」というものです。買った当時、きちんと支払ったけれども10年以
 上、未払い状態になっているという言い分で、元利含めて100万円前後の代金を指定された期
 限まで支払えというものです。もし、連絡もなく、支払いもしなければ「強制的に東南アジア方
 面にボランティアに行ってもらうか、警察に告訴する」という奇妙な脅かしです。
  振り込み詐欺と同じように、インチキだというのはすぐに分かりますが、こうした電話を突然
 受け取ると、中々冷静な判断が出来なくなります。そこで弁護士に相談したいと山田啓史事務所
 に電話してきたものです。「誰かに相談したい」という気持ちになったことよって、相手のワナ
 にはまらずに済んだということになります。

  電話で話しながらインタネットを開いてちょっと調べてみたら、この団体から同じような電話
 を受けた人が全国にいることが分かりました。「東南アジア方面へのボランティア活動」という
 不思議な脅かしの手も同じです。相当昔に、何かの直販で利用した名簿が流出しているものと思
 われます。

  とにかく無視すること、それでもしつこく連絡があったら、その段階で消費生活センターか警
 察に相談することにしようということにしました。

  錯綜していた本人は、私と話をしてとても安心したようです。


 ● 9月26日(水曜日)●

     改憲を狙う最悪の人間が自民党総裁に当選。

  今日、自民党の総裁選挙が行われました。候補者は5人。どの候補者も似たり寄ったりですが、
 その中でも思想的、政策的に見て特別悪いのが安倍晋三です。総裁選挙に余り関心があるわけで
 はありませんが、どうせなら、安倍晋三以外の誰かと思っていましたが、こともあろうに何と一
 番悪いのが当選してしまったようです。

  今度総選挙があったら、どうしようもない民主党に変わって、それ以上にどうしようもない自
 民党が政権に帰り咲く危険性があります。そうなると安倍首相誕生などという悪夢が現実になり
 ます。

  安倍総裁の主要な政策は、まず、憲法は変えるということです。特に第九条は根本的に改変で
 す。一体改革や特例公債法案では、団合の3党合意は進め、消費税引き上げ時期を間違えずに行
 う、外交・安保、日中関係では、大事なのは日米同盟の強化、憲法違反の集団的自衛権は当然の
 こととして認める、韓国が主張している慰安婦問題は存在しない、従って河野談話は見直す、領
 土問題では強気に対応し、中国と戦略的互恵関係にしていくが、排他的経済水域、12海里には
 断固として入れない、この意思を中国政府に伝える、などというものです。

  かつて教育基本法の改悪に執念を燃やし続け、実施したのも安倍首相です。自民党の中でも特
 別右翼思想の持ち主です。民主党もどうしようもありませんが、総選挙後に安倍内閣が誕生した
 ら、まさに政治の世界は暗澹たるものになります。だからと言って例の橋下の「維新」がいいと
 いうことではありませんから、政治はまさに「不毛の選択の時代」になりつつあります。


 ● 9月25日(火曜日)●

     年齢と時間の感覚や物事に対する印象。

  今日は「広報しんじゅく」の発行日に当たります。自治体の広報紙なので、どうしても事業や
 行事のお知らせが紙面の中心になります。従って、編集技術や記事の内容によって広報紙の特徴
 を出すのは難しく、面白みに欠ける面がありますが、新宿区の広報紙だけはいつも丁寧に見てい
 ます。
  驚くことでもないのかも知れませんが、今日の広報には、来年一月の保養所の募集案内が掲載
 されていました。今年ももうすぐ10月。そろそろ来年の日程を考える時期にまで進んだという
 ことです。
  「月日の経つのは早い」「光陰矢のごとし」などという言い回しはありふれていますが、歳を
 とるに従って時間の経過を早く感じるのだそうです。若い時代は、何をするにしても初めて体験
 するようなことが多く、日々新鮮で、行うこと全てが印象に残るけれども、歳をとると経験や惰
 性の繰り返しで、毎日が単調で心に響かないこと多く、時間が経過する感覚が薄れ、日々感じる
 印象が希薄なものになるために、後で振り返って考えると早いという印象になるのだそうです。
 「もう今年も10月か」などという感慨は、まさに歳をとった人の典型的な言葉です。


  今日は一日中、定期的に発行している山田啓史区議の「区政報告」の作成作業を行いました。
 啓史が書いた原稿を、私がうまい具合に割付をして仕上げる作業です。B4版の両面を二つ折り
 にすると全部で4面になりますが、今日は2面と3面の作成をしました。近々、1面と4面を作
 成し、15,000枚印刷すると完成です。郵送や個別配布をします。 


 ● 9月24日(月曜日)●

  反捕鯨対策や国立競技場補修が「被災地復興対策」か。

  東日本大震災の復興予算の信じがたいような「使い道」が問題になっています。
  先日、NHKが復興予算19兆円の使途について、その実態を放映し、その後もテレビ・新聞
 で取り上げられて、今朝も民放で放映されていました。大震災直後の昨年5月から11月にかけ
 て計上された予算です。 すなわち、1次補正4.0兆円、2次補正1.9兆円、3次補正9.2兆
 円、今年度予算3.8兆円、合計約19兆円の予算の使い道のことです。

  この19兆円のうち 10.5兆円は、私たちの所得税・住民税・法人税などの増税でまかなわ
 れることになっています。 特に、所得税は一律2.1%上乗せされて、来年から25年間徴収さ
 れることになっています。多くの国民は、被災地の復興のためなら痛みを共有するのは止むを得
 ないとして納得したのだと思います。実際は全く違います。

  復興予算の使途を検証したNHKの番組は、大変ショッキングな内容でした。
  最も金額の大きい3次補正9.2兆円の使途をみてみると、次のような事業を含んでいます。

  通済産業省の1兆8796億円のうち、岐阜県関市の国内最大手コンタクトレンズメーカーの
 工場にこの補助金が出されています。被災地における将来の雇用拡大の可能性につながるという
 のがその理由です。また、立地補助金の認可総件数510件。そのうち被災3県(岩手、宮城、
 福島)の事業に認可された件数は、たったの30件であり、全体の1割にもなりません。これが
 何で“被災地復興最優先”なのか訳が分かりません。

  以下、いくつかの具体的な事例を挙げると次のようになります。

 ●電気自動車の燃料電池の素材開発のための補助金として、経産省所管の独立行政法人に交付す
 る「低炭素社会を実現する革新的融合」に15億9800万円。いかにも官僚どもの天下り先確
 保そのものの施策です。

 ●刑務所での職業訓練の拡大を図る「被災地域における再犯防止施策の充実・強化」に2800
 万円。理由は、がれき撤去など将来復興作業を担える人材を育成することが目的です。何とも遠
 大な人材育成対策です。

 ●「国立競技場の補修費」に3億3000万円。利用者の安全確保が目的。震災後の「減災」の
 考え方に合致するというものです。全くバカらしい理由です。

 ●「反捕鯨対策など」に22億8400万円。南極での調査捕鯨を安全に行うことが、ひいては
 被災地の水産業の復興支援につながるというこれまた常識では考えがたいバカらしい理由。

 ●「沖縄本島最北端国頭村の海岸沿い国道の防波堤や斜面の補強」に5億円。沖縄の道路工事と
 東北の復興がどう結びつくのか全く不明。

 ●外務省の「アジア太平洋地域の青少年交流」に72億4700万円。海外の若者を旅費・食費
 全額負担で年間1万人招待する計画。過去5年間行われて既に終了した「21世紀東アジア青少
 年大交流計画」の事業を、復興予算の名をを借りて3週間程度の行うが、たった2日間だけ被災
 地を訪れることにより再開させたもの。要するに復活させることが目的で理由なんかどうでもい
 い、どうせ国民にはわかりゃしない、ということです。

  こんなことがまかり通っているのです。ゴルフで遊びまくり、料亭で豪遊しても「復興対策を
 協議した」と何とか言ってどこかに災害とか復興の言葉でも入れれば、何でも済んでしまう感じ
 です。これが、国民に長期間の増税を強い、呻吟する災害地の復興を後回しにして政府(官僚)
 が行う「高邁な復興対策」です。
  まさに詐欺師的な知恵です。こんなことまでして官僚は自分の地位と権益を守るのです。その
 「詐欺師集団」に振り回されて、ヘイヘイと従っているのが民主党政治(自民党が政権に帰り咲
 いても本質は全く同じ)の実態です。情けなくなります。


 ● 9月22日(土曜日)●

    同級生たち久しぶりに再会。いい時間でした。

  僅か一泊でしたが、青森市郊外の浅虫温泉で久しぶりに開かれた小学校時代のクラス会は、楽
 しいものでした。夜遅くまで、延々と談笑しました。

  突然の欠席者が多かったのも今回の特徴でした。当初、15人が参加する予定でしたが、茨城
 の取手在住の一人は突然の帯状疱疹で欠席、津軽半島突端の竜飛岬近くに住んでいる一人と同じ
 地域のもう一人は共に体調不良で欠席、小学校があった脇元地域に住んでいた一人は一週間前か
 ら入院で欠席という具合でした。元気に働いていて、どうしてもまとまった休みが取れないため
 に出席できない人と、時間が一杯あるけれども体調が思わしくないためにやむなく欠席の人と分
 かれました。この歳になるとこうなるのかと実感しました。

  とにかく色々な話をしました。合併問題も話題になりました。私たちが生まれた市浦村は、平
 成の大合併で太宰治の出身地の金木町や五所川原市と一緒になり、「飛び地」で新・五所川原市
 になりましたが、これは誠に評判が悪いようです。元の「市浦村」に戻った方がいいと話す人も
 いました。今の国政には、皆んなあきれ返っています。福島県の南相馬市(旧小高町)から参加
 の一人は、原発の20キロ圏内だったために、ずっと東大和市の息子夫婦のところで避難生活を
 送っています。いつ帰れる全く不明なばかりか、将来帰れるかどうかも分からない状態です。こ
 うした中で原発再稼動が進められているのですから不満が爆発するのも当然です。

  昨日の朝、解散後は車に分乗して青森市まで帰り、係留されているかつての青函連絡船(八甲
 田丸)を見学。その後、薦められていた店で皆んなで昼食を取り、市内から離れている新幹線の
 新青森駅まで送って貰い、それぞれの方向に別れました。

  私は、夕方、八戸駅で娘と落ち合い、八戸線の陸奥湊駅まで行き、迎えに来てくれた兄の車で
 実家に行って一泊。墓参などをして、今日夕方帰宅しました。娘はもう一泊して明日早朝、八戸
 と苫小牧を結ぶフェリーで北海道に渡り、友人のところに行ってしばらく北海道旅行を楽しむよ
 うです。


 ● 9月20日(木曜日)●

    今日、浅虫温泉で津軽の小学校のクラス会。

  今日、青森市の隣の「浅虫温泉」で久しぶりに津軽半島の市浦村立脇元小・中学校のクラス会
 が開かれます。それに出席するために、これから、新幹線で青森に出発します。私たちの38人
 で、5人が亡くなったので現在は33人です。このうち、半数くらいが参加する予定になってい
 ます。皆さんに会えるのを楽しみにしています。
  明日は、八戸の兄のところに一泊し、22日に帰宅する予定です。


  昨日から新宿区議会第三回定例会が始まりました。決算審議がありますので、一ヶ月前後の長
 丁場になります。昨日と今日は「代表質問」と「一般質問」が行われますが、昨日の10時から
 2時過ぎまで、インタネット中継でその質疑の模様を拝見しました。現役の時から感じていたこ
 とですが、中継画面があまりにも単調過ぎます。質問者や答弁者の話し方、訴え方にも大きく関
 係しますが、全然盛り上がりに欠けます。新宿区議の模様を見て欲しいという意図で中継するな
 らば、もっと工夫する必要があります。ちょっと修正すると全く違う画面になるような気がしま
 す。


 ● 9月17日(月曜日)●

   今日は敬老の日。65歳以上が3000万人の大台に。

  今日は敬老の日です。全国で65歳以上の人口は初めて3000万人台を超えたということで
 すから、国民の4人に1人は「高齢者」ということになります。こうした超高齢者社会の到来は、
 充分に予測されたことですが、世の中の仕組みが全然それに見合ったものになっていません。見
 識に欠ける政治の変困さはここにも如実に現れています。

  ところで、長い間、敬老の日は9月15日という意識がありますが、最近は三連休を作るとい
 うことで、月曜日に設定されています。例えば、制定された当初の「海の日」は7月20日でし
 た。次男は、「私の誕生日はいつも休日」と喜んでいましたが、その後は毎年変更になっていま
 す。成人の日や体育の日も同じです。三連休は結構ですが、毎年、「移動する休日」は、何とな
 く軽い感じがして味気のないものになっている気がします。


 ● 9月16日(日曜日)●

   不完全な戦争の反省と謝罪にこそ、問題の本質。

  中国各地で「反日デモ」が繰り広げられています。「尖閣諸島」の国有化が直接の引き金にな
 っており、中国全国に拡大していると報道されています。大変深刻な様相のようにも感じられま
 すが、日本で中国大使館や韓国大使館に押し寄せてがなり立て連中がごくごく少数であるのと同
 様に、中国全土に広がったとされている「反日デモ」の参加者も中国全体から見るとごく僅かで
 あり、冷静な分析と適切な外交努力が必要です。

  しかし、何かにかけて引き起こされる中国での「反日デモ」は、当たり前の事ですが、単なる
 感情的な問題としてではなく、もっと本質的な問題として捉えなければなりません。

  事の本質は、かつての日本の「侵略戦争」にあります。これに対する戦後の日本の対応は、極
 めて不十分であり、問題です。ドイツなどと比較して考えると、侵略戦争に対するれ対応違い、
 国としての姿勢の違いが如実です。これこそが問題の本質です。
  デモに付随して引き起こされている「略奪」などは論外なことですが、いまだにあの野蛮の限
 りを尽くし侵略戦争に対して、変わることのない国としての明確な反省と謝罪を明確にしえない
 でいる日本自身にこそ問題の本質があります。

  先日、「南京大虐殺」を扱った演劇を見る機会がありましたが、あの事件に対しても、繰り返
 し、「虐殺はなかった」という発言がなされている状態です。犠牲者の関係者の立場から見ると
 絶対に許しがたい態度です。こうしたことに対する明確な戦後処理が出来ない限り、怨念は今後
 も永久に続くことになります。


 ● 9月15日(土曜日) ●

     久しぶりに「社会主義」の学習会に出席しました。

  午後から社会主義に関する学習会があったので出席しました。今日のテーマは「国家独占資本
 主義論の再検討」というものです。若い頃は、こうした勉強会にはしょっちゅう参加したもので
 す。毎日毎日、勉強会を終えるたびに新たな世界が飛び出すような感覚に陥ったものです。しか
 し、最近はしっかりご無沙汰しています。今日は、半ば忘れていたような言葉が次々と出てきて
 久しぶりに新鮮な感じになりました。

  それにしても、今の新自由主義社会は、発生する問題にどのように「的確な対策」を講じても
 根本的には解決には繋がらない対処療法でしかなく、それに加えて新たな問題が次々に顕在化し
 ていく状態です。次の社会の担い手である若者たちの年収の実態に、この社会の病巣が端的に現
 れています。年収200万円以下が何と1000万人を超える社会、いつ首を切られてもおかし
 くない不安定な非正規就業者が全体の三分の一を超える社会です。「先進国日本」は、こうした
 おぞましい構造の上に乗っかって成り立っているのです。まさしく異常というしかありません。
 とても先進的な国家の姿とはいえません。しかし、こうしたことについても、全て「自己責任」
 だとされるのが新自由主義であり、今の日本の実態です。

  現在、民主党も自民党も「親分」を決める選挙を目前にしていて、何人もの候補者が毎日テレ
 ビに登場して、政策なるものを述べています。しかし、今触れたような深刻な社会の実態につい
 ては、唯の一人も言及していません。要するに、社会に蔓延している深刻な実態を、問題として
 意識していないことの表れです。情けなくなります。


 ● 9月13日(木曜日)●

     新宿区役所、震度6の地震で崩壊の危険性あり。

  驚きました。新宿区役所の本庁舎が、東日本大震災を受けて行われた耐震診断で、震度6強以
 上の揺れで倒壊する危険が高いことが分かりました。昨日開かれた総務区民委員会に報告されま
 した。

  私は昨年3月11日の大震災の時に、予算委員会の委員として区役所内の議会大会議室で予算
 案の審議をしていましたが、その際も、区役所の建物は耐震化が実施されているから安心だが、
 歌舞伎町一帯はどうなんだろうと、外の事ばかり心配していました。区役所の庁内放送も、来庁
 者に対して「この建物は安心です」と繰り返しは伝えていたものでした。それが、実は倒壊の危
 険性があったというのですから本当にびっくりです。

  新宿区役所の本庁舎は、昭和41年に作られた地下2階、地上8階建ての鉄筋コンクリートの
 建物です。東日本大震災で、窓ガラスが130枚割れるなどの被害が出たことから、ことし6月
 まで半年かけて耐震診断が行われ、その結果、現在の国の耐震基準を満たしておらず、震度6強
 以上の激しい揺れで倒壊する危険が高いことが分かったというのです。各階にある壁の位置が偏
 っているうえ、使われている部材も強さが不足しているということです。
 
 このため、区は地震の際の建物の揺れを抑えようと、地下に免震ゴムを設置する対策を検討し
 ていて、詳しい調査や設計をしたうえで 、再来年には工事を始めたいとしています。

  この本庁舎は、昭和55年の耐震診断では、当時の基準で問題ないとされていて、新宿区側は
 「予想以上に数値が悪くて驚いた。パソコンといったOA機器など当時想定していなかったもの
 が増えたことで、重量が増加したことなどが原因と考えられる。一刻も早く耐震化を進めたい」
 と話しています。一刻も早い耐震化が2014年度中というのは何とも悠長なことです。場合に
 よっては2年以上先のことになります。OA機器の増加が原因というのも理解に苦しみます。そ
 の間、ここで働く区職員の気持ちはどんなものでしょうか。そもそも6月にまとまっていた報告
 が、2か月以上もたった今頃に行われるのも問題です。

    坂本龍一さんに「配慮」を求めるのだそうです。

  音楽家の坂本龍一さんは、「脱原発論者」としても知られています。私たちが取り組んだ「脱
 原発1000万人署名運動」の呼びかけ人の一人でもあります。
  この坂本龍一さんに関連して、今日、面白いニュースがありました。

  山口市は、市が設置した山口情報芸術センターの10周年記念祭総合芸術監督を坂本龍一さん
 に依頼し、5月末に就任が決定していますが、坂本さんが「脱原発」などの活動をしていること
 を問題化して、今後、「配慮」を求めることにしたというのです。

  新聞の報道によると、12日の市議会で、ある議員が「(芸術監督として)税金を使って活動
 するのだから、政治活動を慎むよう申し立ててほしい」と市に要請したところ、答弁に立った市
 幹部は「個人としての思想言論の自由は、基本的には尊重されるべきだ」(当たり前。いえづが
 もがなこと)としながらも「記念祭が国内外から高い評価を得られるよう、本人に配慮いただく
 ようお伝えしたい」と述べたということです。市は今後、「要請」の内容や時期を検討するよう
 です。カネを払っているのだから、オレの言うことを聞け、と言わんばかりの奇妙な論法です。

  坂本龍一さんは、国会議事堂前で「脱原発」を訴える抗議活動などに参加したり、7月の山口
 県知事選で特定候補を応援したりしたことについて、反対の立場にたつ一部の市議が問題視した
 ようです。

  坂本さんがふさわしいと考えて就任を依頼し、了解して貰った人に対して、後になって「脱原
 発運動をやめろ」とか「選挙応援をするな」というのは全くおかしなことです。民生委員じゃあ
 るまいし、記念事業の芸術監督に対して、社会的・政治的な言動を慎めとして、就任後にクレー
 ムを付けるのは正当なやり方ではありません。坂本さんは去年から脱原発運動の先頭に立ってい
 たし、山口市はそれを知っていながら就任をお願いした筈です。知らなかったとしたならば、こ
 れまたお粗末な話です。脱原発を主張していることがダメなのならば、就任依頼をしなければい
 いのです。「記念祭が国内外から高い評価を得られるよう、本人に配慮して貰う」という言い分
 もピントはずれです。坂本さんが信念に基づいて脱原発を主張していることと、記念祭の評価の
 是非は全く関係の無いことです。むしろこんな馬鹿げたことをしていると、それが理由で折角の
 記念祭の評価が下がりかねません。

  それにしても、山口市議会は何とも低級な議論をしているようです。どこの自治体にも色々な
 議員がいるものだと思いました。


 ● 9月12日(水曜日) ●

     詐欺師たちが繰り広げようとしている政治。

  現在の衆議院の選挙制度では、比例区は政党に投票することになっています。その政党が獲得
 した比率によってそれぞれの政党の議席が決まってくる仕組みです。ドント方式です。各政党の
 比例区選出の議員は、「政党の議席」にあてがわれている人たちです。従って、そのあてがわれ
 た議員は、政党を代えて、有権者が選んでもいない他の政党に移ることはありえないことです。
 こうした移動を許すことは、選挙制度の根本を否定することになります。当選時の政党から他の
 政党に移るのならば、一度議員を辞めるべきです。

  ところが、これまでも政党を渡り歩く議員が結構いたのです。その都度、いまのような問題点
 を指摘されながら、誰一人として辞職した議員はおりません。今度引退することになったよさの
 議員もその一人です。与謝野さんは選挙区選挙で落選しましたが、自民党の比例区枠で救われて
 議席を確保した議員です。「立ち上がれ日本」に移りましたが、自民党の遺産はちゃっかりと持
 ち逃げしたのでした。

  今日、「日本維新の会」が発足しましたが、合流する7人の議員の内、「みんなの党」の3人
 の議員は、比例区で選出された議員です。この3人は、自分の力で当選したのではありません。
 有権者は当時の「みんなの党」を支持したのであり、議席は「みんなの党」からの借り物に過ぎ
 ません。ところが、借り物は返さないというのですから、開いた口が塞がりません。

  「みんなの党」という車に乗って活動していた運転手が、車を降りたならば、その人はもう運
 転手ではなく、ただの通行人です。ところが、このただの通行人は、自分で運転免許書を偽造し、
 今度は「日本維新の会」の車の運転手になるというのですから、全く呆れてしまいます。いうな
 ら「詐欺師」です。さしづめ、この詐欺師を雇い入れる「日本維新の会」は、その親玉というこ
 とになります。免許書の偽造を取り締まれない政治システムもおかしなものですが、政治は最高
 の道徳」「政治家はその体現者」でなければならないのならば、法律の有り無しの問題ではなく、
 政治に関わるものの基本的な生き方の問題です。

  それにしても、こうした詐欺師たちとその親玉が、結構、期待され、支持されているというの
 ですから、日本の政治は、いまや理想的な姿とは「対極」に投げ出されつつあるような気がしま
 す。


 ● 9月11日(火曜日)●

   「悲しみの南京」、渡辺・横井の圧倒的な二人芝居。

  日中戦争の初期の1937年12月、日本軍は、当時中国の首都であった南京に向けて進撃を
 開始していましたが、この進撃の過程で捕虜や敗残兵、一般市民を大量に虐殺した事件が史上有
 名な「南京大虐殺」です。

  しかし、時々、未だにこの「南京虐殺はなかった」などと発言する者があり、外交問題になっ
 たりして物議をかもしています。最近では、2月20日に河村名古屋市長が、こともあろうに江
 蘇省南京市の訪日団の表敬訪問に対して、「南京事件はなかったのではないか」と発言して外交
 問題化し、更に石原慎太郎東京都知事が「南京大虐殺」を否定した河村名古屋市長の発言につい
 て「河村君の言うことが正しい。大虐殺は違うと思う」と述べ、擁護しています。こうした状態
 が戦後も延々と続いているのです。

  この事件について、殺された人数の規模を別にすれば、「南京で大虐殺が行われた」という事
 実は、まともな歴史学者であれば誰もが肯定していることであり、河村市長や石原知事のように
 歴史的事実を捏造して否定する人は全くの少数派です。ただ、今も尚、こうした人間がいるのは
 残念なことです。

  今日、なかの芸能小劇場で、南京で起こった実話をテーマにした舞台・「地獄の12月・悲し
 みの南京」が催されたので鑑賞しました。舞台俳優の渡辺義治・横井量子夫妻の二人芝居ですが、
 南京大虐殺という重いテーマに取り組み、全国で好評を得ているものです。

  渡辺の父は南京大虐殺とも関係があった軍人、横井の父は軍を相手に甘い汁を吸っていた商人
 で、共にあの戦争と直接・間接に関係がある俳優です。幾多の中国人の犠牲の上に築かれた自分
 たちの戦後の幸福を、戦争加害者である軍人の子どもとして真正面から向き合っている内容です。
 
  二人は、何度も南京に行って現地の人たちの話も聞いています。印刷物には「この舞台は実話
 です」と記されていますが、うなづけます。

  渡辺義治は、配布した挨拶文の最後に「私は、全生涯をかけて、わが罪と向き合い、生きてい
 くことこそが、私の生の意味だと思うようになりました。この作品は、そんな、私と妻の告白な
 のです」と述べ、「罪びとは私」「その罪をどう償うのか」と自問し、「地獄こそ我がすみ家」
 というものすごい言葉で文を結んでます。

  今日の舞台は、中野・新宿・杉並の人たちが主催したものですが、二人の俳優や会場の都合で
 は午後2時からの開催でした。勤めている人は見ることができません。今度は夜とか休日に開催
 し、もっともっと沢山の人に見て貰いたいものだと感じました。


 ● 9月9日(日曜日) ●

   沖縄を説得するではなく、アメリカを説得すべきだろう!

  今日、沖縄では「オスプレイ配備反対県民大会」が開かれました。10万人もの県民が参加し
 たということです。これと呼応して、東京でも11時から国会周辺で「沖縄と同時アクション・
 国会包囲行動」が行われ、主催者発表で1万人が参加して国会を「人間の鎖」で包囲し、配備反
 対の気勢を上げ、盛り上がりました。

  オスプレイは、開発段階から、世界各地で墜落事故を起こし問題になっていますが、この危険
 極まりない最新鋭機が、人家が密集している沖縄の普天間基地に配備されることになっているの
 です。政府は、「アメリカが安全だと言っている」「事故の原因は人的なミスで、機体には問題
 がない」などど米軍のスポークスマンーのようなことを吹聴し、配備に躍起になっています。

  つい最近の事ですが、アメリカ海兵隊によると南部にあるノースカロライナ州のニューリバー
 基地に所属するオスプレイが、6日、オイル漏れ起こした疑いで警告灯が複数点滅したために、
 民家の近くの広場に緊急着陸したということです。この一件についても、防衛大臣は、「これは
 事故ではなく、事故を防止するための措置なので問題がない」と記者に語っています。

  政府はこれまで、オスプレイ関連の事故は機体の問題ではなく、人為的ミスと強弁しています。
 オイル漏れも人為的ミスだといい逃れる気のようです。こんなバカらしいことを言っているあの
 森本防衛大臣先生は、ドンホーテそのものです。

  そもそも、人為的なミスが度々起こるような飛行機そのものが問題であるにも関わらず、それ
 を故意に隠そうとしているのです。また、野田首相は、配備は最終的には米軍が決めることだな
 どと述べて、主権国家を放棄したかのようなことまで言っていますが、首相といい、防衛長官と
 いい、競って喜劇役者を演じているようなものです。

  先日、森本大臣先生はこの飛行機に乗って、「乗り心地が良かった」などというとぼけたコメ
 ントを発し、反発を招きましたが、乗り心地がよければ安全だと言わんばかりです。「乗り心地
 がいいので、沖縄の皆さん、我慢してください」ということでしょうか。

  防衛大臣は、また近いうちに沖縄を訪問し、「オスプレイは安全である」として、現地の自治
 体や住民を説得するのだそうです。しかし、やること、やるべきことが逆じゃないのか、です。
 説得すべきは沖縄の自治体や住民ではなく、アメリカだろうということです。なぜ、アメリカに
 行って、「オスプレイの配備には反対だ。やめてくれ」といえないのか。この大臣は米軍の下請
 け業務を請け負っているお人好しおっさんなのか、です。

  とにかく、日本全土の0.6%の広さしかない沖縄県に、米軍基地が74%も集中している現
 状は、仮に日米安保を前提にしても全く異常な姿です。その上に、民家や学校が隣接して世界一
 危険だといわれている普天間基地に、危険な飛行機のサンプルのようなオスプレイが配備される
 ことは、絶対に許せないことです。何としても阻止しなければなりません。 


 ● 9月7日 (金曜日) ●

    「伊方原発再稼動反対」の署名活動に取り組みます。

  伊方町(いかたちょう)は、愛媛県の南予地方に位置し、九州と四国を隔てる豊後水道に突き
 出た佐田岬半島に位置する町です。人口は約一万人強の小さな自治体ですが、ここには四国電力
 伊方発電所(原子力発電所)があり、四国の電力消費量の約35%を供給しています。

  しかし、この原発は、沖合い約6キロに中央構造線活断層が走っていることもあり、他の原発
 に比べても極めて危険性の高いことが指摘されています。内閣府の「南海トラフの巨大地震モデ
 ル検討会」は、巨大地震の震源に地域を伊方原発のほぼ直下にまで拡大しています。もし、ここ
 で事故が起こった場合、瀬戸内海という内海域に属していることもあり、福島原発とはまた別の
 深刻な影響が指摘されています。

  現在、この原発は休止中ですが、再稼動させてはならないという署名運動が、いま全国的に取
 り組まれています。私たちもこの署名活動の一翼を担っています。
  すべての原発は再稼動させてはなりませんが、政府や財界は、日本経済がああだのとか、こう
 だのとかいい、この世の中が原発がないと窒息死でもしてしまうかのような陳腐な理由を振りか
 ざして、動かしたくてうずうずしています。
  こうした企みは、ひとつひとつ打破していかなければなりませんが、「伊方原発再稼動反対」
 は、そうした動きの大きな要因になります。私たちは署名活動を行いますが、もし、誰かが何処
 かで「伊方原発の再稼動反対署名」をしていたら、ぜひ、ご協力下さい。


 ● 9月5日(水曜日)●

   反対の立場の人の声は聞く必要が無い。なるほど~。

  政権党の民主党が、命とも言うべき公約をゴミくずのように放棄し、それをいかにも底の浅い
 安直な言葉で繰り返し正当化するなど、政界の程度の低さには驚かされていますが、最近、経済
 界にも似たようなことがよくみられます。

  経団連や日本商工会議所などの責任者が、「脱原発」ならば日本社会の命運が尽きるかのよう
 な脅しの発言を繰り返しているはそのひとつです。目先の利益追求に汲々としているようなこん
 な考えの経営者がトップにいるようでは、それこそ日本の経済活動の命運は尽きる気がしますが、
 今日はこれに関連する面白いニュースがありました。

  北陸電力(本店・富山市)が8月下旬、社民党の福島瑞穂党首ら党関係者による志賀原発(石
 川県志賀町)の視察要請に対し、「原発の必要性に理解がない方への対応は難しい」との理由で
 拒否していたというのです。北陸電力は「視察の要望が相次いでおり、現地が多忙な状況にある。
 『脱原発』を掲げる政党に視察を許可しても原発への理解は得られず、優先順位が低いと判断し
 て断った」と説明しているようです。自分たちの言いなりになりそうな人や団体だけを受け入れ
 るという主張です。正直で分かり実にやすい理由です。これがこの会社の経営者トップの判断の
 ようです。
 
  しかし、電力会社は、言うまでもなくそんじょそこらに単なる民間会社ではありません。国に
 よって手厚く保護された、地域独占の特別な企業です。そうした企業が、自分たちに都合が悪い
 「声」は聞きたくもないというのでは、最早、狭隘な感覚で経営されている利己主義的な会社と
 しか思われません。この会社では、「企業の社会責任」や半公営企業としての地域社会への貢献
 のあり方などどうでもいいと思われているのでしょうか。そんなことは全くの空言だァ、と言わ
 れるのがオチかもしれませんが、寒々としてきます。

   未曾有の大事故を引き起こした東京電力の会社としての体質や問題点は、あの大事故以来繰り
 返し指摘されていますが、北陸電力も(東電ほどではないのかも知れませんが)、随分、似たり
 よったりのところがあるようです。

  経団連や日商のボスが、目先の事しか見えないような発言を繰り返していますから、北陸電力
 の対応も驚くことでもないでしょうが、日本の経営陣の経営感覚・経営理念は何とも陳腐でお寒
 い限りです。どう見ても魅力に溢れた経営者たちとはいえません。堂々とした時代を貫く高邁な
 「経営哲学」にたった会社経営は、昔、一部にはあったような気がしますが、今は最早期待でき
 ないものなのでしょうか。


  今日は水曜日です。四谷四丁目交差点では、それなりの人たちが参加して、「竹島問題」で水
 曜日恒例の韓国大使館への抗議集会がもたれました。私の住んでいるかマンションの窓からよく
 見えます。暑い中で毎週毎週、実によく続いています。

  今日は、所用があったので、新宿区議会を訪ね、事前に連絡して約束をしていましたが、宮坂
 議長に特別に時間を取って貰い、お会いしてきました。議長には、私からの話を聞いていただき
 安心しました。


 ● 9月4日 (火曜日) ●

     津軽の中学校卒業後、半世紀。クラス会開催へ。

  私は、津軽半島の市浦村で生まれ、村立の脇元小学校、中学校に通いました。同級生はごく少
 数の入り代わりはありましたが、9年間を通してほとんど同じメンバーで38人でした。このう
 ち、これまでに5人が亡くなりました。33人は健在です。全国に散らばっているので、卒業以
 来、全員が一堂に会することはなくなりましたが、時々、気軽に集まれる人たちが集まって、適
 当に旧交を温めています。

  今年、大方の人は区切りの「古希」になるので、先日、久しぶりに集まろうということになり、
 市浦村に残っている何人かで計画を進めていましたが、9月19日と20日、青森市の近くの浅
 虫温泉で開催することになりました。昔からの温泉地です。現在では市浦村からも車で短時間で
 行くことが出来ます。今では考えられないことですが、私たちが首を長くして待ち望んでいた修
 学旅行の行き先のひとつもあった懐かしい場所でもあるので、ここにしました。

  今日、この集まりを企画している市浦村(現在は合併で五所川原市になっていますが、私たち
 にとっては何時までも市浦村です)の一人から連絡があり、詳細を聞きました。全体の33人の
 うち、ほぼ半数くらいが参加ということでした。ほとんどの人は、長くて5年ぶりとか10年ぶ
 りに会う人たちですが、ひょっとすると半世紀ぶりに会うという人も参加するかも知れません。
  期待し、楽しみにしています。


 ● 9月2日(日曜日)●

   「大阪維新の会」が政策発表、厳密な取捨選択を。

  「大阪維新の会」の鼻息が荒いみたいです。すぐに目新しい話題に飛びつくテレビ局は、大阪
 維新の会を毎日、朝夕のテレビに登場させてます。

  既存の民主・自民への不信感は「極まれり」の感じですので、かつての小泉政治のように、目
 新しいところに関心が集まるのは世の常ですが、しかし、だからといって何でもいいということ
 にはなりません。

 一時、調子が良くもてはやされ、そのために、思想性がないばかりか政治的にも全く未熟な人
 たちが餌に飛びつくような状態で食いついた「みんなの党」も、これまでの他の政党が辿ったの
 と同じように今や賞味期限切れになり、新物食いのテレビ界の視野からも消えつつあります。確
 固とした理念がなかったからです。いったん困難な局面に置かれた場合、思想性がないと、問題
 を是正するのではなく、安易に他の道に逃げ込むというパータンです。栄枯盛衰といいますが、
 理念が欠落した政党は、大体このような運命を辿ります。

  政党政治の土台は、いうまでもなく「政策」とその「実現」です。当たり前ですが、政党が掲
 げる政策は、民主党のようにただ作ればいいということではなく、政策に対して最後まで責任を
 持つことが大前提です。公約が実現できなかったならは、次の選挙で国民の厳しい審判を受けれ
 ばいいのです。

  前回の選挙では、「目新しい政治勢力」として大勝利をおさめた民主党は、驚く程の速さで政
 策を放棄し、バケの皮がはがれて、無残にも変身しました。
   今や国民との約束を反故にし、そのことに何の矛盾を感じないまま、全く別の皮をかぶって迷
 走している状態です。「どじょう」ではなく、変幻自在の「カメレオン」の感じです。しかし、
 こうした全く恥べき変節を、口先だけで正当化する「能力」だけは持ち合わせているようです。
 道理に反したことを正当化する野田首相のような「政治家」というのは、最早人間離れした「能
 力」の持ち主のような気が私にはしています。

  ところで橋下市長の「大阪維新の会」は、31日、次期衆院選に向けた政権公約集の「維新八
 策」なるものを最終案としてまとめました。

  主要な政策は、衆院定数(480人)の半減、政党交付金や歳費の3割削減、首相公選制の導
 入、太平洋パートナーシップ(TPP)協定への参加、参院廃止、道州制の導入、生活保護の受
 給抑制、消費税の地方税化、脱原発依存(具体的な数値や達成年度は言及なし)などです。

  これらの政策の中には、賛成できるものもないわけではありません。ただ、この団体の思想的
 基盤は、ここには直接触れていませんが「憲法改悪」です。これこそが「大阪維新の会」が持つ
 本質的な基盤であり、拠って立つ考えなのです。だからこそ、憲法改悪・教育基本法の一層の改
 悪を目論み、執念を燃やしている右翼の安倍元総理大臣に連携を呼びかけているのです。

  自民・民主両党がどうしようもないのは、実によく分かります。しかし、だからといって「憲
 法改正」を党是とする橋下政党がいいということにはなりません。歳費や議員数の削減は、有権
 者の喝采を得やすく、選挙になると、政策に未熟な者ほどこうしたことを言います。歳費や議員
 数は「適正」でなければなりませんが、むやみに削減しても、政治はよくならないどころかかえ
 って劣化する危険性があります。惑わされないことが大事です。大向こう受けのいいことを言っ
 ている「大阪維新の会」は、政策的に考えると、自民党の右翼グループと同じかそれ以上に偏っ
 ています。民主政治の本質を否定し、「国民主権」の考えに真っ向から反する政治姿勢です。と
 ても民主的な政治に馴染む勢力ではありません。

  日本の民主主義は、私たちが思うほどは成熟していませんし、その水準も決して高いわけでは
 ありません。国民の中には、依然として無批判に迎合する人もいます。実にいい加減です。だか
 らこそ懸念されることですが、安易に「橋下イセ改革」等には飛びつかないようにしなければな
 らないということです。軽率な付和雷同は、確実に自分の首を締めることに繋がります。「大阪
 維新の会」の政策や思想は、成熟した民主主義社会に馴染むものでないことは、誰でも、ちょっ
 と考えれば分かることです。


 ● 8月30日(木曜日)●

 パラリンピック開催。オリンピックよりも先に実施したら?

  パラリンピックが始まりました。開会式は、先日行われたオリンピックの開会式と同じように
 の何とも派手なものでした。はっきりとしたコンセプトに基づいたストーリーがあるのでしょう
 が、こういう派手さにはどうも馴染めないものがあります。それに、パラリンピックは、どうし
 てもオリンピックの付け足しのような感じがします。テレビ中継の頻度も雲泥の差です。
  ある人は、オリンピックよりもパラリンピックの方を先に実施すればいいのではないかと述べ
 ていましたが、中々いいアイデァだと思います。パラリンピックの存在感や注目度を高めるため
 に、2回に1回くらいはそうしたらどんなものでしょうか。


  所要で飯田橋まで行きました。いつもだったら用事が終わったら電車で千駄ヶ谷駅まで帰り、
 そこからは歩くか自転車で帰宅、ということになるのですが、最近、相当運動不足なので今日は
 飯田橋から自宅まで歩いて帰えりました。
  所要時間は約50分、歩数は約6000歩。私は大またで、結構早く歩きますが、いい運動に
 なりました。ただ、全身汗でびっしょりでした。


 ● 8月29日(水曜日)●

    参議院で「問責決議」、田舎芝居は最終章か?

  参議院で野田内閣に対する「問責決議」が可決されました。拘束力はありませんが、影響は甚
 大です。国会の会期は9月8日ですが、この決議によって今後の国会審議は空転することになり
 ます。国権の最高機関は、未審議の法案を一杯残しながらも開店休業です。まさに政治は「末期
 症状」です。

  今日可決された「問責決議」は、先に生活第一・共産・社民など野党7党が提出したもので、
 その提案理由は、民主・自民・公明の三党が行った「大談合」による消費税増税を厳しく批判す
 る内容です。
  すなわち「三党合意」を否定するものですが、何と自民党は賛成しました。自分たちが行い、
 自画自賛していることが批判され、否定されているにも関わらず、それに賛成するという選択を
 したのですから支離滅裂というしかありません。自己矛盾も感じないようですから、呆れます。
 ある哲学者の言葉によると「政治は最高の道徳」でなければなりませんが、どうも日本の現状は
 「政治は最低の茶番劇」に成り下がったようです。カネを倍にして返して貰いたい「田舎芝居」
 をみている感じです。

  こんな低次元の政治をやられたのでは、いかさま臭い大阪維新の会など「代わりのものなら何
 でもいい」ということになります。
  橋下大阪市長の言動は、ちょっと考えてみると、多くの場合、民主主義を否定することに繋が
 り、まともな内容でないことはすぐに分かりますが、こうした「異端」が一人前に評価されるの
 は、民主・自民・公明のテイタラクによるものです。それにしても正に異常というありません。


  今住んでいるマンションのすぐ近くに韓国文化院があり、ここに一時的に韓国大使館が移って
 きています。竹島問題で大使館に抗議するために、ほぼ連日、右翼政治団体の宣伝カーが、大音
 響を鳴り響かせながら、付近を徘徊しています。
  住んでいるマンションからは四谷四丁目交差点がほぼ真下に位置し、警備の状況などもよく見
 えますが、この暑い中、熱暑の下で
 立ち尽くす(朝から晩まで同じ人ではないとおもいますが)警察も本当に大変だと思います。

  今日は水曜日ですが、以前から毎週水曜日は、右翼政治団体とは別の人たちの「統一行動日」
 になっているようです。それなりの数の人たちが、毎回、交差点の一角に並んで盛んに訴えてい
 ます。宣伝カーでがなりたてている連中と思想的には同じなのでしょうが、彼らとは違って、一
 応、起承転結のある話をしています。
  この抗議活動は随分マジメに継続されています。今日も暑い中、多くの人たちが集まり、いつ
 ものように日の丸を掲げて、竹島に上陸した韓国大統領の行動などを、リレートークで批判して
 います。思想形態を別にすれば、冷たい飲み物でも差し入れたいくらいです。


 ● 8月28日(火曜日)●

   新マンションの「安全祈願祭」が行われました。

  私が住んでいた「野口ハウス」は、老朽化のために隣接する他のニ棟のマンションと共に建て
 替えに入っています。長かった解体工事もほぼ終わりました。いよいよ着工になりますが、それ
 に先立ち、今日、「安全祈願祭」が行われました。私は、役所が行う「地鎮際」には何度も出席
 したことがありますが、今日は、建設を担当する清水建設が行うものです。民間企業ですので、
 自治体と違って宗教との関連が問題になることはありません。
 
  どのような内容になるのか楽しみに出席しましたが、何とも仰々しいものでした。まず、恭し
 く白装束に身を包んだ須賀神社の神主が登場しました。その後の儀式は、「次第」によると次の
 ようなことが順次行われたようです。
 

  (神職登場)、修祓、降神之儀、献餞、祝詞奏上、切麻散米、地鎮之儀、苅始之儀(齋鎌)、
   穿初之儀(齋鍬)・穿初之儀(齋鋤)、玉串奏尊(神職)、玉串奏尊(関係者)、撤餞、
  昇神之儀、神酒拝戴、(神職退下)。

  以上が儀式の中身です。およそ一時間弱もかかりました。この次第の文言から推察すると、ど
 うやらこの場に一時的に「神様」なるものががおいでになり、神主に姿を変えて儀式を取り仕切
 り、一通りの儀式を終え、また天空へお帰りになった、というシナリオのようです。
  私たち参列者は、何度も何度も虚空に向かって拝礼をさせられたりしましたが、ただ、これに
 よって工事中の安全が担保されるならば、誠に結構なことであるとは思いました。有り難いこと
 だと思わなければならないような気はします。
 
  ところで新しいマンション(「マジェスティ新宿御苑前」という名称になりそうです)の工事
 はいよいよ着手されます。完成は再来年の2月の予定です。当初の計画よりも2ヶ月延伸になり
 ました。私たちが旧野口ハウスから現在地に移転してきたのは一年前の去年の9月ですから、元
 のところに帰るまで何と29ヶ月もかかるということになります。この歳になって、2年半も他
 所に仮住まいをするというのは、得がたい経験にはなりますが、何となく落ち着かない中途半端
 な気分にもなります。


 ● 8月26日(日曜日)●

   「四谷散歩」を更新しました。ご覧下さい。

  暫く停滞していたこのホームページの「四谷散歩」の欄を久しぶりに更新をしました。これま
 で「こんにちは社会党です」という印刷物に掲載してきた四谷地区の文化財や事件・伝承・風物
 などの記事を整理し、一挙に11件程追加しました。これで41件になりました。私のホームペ
 ージの中でも、この欄は結構読まれている記事です。今日は、写真の準備が出来ていないので、
 その掲載は後日になります。
 
 
  午後、四谷図書館にも久しぶりに行ってきました。先日、山本兼一の『弾正の鷹』を読みまし
 たが、面白い本でした。この作者は、以前、『利休に聞け』で直木賞を受賞している作家ですが、
 時代風景を描くのに独自の感覚を持っています。同じ作家の別の本と思っていましたが、適当な
 ものが無かったので、久しぶりに隆慶一郎の本の『吉原御免状』にしました。
 
  この作品は、直木賞候補になりましたが、残念ながら受賞は逸しています。この作者の代表作
 に『影武者徳川家康』がありますが、想像外の歴史観をベースにした長編です。すなわち、関ヶ
 原の戦いで家康が殺され、その為、関ヶ原以後は家康の影武者がその代わりを務めざるを得なく
 なったということを裏面において、次代将軍の座を狙う秀忠と影武者の間には、長く厳しい暗闘
 が延々と続いた、というストーリィです。
  これだけ聞くと奇想天外な感じがしますが、家康暗殺の「事実」が実に詳細に検証されており、
 大変説得力があります。読んでいるうちについその気になってしまいます。
  『吉原御免状』も評価の高い本です。


 ● 8月23日(木曜日)●

   残念! 八戸の光星学院はまた決勝で敗れました。

  この夏の全国高校野球大会は今日が決勝。私が高校時代を送った八戸市の光星学院が去年夏、
 今年春に続いて3回連続で決勝までこまを進めました。今度こそは思いましたが、残念ながら大
 阪桐蔭高校に敗れました。
 
  私が高校生のころ、光星学院は創設されたばかりの新しい学校で何の特徴もない学校でした。
 同級生の何人かがこの高校に進学しました。今は知りませんが、当時は全く低い評価の学校でし
 た。その後、スポーツに力を入れてきたようで、特に野球では全国屈指の実力を持つに至ってい
 ます。青森県の野球大会では、いつも青森山田高校と覇を競っています。ただ、八戸市にあると
 はいっても、野球部には地元の子どもは僅かしかいなくて、特にレギュラー選手はほとんど県外
 の子どものようです。情報によると、今回、甲子園に出ている18人のメンバーの出身地は、次
 のようになるのだそうです。

  金沢湧紀(青森県)・田村龍弘(大阪府)・武田聖貴(岩手県)・城間竜兵(大阪府)・大杉
 諒暢(大阪府)・北條史也(大阪府)・村瀬大樹(宮城県)・木村拓弥(神奈川県)・天久翔斗
 (沖縄県)・伊藤裕貴(青森県)・谷口征良(奈良県)・千葉 諒(宮城県)・野崎健太(青森
 県)・岸川賢汰(大阪府)・砂子大吉(大阪府)・松浦凌弥(青森県)・古寺真也(大阪府)・
 関口隆祥(三重県)。
 
  こんな具合です。驚きましたが、今日の先発選手でも地元出身者は金沢投手一人だけのようで
 す。一方、大阪出身の野球留学者は7人です。何かこれじぁ、大阪同志による決勝戦のような気
 がします。八戸の人たちは、これで一体、盛り上がるものなのでしょうか。
  いま野球の強い高校は、一部を除いてどこも似たような状況なのかもしれませんが、学校の名
 前を挙げるための学校の努力や野球で名をはせるための選手個人の努力(親の努力)は、何とも
 大変なものだと感じました。
 

 ● 8月21日(火曜日)●

 各地で明らかになるいじめ問題。教育委員会の体質も要因。

  大津市で起こった子ども自殺事件が注目を集め、これを契機に今までは全国的には報道されて
 いない同種の事件が次々と明らかになっています。いずれも深刻です。
 
  そのひとつが鹿児島県出水市の中学校に通っていた2年の女子生徒(当時13歳)の事件です。
 昨年9月、九州新幹線に陸橋の金網から飛び込んで自殺しました。
  いままで真相を究明して欲しいと動いてきた遺族は、学校・市教委の対応に痺れを切らし、今
 月10日、恐喝未遂と器物破損の容疑で鹿児島県警出水署に被害届を提出しています。
 
  学校側は「自殺に結びつくいじめはなかった」としているそうですが、女子生徒特有のいじめ
 が背景という見方が有力です。
 
  遺族の要求により、学校・教育委員会側は、自殺の6日後に全校生徒を対象にアンケートを実
 施したが、「自殺の原因とみられる出来事は確認できなかった」と結論づけています。
 
  学校側の姿勢に不信感を強めた遺族が、友人や保護者に対し独自にアンケートを行ったところ、
 「楽器を壊された」「Aさんが悪口を言っていた」「泣きながら歩いていた」など女子生徒が精
 神的に追い詰められていた様子が浮かび上がっています。女子生徒は吹奏楽部に所属していまし
 たが、吹奏楽部で一緒の同級生は「ノートがなくなったと聞きました。お盆明けから練習に来な
 くなった」などと述べているということです。
 
  遺族は市教委にアンケートを開示するよう求めていますが、事前の約束を反故にして「いじめ
 と自殺の関連はなし」とアンケートの開示を拒否しているというのが現状です。
 
  今朝、この事件がテレビで放映されていましたが、学校や教育委員会側には、真摯に真相を究
 明しようという姿勢が感じられません。自分たちに類が及びかねないからです。いかにも「こと
 ながれ主義」に凝り固まった古い古いタイプの役人たちです。もっともっと社会問題化しなけれ
 ば、この事件から「何の問題も無かった」として彼らは逃げおおせるだろうと感じました。保身
 を何よりも大事だと考える彼らの術中にハマってはならないとも思いました。
 
  アンケート結果は、プライバシーに充分配慮しながらもを公表し、事実の究明に役立たせるの
 が当たり前のことだと思います。もともとそういう前提だったのですから。教育長が、「アンケ
 ートの結果、いじめとの相関関係は感じられなかった」、従って「公表は絶対しない」というだ
 けでは問題は何も解決しないばかりか、ますます不信が強まるばかりです。

  大津市の場合もそうですが、一部の自治体にはこびるこうした教育委員会の体質は全くどうし
 ようもないですね。大事な学校を安全で真実を追求する場に作り変え、信頼される地域の核にし
 て欲しいものだと思います。


 ● 8月17日(金曜日)●

   「実害がなかった」で済まされる問題か!

  尖閣諸島に「上陸」した香港の不法侵入者たちが強制的に退去させられました。
  しかし、こうした政府の対応は何とも理解しにくいものがあります。尖閣諸島は歴史的に見て
 も疑いなく日本の領土です。政府には、当然のことですが国土を保全する責務があります。従っ
 て、政府は不当に進入してきた者に対しては厳格に対処しなければなりません。ただ単に「強制
 送還」という名目で短時間に収束させようとするやり方は、妥当な解決方法ではありません。実
 に軟弱な対処法であり、外交の本筋とは思われません。しかも、香港の不法侵入者は乗ってきた
 船が海上保安庁の警備船に体当たりしたり、レンガ片を投げつけたりしているにも関わらず、政
 府は「実害がなかった」ということで、公務執行妨害罪にも問いませんでした。不思議この上な
 い話です。例えば、人を殺す目的で拳銃を発砲したけれども、操作技術が下手くそだったために
 命中しなかった殺人犯は、「実害」がなかったということで罪に問われないのと同じです。普通
 の法治国家では通用しない話です。民主党だから通るということでしょうか。
  民主党政権、特にこの政権は呆れるほどいい加減な「指導者」で動かされている気がします。


 ● 8月12日(日曜日)●

  ロンドンオリンピック閉会。実に凝縮された時間でした。

  7月28日から始まったロンドンオリンピックは、熱戦を繰り広げ、今日閉幕になりました。
 メダル獲得を期待され、その通り獲得した選手、残念ながら期待に添えなかった選手、もともと
 メダルの期待はされていなかったにもかかわらず取った選手、期待通り(?)取れなかった選手
 などなど色々ありましたが、メダルの色や数には関係なく、この数日間は真剣勝負はそれぞれ素
 晴らしいものでした。
  この日のために、日々、訓練を続けてきた選手にとっては、オリンピック会場での闘いの時間
 はまさに極度に凝縮されたひと時であったと思います。私も、こうした真剣勝負は結構好きなの
 で、深夜まで起きたり、深夜に起きたりしましたが、全力を尽くして闘う選手の姿を見るのは、
 その結果が勝っても負けても、いい時間でした。
 
  この間続いている何とも浅はかな民主党や自民公明などの政治の動きとは、随分違います。本
 来ならば、むしろ政治こそが最も市民の期待に応える働きをし、市民に最も信頼されなければな
 らないのに、です。
 

 ● 8月8日(水曜日)●

  啓史の「区政報告」が出来上がり、納品になりました。

  山田啓史区議の「区政報告」(4000部・A4版8頁)が出来上がりました。今日、納品に
 なりました。早速、郵送するための作業をしました。出来上がったもののほとんどが郵送ですが、
 啓史や私の自宅の一帯は、郵送代を節約するために個別に配って回ります。暑い中、大変だと思
 われますが、どういうわけか、私自身はこうした行動は、余り苦にならないのです。


 ● 7月28日(土曜日)●

   ロンドンオリンピック開会。何とも派手な開会式。

  今日からロンドンオリンピックが開催されました。朝の四時過ぎからずっと開会式の模様が報
 道されています。世界で最高レベルのアスリートが一堂に集って持てる技を競うのですから、観
 戦するのが楽しみです。それにしても、開会式は何から何まで、実に派手です。何でこんなに莫
 大なカネをかけ、仰々しくやらなければならないのでしょうか。
 
  そういえば、四年前、オリンピックの誘致に奔走していた東京都の石原知事は、低迷していた
 都民の支持率をあげるためと称して、都内の自治体に巨額のカネ(税金)を割り振りして「支持
 率向上運動」(?)みたいなことを実施したことがありました。新宿区でもそのカネを使って、
 (揚げ足取りのギャグの連発だけを売りにしているような)吉本興業のタレントなどに支払って
 ドロナワ的な「誘致イベント」を2回も実施しました。しかもそのうちの一回は、会計年度末ギ
 リギリでの開催でした。不要額にしないために年度内に使わなければ~、といったことが見え見
 えでした。税金の無駄遣いそのものです。私は「オリンピック誘致のための理解を深めるため」
 というよりも「割り当てられたカネを、とにかく使うため」のイベントのように思われ、議会で
 反対したことがありました。
 
  思い出しましたが、前回の誘致に関連しては、石原知事の息子の会社に法外のカネが支払われ
 たことも明らかになったことがありました。ごく一部に、オリンピックと名が付いたならば、カ
 ネの使途は問わないという風潮があるような気がします。根本的に正す必要があります。それに
 しても、開会式はもっともっと簡素にしてはどんなものなのでしょうか。
 

 ● 7月27日(金曜日)●

   「区政報告」8月号、1万5千枚を作成しました。
 
  今日、偶数月に発行している山田啓史の「区政報告」を15000枚ほど印刷をしました。
  定期的に発行しているA4版4頁のいつものものです。啓史は先の第二定例議会で代表質問を
 し、障害者に関する幾つかの問題を取り上げ、区長の見解を質しましたが、今月号はそれらに関
 する記事を中心に消費増税、脱原発の行動、それに長い間取り組んできた四谷三丁目駅へのエレ
 ベーター設置などです。四谷地域ではひとつの関心ごとになっていた四谷三丁目駅のエレベータ
 ー問題は、とりあえず池袋方面ホームへ設置され、8月1日から利用開始になります。嬉しいこ
 とです。しかし、もう一方の新宿方面は、当初計画が変更になり、現在のところ全く未定です。
 区議の山田啓史は、東京メトロ(株)の奥社長と中山新宿区長に早期実現へ向けての「要望書」
 を提出しています。これらのことも簡単に紹介しています。
  また、好評得ている「四谷散歩」では、今回は新宿ニ丁目の正覚寺を取り上げ、有名な旭地蔵
 やこの寺に眠る江戸時代の黄表紙の作家・恋川春町について紹介しました。明日も残りを印刷し、
 8月1日から地域に配布します。


 ● 7月23日(月曜日)●

  オスプレイ配備。首相は「日本がどうこういう話ではない」
 
  世界のあっちこっちで事故を引き起こして問題を振りまいているアメリカの新型輸送機MV2
 2「オスプレイ」が今日、岩国基地に陸揚げされました。12機です。方針によると、岩国基地
 に一時的に駐機させた後、10月初旬には普天間基地に移され、日本全土を低空で飛行し、本格
 的な運用になる計画です。

  このオスプレイの配備については、全国で反対運動が起こっています。これに対して野田首相
 は、「配備は、米政府の方針であり、(日本から)どうのこうのと言う話では基本的にはない」
 と述べています。あきれてしまいます。主権国家ではないかのような言い分です。これが日本の
 総理大臣の発言なのか、耳を疑います。政府の姿勢は、「安全性が確認されるまで飛ばせない」
 ということですが、全く当たり前であり、当然のことです。ただ、原発問題では、早々と根拠の
 ない「安全宣言」を発して大飯原発の再稼動を容認した首相のことですから、中間管理職レベル
 の首相の「安全性の確認」などという保証はもとより全く信用できないことです。それにしても
 何から何まで信用できない総理大臣です。


 ● 7月19日(木曜日)●

    生活保護適用問題、東京高裁で新宿区が敗訴。

  昨日、東京高裁は、東京都新宿区内のホームレスの男性が、生活保護申請却下処分の取り消し
 を求めて訴えていた行政訴訟で、男性の請求を認容した一審判決を支持し、新宿区の控訴を棄却
 しました。区の完全な敗北です。高裁の主張は私もよく理解でき、共鳴できます。
  新宿区はこの判決を受けてどうするのか注目されていますが、先ほど区の担当者に今後の対応
 を問い合わせたところ、現在、関係者間で慎重に協議中ということで、まだ、結論は出ていない
 そうです。ただ、なるべく早く区としての態度を決めたいという話でした。
 
  この件について日本弁護士連合会会長が談話を発表していますのでを紹介します。
 
       新宿区ホームレス生活保護裁判東京高裁判決に対する会長談話
              日本弁護士連合会会長 山岸憲司
 
  昨日、東京高等裁判所は、東京都新宿区内でホームレス状態にあった男性が、生活保護申請却
 下処分の取り消し、生活保護開始決定の義務付け、生活保護費の支給を求めて提訴した行政訴訟
 について、男性の請求を認容した一審判決(東京地裁平成23年11月8日判決)を維持し、新
 宿区の控訴を棄却した。
  男性は、2008年6月、当時57歳でホームレス状態にあったが、アパート等の住居を確保
 した上で就職活動をしたいと考え生活保護を申請した。しかし、新宿区福祉事務所長は、男性に
 対し、ホームレス自立支援法に基づく自立支援システムによる緊急一時保護センターの利用を求
 め、男性がこれを断ったところ、生活保護法4条1項の「稼働能力不活用」を理由として、3度
 にわたり生活保護申請を却下したものである。
  本件では、申請当時、ホームレス状態にあった男性が、前記の「稼働能力活用要件」を充足す
 るかが争点となった。一審判決は、男性の主張をほぼ全面的に認め、生活保護法4条1項につい
 ては、「法は不可能を強いることができない」という法格言を踏まえ、当時ホームレス状態にあ
 った男性は、その利用し得る能力を、その最低限度の生活の維持のために活用していたものであ
 って、稼働能力活用要件を充足していると認めた。そして、この度の控訴審判決も一審判決の判
 断を維持し、新宿区福祉事務所長が行った生活保護申請の却下処分は、生活保護法4条1項の解
 釈、適用を誤った違法な処分であると断じた。
  本判決は、現在の雇用をめぐる情勢や男性の年齢、経歴、置かれた状況に照らしてみても至極
 妥当なものであって、憲法及び生活保護法の本来の理念に照らして正当であり、近時、稼働能力
 活用要件の恣意的適用によって貧困状態にある人々を生活保護制度から不当に排除している一部
 の生活保護行政に警鐘を鳴らす重要な社会的意義を有する。
  当連合会は、本判決を積極的に評価し、新宿区に対し、本判決を真摯に受け止め、憲法及び生
 活保護法に則った適切な生活保護行政を行うことを求めるとともに、全国の生活保護実施機関に
 対して、ホームレス状態にある人々を差別することなく生活保護制度を適切に運用するよう求め
 るものである。
                              2012年7月19日


 ● 7月18日(水曜日)●

  四谷三丁目駅池袋方面のエレベーター、もうすぐ開通。

  長い間懸案だった丸の内線・四谷三丁目駅のエレベター設置はもうすぐ実現します。池袋方面
 のホームに通じるエレベーターですが、今月末までには開設の予定です。開設時に特別なセレモ
 ニーなどはしないそうです。ある朝、行ってみたらエレベーターが利用できた、という感じのよ
 うです。

  ただ、残念なことは、反対側の新宿方面ホームのエレベーターのことです。当初の計画では、
  約三年後に開設の予定でしたが、これが変更になり、今のところは設置場所も時期も不明です。
 メトロで新しい計画を立案中ということですが、検討の期限そのものも不明です。片方のホーム
 だけでは全く不十分です。一日も早く立案されて、設置されることを要望したい気持ちで一杯で
 す。


 ● 7月16日(月曜日)●

  「この声が聞こえるか、野田首相!」
  熱暑の代々木公園で さよなら原発17万人大集会。

  午後1時から「さよなら原発・10万人集会」(実際に集まった人は17万人)が代々木公園
 で開かれました。広々とした公園のイベント広場は人・人・人で埋め尽くされていました。
 
  私は12時過ぎに電車で会場に行きましたが、原宿駅のホームから人の波でした。電車を降り
 てから改札口まで進むのに随分時間がかかりました。主会場にたどり着くのも大変です。会場の
 あちこちでは、思い思いの「ミニ集会」「独自集会」が開かれていました。労働組合が動員して
 開かれる集会とは全然違う雰囲気です。遮断された道路も横断歩道橋もとにかく人で一杯です。
 
  メーン集会は、1時に神田香織さんの司会で始められ、主催者の大江健三郎さん、鎌田慧さん、
 坂本龍一さんなどが次々と挨拶。1時半過ぎには新宿駅・渋谷駅・神宮外苑の3コースに向けて
 のパレードがスタートしました。35度にもなる熱暑の中でしたが、「脱原発」を願って訴える
 参加者の声は、それ以上に暑いものがありました。

  今日の集会には全国各地から色々な人が参加しています。
  その中の一人。先日、大阪・茨木市の市長選に立候補した山下けいき・前茨木市議会議員は、
 フルマラソンを何度も完走するなど、スポーツマンとして知られていますが、彼は集会に参加す
 るために、茨木から何日もかけて自転車で上京したということです。途中で「脱原発」を訴えて
 きたそうです。今日の10時過ぎ、彼から突然電話があり、「集会の間、乗ってきた自転車を預
 かってくれないか」ということだったのでビックリしました。家まで来てもらいましたが、真っ
 黒に日焼けしていました。さすが元気一杯の山下さんだと思いました。


 ● 7月7日(土曜日)●

  「この夏行きたい湖」。14位に十三湖がランクイン。

  生憎の雨ですが、今日は七夕です。あと少しで小中学校は夏休みになります。今日の朝日新聞
 be欄に「この夏、行きたい湖」の特集が載っていました。全国で調査した「行きたい湖」のラ
 ンキングです。予想どおり摩周湖、十和田湖、阿寒湖、洞爺湖、田沢湖、諏訪湖、宍道湖など、
 著名な湖が上位にずらっと並んでいます。20位までがランクインされていましたが、何と私の
 故郷の十三湖がその中に入っていました。「堂々の14位」です。驚きました。
 
  私にとっては思い出が一杯詰まったどこよりも大好きな湖ですが、果たしてあの湖に全国の人
 たちをひきつける何のとりえがあるのかと考えるとなかなか即答は出来ません。要するにこれと
 いった特徴はなく、太宰治が『津軽』で述べているように、ごくごくありふれた「大きな水たま
 り」のようなものでしかないと思われがちなのです。しかし、あの水たまりが、数ある全国の湖
 の中で14位に選ばれるとは何とも素晴らしいことです。
 
  この「行動日記」の6月6日を見てください。私たちのクラスでは小学5、6年の頃、十三湖
 で名産の「しじみ貝」を採り、それを村の人たちに売り歩いて修学旅行の資金の一部にしたもの
 でした。十三湖の恩恵を受けたまさにその一人です。
 
 
 ● 7月5日(木曜日)●

   国会事故調が最終報告。「原発事故は人災」
    「東電は原発事業者としての資格があるのか!」

  福島原発事故を検証する国会事故調査委員会が最終報告書をまとめ、衆参両院議長に提出しま
 した。注目の報告書は、「原発事故は自然災害ではなく、明らかに人災だ」と断言し、地震・津
 波対策を先送りしてきたことに、原発事故の根源的な原因があると述べています。すなわち、東
 京電力と国に責任があるという内容です。
 
  これまで、原発事故は「想定外の津波によって引き起こされた」とされ、「想定外」という言
 葉が一つの流行語のような状態になっていました。そして「想定外のことが起こった」というこ
 とで東電の責任が棚上げされるような雰囲気もありましたが、真相はそうではなかったというこ
 とです。
  「報告書」では原発停止を経営にリスクととらえ、安全対策を後回しにしてきた東京電力の姿
 勢を「原発を取り扱う事業者としての資格があるのか」とまで言い切っています。実に明確な指
 摘です。東電の要求に対して馴れ合ってきた国の責任も重大です。
 
 
  四谷地区を中心に山田啓史区議の「無料生活・法律相談」のポスターを200枚くらい貼って
 ありますが、貼付後時間が経っているので、赤系統や黄色系統の色が大分飛んでいて一部見にく
 くなっていました。今日は午前から午後にかけて新しいポスターと貼り替えました。150枚く
 らい終了しました。残りは明日引き続き行う予定です。


 ● 7月3日(火曜日)●

   今が、やまだ! しばらくぶりに更新されました。

  新宿区議会は、第二回定例会が6月19日に閉会になったあと、定期的な委員会が随時開かれ
 ている状態です。この間、議員の代表が糸満市で開かれた沖縄全戦没者慰霊祭(6月23日)に
 出席しました。今のところ8月には委員会開催の予定はありませんが、6日と9日には、沖縄と
 同じ様に何人かの議員代表がヒロシマ・ナガサキの原爆慰霊祭に参加することになっています。

  第二回定例会で都区制度改革や障害者・高齢者福祉問題などを取り上げて「代表質問」を行っ
 た山田啓史区議は、会期中から体調を崩し気味でしたが、今日、暫くぶりに彼のブログが更新さ
 れました。「今が、やまだ!」をクリックすると出てきますので、ご覧下さい。


 ● 7月2日(月曜日)●

   小澤グループの50人が離党。新党結成へ。

  消費増税法案に反対し、動向が注目されていた民主党の小澤グループの一部が離党届を出しま
 した。衆議員38人、参議員12人、合計で50人です。民主党は実質的に分裂です。
  マスコミの一部は「造反」と報じていますが、選挙で国民に約束した政策を守ろうとした側が
 「造反」というのは、本末転倒です。これから政局がどう展開するか不明ですが、いずれにして
 も波乱含みです。


 ● 6月26日(火曜日)●

  民自公の大談合の消費増税法案、衆議院で可決。
   民主の造反議員は57人、政界は新たな展開へ。

  午後、衆議院本会議が開かれ、民主・自民・公明の三党でまとまっていた消費税増税法案が可
 決されました。賛成363票、反対96票、棄権・欠席16票。動向が注目の民主党議員の反対
 票は57票でした。
  増税法案は参議院に送られますが、この法案は三党の「大談合の産物」ですから、特別の政変
 でも勃発しない限り成立するのは確実な状態です。
 
  民主党は三年前の選挙で、少なくても「四年間は消費税は上げない」とマニフェストで公約し、
 増税政党の自民党に圧勝しましたが、あれは一体なんだったのかと思います。100m走でスタ
 ートを切った選手が突然、後ろ向きに走りだしたような奇妙さです。政策・公約によって成り立
 つ選挙制度・代議員制度の本質を否定する暴挙でり、民主主義とは相容れない政治の姿です。


  私たち新社会党新宿総支部は、夕方6時から四谷三丁目駅で消費税の引き上げに反対する街頭
 宣伝を行いました。以前から計画していたものですが、たまたま増税法案可決という国会の重要
 な動きと一緒になり、演説にも熱が入りました。久しぶりに一時間ほど訴えましたが、知り合い
 が声をかけて通り、何人かの人が立ち止まって最後まで聞いてくれました。


 ● 6月25日(月曜日)●

  「社会保障改革のために~」と野田首相。
     しかし、消費税値上げ以外は全く前進なし。

  明日の衆議院本会議で消費税率の引き上げが可決される予定です。民主・自民・公明の裏取引、
 すなわち談合政治によるものです。民主党では代議士会が開かれ、野田首相が挨拶しましたが、
 消費税の引き上げは「社会保障改革のためだ」と述べ、最後には「心から、心から、心からお願
 いします」と心からを三度も繰り返していました。田舎芝居を見るような感じでした。
  国民の多くが知っているように、「社会保障改革のため」ならば、その改革の内容が明らかに
 ならなければなりませんが、全然その改革論議は煮詰まっていません。増税だけが先行し、野田
 首相が言うところの「社会保障改革」の論議はほとんどありません。これから行われたとしても、
 全く前進しないか骨抜きになるだろうというのが政界の常識です。要するに、この政府がやった
 のは選挙違反を繰り返した末に、国民に負担を強いる消費税率値上げだけだったということにな
 ります。
  明日の本会議で増税可決の後、民主党の40人から50人は新党を立ち上げるために離党する
 ようです。この際、きっぱりと分裂すべだと思います。選挙公約そっちのけで官僚の言いなりに
 なっている民主党に全く政党としての矜持も理念も信頼できる政策もありません。自民党以上に
 ひどい国民無視の政党です。


 ● 6月23日(土曜日)●

  沖縄戦没者慰霊祭で首里高校生が自作の詩を朗読。
   野田首相の口先ばかりの空虚な挨拶と何と違うことか。

  今日、沖縄戦で犠牲になった20万人余の霊を慰め、世界の恒久平和を誓う戦後67年の「2
 012年沖縄全戦没者追悼式」が、糸満市摩文仁の平和祈念公園で開かれました。私もこれまで
 何度も参加したことがある「慰霊祭」です。

  米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設堅持や、危険性が指摘されている垂直離着陸輸送機
 MV22オスプレイの同飛行場への配備計画など、県民の反発が高まる中で迎えたましたが、今
 年の追悼式には約5500人が参列したと報じられています。

  この慰霊祭に参加した野田佳彦首相は「沖縄に米軍基地が集中し、長年負担をかけている事実
 は慚愧(ざんき)に堪えない。基地負担の早期軽減に全力を尽くし、具体的に目に見える形で進
 展させることを誓う」と述べたと新聞は報道しています。
  去年も同じようなことを言って、沖縄の負担軽減に結びつくことは何んにもしていないにも関
 わらず、その反省もなくヌケヌケと何を誓うのかです。

  よくまあ、こんなことを恥ずかしげもなく言えるものだと思います。一体、この人には「良心
 の呵責」というものはないのでしょうか。

  この式典では、首里高校3年の金城美奈さんが自分で作った平和の詩「礎に思いを重ねて」を
 朗読しました。私はテレビで見ていましたが、胸を打たれるものがありました。会場でも感動が
 広がり、静まり返って涙を拭う参列者もいたということです。野田首相の口先ばかりの空虚な挨
 拶と何と違うことか!

  金城さんの詩の書き出しは次のようなものです。

  げっとう
  月桃の花が白くきらめく頃
  私はあの手紙と出逢った
  それは祖父の兄が家族に宛てた
  一通の手紙
  彼の人生で家族に送った
  最後の手紙

  詩は叙情的で長文ですが、最後は次のような言葉で閉じられています。

  六十七年前を生きた人々の後ろに
  私たちは続いている
  私たちにできることは
  あの日を二度と呼び戻さないこと
  私たちに必要なことは
  あの日を受け止めて語り継ぐこと

  礎に刻まれた人々の
  届けたかった思い
  叶えたかった願い

  私たちが届けよう
  私たちが叶えよう

  礎に思いを重ねて

  尚、金城さんのこの詩の全文は、このホームページの「ピックアップ」の欄に掲載しましたの
 で、ご覧になってください。

 ● 6月22日(金曜日)●

   新しい建物名は「マジェスティハウス新宿御苑前」です。

  改築をするために取り壊し中の旧宅の野口ハウスは、アスベストの除去作業などが手間取った
 ことなどもあって、予定よりも大分遅れていましたが、地上部分はほぼ解体が終了し、今後は地
 下部分の解体に着手します。ようやく最終段階に入ろうとしています。

  近隣の方々の話によると、隣接の大京マンションや冨士コープの解体と違って、野口ハウスは
 思っていた以上に頑丈に造られていたマンションのようで、取り壊し中の騒音や振動は大変だっ
 たということです。明日23日夜には、もうすぐ始まる新築工事の地元説明会が行われることに
 なっていますが、私も出席して業者の説明や近隣の方々の意見・要望を聞いてみるつもりです。
  建物の完成は、当初2013年12月末よりも若干遅れて14年2月末になりそうです。

  完成後の新しいマンションの名称は、まだ最終決定ではないということですが、「マジェステ
 ィハウス新宿御苑前」になる予定だそうです。「MAJESTY・HOUSE」です。

  建物の名称は、建主の「パナホーム」が決めますが、恐らく分譲する際の儲け具合のことを念
 頭に、「グレードが高く格式がある建物」と想定できるような名前にするつもりのようです。
  「マジェスティだと?」と思い、改めて辞書を引いてみると、やはり威厳・荘厳・勇壮・威風
 などといった大層な意味です。この単語はYour MajestyやOur Majestyと
 となると「国王陛下!」、日本なら「天皇陛下!」という意味にもなります。

  何とも恐れ入ったマンションの名称です。いかにも営利企業が儲けのために捻り出しそうな名
 前ですが、今後入居した後ずっとこの名前と付き合うことになると少々憂鬱な気もします。

 
 ● 6月20日(水曜日)●

  福島原発事故について東電が報告書。責任逃れに終始。

 今日、東京電力が福島原発事故について調査した「調査報告書」なるものを発表しました。そ
れによると事故の原因は「想定外の津波」によるものであること、これまでの「想定」は国の考
えに従ったものであること、などが強調されています。要するに、自分たち東京電力には全く責
任も落度がないということのようです。
 事故当時、政府があれこれ口出ししたために、迅速な対応が出来なかったという趣旨のことも
述べています。全体を貫く基調は「自己弁護」と「責任転嫁」です。責任逃れはこういうふうに
するものだというテキストになるような報告書です。もともとこの会社が持っている無責任な体
質がよく出ているとはいえ、あれだけの大事故を引き起こしながら、よくまあ、こうもヌケヌケ
と弁明できるものだと感心してしまいます。しかもこの報告書は東電内部の人たちだけで作成さ
れたものであり、「客観的な事故原因の追究」という視点は最初からなかったのです。

 東電は、賠償問題や株主訴訟などを抱えているために、自分の立場を有利な状態に置きたいの
でしょうけれども、それにしてもこの報告書は事故の実態を明確にすることには全く何の役にも
たちません。こんな内容だったら「調査報告書」のタイトルを変えて「自己保身弁明書」とでも
した方がいいのではないかと思います。

 東電は「料金値上げは会社の権利」などとうそびき、責任を取るべき大半の役員はのうのうと
関連会社に天下るようです。官僚社会とよく似ている会社です。独占的なこの会社の本質は、事
故前も事故後も基本的には何にも変わっていません。未曾有の大事故を何とも思っていないよう
なこんな企業を、莫大な税金をつぎ込んで存続させる必要が本当にあるのでしょうか。

 それにしても、消費税率引き上げ、原発再稼動承認など、毎日毎日うんざりするニュースだけ
を聞かされ続けているこの国の政治には、全くイヤになります。


 午後、新社会党東京都本部で選挙対策会議あったので参加しました。開会中の国会は、消費税
からみで小澤一郎グループが新党を結成する動きもあって大変流動的です。こうした中、衆議院
選挙はこれから何時あってもおかしくない状況になりますが、私たちのようなカネも組織もない
小政党が巨額の資金を準備して選挙戦を闘うの中々大変なことです。


 ● 6月18日(月曜日)●

   なでしこJAPAN、国際親善試合でアメリカに完敗。

 スウェーデンで行われた女子サッカーの親善試合をテレビ中継で見ました。今日の試合は世界
ランク一位のアメリカ戦です。日本は三位ですからきっといい試合展開になると期待していまし
たが、開始早々、私でも知っているFWのモーガンに決められ、直後に更にワンバックにも追加
点を入れられて2対0になってしまいました。もうこれでおしまいという状態でした。
 知識の乏しい素人が見ていても、全然レベルが違うという印象でした。W杯で日本が優勝した
のは、やはり随分運が作用した面があると感じてしまいました。あさって世界4位のスウェーデ
ンと対戦しますが、このような状態では恐らく大苦戦になると思います。

 今、ちょっと覗いたツイッターでは、かわいそうなくらいもう散々なことが書かれています。
「なでしこなのになぜ黒髪を茶髪にしているのか」という面白い指摘もありました。

 オリンピックまで一ヶ月余りです。日本チームが今日のアメリカ戦を修正してどういう試合展
開をするか、楽しみにしたいと思います。


 ● 6月16日(土曜日)●

 「談合」で消費税率引き上げ、軽薄な理由で原発再稼動。

 野田首相は、国民への約束は何処かに吹っ飛ばし、自民、公明、民主三党の「談合」で消費税
率の引き上げを決めました。これから党内手続きをとって関連法案を提出することになり、成立
しそうな状態になっています。

 先の選挙で民主党が国民に高らかに約束したことは、「任期中は消費税は上げない」というこ
とでした。明らかな約束違反です。税率の引き上げは平成26年だから「公約違反」にはならな
いと弁明していますが、詭弁そのものです。東京一区の与謝野代議士も今日の朝日新聞で同じこ
とを言っていますが、本当にこの人はそう思っているのでしょうか。「任期中はあげない」とい
うのは、任期中に引き上げの準備を整い、任期が切れた次の日からあげていいということでない
くらいは誰にでも分かることです。これこそがまともな社会の「常識」であり、民主的な選挙公
約のあり方というものです。

 いまの政界に高邁な理念がなくなってしまったことは周知の事ですが(ごく一部の人はそうで
はないと思いますが)、そればかりでなく普通の人として持つべき最低の常識もなくなっている
ことが今回の「消費税の談合」で明白になっています。

 もう一つ。野田首相は大飯原発の再稼動を容認しました。「原発がないと社会が立ち行かなく
なる」のだそうです。かわいそうなくらい薄っぺらい陳腐な言い分です。地元の町や地元の県の
了解を得たことになっていますが、多くの人が感じているように、原発関連資金がちらつく中で、
町長も知事もまともな判断能力を失っています。どんなことがあっても再稼動に突進するこの首
長たちは「正常な感覚」を持ち合わせていません。「地元のおおい町」の意向は(NHKのごく
最新の調査で明らかなように)再稼動反対64%、賛成30%です。雇用や景気や人間関係でが
んじがらめに制約されている一番の地元でさえ、反対が圧倒的なのです。野田首相よりは遥かに
まともな感覚です。

 野田首相が考えている日本社会は、何とも軽薄で目先の餌に汲々としている極めて程度の低い
動物が住んでいる巣窟のような感じです。


 ● 6月14日(木曜日)●

 「安全は確認」。茶番劇に等しい町長・議会・知事の言動。

 原発の再稼動に反対する世論が一段と高まっていますが、いま、全く違うことが起ころうとし
ています。今日、福井県大飯原発の地元のおおい町で町長も議会も一致して再稼動を容認する決
定をしました。町長は一応、「時間をかけて熟慮した」と述べていますが、県知事と共にこれま
で「早く安全宣言をして再稼動すべきだ」と繰り返し言っていたのが町長その人です。熟慮した、
なんて聞いてあきれます。こんな経過を辿るであろうことは誰もが予想していたことであり、茶
番劇そのものです。いかにも官僚そのものの福井県知事は、神妙な顔をして町の重大な意向を尊
重すると言明しています。これで民主的なルールは踏んだことになるということでしょう。

 推進の旗振り役に徹している福井県知事は、先日も大飯原発を視察し、その後「私自身が安全
を確認した」と述べています。何をどう確認したのかは不明ですが、よくまあ、こんなことを軽
々しく言えるものだと思います。何を根拠に安全だといっているのか。肝心のところは全く説明
なしですから、無責任の極みです。

 あの福島原発も、大事故が起こるまでは「全く非の打ち所がないほど安全な原発」だったので
す。大飯原発の地元の町も県も政府も、とにかく安全、安全と言って原発を動かしたいのです。
町や県は交付金目当て、政府は電力会社の利益と御用労働組合の票欲しさのためです。一応、口
先では言っている「国民の生活を守る」などということは、文字通り口先だけのことであり、も
ともと国民の皆様のことはそっちのけです。ことは多くの人々の命に関わる問題ですが、こんな
にも国民の思いが軽視されたことはそうざらにはありません。

 国政の貧困さは今更どうしようもありませんが、自治体のレベルも驚くほどの低さです。カネ
の魔力とはいえ、何とも淋しい限りの「地方自治」です。大飯原発の地元の町が原発関連のカネ
にどっぷりと依存しているとは言え、広範囲な地域に住む莫大な人々の命に関わる問題ですから、
何よりも大局的な見地からの判断が求められています。それにもかかわらず、町や県の議会も首
長も、目先のカネのために、揃いも揃っていとも易々と再稼動OKの結論が出すのですから信じ
がたい限りです。

 とにかく原発を再稼動させてカネを貰いたい、根拠のない「安全」を口実に交付金などを貰い
たい、というのが本心です。目先のカネに目がくらみ、本来的な自治のあり方やいま自治体とし
て堅持すべき見識などはほとんど眼中にないようですから寒々とした気持ちになります。


 ● 6月13日(水曜日)●

   施設見学会に参加、久しぶりに浅草に行きました。

 新宿区食品衛生協会の「施設見学研修会」があり、以前から約束していたので参加しました。
「研修会」の内容は、貸切のバスに乗って早朝、新宿駅西口を出発し、その車中でビデオを使っ
て30分ほど新宿保健所の職員から食中毒に関する「衛生講話」なるものを受け、その後はサッ
ポロビール千葉工場の施設を30分余り見学。「サッポロ黒ラベルがいかに美味いか」という宣
伝文句をサンザンに聞かされました。生ビール2杯を「試飲」(確かに美味しかった!)したあ
と、またバスに乗って浅草へ回って昼食。その後はめいめいに浅草の散策をして時間を過ごし、
4時半に出発地の新宿駅西口に帰って終了、という簡素な日程でした。

 浅草には久しぶりに行きましたが、ものすごい人ごみでした。東京スカイツリーも初めて間近
に見ましたが、テレビで見慣れた通りの形をしていました(当たり前のこと)。この「研修会」
には、私が所属している新宿飲食衛生組合(区議の頃から顧問をしている組織です)からは、松
川組合長、小澤元区議会議長など11人が参加しました。

 夜6時半からは、新宿区議会の議員待遇者室を借りて新宿区政の様々な課題について意見を交
換しあう集まりを開きました。10人が参加しましたが、いろいろな視点があって、随分参考に
なりました。

 ● 6月12日(火曜日)●

   脱原発署名、まず180万人分を衆議院議長に提出。

 昨年3月の東京電力福島第1原発の大事故を受け、作家の大江健三郎、澤地久枝、落合恵子、
瀬戸内寂聴、音楽家の坂本龍一など9人の方々が呼び掛け人になって行われていた「さようなら
原発1000万人署名」の署名数は、748万人を超えました。この署名は衆議院議長、参議院
議長、内閣総理大臣の3人に提出するものですが、12日、呼びかけ人の一人でルポライターの
鎌田慧さんらが横路孝弘衆院議長にそのうち約180万人分を提出しました。

 署名は10日現在の数字ですが、今後も引き続き受け付ける予定です。鎌田さんは提出後の記
者会見で、横路議長が署名数の重さに理解を示したことを明らかにした上で「人命、健康より経
済を大事にするような政治はやめてほしい」と訴えました。また、会見に同席した経済評論家の
内橋克人さんは、野田佳彦首相が関西電力大飯原発の再稼働の必要性を表明したことについて、
「合意なき国策が独り歩きしている」と指摘していていました。


 ● 6月11日(月曜日)●

   四ッ谷駅で「脱原発」の宣伝活動を行いました。

 夕方、四ッ谷駅で6人の同志と共に宣伝活動を行いました。いつも弁士を務めている山田啓史
区議が議会開会中で出席できなかったので、久しぶりに私が演説をしました。
 私たちは、この半年、この四ッ谷駅でも「脱原発」の署名を何回か実施したので、そのお礼と
いただいた署名の処理の状況について報告し、その後は「大飯原発」の三号機・四号機の再稼動
問題で、野田首相が軽々しく容認の決定をした事に関して、絶対反対という立場から一時間ほど
お訴えをしました。演説中、何人かの方から激励を受けました。こうした状況を見ても、やはり
「脱原発」は日本社会の確固とした世論だとつくづく感じました。

 終了後、定例になっている新社会党新宿総支部執行委員会を四谷の事務所で行いました。


 ● 6月8日(金曜日)●

   電力会社の広報課長になった野田さんのメッセージ。

 電力会社の中でちょっと将来を期待されている課長のような役割を、日本の総理大臣が果たし
ている感じがします。今日、大飯原発の再稼動に向けて、福井県知事からせっつかれた野田首相
が国民に向かってメッセージを発しました。

 何ともいいようのない言葉の羅列です。すなわち、「国民生活を守る」「原発がないと電力価
格が高騰する」「日本社会は立ち行かない」「中小企業や家庭に悪影響が及ぶ」「空洞化が加速
して雇用が喪失する」「福島事故のような事故の防止対策は整った」などというフレーズを、根
拠を示さないまま繋ぎ合わせたものです。一体、日本のエネルギー政策をどうするのか。一番肝
心なことについては何んにも触れていない空疎なものです。「見識」も何もあったものではあり
ません。

 今の日本で、このような首相の見解を「全くその通りだ」と受け入れ、賛同する人はいるでし
ょうか。恐らく一人もいないと私は思いたい気持ちです。総理大臣が国民へのメッセージを発出
して、それを国民の大半は信用しないという国になってしまった気がします。まさに「政治の貧
困極まれり」です。

 電力会社の利益増強のお先棒を担ぐことを使命にしているとはいえ、こうも軽々しく信頼され
ない総理大臣の「国民へのメッセージへ」は、聞いたことがありません。言っている当人に、後
ろめたさはないのでしょうか。


 ● 6月7日(木曜日)●

   茶番劇の東電公聴会、脱原発に首相も茶番劇役者に?

 新聞やテレビを見ながら、腹の立つことがやたらと多いことに少々驚いています。
 東京電力が申請した家庭用電気料金の値上げについて一般から意見を聞く「公聴会」が開かれ
います。厳しい意見や苦情が相次いで出されていますが、これはいつものように全くのセレモニ
ーです。こんなに反対があるのに東京電力の西澤俊夫社長は、「説明をきちんと行い、今後も皆
様の理解を得るように努力する」のだそうです。自分たちの値上げ計画を寸分も変える気持ちは
ありません。「茶番劇」とはこうしたことをいうのだと思います。

 原発の再稼動をめぐって、福井県知事が「総理大臣が国民に安全性を説明すべきだ」とか「万
一の場合は国(総理大臣)が責任を取ることを明確にすべきだ」と主張し、首相もそうした機会
を設けて、再稼動に走る気配になっています。しかし、万一の場合、総理大臣が責任を取るとは
どんなことでしょうか。辞任するのは当たり前にしてもそれ以外に何をするのかです。責任を取
れば事故前の状態に戻るのならばとにかく、単に「辞任」するくらいで「責任」を云々されたの
ではあまりにも軽すぎます。軽々しい政治からは軽々しい対策しか出ないという典型です。一体、
最も肝心な「この国の将来にわたる基本的なエネルギー政策はこうだ」という政策提起はどうな
っているのかです。大事なことは何処かに放って置かれ、目先のことに汲々としている実態に呆
れ返ります。

 ついでにもう一つ。今朝の新聞広告に『いま「政治」の質を変える』という本が発刊されたと
いう宣伝が出ていました。どんな内容かよく分かりませんが、さぞかし立派な実績や優れた見識
のある方が書かれたのだろうとよく見ると、著者は辻元清美でした。驚きました。「変質者」と
陰口のたたかれているご当人ですから、「~変える」というタイトルはこの人に向いているのか
も知れませんが、よく恥ずかしげもなくこうしたタイトルに出来るものだと感心しました。何よ
りもまず最初に「自分がまともな政治家か」と問え、と言えたいくらいです。


 ● 6月6日(水曜日)●

  津軽の学校で、修学旅行費用捻出のために
    しじみ貝を売ったりブタを飼ったりした話など。

 ほぼ一年ぶりに津軽の小中学校の同級生たちと新宿で会いました。毎年一回、東京近辺にいる
人たちだけで今の時期にちょっとしたクラス会のようものを開いていますが、その集まりです。
 これまではいつも日曜日に開いてきましたが、私を含めて大半は現役を引退したので、初めて
ウィークディの開催になりました。今日は集まったのは6人。一人は用事があったので途中で帰
りましたが、残った5人で適当に飲みながらも積もる話を延々としました。

 小中学校時代に修学旅行の費用を捻出するため、同級生が皆んで一緒になり、いろいろな「仕
事」をしたことも話題になりました。私たちはとにかくいろいろなことをしたものでした。十三
湖でしじみ貝を取り、リヤカーに積んで村中を売って歩いたり、建築資材の「玉砂利」を学校の
近くの海岸から集めて道路際に集積し、資材業者に売ったり、植林の苗木を育てている畑で、炎
天下、草取りをしたりもしました。それらがどれくらいの「利益」になったのか、今は全然覚え
ていませんが、結構、皆んで働きました。

 また大暴風に見舞われた際に、地域の川が海岸べりでせき止められ、その付近一帯が冠水した
ことがありましたが、嵐がやんだ後、クラスの皆んで(スコップか何かを持って)出かけて行っ
て川口をふさいでいた障害物を除去して流水させ、地元の新聞に結構大きく報道されたこともあ
りました。(ただ、これは「資金稼ぎ」ではなかったと思いますが~)。

 学校で子豚を飼って皆んで育て、大きくなってから売ったこともありました。ブタを飼うとい
う発想はどこから出たのか良く分かりません。恐らく誰かが冗談めかして提案したものだと思い
ますが、何とも奇抜な発想だと思います。やってみようということになり、クラス全員で当番を
決めて飼育に当たりました。数ヵ月後、大きくなって、トラックに積まれて売られる時には、皆
んなで泣いたものでした。それにしても学校の一角がブタの飼育場所になり、私たち子どもばか
りでなく住民も一緒になって、毎日、ブタの餌を大きな鍋で煮炊きしていても、当時の先生たち
は、全くおおらかにそれを容認していたのでした。何ともいい学校であり、素晴らしい先生、本
当の教師ばかりでした。いまの東京や大阪の教育委員会の実態から見ると、まさに「別世界」の
出来事です。

 皆んで稼いだそのカネで、当時は大都会に見えた「遥かなる青森市」や「一大保養地の浅虫温
泉」まで全員で「修学旅行」に行きました。さぞ楽しかったのだと思いますが、私にはその時の
記憶は全くと言っていいほどありません。鮮明に残っているのは、学校の授業そっちのけで行っ
たいろいろな「資金稼ぎ」の記憶だけです。

 (今日の新聞に「優秀な子どもは、高校を一年早く卒業して大学に進める制度を作る」という
ことが報じられていました。しかし、それが一体何だ、と言うのでしょうか。
 こんなのに限って「優秀な官僚」になり、一般市民の気持ちとは全く相容れない「官僚政治」
の立派な担い手になるのです。一年早く高校を卒業したなら、余りの一年は私たちのようにブタ
の飼育にでも携わり、経済的に厳しい子どもたちの支援でもしたほうが、人格形成には遥かに役
立つと私には思われます)。

 もう一つ。去年、原発事故が起こるまで南相馬市(旧小高町)に住んでいて幸せな生活を送っ
ていた同級生の一人が今日の集まりに参加しました。彼は家族と共に、あの事故以来、町田市の
子ども夫婦のところで避難生活を送っています。今日も一緒に酒を飲みながら、「恐らく小高に
は帰れないだろう」と嘆いていました。「帰りたいけれども、帰りたくはない」とも言っていま
した。「原発は人間と共存できない」というこの事実を、再稼動を目論む推進論者たちにたたき
つけてやりたい気持ちがします。

 今年、私たちの多くは古希を迎えます。5年前に青森県の五能線沿線の小さな温泉地で久しぶ
りにクラス会を開きましたが、今年も区切りの年代なので是非、開こうではないか、ということ
になり、津軽に残っている同級生と連絡を取り合いました。津軽の人たちが何人かで計画を練る
ことになる筈です。出来れば今年の9月の終わりか10月の初めくらいには、是非、皆さんにお
会いしたいものだ思っています。


 ● 6月4日(月曜日)●

     あのヒトラーも民主主義的な指導者なのか?

 野田改造内閣が発足しました。防衛大臣は拓殖大学の森本敏先生だそうです。よく知られてい
るように防衛大学出身、自衛隊に勤務した後、官僚になった人です。民主も自民も今のところは
憲法違反だと言っているアメリカ軍などとの「集団自衛権」の行使を合憲だとし、これまでも自
衛隊の肩を持つ発言や軍拡を進める主張ばかりしてきました。民間人だと言われていますが、出
自やその後の経歴からしてもとても「一般の民間人」ということにはなりません。

 そもそもこうした人物が防衛大臣に就任すること自体、「シビリアンコントロールの大原則」
が骨抜きにされる危険性が懸念されます。ところが野田首相は「最終決定は総理大臣だから問題
ない」と言っているそうです。全く形式的な言い分です。こんな感覚で防衛政策・軍事政策を進
められたのではたまったものではありません。

 例えば、日本の重大な「軍事政策」の全てを自衛隊などの軍人たちに丸投げして作らせても、
形式的に最後のハンコを押すのが総理大臣ならば、「日本のシビリアンコントロールは確保され
ている」といっているようなものです。ヒトラーやナチスだって、最初は一応、民主的な形式を
それなりに備えたドイツ国民の選挙によって誕生をしています。しかし、だからといってヒトラ
ーやナチスの行為を民主主義的だという人が何処かにいるのでしょうか。野田首相はそうは考え
ないようですが、随分とご都合主義的な人です。

 当たり前の事ですが、真の「文民統制」は形式的なものではなく、軍事政策の全てに貫徹され
ていなくてはなりません。大臣の間は「集団自衛権」は棚上げにするから問題ない、と言ってい
るようですが、国民をバカにするとはこのことです。森本大臣は全く不適切な人事です。
 野田政権は、約束は守らないばかりか約束していないことに執念を燃やすなど、とんでもない
内閣ですが、ますますその存在そのものが「悪」になってきた感じがします。

 注目の原発政策もお粗末そのものです。明確なこの国のエネルギー政策の提起は全然なく、原
発を動かすことが自己目的になっています。防衛大臣の人事は大問題ですが、この際、首相その
ものにもさっさとご退陣願いたい気持ちです。



 ● 6月2日(土曜日)●

  大京神社の例大祭初日。町にとっては結構な賑わい。

 昨日から四谷地区では須賀神社の祭礼が行われています。昨年は東日本大震災で中止になりま
したので、2年ぶりのお祭りになります。私が住む大京町にある「大京神社」は、須賀神社の系
列ですが、一応、町独自の神社になっていますので、祭礼も今日から全く独自に実施します。聞
くところによると、大京神社は、以前は鳩森神社に属していましたが、何十年か前からは地理的
に近い須賀神社系列になったということです。どういうことでこうなっているのか、私には理解
できないところばかりですが、いずれにしても神々の世界もいろいろです。

 恒例により、2時から町内を「神輿」が練り歩きました。幸い今日は天気に恵まれ、大変いい
「祭日和」でした。いつもよりは随分沢山の子どもたちが集まったので、少々驚きました。一体、
これまでは祭の時にはこの子どもたちはどこにいっていたのか不思議です。

 神輿が出発する時間帯には、地元の四谷第六小学校の校長先生や新宿区役所・四谷特別出張所
の所長も来ていました。四谷特別出張所の下杉所長は、管内にある18カ所の「神酒所」の全部
を回るのだそうです。大京神社が15カ所目と言っていました。本人は楽しそうな感じでしたが、
何とも大変なことです。私だったらとても出来ません。

 神輿は、いつものように町内のルートをぐるっと回り、何カ所かで休憩し、4時には神社に帰
りました。めでたく初日は終了です。明日もほぼ同様のスケジュールです。


 ● 5月26日(土曜日)●

   生活保護の受給問題。「親の面倒を見るのは当たり前?」

 朝からテレビ番組でお笑いコンビ・次長課長の河本準一さんが新宿の吉本興業本社(旧新宿四
谷第五小学校)で行った母親の生活保護費受給問題についての記者会見の模様を報じています。

 報道によると、会見で河本さんは、母親の受給を認めて一部を返還する意向を示し、「今にな
るとむちゃくちゃ甘い考えだったのではないかと深く反省しております」と謝罪しています。社
会的な評価からすると必ずしも正当ではなかった母親の受給を認め、さかのぼって返却するとい
うことですから、これで一件落着です。しかし、どうも他のタレントを含めて続きがあるようで
すので、暫くこの騒ぎは続きそうです。

 確かに彼の考えには甘いところがあります。例えば「収入が安定していなかったから、そのま
ま生保を受給していた」という発言がありました。「収入が不安定」というならば、私たちの周
りの派遣労働者・パート労働者など、働く人の三分の一程度は「不安定な収入」の人たちです。
しかし、こうした人たちの多くに受給資格がないのは周知のことです。
 受給の是非のポイントは、その時点で収入も貯えもないのかどうかです。収入が安定している
か不安定かは、受給の是非を決定付ける問題ではありません。不安定でも収入があれば受給資格
はありません。

 今度の騒ぎを見て心配に思うことがあります。それは次のような考えがあるからです。

 「私は著名人が親の扶養義務を果たさずに生活保護を受給させることで『あの人もやってるか
ら』と安易な受給が進むことを懸念し、問題を指摘してきた。彼の返納表明で『生活保護の前に
まずは家族による扶養』という常識が浸透することを期待します」という指摘です。

 これは時々テレビにも出ている自民党の議員がブログに書いている一文です。
 この議員の指摘は全く間違いとはいえませんが、誤解される危険性が十分にあります。それは
親の扶養義務のことです。この議員は、子どもは親の面倒を見るのは常識であり、当然だという
考えのようですが、これは正確ではありません。

 当たり前の事ですが、親にも子どもにも、それぞれの生き方があります。親子といえども、環
境や立場の違いがあります。考え方も違うはずです。こうしたことを前提にした上での「扶養関
係」であって、それは任意な選択であって決して強制的、義務的なものではありません。

 今度のことで、本当は生活保護を受けなければ生活できない状態の人でも、世間の変な風当た
りを心配して自制することになりはしないかという懸念があります。また、「子どもが親の面倒
を見るのは当たり前」「親の面倒を見ない子どもは親不孝」などということが「常識」だという
ことにならないのかです。そうならないように願いたいものです。


 ●5月22日(火曜日)●

     新宿区の登録外国人で「中国籍」がトップに。

 新宿区では外国人居住者が全人口の1割以上を占めています。すなわち、区民の10人に1人
以上は外国籍の人です。国籍は123カ国にものぼりますが、居住者の実数は、「韓国・朝鮮」
と「中国」が大半で全体の約75%を占めています。逆に1人から3人という国が半数近くにな
っています。
 こうした傾向は、ここ数年ほとんど変わってませんが、今日、今年5月の統計を調べてみたら
1位が入れ替わり、「中国」がトップ、「韓国・朝鮮」が2位になっていました。

 新宿区の外国人居住者は、これまで長い間「韓国・朝鮮」が圧倒的多数を占めていました。過
去の侵略戦争の歴史の反映ですが、今年に入ってからは「韓国・朝鮮」と「中国」がほぼ同水準
の在住区民数になっています。1月と4月は「韓国・朝鮮」、2月と3月それに5月は「中国」
が一位でした。いま手元にある一年半前(2010年12月1日)の統計と比較すると「韓国・
朝鮮」は1581人減、「中国」は690人増になっています。それぞれの増減の理由は幾つか
の要因によるものだと思いますが、「韓国・朝鮮」がトップを譲るという最近の動向は「歴史の
時間的な流れ」と数年来の「国際的な環境の変化」があるのだと思います。

 これから新宿区の「外国人統計」がどう推移するのか。新宿区は「国際都市」といわれていま
すが、様々な要素が絡み合って人口動態は変化していくものと推定されます。今後の数字の動き
に注目していきたい思います。


 ●5月21日(月曜日)●

   悠久の天体で三者が競演、素晴らしい「金冠日食」。

 私たち家族が今仮住いにしているところは、四谷四丁目交差点に隣接している11階建てのマ
ンションですが、いつもは建物の屋上は開放されていません。以前、この建物か隣の建物かの屋
上で事故があったために立入禁止にしていると聞いていますが、真偽の程は不明です。しかし、
今朝は特別にここに上がることが「許可」されています。居住者に少しでもいい場所で金冠日食
を見てもらいたいためだそうです。

 私たち家族も、ここに移ってきて初めてマンションの屋上に上り、早朝の天体ショーを見まし
た。あいにく薄曇りの天気でしたが、思っていたよりはずっと綺麗な「金冠日食」を見ることが
出来ました。悠久の天体を舞台にした、太陽と月、そして地球の三者による素晴らしい「世紀の
競演」でした。結構でした。


 今日の朝日新聞に原発に関する世論調査が報道されていました。①大飯原発再稼動賛成・21
%、反対・54%、②政府の原発安全対策を信用する・21% 、信用しない・78%。

 市民の意思は誠に明白です。国政を担う政府が、現下の最重要施策でこんなに信用されないの
も珍しいことです。ただ、これが現実だとするならば、政府の取るべき選択はこれまた明白です。
すなわち、「大飯原発の再稼動はしない」「原発政策を根本的に改めること」です。

 ちなみに野田政権支持率は、支持する・26%、支持しない・53パーセントでした。これま
た歴然としています。まだ、こんなに支持する人がいるのかという声もありますが、それにして
も低くすぎます。


 ●5月20日(日曜日)●

    新宿歴史博物館の「寄贈資料展」を見ました。

 今月1日のメーデーの時に痛めた「腰痛」がなかなか良くなりません。いつもだったら調子が
悪くてもすぐに元に戻るのですが、今回ばかりはいまだに尾を引いています。大分よくなりまし
たが、とても完治とは言えず、何とも憂鬱な毎日です。

 今日午前、所用があって新宿歴史博物館の近くまで行ったので、ついでにいま開会中の「所蔵
資料展」(「未来に託すもの」)を見てきました。
 歴博はこれまで、新宿区ゆかりの方々から様々な物品の寄贈を受けていますが、今回の催しは
最近の「寄贈品」を一般に公開するものです。多分野にわたる86点が展示されていましたが、
なかなか見ごたえのある企画です。特に職人たちの粋な技を伝える貴重な「鏝絵」(こてえ)の
数々は圧巻です。また、友人に宛てた夏目漱石の手紙、芥川龍之介の「俳句草稿」なども展示さ
れていました。いずれも直筆です。二つとも初めてみる貴重な資料ですが、いずれ「漱石山房」
が再建された暁には、是非、そこで展示して欲しいと思う「作品」です。展示会は6月10日ま
で開催されています。観覧料は無料。


 明朝は「金冠日食」。子どもの頃、ガラスの破片に竈(かまど)の煤(すす)を塗ったものを
準備して日食や月食を見たことがありますが、テレビや新聞では、そんなもので太陽を見ること
は絶対ダメだと繰り返しています。子どもの頃のあれは一体何だったのでしょうか? 
 「金環日食」を見て人生が変わったという幾つかの報道もあります。私の人生は今更変わりよ
うもありませんが、稀有の「天体ショー」を見るのは大きな楽しみです。
 夕方、娘が専用の「メガネ」を買ってきたので明日の朝はそれで見ることになります。


 ●5月18日(金曜日)●

   憲法審査会撤廃の集会で、高橋哲哉教授が講演。

 今日、豊島公会堂で「原発なくせ! ストップ憲法審査会! 国民投票法撤廃集会」が開かれま
した。新社会党が「実行委員会」に参加して企画し、毎年、この日(5月18日)に開催されて
いるものです。

 いま国会では憲法審査会が開かれ、改憲論議が急速に進んでいます。呼応するように自民党が
反動的な「憲法改正案」を発表、大阪維新の会も9条を標的にした改憲構想を明らかにしていま
すが、こうした状況の下で開かれた今日のが集会です。約400名が参加。

 まず、①JAL解雇反対の闘い、②清掃工場での放射能廃棄物処理問題、③福島原発国会前座
り込み闘争、④朝鮮高校の無償化除外問題、⑤沖縄基地強化に反対する現地の闘い、の五つの課
題についてそれぞれの関係当事者から報告されました。今の日本の局面を象徴するような闘いの
生々しい報告でした。

 次いで、「福島・沖縄、そして憲法を考える」というタイトルで高橋哲哉・東大大学院教授の
講演がありました。高橋先生は、福島原発事故で被害をこうむったゴルフ場経営者が起こした裁
判を紹介しましたが、それは概略次のような裁判でした。

  昨年11月、福島第一原発から約45キロ離れた二本松市の「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽
部」が東京電力に対して汚染の除去を求める仮処分を東京地裁に申し立てました。

 「事故のあと、ゴルフコースからは毎時2~3マイクロシーベルトの高い放射線量が検出され
るようになり、営業に障害が出ている。責任者の東電が除染するべきである」という訴えです。

 これに対して東電は、次のように反論しています。

 「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。従って東電は除染に責任をもたな
い」。答弁書で東電は、放射性物質について「もともと無主物であったと考えるのが実態に即し
ている」としています。
 無主物とは、漂う霧や、海で泳ぐ魚のように、誰の物でもない、という意味です。つまり、東
電としては、飛び散った放射性物質を「所有」しているとは考えていない。従って検出された放
射性物質の責任者はいない、という主張です。
 更に答弁書は「所有権を観念しえるとしても、既にその放射性物質はゴルフ場の土地に符号し
ている筈である。つまり、責務者(東電)が放射性物質を所有しているわけではない」。飛び散
ってしまった放射性物質は、もう他人の土地にくっついたのだから、自分たちのものではない。
従って東電とは関係ない、ということです。

 大体こんな主張です。誰が考えてもめちゃくちゃな言い分です。これが東電に雇われた「優秀
な弁護士」たちが捻り出した支離滅裂で陳腐な主張ですが、何と、昨年10月31日、東京地裁
は東電の主張を認め、除染を求めたゴルフ場側の訴えを退けてしまったのです。

 公正であるべき裁判官までが「放射能に犯され、物事の判断が出来ない放射脳になってしまっ
たのか」と揶揄された一件でした。

 「放射能は誰の物か」が争われたこの裁判で、明らかになったことは「東電は原発事故に対し
て全く責任感じていない」ということです。これが未曾有の被害をもたらした福島原発に対する
原因者・東電の根底的な考えです。

 今夜の講演では、こうしたことも紹介しながら、「福島・沖縄・憲法の重要三課題」について
の高橋教授独自の分析がされました。短時間でしたが、久しぶりに聞きこたえがあり、感動した
講演でした。

 それにしても、日本の現状は、司法も財界もそうですが、何といっても政治家の見識のなさ、
理念の低さ、意欲のなさなどが幾重にも重なって、さまざまな問題を抱えた局面は停滞したまま
で全く動きません。誠に深刻です。



 ● 5月16日(木曜日)●

   「フェルメール・光の王国展」で全作品を見ました。

 銀座の松坂屋裏にあるフェルメール・センターで開かれている「フェルメール・光の王国展」
を見てきました。フェルメールが生涯に残した作品は全部で37点といわれていますが、この全
作品を「リ・クリエイト」した絵の展示です。本物ではありませんが、限りなく本物に近い複製
画です。額縁なども全て本物と類似したものになっています。福岡伸一先生の監修です。

 修理中だった上野の東京美術館がもうすぐ完成し、その記念としてフェルメールの代表作「真
珠の耳飾りの少女」「デルフト眺望」などを所蔵するオランダ・ハーグの「マウンリッツハイツ
美術館展」がもうすぐ開かれることになってます。こんなこともあってか、いまフェルメールへ
の関心はますます強まっています。私はこれまで、各地の美術館で本物の6割以上、25点くら
いの作品は見ていますが、ニューヨークにもワシントンにもボストンにも行っていませんので、
全部見るのはまだまだ先のことです。従って、フェルメールの全作品を一堂で見れることが出来
るのは、コピーとはいえやはり魅力的なことです。

 会場にはそれなりに来場者がいましたが「混雑」ということでもなかったのでゆっくりと鑑賞
することが出来ました。絵は私が今までに見てきた本物よりも全体として明るい感じがしました
が、複製画とは思えないくらいよく出来ていました。素晴らしいと思いました。

 ただ、当たり前の事ですが、本物とは全く違うという印象は強く持ちました。例えば、私が長
い間の念願だった「デルフト眺望」をマウンリッツハイツ美術館で見た時、絵に描かれている川
のさざなみが微妙に動いて見え、絵の中からかすかな水音が聞こえてくるような錯覚に陥りまし
たが、今日の複製画からはそうした兆候を感じる出来ませんでした。他の絵からも、本物が持つ
人物や風景の深みのようなものは感じ取れませんでした。

 このように本物とは月とすっぽんの感じはしますが、よく企画された丁寧な「展示会」だと思
いました。爽やかな気持ちで会場を後にしました。


 ●5月15日(火曜日)●

 本土復帰40周年、歴代政府に確固とした沖縄政策はなし。

 今日、沖縄が本土へ復帰して40周年です。記念式典が宜野湾市で開かれ、野田首相も参加し
たということです。40年という長い時間が過ぎましたが、この間、米軍基地の74パーセント
が沖縄に集中している事実には少しも変化がありません。そればかりか今年7月には新型の輸送
機「オスプレイ」が沖縄に配置されることが確実になっています。実質的な基地強化です。

 これまで沖縄の人たちは、米軍関係の事件や事故がある度に「沖縄を返せ」と叫び、更に「沖
縄に返せ」と叫び続けてきました。その気持ちは最もなことだと思います。以前からそうですが、
最近特に「沖縄独立」の声も強まっていると言われていますが、むしろ伝統ある「琉球王国」に
なった方が、本当に平和な島になるかもしれません。

 この国の歴代政権に返還後40年間、確固とした信念と理念に基づいた、抜本的な「沖縄政策
はなし」です。こうした無能力な政府を持ち続けたことは、沖縄は勿論のこと、日本全体にとっ
ても本当に不幸なことです。返還当時の佐藤首相は、ノーベル平和賞を受賞しましたが、表向き
の平和的な「核抜き返還」は、その後明らかにされた外交文書でウソであることが明らかになっ
ています。権威あるノーベル賞もカタなしです。事実確認が十分に出来なかった授与する側も問
題ですが、ウソと知りながら貰う方はもっともっと卑劣です。
 諸悪の根源である「安保条約」は廃棄するしかありません。


 今日は一日中雨模様です。午後、新宿区食品衛生協会の定期総会が新宿駅西口のホテルハイア
ットで開かれたので参加しました。私は以前から新宿飲食衛生組合の顧問をしていますが、今日
はその組合の代表の一人としての出席です。新宿区食品衛生組合は沢山の傘下組合を抱えていま
すが、総会には組合の代表のたちが沢山参加していました。知り合いも随分いました。
 形式的としか言えようのない総会はシナリオ通りにしゃんしゃんと進んで一時間で終了。この
間、議案に対する質疑などは一切なし。その後、恒例の懇親会へ。こちらはプロの演歌歌手?な
ども登場して、一転、大いに盛り上がっていました。



 ● 5月14日(月曜日)●

   今日は、大京町で亡くなった茂吉生誕130周年。

 先日、4月26日のことですが、斉藤茂吉のことについてちょっと触れました。いま私の住ん
でいるマンションの道を隔てたすぐ目の前の大京町22番地が茂吉の「終焉の地」だという記述
です。1953年2月25日が命日ですが、実は今日5月14日は「斉藤茂吉生誕130周年」
に当たります。山形県上山市で生まれたのは、1882年5月14日ですから確かに130年に
なります。

 今日、終焉の地で何かの行事が行われているような雰囲気ではありませんが、茂吉ファンの方
々は、何処かで何かのイベントでもやっているのかもしれません。

 私が子どもの頃から「暗記」していた茂吉の歌は何首かありますが、そのうちの三首を次に挙
げます。教科書にも出てくる有名な歌ばかりです。
 ついでにもう一首。新宿のムーランルージュを詠んだとても珍しい歌です。

 ・みちのくの母のいのちを一目見ん一目みんとぞただにいそげる   
 ・死に近き母に添寢のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる 
     
        つばくらめ     はり      たらちね

 ・のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり 
 ・新宿のムーラン・ルージュのかたすみにゆふまぐれ居て我は泣きけり  


 ●5月13日(日曜日)●

   柔道のオリンピック代表決定。政治家の選出は~。

 今年は「オリンピック開催年」です。7月27日からロンドンで開かれます。楽しみです。こ
の世界最大のスポーツ祭典に参加する選手たちが次々と決まっています。今日は柔道各クラスの
日本代表が決定しました。実力があっても「各国一人」という制約があるので、「オリンピック
で勝つよりも日本の代表になるほうが難しい」といわれる程難関の種目です。今日の選考大会で
優勝しても、世界ランキング22位以内になっていなければ、もともと参加資格がないという別
の制約もありますので、何年間もの継続的な努力と成果も要求されています。

 どのスポーツもそうだと思いますが、選手たちは代表を目指して何年も何年も頑張り続けてい
るわけです。精神的に緊張感を維持し続けることは本当に大変なことです。一部の恵まれた環境
の線種を除けば、経済的にも随分困難な面があると思います。

 政治家も選挙がありますから似たように大変なところがあります。ただ、スポーツ選手と根本
的に違うのは、「選挙に勝てば議員になる」ということです。最も基本的な政治家としての資質
や能力、見識とかは、ともすると全く二の次、三の次になります。従って、これが国民の代表か
という珍現象があっちでもこっちでも起こります。今の国会議員を見ると良く分かります。地方
議員の中にもこうした「方々」いっぱいおります。しかし、これが現実の民主主義の姿です。

 スポーツ選手に要求される「実力」は、当然政治家も持っていなければならない不可欠な条件
ですが、この条件は、現実の選挙では「地盤・看板・カバン」の後に隠されてしまう傾向があり
ます。その結果、いかにも見識の乏しい人たちが国会で幅を利かすことになってしまうのだと思
います。

 スポーツ選手と同じ様に、政界でも私たちの権限を委ねるに相応しい妥当な人選が行われなけ
ればなりませんが、そうした当たり前のことは、結局私たち一人ひとりの「見識」に全てかかっ
ているのです。「自分たちのアタマ以上の政治家は望めない」といわれる所以なのかも知れませ
ん。


 ● 5月12日(土曜日)●

   ささやかな「産地直送」の活動、今年も実施しました。

 毎年、今の時期に行っている「産地直送」の物品斡旋を今年も行いました。注文をとり、産地
に依頼して送ってもらい、それを配達するという手順です。実施し初めてからもう30年以上に
もなります。私たちの活動の一つとして行っています。ごく限られた人ばかりですので、気軽に
毎年続けています。今日と明日が配達日です。去年からは区議になったばかりの啓史も手伝って
います。今日は全体の6割程度終了し、残りは明日です。

 夜、久しぶりに次男夫妻が訪ねて来ました。私たち夫婦、娘の5人で食事をし、たわいない話
をました。次男の奥さんが腕によりをかけて作ったという洒落たケーキを皆んなで美味しく食べ
ました。ケーキを食べることは一年を通してほとんどありません。以前に食べたのは何時のこと
だったろうか?


 ●5月8日(火曜日)●

   党新宿総支部執行委員会、脱原発署名は一区切りに。

 今夜5時過ぎから四ッ谷駅で新社会党新宿総支部の宣伝行動。8人が参加。いつものように脱
原発署名を行いました。この間私たちが行ってきた署名は2000筆を超え、目標の4倍以上に
なりましたが、最近の署名行動で感じることは、署名そのものに対する関心が若干下火になって
きているということです。これまでに、署名しようと思っている人は既に済ませたということも
あると思いますが、いつものようにいっぱい集まるという状況ではなくなりました。

 駅頭行動終了後、四谷の党事務所で新社会党新宿総支部の執行委員会を開催。先に開かれた定
期大会の後初めて開かれる会議です。色々と重要な課題について検討しましたが、脱原発署名に
ついては、他の執行委員の皆さんも私と同じ様な感想を持っているようで、とりあえず、今日の
四ッ谷駅の行動で「一段落」させることにしました。「1000万人署名アクション・事務所」
の最終締め切りは5月末になっていますので、機会があったらこれからもその都度行いますが、
私たちの集中的な取り組みとしては終了させるということです。

 この署名活動では、とにかく色々な方々に協力したてもらいました。お蔭様で都内各地の党関
係の中では、私たち新宿総支部が終始トップを走り続けることが出来ました。ご協力いただいた
方々に心からお礼を申し上げます。本当に有り難うございました。


 ● 5月6日(日曜日)●

   日本の原発、50機全部が休止状態に。
     今日は「原発ゼロ」の記念すべき第一日目です。

 稼動していた日本最後の原発・北海道電力の「泊原発3号機」が昨夜遅く休止に。これで日本
は原発ゼロの状態になりました。今日は「原発ゼロ」の記念すべき第一日目です。

 政府の素人大臣4人が、いとも軽がるしく「稼動K〇」の宣言をした大飯原発の再稼動をめぐ
っては、この間に色々なことが明らかになりました。その最たるものは、「電力が不足するから
原発を動かさなければならない」ということではない、ということでした。真実は、そういわな
ければ、再稼動を容認するような世論が形成されないからだったのです。まさに国民を愚弄した
「衆愚政治」の類です。

 特に関西電力のこの間の対応を見ていると、裏で国民をバカにしていることが実に良く分かり
ます。関電は、とにかく虎の子の原発を稼動させて発電能力を高め、まさに湯水のようにどんど
んと電力を使ってもらいたいのです。そして莫大な利益を挙げたいというのが彼らの最大の目的
です。「節電」をされてはまずいのです。本当は「節電」などという余計なことをされて、しか
もそれが今後も定着することになってしまうと、電力会社は困るのです。これはまさしく資本主
義の論理ですが、国民を真実の外に置き、利益追求至上主義の企業の本質がよく本当によく現れ
ています。

 これまで私たち国民は、こうした「手口」にやすやすとだまされてきたのでした。「原発は安
全」「原発は安い」「資源がない日本では、原発がないと日本の国づくりが不可能」といった類
です。多くの人たちはそれを信じてきましたが、今度はそうはいきません。

 今日は、原発ゼロの「記念日」。今後も日本で永遠にこの記念日が続き、更に全世界に広がっ
ていくように祈り、私もそのための任務の一端を担いたいものだと思っています。


(今日の一日) 連休最後です。いつもの事ですが、子どもが大きくなってからは、連休中はメ
ーデーや憲法集会に参加する以外はほとんどどこにも行きません。今年は特に連休の途中から腰
痛がひどくなり、ちょっと外出することもママにならない状態でした。家でじっとしているわけ
でもありませんので、回復も遅々として進まない状態です。

 フランスの大統領選挙で社会党のオランド候補が当然確実に。ミッテラン以来、17年ぶりの
社会党大統領です。ヨーロッパ情勢がどうなるか、注目されます。


 ●5月3日(木曜日)●

   アメリカの法学者たちが、全世界の憲法を分析。
  日本憲法を評価し,「不朽の先進性,今も世界の最先端」

 今日は65回目の憲法記念日。私の最も好きな祭日です。なぜなら、私は、日本の憲法こそ今
生きている私たちが誇りと自信を持って次の世代にて引き継ぐべき「最大の財産」だと思ってい
るからです。

 今日は朝から生憎の大雨ですが、例年通り午後1時半から日比谷公会堂で「憲法記念集会」が
開かれるので、早めの10時半に会場へ行きました。集会参加者に対して私たちのメッセージを
掲載したチラシを配布するのが毎年決まったの私たちの任務の一つになっているからです。
 昨年初めて参加した区議会議員の山田啓史も一緒にチラシの配布をしましたが、どう工夫して
もチラシは激しい雨で濡れてしまうので、配る方も受け取ってくれる方も大変です。
 今日の参加者は、豪雨のためもあってか例年よりもちょっと少なめの感じでしたが、それでも
開始時間の大分前から、公会堂を取り囲むように随分長い行列になっていました。

 この日比谷公会堂は、1960年10月12日、池田勇人首相と共に「党首演説会」に臨んで
いた浅沼稲次郎社会党委員長が、右翼の少年に刺殺された場所として頭に焼きついでいます。今
から52年前のことになります。私は当時、八戸の高校三年生でしたが、いつもここに来るたび
にそのことを鮮明に思い出します。

 ところで今日の朝日新聞には大変興味深い記事が載っていました。憲法を持つ世界の全ての国
(188カ国)の憲法についての分析です。アメリカの法学者たちが行ったものだそうです。

 新聞のタイトルは「日本国憲法、今も最先端」。世界の憲法に網羅されているさまざまな「権
利」のランキングですが、日本の憲法は、①信教の自由、②報道・表現の自由、③平等の保障、
④私有財産権、⑤プライバシー権など上位19番までの全ての権利を満たしています。他の国の
憲法にはない「充実ぶり」だそうです。
 
 分析者の一人であるバージニア大学の教授は日本の憲法について、「65年も前に画期的な人
権の先取りをしたとてもユニークな憲法といえる」と述べています。

 ただ、その国の憲法が現実の政治にどれほど生かされているかは別問題です。憲法第9条を見
ると、現実との乖離の程が分かります。新聞のサブタイトルには「不朽の先進性も実践次第」と
書かれていますが、まさしくその通りです。

 いま、改憲を叫ぶ声がますます強まっています。自民党はつい最近改憲案を明らかにしました。
大阪維新の会も改憲の骨子を発表しています。国会では改憲勢力が圧倒的な数を占めています。
今日は日比谷公会堂近くでも、右翼の街宣車が何台も連なり、ばかでっかい音量で怒鳴り散らし
ていました。
 改憲の理由は、変わらずの「押し付け憲法」を手始めとして「制定されてから時間がたってい
る」「一度も変えられていない」「愛国心の規定がない」「権利規定ばかりで義務がない」「自
衛隊を国軍に」等などといった言い古されたものばかりです。物理的な時間を超えて、まさしく
世界に輝く存在になっている日本国憲法の一つ一つの条文内容に対して、唾するような陳腐な改
憲理由のオンパレードといった感じです。

 多くの犠牲を払って私たちがようやく獲得することになった今の憲法を、最高法規としての高
邁な理想とは縁遠い低次元にまで引き摺り下ろすような「改憲論」でうんざりします。

 それにして「世界の全ての国々の憲法の分析」は貴重な資料です。そのうちに本物を手に入れ
てきちんと見てみたいと思っています。朝日新聞は「消費税値上げ大賛成」を繰り返し、異常な
執念を燃やしていて、財政改善の音頭とりをしているような気配を感じ、私はこうした独りよが
りの主張に少々うんざりしていますが、たまには今日のような読ませる記事も掲載することがあ
りますのでちょっとは救われます。


 ● 5月1日(火曜日)●

   第83回 メーデー。日比谷野外音楽堂には6千人。

 風薫る季節といわれる5月です。今日は第83回目になる労働者の祭典・メーデー。いつもの
ように9時、会場の日比谷野外音楽堂へ。入口近くの日比谷公園の霞門の脇に到着していた新社
会党の宣伝カーで参加者に代わる代わるメーデーの訴え。10時まで30人くらいでチラシ配布
をした後、音楽堂の集会に参加。参加者は約6千人ということ。集会は手際よく進んで一時間で
終了、11時からはパレードへ。私たちの今年のコースは、中央官庁街を通って新橋駅近くの土
橋が解散地点です。例年の東京駅・常盤橋コースと違って短かったので大変楽でした。

 解散後、交流会会場へ。あっちこっちと数人ずつ気の合う者同士が別々になりましたが、私た
ちのグループには15人ほど参加。新橋駅近くの居酒屋。お互いにたわいない話をして3時前に
は終了。

 私は次の予定もなかったので、運動のために、新橋から銀座、数寄屋橋、日比谷公園、国会議
事堂、最高裁判所、国立劇場、半蔵門、麹町、四ッ谷駅のルートを通って自宅まで歩いて帰りま
した。ちょっと急ぎ足で1時間ほどかかりました。大体6キロくらいでしょうか。天気もマアマ
アだったので結構快適でした。


 ●4月29日(日曜日)●

    「稲苑書道会書展」の力作を鑑賞しました。

 私の連れ合いは趣味で書道教室に通っています。時々、家の中で大きな用紙を広げて苦闘して
いますが、その腕前の程度は部外者の私には全然分かりません。
 書道教室では、2年に1回、高円寺にある「セシオン杉並」で「稲苑書道会・書展」という展
示会を開いています。今回は今日が最終日です。私も午後、会場にお邪魔をして、連れ合いや皆
様方の作品をとくと拝見しました。

 もう長い歴史のある展示会だけあって、皆様方の作品は中々のもので、みんな力作ばかりです。
書の作品は、どのような見方をするのか私には分かりませんが、ぱっと見た感じで、「すごいな
ぁ」という印象は持ちました。展示されていた作品の題材には、古い時代からの有名な歌詞が取
り上げられていますが、私が知ってる歌も随分ありますので、鑑賞していても大変親しみを感じ
ました。特に、近代の歌では何人かの方々が斉藤茂吉の短歌を取り上げていました。斉藤茂吉の
ことについては、前回のこの下の「行動日記」で触れたばかりだったので、特に興味を持ちまし
た。それにしても継続は、素晴らしい結果を生み出すものだと感じました。


 ●4月26日(木曜日)●

   たまたま、歌人の斉藤茂吉に関する論文を読みました。

 私が今住んでいるマンションの窓から、斉藤茂吉の終焉の地がすぐ真下に見えます。今は瀟洒
な建物に建て替えられていますが、かつてこの場所には「斉藤神経科病院」という二階建ての古
い感じの建物がありました。20年くらい前のことですが、私もよく知っている建物です。新宿
区大京町22番地になります。晩年、ここで過ごした茂吉はこの場所でその偉大な生涯を閉じま
した。1953(昭和28年)2月25日ですから、今から半世紀以上前の事になります。

 今の建物に建て替えられる当時、私は随分躊躇しながらも「斉藤神経科病院」に電話をし、新
しい建物の何処かに茂吉の「終焉の地」であることが分かるような記念碑のような物を設置して
欲しいと要望しました。それに応えたものかどうかは分かりませんが、今のビルの一角には、茂
吉がこの場所で亡くなったというプレートと共に、大京町を歌った茂吉最晩年の次のような歌碑
が設置されています。

       新宿の 大京町といふとおり わが足よわりて 住みつかんす

 私は、新宿区に対しても茂吉の偉大な功績を顕彰する記念碑のようなものの設置を提案をしま
した。その後も繰り返し議会の予算委員会などで区に要望してきましたが、区は何度言っても全
く無反応で、いまだに「終焉の地」を紹介するようなものはどこにもありません。本当に残念な
ことです。日本の歌壇に偉大な功績を記した茂吉に対する驚くべき程の「鈍感な感覚」だと少々
敬服していますが、私が区に働く関係者だったら、「一番最初に手がけたい仕事」の一つだとい
っていい位です。

 今日、ある本を読んでいたら、茂吉のことに触れた一文が出てきました。
 「 ~斉藤茂吉は日本の財産、日本人の財産、日本語の財産である。柿本人麻呂がそうである
のと同じだが、作品が多いだけに茂吉のほうがより大きい。~」。

 次のような指摘もありました。
 「~斉藤茂吉と柳田國男とは、二十世紀の日本文学界に出現した二人の巨人、いや二匹のバケ
モノである。鴎外や漱石などは人間の中でのとびきりの逸品だが、この両人はどうやら人間の範
囲を逸脱している。バケモノと呼ぶゆえんである。~」。

 何とも大変な指摘です。私は小さい頃から、茂吉は伊藤左千夫の功績を継ぐアララギ派の大巨
匠であり、日本を代表する歌人であると思っていたし、そのことに対しては誰も異存のないとこ
ろだと思いますが、それ以上、どう評価していいのか、どのような言葉でその思いを表せばいい
のか、私のような部外者にはよく分かりません。確かに代表歌集の『赤光』の歌に接すると、そ
の言葉が持つ意味あいの大きさに愕然とすることがよくありますが、そうした驚きが今日読んだ
本の著者のような指摘になるのかなぁと思いました。

 改めて斉藤茂吉が偉大な人材であることを思い知らされました。毎日、何気なくベランダから
見てきたかつての「斉藤神経科病院」に対する視線も、今後は、ますます「羨望の眼差し」に変
わらざるを得ません。


 (今日の一日) 午前中は東京女子医大病院で定期検査。結果はすぐに分かり「異常なし」。
次回の検査は半年後。午後2時過ぎから新宿区議会会議室で開かれた今年度の議員待遇者総会に
出席。こちらもシナリオ通りにすいすいと進んで40分程で終了。その後4時から開催された待
遇者会の「懇親会」は残念ながら欠席し、5時過ぎから開かれた「政策勉強会」のような集まり
に参加。みんな知っている方々ばかり。終了後、新宿駅東口近くの居酒屋さんで交流会。


 今日のビッグニュースは「小沢一郎無罪」。政界に与える影響は極めて大きい。


 ●4月24日(火曜日)●
 
  何とも陳腐な政府対応。「支離滅裂」ばどっちの方か。

 大阪市の橋下市長が、今日、藤村官房長官と会い、関西電力の大飯原発の再稼動問題で8項目
の「提言書」を提出しました。内容は全く当たり前の事ばかりです。先に提出した滋賀県の嘉田
知事、京都府の山田知事の提言書と基本的には共通するものであり、日ごろから多くの人が考え、
政府の対応に疑問を持っていることばかりです。

 藤村官房長官は「将来の課題」だして、取り合わなかったと報じられていますが、喫緊の問題
が、なぜ、「将来の課題」なのか何とも不思議なことです。先日、官房長官は橋下市長の脱原発
発言を「支離滅裂だ」と批判していましたが、官房長官の考えこそ支離滅裂です。

 橋下市長は、日頃から「歴史教育を正す」とか「日教組をつぶす」とか「公務員は選挙で選ば
れた自分の公僕だ」などと威勢のいいことをいい、人気を博しています。選挙で選んだからとい
って誰も橋下市長には白紙委任したわけでもなんでもないのであり、そう考えいるとしたらまさ
しく「支離滅裂」ですが、しかし、原発に限って言うならば、政府のエライ方々よりは遥かに正
当な考えです。

 こういう状況で心配なのは、(原発問題で正しいことを言っている)橋下は立派だ、彼に任せ
ろ、などという風潮がはびこることです。


 ●4月23日(月曜日)●

 また始まった政府の御用委員会、電力不足を懲りずに演出か。

 日本はもうすぐ原発ゼロになります。最後の北海道電力・泊原発3号機が止まる5月5日がそ
の日です。これまで、原発がないと日本は沈滞し、すぐにでも沈没してしまうかのようなことが
喧伝され、「安全対策」そっちのけであっちにもこっちにも原発の建設が推進されてきましたが、
ゼロになったらそうなるのか。楽しみです。

 フランスでは大統領選挙が行われましたが、原発推進派の現職・サルコジが大苦戦でした。決
選投票でもオランド候補に敗れるだろうというのが大方の予想です。

 ところで今日、「再稼動」にウツツを抜かしている政府は、今夏の電力需要や供給能力につい
て議論する需給検証委員会(委員長は民主党の副大臣)なるものの初会合を開催しました。

 この委員会に提出された電力各社の「今夏の需給見通し」によると、原発が再稼働せず、20
11年並みの猛暑になった場合、電力需要が高まる8月に全国で0.4%の電力不足が生じると
推定しています。いつもの姑息なやり方です。福島原発事故以前だと、「だったらやっぱり原発
は必要だ」ということになるシナリオです。しかし、今はそうはいきません。

 電力予測によると、原発11基を抱える関西電力では16.3%の不足を見込んでいるという
ことです。電力不足の恐れがあると宣伝にこれ勤めているこの関電に加え、九州電力も北海道電
力も数パーセントずつ不足するという数字を出しています。

 更に東北電力や四国電力も、電力の安定供給に必要な3%の予備力を持つまでにはならず、ピ
ーク時に不安を抱えることになるそうです。

 一方、東京電力はどうかと言うと「節電が定着したこと」もあって4.5%の余剰を見込んで
います。また、全体の発電施設に占める火力発電所の比率が高い中部電力(5.2%)や中国電
力(4.5%)は十分な供給余力を確保しているそうです。

 これが電力会社が推定している「電力供給予測」です。ただ、この数字の「根拠」は全然示さ
れていません。いつもの通りです。これまで電力会社の「需給予測」と後に明らかになる「需給
結果」はいつも大幅に違っていますが、結果的に外れると、「安全性を考えて、最低限の見積も
りをした」と答えることになっているようです。これも常套手段です。

 こうした「数字」を根拠に、あれこれと審査するのが、今日発足した政府の御用機関ですが、
何とも胡散臭い委員会です。

 この御用委員会のそのうちに出る「審査結果」は、最もらしい数字を並べ立て、従って「原発
再稼動は不可避」などということになるのでしょうが、今日は早速、インターネットでこんな数
字を信じる人はいない、という指摘が飛び回っています。また、この程度の不足なら、全国のパ
チンコ屋の営業をちょっと自粛したら乗り越えられると「具体的な提案」(?)もあります。

 また、東電は原発に依拠しなくても電力不足にならないのなら、「なぜ、料金値上げをするの
か」と指摘している人もいます。

 いずれにしても落ちぶれた政府が何と言おうと、「原発には頼らない社会」を実現するしか選
択肢はないのです。


 ●4月21日(土曜日)●

  党東京都本部定期大会開催。新たな飛躍を期す大会に~。

 新社会党東京都本部の第17回定期大会が北区内で開かれました。私たちのような小さな政党
の宿命のようなものですが、この一年間も大変厳しい党運営が続きました。
 本日の大会そのものは成功裏に終了したと思いますが、我々の喫緊の課題である大幅な党勢の
拡大は決して生易しいものではありません。

 大会は、委員長以下新しい執行部を選出して終了しましたが、私は前委員長の江原栄昭さんと
共に、結党された1996年春以来16年間務めてきた副委員長の職を辞任しました。今回は何
としても辞めるつもりだったので、皆さんに私の我儘を認めてもらいました。


 ●4月17日(火曜日)●

   尖閣諸島買収発言。死守するために軍隊も持つ?

 東京都の石原知事が「尖閣諸島」を都が買うと言ったそうです。購入理由は全然明らかにされ
ていませんが、あの人の特殊な思想形態からして想像は付きます。新しい政党をつくる画策をし
ているようですから、橋下と同じ様にもっとマスコミに露出をしたいという底意があるのかもし
れません。要するに非常識なことをいって、目立ちたいのです。
 石原発言に対して、これに喝采を送り、支持するという趣旨の電話が50本も都に寄せられて
いるそうです。どんなめちゃくちゃなことでも、自由に発言できる民主主義社会は、それはそれ
で結構なことだなあ、とは感じました。

 そのうちに、「高邁な見識」の持ち主の石原知事のことだから「尖閣諸島を死守するために東
京都は軍隊を持つ」などと言い出しかねません。日本を守るためだ、文句はないだろう! とい
った具合です。こんなことを言ったとしても、賛同する人はそれなりにいるでしょうねぇ。

 今日、大飯原発の再稼動に向けて、京都府の山田知事と滋賀県の嘉田知事は、政府に対して七
項目の「共同提言書」を提出しました。国としての電力政策の基本的な考えの明確化などです。
ごくごく当たり前の要望です。こうした当然の対応を抜きにして、安易な「ハードル」を並べ立
てて再稼動に突進する政府の安直な姿勢とは大違いです。

 今日夜6時から、四谷三丁目駅で新社会党新宿総支部の駅頭宣伝活動を行う予定でしたが、前
回の4月3日と同様に今日も雨になってしまったために、連続で中止になりました。残念。



  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    以下の記事は、ロイターが4月14日に東京発として配信したものです。脱原発を
   願う市民のごく一般的な気持ちをよく表していると思います。

  本当に電気は足りないのか

 再稼働の必要性ありと判断した最大の根拠として政府が示したのは、原発ゼロの場合、関電管
内の電力供給が需要に対してどれだけ不足するかというデータだ。9日と13日に首相官邸内の
会見場で配布されたが、資源エネルギー庁が関電からの報告を基に提示した不足の割合は、一昨
年夏並の猛暑だった場合は18,4%(9日時点提示では19,6%)、1割の節電要請を呼びか
けた昨年夏並の暑さだったら5,5%(同7,6%)のそれぞれ供給不足になるという。
(この政府発表の数字の根拠はない。朝日新聞の世論調査では約8割が政府・電力会社の「需要
 供給予測」は信用していない)

 ただ、これはエアコン需要が急増する日中の時間帯での数値で、この時間の需要を減らして他
の時間帯に誘導するなどの工夫をすればこうした危機を回避できるとの見方は少なくない。
 関電によると、昨年夏(7月~9月)の需要が、今年の原発ゼロ想定の供給力(9日時点提示
の2574万キロワット)を上回ったのはたった11日間の合計56時間。昨年夏並の暑さなら、
3カ月間のうち10日間余りの日中の需要をうまく他の時間帯に誘導すれば、充分に危機は回避
できる。

 同様に、一昨年夏の需要の場合、今年の原発ゼロ想定の供給力(同2489万キロワット)を
上回ったのは51日間の計473時間で、この前提ではたしかに厳しそうに見える。

 しかし、国のエネルギー政策議論に参加する飯田哲也・環境エネルギー政策研究所(ISEP)
所長は、「最大需要は、一昨年の異常値は去年と比較すると350万キロワット多いが、内訳は
気温要因が160万キロワット、関電が需給調整した分とその他の節電効果で190万キロワッ
ト。一昨年並の猛暑となった場合でも、160万キロワット分は、去年から今年に出来る節電側
のピークマネージメント(最大需要抑制)で楽に減らせる」と指摘する。

 大飯原発に隣接する滋賀県の嘉田由紀子知事は今月6日、ロイターのインタビューで、需給ギ
ャップを乗り越える手法として、「(企業などの節電分を電力会社が買い取る)ネガワットなど
市場メカニズムの中に節電を取り入れること」を挙げるなど、節電を「供給力」として活用すべ
きとする声が高まっている。


 ●4月16日(月曜日)●

   54分の53は「集団自殺」の状態だそうです。

 日本にある54基の原発施設の内、稼動しているのは北海道泊原発3号機のたった一基だけで
す。53基は休止中で発電はしていません。いま日本は、現実的には「原発に依存しない状態」
になっています。夏の電力最需要期に、どれくらいの電力が必要なのか。足りるのか、足りない
のか、客観的で信頼される数字は明らかになっていません。

 政府・電力会社が発表する数字はいつでも「電力は不足」で「原発は必要」というものばかり
です。都合のいいようにくるくる変わります。昨年夏の予測数字も、現実とは全然違っていまし
た。政府などから発表されている数字を信頼している人は、朝日新聞の世論調査によると約18
パーセントだそうです。全く信頼されていないに等しい数字です。

 こうした中、民主党の仙谷由人政調会長代行は今日、名古屋市内で講演し、原発再稼働につい
て「止めた場合、経済と生活がどうなるかを考えておかなければ、日本がある意味で集団自殺を
するようなことになってしまうのではないか」と述べ、脱原発論の現実味の薄さを批判し、「日
本は電力なしに生活できなくなっているのは明らかであり、一瞬でも切れると電信電話回線が切
れる」とも述べたそうです。

 何とも貧相な表現です。こうした陳腐な発想には日本の将来的なエネルギー政策をどう構築す
るかという、政権政治家としての長期的な見識のある構想などは微塵も感じられません。

 現在、日本の現実的は「脱原発状態」です。この政治家の幼稚な発想によると、私たち国民の
54分の53は「集団自殺」にしているということになります。あきれてしまいます。

 仙谷さんは、自らの高邁な発言について、原発のない社会を実現しなければならないと考えて
いる私たちを自殺の道連れにするのではなく、まずその第一歩として、無責任きわまる民主党議
員たちの中、あるいは必要悪のような政府の中で示してもらいたいような気持ちです。


 ●4月15日(日曜日)●

    櫻咲く神宮外苑。サイクリングや野球で大賑わい。

 昨日とはうって変わって今日は初春の晴天です。知り合いに配る印刷物があったので、朝から
自転車で走り回りました。
 途中、色々な方々とお会いしました。散歩している人、家の前で日向ぼっこをしている人、こ
れから櫻を見に行こうとしている人、子どものところに孫を見に行く人、ジョギングをしている
人、買い物帰りの人、外食の出かける人、などなど様々です(他にもいっぱい)。

 私は、四谷一帯で一通り印刷物を配った後、渋谷区・港区境に隣接する霞ヶ丘住宅でも何通か
の印刷物を配り、終了後は、神宮外苑(一周1350メートル)の外周道路を早足で散歩しまし
た。三周しましたから、4キロちょっとになります。大体40分丁度くらいで歩きます。
 昨年秋から東京体育館で筋肉トレーニングをやっていましたが、若い時に交通事故にあった際、
手術をした左肩が痛くなったために暫く休んでいて、代わりにここ二週間位は、ほぼ毎日、外苑
の散歩で体調を整えています。大また、早足で歩いた後は、結構気分が爽快になります。

 今日は日曜日なので神宮外苑の絵画館や草野球場を囲む楕円形の外周道路は自転車道になって
いて、小さな子どもさんと付き添いの両親らしき人でいっぱいでした。今日から東京六大学野球
も始まり、また、神宮第二球場では高校野球も行われていたようであの辺一帯は子どもたちの声
や野球の応援の歓声で大賑わいでした。


 ●4月14日(土曜日)●

   原発再稼動OK。もうどうしようもない野田政権。

 まともな政府を持たない国家・国民は不幸です。野田政権は「原発再稼動」に執念を燃やして
いますが、今日、福井県の大飯原発は安全だという決定をしたとのことです。「暫定的に安全」
ということです。「安全宣言」に「暫定的」というのも不思議なことですが、とにかく再稼動に
盲動する政府の偉い方々は何とも感じていないようです。

 それにしても福島原発の後始末が全然出来ていないにも関わらず、安易な「条件」を幾つか並
べ立て、それをクリアしたから再稼動OKということですから、開いた口がふさがりません。こ
の政府の安直さを如実に示しています。いかに国民が軽くあしらわれているかを証明しているよ
うなものです。全く馬鹿らしくなります。

 ことは命に関わることであり、広範囲な地域の安全に関わることです。長い長い市民生活の根
本的な営みに関することです。いずれも極めて重大な判断が求められています。それにも関わら
ず、こうも安直・安易な対応でいいとか悪いとか「判定」されたのでは、情けなくなります。

 本当にまともな政府を持たない「市民」は、何とも不幸なことです。
 こうした政府・政党は消えてもらうしかありません。この政府の日常的な活動は茶番劇のよう
にも思えますが、それにしてもこんなにもひどいとは思いませんでした。


 ●4月13日(金曜日)●

   PAC3の迎撃失敗を見たい思いもあったが~

 北朝鮮のロケット発射が失敗しました。「ミサイル」とか「人工衛星」とか、色々と報道され
ましたが、賑やかなことでした。飛行ルートとは全く無関係の東京・新宿にもPAC3されるな
ど、「安全」を口実にした典型的な過剰反応でした。マスコミの対応も、いまにも地球がひっく
り返るかのような狼少年的な報道でした。

 北朝鮮にしては実に珍しいことですが、数時間後に「失敗」を認めて発表しました。隠しおお
せないと観念したためだと思いますが、今までにはないことです。

 政府は、国民の多くがアメリカや韓国の迅速な発表で事実を知った後、暫くたってから発射の
情報を発表し、国民の皆さんは「平穏・平静に正常通り生活するように」と訓示めいたことを述
べていました。政府から言われるまでもなく、国民の大半はロケットに右往左往すること冷静に
生活していますが、何ともアホらしいことを言うものだと思いました。ただ、あえて言うなら、
国民の不安を置き去りにして原発再稼動を決めることこそが、国民の「平穏・平静な生活」を阻
害することになるのだということです。言うまでもないこうしたことが、この政府の方々には全
く分からないようです。

 この北朝鮮の発射の失敗で、内心、少し残念に思ったことがあります。それは、金食い虫とい
われるPAC3の迎撃の失敗シーンが見れなかったことです。大言壮語を繰り返しているPAC
3推進者たちの泣きっ面を見たかったものです。それにしても、のこのこと何日もかけてロケッ
トの飛行ルート下まで出かけていって「迎撃」の準備をしなければならないPAC3は、それだ
けで「実戦」には役立たないことが明らかになっています。PAC3を役に立つものにするため
には、日本中のいたるところに配備しなければなりません。気が遠くなるほど金のかかることで
す。しかし、これこそが、軍事産業とそこに巣食う官僚・政治家たちが鷹のような目をして狙っ
ていることなのです。脅威を口実にして安全を唱え、ひたすら軍拡を推進する図式は、過去の歴
史がよく示していることです。


 夕方、丸正前で「脱原発署名」。昨年9月から週一回行っていますが、大体30回目くらいに
なります。もう少しで2000筆になります。

 夜、新社会党都本部事務所で次期の執行体制の検討会。役員は最終的には定期大会で決定しま
すが、その前段の打ち合わせです。私は結党以来、17年間、都本部で副委員長を務めてきまし
たが、4月21日の都本部定期大会を最後に役職からは一切退任することになります。
 今回の退任は、私が強く望んでいたことでしたが、私の望みが叶えられることになります。


 ●4月8日(日曜日)●

   さくら満開の新宿御苑は、朝から終日大賑わいです。

 いま私たちが住んでいるマンションの住所は、新宿御苑と同じ内藤町にあります。マンション
のベランダからは、こんもりとした御苑の木々がよく見えます。今日は、今年一番の「観桜」の
日和のようでとにかくこの近所一帯は朝から人人人で大賑わいです。色々なナンバーの観光バス
もひっきりなしに御苑に吸い込まれていきます。

 新聞で報道されていましたが、去年あたりから新宿御苑内への酒やビールなど飲み物の持込み
は禁止されているようで、入園の際に結構厳密に検査されています。観桜客の中には、酔っ払っ
て喧嘩をするとか大声を上げてわめきたてる輩もいるようで、それを避けるための措置だという
ことです。
 さくら咲く花の下で、陽気に一杯やる、という情景には風情があります。「花に酒」は、古来
より不離一体の感じがしますが、それを許さないというのは、何とも無粋なことです。喧嘩はと
にかくとして、少々の賑わいは結構だし、私はむしろ好ましいと思いますが、規則にのっとって
四角四面に「管理」する側は、そうはいかないようです。

 いかにも役所らしい対応ですが、ただ、不慮の事故でも起こったら、厳しく追求される立場に
も置かれているので、一概にどっちがどっちだと言い切ることも出来ません。

 そういえば、防衛省はこれまでこの新宿御苑にPAC3の配備を狙って2度も物々しい「戦闘
車両」を入れて実施訓練をしています。将来、配備するつもりなのかどうかは、全然明らかにさ
れていませんが、そもそも国民公園の新宿御苑に、PAC3を配備するという発想や行動は、市
民の気持ちを泥靴で踏みにじるようなものです。

 北朝鮮の「ミサイル発射」を口実に、現在、市ヶ谷の防衛省にはPAC3が備え付けられてい
ますが、これも過剰警備そのもので、国民の目をだますための「実績づくり」です。予算をつけ
るための策動です。いかにも軍人の考えるようなことですが、大体、政府がだらしがないからこ
うしたしことにになるのです。全くとんでもないことです。


 ●4月7日(土曜日)●

  もう消えて亡くなれ野田政権。国民侮辱の原発再稼動策動

 原発の再稼動に向けて、野田政権は「安全対策」の暫定基準をまとめました。この基準たるや
私のような素人から見ても誠にいい加減なものです。簡単に言うならば、現状に合うような条件
を「基準」として並べているだけです。

 マスコミ各種(産経や日経も含めてです)も電力会社からカネをもらっていない専門家・学者
も、こぞって、これは妥当な「安全基準」ではないと指摘しています。当たり前です。福島原発
の処理もほとんど出来ていない状況にあるにも関わらず、こうした「基準」を出してきて、あた
かも真剣に対応をしているかのようなポーズをとるとは、この政権は一体何を考えいるのでしょ
うか。国民を侮辱し、ひたすら、再稼動に向けて突進しているだけです。ひどいものです。

 福井県のある首長が指摘していましたが、今、最も重要なことは再稼動に向けて泥縄的に「安
全基準」を作ることではなく、原発の妥当性、原発の必要性について真摯に議論し、国民的な合
意を作り上げることだ、と言っていました。全くその通りですが、野田首相はこうしたいとも簡
単なことも理解できない人のようです。

 言うまでもないことですが、権力を持っていると都合のいい「安全基準」などと言うものはど
うにでも作れます。カネで繋がっている御用学者を動員して「こうした結論にしてくれ」といえ
ばそうなるのです。こうしたカラクリは、政府がいくら学者・専門家を動員して「箔」をつけた
としてもって、いかさまであることはみんな知っているのです。

 原発は、今生きている私たちは勿論ですが、次世代を含めた将来の市民生活に大きく関わる大
問題です。指導者が持つべき政治理念のかけらも感じられない野田政権に、私たちの将来を託す
わけにはいきませんが、それにしても何ともお粗末な内閣です。これ程ひどいとはねぇ。呆れ返
ります。執行停止になっていた高速道路建設などの「公共事業」も、何と「大震災」を口実にし
て再登場しています。国土交通省に巣食う中央官僚の勝ち誇った笑い声が聞こえてきそうで、む
かむかしてきます。それにしても、こうした官僚の策動を許す野田内閣は全くお粗末極まりない
政権です。これが一時的にしろ国民の期待を担った民主党政権の姿かと思うと情けなくなります。
 もう消えてなくなって欲しいと思いますが、ただしかし、民主党にとって変わる政党もありま
せんから、日本の政治は何とも深刻です。


 ●4月5日(木曜日)●

  久しぶりにポスター張り替え。今日は約150枚程度。 

 最近何回か大風が吹いたこともあり、大分前に貼付した山田啓史区議の「無料/生活・法律相
談」のポスターがはがれています。何人かの方からも「ポスターがはがれているよ」という連絡
も受けているので、久しぶりに11時前から啓史と二人でポスターの張り替えをしました。新社
会党の新しいポスターも出来ていたし、手作りでA3版の3種類の小型ポスターもあったので、
全部合わせて200枚くらいを自転車に積んで出発しました。3時間程度で「生活・法律相談」
のポスターがなくなったので、今日はここまでで終了ということにしました。
 いつもポスターを貼ってある四谷地域の3分の2程度は終了したことになります。今日貼付し
たのは大体150枚くらいだと思います。明日もポスターを補充して、12時前後から今日の続
きをする予定です。

 午後2時頃、四谷三丁目にある中国飯店で遅い昼食をとりました。ここで働いている女性の店
員さんは中国人ですが、私が新宿区議会議員だったことや啓史が一年前の選挙で当選したことな
ど、私たちのことを結構知っています。私がよく注文する食べ物まで知っていて、「お父さんは、
また○○○ですか?」とか「仕事を辞めて、今、何をしているんですか?」「息子の働く建物は
新宿区役所の中なの?」など、よく話しかけてきます。何とも気さくで陽気な人です。私が知っ
ている中国語と言ったら「謝々」くらいですから、帰る時には、五回も六回も「謝々」ど言って
から店を出ます。ここの料理はおいしくて値段も手ごろなので気に入っています。


 ●4月3日(火曜日)●

  原発稼動ゼロへ。なぜ再稼動に固執するのか全く不明。

 野田政権は、原発再稼動に向けて着々と対策を強めています。これまで「原発がないと電力が
不足する」「原発は火力・水力に比べて安い」「資源が乏しい日本では原発に頼るしかない」な
どということが、電力会社・御用学者・(電力会社お抱えの)政治家・労組幹部・歴代政府の面
々などから当然のことのように言われてきました。しかし、これらは全てまやかしであることが
明々白々になっていますが、それにも関わらず「再稼動」に向けての策動です。

 現在、原発で稼動しているのはたったの一基だけで、5月5日には残された泊原発3号基が点
検に入るので、全て停止になりますが、原発がなくても停電になる状況ではありません。原発で
いったん大事故が起こると、安上がりどころか人が住めない広範囲な「死の町」が現出すること
も私たちは福島から学んでいます。

 久しぶりに今、原発に依存しないに社会に生きています。しかし、だからと言ってこれまで指
摘され続けてきたように、生産活動を含めた社会生活の継続が阻害されているという状況になっ
ているかという全然そうではありません。
 ではなぜ、政府や一部の政治家などが原発に固執するのか。安心して暮らせる安全な社会を次
世代にきちんと残しいくという今生きている我々の任務・使命に照らしてみても、理解できない
ことですが、それはなぜなのか。
 電力マネーがあっちにもこっちにもばら撒かれていて、それが一定の効果を示して原発が必要
という声になっていることもありますが、もっと基本的にはこの社会を展望し、将来をデザイン
する「政治哲学」が、野田首相を筆頭にして、今の指導的立場にある政治家に欠如しているため
です。
 「失敗」は政界にもどこの世界でもあり得ることですが、問題はその失敗から、または過去の
失敗や歴史から何かを学ぶのかです。とりわけ施政者にはそれが求められます。

 ドイツの政治家が立派かどうかは私は分かりませんが、少なくとも原発問題に関する限りでは、
政治哲学が感じられます。これを圧倒的に支持するドイツの市民の意識にも同類のものを感じま
す。福島原発事故の「本質」をドイツのリーダーの方が遥かによく学んでいる気がします。
 原発が抱えている本質を見ずに、何も学ぼうとしない某国の首相とは雲泥の差です。
 「公約」を次々と破り捨て、国民に約束もしていない施策に固執する政治家(しかもそれが内
閣総理大臣となればなお更~)は恐ろしい限りです。こんな状態で、よく、この国に「一揆」が
起こらないものだと思います。「国民の頭以上の政府を持つことは出来ない」と言うことならば、
何とも悲しいことです。

 私たちは毎週金曜日の午後、四谷三丁目で脱原発署名を行っています。ごく稀に、「私は原発
に賛成」という人に会います。訳を聞いてみると、相変わらずですが「電力不足で停電になる」
「原発がないと電気料金が値上げになる」という類の話です。こういう考えの人は、さすがに福
島原発事故以後はほとんどいなくなっているので珍しい意見の持ち主といえます。ただ、こうし
た理由で原発の亡霊に固執することは、そろそろ卒業してもらいたいと思います。そもそも「論
拠」がないのですから。

 未だに政治哲学を示しえない(もともとそれがないのですから示しようがない?)日本政府に
対して明確な「脱原発社会の創造」を期待することは無理ですから、ここは私たち国民が政府に
成り代わって確固とした「政治哲学」を確立し、それをあらゆる機会に示すことが必要です。
 その一つが、いま全国的に取り組まれて、私たちも精力的に行っている1000万人署名だと
思います。


 ●3月30日(金曜日)●

  北朝鮮のミサイル発射で新宿区内にもPAC3配備へ
    比国方面への「ミサイル」が新宿に飛んでくるのか。 

 北朝鮮が4月12日から16日までの間に「人工衛星」を発射すると予告しています。これま
での経緯や実態からすると「ミサイル」の発射です。

 田中直紀防衛相は30日午前、長距離弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する事態に備え、
自衛隊法に基づく「破壊措置命令」というものを発令したということです。

 自衛隊はこの命令を受けて、地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の配備など、迎
撃態勢の整備を本格化させる模様です。
 PAC3は、沖縄などミサイルの軌道上だけでなく、首都圏の市ヶ谷自衛隊などにも配備する
計画です。要するに幾つかのうちの一つは新宿区内に配備されるということです。「実績作り」
が見え見えです。こうした「実績」を作って莫大な予算を確保するという魂胆です。よくやる手
段です。安全のために万全な体制づくりをしているということで、国民は錯覚に陥るのです。

 新宿区内のPAC3の配備に関する「出来事」は市ヶ谷自衛隊だけではありません。これまで
2回にわたって新宿御苑で設置訓練が行われています。自衛隊は、国民公園として一年中にぎわ
っている新宿御苑への配備をねらっているのです。しかも地元の新宿区にも、全然連絡もしない
でこうしたことをやっています。勿論、住民にも全く知らされず、私たちは事後に、新聞などで
知ってビックリしている状態です。

 私は、何度か議会でこの問題を取り上げ、新宿区として毅然とした対応をとることを区長に要
求してきました。しかし、実質的な情報公開は一切しないという自衛隊(防衛省)の姿勢に変化
はありません。こうした自衛隊(防衛省)の対応に対して、区の姿勢は全く弱腰です。

 万が一、PAC3が新宿御苑に配備され、発射されるということになると、狙い通り迎撃した
としても、都心上空でミサイルが爆発するわけですから、区民・都民は大きな被害を蒙る危険性
があります。もし迎撃が成功しても、それで結構ということにはなりません。市ヶ谷自衛隊への
配備でも同じことです。

 また「破壊措置命令」などという勇ましい言葉が使われていますが、PAC3の成功率は、現
実には随分低いといわれています。最善の条件で行う「迎撃訓練」でも、しょっちゅう失敗して
います。膨大な税金を投じるているにも関わらず、カネばっかり食っているのがPAC3です。
「実戦」では発射される場合、ミサイルの飛行軌跡などの与件が事前に分かりませんから、成功
の確率は一層低くなります。金儲けの軍事産業を喜ばせてはいますが、所詮、PAC3は軍人た
ちの「高価な火遊びに近い」といわれる所以です。

 北朝鮮の国家体制は、拉致問題なども明らかなように民主的な政治とは縁遠いものがあり、全
く異常です。ただ、過去の歴史が語るように、この異常さを埋めるのが外交政策です。これまで
の日本に朝鮮半島に対する正しい外交政策があったといえるのでしょうか。
 近代、歴史上の大半の戦争は外交政策の失敗が起因で惹起されています。すなわち、外交政策
の進め方によっては、回避できたであろう事例が多く指摘されています。

 戦後の日本の朝鮮半島に対する外交政策が正しかったというようにはとても思われません。
 異常な北朝鮮の体制を、ただ異常だ、異常だと大合唱するだけでは何の解決にもなりません。


 ●3月29日(木曜日)●

  消費税率の引き上げ正念場に。朝日が社説でご執心。

 朝日新聞は消費税率の引き上げにことのほかご執心です。今日の社説でも「批判だけでは無責
任」と題して、反対するなら対案を出せとか、引き上げに条件をつけるのはけしからん、執行部
はもっと毅然として引き上げろを図れ、などいう趣旨のことをいいたい放題です。更に、反対す
る人は、1000兆円を超える借金の山を放置するのかと攻めたてています。

 財政を真剣に考える人は、朝日の指摘を待つまでもなく誰も借金の山を放置しようなどとは考
えていません。しかし、だからと言って大衆課税の典型で極めて逆進性の高い消費税の引き上げ
に頼るのがベストの選択なのかどうか、この何十年間に行われてきた法人税率の引き上げや高所
得者に対する累進課税の極端な減税政策が妥当といえるのか、「公共事業」を初めとする税金の
使途をもっともっと徹底的に検証することが必要ではないか、そして日本の税制度全体を再構築
することの方が消費税率引き上げに逃げるよりも重要ではではないのか、など、先に検討すべき
こと、やるべきことが一杯あります。
 そうしたことを後回しにして、取りやすいところから税金を取ろうとする税制度の構築は、朝
日がいくら正論ぶってあれこれも述べても決して正当とはいえません。

 今日のニュスで、国民新党の亀井代表は、消費税を引き上げるならば政権から離脱すると言明
しています。大臣の椅子に座っている議員や政権にいることで甘い汁を受けていると思われる議
員など、党の大半の議員が反対しているにも関わらずです。
 なぜなら、国民新党が現在の政権に参加する際、「消費税率は引き上げない」と規定した協定
を締結したからというのです。約束を守る。当たり前です。亀井代表の本心がどこにあるのか不
明ですが、消費税率問題に限っていうなら、実に分かりやすい話です。

 くるくると公約を変えて何とも思わないような民主党とは大違いです。
 朝日新聞は亀井代表のこうした姿勢にも批判的でしょうが、公約や協定を守るのは全く当たり
前の話です。協定を無視して税率引き上げを図る民主党の方がおかしいのであって、間違った対
応の民主党を叱咤激励する朝日新聞の姿勢は何とも不可解、理解し難いものがあります。


 ●3月27日(火曜日)●

  民主党都議団、公約違反で中央卸売市場移転賛成へ。

 都議会が開催中ですが、民主党都議団は中央卸売市場の移転に賛成するのだそうです。民主党
は前の都議選の際に「移転絶対反対」を公約に掲げ、移転に反対している多くの市場関係者(私
の住んでいる四谷地区にも沢山住んでいます)の支持を集めたことは衆知の事実です。
 中央卸売市場の移転の是非は、先の都議選の大きな争点の一つでした。この重要な選択につい
て、民主党都議団にどんな経過があったのか必ずしも定かではありませんが、新聞報道によると
仲卸業者の一部が移転の話し合いに入ったからというのが、反対から賛成に180度転換した大
きな理由のようです。
 要するにこの政党は、一部の関連業者の態度変更によって、都民に対する重要な公約を反故に
してしまうという何とも信じがたい団体なのです。全く不可解です。
 重要なマニフェストを次々と放棄してしまう民主党中央のあきれた政治姿勢を髣髴とさせるも
のがあります。
 今回の民主党都議団の決定に際して、二人の議員が方針転換に対して最後まで反対したそうで
す。当たり前のことだと思いますが、50議席近くある中でのたったの二人です。何とも情けな
い気がします。


 全く別の事ですが、ドイツのドルトムントで世界卓球選手権が行われています。夜11時前か
ら女子の試合の実況中継をテレビで見ました。今夜は地元の強豪・ドイツとの対戦でした。前回
大会では共に3位で今回も互角の実力といわれていましたが、石川・福原・平野が苦戦しながら
も三連勝して8強に名乗りを挙げました。打ち合いの際の瞬間的な判断とそれを身体でこなして
しまう敏捷な動きには今更のように感心しました。
 卓球は「100メートル走をしながらチェスをしているような競技」といった人がいたそうで
すが、なるほどと思いました。


 ●3月26日(月曜日)●

   第8回「脱原発新宿集会」、新宿駅西口をパレード。 

 夜6時から,新宿駅西口近くにある柏木公園で第8回目の「脱原発・新宿集会」開催。主催者
は新宿地区労センター。私は前回に続いて2回目ですが、今日は所属する「平和憲法を生かす新
宿の会」ののぼり旗持参で参加しました。

 主催者やJAL闘争団の代表など、何人かが簡単に挨拶した後、早速、恒例のパレードに。柏
木公園から青梅街道大カード脇を通り、新宿駅西口一体をぐるっと大きく回って、また元の公園
に帰ってくるというコースです。丁度、皆さんの帰宅と重なる時間帯ですので、新宿駅周辺はど
こもかしこも人人人で一杯。アピール度合いは抜群です。開始から終了まで一時間弱。全く短時
間の行動ですが、この短さが気軽に参加しやすく、予定も取りやすくなっており、結構評判にな
っているのです。毎月1回実施。来月は4月27日です。

 日本にある原発は、今、大半が休止状態ですが、二カ所稼働中のうちの一つの新潟・柏崎刈羽
原発6号基は、今日運転中止になり、残りは北海道・泊原発3号基だけになりました。これも5
月5日には運転休止になり、日本の全部の原発がとまります。


 ●3月24日(土曜日)●

  「さよなら原発1000万人アクション」の大集会。

 生憎の雨。今日は午後1時半から日比谷野外音楽堂で「さよなら原発・大集会」が開かれたの
で参加しました。予報に反して朝から雨が降り続いていましたが、集会には約6000名の人た
ちが参加、広々とした音楽堂もほぼいっぱいという感じでした。あっちにもこっちらも顔見知り
の人がいました。 

 集会は、呼びかけ人の鎌田 慧、澤地久恵さんなどの挨拶に続いて、現在稼動中の二つの原発
のうちの一つである新潟・柏崎原発の現地からの報告、1000万人に署名の取り組み状況の報
告などが行われました。最後に呼びかけ人の落合恵子さんが挨拶をし、その後は二つに分かれて
パレードへ。

 私たちは東京駅コースでした。日比谷野外音楽堂から東京電力本社前を通って西銀座通り、数
寄屋橋交差点、東京駅前、常盤橋公園というルートです。終わりの頃にはようやく雨も上がり、
春の初めらしい快適な感じになりました。

 日本の原発は54基ですが、現在稼働しているのはたったの2基。その2基も柏崎刈羽原発6
号機は3月26日、泊原発3号機は5月5日に点検に入り、全ての原発が休止状態になります。
これで「原発依存しない社会状況」になるわけです。誠に結構なことです。

 福島原発事故前までは「原発は安全だ」と唱え、これを推進してきた各種の「ご用委員会」の
メンバーや専門家と称する学者、企業の代弁者役の政治家、労働組合役員などなどに、継続的に
電力会社や関連団体からカネがばら撒かれていたことが次々と明らかになっています。

 カネをもらっていた人たちの言い分は、決まったように「カネをもらっていても自分の判断に
何ら影響しない」ということです。何とも意思が硬い人たちです。しかし、(やましい気持ちを
うちに秘めている筈の)本人はとにかくとして、誰一人として信じる人がいないであろう全くば
かげたコメントです。「李下に冠を正さず」です。今もってこんなつまらないコメントしか発す
ることが出来ない人たちが、政府や電力会社の意図を受け、「原発は安い」とか「原発がないと
電力不足になる」と言って最もらしいデーターを羅列し、当然のように原発を推進してきたので
すからあきれます。全くもってカネの力は恐ろしい限りです。


 ●3月22日(木曜日)●

  須賀町の勝興寺で「首切り浅右衛門」の墓碑の調査。

 昨日から四谷地区の歴史を調べていて、須賀町にある勝興寺の「山田浅右衛門」の墓碑を見る
必要が出てきたために、朝、カメラを持って寺の墓地に行ってきました。

 幕府の刀剣の試し切り役をしていた山田浅右衛門は、1700年代初頭の宝永年間の頃から死
刑執行人役も兼ねるようになり、初代から明治維新直後の8代まで、約220年余に亙ってその
役目を担っています。浅右衛門の名前は、山田家代々のものですが、直系が継いでいたわけでは
ありません。どちらかというと刀剣の試し斬り役を勤める「役職名」のようなものだったようで
すが、代々、いずれも刀剣の腕は優れており、罪人を処刑するの死刑執行役として「首切り浅右
衛門」「人切り浅右衛門」の名声はとみに高かったようです。

 勝興寺の墓地には6代目と7代目夫妻が眠っています。7代目浅右衛門は幕府の命により、吉
田松陰や橋本左内の首をはねたことでもその名が知られています。この二人の浅右衛門は「浅」
の字がいずれも「朝」になっています。墓碑を確かめましたが、確かに「朝」です。幕府の処遇
で他の6人の浅右衛門とは違うところがあったようです。カメラにおさめてきました。
 この勝興寺は、日本の社会主義運動の草分けの一人である堺利彦の「売文社」があったところ
としても有名です。

 夜6時から四谷三丁目駅の消防署前で何回目かの「脱原発署名」を行いました。今日は参加者
も4人と少なく、弁士も私以外にいなかったので久しぶりに一時間以上マイクを握って、脱原発
の必要性を訴え続けました。


 ●3月17日(土曜日)●

   雨、書類整理、会議、英会話、DVD映画などの一日。

 朝から久しぶりの雨。春への歩みもちょっと足踏み状態です。

 午前、これまでの脱原発署名などの整理をしました。
 午後は1時過ぎから5時前まで新社会党関係の会議に出席。選挙対策などで意見交換。

 その後、6時から8時までは気軽に参加できる英会話クラブに参加しました。初心者クラスか
ら超難度クラスまであります。私は初心者クラスに参加して赤面をしながらしどろもどろの会話
をしてきました。結構、勉強になります。

 夜10時過ぎからは、妻と娘がDVDで「殺人の追憶」を観ていたので、私も途中からご相伴。
大分前の作品の韓国映画ですが、実際の連続殺人事件をテーマにしており、世界的に評価の高い
作品です。最終的に犯人が逮捕されるという物語ではなく、言うなら「未完」のまま映画は終わ
ります。主人公の刑事の演技など評判通りの面白い映画だとは思いましたが、容疑者に対する刑
事の暴力行為や障害者の差別など、なんとも信じがたいようなシーンも随分あり、目を背けるほ
どでした。


 ●3月16日(金曜日)●

 全国初、都の世帯人口2人を割る。新宿区は20年前に~。

 東京都の1世帯当たりの平均人数が初めて2人を割り、1・99人(1月1日現在)になった
ことが15日、都の調査でわかったということです。世帯人数が二人をきったのは、東京都が全
国で初めてです。都が調査を始めた1957年は1世帯当たり4・09人でした。その後、核家
族や単身世帯が増え、66年には2・97人と3人を切りました。例えば、一人暮らしの高齢者
は1980年の約10万人から、2010年には実に62万人と大幅に増えています。都では、
20年には80万人を超えると推測しています。

 総務省の調査では、世帯人数の昨年の全国平均は2・36人です。最低は都の2人弱で、2番
目に低いのは北海道の2・06人でした。

 ところで、私たちの住む新宿区はどうかというと、とっくの昔に2人を割り、今から丁度20
年前に1.99人になりました。今年初めには1.65人にまで下がっています。昨日発表され
た東京都の傾向を先取りしているのが、新宿区の人口動態です。新宿区は高齢者の一人暮らしが
増えているのに加えて、若い単身世帯が非常に多いという特徴があります。

 こうした新宿区の特性をどのような視点で捉え、区政の進展のために生かしていくかのか大き
な課題になります。


 今日夕方、四谷三丁目の丸正前で「脱原発署名」を行いました。5人参加。寒さも次第に和ら
いできたので随分楽でした。ただ、私は結構重症の花粉症なので、気分のいい時間ではありませ
んでした。


 ●3月15日(木曜日)●

   新宿御苑に「玉川上水・内藤分水散歩道」が完成。
  玩具のような水路ではなく、本物復元への取り組みを。

 今週の月曜日、「玉川上水・内藤分水散歩道」の開通式が行われました。三年前から新宿区が
環境省や東京都と一緒になって進めていた事業です。玉川上水の面影を偲べるような水路を新宿
御苑北側の遊歩道内に造っていたものです。

 歴史的に価値が高い玉川上水は、全長約43キロ余(多摩川の羽村から四谷大木戸まで)です
が、それまで既に約30キロ余は不十分ながらも復元されていました。しかし、新宿区内などを
流れる下流の約10キロは暗渠のままの状態でした。
 これを復元させようとする取り組みは、1988年に私が主唱し、当時、「四谷大木戸に玉川
上水を復活させる会」が結成されて地域ぐるみの大変大規模な活動が展開されました。
 私は事務局長として随分忙しい毎日をおくったものでした。

 私たちは新宿御苑を管理する国(同時は環境庁)と新宿区議会に8500名もの署名を提出し、
新宿区議会は請願を採択して弾みが生まれ、国も実現に向けて随分積極的に検討を進めてくれま
した。東京都もそれなりに協力的でした。

 しかし、残念ながら国民公園としての「新宿御苑」に水路を作るのはどうかという否定的な考
えや(新宿御苑が創られた当初からあったものですから、私は水路がある御苑こそ当たり前の姿
と思っていますが)、建設資金の問題などもあり、結局最終段階で実現することは出来ませんで
した。

 今日完成した内藤分水は、もともとの玉川上水とは無関係といっていい全く新しい水路、言う
なら「平成の水路」です。15年前に私たちが目指していた本物の水路を復活させる取り組みと
は全然違います。ただ、私は滔滔と流れていた当時の面影を偲べるよすがにはなるかもしれない
ということで、この取り組みには賛成してきました。そうした点では完成したことを喜びたいと
思います。

 しかし、いずれ何時の日にか本物を復元させるべきだと考えます。

 玉川上水と似た水路としてフランスとスペイン国境の近くに「ミデイ運河」があります。前々
から見たい思っていましたが、昨年春、ここを訪れる機会がありました。運河の下流近くに位置
するカルカソンヌという地中海に近い中都市を訪問したときのことです。世界遺産に指定されて
いる素晴らしい運河で、長い間見とれていました。

 私の見果てぬ夢は、全長約43キロの玉川上水が完全に全長が復元されて(約30キロ余りは
復元済みですから不可能ではありません)かつての完全な姿を取りもどすことです。そして、そ
れが実現したならば、いずれ玉川上水が世界遺産に登録されるという願望です。

 私は、文化的遺産を重視することが社会的にもっと一般化されたならば、何十年か後にはそう
なるのではないかと密かに期待しています。空想ではありません。何年か前にはソウル市中心部
で埋め立てられた川の流れが復元され、市民に親しまれています。わが国の「土木工学上の傑作」
といわれ続けている玉川上水には、充分に復元される価値があります。

 このたび完成したちょろちょろしたおもちゃのような水路には、決して満足しないで下さい。


 ●3月13日(火曜日)●

   久しぶりに「新宿区役所・稲門会」を開催。

 久しぶりに「新宿区役所稲門会」が開かれました。新宿区役所職員(三役や部課長などの管理
職)・新宿区議会議員など新宿区役所に関係する早稲田大学卒業生の集まりです。現職かOBか
を問わず、原則的にはいったん会員になるとみんな終身メンバーになります。

 一年に一、二度に集まって親交を深めています。不定期です。今日の会場は新宿駅中央口前の
「くらわんか」。ここの経営者も早稲田出身です。気兼ねなく、何でも話しあえる実に気楽な集
まりですが、今夜も楽しいひと時を過ごすことができました。新しく管理職になった新人も参加
しましたが、皆から随分辛口の激励を受けていました。。
 私は長い間、この会の幹事長を勤めていましたが、今回の集まりで現職議員と代わりました。


 昨日、新社会党新宿総支部の党員の関係者が「脱原発署名」を80筆届けてくれました。アル
バイト先の皆さんにお願いして署名してもらったということでした。
 これで私たちの署名数は、目標の3倍以上の約1750筆になりました。


 ●3月12日(月曜日)●

   原発事故の根本に触れる報道はほとんどなし。

 大震災一周年を迎えた昨日、テレビは一日中、地震関連の番組を報じていました。一年前の、
あの日の生々しい映像は、何度見ても身の毛がよだつ感じがします。自然災害の恐ろしさを改め
て実感します。
 一方、原発事故に対する報道は、ごく一部を除いては、全く一面的でしかなくがっかりしまし
た。腹が立つくらいです。問題の本質は、「人類とは共存できない」原発を、これからも認める
のか否かですが、真正面からこれを取り上げてはいません。除染対策とか廃棄物処理問題は、も
ちろん重要な問題ですが、しかし、「原発問題・原発事故」の中心的・根本的テーマではありま
せん。
 私たちが今後も原発を容認するのであれば、当たり前の事ですが、福島原発事故のような、あ
るいはもっともっと深刻な事故は、(時期はとにかくとして)起こるものとして覚悟しなければ
なりません。電力が不足するか否かなどという、この程度の問題ではないのですが、こうした視
点からの報道はなきに等しい状態でした。
 スポンサーに依拠する営利企業としてのテレビ局(NHKも似ているところがありますが)の
限界かもしれませんが、オピニオンリーダーとしての役割も少しは期待されている報道機関の姿
勢としては全く残念な感じがしています。
 こうした点では、これもごくごく一部を除いてですが、新聞、特に大新聞も似た傾向にありま
す。


 ●3月11日(日曜日)●

   東日本大震災一周年。次世代に復興の決意を示すなら、
    「追悼式典」で「脱原発宣言」を発したらどうか~。

 今日、東日本大震災一周年。未曾有の大被害の後遺症はいまだに深刻そのもの。抜本的に復興
対策は依然として未確立です。特に原発事故の広範囲な影響は想像を絶するものがあります。津
波被害以上に、原発・放射能の後遺症は今後何十年間も引きずることになります。

 大震災の犠牲者は、宮城県・9510人(行方不明者1698人)、岩手県・4671人(同
1354人)、福島県・1605人(同・215人)、三県以外など66人(同16人)。

 人的な被災規模では宮城県が全体の半分以上ですが、福島原発事故のために深刻さの度合いは
なんといっても福島県が一番です。ただ、こうした状態に陥っても、野田政権は原発依存政策の
転換には踏み切ろうとせず、基本的には「原発安全」の立場。そして条件を満たせば「再稼動結
構!」の考え。全く信じがたいこの国のエネルギー政策です。

 津波被害は天災、原発被害は人災。この「人災」が、これからも長い間、とりわけ福島地域一
帯の人々の心を蝕み、何物にも変えがたい大切な自然を広く深く蝕むにも関わらず、です。

 今日、天皇夫妻も出席して「追悼式典」が開かれます。単に形式的なセレモニーでは、展望の
ある将来像を描くことは出来ません。一層のこと、ここできっぱりと「脱原発宣言」を行っては
どうでしょう。

 一周年の今日、毅然として脱原発宣言をして、安全な社会を次の世代に残す揺るぎない決意を
示すことこそ犠牲者への最大の「慰霊」になる、と私は思います。


 ●3月7日(水曜日)●

   女子サッカー「アルガルベ杯」決勝。ドイツに惜敗。

 今夜行われた女子サッカーの「アルガルベ杯」の決勝は日本対ドイツ戦。先に行われたアメリ
カ戦と同様、これまでは圧倒的にドイツが勝利し、日本はほとんど勝てなかった相手。試合はド
イツが先行し、一時、同点に追いつきましたが、4対3で惜敗。しかし、なかなかいい試合でし
た。日本女子サッカーは随分実力をつけており、夏のオリンピックが楽しみです。

 午前、新宿区健康センターで以前から予約していた「胃カメラ」の検査。ここ7、8年は毎年
実施しています。細胞を採取することもなかったので結果はすぐに判明し、担当医から説明によ
ると加齢によって胃と腸の結ぶ筋肉が弱くなっているが(何のことかよくわからなかった)、そ
れ以外は全く「異常なし」との事。とにかく一安心。

 夜6時半から四ツ谷の新社会党東京都本部事務所で「執行体制検討委員会」。四回目の会議。
10人の委員で2時間ほど活発な意見交換をしました。


 ●3月4日(日曜日)●

   同じ道を歩いた友人の「偲ぶ会」が開かれました。

 昨年夏、昔からの私たちの友人が亡くなりました。前日まで元気一杯でした。死亡原因は脳出
血、63歳でした。もともとは郵政省に勤務していましたが、労働者の権利拡大運動に身を投じ、
若い時から亡くなるまで、社会主義青年同盟(社青同)、日本社会党、労働大学(まなぶ)、社
会主義協会、新社会党で活動し、皆さんから大変信頼されていました。新社会党の所属組織は江
東総支部、彼は委員長の要職にありました。
 私は彼よりも年上ですが、ほぼ同じ道を歩み続けてきました。ただ、私は直接的な労働組合運
動の経験がありませんので、私が経験していない分野の運動を彼はしていたことになります。亡
くなったと聞いた時、まさかと思いましたが、事実でした。

 今日午後、仲間の皆さんが江東区内で「偲ぶ会」を開いたので、出席しました。多くは私の知
っている人たちです。奥さんと娘さんも出席していました。思い出話をするにしては、亡くなっ
た年齢が若すぎますが、様々な逸話が披露されました。

 自分の信念に忠実に生きた何ともいい人間でした。63歳、短いけれども素晴らしい人生だっ
たと思っています。


 ●3月1日(木曜日)●

   党首討論の前に秘密会談で打ち合わせの大政治家。

 昨日、野田首相と谷垣総裁の「党首討論」が行われ、各マスコミのニュースで報道されました
が、私もそれを見ても増税の断行で随分と意気投合したような雰囲気を感じました。ただ、民主
党が提起している消費税率の引き上げに対して、もともと自民党は大賛成ですから、まあ、こん
なものだろうと思っていました。しかし、今日、この党首討論に先立って、二人は秘密会談をし
ていたことが明らかになりました。事前に打ち合わせをし、シナリオを確認し、それを尤もらし
く国会で議論して国民に見せるというのです。

 全く呆れ返ります。何ともお粗末極まりない方々です。今に始まったことではありませんが、
こんなのが第一党と第二党の党首なのですから全くどうしようもありません。お先真っ暗です。
こんないんちきな討論を、大政党の党首の討論ということで時間を割いてみていると国民の方が
「間抜け」だといわれてしまいそうです。

 国政がこんな状態だから、福祉や教育攻撃を強め、公務員を悪者にし、次々と敵を仕立てて自
転車操業のようなことをしている「橋下改革」が過大に評価されるのです。自分の利害に直接関
係がないと思われるものを槍玉に挙げるのは、昔から幾つも例があるように、結構、国民の喝采
を浴びます。しかし、それは回りまわって自分たちのクビを占めることになります。こんなこと
は深く考えなくても分かることです。最近では、小泉政治が端的に示す通りです。ただ、多くの
人たちはあれこれ考える余裕がないのです。

 それにしても、重要な国会での「党首討論」の前に、秘密会談を行い、打ち合わせをして討論
に臨むというこの国民を愚弄した意識やそれをおかしいと思わない政治感覚は、全く信じがたい
ことです。


 ●2月28日(火曜日)●

 30年住み慣れた野口ハウスの解体工事が始まりました。

 旧宅の野口ハウスの取り壊しが始まりました。話し合いがまとまらなかったのか一世帯だけ最
後まで残っていましたが、先日、転居したようです。隣の冨士コープに残っていた一世帯も少し
前に移りました。これで全てが転居したことになります。

 共同立替になる三つのマンションの周りは今、ぐるっと囲いが出来ています。内部ではいよい
よ解体作業開始です。

 今回共同で建て替えになる野口ハウスと冨士コープは、オリンピック終了直後のマンションの
走りの時期に造られた建物です。私が東京に出てきた当初、早稲田から神宮野球場に行くバスの
中から、道なりに連なって建てられて冨士コープ、野口ハウス、エンパイアコープ(いずれも同
じ業者が建設したものです)の前をよく通ったものですが、それはそれは立派なものでした。ど
ういう種族がこんなマンションに入っているのかと思ったものですが、その後は時代の推移と共
に、珍しくもなんともない建物になり、私たちのような家族が入ることになりました。ただ、建
物そのものは随分頑丈に出来ているので、これからの解体の際に近隣に及ぼす騒音は相当激しい
ものと思います。事前に行われた事業者による近隣への説明会は誠に事務的・高圧的で不評だっ
たと聞いています。

 完成は来年12月末です。新マンションの名称は決まっていませんが、私たちが入居する部屋
は決まっています。6階の614号室です。10日ほど前には、すぐ近くのマンション解体現場
で事故があり、20歳の作業員がなくなりました。本当に痛ましい事故でした。
 工事中、無事故で作業が進み、無事、新マンションが完成すること祈っています。


 ●2月26日(日曜日)●

 1千万人署名は未だ半分以下、締め切りは5月末まで延期。


 全国的に展開されてきた「脱原発署名」は、2月末が最終締め切りの予定でしたが、5月末ま
で延長になったということです。これについて、「さようなら原発一千万人アクション」の呼び
かけ人の一人である作家の澤地久枝さんは、次のようなアピールを出しています。

 「さようなら原発一千万人の署名」は、2月末現在、署名数は420万人です。みんなが祈り
をこめて動いた結果ですが、かかげた目標は達成されるべきです。可能であると思います。全原
発停止の事態が目前です。しかし、これは反原発運動の反映ではないですね。原発なしで生きて
ゆけると認めたくない人々は、再稼働のために露骨な動きをはじめています。ベトナムへの原発
輸出など、面子とソロバンで命の危険はかえりみずです。締め切りを5月31日にしました。私
たちの意志で全ての原発が永久停止となるように、署名運動をやっていきましょう。

  私たちはこれまで最終の締め切りを2月末として全力で取り組みを行い、目標の三倍の署名を
集めてきました。今回、期限が3か月延長されたことにより、これからの対応ををどうするか、
みんなで再検討しなければならなくなりました。早急に相談して新たな対応を考えたいと思いま
す。

 今日の午後、時々不定期に行ってきた「社会主義」に関する研究会に出席しました。研究会の
後、参加者全員で新しい研究団体としての「社会主義研究会」の発足の是非などについても意見
交換をしました。


 ●2月24日(金曜日)●

   例え何人でも実施、脱原発の新宿地区労のデモ。

 新宿地区労センターは、昨年の東日本大震災以降、毎月1回、柏木公園(新宿駅西口ちかく)
で簡単な集会を開き、その後、通勤から帰宅する人たちで一杯の新宿駅西口一帯をぐるっと回る
デモ(パレード)を行っています。例え2人でも3人でも、とにかく何人でも集まったら必ず実
施するやり方です。今夜で7回目になります。
 私は前々から参加しようと思っていましたが、今日初めて実現しました。夜6時、柏木公園に
集まったのは大体20人くらい。予想していたよりも沢山でした。地区労センタの事務局長の司
会で簡単な集会がもたれ、私も3、4分の時間をいただき挨拶。その後、デモに。コースは柏木
公園から西口大ガード脇、西口会館、新宿駅西口、小田急デパート横、京王デパート横と進み、
ここで方向を変えて、安田ビル横、小田急デパート新館(ビッグカメラ)横を通って出発点の柏
木公園へ帰る、というものです。要するに新宿駅西口一帯を一回りするものです。所要時間は1
時間弱。7時前には終了しました。何とも爽やかなイベントでした。

 次回は3月26日(月)午後6時、柏木公園で開催。終了後今日と同じようなデモ。多くの方
のご参加を。


 ●2月23日(木曜日)●

   確定申告を作成、譲渡所得関係で例年とは別の届出。

 確定申告の真っ最中です。私も毎年行っています。医療費控除を適用するためです。ただ今年
は、これまでとは違ってマンションの立て替えで多額の「譲渡所得」が発生したために、絶対に
忘れないで申告をする必要があります。うっかり忘れたら大変なことになります。
 「譲渡所得」は、来年12月に完成する予定の新しいマンションの購入費に充当されますが、
この手続きは結構厄介です。先日税務署で該当の用紙をもらってきましたが、今日、作成してみ
ました。マンションは連れ合いと「共有」になっていますので、申告用紙も夫婦で別々にしなけ
ればなりません。面倒な説明文をいろいろと読んで記入に取り掛かりましたが、いったんやり始
めると以外にスムーズに進み、思っていた以上に簡単に完了しました。
 夕方、四谷税務署の相談会場になっている新宿駅西口のアイランド地下一階まで行き、税理士
さんに確認してもらいました。OKの保証をいただいたので、明日、住民票の附表を四谷出張所
でもらい、それを添付して四谷税務署に提出、ということになります。


 ●2月22日(水曜日)●

   講座の受講は順調、成果は全くおぼつかないが~。


 今年から受講している早稲田大学の講座も大分中身が濃くなってきました。毎回、実に面白い
授業が続いています。大学では、先日から入試試験が実施され、沢山の受験生が押し寄せていま
すが、私たちの講座は、たまたま本部キャンパスからは道を隔てた大隈講堂に隣接する校舎で行
われていますので、休講にならずに予定通り続けられています。

 肝心なことは「学習が身になっているか」ですが、今までのところは、そうであるようでもあ
り、そうでないようでもあります。まぁ、簡単にいうと「大きな成果には繋がっていない」とい
うことになるのかも知れません。


 今日は、早朝8時からと夜6時から四谷三丁目駅で「区政報告」と「脱原発署名」を行いまし
た。夜の行動には10人が参加しました。脱原発署名は今月末が最終締め切りなので、私たちの
予定では今日が四ツ谷地区では最後になります。今日の成果は44筆。これまでの総計は、これ
で1600筆以上になりました。当初予定の3倍を超過しました。


 ●2月20日(月曜日)●

   東京体育館の「筋トレ」は30回になりました。

 昨年10月27日から始めた東京体育館での「筋トレ」は、今日でちょうど30回目になりま
した。基本的には毎週月曜日と木曜日に2時間、ということにしていますが、日程は自主的に決
めますので、その時の気分次第で結構適当にやっています。外見は全く変わりませんが、ここか
しこに筋肉が付いてきたような気分になっています。

 朝、四ッ谷駅で行った山田啓史区議の「区政報告」に付き合いましたが、演説の途中でスピー
カーの電池が切れてしまいました。最近はスピーカーを使う頻度が多いので、予想よりも随分消
耗が早かったようです。いつもは予備電池を持っているのですが、今日はそれもなかったので、
予定よりも15分ほど早く切り上げました。
 せっかく朝早く起きて四ッ谷駅まで行ったのに、残念。

 天皇の手術の状況がマスコミで盛んに報じられています。完全に成功したようです。報道によ
ると術後の経過もいいので天皇は「集中治療室」から「一般病室」に移られるそうです。マスコ
ミでは「一般病室」ということが随分強調されて報じられています。私たちが通常「一般病室」
という場合は、6人部屋とか8人部屋のことをいい表しますが ~ 。


 ●2月18日(土曜日)●

   上野で「北京故宮博物館・200選」を見ました。

 招待状をいただいていたので、上野の国立博物館で「北京呼吸博物館200選」を見ました。
つい先日、天皇夫妻も鑑賞したというニュースが報じられていましたが、この展示会は「日中国
交正常化400周年・東京国立博物館140周年記念」とも銘打たれています。

 明の永楽帝から清の溥儀まで、中国の歴代皇帝24人が居城として使用した紫禁城に由来する
北京故宮博物館は、壮麗な宮殿建築と180万件を超すコレクションを有するといわれています。
今回の展示会はその中から書画から玉器、青銅器、衣服等などを選び抜いたものでまさに壮大な
展示でした。門外不出といわれる「書」が多く展示されていましたが、素人の私には、どれを見
ても上手な字だなあ、とは感じますが、それ以外に何を感じればいいのか、全く分からないまま
でした。見学は、混んでいたこともあり、少々疲れきりましたが、それでも鑑賞後は爽快な気分
にはなりました。

 ところで紫禁城の貴重な文物の大半は、中国が内戦に陥った時に、蒋介石が台湾に持って行っ
てしまったといわれていますが、そうすると、今回の展示はその際に持ち帰られなかった文物、
ということになるのでしょうか。蒋介石が持ち帰った紫禁城の宝物が展示されている台湾の故宮
にはどのようなものがあるのでしょう。


 ●2月17日(金曜日)●

  現代を考える連続講座。今日のテーマは「原発事故」。


 「現代を考える連続講座」に出席。第九回目です。今日のテーマは「原発事故-東電と国にど
う責任を取らせるか」。講師は菅井益郎さんです。
 福島原発事故が引き起こされる遥か以前から原発について警鐘を鳴らしてきた講師の話だけに
中々説得力のある内容でした。

 講演会の最後の質疑で、講師は被災地の廃棄物処理問題に関して現地に処理施設を造るべきだ
と主張し、他の自治体でこれを受け入れて処理するのは本来的に間違っていると述べていました。
要するに、宮城県女川町の廃棄物を東京23区の清掃工場で受け入れて処理することに対する批
判だと思いますが、ここだけはちょっと納得できませんでした。確かに現地に処理施設を作って
処理することになれば、若干の雇用対策にもなり、望ましいことかもしれませんが、現実的にそ
れが出来る状態なのかどうかが問題です。限られた期限の中で、廃棄物処理は現地でどうぞ、被
災地以外の自治体は知りません、というやり方でこの問題の解決がスムーズに図られるとは私に
は思われません。


 ●2月15日(木曜日)●

  夜6時から四ッ谷駅で脱原発署名。予想以上の成果。

 今日の夕方6時から、新社会党新宿総支部としてJR四ッ谷駅(四谷口)で「脱原発署名」を
行いました。6人参加。四谷三丁目の丸正前では、午後3時半からこれまで20回ほど署名の呼
びかけをし、多くの人たちから協力してもらっていますが、夜の時間帯に四ッ谷駅で実施するの
は初めてです。大変に寒い状態だし、もう完全に暗くなっているので、帰宅を急ぐ皆さんが果た
して立ち止まって署名をくれるかなぁと思いましたが、たった一時間で40筆もの署名が集まり
ました。予想外でした。


 ●2月13日(月曜日)●

  「出血」を止めないで「輸血」をしてもどうしようもない!

 消費税率の値上げを主唱する側から、反対ならば「対案」を示せ、という発言が相次いでいま
す。こうした発言の背景には、抜本的に打つ手はないのだから、安易に税収が見込める消費税率
の引き上げは認めざるを得ないという考えが色濃く見えます。現状の税財政構造を改善せずに、
それを絶対的な前提にするならば、選択肢は限定され、料率引き上げということになるのかも知
れませんが、「今の仕組みを変える」ならば、色々な改善策が見えてきます。
 勤労者の所得を増やし内需を拡大すれば税収が増えます。基本的にはこうしたことをすべきで
すが、今の政策は全く逆です。一部の専門化が指摘してたいますが、労働者派遣法を廃止して雇
用状態を安定させ、気が遠くなるような大企業の「内部留保」を吐き出させるだけで、今の閉塞
的な状態を変えることに繋がります。
 調べてみたら、09年の主要企業20社の連結内部留保は約80兆円、その他の企業を含める
と約250兆円と試算されています。たったの一割吐き出させるだけで約25兆円です。
 今年も「経団連」は賃上げを拒否し、だらしない「連合」もこうした路線に結果としては同調
する筈ですが、景気回復や財政改善とは逆方向です。所得を増やし国民の生活が改善されること
によって税収が増え、国や自治体の大きな負担になっている生活保護費も減少することも目に見
えています。
 基本的には「内需の拡大」を粘り強く図っていくしかありません。それに、軍事費の削減や無
駄な「公共事業」からの撤退すれば、消費税率引き上げ以外の選択肢が色々と見えてきます。
 「出血を止めないで輸血する」ようなことをいくら行っても何の解決にもつながりません。


 ●2月11日(土曜日)●

    年金改革・財政再建なら、消費税率は23%

 消費税率の引き上げが当然のことのように議論されています。「社会保障の財源」を確保し、
「赤字財政からの脱却」のためには、まず10%への引き上げはやむをえないという雰囲気が強
まっています。こうした政府(実態は財務省が主導)の動きに対して、朝日新聞などのマスコミ
も大挙して同調している状態です。
 しかし、実態はどうでしょうか。消費税率を10%にすれば、福祉財源は確保され、財政再建
の第一歩になるのでしょうか。

 今日、東京自治研究センターが毎年開催している「財政学校」が中野サンプラザで開かれたの
で参加しました。財政政策の専門家たちの講義です。三講座がありましたが、問題の本質に鋭く
迫り、なかなか内容のあるものでした。

 消費税率の引き上げですが、現状の税財政構造をそのままにして税率を幾らいじくってもほと
んど抜本的な解決策にはならないというのが、講師がこぞって強調されたポイントです。
 すなわち、消費税だけではなく、税制全体を作り直すことが必要だということです。例えば、
その一つとして、株式や証券はなどの金融商品取引に対する優遇措置を廃止することがあげられ
ます。新宿区などの自治体でも毎年条例を改正して、株や証券取引の利益に対して、二重三重の
優遇措置を講じて税負担を軽くしています。まず、これをなくすことが「税の応能主義」を堅持
し、分かりやすい税構造にも繋がるということです。その通りだと思います。ただ、そのために
は、私自身も反対している「納税者番号」の導入を図り、個人の所得全体をもれなく捕捉するこ
とがの不可欠です。

 民主党政権が主張している税率10%は、「一体改革」のためのものであり、「年金改革」や
「財政再建」とは別です。多くの人たちが誤解している点です。すなわち5%の税率引き上げを
してもは「年金改革」や「財政再建」には全く連動しません。例えば、所得状態によっては、年
金の掛け金が高くなるにもかかわらず受け取る年金額は低くなることからも、違うということが
よく分かります。

 民主党・政府(実際は財務省)では、現状の5%に加えて、「一体改革」のために5%引き上
げ、「年金改革」のために7%引き上げ、「財政再建」のために6%の税率引き上げが必要だと
いうことです。現在の税率5%に18%プラス、すなわち合計で消費税率は23%になります。
この23%税率こそ、当面が財務省が狙っている「消費税率」なのです。

 それなりの人たちが考えている「社会保障改革」のためなら5%くらいの引き上げはやむを得
ない、とか、「財政が厳しいからある程度の負担増は我慢しなければ~」などいうのは、間違い
です。自分たち中央役人の利権をきちんと守り、更に大企業や大金持ちの優遇をそのままにする
役人の「真の意図」を、もっともっと批判的に見る必要があります。


 ●2月10日(金曜日)●

  「原発の是非を都民の判断で」の直接請求署名は、
     ついに規定数に達したということです。

 東京都で原子力発電所の賛否を問う住民投票条例の制定を目指す署名運動が続けられていまし
た。有権者の50分の1以上の署名を集める運動ですので、なかなか容易ではなかったようです
が、主催者の市民団体「みんなで決めよう『原発』国民投票」は、署名集めの最終日に当たる昨
日9日に、条例制定を知事に請求するために最低必要な必要な約21万4200人分(有権者の
50分の1)を超える約25万人分(8日現在)が集まったと発表しました。期間中に選挙があ
った自治体では、今後も署名集めを続けられることもあり、審査を経て有効署名数が確定するの
は4月下旬以降になる見通しですが、無効署名を差し引いても、必要な規定数を上回るものと思
います。苦戦が伝えられていましたが、最終段階で一挙に集まりました。

 とりあえず署名の取得は成功しましたが、ただ、これを受け取る予定の石原知事は、条例制定
には反対の態度です。更に、この「直接請求」を審議することになる都議会も全く期待が持てま
せん。民主・自民・公明の大政党は、こぞって条例制定には消極的です。従って、客観的に見て
住民投票が実施される可能性はほとんどないに等しい状態だと思います。


 私たちは今日の夕方、恒例の金曜日行動で一時間半ほど「脱原発1000万人署名」を丸正前
で行いました。昨年9月からこれまでに20回近く実施していますが、依然として多くの人たち
が協力してくれます。大江健三郎さんたち「呼びかけ人」になって行われているこの脱原発署名
は、全国的に見るとまだ目標の1000万人には達していないようですが、今月末が最終締め切
りですので、私たちは最後まで一生懸命取り組みたいと思っています。これまでに約1350筆
になりました。何とかに1500筆にしたいものだと思っています。

 今日は署名活動の最中に、近くにお住まいの画家の方から貴重な自作の「絵の冊子」をいただ
きました。何ともいえない美しい「絵」です。 


 ●2月3日(金曜日)●

  大相撲華やかりし栃若時代の逸話を思い出しました。

 「大相撲の華やかりし栃若時代のことだ。大の栃錦ファンの零細工業のオヤジがいた。両者全
勝で千秋楽を迎えた日曜日の朝、5、6人の徒弟をつかまえて、”お前たち、今日は国技館に行
って応援しろ”といった。徒弟たちはそれに従って精一杯応援した。が、結果は残念ながら若乃
花の勝ち。国技館から帰ってきた徒弟らに、オヤジは、”オレはうっかりして栃錦を応援しろ、
とは言わなかったが、お前たちきちんと栃錦を応援したんだろうな”といって残念がった。徒弟
たちは裏で、”あのオヤジが応援しろと言ったら栃錦に決まってるじゃないか、わざわざあんな
ことを言うなんて馬っ鹿じゃなかろうか~”と言っていたという」。

 私は旧聞に属する栃若時代の逸話を思い出しながら今日の国会質疑をチラチラ見ていました。
 真鍋沖縄防衛局長は普天間基地の強力な「県内移転派」です。もうすぐ告示の宜野湾市長選挙
で、候補者の一人は本来的には県内移転の主張に立つ人、もう一人は逆にそれに反対の考えを持
つ人です。
 こうした選挙状況の中で、「県内移転」を自らの使命にしている局長が「選挙に行くように」
と部下に訓示(訓話)したら、どういうことを意味するか。余程頓珍漢で常識的な判断が出来な
い人でもない限り、誰に投票をしろと言っているのか全く自明です。

 ところが、こうした全く明々白々なことが、国の役人や防衛省の「常識」になると、誰とは名
指しで言っていないから違法性はない、ということになるのだそうです。この先進国で指導的な
立場にある方々は、超法規的な常識を有して国政の運営に当たっていることがよく分かりました。
役人が黒を白といえば、政治家もそういえばあの黒は白かもしれない、といった具合です。
 みんな見るからに立派な背広を着て、いでたちも結構、言葉遣いも丁寧です。それだけ余計に
皆様方随分とあほらしく見えます。


 今日も夕方、四谷三丁目・丸正前で「脱原発署名」を行いました。啓史の中学校の先生と会っ
たりするなど今日も様々なことがありました。また、母親と一緒の小さな子どもさんが、2人で
自ら署名をしてくれました。

 たまたま、同じ場所で原発の是非を市民投票で選択する「直接請求」の署名に取り組んでいる
人たちと一緒になりました。既に大阪はオーバーしているけれども、東京はまだ規定数を超えて
いないようです。あと少しということです。最終締め切りは9日。

 夜、新社会党中の総支部の「新春のつどい」に出席。私たちは小さな政党ですが、どこでも誠
実な活動をしていることがわかります。


 ●2月1日(水曜日)●

    チャップリン発言とその後の社会との関連(?)

 今年から早稲田大学で開かれている一連の講座を聴講していますが、何人かの人たちと知り合
いになりました。
 今夜、そのメンバーで「交流」を深めることになり、新宿駅の西口にある居酒屋で一杯やりま
した。4人でしたが、年齢層は私と同じか少し若い年代です。それぞれ責任を持って重要な仕事
をしてきた人たちですが、仕事とは全然違うことについて、話の内容が実に豊富で何ともいえな
い深みがあります。例えば、元禄時代の風俗やその移り変わり、チャップリンが映画の中で発言
している幾つかの言葉とその後の社会がたどった歴史との関連、鎖国時代の徳川幕府の外交政策
の推移などなど。ぽんぽんと軽やかに話が弾んでいきます。

 私もこうした話は大好きなので、時間はあっという間に過ぎていきました。何とも楽しいひと
時でした。私のこれまでの付き合いの対象は、大体、政治関係の人がほとんどで、それ以外の人
たちと酒を飲む機会というのは、ごくごく僅かです。

 今日はこれまで私が過ごしてきた世界とは全然違う人たちと、政治以外の実に新鮮な話が出来
ました。メンバーの対象を広げて、2か月に一度くらいはこうした「交流会」を持つ事にもなり
ました。


 ●1月31日(火曜日)●

   今年一番の寒さ? 曙橋駅の「区政報告」に参加。

 相変わらずの寒さ。今朝、山田啓史区議が曙橋駅で一時間ほど恒例になっている「区政報告演
説」をしたので、それにお付き合いをしました。寒い日が続いておりますが、今日は今年一番の
寒さということです。一時間も立っていると手が凍える状態でした。

 夜、新社会党東京都本部で会議。党建設の中長期的な対策などについて協議しました。


 ●1月29日(日曜日)●

  「区政報告」2月号、15000枚を作成しました。

 今日は、山田啓史区議の「区政報告」2月号を印刷しました。B4版で15000枚。昨日、
表面を印刷、今日は裏面を印刷して、その後、折機で半分に折る作業をしました。私が現職の頃
からずっとやってきた作業です。2月1日から12日までの予定で配布します。もちろん私たち
も相当数を配布しますが、知り合いの何人かの人たちにも手伝ってもらっています。結構読まれ
ていて、配布後は、いろいろな人から感想や記事の内容に対する照会などの電話をいただいてい
ます。


 ●1月27日(金曜日)●

   新社会党新宿総支部の「新春のつどい」を開催。

 今日午後6時から、恒例の「新社会党新宿総支部・新春のつどい」を開催しました。毎年1月
の最終金曜日に開いています。私は総支部の委員長を務めているので、冒頭、区議会議員選挙な
ど、この一年間に寄せられたご支援に対するお礼を兼ねながら皆さんに今年の決意を申し述べま
した。

 この集まりは、どちらかというと新宿の党員が中心ですが、今回は新しい何人かの支持者も参
加してくれました。また、今回初めて一昨年の大晦日にJALの合理化で不当にも突然クビ切り
にあったパイロットや客室乗務員で裁判闘争をしている原告団を代表して、二人の方が参加して
くれました。JAL争議はあまり知られていない面がありますが、働く方々がいとも簡単にクビ
をきられた典型的なケースです。クビをきった張本人が、その後、「クビを切らなくてもよかっ
た」と発言して問題にもなっています。裁判の帰趨が注目されています。

 今回の「新春のつどい」は賑やかな集まりになり、よかったと思っています。




     (2005年) 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
         (2006年) 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
         (2007年) 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
         (2008年) 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
         (2009年) 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月


   (2010年1月1日から2011年1月26日までの分は、操作ミスで消去してしまいました。


   ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



     私のマニフェスト  

    
こんな考えで新宿区政に取り組んでいます。

     新宿区議会や地域の会合などで
       日頃から主張している私の考えです。


               2009 年 10 月 1 日  (一部加筆)


 ● 区民に広く開かれた新宿を
  ―――

・「新宿自治基本条例」(新宿区の憲法)を制定し、区政が目指す自治の理念や方向を内外に明らか
 にします。
 (「新宿自治基本条例」は2010年3月までに制定する予定で検討中)
・情報公開の徹底は区政の基本です。意思形成過程の情報を含め基本的には全情報を公開します。
 予算編成過程の情報公開も実現します。
  (予算編成過程の情報公開は部分的には実現)
・区政の透明性を高めるために、職員による内部告発制度や議員の不正な口利きを防止するため、
 働きかけを記録し、区民に公開します。
   (区議会で条例制定。実現)

・区議会議員の「政治倫理条例」を制定します。
  (これも全国に先駆けて区議会で条例を制定)
・住基ネットには反対です。個人情報保護のため住民基本台帳の閲覧制度の見直し、制限します。
 (莫大なカネは掛けていますが、全国的にはほとんど利用されていません。国民からは完全に拒
  否されている制度です。税金の無駄使いです)

・区が事業を行う際には、区役所だけで決めないで、パブリックコメント制度などを活用し、必ず
 区民の声を聞く機会を設けます。
  (新宿区では「パブリックコメント制度」をよく活用しています。新方式の「プラーヌンクス・
    ツェレ」(市民討議会)も検討し、導入を図ります)

・区政への住民参加を保障する「区民参加条例」を制定します。また、新宿区の区政に関わる重要
 な課題は「区民投票」によって決めます。そのための制度をつくります。
  (制定作業中の「新宿自治基本条例」の中で、是非、実現したいもの)

・新宿区が成立した3月15日を「新宿区民の日」にします。
  (「都民の日」はあるのに「新宿区民の日」はありません。おかしい)
・外国人に対して「地方参政権」を付与するように努めます。
  (地域住民として当然のことです)


 ● 安心して住み続けられる新宿を   ―――

・高齢者・年金生活者などに対する区民税の大増税に反対し、老齢者控除などの復活を求めます。
・高額所得者や大企業に対する所得税・住民税・法人税の軽減措置には反対します。
  (所得税の最高税率は、以前は75%、現在は40%です。高額所得者はこの大減税の恩恵を浴
    しています)

・固定資産税や都市計画税の軽減を図ります。
  (部分的には実現)
・住宅困窮者のために、公的住宅の建設や借り上げ住宅、家賃補助対策の拡大を推進します。

・公共の場所、特にJRや地下鉄にエレベーターを設置し、バリアフリー化を促進します。
  (まだ部分的にしか実現していません)
・廃止された「バス路線」の復活に努力します。また、地域巡回バスの実現に努力します。
  (四谷地域では、ミニバス路線を開設するため鋭意検討中。費用の捻出がネックです)
・みどりや木々を守り、地域の広場を増やし、防災・防火対策を強化します。

・新宿区内の建物の高さを制限する施策を支援し、良好な「まちなみ」の保存に努めます。


 ● 暮らしを支える優しい福祉の新宿を  ―――

・典型的な逆進税である消費税率の引き上げは絶対に行うべきではありません。
  (麻生首相、3年後には税率引き上げの可能性を明言)
・「応能主義」の大原則に立った税制改革を推進する立場から、定率減税の復活を求めます。
    (毎
 年の税制改革で、間接税の比重が高まり、「応能主義」は急速に後退しています)

・選挙目当ての「定額給付金」には反対です。こんなバラマキは財政政策的には全くの愚策です。
 (以前、「地域振興券」を配布しましたが、予想通り財政的な効果はありませんでした。選挙前
 になると、財政政策に理念を持たない人はこんな目先のことを考えがちになります)
・「後期高齢者医療制度」には反対です。即時、廃止すべきです。また、年中行事のように行われ
 ているな年金制度、医療制度の改悪には引き続き反対します。

・保育所の適正配置を進め、待機児の解消に務めます。「幼保一元化」の方向には賛成です。
  (新宿区では、「四谷こども園」が第一番目の施設。次第に拡大。区長は推進の考え)
・障害者が働く福祉作業所の増設や民間施設への助成を充実し、職場の確保に努めます。
  (「勤労者・仕事支援センター」が創設されました。「ふらっと新宿」という障害者の店も拡大
    します。)

・自立を阻害する障害者自立支援法には反対です。生活寮やグループホームの拡充に務めます。
 (この法律は障害者の自立を阻害するものです。全面的な改正が必要)

・特養ホームや短期入所施設などの介護施設の整備を進めます。
  (次第に整備されてきましたが、まだまだ不足。現在、区内の特養ホームは6箇所目と7箇所目
   の施設が建設中)
・「介護制度」は、使いやすいものにするために、保険方式ではなく税金方式を目指します。制度
 を改善し、保険料や利用料の負担の抜本的な軽減を図ります。

・児童手当の拡充を支持すると共に、一人親家庭に対する支援策を充実させます。
  (新宿区は児童手当で先進的な取り組みをしています)
・子どもの医療費無料化を中学校三年生まで拡大します。
  (新宿区も07年10月から実施)

・区内各地区に「公設の葬祭施設」の設置を進めます。
  (四谷地区には未設置。残念です)
・火葬設備のある自治体の住民なみに、低所得者が亡くなった場合には火葬費用を免除するか軽減
 します。
  (本会議質問で取り上げました。実現に向け、努力します)


 ● 教育や文化を大切にする新宿を  ―――

・教育基本法の改悪により、学校現場で「愛国心」の強制が行われることには反対です。
・「国旗掲揚」や「国歌斉唱」の強制にも反対です。
  (いずれも「内心の問題」。強制されるものではありません)

・自治体独自で30人以下学級や教員の増員ができるように制度の改善を図ります。
  (その気になれば、いまでも実現は可能です)
・障害児も地域の学校で普通児と学びあえるように、施設の整備や教職員の増員を図ります。

・学校の通学区域の選択制には、基本的には反対です。必要ならば指定校変更などで対応すべきで
 す。
  (全国的に再検討が進んでいます)
・地域にバランスよく生涯教育施設や地域スポーツ施設を造るために努力します。

・三栄町生涯学習館の廃止には反対します。旧四谷三小跡地の地元活用を進めます。
・地域に根付いている価値のある「伝統」や「風習」の継承に務めます。

・「漱石山房」の復元を主張し、その実現のために努力します。
  (私が呼びかけて、08年12月9日の漱石逝去の日に、全区議会議員で「推進議員連盟」を結
    成しました)
・各地の文化財を大切にし、由緒ある神社・仏閣、横丁や坂道、橋などの由来の周知に務めます。
 (部分的に実現していますが、まだ、不充分です。一例としてあげると、沖田総司終焉の地・斉
 藤茂吉終焉の地の大京町や滝沢馬琴終焉の地の信濃町には何もありません。誰でも知っている著
 名な歴史上の人物なのに~)

・文化芸術振興基本法に基づき、「新宿区文化芸術振興条例」の制定を進めます。
  (検討中です)
・江戸城外濠の保存と復元を目指します。また、濠内にある釣堀など違法な施設の撤去を目指しま
 す。
  (私が議会の質問で取り上げ、マスコミでも報道されました)



 ● 環境を考え自然と共生する新宿を  ―――

・ごみ減量、リサイクルを徹底し、「資源循環型社会」の実現を目指します
・家庭ごみの有料化には絶対反対です。また、廃プラスチックの焼却にも反対します。

・新しい清掃工場の建設は全く必要ありません。既存の工場もごみ減量に合わせて順次廃止すべき
 です。(ごみは大幅に減っているのに、清掃工場の改築はどんどん進んでいます。おかしな事で
 す。私は議会でいつも問題にしています)
・玉川上水を偲ぶ流れの復元を目指します。
  (「新宿御苑分水路」として部分的に実現予定)

・猛毒のダイオキシン規制対策を強化し、地域環境の浄化に務めます。
・肺がんを誘発するアスベストの実態を調査し、「除去」のための支援対策を強化します。


 ● 中小企業の振興で活力ある新宿を  ―――

・各地域・各商店街が行うイベントを支援し、まちおこし事業の活性化を図ります。
  (実行のある施策でなければなりません。)
・新宿区内の「地場産業」の振興に務めます。

・地域の商店街の活性化を図り、購買力を向上させるために、定住人口の確保対策を進めます。
・「地域振興商品券」の制度構築を検討し、実現を図ります。
  (青森県八戸市などで先進的な取り組みが行われ、すばらしい実績をあげています)
・地域の活性化のためにも、自治体としてハローワークと連携し、地域における「雇用対策」の強
 化を目指します。
  (新宿区勤労者・仕事支援センターが創設されました)


 ● 女性参加の促進で男女平等の新宿を  ―――

・パート労働者の組織化を進め、待遇改善や諸権利の擁護に務めます。
・掛け金増額・受給額削減の年金制度改悪に反対です。
  (年金への信頼はがた落ちです)

・女性の社会的な地位の確立のために、年金をはじめとする社会保障・税制などを「世帯単位」か
 ら「個人単位」に移行させます。
  (名実共に自立することが女性の地位の向上には不可欠です)

・夫婦別姓の選択が可能になるように法制度の改正をすすめます。
  (世界の流れです)
・区が設置している審議会や協議会などには女性枠を設け、女性委員を登用します。
  (基本的には一方の性が4割以下にならないような対応が必要)


 ● 憲法や平和を大切にする新宿を  ―――

・憲法の改悪には絶対に反対です。特に憲法前文や第9条の精神や理念は堅持します。
  (平和憲法は日本が世界に誇る「最大の財産」です)
・海外への自衛隊の派兵は憲法違反です。集団的自衛権の行使も違憲です。
  (世界貢献は、軍事面ではなく民生の分野で行う国でありたいもの)

・地方自治体や市民を戦争に巻き込む「国民保護計画」などの「有事法制」は止めさせます。
・新宿区は「非核宣言都市」です。広範な都市の連携を図り、平和を希求し、武器で争うことのな
 い社会を創るため運動の先頭にたち、日本の平和、世界の平和に貢献します。

・「日本非核宣言自治体協議会」と世界的な組織である「平和市長会議」への加盟を求め、平和都
 市の連携を強めます。
  (09年4月にいずれにも加盟しました。大きな第一歩です)

・新宿区の「平和施策推進計画」を作リ、計画的な平和施策推進のために尽力します。
・新宿御苑における迎撃ミサイル実験や配置には反対です。
  (新宿御苑は平和のスペースです)

・靖国神社の公式参拝に反対です。公立の「慰霊施設」を建設すべきです。

・23区の統廃合には反対します。合併は、統治には好都合でも、住民自治には不適切です。
 (いま、東京都は盛んに合併をけしかけています)

・小さくても自立して住民と共に独自の道を選択する自治体を全力で支援します。
  (厳しくても全国には幾つもの町や村が、困難に立ち向かいながらも単独で生き残る道を選択し
    ています)
・国が主導するような「道州制」には反対です。
  (国による支配機構が変わるだけです)


                                      以 上。
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